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明細書 :重量物の位置調整装置及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4020716号 (P4020716)
公開番号 特開2004-043092 (P2004-043092A)
登録日 平成19年10月5日(2007.10.5)
発行日 平成19年12月12日(2007.12.12)
公開日 平成16年2月12日(2004.2.12)
発明の名称または考案の名称 重量物の位置調整装置及び方法
国際特許分類 B66F   3/24        (2006.01)
B66F   3/46        (2006.01)
FI B66F 3/24 C
B66F 3/46
請求項の数または発明の数 4
全頁数 12
出願番号 特願2002-202080 (P2002-202080)
出願日 平成14年7月11日(2002.7.11)
審査請求日 平成16年4月2日(2004.4.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000112196
【氏名又は名称】株式会社ピーエス三菱
発明者または考案者 【氏名】斎藤 正樹
【氏名】宮本 雅章
【氏名】浦部 正男
【氏名】上野 眞
【氏名】吉松 慎哉
【氏名】阿部 好則
個別代理人の代理人 【識別番号】100079175、【弁理士】、【氏名又は名称】小杉 佳男
【識別番号】100094330、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 正紀
審査官 【審査官】青木 良憲
参考文献・文献 特開平11-130398(JP,A)
特開2001-152405(JP,A)
特開昭61-169504(JP,A)
特表2000-501686(JP,A)
調査した分野 B66F 3/24
B66F 3/46
特許請求の範囲 【請求項1】
重量物に埋設され、内周に雌ねじを設けたガイドブロックと、該雌ねじに螺合するねじを備え上端にフランジを設けた中空のアタッチメントと、該フランジに固定した取付フレームと、該アタッチメントの内部を通り基台上に載置され前記取付フレームに反力をとるZ方向伸縮ジャッキと、前記取付フレームに取付けられ重量物以外の固定壁に反力をとるX方向及びY方向伸縮ジャッキとを備え、前記アタッチメント、取付フレーム、X,Y,Z方向伸縮ジャッキは前記重量物から取外し自在であることを特徴とする位置調整装置。
【請求項2】
前記各X、Y、Z方向伸縮ジャッキは油圧ジャッキ、空気圧ジャッキ又はねじジャッキからなる群から選ばれた何れかのジャッキであることを特徴とする請求項1記載の重量物の位置調整装置。
【請求項3】
位置調整すべき重量物の水平投影面内の3以上の位置に、ガイドブロックを埋込んだ上下貫通孔にアタッチメントをとり付け、請求項1又は2記載の位置調整装置を用い、前記位置調整装置を前記アタッチメントに結合し、位置調整装置のZ方向伸縮ジャッキの下端を貫通孔を通って下方に延出させ、重量物をZ方向伸縮ジャッキを介して基台上に仮支持し、前記位置調整装置を連係させてX、Y、Z方向に作動させ、重量物のX、Y、Z方向位置の微調整を行うことを特徴とする重量物の位置調整方法。
【請求項4】
前記重量物は自立式リニアガイドウエイであることを特徴とする請求項3記載の重量物の位置調整方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量物の位置調整装置及び方法に関する。さらに詳しくは、狭隘な取付位置に重量物を設置する場合に、X、Y、Z三軸方向の据付位置を微調整する装置及び微調整を実施する方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
設置位置を高精度で設置することを要する重量物であって、その周囲に障害物があったり、または設置される重量物と設置基礎との間の空間が極めて狭く、重量物の設置位置を調整するジャッキ等を外部又は周囲に設置することできない場合、このような重量物を高精度の設置位置寸法を確保して設置することは非常に困難な作業を要するものであった。例えばリニアモータ高速軌道に設置する自立式リニアガイドウエイは、大重量のコンクリートからなり、基台上に設けたガイド溝内にX、Y、Z方向位置を高精度に微調整して正確に設置する必要がある。しかも、自立式リニアガイドは、その外側や周囲にジャッキ等を取付けることが著しく困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような困難な条件下において、重量物の設置位置を高精度で簡単に調整する位置調整装置及びこの位置調整装置を用いて重量物のX、Y、Z三軸方向位置を容易に調整する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、次の技術手段を講じたことを特徴とする位置調整装置である。