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明細書 :電動機制御装置および空転滑走検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3749132号 (P3749132)
公開番号 特開2002-112404 (P2002-112404A)
登録日 平成17年12月9日(2005.12.9)
発行日 平成18年2月22日(2006.2.22)
公開日 平成14年4月12日(2002.4.12)
発明の名称または考案の名称 電動機制御装置および空転滑走検出方法
国際特許分類 B60L   9/16        (2006.01)
B60L   3/00        (2006.01)
B61C  15/12        (2006.01)
H02P  21/00        (2006.01)
H02P  27/04        (2006.01)
FI B60L 9/16 B
B60L 3/00 N
B61C 15/12
H02P 5/408 A
請求項の数または発明の数 15
全頁数 24
出願番号 特願2001-047086 (P2001-047086)
出願日 平成13年2月22日(2001.2.22)
優先権出願番号 2000224212
優先日 平成12年7月25日(2000.7.25)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成15年3月14日(2003.3.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】渡邉 朝紀
【氏名】山下 道寛
個別代理人の代理人 【識別番号】100090033、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 博司
【識別番号】100093045、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 良男
審査官 【審査官】本庄 亮太郎
参考文献・文献 特開2000-060198(JP,A)
特開平11-355916(JP,A)
特開2000-312403(JP,A)
特開昭58-207801(JP,A)
特開平10-80190(JP,A)
調査した分野 B60L 9/16
B60L 3/00
B61C 15/12
H02P 21/00
特許請求の範囲 【請求項1】
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する電動機制御装置であって、
前記複数の誘導電動機の内の一部の誘導電動機に流入する電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出手段と、
を備えることを特徴とする電動機制御装置。
【請求項2】
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する電動機制御装置であって、
前記複数の誘導電動機の内、少なくとも2つの誘導電動機に流入する同一且つ一相の電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出手段と、
を備えることを特徴とする電動機制御装置。
【請求項3】
前記電流検出手段は、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流を検出し、
前記空転滑走検出手段は、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の空転あるいは滑走の発生を検出する、
ことを特徴とする請求項2記載の電動機制御装置。
【請求項4】
前記空転滑走検出手段は、前記電流検出手段によって検出された、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流の相対値に基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とする請求項3記載の電動機制御装置。
【請求項5】
前記空転滑走検出手段は、前記電流検出手段によって検出された、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流の時間変化率に基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とする請求項3記載の電動機制御装置。
【請求項6】
前記空転滑走検出手段は、前記電流検出手段によって検出された、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流の相対値および時間変化率の組み合わせに基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とする請求項3記載の電動機制御装置。
【請求項7】
前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれの回転速度を推定する回転速度推定手段をさらに備え、
前記空転滑走検出手段は、前記回転速度推定手段によって推定された、前記複数の誘導電動機それぞれの回転速度の相対値に基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とする請求項3記載の電動機制御装置。
【請求項8】
前記空転滑走検出手段は、
前記回転速度推定手段によって推定された回転速度に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれの回転加速度を算出する加速度算出手段を備え、
前記加速度算出手段によって算出された、前記複数の誘導電動機それぞれの回転加速度と所定の閾値とを比較することにより、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とする請求項7記載の電動機制御装置。
【請求項9】
前記ベクトル制御による給電によって、当該電動機制御装置に入力される指令電流に適応した定電流制御を行う請求項1記載の電動機制御装置であって、
前記空転滑走検出手段は、前記給電電流あるいは前記指令電流と、前記電流検出手段によって検出された電流との相対値に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出することを特徴とする電動機制御装置。
【請求項10】
前記空転滑走検出手段は、前記電流検出手段によって検出された電流の時間変化率に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
【請求項11】
前記ベクトル制御による給電によって、当該電動機制御装置に入力される指令電流に適応した定電流制御を行う請求項1記載の電動機制御装置であって、
前記空転滑走検出手段は、前記給電電流あるいは前記指令電流と、前記電流検出手段によって検出された電流との相対値、および、前記電流検出手段によって検出された電流の時間変化率、の組み合わせに基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出することを特徴とする電動機制御装置。
【請求項12】
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する際に、駆動軸の空転滑走を検出する空転滑走検出方法であって、
前記複数の誘導電動機の内の一部の誘導電動機に流入する電流を検出する電流検出工程と、
前記検出した電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出工程と、
を含むことを特徴とする空転滑走検出方法。
