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明細書 :継手装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4469557号 (P4469557)
公開番号 特開2004-312934 (P2004-312934A)
登録日 平成22年3月5日(2010.3.5)
発行日 平成22年5月26日(2010.5.26)
公開日 平成16年11月4日(2004.11.4)
発明の名称または考案の名称 継手装置
国際特許分類 H02G  15/08        (2006.01)
H02G   1/14        (2006.01)
FI H02G 15/08 L
H02G 1/14 A
請求項の数または発明の数 1
全頁数 9
出願番号 特願2003-105554 (P2003-105554)
出願日 平成15年4月9日(2003.4.9)
審判番号 不服 2008-017850(P2008-017850/J1)
審査請求日 平成17年8月25日(2005.8.25)
審判請求日 平成20年7月11日(2008.7.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000139872
【氏名又は名称】株式会社井上製作所
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000002842
【氏名又は名称】株式会社高岳製作所
【識別番号】000108580
【氏名又は名称】タカオカ化成工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】間島 博行
【氏名】柏本 光章
【氏名】鈴木 正夫
【氏名】村井 敏昭
【氏名】饗庭 雅之
【氏名】高橋 紀之
【氏名】岡田 重紀
【氏名】野田 武司
個別代理人の代理人 【識別番号】100094536、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 隆二
【識別番号】100109243、【弁理士】、【氏名又は名称】元井 成幸
参考文献・文献 特開平10-169357(JP,A)
特開平8-109990(JP,A)
特開2001-116270(JP,A)
特開平8-144384(JP,A)
調査した分野 H02G15/08
H02G 1/14
特許請求の範囲 【請求項1】
互いに接続すべき筒状体または棒状体(3,9)の端部外周面に、それぞれ一対のリング状の突部(32,33)、(92,93)を形成すると共に、その各突部間に凹溝(31,91)を形成し、その両凹溝(31,91)に係合する内向きの突部(21,22)を軸線方向両端部に有する一対の半円弧状の連結金具(20,20)を、上記筒状体または棒状体(3,9)の端部外周に円状に配置すると共に、その両連結金具(20,20)を保持するバンド体(25)を上記両連結金具(20,20)の外周に設け、上記連結金具(20,20)の一方の突部(22)に上記筒状体または棒状体(3,9)を挿入する際のガイド面となるテーパ状の面取り部(22a)を設けると共に、上記一方の突部(22)の半径方向の高さは円周方向の両端部に行くに従って漸次低く形成され、上記一方の突部(22)の円周方向の両端部における内周面を、上記連結金具(20,20)の内向きの突部(21,22)間に挿入される上記筒状体または棒状体(3,9)の突部(92)の外径と略同径もしくはやや大きめに形成したことを特徴とする継手装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCVケーブル等のケーブル接続部におけるケーブル取付金具と絶縁体圧縮金具とを接続する場合などに用いる継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばCVケーブル等のケーブル接続部においては、ケーブル取付金具と絶縁体圧縮金具とを、リング状のナットを用いて接続するのが一般的である。図8は従来のケーブル接続部の一例を示す縦断面図、図9はその一部の拡大図であり、図において、1はエポキシ樹脂等よりなる絶縁体で、該絶縁体1の内方には中心導体2が埋設され、上記絶縁体1の端部には、略筒状のケーブル取付金具3が、その一部を上記絶縁体1内に埋設することによって該絶縁体1と一体的に設けられている。
【0003】
一方、上記中心導体2に導電接続すべきCVケーブル4の端部は、いわゆる段剥ぎされ、その先端部に露出した導体4aには、上記中心導体2に挿入嵌合される端子金具5がかしめ固着等によって取付けられている。またケーブル絶縁体4bの周囲には、絶縁ゴム6aと半導電性ゴム6bとからなるプレモールド絶縁体6と、そのプレモールド絶縁体6を前記絶縁体1の凹部1aのテーパ面1bおよびケーブル絶縁体4bの外周面に圧接させるための押圧金具7とが設けられている。
