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明細書 :固着装置及び転てつ機類据付装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4116259号 (P4116259)
公開番号 特開2002-227810 (P2002-227810A)
登録日 平成20年4月25日(2008.4.25)
発行日 平成20年7月9日(2008.7.9)
公開日 平成14年8月14日(2002.8.14)
発明の名称または考案の名称 固着装置及び転てつ機類据付装置
国際特許分類 F16B   5/02        (2006.01)
E01B   7/22        (2006.01)
F16B  39/28        (2006.01)
FI F16B 5/02 B
E01B 7/22
F16B 39/28 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 15
出願番号 特願2001-019893 (P2001-019893)
出願日 平成13年1月29日(2001.1.29)
審査請求日 平成15年3月17日(2003.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100079201、【弁理士】、【氏名又は名称】石井 光正
審査官 【審査官】藤村 聖子
参考文献・文献 特開平04-351309(JP,A)
実開昭58-157013(JP,U)
特開昭51-149611(JP,A)
特開昭50-066649(JP,A)
実開昭60-103708(JP,U)
特開平07-010002(JP,A)
特開2000-110238(JP,A)
調査した分野 F16B 5/00-5/12
E01B 7/22
F16B 39/28
F16B 43/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被固定部材に予め設けてある孔に貫通したねじを固定部材に予め設けてある孔にねじ込むことにより、又は、前記被固定部材に予め設けてある孔と前記固定部材に予め設けてある孔にボルトを貫通するとともに、前記ボルトの軸部の先端にナットをねじ締めすることにより、前記被固定部材を前記固定部材に固着する固着装置において、 (a) ねじ又はボルトの軸部の径よりも大きい孔径を有する少なくとも2個の孔が設けられた被固定部材と、
(b) 前記被固定部材の各孔に回転可能に緊密に嵌合し得る嵌合部及びその嵌合部の一端にスパナその他の回転工具を係合して回転させるための水平断面形状が多角形に形成された被係合部を有し、かつ、前記ねじ又はボルトの軸部の径とほぼ等しい径を有して軸方向に貫通する偏心孔を備えた前記被固定部材の孔の数と等しい複数の緊締用スリーブとからなり、
(c1)前記緊締用スリーブは、それぞれ、前記嵌合部を前記被固定部材の各孔に嵌合し、その緊締用スリーブの偏心孔に貫通された前記ねじ又はボルトとこれに締め付けられるナットにより前記被固定部材と固定部材とを締結し、前記緊締用スリーブの少なくとも一つを前記被係合部を介して回転不能になるまで回転させることにより、前記被固定部材を前記緊締用スリーブの前記偏心孔の偏心距離内で前記固定部材に対して面方向に移動させて、前記被固定部材と前記ねじ又はボルトの軸部との間の弛緩を無くするものであるか、又は、
(c2)前記被固定部材の各孔に前記緊締用スリーブの嵌合部を嵌合し、前記緊締用スリーブの偏心孔に前記ねじ又はボルトの軸部を通し、そのねじ又は前記ボルトナットにより前記被固定部材と前記固定部材とを仮締結し、前記緊締用スリーブの少なくとも一つを前記被係合部を介して回転不能になるまで回転させることにより、前記被固定部材を前記緊締用スリーブの前記偏心孔の偏心距離内で前記固定部材に対して面方向に移動させて、前記被固定部材と前記ねじ又はボルトの軸部との間の弛緩を無くし、最後に、前記ねじ又はボルトナットにより前記被固定部材と前記固定部材とを完全に締結するものである、
ことを特徴とする固着装置。
【請求項2】
被固定部材の孔を頭截円錐状に連続するように形成するとともに、緊締用スリーブの嵌合部も頭截円錐状に形成したことを特徴とする請求項1に記載された固着装置。
【請求項3】
被固定部材の孔を円柱状に形成するとともに、緊締用スリーブの嵌合部も円柱状に形成したことを特徴とする請求項1に記載された固着装置。
【請求項4】
緊締用スリーブの被係合部は、ねじ又はボルトの頭部と相似形であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載された固着装置。
【請求項5】
設置現場において転てつ機類の枕木に対する据え付け位置の位置合わせをした後、前記枕木に、前記転てつ機類据付用敷板を前記枕木に固着するためのねじ釘をねじ込む孔又はボルトを貫通する孔を設け、前記敷板に設けてある孔に貫通した前記ねじ釘を前記枕木の孔にねじ込むことにより、又は前記ボルトを前記敷板の孔と前記枕木の孔に貫通するとともに、前記ボルトの軸部の先端にナットをねじ締めすることにより、前記敷板に固定される転てつ機類を前記枕木に据え付ける転てつ機類据付装置において、