【請求項13】
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する際に、駆動軸の空転滑走を検出する空転滑走検出方法であって、
前記複数の誘導電動機の内、少なくとも2つの誘導電動機に流入する同一且つ一相の電流を検出する電流検出工程と、
前記検出した電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出工程と、
を含むことを特徴とする空転滑走検出方法。
【請求項14】
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する際に、駆動軸の空転滑走を検出する空転滑走検出方法であって、
前記複数の誘導電動機それぞれに流入する同一且つ一相の電流を検出する電流検出工程と、
前記検出した電流に基づいて前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出工程と、
を含むことを特徴とする空転滑走検出方法。
【請求項15】
前記空転滑走検出工程は、検出した電流に基づいて前記複数の誘導電動機それぞれの回転速度を推定する工程を含み、
前記推定された回転速度に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の空転あるいは滑走の発生を検出することを特徴とする請求項14記載の空転滑走検出方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導電動機を動力とする電動機構における電動機制御装置およびその空転滑走検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導電動機を動力とする電動機構(電車の駆動機構等)において、誘導電動機(以下、単に「電動機」という。)を制御する際に、駆動軸(電車の車軸等)の回転速度を速度センサによって検出し、検出された速度に基づいて、電動機に対する給電を制御する電動機制御装置が知られている。
【0003】
この速度センサを用いる電動機制御装置においては、例えば、電車の電動機を制御する場合、電車の床下の車輪間に設けられた、車軸を駆動する電動機に速度センサが備えられ、当該電動機の回転速度が検出される。
【0004】
速度センサは、主に、電動機に組み込まれたコイルおよびコイルに発生する誘導起電力を検出する起電力検出回路によって構成される。そして、起電力検出回路によって検出された検出信号(速度センサ信号)が、電動機制御装置に備えられた、車軸の空転・滑走を検出する検出回路に入力される。さらに、検出回路によって、電動機の回転速度に基づいて車軸の空転・滑走が検出される。図17は、速度センサを用いる電動機制御装置の空転・滑走検出回路の一例を示す図である。
【0005】
電動機の速度センサによって車軸の回転速度を検出する原理は以下の通りである。速度センサは、電動機軸に嵌め込まれた歯車と、これと対向するように電動機の固定子側に固定されたコイル及び増幅器とから構成される。電動機軸が回転すると、速度センサのコイルと歯車の“山”が対向するか、或いは“谷”が対向するかによって、速度センサの歯車とコイルの間の距離が変化し、コイルのインダクタンスが変化する。このため、コイルに一定振幅の交流電圧を加えると、流れる電流の大きさがコイルに対向する歯車の山谷に合わせて変化する。これを増幅器にて波形整形し、コイルに対向する歯車の歯に対応した矩形波の電圧又は電流信号を得る。さらに、得られた電圧又は電気信号に基づいて所定の処理を行うことにより電動機の回転速度を検出し、検出した回転速度をさらに電動機と車軸の回転数比で割ることによって車軸速度を検出する。
【0006】
この速度センサを用いる電動機制御装置には、以下のような問題があった。
速度センサが車軸の回転速度を検出する場合、車軸の歯車の歯(歯幅4mm程度)が磁束を切る際にコイルに発生する微小な誘導起電力を検出しなければならず、精密に誘導起電力の検出を行う必要があった。また、検出回路はIC等のデバイスを多数備えているため、電動機付近のような環境条件の厳しい場所に配設された場合、故障が発生しやすかった。さらに、微小信号である速度センサ信号には、電動機の制御動作に伴うノイズがのりやすく、検出回路の動作にエラーが生じやすかった。
【0007】
また、速度センサは、上述の通りコイル等の検出機構を備えるため、比較的大型となり、車輪間の限られたスペースに配設される場合には、電動機の占有スペースを圧迫することとなっていた。そのため、電動機の大型化が阻まれ、電動機の出力を制限する要因となっていた。
【0008】
このような問題を解決すべく、近年、速度センサを用いない電動機制御方法が開発されつつある。
【0009】
図18は、速度センサを用いず、電動機に給電される電流のみに基づいて電動機を制御する電動機制御装置100の制御部を示す概略図である。
【0010】
図18に示す電動機制御装置100は、車軸を駆動する電動機の回転速度を検出する速度センサを用いる代わりに、電動機に給電される電流を検出する電流センサ130を用いる。そして、電流センサ130によって検出された電流に基づいて、ベクトル制御演算器140が誘導電動機に印加する電圧を算出し、インバータ120に指示信号を出力する。このようにして、インバータ120が誘導電動機111~114を1つの仮想電動機110として制御する。
【0011】
この電流センサを用いる電動機制御装置の場合、電流センサは、もともとインバータ制御に必要なもので、速度センサがない分、電動機の大型化を図ることができ、電動機の高出力化が可能となる。また、電流センサは、一般的に耐環境性に優れている。このような利点から、電流センサと速度センサを用いる方法に代えて、電流センサのみによって電動機を制御する方法の実用化が期待されている。
【0012】
【発明の解決しようとする課題】
しかし、電流センサを用いる電動機制御装置のうち、現在、既に開発されているものは、上述の電動機制御装置100と同様の、1つの制御部により複数の電動機を一括して制御するものである。尚、この制御においては、複数の電動機を1つの電動機と仮想する。そして、当該仮想電動機を給電する電流、即ち、インバータ等から複数の電動機に流出する全体の電流を検出することによって、複数の電動機を制御している。そのため、仮想電動機の回転速度(より正確には仮想電動機の回転速度として想定される回転速度)を算出(想定)することは可能であるが、各電動機の回転速度の差を検出することができない。
【0013】
したがって、仮想電動機の回転速度の変化に基づいて、更に、仮想電動機の回転加速度を算出(想定)し、この回転加速度に基づいて車軸の空転あるいは滑走が検出されている。
【0014】
しかしながら、各電動機の回転速度の差を算出(想定)せず、仮想電動機の回転加速度を算出(想定)して車軸の空転・滑走を検出していたため、各車軸の微少な空転あるいは滑走が検出できなかった。また、複数の電動機に駆動される各車軸のうちの1つが空転あるいは滑走したことを直ちに検出することができなかった。
【0015】
本発明の課題は、速度センサを用いずに、電動機の空転あるいは滑走を高精度に検出することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の発明は、
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する電動機制御装置であって、
前記複数の誘導電動機(例えば、図10の誘導電動機11~14)の内、少なくとも1つの誘導電動機(例えば、図10の誘導電動機14)に流入する電流を検出する電流検出手段(例えば、図10の電流センサ340)と、
前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出手段(例えば、図10の空転滑走検出部600)と、