すなわち、本発明は、重量物に埋設され、内周に雌ねじを設けたガイドブロックと、該雌ねじに螺合するねじを備え上端にフランジを設けた中空のアタッチメントと、該フランジに固定した取付フレームと、該アタッチメントの内部を通り基台上に載置され前記取付フレームに反力をとるZ方向伸縮ジャッキと、前記取付フレームに取付けられ重量物以外の固定壁に反力をとるX方向及びY方向伸縮ジャッキとを備え、前記アタッチメント、取付フレーム、X,Y,Z方向伸縮ジャッキは前記重量物から取外し自在であることを特徴とする位置調整装置である。
【0005】
前記X、Y、Z方向ジャッキは、油圧ジャッキ、空気圧ジャッキ又はねじジャッキからなる群から選ばれた何れかのジャッキを用いることができる。
【0006】
上記装置を用いて位置調整すべき重量物のX、Y、Z三軸方向の位置を容易に調整する方法は、重量物の水平投影面内の3以上の位置に、ガイドブロックを埋込んだ上下貫通孔にアタッチメントをとり付け、上記した本発明の位置調整装置を用い、これを前記アタッチメントに結合し、位置調整装置のZ方向伸縮ジャッキの下端を貫通孔を通って下方に延出させ、重量物をZ方向伸縮ジャッキを介して基台上に仮支持し、前記位置調整装置を連係させてX、Y、Z方向に作動させ、重量物のX、Y、Z方向位置の微調整を行うことを特徴とする重量物の位置調整方法である。
【0007】
アタッチメントは、重量物に設けた上下貫通孔の周縁に埋設されたガイドブロックにとり付けられるものである。また、上記位置調整装置はZ方向伸縮ジャッキがこの貫通孔を通って基台上に立設され、X、Y方向伸縮ジャッキはZ方向伸縮ジャッキの上部に位置し、Z方向伸縮ジャッキに反力をとるX、Y方向ジャッキはフレームを介してアタッチメントと結合される。
【0008】
前記重量物が自立式リニアガイドウェイである場合に、上記方法により、狭い位置にリニアガイドウェイを配置することができ、好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、重量物の外部や周囲にジャッキ等を配設して作業を行うことができないような狭隘な条件下における重量物の位置の精密な微調整を行う必要がある場合に、設置基礎上に精密にX、Y、Z方向の位置を定めて載置すべき重量物の設置位置の微調整を行う位置調整装置及び方法である。本発明方法では、重量物自体に上下貫通孔を設け、この貫通孔の周縁に埋設されているガイドブロックにアタッチメントを取付け、このアタッチメントの内部を通りZ方向ジャッキを基台上に載置し、重量物と一体となったアタッチメントをX、Y、Z方向ジャッキによりX、Y、Z方向にシフトして微調整する。
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図4は本発明の第1の実施例の位置調整装置1を示す平面図である。図1、図2、図3はそれぞれ図4のA-A矢視図(正面図)、B-B矢視図(左側面図)、C-C矢視図(右側面図)である。位置調整装置1は、コンクリート製の重量物100(一部分のみ表示してある)を、狭い上下間隙111、狭い水平間隙112をもつピット内に精密に位置決めして設置するものである。重量物100には上下貫通孔101を設けてある。この上下貫通孔101は、図2に示すように内周に雌ねじ103を設けたガイドブロック102を重量物100内に埋設し、その上下に中子を取付けて全体コンクリートを打設し、その後中子を抜取って形成したものである。
【0011】
本発明の位置調整装置1は、Z方向伸縮ジャッキ10、その上部に設けた取付ブロック20とフレーム50との間に介装したX方向伸縮ジャッキ40、Y方向伸縮ジャッキ30を備え、フレーム50はアタッチメント60に固着されている。Z方向伸縮ジャッキ10は貫通孔101の中を通って設置基礎(基台)110上に下端を載置しており、その上部は貫通孔101の上方に延出している。Z方向伸縮ジャッキ10は、図1に示すようにラム12の先端が基台110の上面の受圧板11上に載置され、シリンダ13を上方に配設している。Z方向伸縮ジャッキの作用力と反力は基台110とフレーム50の上フランジ51に作用する。Z方向伸縮ジャッキ10は吸排口15、16から駆動流体が出入する。
【0012】