前記敷板に1本の枕木に付き少なくとも1対の前記ねじ釘又はボルトの軸部の径よりも大きい径を有する第1の孔を前記枕木の長手方向に隔てた位置に設けるとともに、前記敷板に第2の孔を有するブロックを各孔の軸心を一致させた状態で接合し又は一体に形成し、
前記ブロックの第2の孔の中に回転可能に緊密に嵌合し得る嵌合部と、その嵌合部の一端にスパナその他の回転工具を係合して回転させるための水平断面形状が多角形に形成された被係合部とを有し、かつ、前記ねじ又はボルトの軸部とほぼ等しい径を有して軸方向に貫通する偏心孔を備えた緊締用スリーブを前記ブロック及び敷板の一致させた孔の数と等しい数だけ用意し、
前記緊締用スリーブを、それぞれ、前記各ブロックの第2の孔に嵌合し、前記緊締用スリーブの偏心孔及び前記敷板の第1の孔に貫通した前記ねじ釘を前記枕木の孔にねじ込み、又は前記緊締用スリーブの偏心孔及び前記敷板の第1の孔に貫通したボルトにナットをねじ締めして、前記敷板と前記枕木とを締着し、
前記緊締用スリーブの少なくとも一つを前記被係合部を介して回転不能になるまで回転させることにより、前記ブロック及び敷板を前記緊締用スリーブの前記偏心孔の偏心距離内で前記枕木に対して面方向に移動させて、前記ブロック及び敷板と前記ねじ又はボルトの軸部との間の弛緩を無くするようにしたことを特徴とする転てつ機類据付装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ねじ又はボルトナットを用いて被固定部材を固定部材に固着する固着装置及びその固着装置を応用して転てつ機類を枕木に据付ける据付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道の分岐点に敷設される分岐器に、これを転換・鎖錠する電気転てつ機やクランク(以下、転てつ機類という)を取付けるために据付装置が用いられる。
図15は、従来の転てつ機類据付装置を用いて電気転てつ機を取付けた状態を示す平面図である。
【0003】
図15において、101a,101b,101cは枕木、102は基本レール、103はトングレール、104は電動モータ105を用いる電気転てつ機、106はその電気転てつ機を支持する敷板、107は動作かん、108はスイッチアジャスタ、109は転てつ棒、110は鎖錠かん、111は接続かん、112はフロントロッドである。
従来の転てつ機類据付装置は、分岐器に転てつ機を取り付けるには、敷板106を枕木101b,101cに跨がって敷き、その敷板上に転てつ機104を置いて、動作かん107及び鎖錠かん110を既に設置されている接続かん111及びスイッチアジャスタ108に適正な状態で接続できるように、転てつ機のきょう(筐)体104aの取付け孔の位置を決め、転てつ機104を孔開け作業時の振動から保護するため敷板上から外して、敷板106と枕木101にボルト貫通孔を開けた後、転てつ機104を再び敷板上に置いて前記取付け孔を用いて敷板にボルトナット等の既知の固定手段により固定し、枕木101の下からボルト113を前記ボルト貫通孔に貫通し、その先端にナット114をねじ締めして、締結していた。
ところが、現地で枕木101と敷板106に対する孔開けをするので、開けられる孔は孔開けの際に多少のずれを生じることがあり、そのずれが大きいと、敷板の孔と枕木の孔とが位置的に合致しないこととなり、例えば敷板106を4本のボルト113で固定する場合、1本のボルトでも孔の位置が合わないと、ボルト4本で締めることができなくなる。ボルト4本で締めるためには、孔を埋め戻して再び孔を開け直す必要が出てくる。そのため、敷板106の孔はボルト113の直径よりも数mm程度大き目に開けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、孔はボルトの直径よりも数mm大き目に開けてあり、しかも、筐体の取付け孔に公差があるため、施工の際にしっかりとボルトナットで締結したとしても、列車通過時の過大な横圧を受ける。また、転てつ機が過負荷によって転換不能になった時は、最大転換力により横から力を受ける。従って、敷板と枕木の間で滑りを起こし易くなり、筐体が微少回転し、筐体の取付け位置がずれてしまう。筐体の取付け位置がずれると、転てつ機のような、ロック機構の動作確認のために数mmの検知を行う機器においては、大きな影響を受けて、鎖錠かんの切り欠きにロックピースが挿入できなくなって、転換不能を起こすことがあった。そのため、ナットの弛緩がないように定期的に締め直すとか、ロック機構の点検が欠かせなかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その第一の課題は、複数本のねじ又はボルトナットで被固定部材を固定部材に固着するに当り、被固定部材に開けられるねじ込み用孔又はボルト貫通孔の孔開けの際の位置ずれを懸念する必要なしに容易に締結することができるとともに、締結後に加わる横圧などによって締結力の低下や被固定部材の固定部材に対する位置ずれを生じることなく確実堅固に固着することができる固着装置を提供することにある。