を備えることを特徴とした電動機制御装置である。
【0017】
また第12の発明は、
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する際に、駆動軸の空転滑走を検出する空転滑走検出方法であって、
前記複数の誘導電動機の内、少なくとも1つの誘導電動機に流入する電流を検出する電流検出工程と、
前記検出した電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出工程と、
を含むことを特徴とした空転滑走検出方法である。
【0018】
第1または第12の発明によれば、電流検出手段および空転滑走検出手段を備えるため、あるいは、電流検出工程および空転滑走検出工程を含むため、各誘導電動機の回転速度を検出することなく、複数の誘導電動機の内、何れかの誘導電動機に発生した空転・滑走を検出できる。複数誘導電動機は一括してベクトル制御されるため、空転・滑走が発生した誘導電動機を特定する必要はなく、何れかの誘導電動機において空転・滑走が発生したことが検出できれば、給電電圧及び/又は給電電流を絞り、発生した空転・滑走を抑制することができる。また、回転速度検出手段として速度センサ等を誘導電動機に備える必要がないため、電動機を大型化し、高出力化することができる。さらに、電流検出手段(電流センサ等)は、速度検出手段(速度センサ等)に比べ故障しにくく、また、誘導電動機の回転速度に比べ、流入電流を検出することは容易であるため、より確実かつ正確に誘導電動機に発生した空転・滑走を検出できる。
【0019】
第2の発明は、
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する電動機制御装置であって、
前記複数の誘導電動機の内、少なくとも2つの誘導電動機(例えば、図15の誘導電動機11、12)に流入する同相(例えば、図15のw相)の電流を検出する電流検出手段(例えば、図15の電流センサ311、321)と、
前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出手段(例えば、図15の空転滑走検出部601)と、
を備えることを特徴とした電動機制御装置である。
【0020】
また第13の発明は、
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する際に、駆動軸の空転滑走を検出する空転滑走検出方法であって、
前記複数の誘導電動機の内、少なくとも2つの誘導電動機に流入する同相の電流を検出する電流検出工程と、
前記検出した電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出工程と、
を含むことを特徴とした空転滑走検出方法である。
【0021】
第2または第13の発明によれば、第1または第12の発明の効果を有する。即ち、上述した各誘導電動機の回転速度を検出することなく、複数の誘導電動機の内、何れかの誘導電動機に発生した空転・滑走を検出できる等の効果を具備することができる。
【0022】
さらに、第2または第13の発明によれば、電流検出手段(電流センサ等)は、最低限、2つの誘導電動機の同相、即ち2つで済む。このため、より一層故障し難く、かつメンテナンスが容易な電動機制御装置あるいは電動機制御方法を実現することができる。
【0023】
第3の発明は、
第1または第2の発明の電動機制御装置において、
前記電流検出手段、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流を検出し(例えば、図1の電流センサ31~34)、
前記空転滑走検出手段、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の空転あるいは滑走の発生を検出する(例えば、図1の空転滑走検出部60)、
ことを特徴とした電動機制御装置である。
【0024】
また第14の発明は、
給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機複数を、ベクトル制御による給電によって一括して制御する際に、駆動軸の空転滑走を検出する空転滑走検出方法であって、
前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流を検出する電流検出工程と、
前記検出した電流に基づいて前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出工程と、
を含むことを特徴とした空転滑走検出方法である。
【0025】
第3または第14の発明によれば、1、2、12、または13の発明の効果に加えて、それぞれの誘導電動機において発生した空転・滑走を個別に、かつ、確実に検出すことができる。
【0026】
第4の発明は、
第3の発明の電動機制御装置において、
前記空転滑走検出手段、前記電流検出手段によって検出された、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流の相対値に基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とした電動機制御装置である。
【0027】
第4の発明によれば、空転滑走検出手段によって、複数の誘導電動機のうちの一部に空転・滑走が発生した場合にも、確実に空転・滑走を検出できる。
【0028】
第5の発明は、
第3の発明の電動機制御装置において、
前記空転滑走検出手段、前記電流検出手段によって検出された、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流の時間変化率に基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とした電動機制御装置である。
【0029】
第5の発明によれば、空転滑走検出手段によって、各誘導電動機毎の状態変化の推移(流入電流の時間変化率)を検出できるため、他の誘導電動機との相対的変化に関わらず、各誘導電動機において発生した空転・滑走を確実に検出できる。
【0030】
第6の発明は、
第3の発明の電動機制御装置において、
前記空転滑走検出手段、前記電流検出手段によって検出された、前記複数の誘導電動機それぞれに流入する電流の相対値および時間変化率の組み合わせに基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とした電動機制御装置である。
【0031】
第6の発明によれば、他の誘導電動機との相対変化および各誘導電動機毎の状態変化の推移に基づいて各誘導電動機の空転・滑走を検出することができるため、より確実に各誘導電動機の空転・滑走を検出できる。
【0032】
第7の発明は、
第3の発明の電動機制御装置において、
前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれの回転速度を推定する回転速度推定手段(例えば、図7の空転滑走検出部60)をさらに備え、
前記空転滑走検出手段、前記回転速度推定手段によって推定された、前記複数の誘導電動機それぞれの回転速度の相対値に基づいて、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とした電動機制御装置である。
【0033】
また、第15の発明の空転滑走検出方法は、
第14の発明の空転滑走検出方法において、
前記空転滑走検出工程、検出した電流に基づいて前記複数の誘導電動機それぞれの回転速度を推定する工程を含み、
前記推定された回転速度に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の空転あるいは滑走の発生を検出する空転滑走検出方法である。