次に、この実施例ではZ方向伸縮ジャッキ10の上端に設けた支持金具14上にX、Y方向伸縮ジャッキ取付ブロック20が取付けられている。取付ブロック20上にはフレーム50の上フランジ51が載設されている。フレーム50は、実施例では箱状をなし、Z方向伸縮ジャッキ10及び取付ブロック20を包囲して設けられ、取付ブロック20の上にX、Y方向に互いに相対的に移動可能に載置されている。この相対的な移動はこの実施例ではX方向及びY方向のスライドガイドを備えることによって達成される。X方向伸縮ジャッキ40、Y方向伸縮ジャッキ30がそれぞれ取付ブロック20とフレーム50との間に介装され、これらのジャッキの作用力と反力は取付ブロック20とフレーム50間に作用する。フレーム50の下端フランジ52は重量物100に固定したアタッチメント60にボルト53によって結合されている。X、Y方向ジャッキが伸縮すると、取付ブロック20とフレーム50とは相対的に移動する。Z方向伸縮ジャッキ10によりフレーム50は上下方向に移動する。Z方向伸縮ジャッキ10の下底部が設置基礎110上に摩擦により固定されており、フレーム50はX、Y方向に移動する。フレーム50はアタッチメント60を介して重量物100に連結しているので、本発明装置により重量物100のX、Y、Z三軸方向の微調整を行うことができる。
【0013】
本発明の位置調整装置1を重量物100の水平投影面内の3以上の位置に装着して重量物を3台以上のZ方向伸縮ジャッキで基台上に仮支持し、X、Y、Z方向伸縮ジャッキを連携しながら作動させると重量物の位置の微調整を行うことが出来る。
【0014】
図5~図10は本発明の第2の実施例を示すもので、図5は左側面図、図6は正面図、図7は右側面図、図8は図5のD-D矢視図、図9は図5のE-E矢視図、図10は図5のF-F矢視断面図である。図5~図10の実施例が、図1~図4に示した第1の実施例と異なる点は
(a)X方向伸縮ジャッキ40及びY方向伸縮ジャッキ30がそれぞれ2個ずつ対向する4個のねじジャッキによって構成されていること、
(b)Z方向伸縮ジャッキ10の上部が、図10に示すように、断面正方形状に形成され、その各辺にX、Y方向伸縮ジャッキ40、30の先端が当接しており、取付ブロック20がないことである。その他のZ方向伸縮ジャッキ10、フレーム50、アタッチメント60、上下貫通孔101、ガイドブロック102等は第1の実施例と同様であり、また第1の実施例と同一の参照番号を付した部材は第1の実施例と同様のものである。
【0015】
第2の実施例はX、Y方向伸縮ジャッキ40、30を小型化することができ狭い場所で用いるのに適している。X、Y方向伸縮ジャッキ40、30は隣接するねじジャッキのフレーム外への突出長さを変えておくことによって、ねじを捻回するスパナ等が相互干渉することを防止し、しかもねじジャッキの配置をコンパクトにすることができ好適である。
【0016】
第2の実施例も、第1の実施例と同様に、重量物100に取付け、Z方向伸縮ジャッキ10は油圧又は空気圧として遠方操作し、X方向伸縮ジャッキ40、Y方向伸縮ジャッキ30は複数のねじジャッキを互いに協調しながら、ねじを操作することによって重量物100の設置位置の微調整を行うことができる。
【0017】
本発明の位置調整装置の取付手順を図11~図20を参照して説明する。
(1)据付位置の微調整を行うべき重量物100、例えば、リニア式自立ガイドウェイの3以上の所要位置に上下貫通孔101を設け、その内面にガイドブロック102を予め埋込んで強固に取付けて養生する。ガイドブロック102は、図12に示すように、通常、外形が丸形で内径に雌ねじ103が設けられている。図11、図12はこのガイドブロック102の雌ねじ103にアタッチメント60を矢印65で示すように移動してねじ込み一体となるように取付ける工程を示すもので、図11は立面図、図12はその平面図である。アタッチメント60は、上フランジ61、雄ねじ64を外径に備えた結合パイプ63から成り、雄ねじ64をガイドブロック102の雌ねじ103に捻じ込んだ後、両者を固定リング62で固定する。図13はアタッチメント60をガイドブロック102に捻じ込んだ後、固定リング62を固定した状態を示す立面図、図14はその平面図である。
(2)フレーム50にX、Y、Z方向伸縮ジャッキ40、30、10を取付けた本発明の位置調整装置1をアタッチメント60に取付ける工程の立面図を図15に示した。図16はその平面図である。位置調整装置1は、矢印2で示すように移動し、Z方向伸縮ジャッキ10のラム12をアタッチメント60の中心孔66中に挿入する。
(3)Z方向伸縮ジャッキ10をアタッチメント60内に挿入し、フレーム50の下フランジ52をボルト53にてアタッチメント60の上フランジ61に固定する。Z方向伸縮ジャッキ10のラムの先端が重量物100の底面より下方に出ないように調整する。図17はこの状態を示す立面図、図18はその平面図である。