また、第二の課題は、上記固着装置を、ねじ又はボルトを用いて転てつ機類据付用敷板を枕木に固定する転てつ機類据付装置に適用することにより、転てつ機類が列車通過時の横圧その他の過大な外力により取付け位置にずれを生じることによって、転換不能の事態を起こすことを有効に防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決するため、請求項1の発明は、被固定部材に予め設けてある孔に貫通したねじを固定部材に予め設けてある孔にねじ込むことにより、又は、前記被固定部材に予め設けてある孔と前記固定部材に予め設けてある孔にボルトを貫通するとともに、前記ボルトの軸部の先端にナットをねじ締めすることにより、前記被固定部材を前記固定部材に固着する固着装置において、(a) ねじ又はボルトの軸部の径よりも大きい孔径を有する少なくとも2個の孔が設けられた被固定部材と、(b) 前記被固定部材の各孔に回転可能に緊密に嵌合し得る嵌合部及びその嵌合部の一端にスパナその他の回転工具を係合して回転させるための水平断面形状が多角形に形成された被係合部を有し、かつ、前記ねじ又はボルトの軸部の径とほぼ等しい径を有して軸方向に貫通する偏心孔を備えた前記被固定部材の孔の数と等しい複数の緊締用スリーブとからなり、(c1)前記緊締用スリーブは、それぞれ、前記嵌合部を前記被固定部材の各孔に嵌合し、その緊締用スリーブの偏心孔に貫通された前記ねじ又はボルトとこれに締め付けられるナットにより前記被固定部材と固定部材とを締結し、前記緊締用スリーブの少なくとも一つを前記被係合部を介して回転不能になるまで回転させることにより、前記被固定部材を前記緊締用スリーブの前記偏心孔の偏心距離内で前記固定部材に対して面方向に移動させて、前記被固定部材と前記ねじ又はボルトの軸部との間の弛緩を無くするものであるか、又は、(c2)前記被固定部材の各孔に前記緊締用スリーブの嵌合部を嵌合し、前記緊締用スリーブの偏心孔に前記ねじ又はボルトの軸部を通し、そのねじ又は前記ボルトナットにより前記被固定部材と前記固定部材とを仮締結し、前記緊締用スリーブの少なくとも一つを前記被係合部を介して回転不能になるまで回転させることにより、前記被固定部材を前記緊締用スリーブの前記偏心孔の偏心距離内で前記固定部材に対して面方向に移動させて、前記被固定部材と前記ねじ又はボルトの軸部との間の弛緩を無くし、最後に、前記ねじ又はボルトナットにより前記被固定部材と前記固定部材とを完全に締結するものであることを特徴としている。
上記構成により、固定部材の孔に被固定部材の孔を合致させ、被固定部材の各孔に緊締用スリーブを嵌合し、その緊締用スリーブの偏心孔にねじの軸部を通してそのねじを固定部材の孔にねじ込むと、又は緊締用スリーブの偏心孔と固定部材の孔にボルトの軸部を貫通し、その先端にナットを締めつけると、被固定部材と固定部材とが締着される。ねじ又はボルトの軸部を緊締用スリーブの偏心孔に通す際に通し難い場合は、被固定部材に嵌合された緊締用スリーブを回転させるか、被固定部材を若干面方向に移動すれば、通しやすくなる。被係合部にスパナなどの回転工具を係合させて、回転不能になるまで緊締用スリーブを回転させると、被固定部材が固定部材に対して面方向に移動されて、被固定部材とねじ又はボルトの間の弛緩がなくなり、被固定部材が固定部材にしっかり固定される。
【0007】
緊締用スリーブの被係合部は、これにスパナその他の回転工具を係合して回転させるための水平断面形状が多角形に形成されているので、回転工具を緊締用スリーブの被係合部に係合して、回転不能になるまでしっかり回転させることができる。これにより、被固定部材が固定部材にさらにしっかり固定される。
【0008】
緊締用スリーブの嵌合部は、被固定部材の孔に回転可能に緊密に嵌合されるが、被固定部材の孔を頭截円錐状に形成するとともに緊締用スリーブの嵌合部も頭截円錐状に形成する場合と、被固定部材の孔を円柱状に形成するとともに緊締用スリーブの嵌合部も円柱状に形成する場合の二通りが可能である。
【0009】
さらに、緊締用スリーブの被係合部は、ねじ又はボルトの頭部と相似形であることが望ましい。
上記構成により、ねじ又はボルトナット締結用のスパナなどの回転工具を、緊締用スリーブの回転に使用することができる。
【0010】