【0034】
第7または第15の発明によれば、回転速度が推定できるため、回転速度に基づく従来の空転滑走検出方式を流用できる。
【0035】
第8の発明は、
第7の発明の電動機制御装置において、
前記空転滑走検出手段
前記回転速度推定手段によって推定された回転速度に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれの回転加速度を算出する加速度算出手段を備え、
前記加速度算出手段によって算出された、前記複数の誘導電動機それぞれの回転加速度と所定の閾値とを比較することにより、空転あるいは滑走が発生した駆動軸を検出することを特徴とした電動機制御装置である
【0036】
第8の発明によれば、加速度算出手段を備えたため、各誘導電動機の空転・滑走に基づく回転数の急激な変化を検出することによって、複数の誘導電動機のうち、一部の誘導電動機に発生した空転・滑走を確実に検出できる。
【0037】
第9の発明は、
前記ベクトル制御による給電によって、当該電動機制御装置に入力される指令電流に適応した定電流制御を行う第1の発明の電動機制御装置であって、
前記空転滑走検出手段、前記給電電流あるいは前記指令電流と、前記電流検出手段によって検出された電流との相対値に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出することを特徴とした電動機制御装置である
【0038】
第9の発明によれば、空転滑走検出手段は、給電電流あるいは指令電流と、検出された電流との相対値に基づいて空転・滑走を検出するため、複数の誘導電動機のうち、一部の誘導電動機に発生した空転・滑走をより確実に検出することができる。
【0039】
第10の発明は、
第1の発明の電動機制御装置において、
前記空転滑走検出手段、前記電流検出手段によって検出された電流の時間変化率に基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出することを特徴とした電動機制御装置である
【0040】
第10の発明によれば、空転滑走検出手段によって、各誘導電動機毎の状態変化の推移(流入電流の時間変化率)を検出できるため、他の誘導電動機との相対的変化に関わらず、空転・滑走をより確実に検出できる。
【0041】
また、第9と第10の発明を組み合わせることにより、より確実な空転・滑走の検出を実現する電動機制御装置を構成してもよい。
即ち、第11の発明として
前記ベクトル制御による給電によって、当該電動機制御装置に入力される指令電流に適応した定電流制御を行う第1の発明の電動機制御装置であって、
前記空転滑走検出手段、前記給電電流あるいは前記指令電流と、前記電流検出手段によって検出された電流との相対値、および、前記電流検出手段によって検出された電流の時間変化率、の組み合わせに基づいて、前記複数の誘導電動機それぞれが駆動する駆動軸の内、何れかの駆動軸における空転あるいは滑走の発生を検出する電動機制御装置を構成することとしてもよい。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明に係る電動機制御装置の実施の形態を詳細に説明するが、先ず、本発明を適用した電動機制御装置の基礎となる電動機制御装置1の実施形態(以下、「基礎実施形態」という。)を説明し、その後に、本発明を適用した電動機制御装置2,3それぞれの実施の形態を説明する
【0043】
基礎実施形態
まず、構成を説明する。
図1は、基礎実施形態の電動機制御装置1の制御部の構成を示す概略図である。
図1において、電動機制御装置1の制御部は、電車の誘導電動機を制御するために備えられ、主に、誘導電動機11~14(以下、誘導電動機を総称して、適宜、誘導電動機10という。)、インバータ20、電流センサ31~34(以下、電流センサを総称して、適宜、電流センサ30という。)、ベクトル制御演算器40、座標変換部50、空転滑走検出部60から構成される。
【0044】
誘導電動機11~14は、3相誘導電動機であり、インバータ20によって、各誘導電動機のu、v、wの3つの巻線に一次電圧(後述する電圧指令値)が印加されることにより、一次電流Iu、Iv、Iwがそれぞれ流入される(以下、適宜、誘導電動機11~14の個別のIu、Iv、IwをそれぞれIu-11~Iu-14、Iv-11~Iv-14、Iw-11~Iw-14という。また、後述するIdおよびIqについても、同様に表現する。)。すると、巻線u、v、wによって発生される回転磁界によって、回転子が回転し、回転子と連動する車軸が駆動される。また、誘導電動機11~14は、インバータ20によって、一括して制御される。
【0045】
インバータ20には、ベクトル制御演算器40から、誘導電動機11~14それぞれの3つの巻線u、v、wに印加する指定電圧Vu*、Vv*、Vw*(以下、「電圧指令値」という。)が入力される。そして、インバータ20は、入力された電圧指令値に従って出力電圧を調整し、誘導電動機11~14に給電する。
【0046】
電流センサ31~34は、誘導電動機11~14の入力端に設けられ、各誘導電動機に流入する一次電流Iu、Iv、Iwをそれぞれ検出する。即ち、電流センサ31~34は、誘導電動機11~14それぞれのu、v、wの3つの巻線(3相巻線)に流入する電流Iu、Iv、Iwを検出する。ここで、Iu、Iv、Iwは、電流センサ31~34によって誘導電動機11~14のそれぞれについて検出されるが、各誘導電動機のIu、Iv、Iwについて同様の処理がなされるため、適宜、誘導電動機11のIu-11、Iv-11、Iw-11を例として説明する。なお、図1においても誘導電動機11に係る電流のみを示し、他の誘導電動機に係る電流は図示を省略する。
【0047】
ベクトル制御演算器40には、座標変換部50から誘導電動機11~14に対応する電流のd軸、q軸成分Id-11~Id-14、Iq-11~Iq-14がそれぞれ入力され、また、不図示の電流指令演算部から電流指令値Id*、Iq*がそれぞれ入力される。このId*、Iq*は、電流指令演算部において算出された、誘導電動機11~14に入力指示される総電流ベクトルのd軸、q軸成分をそれぞれ示す値である。なお、基礎実施形態において、電流指令演算部は定電流制御を行うものとして説明する。この場合、各誘導電動機の負荷にばらつきが生じても、Id*、Iq*としては一定値が指示されることとなる。
【0048】
そして、ベクトル制御演算器40は、Id-11~Id-14、Iq-11~Iq-14、Id*、Iq*に基づいて、各誘導電動機のu、v、wの3つの巻線に印加する電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を算出し、インバータ20に出力する。
【0049】
また、ベクトル制御演算器40は、誘導電動機11~14の電流成分Id-11~Id-14、Iq-11~Iq-14をそれぞれ空転滑走検出部60に出力する。
【0050】
座標変換部50には、電流センサ31~34から、各誘導電動機の3相巻線のそれぞれに流入する電流Iu、Iv、Iwが入力され、この電流Iu、Iv、Iwを磁気的に等価なa、bの2つの巻線(2相巻線)に流入する電流成分Ia、Ib(2相静止座標a-b上の電流ベクトルの各軸成分)に変換する。さらに、座標変換部50は、Ia、Ibを回転子の角速度ω1で回転するd-q座標上の電流ベクトルの各軸成分Id、Iqに変換してベクトル制御演算器40に出力する。
【0051】
空転滑走検出部60は、ベクトル制御演算器40から誘導電動機11~14の電流成分Id、Iqが入力されると、電流成分Id、Iqに基づいて、各誘導電動機が空転あるいは滑走しているか否か(より正確には、各誘導電動機それぞれにより駆動される駆動軸が空転あるいは滑走しているか否か)を判定し、空転あるいは滑走が発生している場合に、空転滑走検出信号を出力する。
