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明細書 :鉄道沿線監視・表示システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4133510号 (P4133510)
公開番号 特開2004-291935 (P2004-291935A)
登録日 平成20年6月6日(2008.6.6)
発行日 平成20年8月13日(2008.8.13)
公開日 平成16年10月21日(2004.10.21)
発明の名称または考案の名称 鉄道沿線監視・表示システム
国際特許分類 B61L  23/00        (2006.01)
B61L   3/08        (2006.01)
FI B61L 23/00 A
B61L 23/00 E
B61L 3/08
請求項の数または発明の数 5
全頁数 7
出願番号 特願2003-090634 (P2003-090634)
出願日 平成15年3月28日(2003.3.28)
審査請求日 平成17年6月27日(2005.6.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】林 秀一
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】日比谷 洋平
参考文献・文献 特開2000-341175(JP,A)
特開平03-113597(JP,A)
特開2002-042114(JP,A)
特開平04-113797(JP,A)
特開平06-176292(JP,A)
特開平05-011069(JP,A)
特開2004-126650(JP,A)
特開2000-253387(JP,A)
調査した分野 B61L 1/00 - 29/32
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)中央制御装置と、参照画像記憶装置と、記憶装置と、表示装置と、送受信装置とを有する中央監視装置を具備する中央監視所と、
(b)鉄道沿線の監視箇所に設置され、前記監視箇所の映像を取得する映像取得手段と、該映像取得手段からの映像を前記中央監視装置へ送信するとともに、前記中央監視装置からの信号を受信する送受信装置とを具備する鉄道沿線の個別監視装置とを備え、
(c)前記中央監視装置の送受信装置からのポーリングにより、前記個別監視装置からの監視映像を前記中央監視装置へ伝送し、中央監視装置において、前記監視映像を前記表示装置で表示する鉄道沿線監視・表示システムであって、
(d)前記中央監視装置の送受信装置により列車の進行に対応したポーリングを行い、前記鉄道沿線の個別監視装置を順次呼び出して、該個別監視装置の映像取得手段で撮像された前記監視映像を前記鉄道沿線の個別監視装置から前記中央監視装置へと送信し、前記列車の運行直前の鉄道沿線の監視を行うことを特徴とする鉄道沿線監視・表示システム。
【請求項2】
請求項1記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記個別監視装置は、該個別監視装置の映像取得手段により取得した前記監視映像が通常映像と比較して所定閾値を超えた変動を示す異常映像である場合に、該異常映像を自動的に前記中央監視装置に緊急送信することを特徴とする鉄道沿線監視・表示システム。
【請求項3】
請求項記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記個別監視装置の映像取得手段は、前記中央監視装置からの映像の切り換え指令により、更に詳細な映像を提供することを特徴とする鉄道沿線監視・表示システム。
【請求項4】
請求項記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記映像取得手段が、暗闇や煙を透視した映像を提供する装置を具備することを特徴とする鉄道沿線監視・表示システム。
【請求項5】
請求項1記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記個別監視装置は鉄道沿線の全線にわたって監視できるように設置することを特徴とする鉄道沿線監視・表示システム。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道沿線監視・表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道沿線を監視するには、鉄道線路の一部、例えば、踏切などに警報機を配置して鉄道車両通行前に車両や歩行者が進入したことを通知したり、局所的にミラーを配置して鉄道車両の運転士や歩行者が周囲の状況を確認できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような鉄道線路の一部を監視するシステムでは、鉄道車両の運転士などその場所に遭遇する者には状況が把握できるとしても、その鉄道線路の鉄道事業者の中央制御所においては、その沿線の状況の詳細な把握ができないといった問題がある。
