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明細書 :コンバータの出力・位相制御方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4459602号 (P4459602)
公開番号 特開2005-168254 (P2005-168254A)
登録日 平成22年2月19日(2010.2.19)
発行日 平成22年4月28日(2010.4.28)
公開日 平成17年6月23日(2005.6.23)
発明の名称または考案の名称 コンバータの出力・位相制御方法
国際特許分類 H02M   7/00        (2006.01)
B60M   7/00        (2006.01)
H02M   7/48        (2007.01)
H02J  17/00        (2006.01)
FI H02M 7/00 ZAAZ
B60M 7/00 L
B60M 7/00 X
H02M 7/48 E
H02J 17/00 B
請求項の数または発明の数 2
全頁数 12
出願番号 特願2003-406876 (P2003-406876)
出願日 平成15年12月5日(2003.12.5)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2003年8月26日に東京都八王子市の東京工科大学で開催された社団法人電気学会が主催する「平成15年電気学会産業応用部門大会」において発表
審査請求日 平成18年4月11日(2006.4.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000003115
【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
発明者または考案者 【氏名】村井 敏昭
【氏名】柏木 隆行
【氏名】山本 貴光
【氏名】長谷川 均
【氏名】佐野 孝
【氏名】田中 孝佳
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】松本 泰典
参考文献・文献 特開平11-285257(JP,A)
特開2000-166240(JP,A)
特開2001-190077(JP,A)
調査した分野 H02M 7/00
B60M 7/00
H02M 7/48
H02J 17/00
特許請求の範囲 【請求項1】
超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルの反作用磁界の高調波成分を集電する車上の集電コイルを有する交流側の誘導集電装置と、直流側の車上電源との間に制御系を有する電力制御用コンバータにおいて、該制御系が、前記誘導集電装置から得られる集電電力と出力指令値とが入力される第1の加算器と、該第1の加算器の出力から電力制御比例ゲインを介して得られる出力と前記電力制御比例ゲインと並列に配置される積分部及び電力制御積分ゲインを介して得られる出力とが入力される第2の加算器と、該第2の加算器の出力と該制御系の最小ゲインとが入力される第3の加算器と、該第3の加算器の出力と位相指令値φが入力されて、電力制御用コンバータの等価抵抗RC が出力される電力制御用コンバータの等価抵抗RC 演算部と、電力制御用コンバータの等価抵抗RC と前記位相指令値φが入力され、電力制御用コンバータの等価インダクタンスLC ×ωの値を得るωLC 演算部とを備え、前記車上電源としての直流電力Pに比例する1/K=RC /Z2 (Zは前記交流側の誘導集電装置の集電回路全体のインピーダンス)を直接、直流出力にてPI制御し、出力制御系におけるゲインKと位相指令値φ及び集電回路インピーダンス式から前記等価抵抗Rc 及び前記等価インダクタンスLc を決定し、変動パラメータを予め見込んだ前記等価抵抗Rc により、前記電力制御用コンバータの駆動時の直流電力の変動を低減することを特徴とするコンバータの出力・位相制御方法。
【請求項2】
請求項1記載のコンバータの出力・位相制御方法において、前記等価抵抗Rc
【数1】
JP0004459602B2_000013t.gif
等価インダクタンスLc
ωLc =ωLS +(Rc +RS )tanφであることを特徴とするコンバータの出力・位相制御方法。
ここで、ωは2πf、RS は交流回路の抵抗、LS は交流回路のインダクタンスである。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバータの出力・位相制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は交流電力を直流電力に変換するコンバータに関するもので、交流側の力率を変化させる機能を有する。その例として超電導磁気浮上式鉄道の車上電源として検討されている誘導集電装置について述べる。
