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明細書 :接地ブラシ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4055457号 (P4055457)
公開番号 特開2003-304665 (P2003-304665A)
登録日 平成19年12月21日(2007.12.21)
発行日 平成20年3月5日(2008.3.5)
公開日 平成15年10月24日(2003.10.24)
発明の名称または考案の名称 接地ブラシ装置
国際特許分類 H02K  13/00        (2006.01)
H01R   4/64        (2006.01)
H01R  41/00        (2006.01)
FI H02K 13/00 T
H01R 4/64 D
H01R 41/00 H
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2002-106430 (P2002-106430)
出願日 平成14年4月9日(2002.4.9)
審査請求日 平成16年8月27日(2004.8.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】管藤 浩幸
【氏名】山川 典夫
【氏名】松岡 孝一
【氏名】寺田 泰也
【氏名】近藤 稔
個別代理人の代理人 【識別番号】100074631、【弁理士】、【氏名又は名称】高田 幸彦
審査官 【審査官】服部 俊樹
参考文献・文献 特開平04-295255(JP,A)
実開昭60-066271(JP,U)
調査した分野 H02K 13/00
H01R 4/64
H01R 41/00
特許請求の範囲 【請求項1】
ブラシ保持函のブラシ挿入溝にブラシが装着され、かつ接着されたブラシを、渦巻き部を有するバネにより加圧させて車輪に取り付けられたスリップリングに接触させるようにした接地ブラシ装置において、リード線を固着するターミナルの上部から横方向に突出部が形成され、さらにL字状に手前に折り曲げられた部位で形成される側壁を設け、この側壁にバネの渦巻き部が引っ掛かることによってブラシからバネの飛び出しを防止したことを特徴とする接地ブラシ装置。
【請求項2】
ブラシを加圧するバネとバネ飛び出し防止用ストッパー及びバネ差し込み過ぎ防止用ストッパーを設けたL字型バネ固定金具を一体化してなる請求項1記載の接地ブラシ装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電車、機関車等のパンタグラフから供給される電流を、レールに帰還するのに用いられる接地ブラシ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の接地ブラシ装置の一部断面側面図、図5は従来の接地ブラシ装置に用いられるブラシの側面図及び図6は従来の接地ブラシ装置に用いられる薄板バネと一端がL字型で他の一端がU字型のバネ固定金具(以下U字型バネ固定金具という)を一体化した状態を示す側面図であり、ブラシ保持函1のブラシ挿入溝にブラシ2が装着され、該ブラシ2は下部がU字型バネ固定金具11に固定された渦巻き部を有する薄板バネ10で加圧されスリップリング15に接触する構造になっている。
【0003】
薄板バネ10とU字型バネ固定金具11はリベット12で固定され、かつ薄板バネ10がブラシ2を加圧時飛び出さないように、ブラシ保持函1に加締めて取り付けたピン3に薄板バネ飛び出し防止用ストッパー13が係止するようにしている。なおU字型バネ固定金具11と薄板バネ飛び出し防止用ストッパー13はリベット14で固定されている。
【0004】
また、U字型バネ固定金具11の先端を折り曲げて薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパー21を形成し、薄板バネ10及びU字型バネ固定金具11をブラシ保持函1に挿入時にスリップリング15に接触しないようにしている。ブラシ2の上部側面には、銅管5を用いてこれを加締めてターミナル7が固着され、さらにターミナル7の上部にはリード線8が固着されている。またブラシ2の頭部には薄板バネ10の加圧力を安定させ、さらに垂直に加圧させる目的でV字溝を設けたガイド4を備えている。なお図5において、6はガイド固定凹凸部及び9は端子である。
【0005】
さらに、パンタグラフから供給された電流を、レールに効率良く電流を帰還させる目的で、ブラシ保持函1は、取り付け側の軸箱と絶縁板17で絶縁されており、接地ブラシ装置はボルト16で軸箱に取り付けられている。
