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明細書 :列車検知管理システム及び列車進入進出検知方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4726166号 (P4726166)
公開番号 特開2002-255032 (P2002-255032A)
登録日 平成23年4月22日(2011.4.22)
発行日 平成23年7月20日(2011.7.20)
公開日 平成14年9月11日(2002.9.11)
発明の名称または考案の名称 列車検知管理システム及び列車進入進出検知方法
国際特許分類 B61L   3/12        (2006.01)
FI B61L 3/12 Z
請求項の数または発明の数 6
全頁数 11
出願番号 特願2001-057432 (P2001-057432)
出願日 平成13年3月1日(2001.3.1)
審査請求日 平成20年1月24日(2008.1.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
発明者または考案者 【氏名】西堀 典幸
【氏名】佐々木 達也
【氏名】平栗 滋人
【氏名】平尾 裕司
【氏名】河内 弘一
【氏名】笠井 貴之
【氏名】日▲高▼ 康子
個別代理人の代理人 【識別番号】100078330、【弁理士】、【氏名又は名称】笹島 富二雄
審査官 【審査官】神山 貴行
参考文献・文献 特開平11-255125(JP,A)
特開平05-008732(JP,A)
特開2000-038135(JP,A)
特開2000-071989(JP,A)
特開2000-016292(JP,A)
調査した分野 B61L 1/00~29/32
特許請求の範囲 【請求項1】
レール上を走行する複数編成の列車の最先頭側の編成がブロックの境界に対向配置された質問器と地上応答器との間の通信を遮断するのを検知して前方のブロックへの列車の進入を検知するステップと、
列車を構成する編成の車上応答器からの編成識別情報を上記質問器で受信することにより当該ブロックへ進入した編成を確定するステップと、
上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で列車の最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの上記最後尾側の編成の進出を検知するステップと、
含んで構成される列車進入進出検知方法。
【請求項2】
記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で上記最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの、上記最後尾側の編成より前側の編成の進出を検知するステップを、更に含んで構成される請求項1に記載の列車進入進出検知方法。
【請求項3】
上記前方のブロックへの列車の進入を検知するステップの次に、後方のブロックにて上記最後尾側の編成より前に在線している編成も、上記最後尾側の編成より前に上記前方のブロックへ進入したと検知するステップを、更に含んで構成される請求項1又は請求項2に記載の列車進入進出検知方法。
【請求項4】
複数編成の列車の走行における閉そく区間であるブロックの各境界にてレールの近傍に設置され、質問信号を送信すると共に応答信号を受信する質問器と、
列車通過時に列車の車体により通信領域が遮断されるように上記質問器に対向して設置され、上記質問信号を受信すると共に自分の識別情報を含んだ応答信号を送信する地上応答器と、
各編成毎に搭載され、上記質問信号を受信すると共に当該編成の識別情報を含んだ応答信号を送信する車上応答器と、
上記各ブロックの境界の質問器が受信した地上応答器及び車上応答器からの応答信号に基づいて各ブロックの列車の進入・進出を検知する列車検知装置と、
を含んで構成され、
上記列車検知装置は、
列車の最先頭側の編成が質問器と地上応答器との間の通信を遮断するのを検知して前方のブロックへの列車の進入を検知し、
列車を構成する編成の車上応答器からの編成識別情報を質問器で受信することにより当該ブロックへ進入した編成を確定し、
上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で列車の最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの上記最後尾側の編成の進出を検知する
ことを特徴とする列車検知管理システム。
【請求項5】
上記列車検知装置は、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で上記最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの、上記最後尾側の編成より前側の編成の進出をも検知することを特徴とする請求項4に記載の列車検知管理システム。
【請求項6】
上記列車検知装置は、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で上記最後尾側の編成より前側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの、上記最後尾側の編成より前側の編成の進出を検知することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の列車検知管理システム。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上又は車上に設置された通信手段による通信状態をもとにして列車の在線管理を実現しようとする列車検知管理システム及び列車進入進出検知方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レール上を走行する列車の位置を検知するには、列車が走行する2本のレールを検知回路中に組み込んだ軌道回路によって主に行われている。そして、上記レールの切れ目の位置を列車の車輪が通過した際に、該車輪及び車軸で軌道回路が短絡されることにより、当該レール上に列車が在ることを検知していた。この列車の在線の検知により、その進行方向後方の信号機を青から赤に変えて、列車走行の閉そく区間であるブロック内には一つの列車しか入れないようにしていた。これにより、列車運行の安全性を確保していた。