上記第二の課題を解決するため、請求項の発明は、設置現場において転てつ機類の枕木に対する据え付け位置の位置合わせをした後、前記枕木に、前記転てつ機類据付用敷板を前記枕木に固着するためのねじ釘をねじ込む孔又はボルトを貫通する孔を設け、前記敷板に設けてある孔に貫通した前記ねじ釘を前記枕木の孔にねじ込むことにより、又は前記ボルトを前記敷板の孔と前記枕木の孔に貫通するとともに、前記ボルトの軸部の先端にナットをねじ締めすることにより、前記敷板に固定される転てつ機類を前記枕木に据え付ける転てつ機類据付装置において、(A)前記敷板に1本の枕木に付き少なくとも1対の前記ねじ釘又はボルトの軸部の径よりも大きい径を有する第1の孔を前記枕木の長手方向に隔てた位置に設けるとともに、(B)前記敷板に第2の孔を有するブロックを各孔の軸心を一致させた状態で接合し又は一体に形成し、前記ブロックの第2の孔の中に回転可能に緊密に嵌合し得る嵌合部と、その嵌合部の一端にスパナその他の回転工具を係合して回転させるための水平断面形状が多角形に形成された被係合部とを有し、かつ、前記ねじ又はボルトの軸部とほぼ等しい径を有して軸方向に貫通する偏心孔を備えた緊締用スリーブを前記ブロック及び敷板の一致させた孔の数と等しい数だけ用意し、(C1)前記緊締用スリーブを、それぞれ、前記各ブロックの第2の孔に嵌合し、前記緊締用スリーブの偏心孔及び前記敷板の第1の孔に貫通した前記ねじ釘を前記枕木の孔にねじ込み、又は前記緊締用スリーブの偏心孔及び前記敷板の第1の孔に貫通したボルトにナットをねじ締めして、前記敷板と前記枕木とを締着し、(C2)前記緊締用スリーブの少なくとも一つを前記被係合部を介して回転不能になるまで回転させることにより、前記ブロック及び敷板を前記緊締用スリーブの前記偏心孔の偏心距離内で前記枕木に対して面方向に移動させて、前記ブロック及び敷板と前記ねじ又はボルトの軸部との間の弛緩を無くするようにしたことを特徴としている。
【0011】
上記構成により、敷板を枕木の上面に載せ、敷板上に転てつ機類を置いて所定の据付け位置に位置決めして、枕木にブロックの孔と合致する位置に印を付け、転てつ機類及び敷板を外して、枕木の印を付けた位置にねじをねじ込む孔又はボルトを貫通する孔を開ける。敷板を再び枕木に載せ、枕木の孔とブロックの孔を合致させ、ブロックの各孔に緊締用スリーブを嵌合し、その緊締用スリーブの偏心孔にねじを通して枕木の孔にねじ込むと、又は偏心孔にボルトの軸部を通し、枕木の孔に貫通してそのボルトの先端にナットを締めつけると、枕木と敷板とが締着される。ねじ又はボルトの軸部を緊締用スリーブの偏心孔に通し難い場合は、敷板を若干移動すれば、又は緊締用スリーブを回せば、通しやすくなる。定着後、緊締用スリーブの被係合部にスパナなどの回転工具を係合させて、緊締用スリーブを回転不能になるまで回転すると、敷板が枕木に対して面方向に移動されて、敷板とねじ又はボルトの軸との間の弛緩がなくなり、敷板すなわち転てつ機が枕木に確実堅固に固定される。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は第一の発明である固着装置の基本的構成を示す一部の斜視図、図2は緊締用スリーブの2種類の形状を示す斜視図、図3は偏心孔と被係合部の位置関係の2例を示す平面図、図4は嵌合部が倒立頭截円錐状である緊締用スリーブを用いる場合の被固定部材の孔の形状及び各孔の寸法条件を説明する断面図、図5は嵌合部が円柱状である緊締用スリーブを用いる場合の被固定部材の孔の形状及び各孔の寸法条件を説明する断面図、図6は被固定部材の肉厚が小さい場合の実施態様を示す断面図、図7は第1種類の緊締用スリーブと固着具としてねじを用いる実施例による固着状態を示す断面図、図8は第1種類の緊締用スリーブと固着具としてボルトナットを用いる実施例による固着状態を示す断面図、図9は第2種類の緊締用スリーブと固着具としてボルトナットを用いる実施例による固着状態を示す断面図である。
【0013】
図1において、1は固定部材であり、地盤、床などに定着された部材、又は任意の機械又は装置あるいはそれに固定された部材のいずれであっても良い。同図の2は、固定部材1に固定される被固定部材であり、ある機器を取付けるための周知の取付部を有する部材又はその機器自体の一部のいずれであっても良い。
被固定部材2には、固定部材1に固定される部分に、ねじ3を貫通するための孔21が少なくとも2個、好ましくは少なくとも1対、固定部材1に沿って一定の距離を隔てて開けられている。被固定部材2が矩形板である場合は、例えば各コーナー部に孔21が予め開けられている。
【0014】
孔21は、後に詳述されるように、緊締用スリーブ4の外形の種類に応じて、その外形と合致する形を有している。図1は、倒立頭截円錐状の孔の一例を示している。一つの被固定部材に設けられる孔21は、好ましくは、いずれも同じ形及び大きさを有する。
【0015】
図1の4は、被固定部材2の各孔21に対応して用意されている緊締用スリーブである。緊締用スリーブ4は、嵌合部41と被係合部42とを一体に有し、軸方向に貫通する偏心孔43が設けられている。嵌合部41は、これを被固定部材2の孔21に回転可能に緊密に嵌合される外形を有し、被係合部42は、嵌合部41が被固定部材2の孔21に嵌合された状態でその孔の外に存在して、これにスパナなどの回転工具を係合して回転力を加えることができる外形を有する。
このような緊締用スリーブは、図1及び図2(a)に示すように倒立頭截円錐状のもの4と、図2(b)に示すように円柱状のもの4Eの2種類のいずれかを使用することができる。
【0016】
図1には、図面の簡略化のため、一つの孔21と、これに対するねじ3と緊締用スリーブのみを示してあり、また、被固定部材2の孔21の形状が倒立頭截円錐状の場合に用いられる第1種類の緊締用スリーブ4が示されている。
