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明細書 :摩擦緩和材の収容装置及び摩擦緩和装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4291088号 (P4291088)
公開番号 特開2005-075042 (P2005-075042A)
登録日 平成21年4月10日(2009.4.10)
発行日 平成21年7月8日(2009.7.8)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
発明の名称または考案の名称 摩擦緩和材の収容装置及び摩擦緩和装置
国際特許分類 B61K   3/02        (2006.01)
C10M 103/02        (2006.01)
C10M 125/02        (2006.01)
C10M 125/10        (2006.01)
B61C  15/10        (2006.01)
C10N  10/16        (2006.01)
C10N  40/00        (2006.01)
FI B61K 3/02
C10M 103/02
C10M 125/02
C10M 125/10
B61C 15/10
C10N 10:16
C10N 40:00 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 14
出願番号 特願2003-305086 (P2003-305086)
出願日 平成15年8月28日(2003.8.28)
審査請求日 平成17年11月25日(2005.11.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】伴 巧
【氏名】石田 誠
【氏名】大野 薫
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】西中村 健一
参考文献・文献 特開平10-273047(JP,A)
特開2000-142402(JP,A)
特開平11-028507(JP,A)
特開昭56-043060(JP,A)
国際公開第02/026919(WO,A2)
特表2004-509225(JP,A)
特開2001-151104(JP,A)
国際公開第01/068432(WO,A1)
調査した分野 B61K 3/00-02
B61C 15/08-10
F16C 15/02
C10M 101/00-177/00

特許請求の範囲 【請求項1】
急曲線を通過するときにレールと車輪との間に乾燥状態で噴射されて、これらの間の摩擦抵抗を緩和させる摩擦緩和材を収容する摩擦緩和材の収容装置であって、
前記摩擦緩和材は、カーボン系材料を主成分とする粒子であり、前記摩擦抵抗を緩和させる物質に酸化鉄及び黒鉛を含み、
前記摩擦緩和材が振動によって擦れ合って微粉が発生したときに、粒径が所定値よりも小さい前記摩擦緩和材の微粉を排除する排除手段を備えること、
を特徴とする摩擦緩和材の収容装置。
【請求項2】
請求項に記載の摩擦緩和材の収容装置において、
前記摩擦緩和材を収容する上側収容部と、
前記微粉を収容する下側収容部とを備え、
前記排除手段は、前記上側収容部と前記下側収容部との間に配置され、前記上側収容部内から前記下側収容部内に前記微粉を通過させて排除するメッシュ部を備えること、
を特徴とする摩擦緩和材の収容装置。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載の摩擦緩和材の収容装置において、
前記排除手段は、請求項1又は請求項2に記載の摩擦緩和材の微粉を排除すること、
を特徴とする摩擦緩和材の収容装置。
【請求項4】
急曲線を通過するときにレールと車輪との間に乾燥状態で噴射されて、これらの間の摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和装置であって、
前記摩擦抵抗を緩和させる摩擦緩和材を収容する緩和材収容部と、
前記レールと前記車輪との間に前記摩擦緩和材を供給するために、前記緩和材収容部からこの摩擦緩和材を乾燥状態で送出する緩和材送出経路と、
前記摩擦抵抗を増加させる増粘着材を収容する粘着材収容部と、
前記レールと前記車輪との間に前記増粘着材を供給するために、前記粘着材収容部からこの増粘着材を送出する粘着材送出経路と、
前記摩擦緩和材を供給するときには前記緩和材送出経路を開放して前記粘着材送出経路を閉鎖し、前記増粘着材を供給するときには前記粘着材送出経路を開放して前記緩和材送出経路を閉鎖する送出経路切替部と、
前記緩和材送出経路と前記粘着材送出経路とが合流する管路から送出される前記摩擦緩和材又は前記増粘着材を前記レールと前記車輪との間に噴射する噴射口とを備え
前記緩和材収容部は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩擦緩和材の収容装置を備えること、