【0004】
また上記CVケーブル4の周囲には、略筒状の接続金具(圧縮金具)9と、その接続金具9を前記取付金具3に連結固定するためのリングナット10とが設けられ、上記接続金具9とケーブル4との間には、両者間の隙間から雨水等が浸入するのを防ぐために防水テープ8等が巻回されている。上記リングナット10は、上記接続金具9の突部9bに当接係合すると共に、該接続金具9の外周に回動可能に配置され、そのリングナット10を上記取付金具3の外周面に設けた雄ねじ3aに螺合することによって、上記接続金具9を取付金具3に連結接続する構成である。
【0005】
さらに上記の略筒状の接続金具9と前記押圧金具7との間には、周方向に複数個の圧縮コイルばね11が設けられ、その各コイルばね11は、接続金具9の先端部9aにねじ込み固着したガイドピン12によって位置決め保持されている。図中、13はCVケーブル4の遮蔽軟銅線4cと接続金具9とを導電接続する接地線である。
【0006】
上記のように構成されたCVケーブル4を絶縁体1側の中心導体2に導電接続するに当たっては、図10のようにケーブル4に上記各部材5~10を組み付けた状態で、それらを絶縁体1側に押し込む。すると、先ずケーブル4の先端部に設けた端子金具5が中心導体2に挿入嵌合されると共に、プレモールド絶縁体6および押圧金具7が絶縁体1の凹部1a内に進入する。
【0007】
次いで、接続金具9の外周に設けたリングナット10を、取付金具3の雄ねじ3aに螺合するもので、それによって、上記接続金具9が取付金具3に連結接続されると共に、接続金具9と押圧金具7との間に介在させた圧縮コイルばね11によって押圧金具7を介してプレモールド絶縁体6が絶縁体1のテーパ面1bおよびケーブル絶縁体4bに圧接され、そのプレモールド絶縁体6とテーパ面1bおよびケーブル絶縁体4bとが所定の圧力で密着する構成である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにケーブル取付金具3と接続金具9とを、リングナット10で接続する際には、該リングナット10を工具等で回動しなければならないので狭い場所での作業が困難であり、また図示例のように筒状の接続金具9と前記押圧金具7との間に周方向に多数の圧縮コイルばね11を介在させるものにあっては、それらのばね11が周方向によじれないように圧縮しながら、ケーブル取付金具3と接続金具9とをリングナット10で接続しなければならない。そのため接続作業に多大な労力と時間を要し、非能率的である等の問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、上記のような取付金具3や接続金具9等の筒状体もしくは棒状体を容易・迅速に接続することのできる継手装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明による継手装置は、以下の構成としたものである。即ち、互いに接続すべき筒状体または棒状体(3,9)の端部外周面に、それぞれ一対のリング状の突部(32,33)、(92,93)を形成すると共に、その各突部間に凹溝(31,91)を形成し、その両凹溝(31,91)に係合する内向きの突部(21,22)を軸線方向両端部に有する一対の半円弧状の連結金具(20,20)を、上記筒状体または棒状体(3,9)の端部外周に円状に配置すると共に、その両連結金具(20,20)を保持するバンド体(25)を上記両連結金具(20,20)の外周に設け、上記連結金具(20,20)の一方の突部(22)に上記筒状体または棒状体(3,9)を挿入する際のガイド面となるテーパ状の面取り部(22a)を設けると共に、上記一方の突部(22)の半径方向の高さは円周方向の両端部に行くに従って漸次低く形成され、上記一方の突部(22)の円周方向の両端部における内周面を、上記連結金具(20,20)の内向きの突部(21,22)間に挿入される上記筒状体または棒状体(3,9)の突部(92)の外径と略同径もしくはやや大きめに形成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をCVケーブルのケーブル接続部に適用した場合を例にして図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明による継手装置を適用したケーブル接続部の縦断面図、図2はその一部の拡大図、図3(a)は内部機構等を省略した要部の拡大図、同図(b)はその分解図であり、前記従来例と同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0013】
本実施形態は、ケーブル接続部における筒状体としてのケーブル取付金具3と接続金具9とを、一対の略半円弧状の連結金具20・20と、その両連結金具を保持するバンド体25とで接続したものである。