【0004】
因みに、韓国(テェーグ・大邱)の地下鉄の火災事件に見られるように、火災現場の状況を的確に中央制御所が把握できていれば、的確な指示や対処がなされ、あのような多くの犠牲者を出さずにすんだと言えなくもない。
【0005】
本発明は、かかる状況に鑑みて、鉄道沿線における状況を的確に把握することができる鉄道沿線監視・表示システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕中央制御装置と、参照画像記憶装置と、記憶装置と、表示装置と、送受信装置とを有する中央監視装置を具備する中央監視所と、鉄道沿線の監視箇所に設置され、前記監視箇所の映像を取得する映像取得手段と、この映像取得手段からの映像を前記中央監視装置へ送信するとともに、前記中央監視装置からの信号を受信する送受信装置とを具備する鉄道沿線の個別監視装置とを備え、前記中央監視装置の送受信装置からのポーリングにより、前記個別監視装置からの監視映像を前記中央監視装置へ伝送し、この中央監視装置において、前記監視映像を前記表示装置で表示する鉄道沿線監視・表示システムであって、前記中央監視装置の送受信装置により列車の進行に対応したポーリングを行い、前記鉄道沿線の個別監視装置を順次呼び出して、この個別監視装置の映像取得手段で撮像された前記監視映像を前記鉄道沿線の個別監視装置から前記中央監視装置へと送信し、前記列車の運行直前の鉄道沿線の監視を行うことを特徴とする。
【0007】
〕上記〔1〕記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記個別監視装置は、この個別監視装置の映像取得手段により取得した前記監視映像が通常映像と比較して所定閾値を超えた変動を示す異常映像である場合に、この異常映像を自動的に前記中央監視装置に緊急送信することを特徴とする。
【0008】
〕上記〔〕記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記個別監視装置の映像取得手段は、前記中央監視装置からの映像の切り換え指令により、更に詳細な映像を提供することを特徴とする。
【0009】
〕上記〔〕記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記映像取得手段が、暗闇や煙を透視した映像を提供する装置を具備することを特徴とする。
【0010】
〕上記〔1〕記載の鉄道沿線監視・表示システムにおいて、前記個別監視装置は鉄道沿線の全線にわたって監視できるように設置することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施例を示す鉄道沿線監視・表示システムの模式図、図2はその中央監視装置の構成図、図3はその個別監視装置の構成図である。
【0013】
これらの図において、Aは中央監視所であり、中央監視装置1を具備している。この中央監視装置1は、送受信装置2と、中央制御装置3と、記憶装置4と、参照画像記憶装置5と、表示装置6と、キー入力部7と、警報(アラーム)装置8とを具備している。また、9は駅、21はトンネルを示している。
【0014】
一方、個別監視装置10は、送受信装置11と、中央制御装置12と、記憶装置13と、参照画像記憶装置14と、撮像カメラ15と、映像倍率・機能切り換えスイッチ16、機能増強透視撮像カメラ17とを具備しており、例えば、駅の構内や、鉄橋、陸橋、送電線の近傍、トンネルの出入口などに固定的に配置する。なお、個別監視装置10は、監視する必要がある箇所に配置するのみならず、鉄道沿線の全線にわたって監視できるように配置することが望ましい。したがって、個別監視装置10はかなりの距離を見通せる、例えば、望遠機能が付加された撮像カメラを設置するようにする。それによって、コストを低減しながら、鉄道沿線の全線の監視を行い、列車運行のアシストを行うことができる。
【0015】
したがって、通常は、中央監視装置1の送受信装置2からのポーリングにより、順次個別監視装置10を呼び出して、その個別監視装置10の撮像カメラ15で撮像された近傍の映像を個別監視装置10から中央監視装置1へと送信する。
【0016】
また、場合によっては上記ポーリングを、鉄道車両(図示なし)の進行に応じて行うようにすると、運行直前の鉄道沿線の監視ができるため、安全運行の精度を高めることができる。
【0017】