特徴とする摩擦緩和装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、レールと車輪との間の摩擦抵抗を緩和させる摩擦緩和材とその収容装置、及びレールと車輪との間の摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両は、急曲線を通過するときに曲線通過性能に応じた横圧を伴って走行し、この横圧は曲線の内軌及び外軌のきしり音(摩擦音)の原因になるとともに、内軌側のレールの踏面に発生する波状磨耗の原因にもなる。このような過大な横圧や波状磨耗を低減するために、車輪とレールとの間の粘着力を低下させる摩擦調整剤を内軌側のレールの頭頂面又は車輪の踏面に塗布している。従来の摩擦調整剤は、二硫化モリブデンなどの固体潤滑材と、炭酸カルシウムやケイ酸マグネシウムなどの摩擦調整材と、ナトリウムモンモリロナイトなどの結合材などを水媒体中に含む(例えば、特許文献1参照)。このような従来の摩擦調整剤は、液体状で速乾性がありレールの頭頂面に付着すると時間の経過とともに乾燥し、後続の列車がこの急曲線を通過するときに発生する横圧を低減させる。また、従来の摩擦調整剤の噴射装置は、摩擦調整剤を収容するタンクと、このタンクからレールの頭頂面に摩擦調整剤を噴射する噴射装置と、急曲線を検出する検出装置と、この検出装置の検出結果に基づいて噴射装置を動作させる制御装置とを備えている(例えば、特許文献2参照)。このような従来の摩擦調整剤の噴射装置は、列車の後尾車両に設置されており、列車が急曲線を通過するときにこの列車の後尾車両から内軌側のレールの頭頂面に摩擦緩和剤を噴射している。
【0003】

【特許文献1】特表2001-501994号公報(第14頁第3行目~第16頁第11行目)
【0004】

【特許文献2】特開2001-151110号公報(段落番号0022~0030及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の摩擦調整剤は、固体潤滑材などを水媒体中に含む速乾性の液体であるためレールの頭頂面に塗布されてから乾燥するまで待つ必要があり、乾燥前に後続の列車が通過すると頭頂面に付着した水によって摩擦係数が小さくなりすぎてしまう問題があった。また、従来の摩擦調整剤は、固体潤滑材として高価な二硫化モリブデンを使用しているためコストが高くなってしまう問題があった。
【0006】
従来の摩擦調整剤の噴射装置は、速乾性で液状の摩擦調整剤を噴射するため噴射ノズル内で摩擦調整剤が乾燥すると噴射ノズル内が詰まってしまうおそれがある。また、従来の摩擦調整剤の噴射装置は、比較的硬度の高い摩擦調整材をタンク内に収容しているが、比較的硬度の小さい摩擦調整材をタンク内に収容した場合には列車の振動などによって摩擦調整剤が擦れ合いタンク内で砕ける可能性がある。その結果、摩擦調整剤が粉状になり噴射ノズル内で詰まったり品質にばらつきが生じたりしてしまうおそれがある。
【0007】
この発明の課題は、安価な材料によってレールと車輪との間の摩擦抵抗を緩和することができるとともに、品質を安定化させることができる摩擦緩和材の収容装置及び摩擦緩和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、急曲線を通過するときにレール(1a)と車輪(4a)との間に乾燥状態で噴射されて、これらの間の摩擦抵抗を緩和させる摩擦緩和材(C1)を収容する摩擦緩和材の収容装置であって、前記摩擦緩和材は、カーボン系材料を主成分とする粒子であり、前記摩擦抵抗を緩和させる物質に酸化鉄及び黒鉛を含み、前記摩擦緩和材が振動によって擦れ合って微粉(C3)が発生したときに、粒径が所定値よりも小さい前記摩擦緩和材の微粉を排除する排除手段(9b)を備えることを特徴とする摩擦緩和材の収容装置(9)である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項に記載の摩擦緩和材の収容装置において、前記摩擦緩和材を収容する上側収容部(9a)と、前記微粉を収容する下側収容部(9c)とを備え、前記排除手段は、前記上側収容部と前記下側収容部との間に配置され、前記上側収容部内から前記下側収容部内に前記微粉を通過させて排除するメッシュ部(9b)を備えることを特徴とする摩擦緩和材の収容装置である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項又は請求項に記載の摩擦緩和材の収容装置において、前記排除手段は、請求項1又は請求項2に記載の摩擦緩和材(C1)の微粉(C3)を排除することを特徴とする摩擦緩和材の収容装置である。
【0013】
