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明細書 :車両用電気二重層コンデンサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4263518号 (P4263518)
公開番号 特開2004-303905 (P2004-303905A)
登録日 平成21年2月20日(2009.2.20)
発行日 平成21年5月13日(2009.5.13)
公開日 平成16年10月28日(2004.10.28)
発明の名称または考案の名称 車両用電気二重層コンデンサ
国際特許分類 H01G   9/155       (2006.01)
FI H01G 9/00 301J
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2003-094132 (P2003-094132)
出願日 平成15年3月31日(2003.3.31)
審査請求日 平成17年7月22日(2005.7.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000134257
【氏名又は名称】NECトーキン株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】大北 芳彰
【氏名】山本 裕康
【氏名】川口 清
個別代理人の代理人 【識別番号】100077838、【弁理士】、【氏名又は名称】池田 憲保
【識別番号】100082924、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 修一
【識別番号】100101959、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 格介
審査官 【審査官】田中 晃洋
参考文献・文献 特開2002-280265(JP,A)
特開平05-095243(JP,A)
特開平09-330851(JP,A)
国際公開第00/079635(WO,A1)
特開平06-183844(JP,A)
特開平08-311651(JP,A)
特開2002-206059(JP,A)
特開2001-196265(JP,A)
特開2000-216068(JP,A)
特開平10-280065(JP,A)
調査した分野 H01G 9/155
特許請求の範囲 【請求項1】
活性炭素を含む電極と、希硫酸溶液を含む電解質とを基本セル内に備え、前記単セルの一つ又は複数を積層したものを、外装板及び外装箱を備えた外装部内に封入した、車両に搭載される車両用電気二重層コンデンサにおいて、
前記外装部は、アルミニウム-セラミックス系傾斜機能材からなり、
前記外装部は長方体形状を有し、前記外装板底面には、一体構造の取り付け部を複数備え、
前記電極と前記外装部は、電気的に絶縁されていること特徴とする車両用電気二重層コンデンサ。
【請求項2】
請求項1記載の車両用電気二重層コンデンサにおいて、前記取り付け部は、千鳥状または凹凸状に分散して配置され、前記外装部の一面にリード端子を配置したことを特徴とする車両用電気二重層コンデンサ。
【請求項3】
請求項1記載の車両用電気二重層コンデンサにおいて、
前記外装部内に基本単セルを複数個積層して封入し、各単セル間は電気的な直列接続とし、前記外装部1個あたりの出力電圧が直流15Vから直流60Vの範囲内とし、前記外装部1個あたりの静電容量が1Fから100Fの範囲としたことを特徴とする車両用電気二重層コンデンサ。
【請求項4】
請求項1記載の車両用電気二重層コンデンサにおいて、
前記外装部1個あたりの電圧と充電状況を表示する手段として、前記外装部の一端面にLED表示部を配置したことを特徴とする車両用電気二重層コンデンサ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末活性炭電極に希硫酸水溶液を使用した車両用電気二重層コンデンサ(電気二重層キャパシタ)において、コンデンサ基本単セルを複数個直列接続し、その外装部が金属-セラミックス傾斜機能材料を用いた下部外装部品一体構造の装置取り付け部を持ち、装置取り付けを容易にし、耐振動性を保つために取り付け部と別の電極を構成する電極板と外装に蓄電量を表示する機構を持つ車両用電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用に使用されてきた電気二重層コンデンサは、図5及び図6に示される構造をしていた。図5は従来技術による電気二重層コンデンサを固定金具とともに示す斜視図、図6は図5の電気二重層コンデンサの単セルを示す断面図である。図7は図5の電気二重層コンデンサの断面図である。