被係合部42は、これに回転工具を係合して回転力を加えやすくするため、水平断面形状が多角形に形成されている。好ましくは、ねじ3の回転に用いるスパナを、緊締用スリーブ4の回転にも使用できるように、被係合部42はねじ3の頭部32と相似の外形を備えている。被係合部42は、図2及び図3(a)に示すように、その中心を嵌合部41の中心と合致させた形態とするか、図3(b)に示すように、その中心を偏心孔43の中心と合致させた形態とすることができる。図3(b)のものは、緊締用スリーブ4の回転運動を安定して行うことができる利点がある。
【0017】
固定部材1の孔11、被固定部材2の孔21及び緊締用スリーブ4の偏心孔43の寸法条件を説明すると、固定部材1の孔11の径は、用いられるねじ3の軸部の最大径と等しい。偏心孔43の径は用いられるねじの軸部の径と等しいか、あるいはわずかに大きい。被固定部材2の孔21は、図2に示すような嵌合部41が倒立頭截円錐状の緊締用スリーブ4を用いる場合は、図1及び図4に示すように倒立頭截円錐状に形成され、この孔は、固定部材1側に形成された第1孔部21aと、固定部材1と反対側に形成された第2孔部21bとを有し、両孔部は軸芯c1を共通にしている。そして、第1孔部21aの最小径は、第2孔部21bに嵌合された緊締用スリーブ4をその軸芯回りに回転するときの偏心孔43の内接円43aの径よりも大きくなるように設定されている。すなわち、偏心孔43にねじを挿通した状態で、緊締用スリーブ4を軸芯回りに回すことが可能である。図4において、c1は緊締用スリーブ4の軸芯、c2は偏心孔43の軸芯である。
【0018】
図2(b)に示すような、嵌合部41が円柱状の緊締用スリーブ4Eを用いる場合は、図5(a)に示すように、被固定部材2の孔21は異径円柱状に形成され、下端部の小径部分で第1孔部21aが、上側の大径部分で第2孔部21bが構成されている。しかし、孔21は、図5(b)に示すように、上から下まで径が等しい1本の円柱状であってもよい。
【0019】
被固定部材2は、少なくとも緊締用スリーブ4又は4Eの嵌合部41と嵌合する部分は、嵌合部41の安定した嵌合状態を保証できる厚さを有する必要がある。被固定部材2がこのような厚みを備えることが不適当又は不可能な場合は、図6に例示するように、厚くない被固定部材2に第1孔部21aを形成し、その第1孔部の上側に第2孔部21bを形成した所要の厚みを有するブロック22を溶接その他の方法で接合するか、又は、厚くない被固定部材2の一部に必要な厚みを有する厚肉部を形成し、その厚肉部に孔21を形成すればよい。
【0020】
上記のように、本発明による固着装置は、緊締用スリーブ4又は4Eの軸芯回りの回転時の偏心孔の内接円の径よりも大きな径を有する少なくとも2個又は少なくとも1対の孔を予め開けてある被固定部材2と、前記各孔に回転可能に緊密に嵌合される嵌合部41と、その嵌合部と一体に形成され嵌合部が被固定部材の孔に嵌合された状態でその孔の外側に存在し回転工具を係合して回転させることができる被係合部42とを有し、ねじ3の軸部の径とほぼ等しい径(わずかに大きめの径を含む。)を有する偏心孔43が形成された緊締用スリーブ4と、その緊締用スリーブの偏心孔に通されるねじ3とから構成されている。
【0021】
そして、上記構成の固着装置を用いて被固定部材2を固定部材1の所定位置に固着するには、固定部材1の上に被固定部材2を載せ、その被固定部材の位置決め基準、例えば図1に例示するように、被固定部材2の一つの端面23を固定部材1の上面に設けた位置決め基準線12に合わせて、被固定部材の各孔21から固定部材1に罫書きその他の方法で加工位置の印を付け、その被固定部材2を固定部材1から外して、各印の位置でねじをねじ込む孔11を垂直に開ける。その後、図7に例示するように、被固定部材2を再び固定部材1の上面に載せ、被固定部材2の各孔21を固定部材1の各孔11に合わせる。
【0022】
そして、被固定部材2の一つの孔21に緊締用スリーブ4の嵌合部41を嵌合し、その緊締用スリーブ4の偏心孔43にねじ3の軸部31を通し、かつ、固定部材1の孔11にねじ込む。その際に、ねじ3の先端が固定部材の孔11に合致するように、必要に応じて被固定部材2を左右又は前後に移動させる。続いて、被固定部材2の他の孔21に他の緊締用スリーブ4を嵌合し、その緊締用スリーブ4の偏心孔43に他のねじ3の軸部31を通し、かつ、固定部材の孔11にねじ込む。その際に、ねじ3の先端が固定部材の孔11に合致するように、必要に応じて対向するように1対の緊締用スリーブを回転工具により回して、同様に被固定部材2を左右又は前後に移動させる。図1及び図7において5はワッシャである。固定部材1の孔11には、雌ねじが切られていてもよい。
【0023】
緊締用スリーブ4の偏心孔43に予め通した一つのねじ3の軸部31を被固定部材2の一つの孔21に通し、緊締用スリーブ4の嵌合部41を被固定部材2の孔21に嵌合しながら固定部材1の孔11にねじ込み、続いて他の緊締用スリーブ4の偏心孔43に予め通した他のねじの軸部を被固定部材2の他の孔21に通し、緊締用スリーブ4の嵌合部41を被固定部材2の孔21に嵌合しながら固定部材1の孔11にねじ込むようにしても良い。その場合に、ねじの先端が固定部材の孔に合致するように、緊締用スリーブ4を必要に応じて回すとよい。
