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明細書 :磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4859163号 (P4859163)
公開番号 特開2004-186607 (P2004-186607A)
登録日 平成23年11月11日(2011.11.11)
発行日 平成24年1月25日(2012.1.25)
公開日 平成16年7月2日(2004.7.2)
発明の名称または考案の名称 磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置
国際特許分類 H01F   6/00        (2006.01)
FI H01F 7/22 ZAAJ
H01F 7/22 H
請求項の数または発明の数 1
全頁数 7
出願番号 特願2002-354507 (P2002-354507)
出願日 平成14年12月6日(2002.12.6)
審判番号 不服 2008-032399(P2008-032399/J1)
審査請求日 平成17年8月10日(2005.8.10)
審判請求日 平成20年12月24日(2008.12.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
発明者または考案者 【氏名】水谷 隆
【氏名】堤 英明
【氏名】池田 和也
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
参考文献・文献 特開昭62-279608(JP,A)
特開昭58-201319(JP,A)
特開2000-315606(JP,A)
特開平01-229761(JP,A)
特開平08-280102(JP,A)
特開平11-215613(JP,A)
特開昭59-136914(JP,A)
実開平06-045305(JP,U)
調査した分野 H01F 6/00-6/06
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)車両の台車の左右に配置され、別個のクライオスタットを備える、複数の超電導コイルが直列に接続された、1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)と、
(b)前記2位側超電導磁石(11)の一方の端子(12)が接続される第1の励消磁パワーリード(21)と、前記1位側超電導磁石(1)の一方の端子(2)が接続される第2の励消磁パワーリード(22)とからなる第1組のパワーリード(21,22)と、
(c)前記2位側超電導磁石(11)のもう一方の端子(13)が接続される第3の励消磁パワーリード(23)と、前記1位側超電導磁石(1)のもう一方の端子(3)が接続される第4の励消磁パワーリード(24)とからなる第2組のパワーリード(23,24)と、
(d)前記第1組のパワーリード(21,22)に接続される第1組のパワーリード端子(25,26)と、前記第2組のパワーリード(23,24)に接続される第2組のパワーリード端子(27,28)と、前記第1組のパワーリード端子(25,26)が接続可能な地上側のパワーリード着脱装置(31)と、前記第2組のパワーリード端子(27,28)が接続可能な地上側の短絡バー(32)を具備し、
(e)前記1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)の励消磁時には、前記地上側の短絡バー(32)前記第2組のパワーリード端子(27,28)、前記地上側のパワーリード着脱装置(31)を前記第1組のパワーリード端子(25,26)にそれぞれ地上側で接続し、
(f)前記1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)の励消磁作業時以外は、前記第2組のパワーリード端子(27,28)から前記地上側の短絡バー(32)を切り離すとともに、前記第1組のパワーリード端子(25,26)から前記地上側のパワーリード着脱装置(31)を切り離し、前記1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)の超電導磁石単体で回路として独立させるように構成するとともに、前記超電導コイルあるいは永久電流スイッチに不具合が発生すると、台車の姿勢を安定させるために対向消磁を行うようにしたことを特徴とする磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード(PL)接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、例えば、以下に示すようなものがあった。
【0003】
図2は、従来の実施例を示す磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置の構成図である。
【0004】
この図において、101は台車の一方側に4個の超電導コイルが直列に接続された1位側超電導磁石、102は1位側超電導磁石101の一方の端子、103は1位側超電導磁石101のもう一方の端子、201は台車のもう一方側に4個の超電導コイルが直列に接続された2位側超電導磁石、202は2位側超電導磁石201の一方の端子、203は2位側超電導磁石201のもう一方の端子、301は2位側超電導磁石のもう一方の端子203と1位側超電導磁石のもう一方の端子103との間を接続する台車内渡り配線、302は2位側超電導磁石の一方の端子202に接続される第1のパワーリード、303は1位側超電導磁石の一方の端子102に接続される第2のパワーリード、304は第1のパワーリード端子(常温部PL端子)、305は第2のパワーリード端子(常温部PL端子)、401は第1、第2のパワーリード端子304,305を接続可能なパワーリード(PL)着脱装置である。