請求項4の発明は、急曲線を通過するときにレール(1a)と車輪(4a)との間に乾燥状態で噴射されて、これらの間の摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和装置であって、前記摩擦抵抗を緩和させる摩擦緩和材(C1)を収容する緩和材収容部(9)と、前記レールと前記車輪との間に前記摩擦緩和材を供給するために、前記緩和材収容部からこの摩擦緩和材を乾燥状態で送出する緩和材送出経路(11a)と、前記摩擦抵抗を増加させる増粘着材(C2)を収容する粘着材収容部(10)と、前記レールと前記車輪との間に前記増粘着材を供給するために、前記粘着材収容部からこの増粘着材を送出する粘着材送出経路(11b)と、前記摩擦緩和材を供給するときには前記緩和材送出経路を開放して前記粘着材送出経路を閉鎖し、前記増粘着材を供給するときには前記粘着材送出経路を開放して前記緩和材送出経路を閉鎖する送出経路切替部(13a,13b)と、前記緩和材送出経路と前記粘着材送出経路とが合流する管路(14)から送出される前記摩擦緩和材又は前記増粘着材を前記レールと前記車輪との間に噴射する噴射口(15)とを備え、前記緩和材収容部は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩擦緩和材の収容装置(9)を備えることを特徴とする摩擦緩和装置(5,6)である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、安価な材料によってレールと車輪との間の摩擦抵抗を緩和することができるとともに、品質を安定化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置を備える車両が急曲線を通過するときの車輪とレールとの状態を示す平面図である。図2は、この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置を備える車両が急曲線を通過するときの車輪とレールとの状態を示す正面図であり、図2(A)は内軌側のレールと車輪との接触状態を示す正面図であり、図2(B)は外軌側のレールと車輪との接触状態を示す正面図である。図3は、この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の構成図である。
【0019】
図1に示す線路1は、車両2が走行する通路(軌道)である。線路1は、車輪4a,4bを案内する一対のレール1a,1bなどから構成されており、レール1aは急曲線の内軌でありレール1bは急曲線の外軌である。レール1a,1bは、図2に示すように、車輪2aを直接支持する頭頂面(頭部上面)1cと、この頭頂面1cと連続する内側頭頂面1dとを備えている。図3に示すように、レール1a,1bと車輪4a,4bとの接触点Sには垂直力W及び接線力Fが作用し、垂直力Wに対する接線力Fの比例係数(接線力係数(トラクション係数))F/Wが摩擦係数であり、この摩擦係数の最大値が粘着係数である。
【0020】
図1に示す車両2は、電車や気動車などの鉄道車両である。車両2は、図1に示す車体3と、台車4と、摩擦緩和装置5,6と、図3に示す曲線検出部16と、速度検出部17と、空転滑走検出部18と、制御装置19などを備えている。車体3は、乗客を積載し輸送するための構造物である。台車4は、車体3を支持して走行する装置であり、一対のレール1a,1bとそれぞれ回転接触する一対の車輪4a,4bと、車体3の上側心皿と回転自在に連結される下側心皿4eなどを備えている。車輪4a,4bは、図2に示すように、レール1a,1bの頭頂面1cと接触して摩擦抵抗を受ける踏面4cと、鉄道車両が急曲線を通過するときに外軌側のレール1bの内側頭頂面1dと接触して摩擦抵抗を受けるフランジ面4dとを備えている。
【0021】
摩擦緩和装置5,6は、レール1a,1bと車輪4a,4bとの間の摩擦抵抗を緩和する装置である。摩擦緩和装置5,6は、図1及び図3に示すように、車両2が急曲線を通過するときに内軌側のレール1aと車輪4aとの間に摩擦緩和材(摩擦安定材)C1を噴射してこれらの間の摩擦抵抗を緩和させるとともに、レール1a,1bと車輪4a,4bとの間に増粘着材C2を噴射してこれらの間の摩擦抵抗を増加させる摩擦調整装置としても機能する。摩擦緩和装置5,6は、先頭の車両2の進行方向前側の台車4の前方に車輪4a,4bとそれぞれ対応して設置されている。摩擦緩和装置5,6は、いずれも同一構造であり、以下ではレール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和装置5側について説明する。摩擦緩和装置5は、図3に示すように、気体噴射部7と、管路8a~8cと、収容装置9,10と、管路11a,11bと、管路12a,12bと、ピンチ弁13a,13bと、管路14と、噴射口15などを備えている。
【0022】
気体噴射部7は、気体を噴射する装置であり圧縮空気などの圧縮気体を管路8a内に噴射する。管路8a~8cは、圧縮気体を供給するゴムホース製の配管であり、管路8aは上流側が気体噴射部7に接続されており下流側が分岐してそれぞれ管路8b,8cに接続されている。管路8bは、収容装置9に圧縮気体を供給する配管であり、管路8cは収容装置10に圧縮気体を供給する配管である。
【0023】
図4は、この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の摩擦緩和材の収容装置の縦断面図である。