【0024】
図8は、固着具にボルトナット3b,3cを用い、かつ、第1種類の緊締用スリーブ4を用いる場合の構造を示し、図9は、固着具にボルトナット3b,3cを用い、かつ、第2種類の緊締用スリーブ4Eを用いる場合の構造を示す。いずれの場合も、固定部材1の下側からボルト3bの軸部を固定部材1の孔11及び被固定部材2の孔21に貫通し、さらに緊締用スリーブ4又は4Eの偏心孔43に貫通して、その先端に一つのナット3cを締めて仮固定し、その後、緊締用スリーブ4又は4Eを回転して、これらが孔21と緊締用スリーブ4又は4Eとボルト軸部の摩擦が増大して回転できなくなるまで回転して固定し、ナット3cを完全に締め付ける。必要な場合は、もう一つの緩み止めナット3c′を締めてしっかり固定する。
【0025】
上記いずれの実施例においても、被固定部材2の孔開け位置の誤差や、緊締用スリーブ4,4Eの外形、嵌合部の偏心孔43の径の公差があるので、また、固定部材1に現場における孔開けにより孔開け位置に僅少の誤差が生じることもあるので、被固定部材2と緊締用スリーブ4との間及び緊締用スリーブとねじ3又はボルト3bの軸部との間に微小間隙が発生する。しかし、緊締用スリーブ4の偏心孔43にねじ又はボルトの軸部が通されているため、被係合部42にスパナなどの回転工具を係合して緊締用スリーブ4を任意の方向に回転させると、緊締用スリーブ4の嵌合部の偏心孔回りの厚肉部分がねじの軸部とブロックの孔との間に強く押し入る結果、隣り合う1対の緊締用スリーブ4が被固定部材2に互いに対向する方向の力又は互いに離反する方向の力を強く加えるため、被固定部材2は各ねじにより確実堅固に固定部材1に固定される。換言すると、対をなす緊締用スリーブ4が被固定部材を互いに近接する方向又は互いに離間する方向に力を加える状態でねじ3又はボルトナット3b,3cにより締着されるので、前記微小間隙がなくなり、被固定部材2とねじ3又はボルト3bの相対移動が阻止される。すなわち、被固定部材2が固定部材1にしっかりと固定される。
【0026】
上記固着装置は、横圧を受け易い場所において機器を据付ける場合、又は他の物に大きい力を作用する機器を据付ける場合の据付け装置に適用する時に顕著な効果を発揮する。次に、上記第一の発明を適用した第二の発明である転てつ機類据付装置について、説明する。
図10は第二の発明の一実施例による電気転てつ機の取付状態を示す、図15の右側の一部分に対応する平面図である。図15の構成部材と同一又は相当する部材には、同一の符号を付してある。図11は図10のX-X線に沿った一部省略断面端面図であり、図6(a)の構成を転てつ機類据付装置に適用した一実施態様を示す。図12は同様の一部省略断面端面図であり、他の実施態様を示す。図13は同様の一部省略断面端面図であり、図5(b)の構成を転てつ機類据付装置に適用した実施態様を示す。
【0027】
図10において、枕木101b,101cは第一の発明における固定部材1に相当する。各枕木101b,101cの上面に二つの枕木に跨がる敷板106が載せてある。この敷板は、第一の発明、すなわち図6に示された固着装置における被固定部材2に相当する。また、この敷板にはその上面中央に電気転てつ機104を載せて、その筐体104aを敷板と筐体に貫通するボルトナット115により取付けることができるようになっている。敷板106は、電気転てつ機104の筐体104aの両外側に延出する幅を有している。敷板の4つのコーナー部において、すなわち、幅方向両端部における各枕木101b,101cの長手方向でもある動作かん107の移動方向に隔てた位置において、その上面にブロック116が接合されている。このブロック116は、図6に示された固着装置における被固定部材2の上面に接合されたブロック22に相当する。そして、敷板106には第1孔部106h(図11参照)が形成され、ブロック116には第1孔部106hと軸芯を共通にする第2孔部116hが設けられている。これらの孔は、第一の発明における被固定部材2の孔21の第1孔部21a及び第2孔部21bに相当するものであり、第2孔部116hには、図11ないし図13に示すように、その孔の形状に応じて、上述したと同様の緊締用スリーブ4又は4Eを回転可能に緊密に嵌合することができるようになっている。
【0028】
図12は、固着具に図11のねじ釘3に代えてボルトナット3b,3cを用いる場合の実施態様を示し、図13は図11の頭截円錐状の緊締用スリーブ4及びねじ釘3に代えて、円柱状の緊締用スリーブ4E及びボルトナット3b,3cを用いる場合の実施態様を示す。
【0029】