【0003】
図5に示すように、車両用の電気二重層コンデンサは、丸型コンデンサ50を固定部品51によって取り付けることで、構成されていた。固定部品51は、両端部に外方に突出した締結部53を備えた略リング形状を有している。このリングの下端のリングの周を3等分する位置に、外側に突出した装置取り付け部52を有している。丸形コンデンサ50の外周面にコンデンサ固定部品を装着後、固定螺子で締結し、装置を取り付け部を介して所望する部位に取り付けられる。
【0004】
図6を参照すると、丸型コンデンサの基本単位セル55は、活性炭からなる一対の電極に硫酸水溶液からなる電解液をそれぞれ染み込ませ、セパレータを介してこの一対の電極を対向させ、両端を導電性焦電体59で挟み込み、周囲を封止用ゴム56で封止してなる。
【0005】
図7を参照すると、丸形コンデンサの基本セルを厚み方向に重ね合わせて、底部に金属板を配置した絶縁ケース63内に収容して、さらに,その底部に、金属板を配置し、一端が開口した缶ケースをかぶせて、開口側の縁部を内側に折り曲げて、金属板の脱落を防止している。また、それぞれの金属板には、棒状のリードが設けられ、プラス側のリードは絶縁ケースの底部に設けられた貫通孔を貫通するとともに、貫通穴部の外側周囲には、ボス部によって、マイナス側の金属板との接触を防止されて、外方に延在して、プラス側リード端子を構成している。一方、底面に露出したプラスの金属板からも、リードが引き出され、マイナス側リード端子が形成されている。
【0006】
このような従来技術による電気二重層コンデンサを車両用に使用する場合は高耐圧が必要とされる。この場合、直列接続が有利な水溶液系電気二重層コンデンサが望ましい。ただし、図6に示されるように上下から加圧する構造が必要である。
【0007】
また、従来技術による電気二重層コンデンサとしては、特許文献1及び2に示されるものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開2000-3838号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002-050552号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1による電気二重層コンデンサの構造では、有機系電解液を用いているために、耐圧に問題があり、また、特許文献2に示される電気二重層コンデンサの構造では、電極の固定構造がないために、耐振性に問題があり、このままでは、従来の電気二重層コンデンサは、車両用への使用に耐えられなかった。
【0011】
ところで、車両用に使用される場合、特に問題とされるのは、耐環境性、具体的には(イ)移動時の振動、(ロ)過酷な温度変化、(ハ)ゴミ汚れ等による汚染が問題となっていた。
【0012】
そこで、本発明の技術的課題は、車両用に用いられる電気二重層コンデンサにおいて、耐振性、使用温度範囲の拡大、高耐圧化のための積層枚数の増大と加圧力の強化、高耐圧化による感電事故防止、ゴミ汚れ等の混入の防止、内部発熱の放熱対策が施された電気二重層コンデンサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、電極が活性炭粉末で、電解質が希硫酸水溶液を使用し外装部に金属-セラミックス傾斜機能材料を用いた構造で、好ましくは、更に,外装の上面にはキャパシタ内の充放電量を表示するLED表示部を有し、下部外装板と一体化した取り付け部と別に設けた電極取り出し部、その下部外装板と一体化した取り付け部が複数からなり、これらの取り付け部は上下左右の何れか千鳥形および凹凸に配置した構成を備えている。
【0014】
また、本発明の電気二重層コンデンサの内部構造は、コンデンサ基本単セルを複数個直列に接続し、それを一体構造として組み込み、電圧をDC15V~60V,静電容量を1F~100Fの間で一個の単体とした構成である。
【0015】
また、耐振性の向上のためにはリード端子と固定を共用させた物では信頼性を得られないために、本発明では下部外装板と一体化した装置取り付け部を設け、リード端子は別個に設けた。
【0016】
また、車両用に用いる上での上記(ロ)に示した問題点である使用温度範囲の拡大については、本発明では、一般的に使用されている有機系電解液ではなく、広範囲の使用温度範囲で使用可能な水系電解液を使用しているのでこの問題は生じない。