【0052】
ここで、図2および図3を参照して、空転滑走検出部60が各誘導電動機の電流成分Id、Iqに基づいて空転あるいは滑走を検出する方法について説明する。
【0053】
なお、説明を簡単にするために、電動機制御装置1によって2つの誘導電動機m、nを制御するものとして説明する。
【0054】
図2(a)は、空転・滑走が発生していない場合の誘導電動機m、nに流入する電流ベクトルIm、InおよびIm、Inの和である総電流ベクトルIの関係を示すベクトル図であり、図2(b)は、誘導電動機nが空転した場合の電流ベクトルIm、Inおよび総電流ベクトルIの関係を示すベクトル図である。また、図2におけるV1は、総電流ベクトルIに対する一次電圧ベクトル、φ2は、二次鎖交ベクトルであり、この二次鎖交ベクトルφ2が、d軸と一致するように座標設定されている。
【0055】
図2(a)、(b)において、ベクトル制御演算器40が定電流制御を行うため、総電流ベクトルIの振幅(総電流ベクトルIの長さ)は一定となる。ここで、誘導電動機nが空転した場合、電流ベクトルInの振幅およびd軸となす角が変化する。即ち、図2(a)の電流ベクトルInから図2(b)の電流ベクトルInへ変化する。すると、(総電流ベクトルI)=(電流ベクトルIm)+(電流ベクトルIn)であるため、電流ベクトルImが、電流ベクトルInの変化を打ち消すように変化する。その結果、総電流ベクトルIの振幅は一定となる。したがって、従来の誘導電動機m、nを1つの仮想電動機として定電流制御する方式の場合、総電流ベクトルIのみに基づいて空転あるいは滑走を検出するため、誘導電動機m、nのいずれかにおいて発生した空転・滑走を検出できなかった。一方、基礎実施形態においては、各誘導電動機毎の電流ベクトルIm、Inをそれぞれ解析するため、総電流ベクトルIの振幅が変化しない場合であっても、誘導電動機nにおいて発生した空転あるいは滑走を検出できることとなる。
【0056】
また、図3は、定電流制御される場合に、誘導電動機nが空転した際の、誘導電動機m、nが発生するトルク(τe-m、τe-n)、実際の負荷トルク(τl-m、τl-n)および誘導電動機m、nのd軸、q軸電流(Id-m、Iq-m)、(Id-n、Iq-n)の関係を示す図である。なお、図3中、τe-mとτl-mは、誘導電動機mが空転していないことから一致している。
【0057】
図3において、時刻t=1で誘導電動機nが空転すると、誘導電動機nの負荷トルクτl-nが減少する。すると、減少した負荷トルク分のトルクを下げるようにトルク電流が減少し、トルク電流の減少分(Iq-nの減少分)は、誘導電動機mのトルク電流の増加分(Iq-mの増加分)として配分されることとなる(図2のdIq参照)。そのため、誘導電動機mのトルク(τe-m)が増加する。この現象を放置した場合、誘導電動機mに過度のトルクがかかり、誘導電動機mも空転し得る。即ち、全軸空転が発生し得る。
【0058】
以下、空転滑走検出部60が空転あるいは滑走を検出する際の具体的な第1~第3の方法について説明する。
【0059】
第1の方法では、空転滑走検出部60は、誘導電動機m、nそれぞれに流入する電流振幅の差(図2のdIq)を検出し、この電流振幅の差が所定値以上となった場合に、空転あるいは滑走が発生していると判定する(図4(a)にこの場合の空転滑走検出部60を示す。)。また、空転滑走検出部60は、誘導電動機m、nに流入する電流の位相差(図2のdθ)が所定値以上となった場合に、空転あるいは滑走が発生していると判定する(図4(b)にこの場合の空転滑走検出部60を示す。)。
【0060】
即ち、図2において、空転滑走検出部60は、ベクトル制御演算器40から入力された誘導電動機m、nの一次電流ベクトルIm、Inを解析することによって、誘導電動機m、nに流入する電流振幅(q軸成分)の差dIq(=Iq-m-Iq-n)を検出し、dIqが所定値以上の場合に空転あるいは滑走が発生したと判定する。また、空転滑走検出部60は、ベクトル制御演算器40から入力された誘導電動機m、nの一次電流ベクトルIm、Inとd軸とがなす角θ1、θ2の差(位相差)dθを検出し、位相差dθが所定値以上の場合に空転あるいは滑走が発生したと判定する。なお、電流振幅の差に基づいて車軸の空転あるいは滑走を検出する場合、電流振幅のd軸成分あるいは電流ベクトルIm、Inそれぞれの全振幅の差に基づいて空転あるいは滑走を検出することも可能である(以下説明を省略するが、第2の方法(電流振幅の時間変化に基づく検出方法)および第3の方法(第1と第2の方法の組合せによる検出方法)においても同様に空転あるいは滑走の検出が可能である。)。
【0061】
第2の方法では、空転滑走検出部60は、誘導電動機m、nそれぞれに流入する電流振幅の時間変化dIq-m/dt、dIq-n/dtを検出し、この電流振幅の時間変化が所定値以上となった場合に、空転あるいは滑走が発生したと判定する(図5(a)にこの場合の空転滑走検出部60を示す。)。また、空転滑走検出部60は、誘導電動機m、nに流入する電流の位相時間変化が所定値以上となった場合に、空転あるいは滑走が発生したと判定する(図5(b)にこの場合の空転滑走検出部60を示す。)。
【0062】
即ち、図5(a)において、空転滑走検出部60は、ベクトル制御演算器40から入力された誘導電動機m、nの一次電流ベクトルIm、Inを解析することによって、誘導電動機m、nに流入する電流振幅の時間変化dIq-m/dt、dIq-n/dtを検出し、dIq-m/dt、dIq-n/dtが所定値以上の場合に空転あるいは滑走が発生したと判定する。また、図5(b)において、空転滑走検出部60は、位相差dθの時間変化dθ/dtを検出し、dθ/dtが所定値以上の場合に空転あるいは滑走が発生したと判定する。
【0063】
なお、図5(b)より、dθ1/dtあるいはdθ2/dtを検出し、これらが所定値以上であるか否かを判定することによっても、空転あるいは滑走を検出することが可能である。即ち、誘導電動機m、nの一方が空転あるいは滑走した場合には、他方の誘導電動機の電流ベクトルにも影響が現れるため、誘導電動機m、nの何れか1つの一次電流ベクトルIm、Inを解析することによっても空転あるいは滑走を検出することが可能である。
【0064】
第3の方法では、空転滑走検出部60は、第1および第2の方法によって検出される電流差dIqまたは位相差dθおよび電流振幅の時間変化dIq-m/dt、dIq-n/dtまたは位相差dθの時間変化dθ/dtが所定値以上であるか否かの条件を組み合わせて判定することによって、車軸の空転あるいは滑走を検出する(図6にこの場合の空転滑走検出部60を示す。)。
【0065】
例えば、電流差dIqおよび電流振幅の時間変化dIq-m/dt、dIq-n/dtが所定値以上である場合に空転滑走を検出することとしたり、電流の位相差dθおよび電流位相の時間変化dθ1/dt、dθ2/dt が所定値以上である場合および電流差dIqが所定値以上である場合にも空転滑走を検出するといった組み合わせが可能である。
【0066】
次に、動作を図1を用いて説明する。
誘導電動機10によって電車の車軸が駆動されると、電流センサ30によって誘導電動機10に流入する電流Iu、Iv、Iwが検出される。次に、座標変換部50によって、この電流Iu、Iv、Iwがd-q座標上の電流ベクトル(Id、Iq)に変換され、ベクトル制御演算器40に入力される。
【0067】
尚、電流が平衡している場合には、Iu、Iv、Iwのうち二つを用いればよく、(Iu、Iv)より(Id、Iq)への変換式として、例えば次の式が知られている。
【数1】
JP0003749132B2_000002t.gifここにθはU相電流と磁束のなす角を示す。