【0006】
また、ブラシ2と薄板バネ10を路線からの石や塵埃から保護する目的で、パッキング18とカバー19をボルト20でブラシ保持函1に取り付けている。
【0007】
従来の接地ブラシ装置は上記に示す構造からなり、使用箇所が車両の車軸の軸箱に取り付けられるため、薄板バネ10に車輪の大きな振動が伝わり易く、また薄板バネ10は渦巻き部の巻き込み方向と反対方向に力が逃げ易い特徴を持っている。このため、車輪からの振動でブラシ2の頭部に取り付けられたガイド4だけでは薄板バネ10の垂直力を維持できず、振動により薄板バネ10の渦巻き部がガイド4から巻き込み方向と反対方向に飛び出す恐れがある。
【0008】
また、近年車両の性能向上を合わせて種々の機器が車軸に取り付けられ、接地ブラシ装置の取り付けスペースが小さく位置が限定されてきている。特に、従来の接地ブラシ装置のU字型バネ固定用金具11は幅が広くなる為、先端の薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパー21と軸箱に取り付けるボルト16が干渉し易いという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、車輪からの振動でブラシを加圧する薄板バネの渦巻き部が巻き込み方向の反対方向に飛び出さないようにすると共に、薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパーと軸箱に取り付けるボルトが干渉せず、かつ小さな取り付けスペースでも取り付け可能な接地ブラシ装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブラシ保持函のブラシ挿入溝にブラシが装着され、かつ装着されたブラシを、渦巻き部を有するバネにより加圧させて車輪に取り付けられたスリップリングに接触させるようにした接地ブラシ装置において、リード線を固着するターミナルの上部に、横方向に突出した突出部で形成される側壁を設け、この側壁にバネの渦巻き部が引っ掛かるようにして振動によりブラシ頭部からバネの飛び出しを防止してなる接地ブラシ装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、ブラシを加圧するバネと飛び出し防止用ストッパー及びバネ差し込み過ぎ防止用ストッパーを設けたL字型バネ固定金具を一体化した接地ブラシ装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は本発明の実施例になる接地ブラシ装置の一部断面側面図、図2は本発明の実施例になる接地ブラシ装置に用いられるブラシの側面図及び図3は本発明の実施例になる接地ブラシ装置に用いられる薄板バネとL字型バネ固定金具を一体化した状態を示す側面図で、ブラシ保持函1にブラシ2が装着され、該ブラシ2はスリップリング15にL字型バネ固定金具24に固定された薄板バネ10で加圧される構造になっている。
【0013】
図2において、4は上部にV字溝を設けたガイド、5はブラシ2とターミナル22を固定するための銅管、6はガイド固定凹凸部、前記ガイド4の上部にはリード線8を固着したターミナル22が載置され、このターミナル22の上部で、かつ反リード線固着側には横方向に突出した突出部で形成される側壁23が設けられている。なお、リード線8の一端には端子9が取り付けられている。
【0014】
一方、図3における12は薄板バネ10(バネ)をL字型バネ固定金具24に固定するためのリベット、25は薄板バネ飛び出し防止用ストッパー、26は薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパー及び14は前記両ストッパーを固定するためのリベットである。
【0015】
また、図1における3はL字型バネ固定金具24に固定した薄板バネ飛び出し防止用ストッパー25を係止するためのピン、16はブラシ保持函1を取り付けるためのボルト、17はブラシ保持函1と取り付け側の軸箱(図示せず)とを絶縁するための絶縁板、18はブラシ保持函1とカバー19との間に設けたパッキング及び20はパッキング18とカバー19を取り付けるためのボルトである。
【0016】
図1、図2及び図3に示すように、リード線8を固着したターミナル22の上部で反リード線固着側に、横方向に突出した突出部で形成され、更にL字状に手前に折り曲げられ、この折り曲げ部位でもって形成される側壁23を設けた。