【0017】
また、本発明では、ゴミ汚れの完全防止と加圧強化ために肉厚の金属ケースを用いている。
【0018】
通常の電気二重層コンデンサにおいては、車両用に用いるため高耐圧、大容量化になるため内部発熱が大きくなる。しかしながら、従来の構造では、金属ケースの内外をプラスティックで絶縁されていた。この構造では、放熱が不十分であり問題であった。
【0019】
そこで、本発明では、金属ケースの内外を金属(アルミニュウム)-セラミックスの傾斜機能材料を用いてこの問題を解決したものである。
【0020】
即ち、本発明によれば、活性炭素を含む電極と、希硫酸溶液を含む電解質とを基本セル内に備え、前記単セルの一つ又は複数を積層したものを、外装板及び外装箱を備えた外装部内に封入した、車両に搭載される車両用電気二重層コンデンサにおいて前記外装部は、アルミニウム-セラミックス系傾斜機能材からなり、前記外装部は長方体形状を有し、前記外装板底面には、一体構造の取り付け部を複数備え、前記電極と前記外装部は、電気的に絶縁されていること特徴とする車両用電気二重層コンデンサが得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記車両用電気二重層コンデンサにおいて、前記取り付け部は、千鳥状または凹凸状に分散して配置され、前記外装部の一面にリード端子を配置したことを特徴とする車両用電気二重層コンデンサが得られる。
【0022】
また、本発明によれば、前記車両用電気二重層コンデンサにおいて、前記外装部内に基本的な単セルを複数個積層して封入し、各単セル間は電気的な直列接続とし、前記外装部1個あたりの出力電圧が直流15Vから直流60Vの範囲内とし、前記外装部1個あたりの静電容量が1Fから100Fの範囲としたことを特徴とする車両用電気二重層コンデンサが得られる。
【0023】
また、本発明によれば、前記車両用電気二重層コンデンサにおいて、前記外装部1個あたりの電圧と充電状況を表示する手段として、前記外装部の一端面にLED表示部を配置したことを特徴とする車両用電気二重層コンデンサが得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1及び図2は本発明の実施の形態による車両用電気二重層キャパシタを示す図で、図1は断面図、図2(a)は平面図、図2(b)は一部切欠き正面断面図である。また、図3は電気二重層コンデンサの角形コンデンサ基本単セルを示す図である。
【0027】
図1から図3を参照すると、電気二重層コンデンサのコンデンサ基本単セル5は、電極18として粉末活性炭と希硫酸を用い、この電極18間にセパレータ17を挟むようにし、+-電極18間のショートを防止している。更に、この両電極の背面に導電性集電体19を配置し、電圧が印加できる構造で直列接続数を増やす角形形状にしている。また、電極18を構成する活性炭には希硫酸(水系電解液)を含浸させ、セパレータ17を電解液中のイオンが自由に行き来出来る構造としている。そして、電解液の封口と導電性材料の絶縁のため封止用ゴム16を電極18の側面に配置し、構成されている。
【0028】
ここで、本発明において、金属-セラミック傾斜機能材料とは、特に、アルミニュウム-セラミック系傾斜機能材料とは、構成成分としてアルミニウム成分とセラミック成分とを備え、その形状が箱型の場合、外側が内側と対比してアルミニュウム成分又はセラミック成分が多く、組成がいわゆる傾斜している材料を呼び,また、その形状が板材においては、内部が表面と対比して組成がアルミニウム又はセラミック成分が多く内部に向かって組成が傾斜している材料を呼ぶ。
【0029】
このうちで,アルミニュウム/セラミック系傾斜機能材は、表面強度の大幅な向上、表面剥離防止、放熱性向上(但し遠赤外線での放射率)、摺動性向上、耐摩耗性向上、電気絶縁性向上、耐候性・耐塩害の向上という利点を備えている。
【0030】
図1に示すように、車両用電気二重層コンデンサ10は、外装部に金属-セラミックス傾斜機能材料を用いた上部外装板1と、傾斜機能材料を用いたコンデンサ外装箱4,傾斜機能材料を用いた下部外装板一体の装置取り付け部7に絶縁板2を介し、別に設けたマイナス電極3とプラス電極6間に二枚以上直列接続されたコンデンサ基本単セル5を納めた構成を有している。
【0031】