【0068】
次に、ベクトル制御演算器40によって、電流指令演算部から入力された電流指令値Id*、Iq*および座標変換部50から入力されたId、Iqに基づいて電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が算出され、インバータ20に出力される。そして、インバータ20によって、各誘導電動機に電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づく電圧および電流が出力される。
【0069】
また、ベクトル制御演算器40によってId、Iqが空転滑走検出部60に入力され、空転滑走検出部60によって所定方法(上記第1~第3のいずれかの方法)による空転滑走検出が行われる。
【0070】
以上のように、基礎実施形態における電動機制御装置1は、各誘導電動機に備えられた電流センサ30によって検出された電流に基づいて、各誘導電動機に発生した空転あるいは滑走を検出する。
【0071】
したがって、一の制御部によって複数の誘導電動機を制御する場合にも、それぞれの誘導電動機に発生する空転あるいは滑走を確実に検出できる。また、速度センサを用いて誘導電動機の回転速度を検出することなく、電流センサ30によって検出された電流に基づいて個々の誘導電動機の空転・滑走を検出できる。
【0072】
なお、空転滑走検出部60は、以下のような構成とすることも可能である。
即ち、空転滑走検出部60は、誘導電動機11~14に流入する電流Iu、Iv、Iwに基づいて、誘導電動機11~14の速度を推定する。そして、空転滑走検出部60は、従来の電動機制御方法である、速度センサによって検出した誘導電動機の回転速度に基づく空転滑走検出において、速度センサの検出信号の代わりに、推定した速度に基づく空転滑走検出を行うこととしてもよい。
【0073】
ここで、速度センサを用いないベクトル制御における速度推定の方法はいくつか知られている。例えば、1999年11月に開催された「第36回サイバネティックス利用国内シンポジウム」の論文番号522「速度センサレスベクトル制御の車両駆動への応用」では次式を紹介している。
【数2】
JP0003749132B2_000003t.gif【0074】
図7は、推定速度に基づく空転滑走検出を行う場合の空転滑走検出部60の構成を示すブロック図である。図7の空転滑走検出部60は、図17に示す従来の空転・滑走検出回路において、速度センサによって検出した各誘導電動機の回転速度V1~V4に代えて、誘導電動機11~14に流入する電流Iu、Iv、Iwから推定した回転速度V1’~V4’について、図17の各部と同様に処理することにより空転滑走を検出する。
【0075】
尚、速度センサを備えた従来の電動機制御装置に、さらに、基礎実施形態における電流センサ30および座標変換部50を付加するとともに、ベクトル制御演算器40の処理プログラム等を変更することにより、従来の検出回路を活用した従来の検出方式を行いつつ、基礎実施形態において説明した検出方式をも並行して実行する、電動機制御を実現することができる。
【0076】
また、基礎実施形態において、空転滑走検出部60には、ベクトル制御演算器40から各誘導電動機の電流に関する情報(Id、Iq)を入力される構成としたが、各誘導電動機に設けられた電流センサ30から、ベクトル制御演算器40を介さずにIu、Iv、Iwのうち少なくとも二つの電流値が入力されることとし、空転滑走検出部60がベクトル制御演算器40とは独立して空転・滑走を検出可能な構成としてもよい。
【0077】
電流Iu、Iv、Iwのうち例えばIuとIvを用いて静止座標系の電流ベクトル(Ia、Ib)を求めることができる。
【数3】
JP0003749132B2_000004t.gif誘導電動機m、nの電流ベクトルを(Ia-m、Ib-m)、(Ia-n、Ib-n)とすると、電流の差は例えば、|Ia-m-Ia-n|+|Ib-m-Ib-n|や(Ia-m-Ia-n2+(Ib-m-Ib-n2で表すことができ、これが一定値を超えたことをもって空転あるいは滑走と判定する。またIa、Ibの値より電流の振幅を次式で求めることができ、これをもとに判定することとしてもよい。
【数4】
JP0003749132B2_000005t.gif図8は、このような構成とする場合の電動機制御装置1の制御部の一例を示す図である。
【0078】
さらに、基礎実施形態において、電流指令演算部は定電流制御を行うこととして説明したが、定電流制御でない場合にも、基礎実施形態の適用が可能である。またここでは1つのインバータより給電される電動機を2個の場合として説明したが、複数の電動機であれば同様に基礎実施形態を適用できる。図9は、図2の例(電動機制御装置1によって2つの誘導電動機m、nを制御する例)において、定電流制御でない場合に、誘導電動機nが空転した際の電流ベクトルIm、Inおよび総電流ベクトルIの関係を示すベクトル図である。定電流制御でない場合、空転していない誘導電動機mの電流ベクトルは変化せず、空転している誘導電動機nの電流ベクトルのみ、その振幅および位相が変化する。したがって、各電流ベクトルIm、Inの変化あるいは総電流ベクトルIの変化を解析することによって、各誘導電動機の空転・滑走が検出できる。
【0079】
以下、上述した基礎実施形態を基に、本発明を適用した電動機制御装置の2つの実施の形態について詳細に説明する。
〔第の実施の形態〕
本第の実施の形態は、基礎実施形態における空転滑走検出部60による空転あるいは滑走の検出の変形例を示すものであり、大きく分けて2つの技術が含まれる。1つは、複数の誘導電動機10の内、少なくとも1つの誘導電動機に電流センサを設けることにより、誘導電動機10の何れかにおいて空転あるいは滑走が発生したことを検出する技術である。もう1つは、電流センサから入力される電流相互間を比較するのではなく、電流指令値と誘導電動機に流入する電流とを比較することにより、空転あるいは滑走を検出する技術である。
【0080】
図10は、上記2つの技術を実現するための、本第の実施の形態における電動機制御装置2の制御部の構成を示す概略図であり、基礎実施形態と同一部分については同一符合を付している。同図において、電流センサ30は、誘導電動機14に設けられた電流センサ340のみであり、他の誘導電動機11、12、13には設けられていない。そして、電流センサ340から、ベクトル制御演算器40を介さずにIu-14、Iv-14、Iw-14のうち少なくとも二つの電流値が空転滑走検出部600に入力される(上述した通り、数式1等により二つの電流値から電流ベクトルを求め得る。)。また空転滑走検出部600には、不図示の電流指令演算部から電動機制御装置2に入力される、トルク成分に係る電流指令値Iq*が入力される。
【0081】
本第の実施の形態において、インバータ20、ベクトル制御演算器40、誘導電動機10、および電流センサ30それぞれの働き、動作は、基礎実施形態と同様であるため説明を省略し、異なる部分である空転滑走検出部600の動作等を中心に説明する。また、本第の実施の形態においても、基礎実施形態と同様、定電流制御を行うものとして説明する。
【0082】
まず、d-q軸座標系におけるベクトル図を用いて、本第の実施の形態の原理を説明する。図11(a)は、空転・滑走が発生していない状態の誘導電動機11~14に流入する電流ベクトルi1-1~i1-4およびi1-1~i1-4の和である総電流ベクトルi1の関係を示すベクトル図であり、図11(b)は、誘導電動機12が空転した(より正確には、誘導電動機12が駆動する駆動軸が空転した)場合の電流ベクトルi1-1~i1-4および総電流ベクトルi1の関係を示すベクトル図である。また、同図におけるi1q*は1軸分に換算した電流指令値、V1は総電流ベクトルi1に対する一次電圧ベクトル、φ2は二次鎖交磁束ベクトルであり、二次鎖交磁束ベクトルφ2がd軸と一致するように座標設定されている。また、空転の前後の変化を分かり易くするため、同図(a)と(b)とでは電流ベクトルi1-1~i1-4の位置を変更している。
