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明細書 :トンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3701612号 (P3701612)
公開番号 特開2003-222000 (P2003-222000A)
登録日 平成17年7月22日(2005.7.22)
発行日 平成17年10月5日(2005.10.5)
公開日 平成15年8月8日(2003.8.8)
発明の名称または考案の名称 トンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置
国際特許分類 E21F  1/00      
FI E21F 1/00 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 8
出願番号 特願2002-022754 (P2002-022754)
出願日 平成14年1月31日(2002.1.31)
審査請求日 平成16年4月1日(2004.4.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】澤田 一夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】峰 祐治
参考文献・文献 特開平06-073989(JP,A)
特開平07-047956(JP,A)
調査した分野 E21F 1/00
B61B 1/02
B61B 13/10
特許請求の範囲 【請求項1】
トンネル内高速列車通過駅における、別トンネル又は堅固な仕切壁とともに分岐線を本線とは気密に保ち得る衝撃波対策装置であって、
(a)前記本線から通過駅へ停車すべき列車の進行時に作動する入線側分岐装置を有し、該入線側分岐装置の前記分岐線への切り換えを検出する検出装置と、
(b)前記通過駅の構内の空間を開閉し、通常は閉状態にあり前記検出装置からの信号によって開く、入線側通過駅構内気密扉装置と、
(c)前記通過駅の構内の空間を開閉し、通常は閉状態にある出線側通過駅構内気密扉装置と、
(d)前記通過駅に配置された前壁と後壁と天井で覆われるプラットホームと前記通過駅に停車中の車両とを接続するボーディングブリッジとの境界に設けられ前記入線側通過駅構内気密扉装置を閉じた後に開かれるプラットホーム気密扉装置とを具備することを特徴とするトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記検出装置は、本線から分岐線への分岐点に配置される入線側分岐装置に付設してあることを特徴とするトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置。
【請求項3】
請求項1記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記入線側及び出線側通過駅構内気密扉装置は、前記分岐線の上方から降りる気密扉であることを特徴とするトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置。
【請求項4】
請求項1記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記プラットホーム気密扉装置は、前記プラットホームの壁に接続されるボーディングブリッジ基部に配置したことを特徴とするトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置。
【請求項5】
請求項1記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記プラットホーム気密扉装置は、前記プラットホームの壁に設けことを特徴とするトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル内を列車が高速で通過するような通過駅を構築する場合には、その列車の通過に起因した衝撃波の対策が重要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常、高速列車がホームを通過するときにも、その気圧の変動でホームにいる乗車を待つ利用者に、不快感を与える。ましてや、トンネル内高速列車通過駅においては、高速列車による衝撃波が、通過駅のホームにいる利用者に与える影響は更に大きくなる。
【0004】
本発明は、上記状況に鑑みて、トンネル内高速列車通過駅内にいる利用者への列車の通過に起因する衝撃波の影響を回避することができるトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕トンネル内高速列車通過駅における、別トンネル又は堅固な仕切壁とともに分岐線を本線とは気密に保ち得る衝撃波対策装置であって、前記本線から通過駅へ停車すべき列車の進行時に作動する入線側分岐装置を有し、この入線側分岐装置の前記分岐線への切り換えを検出する検出装置と、前記通過駅の構内の空間を開閉し、通常は閉状態にあり前記検出装置からの信号によって開く、入線側通過駅構内気密扉装置と、前記通過駅の構内の空間を開閉し、通常は閉状態にある出線側通過駅構内気密扉装置と、前記通過駅に配置された前壁と後壁と天井で覆われるプラットホームと前記通過駅に停車中の車両とを接続するボーディングブリッジとの境界に設けられ前記入線側通過駅構内気密扉装置を閉じた後に開かれるプラットホーム気密扉装置とを具備することを特徴とする。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記検出装置は、本線から分岐線への分岐点に配置される入線側分岐装置に付設してあることを特徴とする。