【0003】
また、閉そく区間の列車検知情報を用いて信号機を制御し、その区間を防護する装置として閉そく装置がある。特に単線においては、対向列車に対する閉そく機能も必要であり、従来単線用として主に使用されている閉そく装置は、駅構内の軌道回路の他、停車場へ進入、進出した列車を識別する装置を備えていた。
【0004】
また、近年では、大都市通勤線区向けの軌道回路によらないシステムとして、無線通信手段を利用した新しい概念の列車位置検知システムが開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、列車位置検知の手段として主に利用されている軌道回路は、レールと列車の車軸を電気回路の一部として構成しているので、以下のような問題点が見受けられる。
(1)天候の影響を受けやすい。
(2)細かな現場調整作業や、定期的な保守作業が必要である。
(3)レールの腐食(浮き錆など)によるレールと車両との短絡不良が発生する。
(4)大容量の電源設備が必要である。
(5)レールと車両との短絡感度の制限により、車両軽量化が妨げられることがある。
【0006】
また、従来単線用として主に使用されている閉そく装置には、駅構内の軌道回路の他、停車場へ進入、進出した列車を識別する装置が必要であった。
【0007】
また、大都市通勤線区向けの無線通信手段を利用した列車位置検知システムは、列車の識別は可能であるが、大規模なシステムとなり、コストが高く、利用客が少ない地方交通線区には適さないものであった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、軌道回路によらないで、在線列車情報をブロック単位で得ることによって、ブロック単位での連続的な在線管理を実現し、在線列車情報も含む在線情報を外部装置へ出力する列車検知管理システム及び列車進入進出検知方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による列車進入進出検知方法は、レール上を走行する複数編成の列車の最先頭側の編成がブロックの境界に対向配置された質問器と地上応答器との間の通信を遮断するのを検知して前方のブロックへの列車の進入を検知するステップと、列車を構成する編成の車上応答器からの編成識別情報を上記質問器で受信することにより当該ブロックへ進入した編成を確定するステップと、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で列車の最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの上記最後尾側の編成の進出を検知するステップと、を含んで構成される。
【0010】
本発明による列車検知管理システムは、複数編成の列車の走行における閉そく区間であるブロックの各境界にてレールの近傍に設置され、質問信号を送信すると共に応答信号を受信する質問器と、列車通過時に列車の車体により通信領域が遮断されるように上記質問器に対向して設置され、上記質問信号を受信すると共に自分の識別情報を含んだ応答信号を送信する地上応答器と、各編成毎に搭載され、上記質問信号を受信すると共に当該編成の識別情報を含んだ応答信号を送信する車上応答器と、上記各ブロックの境界の質問器が受信した地上応答器及び車上応答器からの応答信号に基づいて各ブロックの列車の進入・進出を検知する列車検知装置と、を含んで構成される。また、上記列車検知装置は、列車の最先頭側の編成が質問器と地上応答器との間の通信を遮断するのを検知して前方のブロックへの列車の進入を検知し、列車を構成する編成の車上応答器からの編成識別情報を質問器で受信することにより当該ブロックへ進入した編成を確定し、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で列車の最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信することにより、上記進入したブロックより後方のブロックからの上記最後尾側の編成の進出を検知する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による列車検知管理システムの実施の形態を示すシステム構成図である。この列車検知管理システムは、列車走行の閉そく区間であるブロックへの列車の進入、進出を検知すると共に在線列車の情報を管理するもので、質問器Q(Q1~Q4)と、地上応答器G(G1~G4)と、車上応答器Vと、列車検知装置1とを備えて成る。
【0024】
上記質問器Qは、後述の地上応答器G又は車上応答器Vに対して質問信号を送信すると共に、上記地上応答器G又は車上応答器Vからの応答信号を受信する第1通信手段となるもので、指向性を有する通信領域を持つ電波又は光を送受信するようになっており、レール2上を走行する列車3の閉そく区間であるブロックB(B1~B3)の各境界にてレール2の近傍に設置されている。
【0025】
例えば、図1において、レール2の左側方を列車走行の起点側とし、右側方を列車走行の終点側として、起点側から終点側に向けて所定間隔で第1のブロックB1、第2のブロックB2、第3のブロックB3,…が設定されているとすると、ブロックB1の左端に質問器Q1が、ブロックB1とブロックB2の境界に質問器Q2が、ブロックB2とブロックB3の境界に質問器Q3が、ブロックB3とブロックB4の境界に質問器Q4が設置されている。
【0026】