【0083】
図11(a)、(b)において、ベクトル制御演算器40が定電流制御を行うため、総電流ベクトルi1の振幅(総電流ベクトルi1の長さ)および位相(総電流ベクトルi1とd軸のなす角)は一定となる。ここで、誘導電動機12が空転した場合、電流ベクトルi1-2の振幅および位相が変化する。即ち、図11(a)の電流ベクトルi1-2から図11(b)の電流ベクトルi1-2へ変化する。
【0084】
しかし、定電流制御下においては電流指令値が一定に保たれるため、総電流ベクトルi1は一定である。即ち、誘導電動機12の空転によって電流ベクトルi1-2のみならず、他の誘導電動機11、13、14の電流ベクトルi1-1、i1-3、i1-4も、電流ベクトルi1-2の変化を打ち消すように変化することとなる。
【0085】
また図11(b)においては、誘導電動機12が空転したことにより、次の事象が発生していることが分かる。即ち、▲1▼空転した誘導電動機12の電流ベクトルi1-2の位相θ2と、空転しなかった誘導電動機11の電流ベクトルi1-1の位相θ1とには、位相差θが生じること。▲2▼1軸分の電流指令値i1q*に対する電流ベクトルi1-2のq軸成分変位Δi1q-2と、1軸分の電流指令値i1q*に対する電流ベクトルi1-1のq軸成分変位Δi1q-1とには、Δi1q-1=Δi1q-2/3の関係があること。
【0086】
したがって、誘導電動機11~14に流入される電流の内、少なくとも1つの電流を解析すれば、誘導電動機11~14の何れが空転・滑走したかは分からずとも、誘導電動機11~14の何れかが空転・滑走したことを検出することができる。給電ラインに複数並列に接続された誘導電動機を一括して制御している場合においては、空転等した誘導電動機を特定するまでもなく、何れかの誘導電動機が空転等した場合には、給電電圧値あるいは給電電流量を絞る必要がある。このため、何れかの誘導電動機が空転等したか否かを検出する場合には、誘導電動機それぞれに電流センサを設ける必要はなく、本第1の実施の形態のように、少なくとも1つの誘導電動機に電流センサを設けるだけで済む。尚、これらの事象は、誘導電動機の数の違いはあれど、基礎実施形態において図示・説明した図2においても同様に生じているものである。
【0087】
また、図12は、誘導電動機12が空転した際の、誘導電動機11~14が発生するトルクτe-1~τe-4、実際の負荷トルクτl-1~τl-4、誘導電動機11~14のd軸電流i1d-1~i1d-4、q軸電流i1q-1~i1q-4、および誘導電動機11~14それぞれに駆動される各駆動軸の回転速度Vt-1~Vt-4の関係を示す図である。なお、回転速度Vt-1~Vt-4が上昇していることから分かる通り、図12においては、定電流制御下ではあるが、電圧値が徐々に高められている。また、誘導電動機12の空転検出は、1軸分の電流指令値i1q*と誘導電動機11のq軸電流i1q-1の差を用いて検出した。
【0088】
図12において、時刻t=1で誘導電動機12の負荷トルクτl-2が減少し、誘導電動機12が空転する。すると、空転により、誘導電動機12のすべり周波数が減少した分だけトルク電流i1q-2が減少し、トルク電流の減少分(i1q-2の減少分)は、誘導電動機11、13、14のトルク電流の増加分として配分されることとなる。そのため、誘導電動機11、13、14のトルクτl-1、τl-3、τl-4が増加する。この現象を放置した場合、誘導電動機11、13、14に過度のトルクがかかり、全軸空転が発生し得る。
【0089】
以下、空転滑走検出部600が空転あるいは滑走を検出する際の具体的な第4~第6の方法について説明する。尚、電流センサは、図10に示した通り、誘導電動機14のみに設けられているものとする。
【0090】
第4の方法は、基礎実施形態における第2の方法と同様であり、空転滑走検出部600が、誘導電動機14の電流ベクトルi1-4の、電流振幅の時間変化又は/及び位相の時間変化が所定値以上になった場合に空転あるいは滑走が発生したと判定する。
【0091】
第5の方法は、1軸分の電流指令値i1*と、電流ベクトルi1-4との振幅差又は/及び位相差が所定値以上になった場合に、空転滑走検出部600が空転あるいは滑走が発生したと判定する。具体的には、電流指令値i1*のq軸成分i1q*と、電流ベクトルi1-4のq軸成分i1q-4との差を監視する等により実現できる。
【0092】
第6の方法は、インバータ20からの給電電流(図10における矢視破線による検出値)と、電流ベクトルi1-4との振幅差又は/及び位相差が所定値以上になった場合に、空転滑走検出部600が空転あるいは滑走が発生したと判定する。具体的には、第5の方法と同様に、それぞれの電流のq軸成分の差を監視する等して実現することができる。
【0093】
但し、上記第4~第6の方法において、注意しなければならないのは、空転あるいは滑走が発生したと判定する基準となる所定値(検出閾値)である。誘導電動機14が空転等した場合と、誘導電動機14以外の誘導電動機が空転等した場合とでは、電流ベクトルi1-4の変位量が異なるからである。具体的に図面を参照して説明する。
【0094】
図13は、電動機制御装置2によって2台の誘導電動機が制御されている場合において、1軸分(誘導電動機それぞれによって駆動される駆動軸の内の1つ)だけ空転した場合の、各誘導電動機に流入したトルク成分電流の挙動を示す図である。また、図14は、電動機制御装置2によって4台の誘導電動機が制御されている場合において、1軸分だけ空転した場合の、各誘導電動機に流入したトルク成分電流の挙動を示す図である。
【0095】
まず図13においては、誘導電動機が2台であるため、空転した誘導電動機であっても、空転しなかった誘導電動機であっても、トルク成分電流の変位量(正負の違いはあるが)は変わらないことが分かる。しかし図14においては、空転した誘導電動機に比べ、空転しなかった誘導電動機のトルク成分電流の変位量が1/3となっている。これは、空転した1軸分のトルク電流の減少分が空転していない3軸分のトルク電流の増加分となったためである。
【0096】
このことにより、定電流制御下の複数台誘導電動機駆動時において、空転が生じた場合には以下の関係があることが分かる。
空転していない誘導電動機のトルク電流増加分の合計≒ 空転した誘導電動機のトルク電流減少分の合計
空転していない誘導電動機1台のトルク電流増加分≒(空転していない誘導電動機のトルク電流増加分の合計)/(空転していない誘導電動機の数)
【0097】
ここで、全ての誘導電動機に電流センサを設けて、各誘導電動機に流入する電流相互間の振幅差、位相差をもって空転・滑走を検出する場合の検出閾値(所定値)を“1”とすると、図13のような誘導電動機が2台の場合の検出閾値は“1/2”であり、図14のような誘導電動機が4台の場合の検出閾値は“1/6”である必要がある。即ち、全ての誘導電動機に電流センサを設けた場合には、増加した電流と減少した電流間の差を検出できるが、図13や図14の場合には、1つの電流における増加分あるいは減少分しか検出できない。更に、図14の場合においては、電流センサが設けられた誘導電動機が空転しなかった場合、空転している誘導電動機のトルク電流の変位に比べ、その変位が1/3となる。このため、図13の場合には検出閾値を“1/2”、図14の場合には検出閾値を“1/6”とする必要がある。
【0098】
尚、誘導電動機が4台の場合に、複数の誘導電動機に電流センサを設けることとしてもよい。その場合には、検出閾値は“1/6”以上の値となる。
【0099】