【0005】
なお、1位側及び2位側の超電導磁石101,201の各部には、各超電導コイル101-1~101-4,201-1~201-4と、永久電流スイッチ(PCS)101-5~101-8,201-5~201-8が接続され、これらの各超電導コイルと永久電流スイッチに並列に保護抵抗101-9~101-12,201-9~201-12が設けられている。
【0006】
従来の台車内PL配線による励消磁は、次の手順で行われている。
【0007】
(1)PL着脱装置401を台車内PL端子304,305に接続する。
【0008】
(2)車両に搭載された1位側、2位側超電導磁石101,201と地上設備〔励磁電源装置(図示なし)〕で回路を構成する。
【0009】
(3)遠方にある励磁電源装置からPL着脱装置401を通して1位側、2位側超電導磁石101,201に電流を掃引する。
【0010】
(4)PL着脱装置401を台車内PL端子304,305から切り離す。
といった手順をとっている。
【0011】
なお、これらの励消磁については、本願特許出願人の提案にかかる特開2000-315606などに詳細に説明されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の場合は、1つの台車に取り付けられた左右の超電導磁石101,201は、地上設備の励磁電源装置から同時に励消磁ができるように、超電導磁石の常温部PL端子304と305間を台車内渡り配線301で接続するようにしている。
【0013】
このため2つの超電導磁石101,201は車両走行中、検修庫停留中に係わらず、回路としてはいつも直列に繋がった状態になっている。
【0014】
したがって、励消磁作業時以外(車両走行中、停留中)に、超電導コイルあるいは永久電流スイッチ(PCS)に不具合が発生すると、台車の姿勢を安定させるために対向消磁が行われ、主回路の両端発生電圧は超電導磁石1個の場合よりも大きくなっていた。その場合に、超電導磁石主回路の絶縁が低下した状態にあると、地絡電流が主回路以外に流れて超電導磁石を大きく破損する場合があった。
【0015】
本発明は、上記状況に鑑みて、主回路の両端発生電圧を低減することができる磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置において、車両の台車の左右に配置され、別個のクライオスタットを備える、複数の超電導コイルが直列に接続された、1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)と、前記2位側超電導磁石(11)の一方の端子(12)が接続される第1の励消磁パワーリード(21)と、前記1位側超電導磁石(1)の一方の端子(2)が接続される第2の励消磁パワーリード(22)とからなる第1組のパワーリード(21,22)と、前記2位側超電導磁石(11)のもう一方の端子(13)が接続される第3の励消磁パワーリード(23)と、前記1位側超電導磁石(1)のもう一方の端子(3)が接続される第4の励消磁パワーリード(24)とからなる第2組のパワーリード(23,24)と、前記第1組のパワーリード(21,22)に接続される第1組のパワーリード端子(25,26)と、前記第2組のパワーリード(23,24)に接続される第2組のパワーリード端子(27,28)と、前記第1組のパワーリード端子(25,26)が接続可能な地上側のパワーリード着脱装置(31)と、前記第2組のパワーリード端子(27,28)が接続可能な地上側の短絡バー(32)を具備し、前記1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)の励消磁時には、前記地上側の短絡バー(32)前記第2組のパワーリード端子(27,28)、前記地上側のパワーリード着脱装置(31)を前記第1組のパワーリード端子(25,26)にそれぞれ地上側で接続し、前記1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)の励消磁作業時以外は、前記第2組のパワーリード端子(27,28)から前記地上側の短絡バー(32)を切り離すとともに、前記第1組のパワーリード端子(25,26)から前記地上側のパワーリード着脱装置(31)を切り離し、前記1位側超電導磁石(1)と2位側超電導磁石(11)の超電導磁石単体で回路として独立させるように構成するとともに、前記超電導コイルあるいは永久電流スイッチに不具合が発生すると、台車の姿勢を安定させるために対向消磁を行うようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置の模式図である。なお、上記した従来と同様の部分については同じ記号を付してそれらの説明は省略する。
【0019】
この図において、1は車両の台車の一方側に配置される1位側超電導磁石、2はその1位側超電導磁石1の一方の端子、3はその1位側超電導磁石1のもう一方の端子、11は車両の台車のもう一方側に配置される2位側超電導磁石、12はその2位側超電導磁石11の一方の端子、13はその2位側超電導磁石11のもう一方の端子、21は2位側超電導磁石11の一方の端子12が接続される第1の励消磁パワーリード、22は1位側超電導磁石1の一方の端子2が接続される第2の励消磁パワーリードであり、これらのパワーリード21と22が第1組のパワーリードAとなる。