収容装置9は、レール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を緩和する摩擦緩和材C1を収容する装置である。収容装置9は、例えば、カーボン系材料を主成分とする摩擦緩和材C1を収容する。収容装置9は、図4に示す上側収容部9aと、メッシュ部9bと、下側収容部9cと、管路9dと、オリフィス9eと、噴射孔9fと、吸引管路9gと、図3に示す電磁弁9hとを備えている。
【0024】
図4に示す上側収容部9aは、摩擦緩和材C1を収容する容器であり、この上側収容部9aの底部にはホッパ状のメッシュ部9bが形成されている。メッシュ部9bは、粒径が所定値よりも小さい摩擦緩和材C1の微粉C3を排除する部分であり、メッシュ部9bには下側収容部9c側に突出した凹部9iと、この凹部9iに向かって傾斜する傾斜部9jとが形成されている。メッシュ部9bは、上側収容部9aと下側収容部9cとの間に配置されており、上側収容部9aから下側収容部9cに摩擦緩和材C1の微粉C3を通過させ排除する。メッシュ部9bの目数は、摩擦緩和材C1がカーボン系材料を主成分とするときには、粒径が0.3mm以下の微粉C3を通過可能な大きさであることが好ましい。下側収容部9cは、摩擦緩和材C1の微粉C3を収容する容器であり、上側収容部9a内の摩擦緩和材C1のうちメッシュ部9bを通過して落下してくる微粉C3を受け止め回収する。
【0025】
管路9dは、下側収容部9c及び凹部9iを貫通して圧縮気体が流れる配管であり、上流側が管路8bに接続されており下流側が管路11aに接続されている。管路9dには、オリフィス9eと噴射孔9fとが形成されている。オリフィス9eは、管路9d内を流れる圧縮気体を上流側から下流側に向かって噴出させる貫通孔であり、上流側と下流側との間に圧力差を生じさせる。噴射孔9fは、管路9d内を流れる圧縮気体の一部を上側収容部9a内に噴出させる貫通孔であり、管路9dのオリフィス9eの下流側(高圧側)に形成されている。吸引管路9gは、上側収容部9a内の摩擦緩和材C1を吸引して管路9dに排出する配管である。吸引管路9gは、一方の端部が上側収容部9a内に開口しており、他方の端部が噴射孔9fよりも下流側で管路9dに接続されている。図3に示す電磁弁9hは、管路9dを開閉する開閉弁でありオリフィス9eの上流側に設置されており、制御装置19が出力する開閉信号に基づいて管路9dを開閉する。
【0026】
図5は、この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の増粘着材の収容装置の縦断面図である。
図5に示す収容装置10は、レール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を増加させる増粘着材C2を収容する装置である。収容装置10は、例えば、摩擦係数(粘着係数)を増加させる機能を有するセラミックス粒子又は珪砂などからなる増粘着材C2を収容する。収容装置10は、図4に示す収容装置9に近似した構造であり、図5に示すように収容装置9側の部分に対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。図5に示す収容部10aは、増粘着材C2を収容する容器である。管路10dは、収容部10aを貫通して圧縮気体が流れる配管であり、管路10dの上流側は管路8cに接続されており管路10dの下流側は管路11bに接続されている。噴射孔10fは、管路10d内を流れる圧縮気体の一部を収容部10a内に噴出させる貫通孔である。電磁弁10hは、管路10dを開閉する開閉弁でありオリフィス10eの上流側に設置されており、制御装置19が出力する開閉信号に基づいて管路10dを開閉する。電磁弁9h,10hは、いずれか一方が開状態であるときには他方が閉状態になる。
【0027】
図3に示す管路11aは、レール1aと車輪4aとの間に摩擦緩和材C1を供給するために、収容装置9から摩擦緩和材C1を送出するゴムホース製の配管である。管路11aは、下流側が管路11bと合流して管路14に接続されており、摩擦緩和材C1を圧縮気体とともに送出するゴムホース製の配管である。管路11bは、レール1aと車輪4aとの間に増粘着材C2を供給するために、収容装置10から増粘着材C2を送出する配管である。管路11bは、下流側が管路11aと合流して管路14に接続されており、増粘着材C2を圧縮気体とともに供給する。管路12aは、電磁弁9hが管路9dを開放したときにこの管路9d内を流れる圧縮気体の圧力をピンチ弁13bに加える管路であり、管路12bは電磁弁10hが管路10dを開放したときにこの管路10d内を流れる圧縮気体の圧力をピンチ弁13aに加える管路である。
【0028】