このように、電動機制御装置2によって複数台の誘導電動機が制御されている場合、誘導電動機全てに電流センサを設けることなく、少なくとも1つの電流センサによって、制御されている誘導電動機の何れかが空転あるいは滑走していることを検出することができる。そのため、電流センサの設置に係るコストを削減し、電動機制御装置2全体の故障率を低減させることができる。
【0100】
〔第の実施の形態〕
上記基礎実施形態および第の実施の形態においては、誘導電動機に流入する三相分の電流のうち、少なくとも二つの電流値を検出し、d-q座標上の電流ベクトルに変換することとして説明した。しかし、d-q座標上への変換をせずに、各誘導電動機に流入する電流値のみを監視対象(比較対象)として、空転あるいは滑走を検出することとしてもよい。
【0101】
以下、具体的に説明する。図15は、各誘導電動機の同相の電流値を監視する本第の実施の形態における電動機制御装置3の制御部の構成を示す概略図である。基礎実施形態と同一部分には同一の符号を付している。図15において、電流センサ311、321、331、341が、誘導電動機11、12、13、14それぞれに流入するw相の電流値を検出する。そして、空転滑走検出部601が、各電流値Iw-11、Iw-12、Iw-13、Iw-14を常時比較・監視することにより、空転あるいは滑走の発生を検出する。
【0102】
図16は、本第の実施の形態における空転滑走検出部601の構成を示すブロック図である。空転滑走検出部601は、電流センサ311、321、331、341が検出した電流値Iw-11、Iw-12、Iw-13、Iw-14の内から2つずつ、全ての組み合わせについて、電流値の差およびその微分値の差を監視する。従って、例えば、誘導電動機11の駆動軸が空転した場合には、電流値Iw-11が変化することとなるが、この電流値Iw-11は他の誘導電動機12、13、14の電流値Iw-12、Iw-13、Iw-14と比較・監視されているため、即時に空転の発生を検知することができる。
【0103】
また、第の実施の形態においては、各誘導電動機全ての電流を検出することとしたが、第の実施の形態と同様、少なくとも2つの誘導電動機の同相電流を検出することとしてもよい。即ち、例えば、電流センサ311、321のみを具備させ、電流値Iw-11と電流値Iw-12とを比較・監視することをもって、4つの誘導電動機11、12、13、14の何れかの空転あるいは滑走を検知することとしてもよい。但し、その場合には、図12~14を参照して説明した通り、空転あるいは滑走が発生したと判定する基準となる所定値(検出閾値)を注意して設定する必要がある。
【0104】
の実施の形態によれば、最低限2つの誘導電動機の同相電流さえ検出できれば、一の給電ラインに並列に接続された複数の誘導電動機の何れかに、空転あるいは滑走が発生したことを検知することができる。従って、基礎実施形態や第の実施の形態に比べ、なお一層電流センサの数を削減させ、省メンテナンスを図ることができる。
【0105】
以上実施の形態について説明したが従来の電動機制御装置を、本発明を適用した電動機制御装置に改良することとしてもよいし、また、従来の電動機制御装置に対して、さらに本発明を適用し、従来の方式による電動機の空転・滑走の検出と、本発明による電動機の空転・滑走の検出とを並列的に実現する電動機制御装置としてもよいことはいうまでもない。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、各誘導電動機の回転速度を検出することなく、何れかの誘導電動機、あるいは、それぞれの誘導電動機において発生した空転・滑走を検出できる。また、回転速度検出手段として速度センサ等を誘導電動機に備える必要がないため、電動機を大型化し、高出力化することができる。さらに、電流検出手段(電流センサ等)は、速度検出手段(速度センサ等)に比べ故障しにくく、また、誘導電動機の回転速度に比べ、流入電流を検出することは容易であるため、より確実かつ正確に各誘導電動機に発生した空転・滑走を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基礎実施形態における電動機制御装置1の制御部の構成を示す概略図である。
【図2】(a)は、空転・滑走が発生していない場合の電流ベクトルIm、Inおよび総電流ベクトルIの関係を示すベクトル図であり、(b)は、誘導電動機nが空転した場合の電流ベクトルIm、Inおよび総電流ベクトルIの関係を示すベクトル図である。
【図3】定電流制御される場合に、誘導電動機nが空転した際の、誘導電動機m、nが発生するトルク(τe-m、τe-n)、実際の負荷トルク(τl-m、τl-n)および誘導電動機m、nのd軸、q軸電流(Id-m、Iq-m)、(Id-n、Iq-n)の関係を示す図である。
【図4】空転・滑走を検出する第1の方法における空転滑走検出部60の構成図。
【図5】空転・滑走を検出する第2の方法における空転滑走検出部60の構成図。
【図6】空転・滑走を検出する第3の方法における空転滑走検出部60の構成図。
【図7】推定速度に基づく空転滑走検出を行う場合の空転滑走検出部60の構成を示すブロック図である。
【図8】ベクトル制御演算器40を介さずに、空転滑走検出部60に電流に関する情報が入力される場合の電動機制御装置1の制御部の一例を示す図である。
【図9】図2の例(電動機制御装置1によって2つの誘導電動機m、nを制御する例)において、定電流制御でない場合に、誘導電動機nが空転した際の電流ベクトルIm、Inおよび総電流ベクトルIの関係を示すベクトル図である。
【図10】 本発明を適用した第の実施の形態における電動機制御装置2の制御部の構成を示す概略図である。
【図11】(a)は、空転・滑走が発生していない場合の誘導電動機11~14に流入する電流ベクトルi1-1~i1-4およびi1-1~i1-4の和である総電流ベクトルi1の関係を示すベクトル図であり、(b)は、誘導電動機12が空転した場合の電流ベクトルi1-1~i1-4および総電流ベクトルi1の関係を示すベクトル図である。
【図12】誘導電動機12が空転した際の、誘導電動機11~14が発生するトルクτe-1~τe-4、実際の負荷トルクτl-1~τl-4、誘導電動機11~14のd軸電流i1d-1~i1d-4、q軸電流i1q-1~i1q-4、および誘導電動機11~14それぞれに駆動される各駆動軸の回転速度Vt-1~Vt-4の関係を示す図である。
【図13】電動機制御装置2によって2台の誘導電動機が制御されている場合において、1軸分だけ空転した場合の、各誘導電動機に流入したトルク成分電流の挙動を示す図である。
【図14】電動機制御装置2によって4台の誘導電動機が制御されている場合において、1軸分だけ空転した場合の、各誘導電動機に流入したトルク成分電流の挙動を示す図である。
【図15】 本発明を適用した第の実施の形態における電動機制御装置3の制御部の構成を示す概略図である。
【図16】 本発明を適用した第の実施の形態における空転滑走検出部601の構成を示すブロック図である。
【図17】速度センサを用いる電動機制御装置の空転・滑走検出回路の一例を示す図である。
【図18】電動機に給電される電流のみに基づいて電動機を制御する電動機制御装置100の制御部を示す概略図である。
【符号の説明】
1、2、3、100 電動機制御装置
10(11~14)、110(111~114) 誘導電動機
20、120 インバータ
30(31~34)、130 電流センサ
40、140 ベクトル制御演算器
50 座標変換部
60 空転滑走検出部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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