【0014】
その両連結金具20・20は、図3および図4に示すように軸線方向に所定の幅Wを有する半円弧状の金属鋼材等で形成され、その幅方向両端部内面側には、それぞれケーブル取付金具3および接続金具9の外周面に形成したリング状の凹溝31、91に嵌合する内向きのリング状の突部21、22が形成されている。
【0015】
その両突部21・22間には、上記取付金具3と接続金具9とに形成したリング状の突部32、92がほぼ丁度嵌る程度の略半円弧状の凹部23が形成され、その凹部23の半径方向深さは、上記突部32、92の半径方向高さと同等もしくはそれよりもやや深く形成されている。また上記凹部23の軸線方向の幅は、上記両突部32、92の軸線方向の幅を加えた長さと同等もしくはそれよりもやや大きく形成され、上記凹部の底面(上記突部21・22間の各連結金具20の内面)は、上記突部32、92の外径と略同径もしくはやや大きめに形成されている。また上記突部92には、該突部92を上記凹部23内に挿入する際のガイド面となるテーパ状の面取り部92aが設けられている。さらに上記両突部21・22の外側には上記突部32、92よりも高い突部33、93が上記取付金具3と接続金具9とに設けられ、その両突部33・93間に上記連結金具20およびバンド体23が位置するように構成されている。
【0016】
また前記突部21、22の一方の突部21、本実施形態においてはケーブル取付金具3の凹溝31に嵌合する突部21は、周方向全長にわたって略一定の断面矩形状に形成され、その突部21の軸線方向の幅および半径方向の高さは、上記凹溝31の軸線方向の幅および半径方向の高さとほぼ同等もしくはそれらよりも僅かに小さく形成されている。また他方の突部22、本実施形態においては接続金具9の凹溝91に嵌合する突部22の長手方向中央部(半円弧状連結金具20の周方向中央部)における軸線方向の幅および半径方向の高さは、上記凹溝91の軸線方向の幅および高さとほぼ同等もしくはそれらよりも僅かに小さく形成されている。
【0017】
さらに上記突部22の外側の側面と内周面との間には、前記接続金具9の突部92を挿入する際のガイド面となるテーパ状の面取り部22aを設けると共に、上記突部22の内周面は、前記接続金具9の突部92の外径と略同径もしくはやや大きめに形成されている。その結果、上記突部22の半径方向の高さは、図4(c)に示すように半円弧状連結金具20の両端部に行くに従って漸次低くなるように構成されている。
【0018】
また前記バンド体25は、本実施形態においては図5に示すように欠円形のばね板が用いられ、そのバンド体25の軸線方向の幅は、上記連結金具20の軸線方向の幅と同等もしくはそれよりもやや狭く形成されている。また上記欠円形バンド体25の自由状態での内径は、上記両連結金具20を前記取付金具3および接続金具9に嵌めたときの該連結金具20の外径よりも小さく形成され、その状態で両連結金具20の外周面に嵌めたとき、各連結金具20が常時半径方向内方に締め付けられるように構成されている。
【0019】
上記の構成において、CVケーブル4を絶縁体1側の中心導体2に導電接続するに当たっては、予め図6および図7(a)に示すように両連結金具20・20の内向き突部21をケーブル取付金具3の凹溝31に嵌合すると共に、上記両連結金具20・20の外周面にバンド体25を嵌めて両連結金具20・20を取付金具3の端部に保持させる。またケーブル4には前記従来例と同様に各部材5~10を組み付けた状態で、それらを絶縁体1側に押し込む。すると、ケーブル4の先端部に設けた端子金具5が中心導体2に挿入嵌合されると共に、プレモールド絶縁体6および押圧金具7が絶縁体1の凹部1a内に挿入される。
【0020】
それと同時に、接続金具9の先端部9aがケーブル取付金具3の内方に進入した後、該接続金具9の前記突部92が上記両連結金具20・20の内方に向かって前進する。その際、上記突部92は、該突部92および各連結金具20の内向き突部22に形成したテーパ状の面取り部92a、22aによってバンド体25の締め付け力に抗して両連結金具20・20を外方に押し開きながら上記突部22の内方に進入する。又その際、上記突部22の内周面は、上記突部92の外径と略同径もしくはやや大きめに形成されているので、上記突部92が特に上記突部22の両端部に引っ掛かることなくスムースに進入させることができる。
【0021】
そして更に接続金具9が取付金具3に向かって前進すると、上記突部92が各連結金具20の前記凹部23内に進入すると同時に、前記バンド体25によって常時内方に締め付けられている各連結金具20の突部22が、接続金具9の凹溝91に嵌合する。それによって、上記接続金具9と取付金具3とを容易に接続することができるものである。なお、その際、上記接続金具9と押圧金具7との間に介在させた圧縮コイルばね11によってプレモールド絶縁体6が絶縁体1およびケーブル絶縁体4bに所定の圧力で密着することは前記従来例の場合と同様である。