【0007】
〕上記〔1〕記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記入線側及び出線側通過駅構内気密扉装置は、前記分岐線の上方から降りる気密扉であることを特徴とする。
【0008】
〕上記〔1〕記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記プラットホーム気密扉装置は、前記プラットホームの壁に接続されるボーディングブリッジ基部に配置したことを特徴とする。
【0009】
〕上記〔1〕記載のトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置において、前記プラットホーム気密扉装置は、前記プラットホームの壁に設けことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施例を示す衝撃波対策装置を設けたトンネル内高速列車通過駅の模式図、図2はそのトンネル内高速列車通過駅の構内気密扉装置の斜視図であり、図2(a)はその構内気密扉装置の気密扉が開いた状態を示す図、図2(b)はその構内気密扉装置の気密扉が閉じた状態を示す図、図3はそのトンネル内高速列車通過駅のプラットホーム気密扉装置を有するボーディングブリッジの斜視図である。
【0012】
これらの図において、1は本線、2は分岐線(副本線)、2Aはその分岐線2のレール、3はプラットホーム、3Aはプラットホーム3の天井、3Bはプラットホーム3の壁である。つまり、プラットホームはと後壁と天井で覆われ、線路に対して気密にすることができる。4は入線側分岐装置、4′は出線側分岐装置、5は入線側通過駅構内の空間を閉じることができる入線側通過駅構内気密扉装置、5′は出線側通過駅構内の空間を閉じることができる出線側通過駅構内気密扉装置、5Aはその入線側通過駅構内気密扉装置5の気密扉、5Bは入線側通過駅構内気密扉5Aの収納部、5Cはその気密扉5Aを収納可能にするとともに、その気密扉5Aを作動させる駆動装置を内蔵する駆動部であり、車両が通過する構内5Dの天井内に配置される。6はプラットホームの壁3Bから延びるボーディングブリッジであり、そのボーディングブリッジ基部6Aにはプラットホーム気密扉装置7が配置される。つまり、このプラットホーム気密扉装置7は、その気密扉7Aと、その気密扉7Aを収納可能にするとともにその気密扉7Aをスライド駆動させることができる駆動装置を内蔵する駆動部7Bで構成される。また、8は一時停車すべき車両、9は本発明の衝撃波対策装置を統括制御する電子制御装置(コンピュータ内蔵)、10は列車入線・出線監視装置(カメラ)、11は本線1と分岐線(副本線)2との間に設けられる堅固な仕切壁である。なお、仕切り壁11に代えて、分岐線(副本線)2は本線1とは別のトンネルとするようにしてもよい。この仕切壁11によって分岐線(副本線)2が本線1に対して気密に保たれる。
【0013】
次に、本発明の衝撃波対策装置の動作について説明する。
【0014】
図4は本発明の実施例を示す衝撃波対策装置の動作フローチャートである。
【0015】
(1)まず、電子制御装置(コンピュータ内蔵)9の初期値の設定を行う。つまり、入線側分岐装置4および出線側分岐装置4′は本線1側に切り換えられており、入線側通過駅構内気密扉装置5、出線側通過駅構内気密扉装置5′及びプラットホーム気密扉装置7は閉じられた状態にある(ステップS1)。
【0016】
(2)そこで、一時停車すべき車両8が本線1を進行してくると、入線側分岐装置4が作動して、本線1側から分岐線2へと切り換わる(ステップS2)。
【0017】
(3)入線側分岐装置4の分岐線2への切り換えを検出装置で検出すると同時に入線側通過駅構内気密扉装置5の気密扉5Aを開く(ステップS3)。
【0018】
(4)一時停車すべき車両8がプラットホーム3に入線を完了したか否かをチェックする(ステップS4)。このチェックは列車入線・出線監視装置10で行う。
【0019】
(5)一時停車すべき車両8がプラットホーム3に入線を完了したら、入線側通過駅構内気密扉装置5の気密扉5Aを閉じる(ステップS5)。
【0020】
(6)同時に入線側分岐装置4を分岐線2から本線1へと切り換える(ステップS6)。
【0021】
(7)一時停車すべき車両8にはボーディングブリッジ6が接続され、プラットホーム気密扉装置7の気密扉7Aが開かれる(ステップS7)。
【0022】
(8)一時停車すべき車両8の乗降客の移動が終わったか否かをチェックする(ステップS8)。このチェックは列車入線・出線監視装置10で行う。
【0023】
(9)一時停車すべき車両8の乗降客の移動が終わったら、まず、車両8の扉を閉めると同時にボーディングブリッジ6先端の簡易扉(図示なし)を閉じ、続いて、ボーディングブリッジ6を移動収容し、ブリッジ基部6Aのプラットホーム気密扉装置7の気密扉7Aを閉じる(ステップS9)。
【0024】
(10)通過すべき車両が本線1を通過したか否かをチェックする(ステップS10)。この状態では、通過すべき車両が本線1を通過(ステップS10)しても、通過駅のプラットホームを含む構内にいる人には、何ら衝撃波の影響が及ぶことはない。