ピンチ弁13a,13bは、摩擦緩和材C1を供給するときには管路11aを開放して管路11bを閉鎖し、増粘着材C2を供給するときには管路11bを開放して管路11aを閉鎖する開閉弁である。ピンチ弁13aは、管路11aを開閉しピンチ弁13bは管路11bを開閉する。ピンチ弁13a,13bは、管路12a,12b内の圧縮気体の圧力に応じて可撓性を有するゴムホース製の管路11a,11bを締め付けて閉鎖する。ピンチ弁13a,13bは、電磁弁9h,10hが管路9d,10dを開放したときには、管路12a,12b内が高圧になるため管路11a,11bを締め付ける締付力が増加し管路11a,11bを閉鎖する。一方、ピンチ弁13a,13bは、電磁弁9h,10hが管路9d,10dを閉鎖したときには、管路12a,12b内が低圧になるため管路11a,11bを締め付ける締付力が低下し、ゴムホースの弾性力によって管路11a,11bを開放する。管路14は、摩擦緩和材C1又は増粘着材C2を圧縮気体とともに噴射するゴムホース製の配管である。噴射口15は、レール1aと車輪4aとの間に摩擦緩和材C1又は増粘着材C2を噴射する噴射ノズルであり、接触点Sの直前の踏面4cに向けて摩擦緩和材C1又は増粘着材C2を噴射する。
【0029】
曲線検出部16は、車両2が通過する曲線を検出する装置である。曲線検出部16は、例えば、走行地点情報を記憶する地上側タグを車上側検知部によって検知して車両2の走行距離とこの走行地点情報とに基づいて急曲線とその方向を検出したり、図1に示すように台車4が下側心皿4eを中心として回転する回転角θを近接スイッチや加速度センサなどによって検知したりして急曲線とその方向を検出する。速度検出部17は、車両2の速度を検出する装置であり、車輪4a,4bの回転によって発生するパルス信号に基づいて車両2の速度を検出する速度発電機などである。空転滑走検出部18は、車両2の空転及び滑走を検出する装置である。空転滑走検出部18は、例えば、速度検出部17の検出結果に基づいて、力行(駆動)時に車輪4a,4bがレール1a,1b上を滑る車輪4a,4bの空転や、ブレーキ時に車輪4a,4bがレール1a,1b上を滑る車輪4a,4bの滑走を検出する。
【0030】
制御装置19は、曲線検出部16、速度検出部17及び空転滑走検出部18の検出結果に基づいて摩擦緩和装置5,6を制御する装置である。制御装置19は、曲線検出部16の検出結果に基づいて回転角θが所定角度を超えており左右いずれの方向の急曲線を車両2が通過していると判断したときには、気体噴射部7を動作させるとともに電磁弁9h,10hを開閉させる。制御装置19は、例えば、車両2が5~60km/hの範囲内であるようなときには曲線半径にかかわらず摩擦緩和装置5を動作させて摩擦緩和材C1を噴射させるが、車両2が60km/hを超えるようなときには曲線半径にかかわらず摩擦緩和装置5を動作させない。また、制御装置19は、曲線検出部16の検出結果や空転滑走検出部18の検出結果に基づいて、気体噴射部7を動作させるとともに電磁弁9h,10hを開閉させる。
【0031】
次に、この発明の実施形態に係る摩擦緩和材について説明する。
図4に示す摩擦緩和材C1は、レール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を緩和させる材料であり、摩擦係数を略一定範囲内に低減する摩擦安定材として機能する。摩擦緩和材C1は、摩擦抵抗を緩和させる物質としてカーボン系材料を主成分とするものであり、このカーボン系材料以外に酸化鉄(マグネタイト)及び/又は黒鉛(グラファイト)を含むことが好ましい。摩擦緩和材C1には、例えば、トロリ線との摺動部に取り付けられたパンタグラフのカーボン系すり板や、脱臭剤などに使用される活性炭などのように、カーボン(炭素)を主原料とするものを再使用することができる。
【0032】
次に、この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の動作を説明する。
(急曲線通過時)
以下では、図1に示すように、左方向の急曲線を車両2が通過する場合を例に挙げて説明する。曲線検出部16が急曲線とその方向を検出すると、この曲線検出部16の検出結果に基づいて制御装置19が摩擦緩和装置5を動作させる。図3に示す制御装置19が気体噴射部7を動作させると気体噴射部7が圧縮気体を管路8aに供給するとともに、制御装置19が電磁弁9hを開放させ電磁弁10hを閉鎖させる。その結果、圧縮気体が管路8aから管路8bに流入するとともに、図4に示す管路9dに圧縮気体が流入してオリフィス9eを通過する。オリフィス9eを通過した高圧の圧縮気体が管路9dを流れると、上側収容部9a内に開口する吸引管路9gが管路9dに接続されているため、この上側収容部9a内が負圧になる。同時に、オリフィス9eを通過した高圧の圧縮気体が噴射孔9fから上側収容部9a内に流入するため、上側収容部9a内の摩擦緩和材C1が吸引管路9gから吸引され、圧縮気体とともに図3に示す管路11aに流入する。
【0033】