【0022】
上記のように本発明においては、接続金具9をケーブル4とともに取付金具3および絶縁体1に向かって前進させるだけで接続金具9と取付金具3とを容易・迅速に接続することができる。また接続した後は、たとえ取付金具3と接続金具9とが互いに離間する方向の力が作用しても、連結金具20の突部21、22の側面と、取付金具3および接続金具9の凹溝31、91の側面とが比較的広い面で接触するので不用意に離脱することなく、長期間安定性よく且つ確実に連結状態を維持させることができる。また図示例のように接続状態において圧縮コイルばね11等によって取付金具3と接続金具9とが互いに離間する方向に付勢されているものにあっては、上記突部21、22の側面と、凹溝31、91の側面とが常時圧接してガタツキを防止することができる。
【0023】
また上記取付金具3と接続金具9との接続を解除するには、バンド体25を外して連結金具20を半径方向外方に離脱させればよく、上記のように圧縮コイルばね11等によって取付金具3と接続金具9とが互いに離間する方向に付勢されているものにあっては、バンド体25を外した後、取付金具3と接続金具9とを互いに接近する方向に引き寄せれば連結金具20を容易に離脱させることができるものである。
【0024】
なお上記実施形態は、接続金具9を両連結金具20の内方に挿入する際のガイド面となるテーパ状の面取り部を、連結金具20の突部22と、接続金具9の突部92の両方に設けたが、いずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。また上記取付金具3と接続金具9とは、それら端部、図示例においては取付金具3と接続金具9の突部32、92を突き合わせた後、それらの外周に両連結金具20・20を被せると共に、それらの外周にバンド体25を嵌めて連結するようにしてもよい。その場合には、上記の面取り部を省略することができる。
【0025】
またバンド体25としては、図示例のような欠円形のばね板に限らず、例えばゴムバンド等を用いてもよく、また両連結金具20・20の外周に嵌めたとき、各連結金具20の突部21、22と、取付金具3および接続金具9の凹溝31、91との係合状態を維持できる構成であれば、必ずしも前述のように各連結金具20を半径方向内方に締め付ける力を有さないものであってもよい。
【0026】
さらに図示例のケーブル接続部においては、接続金具9を、蛇腹状の防水カバー14と防水テープ8および固定バンド15とでケーブル4に取付けた構成であるが、その接続金具9のケーブル4に対する取付構造は適宜であり、また図示例のようなケーブル接続部に限らず、他の各種のケーブル接続部にも適用できる。さらに本発明はケーブル接続部以外にも適用可能であり、例えば管やパイプ等の筒状体や各種の軸等の棒状体を接続する場合などにも適用できる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明による継手装置は、互いに接続すべき筒状体または棒状体の端部外周面に、それぞれ凹溝を形成し、その各凹溝に係合する内向きの突部を軸線方向両端部に有する一対の半円弧状の連結金具を、上記の互いに接続すべき筒状体または棒状体の端部外周に配置すると共に、その両連結金具を保持するバンド体を上記両連結金具の外周に設けるだけの極めて簡単な構成によって、筒状体や棒状体を容易・迅速に且つ確実に接続できるもので、信頼性および耐久性のよい継手装置を安価に提供できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による継手装置を適用したケーブル接続部の縦断面図。
【図2】上記ケーブル接続部の一部の拡大図。
【図3】(a)は上記ケーブル接続部の内部機構等を省略した要部の拡大図。
(b)はその分解図。
【図4】(a)は連結金具の縦断正面図。
(b)はその側面図。
(c)は(a)におけるc-c線断面図。
【図5】(a)はバンド体の正面図。
(b)はその側面図。
【図6】上記ケーブル接続部を接続する状態の縦断面図。
【図7】(a)は上記ケーブル接続部を接続する状態の要部の拡大縦断面図。
(b)は接続した状態の同上図。
【図8】従来のケーブル接続部の縦断面図。
【図9】上記ケーブル接続部の一部の拡大図。
【図10】上記ケーブル接続部を接続する状態の縦断面図。
【符号の説明】
1 絶縁体
2 中心導体
3 ケーブル取付金具
4 ケーブル
5 端子金具
6 プレモールド絶縁体
7 押圧金具
8 防水テープ
9 接続金具
11 圧縮コイルばね
12 ガイドピン
20 連結金具
21、22 突部
23 凹部
25 バンド体
31、91 凹溝
32、33、92、93 突部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9