従来、超電導磁気浮上式鉄道の車上電源として、地上コイルが作る高調波磁界を利用する誘導集電装置が検討されている(非特許文献1)。この装置は、高調波磁界から誘導電圧を発生する集電コイルと交流電力を直流電力に変換する変換器から構成されるが、集電コイルのリアクタンス分が大きいため、通常の全波整流器等では十分な電力が得られず、力率を1に制御すること(力率1制御)が可能なPWMコンバータを用いている。
【0003】
また、正確な力率1制御を行うために、誘導電圧を検出することなく、瞬時電流から無効電力を補償する方式(瞬時電流制御方式)を提案し、採用している(非特許文献2)。この瞬時電流制御方式では、単純なRC回路の発生電圧と等価になるように、瞬時電流からコンバータ電圧を発生し、集電コイルのリアクタンス電圧降下分を補償する。また、車上へ必要な電力を供給するために、出力制御も同時に行う必要があり、等価的なRC回路のリアクタンス定数にて力率1制御を行いつつ、抵抗定数にて出力制御を実施する。更に、誘導集電装置は、無効電流によって発生する電磁力にて、車両振動を抑制する磁気ダンピングを発生でき、車両の乗り心地向上が期待されている(非特許文献3)。しかし、この場合、車両振動に合わせて、任意の位相に制御する必要があり、やはり等価的なRC回路のリアクタンス定数にて制御するが、この時に出力が変化してしまうので、出力制御系との協調が重要な課題である。
【0004】
本発明では、コンバータの出力制御と位相制御の干渉が少ない制御系を提案し、動作シミュレーション等にてその有用性を示す。

【非特許文献1】村井,長谷川,藤原:「側壁浮上方式における誘導集電の特性改善」,電学論D,117,1,pp.81-90(1997-1)
【非特許文献2】渡邉,上野,竹内,永渕,林,斉藤:「瞬時電流検出による浮上式鉄道車両誘導集電用PWMコンバータ」,電学論D,115,3,pp.348-353(1995-3)
【非特許文献3】藤原,村井,長谷川:「誘導式磁気浮上での集電コイルを利用する磁気ダンピング」,電学論D,119,2,pp.254-259(1999-2)
【非特許文献4】山本,村井,長谷川,塩田,田中,大山:「分散型誘導集電用PWMコンバータ装置の性能向上」,平成12年電気学会産業応用部門大会,pp.467-470(2000-8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、誘導集電用コンバータの基本原理について説明する。
図7は従来の誘導集電装置の基本構成図(非特許文献1)であり、図7(a)はその横断模式図、図7(b)はその図7(a)のA部拡大図である。
この図において、101は車両、102は台車、103はその台車102に設けられる超電導磁石低温容器外槽、104はその超電導磁石低温容器外槽103内に配置される超電導コイル、105はその超電導磁石低温容器外槽103表面に設けられる集電コイル、106は力率改善及び電力制御用コンバータ、107は蓄電池、108は車内負荷、110は軌道、111はその軌道110に配置される地上コイルである。
【0006】
このように、超電導磁気浮上式鉄道において、車両101を支持する電磁力は超電導コイル104とその移動によって生じる地上コイル111の反作用磁界の基本波成分との相互作用によって発生するが、誘導集電装置はその地上コイル111の反作用磁界の高調波成分を車上の集電コイル105にて集電するものである。集電コイル105は車両101の進行方向に3相回路を構成し、力率改善及び電力制御用コンバータ(電力変換装置)106及び蓄電池107を介して車内負荷108に接続される。また、集電コイル105は大きなインダクタンスを持つので、力率改善及び電力制御用コンバータ106(PWMコンバータ)を使用して、力率改善を行い、出力を増大する。
【0007】
このような構成で超電導磁気浮上式鉄道の車上電源は、速度350km/h程度までの低速度域を誘導集電装置(105,106)と蓄電池107から、それ以上の高速度域を誘導集電装置(105,106)から給電される。また、高速度域における誘導集電装置(105,106)は蓄電池107も充電する。
ところで、上記誘導集電装置において、集電電力となる集電コイル有効電流による高調波磁界が磁気抗力を発生する一方、その無効電流による高調波磁界は上下力を発生する。そのため、車両振動速度に合わせて力率を変化させ、無効電流を通電すれば、車両振動を抑制する磁気ダンピングを発生することができる。誘導式磁気浮上では磁気ダンピングが小さいことが乗り心地向上の一つの課題であり、磁気ダンピングを行うことで乗り心地向上が期待される。しかし、磁気ダンピングを行うと出力制御に干渉し、出力に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0008】
次に、瞬時電流制御方式の原理(非特許文献2)について説明する。