電磁弁9hが管路9dを開放しているため、圧縮気体による圧力を受けて管路12a内が高圧になり管路11bをピンチ弁13bが閉鎖する。一方、電磁弁10hが管路10dを閉鎖しているため、圧縮気体による圧力が管路12b内には加わらず管路11aをピンチ弁13aが開放する。その結果、摩擦緩和材C1が圧縮気体とともに管路11aから管路14に流入して噴射口15から噴射する。噴射口15から摩擦緩和材C1が噴射すると、接触点Sの直前の踏面4cに摩擦緩和材C1が噴射されて、急曲線の内軌側のレール1aと車輪4aとの間で摩擦緩和材C1が踏み付けられる。このため、図1及び図2(A)に示すレール1aの頭頂面1cと車輪4aの踏面4cとの間の摩擦抵抗が緩和されて、レール1aと車輪4aとの間に発生する横圧Qが低減される。その結果、図2(B)に示すレール1bの内側頭頂面1dと車輪4bのフランジ面4dとの間の摩擦抵抗が低減されてこれらの磨耗が防止される。なお、レール1aと車輪4aとの間で踏み付けられた摩擦緩和材C1がこれらに残存することが期待できるため、摩擦抵抗の緩和効果がある程度持続される。
【0034】
(摩擦緩和材の収容装置の動作)
摩擦緩和材C1がカーボン系材料を主成分とするときには、車両2の振動などによって図4に示す上側収容部9a内で摩擦緩和材C1が擦れ合い粒子の角部が摩滅して微粉C3が発生する。メッシュ部9bの目数は所定の大きさに設定されているため、粒径が所定値よりも大きい摩擦緩和材C1の粒子はメッシュ部9bを通過することができず上側収容部9a内に残存する。一方、粒径が所定値よりも小さい摩擦緩和材C1の微粉C3はメッシュ部9bを通過して下側収容部9c内に落下し、上側収容部9a内から排除されて下側収容部9c内に回収される。
【0035】
(空転滑走時)
図3に示す空転滑走検出部18が空転又は滑走を検出すると、制御装置19が気体噴射部7を動作させて気体噴射部7が圧縮気体を管路8aに供給するとともに、制御装置19が電磁弁9hを閉鎖させ電磁弁10hを開放させる。その結果、圧縮気体が管路8aから管路8cを通過して図5に示す管路10dに流入しオリフィス10eを通過する。オリフィス10eを通過した高圧の圧縮気体が噴射孔10fから収容部10a内に流入すると、収容部10a内の増粘着材C2が吸引管路10gから吸引され、圧縮気体とともに図3に示す管路11bに流入する。
【0036】
電磁弁9hが管路9dを閉鎖しているため管路11bをピンチ弁13bが開放し、電磁弁10hが管路10dを開放しているため管路11aをピンチ弁13aが閉鎖する。このため、増粘着材C2が圧縮気体とともに管路11bから管路14に流入して、接触点Sの直前の踏面4cに増粘着材C2が噴射口15から噴射され、レール1aと車輪4aとの間で増粘着材C2が踏み付けられる。その結果、図2に示すレール1aの頭頂面1cと車輪4aの踏面4cとの間の摩擦抵抗が増加されて、レール1aと車輪4aとの間に発生する巨視的な滑りである空転や滑走が防止される。
【0037】
この発明の実施形態に係る摩擦緩和材には、以下に記載する効果がある。
(1) この実施形態では、レール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を緩和させる物質がカーボン系材料を主成分とする。その結果、従来の摩擦調整剤のように高価な二硫化モリブデンなどを摩擦調整材として使用する必要がないため、安価な材料によってレール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を緩和することができる。また、使用済みのカーボン系すり板や活性炭などを摩擦緩和材C1として再利用することができるためコストの低減化を図ることができる。
【0038】
(2) この実施形態では、摩擦抵抗を緩和させる物質に酸化鉄及び/又は黒鉛を含むことが好ましい。このため、レール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗をカーボン系材料によって緩和することができるとともに、酸化鉄及び/又は黒鉛によってレール1aと車輪4aとの間の摩擦係数を安定化させることができる。
【0039】
この発明の実施形態に係る摩擦緩和材の収容装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、粒径が所定値よりも小さい摩擦緩和材C1の微粉C3を排除するメッシュ部9bを収容装置9が備える。このため、車両2の振動などによって摩擦緩和材C1が擦れ合って角部が摩滅し微粉C3が発生したときに、この微粉C3を排除することができる。その結果、摩擦緩和材C1の品質を安定化させることができるとともに、管路11a,14や噴射口15に微粉C3が詰まるのを可能な限り防止することができる。
【0040】
(2) この実施形態では、摩擦緩和材C1を収容する上側収容部9aと、微粉C3を収容する下側収容部9cとの間に、上側収容部9a内から下側収容部9c内に微粉C3を通過させて排除するメッシュ部9bを備える。その結果、粒径が所定値よりも大きい摩擦緩和材C1の粒子を上側収容部9a内に残留させて、粒径が所定値よりも小さい微粉C3を下側収容部9c内に落下させて排出させることができる。
【0041】