【0020】
また、23は2位側超電導磁石11のもう一方の端子13が接続される第3の励消磁パワーリード、24は1位側超電導磁石1のもう一方の端子3が接続される第4の励消磁パワーリードであり、これらのパワーリード23と24が第2組のパワーリードBとなる。25,26は第1組のパワーリードAに接続される第1組のパワーリード端子(台車内PL端子)、27,28は第2組のパワーリードBに接続される第2組のパワーリード端子(台車内PL端子)、31は第1組のパワーリード端子25,26が接続可能な地上側のパワーリード着脱装置、32は第2組のパワーリード端子27,28が接続可能な地上側の短絡バーである。なお、図1において、破線内は超電導磁石であり、2点鎖線内が台車内を表しており、台車内における超電導磁石部以外の実線はPL配線を表している。
【0021】
そこで、本発明の磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置は、以下のような構成を有している。
【0022】
(1)車両の台車の左右に配置される、1位側超電導磁石1と2位側超電導磁石11と、前記2位側超電導磁石11の一方の端子12が接続される第1の励消磁パワーリード21と、前記1位側超電導磁石1の一方の端子2が接続される第2の励消磁パワーリード22とからなる第1組のパワーリード(A)を具備する。
【0023】
(2)一方、前記2位側超電導磁石11のもう一方の端子13が接続される第3の励消磁パワーリード23と、前記1位側超電導磁石1のもう一方の端子3が接続される第4の励消磁パワーリード24とからなる第2組のパワーリードBを具備する。
【0024】
(3)そして、前記第1組のパワーリードAに接続される第1組のパワーリード端子25,26と、前記第2組のパワーリードBに接続される第2組のパワーリード端子27,28を備える。
【0025】
(4)そこで、地上側には、前記第1組のパワーリード端子25,26が接続可能なパワーリード着脱装置31と、前記第2組のパワーリード端子27,28が接続可能な短絡バー32を配置する。
【0026】
本発明の磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置による超電導磁石の励消磁は、次の手順で行われる。
【0027】
(1)パワーリード(PL)着脱装置31を第1組のパワーリード端子(台車内PL端子)25,26に、短絡バー32を第2組のパワーリード端子(台車内PL端子)27,28にそれぞれ接続する。
【0028】
(2)車両に搭載された超電導磁石1,11と地上設備〔励磁電源装置(図示なし)〕で回路を構成する。
【0029】
(3)遠方にある励磁電源装置からパワーリード(PL)着脱装置31を通して超電導磁石1,11に電流を掃引する。
【0030】
(4)地上側に設けられるパワーリード(PL)着脱装置31と短絡バー32をそれぞれパワーリード端子(台車内PL端子)25,26;27,28から切り離す。
【0031】
前述のように、従来の台車内励消磁PL配線は、地上側PL着脱装置を切り離した状態で、1位側超電導磁石と2位側超電導磁石は直列配線となっている。このため1つの超電導コイルがPCS故障によって消磁した場合、対向消磁制御が働くことから、1位側超電導磁石の一方の端子と2位側超電導磁石の一方の端子の間には2倍の電圧が発生する。
【0032】
一方、本発明によれば、従来の2つの超電導磁石を接続している渡り配線部分を途中で切り離し、地上側で短絡できるように構成したので、励消磁作業時以外は1位側と2位側との超電導磁石単体で、回路として独立したものとすることができるので、その分主回路両端の発生電圧は1/2とすることができ、特に、磁気浮上式鉄道車両の走行中における1/2の電圧の負担とすることができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0035】
(A)主回路両端の発生電圧は従来の半分となるため、保護抵抗、計測線を含む回路の絶縁が低下している場合であっても、地絡等による2次被害のリスクを大幅に低減させることができる。
【0036】
(B)超電導磁石のPL回路が独立するため、超電導磁石の故障を引き起こす2点接地の確率が従来の半分となる。
【0037】
(C)超電導磁石に不具合が発生した場合、配線取り外し等の手間がなくなり、調査・復旧にかかる作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置の模式図である。
【図2】 従来の磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置の模式図である。
【符号の説明】
1 車両の台車の一方側に配置される1位側超電導磁石
2 1位側超電導磁石の一方の端子
3 1位側超電導磁石のもう一方の端子
11 車両の台車のもう一方側に配置される2位側超電導磁石
12 2位側超電導磁石の一方の端子
13 2位側超電導磁石のもう一方の端子
21 第1の励消磁パワーリード
22 第2の励消磁パワーリード
A 第1組のパワーリード
B 第2組のパワーリード
23 第3の励消磁パワーリード
24 第4の励消磁パワーリード
25,26 第1組のパワーリード端子(台車PL端子)
27,28 第2組のパワーリード端子(台車PL端子)
31 パワーリード着脱装置
32 短絡バー
図面
【図1】
0
【図2】
1