瞬時電流制御方式の原理を説明するために、1相分のみ取り出した等価回路を図8に示す。ここで集電コイルが発生する誘導電圧e0 、抵抗Rs 、インダクタンスLs 、角周波数ωであり、コンバータの等価回路における抵抗Rc 、コンデンサC(インダクタンスLc )とする。図8に示すように、瞬時電流制御方式は、単純なRC回路が発生する電圧と等価になるように、コンバータ電圧を発生し、例えば、瞬時電流値から集電コイルのリアクタンス電圧降下分を補償するコンデンサ電圧を発生すれば、力率1制御が達成される。
【0009】
【数2】
JP0004459602B2_000002t.gif
なお、上記電圧を計算するにあたっては、電流と90度位相の異なる電圧を発生する必要があるが、3相平衡である場合、他相から容易に求められる。例えば、図9に示すように、3相回路におけるu相電流iu の90度遅れ成分-jiu は下式のように表される。
【0010】
【数3】
JP0004459602B2_000003t.gif
以下、同様にして、他相の90度遅れ成分が求められ、最終的に、コンバータが発生する3相電圧は、以下のようになる。なお、実際の3相コンバータでは、iw =-iu -iv として、2相電流にて制御を行っている。
【0011】
【数4】
JP0004459602B2_000004t.gif
また、得られる集電電力Pは、図8の等価回路にて、
【0012】
【数5】
JP0004459602B2_000005t.gif
であり、Pmax は以下のようになる。
【0013】
【数6】
JP0004459602B2_000006t.gif
なお、上記式(7)及び(8)におけるcosφは力率、ηはコンバータの効率を示す。
一方、図8の等価回路にてLc =Ls (cosφ=1)に制御されるとすると、
【0014】
【数7】
JP0004459602B2_000007t.gif
であり、その集電電力Pは、
【0015】
【数8】
JP0004459602B2_000008t.gif
となる。すなわち、コンバータ等価インダクタンスLc にて力率1制御して、コンバータ等価抵抗Rc にて出力制御することができる。なお、上記(7)、(8)、(10)式は単相分であり、3相分とするには3倍すれば良い。
【0016】
次に、出力・位相制御系の検討を行う。
基本的な制御方法(非特許文献4)は以下の通りである。
上記した電力制御用コンバータは、力率1制御を行うため、コンバータ等価インピーダンスを制御定数に与え、等価的にRC回路(1/jωC=-jωLc )として動作する。そのため、出力・位相制御もこの等価インピーダンス定数によって制御するのが容易である。現状、コンバータ等価抵抗Rc (以下、等価抵抗)にて出力、コンバータ等価インダクタンスLc (以下、等価インダクタンス)にて位相を制御することとして、図10に示すように、等価抵抗Rc は実出力Pと出力指令値Pc の差分によるPI制御にて決定し、等価インダクタンスLc は位相指令値φと等価抵抗Rc から集電回路インピーダンス式にて決定する。なお力率1制御を行う場合、φ=0である。
【0017】
一方、ダンピング制御を行うために位相を変化させる場合、出力制御と位相制御間に干渉があり、出力が変動してしまう。その対策の一つとして、車両振動周波数(5Hz程度)にて位相指令値が変化する位相制御系に対して、出力制御系の時定数(周波数)を十分大きく設計する必要がある。
前述したように、超電導リニア用誘導集電を行う場合には、誘導電圧に対してリアクタンス分が大きく、そのまま負荷を取ると電圧降下が大きいため、出力を確保できない。そこで、PWMコンバータで力率を1に制御することで十分な出力を確保するようにしている。その場合、力率1制御として、瞬時電流方式を採用することにより、出力制御が抵抗定数の変更により可能であり、力率を変化させることで、無効電流を流し、車両振動を抑制する磁気ダンピングを可能にする利点を有するが、この磁気ダンピングを行うと出力制御に干渉し、出力に悪い影響を及ぼすといった問題があった。
【0018】
このように、従来の基本方式では力率1の時以外は、出力制御と位相制御が干渉することになる。すなわち、この時の集電電力Pは集電回路全体のインピーダンスをZとすると、次式となる。
【0019】
【数9】
JP0004459602B2_000009t.gif
すなわち、集電電力PはRc /Z2 に比例するが、基本方式では等価抵抗Rc の決定後、位相指令φにて等価インダクタンスLc を決定するため、位相指令値φによってインピーダンスZ、そして集電電力Pが変化する。例えば、位相指令φをπ/4から0に変化させるとき、インピーダンスZは1/21/2 倍、集電電力は2倍となる。
【0020】