一方、薄板バネ10の片方の端部(渦巻き部を形成していない側の部分)をL字型バネ固定金具24にリベット12で固定すると共に、L字型バネ固定金具24に薄板バネ飛び出し防止用ストッパー25及び薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパー26をリベット14で固定した。
【0017】
次に、ブラシ2を図2に示す構造になるように組み立て、その後、図1に示すブラシ保持函1に設けたブラシ挿入溝27にブラシ2を装着した。さらにブラシ2の頭部を薄板バネ10の渦巻き部で加圧するように、上方で曲がり、中央および下方がストレート形状をしたL字型バネ固定金具24に固定された薄板バネ10をブラシ保持函1の所定の位置に挿入して渦巻き部をブラシ2の頭部、詳しくはガイド4の上部に載置した。次いで薄板バネ10がブラシ2を加圧した時に飛び出さないように、薄板バネ10を固定したL字型バネ固定金具5をブラシ保持函1に加締めて取り付けたピン3に薄板バネ飛び出し防止用ストッパー25で係止した。
【0018】
なお、ブラシ2を交換するときは、前記ピン3から薄板バネ飛び出し防止用ストッパー25を取り出して圧力を解放し、ブラシ保持函1から薄板バネ10を引き抜くことにより簡単にブラシ2を交換することができる。
【0019】
本発明において、ブラシを加圧するバネは、薄板バネを用いることが好ましい。
また、リード線を固着するターミナルは、従来のターミナルに相当するものであり、本発明においてはこのターミナルの上部の横方向に突出した突出部で形成される側壁を設ける必要がある。図1,図2に示すように、横方向に突出した突出部で形成される側壁は、薄板バネの渦巻き部の外径より2~3mm大きく形成し、さらにL字状に手前に折り曲げられ、この折り曲げられた部位で形成される。このように形成した側壁23にバネの渦巻き部が引っ掛かることによってブラシ2からバネの飛び出しが防止される。突出した側壁を設ける位置は、薄板バネの外径を外れなければ、どの位置でもよく制限はないが、ターミナルの最上部でリード線を固着する箇所の反対側の部分(以下反リード線固着側という)に設けることが好ましい。
【0020】
薄板バネのバネ固定金具は、従来のU字型バネ固定金具に相当するものであるが、本発明の実施例においては一端をストレートに、他の一端をL字状とし、さらにこのバネ固定金具の上部には薄板バネの飛び出し防止用ストッパー及び下部にはバネ差し込み防止用ストッパーを形成するものである。これらの両ストッパーは、先端を折り曲げて突起部分を作製し、その中間部分をバネ固定金具にリベットなどを用いて固定し、一体化した。
【0021】
【発明の効果】
本発明の接地ブラシ装置は、前述のように形成した側壁にバネの渦巻き部を引っ掛けているので車輪からの振動でブラシを加圧する薄板バネの渦巻き部が巻き込み方向と反対方向に飛び出さない。薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパーと及びバネ差し込み過ぎ防止用ストッパーとをL字型バネ固定金具に一体的に設けているので、差し込み過ぎ防止用ストッパー軸箱に取り付けるボルトが干渉せず、かつ一体的されたL字型バネ固定金具小さな取り付けスペースでも取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例になる接地ブラシ装置の一部断面側面図である。
【図2】本発明の実施例になる接地ブラシ装置に用いられるブラシの側面図である。
【図3】本発明の実施例になる接地ブラシ装置に用いられる薄板バネと逆L字型バネ固定金具を一体化した状態を示す側面図である。
【図4】従来の接地ブラシ装置の一部断面側面図である。
【図5】従来の接地ブラシ装置に用いられるブラシの側面図である。
【図6】従来の接地ブラシ装置に用いられる薄板バネと逆L字型バネ固定金具を一体化した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…ブラシ保持函、2…ブラシ、3…ピン、4…ガイド、5…銅管、6…ガイド固定凹凸部、7、22…ターミナル、8…リード線、9…端子、10…薄板バネ、11…U字型バネ固定金具、12、14…リベット、13…薄板バネ飛び出し防止用ストッパー、15…スリップリング、16…ボルト、17…絶縁板、18…パッキング、19…カバー、20…ボルト、21、26…薄板バネ差し込み過ぎ防止用ストッパー、23…側壁、24…L字型バネ固定金具、25…薄板バネ飛び出し防止用ストッパ、27…ブラシ挿入溝。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5