車両用電気二重層コンデンサ10は、傾斜機能材料を用いた下部外装板7一体の装置取り付け部7(同符号)により装置取り付け固定部品を必要とせず耐振動性を確保した使用環境温度-40~85℃の電極18が活性炭粉末で、電解質が希硫酸水溶液を使用した角形の電気二重層コンデンサである。この電気二重層コンデンサの寸法特性は、縦72mm×横148mm×高さ84mm、電気特性は電圧24Vで容量5Fであった。
【0032】
図2(a)に最も良く示されるように、電気二重層コンデンサは、傾斜機能材料を用いた上部外装板1と傾斜機能材料を用いたコンデンサ外装箱4,傾斜機能材料を用いた下部外装板一体の装置取り付け部7に絶縁板2を介したマイナス電極3とプラス電極6間に二枚以上直列接続されたコンデンサ基本単セル4を納めた電気二重層コンデンサを作成し、さらに,傾斜機能材料を用いた上部外装板1又は、コンデンサ外装箱4に蓄電量を表示する機構(インジゲータ)LED11を設けた構成を有している。
【0033】
図4(a)~(c)は、複数の本発明の車両用電気二重層コンデンサの固定配置方法をそれぞれ示す平面図である。
【0034】
図4(a)は、車両用電気二重層コンデンサ10aにおいて、下部外装板の取り付け部7aが、長さ方向前後に互いに違いとなる側に突出した形状を備えているときの取り付け例を示している。
【0035】
また、図4(b)は、車両用電気二重層コンデンサ10bにおいて、下部外装板の取り付け部7bが、長さ方向の一端中央部に1、他端は両側に一対設けられた形状を備えているときの取り付け例を示している。
【0036】
また、図4(c)は図4(b)の車両用電気二重層コンデンサ10bの下部外装板の取り付け部の両側に互いに前後になるように更に、取り付け部7cが設けられた形状を備えている車両用電気二重層コンデンサ10cの取り付け例を示している。
【0037】
以上説明したように、本発明の実施の形態においては、使用環境温度-40~85℃の電極が活性炭粉末で、電解質が希硫酸水溶液コンデンサ基本単セルを使用して、取り付け固定部品なしで装置取り付けができ耐振動性を確保し、傾斜機能材料を用いた外装に蓄電量を表示する機構を有する車両用電気二重層コンデンサを提供することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、車両用に用いられる電気二重層コンデンサにおいて、耐振性、使用温度範囲の拡大、高耐圧化のための積層枚数の増大と加圧力の強化、高耐圧化による感電事故防止、ゴミ汚れ等の混入の防止、内部発熱の放熱対策が施された電気二重層コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る外装部に金属-セラミックス傾斜機能材料を用い装置取り付け部を一体形成した大型高耐圧車両用電気二重層コンデンサの断面図である。
【図2】(a)は図1の車両用電気二重層コンデンサの平面図である。
(b)は(a)の車両用電気二重層コンデンサの一部切欠き正面断面図である。
【図3】図1及び図2の車両用電気二重層コンデンサの基本単セル構造の断面図である。
【図4】(a),(b),及び(c)は本発明に係る車載用電気二重層コンデンサの取り付けの種々の例を示す平面図である。
【図5】従来技術による装置取り付け部品を必要とする電気二重層コンデンサと取り付け部品の図である。
【図6】従来技術による電気二重層コンデンサ基本単セル構造の断面図である。
【図7】図6の基本単セル構造を用いた電気二重層コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1 上部外装板(金属-セラミックス傾斜機能材料)
2 絶縁板
3 マイナス電極
3a マイナス電極板取り出し部(リード端子)
4 コンデンサ外装箱(金属-セラミックス傾斜機能材料)
5 角形コンデンサ基本単セル
6 プラス電極
6a プラス電極板取り出し部(リード端子)
7,7a,7b,7c 下部外装板(装置取り付け部)(金属-セラミックス傾斜機能材料)
10,10a,10b,10c 車両用電気二重層コンデンサ
11 LED
12 固定ネジ
16 封止用ゴム
17 セパレータ
18 電極(粉末活性炭+希硫酸)
19 導電性集電体
50 コンデンサ
51 コンデンサ固定部品
52 装置取り付け部
54 コンデンサ固定ねじ
55 コンデンサ基本単セル
56 封止用ゴム
57 セパレータ
58 電極(粉末活性炭+希硫酸)
59 缶ケース(肉薄)
61 外装チューブ
64 プラスリード端子
65 マイナスリード端子
63 絶縁ケース
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6