上記構成の転てつ機類据付装置を用いて転てつ機類を据付けるには、従来同様に敷板106を枕木101b,101cの上に載せ、その敷板106の上面に転てつ機104を置いて、転てつ機と敷板の取付け孔の位置合わせをし、敷板及び転てつ機を動作かん107及び鎖錠かん110をそれぞれ既設のスイッチアジャスタ108及び接続かん111に接続可能な所定取付け位置に位置決めするとともに、各ブロック116の孔116hから枕木101b,101cに罫書きなどにより印を付けた後、その転てつ機及び敷板を外し、枕木101b,101cの前記印を付けた位置に垂直の孔101hを設ける。その後、敷板106を再び枕木101b,101cに載せ、ブロック及び敷板の孔116a,106aと枕木の孔101hを合致させて、図11のねじ釘3を用いる実施態様の場合は、そのブロック116の孔116hに緊締用スリーブ4の嵌合部41を嵌合し、その後は、第一の発明において説明したように、ワッシャ5に通したねじ釘3を緊締用スリーブ4の偏心孔43に通し、枕木101bの孔101hにねじ込む。
【0030】
敷板106のすべてのブロック116の孔からねじ3を枕木の孔にねじ込むまでは、ねじのねじ込みをねじ込み完了直前で止めて置く。一つのブロック116におけるねじの枕木に対するねじ込みをしたら、他のブロックにおいても同様にねじを枕木にねじ込むが、その際に、緊締用スリーブ4の偏心孔43と枕木101b又は101cの孔101hの位置が完全に合致しない場合には、いずれか一つ又は各対の緊締用スリーブ4を、その被係合部2に回転工具を係合し回転力を与え、その軸線回りに任意の方向に回して、敷板106が若干移動させることにより、当該偏心孔43と当該枕木の孔101hの位置を合わせ、そのブロックの孔43からねじ3をその枕木にねじ込む。このようにして、敷板106のすべてのブロック116の孔からねじ3を枕木にねじ込んだ後、いずれか又はすべての緊締用スリーブ4をさらに、回転工具を用いて任意の方向に回わすと、隣り合う緊締用スリーブ4が敷板に互いに対向する方向の力又は互いに離反する方向の力を強く加えるため、敷板は各ねじに非常に堅固に固定される。
その後、すべてのねじを完全に締め付けることにより、敷板106は確実堅固に枕木101b及び101cに固定され、これに転てつ機104を取付けることにより、正確な位置に取付けることができる。
【0031】
このように、緊締用スリーブ4を回転工具により回転不能になるまで回すと、緊締用スリーブ4同志の押付け効果により、敷板106とねじ釘3の軸部との間の緩みがなくなり、敷板すなわち転てつ機が、確実堅固に枕木に固定される。
【0032】
図12及び図13に示すように、ボルトナット3b,3cを用いる場合は、敷板106及びブロック116の孔106h,116hを枕木101bの孔101hに合致させた後、枕木の下側からボルト3bの軸部を通し、ブロック116の上方に出たボルトを緊締用スリーブ4,4Eの偏心孔43に通し、そのボルトの先端にナット3cを締め付けて、敷板106及びブロック116を枕木101bに仮固定する。ボルトの軸部を緊締用スリーブ4,4Eの偏心孔43に通す際に、ボルトの軸芯と偏心孔の中心の位置ずれのために通し難い時は、ねじの場合について説明したように、被係合部42に回転工具を係合して、回転しながら行うと良い。また、すべてのブロック116に対するボルト通し及びナットによる仮固定をし、緊締用スリーブ4を回転摩擦が大きくなって回転不能になるまで回転し、最後にもう一つのナット3c′をボルト3bに締め付けることにより、敷板106は完全に枕木101b,101cに固定される。
【0033】
図12,13には、ボルト3bに回り止め3dを一体に備えた好ましい例が示されている。また、ダブルナット3c,3c′を用いる好ましい例が示されているが、ナットを1個のみ用い、仮固定及び緊締用スリーブの回転締め付け後に、そのナットを完全に締め付ける態様でも実施可能である。
【0034】
この実施例では、1枚の敷板106が各枕木101b,101cに対してそれぞれ長手方向に隔てた2位置でねじ釘又はボルトナットにより締結され、かつ、現場での枕木の孔開け位置の誤差及びブロックの孔の公差によるブロックの孔と各ねじ釘又はボルトの軸部との間の弛緩が緊締用スリーブにより完全に解消されるので、敷板106に取付けられる転てつ機類104が列車通過時の横圧その他の過大な外力により取付け位置にずれを生じることが防止され、従って、転換不能の事態を起こすことが有効に防止される。
【0035】
図10の実施例は、複数本の枕木に1枚の敷板106を第一の発明を適用して固定し、その敷板に転てつ機104を取付ける構造であるが、他の実施態様として、転てつ機の筐体104aに図10の敷板と同様の外形を有する固定片(106E)を一体に設け、その固定片にブロック116を接合することにより、そのブロックと枕木を緊締用スリーブを介して固定するねじ又はボルトナットにより、転てつ機を直接に枕木に固定することも可能であり、その場合は、図10のボルトナット115が不要となる。
【0036】
また、図10の実施例は、複数本の枕木に1枚の敷板106を固定し、その敷板に転てつ機104を取付ける構造であるが、他の実施態様として、図14に例示するように、各枕木101b,101cにそれぞれ転てつ機104の両外側まで枕木の長手方向に延長する敷板106a,106bを敷き、その両端部においてブロック116に嵌合した緊締用スリーブ4又は4Eを用いてねじ釘3又はボルトナットによりそれぞれの敷板を枕木に固定し、その一対の敷板106a,106bに転てつ機を載せて固定することもできる。