本発明は、上記した状況に鑑みて、集電電力に比例する式を用いて直接出力制御することにより、従来のコンバータの出力制御と位相制御の干渉を排除し、良好な出力特性を得ることができるコンバータの出力・位相制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕コンバータの出力・位相制御方法において、超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルの反作用磁界の高調波成分を集電する車上の集電コイルを有する交流側の誘導集電装置と、直流側の車上電源との間に制御系を有する電力制御用コンバータにおいて、この制御系が、前記誘導集電装置から得られる集電電力(P)と出力指令値(PC )とが入力される第1の加算器(1)と、この第1の加算器(1)の出力から電力制御比例ゲイン(Kp )を介して得られる出力と前記電力制御比例ゲイン(Kp )と並列に配置される積分部(2)及び電力制御積分ゲイン(Ki )を介して得られる出力とが入力される第2の加算器(3)と、この第2の加算器(3)の出力とこの制御系の最小ゲイン(4Rs )とが入力される第3の加算器(4)と、この第3の加算器(4)の出力と位相指令値φが入力されて、電力制御用コンバータの等価抵抗RC が出力される電力制御用コンバータの等価抵抗RC 演算部(5)と、電力制御用コンバータの等価抵抗RC と前記位相指令値φが入力され、電力制御用コンバータの等価インダクタンスLC ×ωの値を得るωLC 演算部(6)とを備え、前記車上電源としての直流電力Pに比例する1/K=RC /Z2 (Zは前記交流側の誘導集電装置の集電回路全体のインピーダンス)を直接、直流出力にてPI制御し、出力制御系におけるゲインKと位相指令値φ及び集電回路インピーダンス式から前記等価抵抗Rc 及び前記等価インダクタンスLc を決定し、変動パラメータを予め見込んだ前記等価抵抗Rc により、前記電力制御用コンバータの駆動時の直流電力の変動を低減することを特徴とする。
【0022】
〔2〕上記〔1〕記載のコンバータの出力・位相制御方法において、前記等価抵抗Rc
【0023】
【数10】
JP0004459602B2_000010t.gif
、等価インダクタンスLc
ωLc =ωLS +(Rc +RS )tanφであることを特徴とする。
ここで、ωは2πf、RS は交流回路の抵抗、LS は交流回路のインダクタンスである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、変動パラメータを予め見込んだ等価抵抗Rc 式を演算する方式を採用することにより、コンバータの駆動時の直流電力の変動を極力低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のコンバータの出力・位相制御方法は、超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルの反作用磁界の高調波成分を集電する車上の集電コイルを有する交流側の誘導集電装置と、直流側の車上電源との間に制御系を有する電力制御用コンバータにおいて、この制御系が、前記誘導集電装置から得られる集電電力と出力指令値とが入力される第1の加算器と、この第1の加算器の出力から電力制御比例ゲインを介して得られる出力と前記電力制御比例ゲインと並列に配置される積分部及び電力制御積分ゲインを介して得られる出力とが入力される第2の加算器と、この第2の加算器の出力とこの制御系の最小ゲインとが入力される第3の加算器と、この第3の加算器の出力と位相指令値φが入力されて、電力制御用コンバータの等価抵抗RC が出力される電力制御用コンバータの等価抵抗RC 演算部と、電力制御用コンバータの等価抵抗RC と前記位相指令値φが入力され、電力制御用コンバータの等価インダクタンスLC ×ωの値を得るωLC 演算部とを備え、前記車上電源としての直流電力Pに比例する1/K=RC /Z2 (Zは前記交流側の誘導集電装置の集電回路全体のインピーダンス)を直接、直流出力にてPI制御し、出力制御系におけるゲインKと位相指令値φ及び集電回路インピーダンス式から前記等価抵抗Rc 及び前記等価インダクタンスLc を決定し、変動パラメータを予め見込んだ前記等価抵抗Rc により、前記電力制御用コンバータの駆動時の直流電力の変動を低減するようにする。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す超電導リニア用誘導集電コンバータの出力・位相制御方式の構成図である。
図1において、Pは集電電力、Pc は出力指令値、φは位相指令値、Kp は電力制御比例ゲイン、Ki は電力制御積分ゲイン、Kmin はこの制御系の最小ゲイン(4RS )、1,3,4は加算器、2は積分部、5はRc 演算部、6はωLc 演算部である。
【0027】
ここでは、出力制御と位相制御の干渉を低減するため、Rc /Z2 にて直接、出力制御する方法を用いる。
図1に示すように、集電電力Pに比例する1/K=Rc /Z2 を直接、直流出力にてPI制御して、その出力制御系におけるゲインKと位相指令値φ及び集電回路インピーダンス式から等価抵抗Rc 及び等価インダクタンスLc を決定する。