送信された個別監視装置10の近傍の映像は、中央監視装置1の表示装置6で表示される。その場合、送信されてきた映像は、参照画像記憶装置5に予め記憶されている通常映像と比較対照されて、所定値より変動した異常映像である場合には、監視者にその映像をより注視(喚起)するように表示をする。
【0018】
具体的には、例えば、点滅ランプを併用して映像に監視者の注意を促す。中央監視装置1の監視者がその点滅ランプ併用の映像を更に詳細に監視する必要があると認めた場合には、中央監視装置1から個別監視装置10へと指令を送信して、映像倍率・機能切り換えスイッチ16を動作させて、その近傍の映像の倍率を変えたり、場合によっては、撮像カメラ15を暗闇や煙を透視する機能増強透視(暗視)撮像カメラ17に切り換えて、現場の状況を明らかにした透視映像を中央監視装置1へと送信させるようにすることができる。
【0019】
このように構成することにより、車両の進行に対応して、鉄道沿線の監視を確実に行うことができ、沿線の異常時には中央監視所で的確に状況を把握することで、車両の運転士にその情報及び指示をタイムリーに提供することができ、沿線各所の信号装置と相まって車両の運転士の運転のアシストを行い、安全運行を、車両と中央監視所とが協働して行うことができる。
【0020】
図4は本発明にかかるトンネルの通常映像と異常映像を示す図であり、図4(a)はトンネルの通常映像を示す図、図4(b)はトンネルが一部崩落した異常映像を示す図である。
【0021】
図4において、トンネル21内をトンネルの入口に固定された個別監視装置10で監視しており、通常映像は、図4(a)に示すように、何ら異常がない映像が送られているが、図4(b)に示すように、トンネルの一部に崩落箇所22が見られるような異常映像が中央監視装置1に送信されると、中央監視所Aの監視者はその状況を更に詳細な映像で確認して、鉄道車両の運転士に連絡し、鉄道車両の運転士はその区間を徐行運転するなどの措置をとることができる。更に、そのトンネルの崩落箇所22の保線区の係員による精密検査などを実施することができる。
【0022】
また、上記したポーリング方式に代えて、個別監視装置10が予め参照画像記憶装置14に記憶された通常映像と撮像カメラ15の映像とを比較対照し、所定の閾値を越えた異常映像である場合は、これを検知して、自動的に個別監視装置10の送受信装置11から緊急の警報信号及び異常映像を送信して、それを中央監視装置1で受信することにより、中央監視装置1の表示装置6に異常映像を表示するとともに警報(アラーム)装置8を作動させて、監視者への注意を喚起することができる。
【0023】
なお、ポーリング方式による通信に緊急時の通信を挿入する方式としては、例えば、特公平5-73093号などの方式を採用するようにしてもよい。
【0024】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0025】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0026】
(A)個別監視装置から送信される映像により、車両の進行に対応して、中央監視所も鉄道沿線の状況を確実に把握することができ、沿線の異常時には鉄道車両の運転士へタイムリーにその情報及び指示を提供することにより、安全運転のアシストを行うことができる。すなわち、車両と中央監視所とが協働して、鉄道車両の安全運行に資することができる。
【0027】
(B)中央監視所からの指令により、個別監視装置は近傍の更に詳細な映像情報を中央監視所へ送信することができ、より確実なる監視を行うことができる。
【0028】
(C)個別映像装置が異常映像を捕らえた緊急な場合は、ポーリング方式によらず、中央制御装置に警報信号を自動的に送信して、中央監視装置の警報装置を作動させて、注意を喚起することができる。
【0029】
(D)現地まで行かなくても、異常箇所を速やかに特定でき、乗務員や乗客への情報の提供、案内等に活用できる。
【0030】
(E)鉄道沿線の設備の状況が分かり、保全の参考とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す鉄道沿線監視・表示システムの模式図である。
【図2】 本発明の実施例を示す中央監視装置の構成図である。
【図3】 本発明の実施例を示す個別監視装置の構成図である。
【図4】 本発明にかかるトンネルの通常映像と異常映像を示す図である。
【符号の説明】
A 中央監視所
1 中央監視装置
2,11 送受信装置
3,12 中央制御装置
4,13 記憶装置
5,14 参照画像記憶装置
6 表示装置
7 キー入力部
8 警報(アラーム)装置
9 駅
10 個別監視装置
15 撮像カメラ
16 映像倍率・機能切り換えスイッチ
17 機能増強透視撮像カメラ
21 トンネル
22 崩落箇所
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3