この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、摩擦抵抗を緩和させる摩擦緩和材C1を収容装置9が収容し、レール1aと車輪4aとの間に摩擦緩和材C1を供給するために収容装置9から摩擦緩和材C1を乾燥状態で管路11aが送出する。その結果、従来の摩擦調整剤の噴射装置のような速乾性で液状の摩擦調整剤を噴射する場合とは異なり、摩擦緩和材C1が乾燥状態で供給されるため管路11a,14や噴射口15で摩擦緩和材C1が詰まるのを防止することができる。また、従来の摩擦調整剤の噴射装置とは異なり、乾燥状態の摩擦緩和材C1を供給するため、レール1aの頭頂面1cに塗布してから乾燥するまで待つ必要がなく、後続の列車からではなく摩擦緩和材C1を噴射している列車から摩擦緩和の効果を得ることができる。
【0042】
(2) この実施形態では、摩擦抵抗を増加させる増粘着材C2を収容装置10が収容し、レール1aと車輪4aとの間に増粘着材C2を供給するために収容装置10から増粘着材C2を管路11bが送出する。その結果、レール1aと車輪4aとの間の摩擦抵抗を増加させて空転や滑走を可能な限り防止することができる。また、この実施形態では、摩擦緩和材C1を供給するときにはピンチ弁13aが管路11aを開放してピンチ弁13bが管路11bを閉鎖し、増粘着材C2を供給するときにはピンチ弁13bが管路11bを開放してピンチ弁13aが管路11aを閉鎖する。その結果、車両2の走行状況に応じて摩擦緩和材C1の使用と増粘着材C2の使用とを切り替えることができる。
【実施例】
【0043】
次に、この発明の実施例について説明する。
【0044】
【表1】
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【0045】
表1は、実施例1及び比較例1~3の潤滑剤の性状及び塗布量を示す表である。実施例1は、固体潤滑材などを低揮発性溶媒に分散させたもので外観はグリースと同様であり、安価なカーボン系材料が潤滑成分である。比較例1,2は、ともにグリース状であるが、比較例1は国産品であり、比較例2は環境保全を考慮した海外製品である。比較例3は、二硫化モリブデンなどの固体潤滑材などを揮発性溶媒に分散させた輸入品であり外観はグリースと同様である。実施例1は、塗布直後からの使用が可能であり徐々に溶媒が蒸発し固化することを特徴としているが、比較例3は塗布後溶媒が完全に蒸発し固化した後に使用することを原則としている。
【0046】
実施例1及び比較例1~3の潤滑剤の粘着力特性を2円筒転がり接触試験機を用いて評価した。2円筒転がり接触試験機は、種々の車輪/レール接触問題を探求するために製作された基礎試験機であり、車輪ディスク/レールディスク間に発生するトラクション(接線力)を高精度に測定することができる。2円筒転がり接触試験機は、材質が実物と同一である車輪ディスクとレールディスクとを所定の荷重を加えて加圧接触させた状態で車輪ディスクを回転させ、この車輪ディスクに作用するトルクをトルク計によって測定する。先ず、車輪ディスク及びレールディスクを#80のサンドペーパーによって表面仕上げし、試験開始前に両ディスクの接触部をなじませる目的と軸受の温度を適当な温度にするために、乾燥状態で5分程度の慣らし運転を実施して、自乗平均平方根粗さ(r.m.s)で約1μmの表面粗さを両ディスクに形成した。その後、実施例1及び比較例1~3の潤滑剤をレールディスクの全周にわたり所定量塗布し、車輪ディスク及びレールディスクを接触させて、荷重1kN,周速度5km/hで回転させ両ディスクに均一に潤滑剤を塗布させた。
【0047】
試験条件は、通勤形車両が急曲線を通過する際の走行を想定して周速度40km/h、接触荷重3.5kN、最大ヘルツ接触圧力672MPaとした。粘着力評価試験は、レールディスク及び車輪ディスクの回転速度をロータリエンコーダで検出しながら、永久磁石式の渦電流ブレーキにより負荷トルクを徐々に増加させ、すべりを発生させる方式で実施し、過大なすべり若しくは0.3を超えるトラクション係数が観測された時点で試験を終了した。なお、粘着力評価試験は、1回の塗布に対し繰り返し3回実施し、潤滑効果の持続性についても評価を行った。
【0048】
図6は、トラクション特性の模式図である。
図6に示すトラクション特性は、トラクション係数tとすべり率との関係を表す曲線であり、縦軸がトラクション係数tであり横軸がすべり率である。ここで、トラクション係数tとは、レールに作用する車輪円周の接線方向の力(図3に示す接線力F)を車輪からレールに作用する垂直力(図3に示す垂直力W)で除した値(接線力係数)であり、ブレーキ力や駆動力の伝達の大きさを表し、接線力が最大値となる場合の係数を粘着係数という。また、すべり率とは、車両の走行速度と滑走又は空転車輪の周速度との差を車両の走行速度で除した値である。
【0049】