【0025】
(11)通過すべき車両が本線1を通過し、一時停車した車両8が出線することになると、出線側通過駅構内気密扉装置5′の気密扉は開かれ(ステップS11)、一時停車した車両8が出発する。
【0026】
(12)出線側通過駅構内気密扉装置5′の気密扉が開かれると、出線側分岐装置4′が作動して、本線1側から分岐線2側に切り換わる(ステップS12)。
【0027】
(13)一時停車した車両8が出線を完了したか否かをチェックする(ステップS13)。
【0028】
(14)一時停車した車両8が出線を完了したら、出線側通過駅構内気密扉装置5′の気密扉を閉じる(ステップS14)。
【0029】
(15)最後に、出線側分岐装置4′が作動して、分岐線2側から本線1側に切り換わる(ステップS15)。
【0030】
なお、上記(14)と(15)の出線側気密扉5′の閉動作は出線側分岐装置4′の本線への転換と同期して行うようにしてもよい。
【0031】
このように、一時停車する車両8が本線を進行してくると、気密扉装置5の気密扉5Aが開き、そこで、その列車8は本線1から分岐線2へと案内され、開かれている入線側通過駅構内気密扉装置5の気密扉5Aを通過して、通過駅のプラットホーム3に到達する。すると、入線側通過駅構内気密装置5が閉じて、通過駅の構内の空間が閉じられると同時に入線側分岐装置4が本線1へ切り換わる。そして、車両8にボーディングブリッジ6が接続され、車両ドア(図示なし)及びボーディングブリッジ6の基部6Aに配置されたプラットホーム気密扉装置7の気密扉7Bが開かれて、乗降客は停車した車両8への乗降ができる。それが終わると、プラットホーム気密扉装置7の気密扉7Aを閉じるようにする。
【0032】
また、図2に示すように、本発明の入線側気密扉5A及び出線側気密扉5A′は上方から昇降するように駆動して、分岐線2のレール2Aとの間をできるだけ塞いで気密にすることが望ましい。
【0033】
また、図3に示すように、本発明のプラットホーム気密扉7Aは、横側に配置される気密扉7Aの収納・駆動部に配置される駆動装置の駆動によりスライドさせることにより、ボーディングブリッジ6の開閉を行うことができる。
【0034】
このように構成したので、このトンネル内の通過駅に停車することなく、本線1を通過する高速列車に起因する衝撃波に対し、この通過駅を利用する乗降客へのその衝撃波による影響をなくすことができる。また、一時停車列車を追い越す通過列車のみならず、いかなるタイミングで進入してくる反対方向通過列車に対しても、乗降客は衝撃波から防護される。
【0035】
特に、トンネル内の通過駅を高速で通過するリニアモータカーにおいては、衝撃波による乗降客の鼓膜の破損を回避することができ、必須の装置となる。
【0036】
このように、新幹線や磁気浮上鉄道(リニアモータカー)が高速で通過するトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置としては極めて有効である。
【0037】
なお、上記実施例では、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)について述べているので、乗降客の磁界からの保護のために必要となるボーディングブリッジを有するものとして説明したが、新幹線の場合は、ボーディングブリッジは不要になるので、車両の扉とプラットホーム気密扉装置とで構成することができ、その分構成が簡略化される。
【0038】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0039】
(A)トンネル内高速列車通過駅の利用者は通過車両が生成する衝撃波に対しても安全に対応することができる。
【0040】
特に、トンネル内に「ひかり」タイプの列車や、磁気浮上鉄道(リニアモータカー)が高速で通過可能な通過駅を構築することができる。
【0041】
(B)更に、磁気浮上鉄道(リニアモータカー)が高速で通過するトンネル内高速列車通過駅の衝撃波対策装置としては必須であり、有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す衝撃波対策装置を設けたトンネル内高速列車通過駅の模式図である。
【図2】 本発明の実施例を示すトンネル内高速列車通過駅の構内気密扉装置の斜視図である。
【図3】 本発明の実施例を示すトンネル内高速列車通過駅のプラットホーム気密扉装置を有するボーディングブリッジの斜視図である。
【図4】 本発明の実施例を示す衝撃波対策装置の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1 本線
2 分岐線(副本線)
2A 分岐線のレール
3 プラットホーム
3A プラットホームの天井
3B プラットホームの
4 入線側分岐装置
4′ 出線側分岐装置
5 入線側通過駅構内気密扉装置
5′ 出線側通過駅構内気密扉装置
5A 入線側通過駅構内気密扉
5B 入線側通過駅構内気密扉の収納部
5C 駆動装置を内蔵する駆動部
5D 構内
6 ボーディングブリッジ
6A ボーディングブリッジ基部
7 プラットホーム気密扉装置
7A プラットホーム気密扉
7B 駆動装置を内蔵する駆動部
8 停車すべき車両
9 電子制御装置(コンピュータ内蔵)
10 列車入線・出線監視装置(カメラ)
11 堅固な仕切壁
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3