【0028】
本発明の方法では、位相指令値φに依らず、集電電力Pは一定となるため、過渡応答による影響があるにしても、基本的に出力制御系への影響は小さいと考えられる。しかし、Rc を決定するにあたっては、下記の(13)式のようにやや複雑な式となる。
【0029】
【数11】
JP0004459602B2_000011t.gif
また、ωLc 式は、ωLc =ωLS +(Rc +RS )tanφとなる。
以下、数値例による検討・試験を行ったので説明する。
その緒元は表1のようである。
【0030】
【表1】
JP0004459602B2_000012t.gif
図2はシミュレーションモデルの概略ブロック図である。
11は負荷回路、12は電流・負荷測定回路(離散化)、13はコンバータ電圧生成部、14は離散化補正部、15は誘起電圧生成部、16は加算器、17は集電コイル回路である。
【0031】
シミュレーションには、MATLAB(SIMLINK)を使用した。
3相から2相に変換し、2相交流として計算し、離散化/離散化補正を模擬した。
なお、ここでは、交直変換部は模擬しないが、負荷回路は伝達関数として模擬する。
図3は位相制御時の動作(シミュレーション)を示す図であり、図3(a)は従来の基本方式の特性図、図3(b)は本発明の方式の特性図であり、横軸に時間(秒)、左縦軸に位相指令の角度を示し、右縦軸に電力(kW)を示している。ここで、図3(a)より従来の基本方式の最大集電電力が30.6kW(+側変動分は5.6kW)、図3(b)より本発明の最大集電電力が25.3kW(+側変動分は0.3kW)であることがわかる。これらより、本発明の方式が、従来の基本方式に比べて集電電力の良好な出力特性を有していることは明らかである。
【0032】
図4は試験回路の模式図である。
この図において、21はPWMインバータ、22はトランス、23は模擬集電コイル、24はPWMコンバータ、25は負荷(抵抗・コンデンサ)である。
図5は従来の基本方式のシミュレーションと試験結果との比較を示す図であり、図5(a)はシミュレーションの結果、図5(b)は試験結果であり、ここでは、位相指令は-30度~+30度とし、横軸に時間(秒)、左縦軸に位相指令の角度を示し、右縦軸に電力(kW)を示している。
【0033】
これらの図からシミュレーションの結果と試験結果と略一致していることが分かる。
図6は本発明の方式のシミュレーションと試験結果との比較を示す図であり、図6(a)はシミュレーションの結果、図6(b)は試験結果であり、ここでは、位相指令は-30度~+30度とし、横軸に時間(秒)、左縦軸に位相指令の角度を示し、右縦軸に電力(kW)を示している。
【0034】
これらの図からシミュレーションの結果と試験結果と略一致していることが分かる。
そして、図5においては、コンバータが駆動すると同時に集電電力が+に大きく変動するの対して、図6の本発明の場合は、コンバータが駆動すると同時に集電電力はわずかに-に変動するだけであり、良好な集電電力の出力特性を得ることができることがわかる。
なお、上記実施例では、超電導リニア用誘導集電コンバータについて述べたが、力率調整装置としての一般のコンバータにも適用可能である。
【0035】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、コンバータの出力・位相制御方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例を示す超電導リニア用誘導集電コンバータの出力・位相制御方式の構成図である。
【図2】シミュレーションモデルの概略ブロック図である。
【図3】位相制御時の動作(シミュレーション)を示す図である。
【図4】試験回路の模式図である。
【図5】従来の基本方式のシミュレーションと試験結果との比較を示す図である。
【図6】本発明の方式のシミュレーションと試験結果との比較を示す図である。
【図7】従来の誘導集電装置の基本構成図である。
【図8】瞬時電流制御方式の原理を説明する1相分等価回路図である。
【図9】3相平衡時の各相電流の関係を示す図である。
【図10】出力・位相制御の従来の基本方式の構成図である。
【符号の説明】
【0038】
P 集電電力
c 出力指令値
φ 位相指令値
p 電力制御比例ゲイン
i 電力制御積分ゲイン
min 制御系の最小ゲイン(4RS
1,3,4,16 加算器
2 積分部
5 Rc 演算部
6 ωLc 演算部
11 負荷回路
12 電流・負荷測定回路(離散化)
13 コンバータ電圧生成部
14 離散化補正部
15 誘起電圧生成部
17 集電コイル回路
21 PWMインバータ
22 トランス
23 模擬集電コイル
24 PWMコンバータ
25 負荷(抵抗・コンデンサ)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9