図6に示す曲線Iは、レールと車輪とが乾燥状態であるときのトラクション特性である。曲線Iでは、図1に示すような急曲線の内軌側のレール1aと車輪4aとの間で滑りが生ずる範囲(図6に示す内軌に生ずるすべりの範囲)内でトラクション係数tが大きくなるため、横圧Qが大きくなりきしり音などが発生してしまう。曲線IIは、通常の油潤滑を使用したときのトラクション特性である。曲線IIでは、急曲線を通過(図6に示す内軌に生ずるすべりの範囲内)しているときには曲線Iに比べてトラクション係数tが小さくなり、レール1aと車輪4aとの間で発生する横圧Qを抑制できる。しかし、車両が加速又は減速してすべり率が大きくなると、トラクション係数tがさらに小さくなり空転や滑走が発生してしまう。曲線IIIは、理想的なトラクション特性であり、急曲線通過時に生ずるすべり率の範囲ではトラクション係数tが小さくなり横圧Qの発生を抑制し、車両の加速又は減速によって空転又は滑走に至る巨視すべりが発生した場合には瞬時に高いトラクション係数tに移行するような潤滑剤が望ましい。
【0050】
図7は、粘着特性評価試験の試験結果を示すグラフであり、図7(A)は実施例1の試験結果であり、図7(B)は比較例1の試験結果であり、図7(C)は比較例2の試験結果であり、図7(D)は比較例3の試験結果である。
図7に示すように、比較例1,2は、微量の塗布にもかかわらず粘着係数(最大トラクション係数)が0.1程度と低く、しかも繰り返し3回目においても潤滑効果に大きな変化が認められないことから持続性に優れていると評価できる。このため、急曲線の内軌側のレールの頭頂面の摩擦を低減し、円滑な曲線通過を実現する反面、すべり率の増加に伴ってトラクション係数が減少することから加速又は減速に際して空転や滑走を誘発する可能性が大きい。
【0051】
比較例3は、粘着係数が0.18(減速度換算値:6.35(km/h)/s)と比較的高く、この値は一般的な水潤滑状態で得られる摩擦係数と同程度であり、すべり率が増加してもトラクション係数tの低下は認められず、粘着上の問題を生ずる可能性は低いと推測される。しかし、繰り返し試験を行うと潤滑効果が早期に消失している。
【0052】
一方、実施例1は、図6に示す理想的なトラクション特性(曲線III)に近似した測定結果であり、粘着力特性及び潤滑効果の持続性がともに良好であるため、急曲線の内軌側のレールの頭頂面の潤滑に適している。このため、レールの頭頂面と車輪の踏面との接触部に噴射することによって横圧を低減し、安全の確保と経費削減に貢献できると考えられる。
【0053】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
例えば、この実施形態では、鉄道用部材として鉄道用車輪及び鉄道用レールを例に挙げて説明したが、接触面と被接触面との間の相対運動によって摩擦抵抗を受ける他の鉄道用部材についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、一つの管路14を通じて噴射口15から摩擦緩和材C1又は増粘着材C2を噴射しているが、管路11a,11bの先端部にそれぞれ噴射口を設けることもできる。さらに、この実施形態では、摩擦緩和装置5,6を車両2側に設置した場合を例に挙げて説明したが地上側に設置して地上側からレール1aと車輪4aとの間に噴射することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置を備える車両が急曲線を通過するときの車輪とレールとの状態を示す平面図である。
【図2】この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置を備える車両が急曲線を通過するときの車輪とレールとの状態を示す正面図であり、(A)は内軌側のレールと車輪との接触状態を示す正面図であり、(B)は外軌側のレールと車輪との接触状態を示す正面図である。
【図3】この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の構成図である。
【図4】この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の摩擦緩和材の収容装置の縦断面図である。
【図5】この発明の実施形態に係る摩擦緩和装置の増粘着材の収容装置の縦断面図である。
【図6】トラクション特性の模式図である。
【図7】粘着特性評価試験の試験結果を示すグラフであり、(A)は実施例1の試験結果であり、(B)は比較例1の試験結果であり、(C)は比較例2の試験結果であり、(D)は比較例3の試験結果である。
【符号の説明】
【0055】
1 線路
1a レール(内軌)
1b レール(外軌)
1c 頭頂面
1d 内側頭頂面
4 台車
4a,4b 車輪
4c 踏面
4d フランジ面
5,6 摩擦緩和装置
9 収容装置(緩和材収容部)
9a 上側収容部
9b メッシュ部(排除手段)
9c 下側収容部
9d 管路
10 収容装置(粘着材収容部)
10a 収容部
10d 管路
11a 管路(緩和材送出経路)
11b 管路(粘着材送出経路)
13a,13b ピンチ弁(送出経路切替部)
15 噴射口
1 摩擦緩和材
2 増粘着材
3 微粉

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6