敷板106a,106bに対する転てつ機の取付け構造は、一例として、各敷板のブロック116の内側に転てつ機の筐体104aの幅よりも若干大きな間隔を持って停止ブロック117a,117bを突設し、一方の停止ブロック117aの他方の停止ブロック側の至近において敷板106a,106bに突設したピン119を楔片118の長孔に摺動自在に挿入して支持し、転てつ機の筐体104aを楔片118と他方の停止ブロック117bとの間に静置した後、楔片118を筐体104aと停止ブロック117aの間に打ち込むことにより、筐体を各敷板に固定する構造とすることができる。
【0037】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明によれば、被固定部材に少なくとも2個の孔を隔てて設けるとともに、各孔の径をねじ又はボルトの軸部の径よりも大きくして、各孔の中に緊締用スリーブを嵌合し、緊締用スリーブの偏心孔にねじ又はボルトの軸部を通してそのねじ又はボルトナットにより被固定部材と固定部材とを締着し、緊締用スリーブの少なくとも一つを回転させることにより、緊締用スリーブは被固定部材を互いに対向する方向又は互いに離反する方向の強い力を加えるので、被固定部材が固定部材に対して面方向に微小移動されて、被固定部材とねじ又はボルトの軸部との間の緩みが解消され、しっかりと固定部材に締着される。従って、被固定部材を固定部材にねじ又はボルトで締結するとき、被固定部材又は固定部材の孔開け時の誤差に影響されることなく、締結後に加わる横圧などによって締結力の低下や被固定部材の位置ずれなどを生じない固着装置を提供することができる。換言すると、請求項1の発明によれば、少なくとも二つの緊締用スリーブによる「被固定部材の固定部材に対する位置設定効果」、「位置ずれ防止効果」及び「ねじ又はボルトナットによる固着効果」並びにそれらの相乗効果が得られる。また、緊締用スリーブの被係合部は、これにスパナその他の回転工具を係合して回転させるための水平断面形状が多角形に形成されているので、回転工具を緊締用スリーブの被係合部に係合して、緊締用スリーブを回転不能になるまでしっかり回転させることができる。
【0038】
また、請求項の発明によれば、敷板に、転てつ機の動作かんの移動方向に隔てた少なくとも2個所においてブロックを接合し、そのブロックと敷板を貫通する孔を設け、その敷板を枕木の転てつ機取り付け位置に載せて、ブロックの孔に対応する孔を枕木に形成し、ブロックの孔に緊締用スリーブを嵌合し、その緊締用スリーブの偏心孔に通したねじ釘を枕木にねじ込んで仮固定し、又は、枕木の下側からその孔に貫通したボルトを緊締用スリーブの偏心孔に通してそのボルトにナットを締め付けて仮固定し、緊締用スリーブを回転不能になるまで回転させた後、ねじ釘又はナットを完全に締め付けて固定するようにしたので、敷板とねじ釘又はボルトの軸部の相対移動が完全に阻止されるため、転てつ機類を枕木の正確な位置に非常に堅固に据付けることが可能であり、転てつ機類が列車横圧その他の過大な外力により取付け位置にずれを生じることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の発明である固着装置の基本的構成を示す一部の分解斜視図。
【図2】緊締用スリーブの2種類の形状を示す斜視図。
【図3】偏心孔と被係合部の位置関係の2例を示す平面図。
【図4】第1種類の緊締用スリーブを用いる場合の一実施例による固着状態を示す断面図。
【図5】第2種類の緊締用スリーブを用いる場合の他実施例による固着状態を示す断面図。
【図6】被固定部材の肉厚が小さい場合の実施態様を示す断面図。
【図7】第1種類の緊締用スリーブと固着具としてねじを用いる実施例による固着状態を示す断面図。
【図8】第1種類の緊締用スリーブと固着具としてボルトナットを用いる実施例による固着状態を示す断面図。
【図9】第2種類の緊締用スリーブと固着具としてボルトナットを用いる実施例による固着状態を示す断面図。
【図10】第二の発明による転てつ機類据付け装置を用いた電気転てつ機の取付状態を示す平面図。
【図11】図10のX-X線に沿った一部省略断面端面図。
【図12】他の実施態様を示す同様の一部省略断面端面図。
【図13】さらに他の実施態様を示す同様の一部省略断面端面図。
【図14】第二の発明の他の実施例による電気転てつ機の取付状態を示す平面図。
【図15】従来の転てつ機据付け装置を示す平面図。
【符号の説明】
図1~3において
1 固定部材
11 孔
2 被固定部材
21 孔
3 ねじ
31 軸部
32 頭部
4,4E 緊締用スリーブ
41 嵌合部
42 被係合部
43 偏心孔
図8,9において
3b ボルト
3c ナット
図10において
101b,101c 枕木
104 電気転てつ機
106 敷板
116 ブロック
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14