(4)次に重量物100を所定の基台110上に搬送して載置する。図19はこの状態を示す立面図である。このときZ方向伸縮ジャッキ10のラム12の下端が基台110と当接する位置に受圧板11を配設しておく。図20は図19の状態でZ方向伸縮ジャッキ10を作動させ、ラム12を伸張し、受圧板11に反力をとって重量物100をZ方向に持上げ、重量物100をZ方向伸縮ジャッキ10を介して基台110上に仮支持すると共にZ方向位置(高さ)の微調整を行う工程を示している。この状態でX方向伸縮ジャッキ40、Y方向伸縮ジャッキ30をそれぞれ操作することによって重量物100のX、Y方向位置の微調整を行うことができる。
【0018】
以上説明したように、本発明の位置調整装置1はX、Y、Z三軸方向にそれぞれ伸縮するジャッキを備え、重量物100の3個所以上の位置に配設してフレーム50を三軸方向に微小移動させて、位置調整すべき重量物100の位置の微調整を図ることができる。
【0019】
図21はリニア式自立式ガイドウエイ(重量物100)の設置位置の微調整を行う態様を示す平面図である。4台の本発明の位置調整装置1a、1b、1c、1dをガイドウエイ100の4隅近傍に取付けて、これらの位置調整装置1a、1b、1c、1dを相互に連携させながら、設置位置の微調整を行った。長さ13m程度のガイドウエイ100は間隔が狭いピット113中に周囲に隙間を設けて、高さ、横の隙間寸法を微調整してセツトされる。リニア式自立式ガイドウエイ100はリニアモーター駆動高速鉄道の浮上軌道構成部材であって、重量が18トン程度のコンクリート重量物であって、正確なセットを要するものである。図22は、図21と同様のリニア式自立式ガイドウエイ100の設置位置の微調整を行う別の例を示すもので、3台の位置調整装置1a、1b、1cを用いることができる条件にあり、これらを相互に連携させながら微調整を行う例を示したものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、重量物、例えばリニア式自立式ガイドウエイなどを限られた空間内で三軸方向に位置の微調整を行うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の正面図(図4のA-A矢視図)である。
【図2】図1の実施例の左側面図(図4のB-B矢視図)である。
【図3】図1の実施例の右側面図(図4のC-C矢視図)である。
【図4】図1の実施例の平面図である。
【図5】本発明の第2の実施例の左側面図である。
【図6】本発明の第2の実施例の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の右側面図である。
【図8】図5のD-D矢視図である。
【図9】図5のE-E矢視図である。
【図10】図5のF-F矢視図である。
【図11】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図12】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図13】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図14】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図15】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図16】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図17】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図18】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図19】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図20】実施例の取付手順を示す説明図である。
【図21】リニア式自立式ガイドウエイの設置位置の微調整態様を示す平面図である。
【図22】リニア式自立式ガイドウエイの設置位置の微調整態様を示す平面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d 位置調整装置
2 矢印
10 Z方向伸縮ジャッキ
11 受圧板
12 ラム
13 シリンダ
14 支持金具
15、16 吸排口
20 取付ブロック
30 Y方向伸縮ジャッキ
40 X方向伸縮ジャッキ
50 取付フレーム
51 上フランジ
52 下フランジ
53 ボルト
54 スライド面
60 アタッチメント
61 上フランジ
62 固定リング
63 結合パイプ
64 雄ねじ
65 矢印
66 中心孔
100 重量物(ガイドウエイ)
101 貫通孔
102 ガイドブロック
103 雌ねじ
110 基台
111 上下間隙
112 水平間隙
113 ピット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21