地上応答器Gは、上記質問器Qから送信された質問信号を受信すると共に、自分が地上応答器であることを示す識別情報を含んだ応答信号を送信する第2通信手段となるもので、指向性を有する通信領域を持つ電波又は光を送受信するようになっており、列車通過時に列車3の車体により通信領域が遮断されるように上記各質問器Q1~Q4に対向してそれぞれ地上応答器G1~G4が設置されている。なお、上記質問器Q1~Q4と地上応答器G1~G4とは、常時通信状態とされており、レール2上を走行する列車3が該両者間を通過することにより両者間の通信が遮断される位置に配置されている。
【0027】
また、車上応答器Vは、上記質問器Qから送信された質問信号を受信すると共に、自分が搭載された列車3の編成を示す識別情報を含んだ応答信号を送信する第3通信手段となるもので、指向性を有する通信領域を持つ電波又は光を送受信するようになっており、上記列車3を構成する編成毎に1個又は複数個搭載されている。そして、列車3がレール2上を走行して、質問器Q1~Q4の位置を通過するときに、上記車上応答器Vは各質問器Q1~Q4と通信するようになっている。
【0028】
さらに、列車検知装置1は、上記各ブロックB1,B2,B3,B4,…の境界の質問器Q1~Q4が受信した地上応答器G1~G4又は車上応答器Vからの応答信号を取り込んで進行方向前方のブロックBへの列車3の進入を検知すると共に、列車進出の複数の検知方式を実行して進行方向後方のブロックBからの列車3の進出を検知し、在線列車情報を作成し、在線列車情報も含む各ブロックの在線情報を集中的に管理し、該情報を外部装置4に送出するもので、複数の質問器Q1~Q4に共通に1個設けられており、例えば線区のいずれかの駅に設置されている。
【0029】
図2は、上記質問器Qと、地上応答器Gと、車上応答器Vと、列車検知装置1の内部構成を示すブロック図である。まず、質問器Qは、地上応答器G又は車上応答器Vに対して質問信号を送信する送信部5と、上記地上応答器G又は車上応答器Vからの応答信号を受信する受信部6と、この受信部6で受信した応答信号を列車検知装置1へ送信する送信部7と、それらの動作を制御する制御部(例えばCPUから成る)8とを備えて成る。
【0030】
次に、地上応答器Gは、上記質問器Qからの質問信号を受信する受信部9と、この質問信号に対する応答信号を送信する送信部10とを備えて成る。また、車上応答器Vは、同じく上記質問器Qからの質問信号を受信する受信部11と、この質問信号に対する応答信号を送信する送信部12とを備えて成る。
【0031】
さらに、列車検知装置1は、上記質問器Qの送信部7から送られる地上応答器G又は車上応答器Vからの応答信号を受信する受信部13と、この取り込んだ応答信号を用いて前記ブロックBへの列車3の進入、進出を検知すると共に在線列車情報を作成、管理する制御部(例えばCPUから成る)14と、この作成された在線列車情報を記録するメモリ15と、該在線列車情報を外部装置4に送出する送信部16とを備えて成る。なお、上記外部装置4は、例えば信号機及び転轍機等の動作を制御する連動装置、運行管理装置、旅客案内装置等である。
【0032】
図3は、上記列車3に搭載された車上応答器Vの配置を示す説明図である。この図3は、列車進出の基本的な検知方式を実行する場合の配置を示しており、列車3を構成する個々の編成毎に起点側に所定間隔で第1の車上応答器V1と第2の車上応答器V2の2個が設置され、終点側に所定間隔で第3の車上応答器V3と第4の車上応答器V4の2個が設置されており、それぞれの車上応答器V1~V4の応答信号には各々の取付位置の情報が含まれている。この場合、列車3の編成の先頭側の車上応答器VでブロックBへの進入を検知し、後尾側の車上応答器VでブロックBからの進出を検知する。また、2個の車上応答器V1,V2と、車上応答器V3,V4とで、列車3の編成の進行方向を検知する。
【0033】
なお、図3に示す車上応答器Vの配置の他に、列車3の編成毎に1個の車上応答器Vを設けてもよい。また、列車3を構成する複数の編成のうち前側の編成には1個だけ搭載し、最後尾側の編成には、図3に示すと同様に起点側に所定間隔で2個(V1,V2)、終点側に所定間隔で2個(V3,V4)搭載し、それぞれの応答信号には取付位置の情報を含んだものとしてもよい。さらに、列車3を構成する複数の編成のうち前側の編成には1個搭載し、最後尾側の編成にも1個だけ搭載してもよい。
【0034】
また、図1においては、列車検知装置1は、各ブロックB1,B2,B3毎に列車の進入、進出を検知し、在線列車情報を作成、管理するものとしたが、これに限られず、隣接する複数のブロックBを連結した拡大ブロックA毎に列車の進入、進出を検知し、在線列車情報を作成、管理するものとしてもよい。例えば、第2の質問器Q2または第2の地上応答器G2が故障した場合は、第1のブロックB1と第2のブロックB2とを連結した拡大ブロックAを単位とすればよい。
【0035】
次に、このように構成された列車検知管理システムを用いて行う列車進入進出検知方法について、図4~図9を参照して説明する。まず、図1において、一つの編成からなる列車3がブロックB1に在線するとし、図面左側の起点側から終点側に向かって矢印D方向に進行し、ブロックB2に進入するとする。この状態で、図4に示すように、レール2上を走行する列車3の先頭部がブロックB1とB2との境界に対向配置された質問器Q2と地上応答器G2との間に進むと、該両者間の通信が遮断される。すると、図1に示す列車検知装置1は、上記質問器Q2から送られる地上応答器G2の応答信号受信無しを検出して、「列車あり」を点検知する。これにより、上記列車検知装置1は、前方のブロックB2への列車3の進入を検知する。このときは、まだ、どの編成の列車3が進入したかは不確定である。
【0036】
次に、図5に示すように、レール2上を走行する列車3がさらに進み、該列車3を構成する編成の終点側の車上応答器V4が質問器Q2の位置に来ると、上記車上応答器V4からの応答信号(編成識別情報を含む)を質問器Q2が受信する。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q2から送られる車上応答器V4の編成識別情報を検出して、「編成検知」とする。これにより、上記列車検知装置1は、当該ブロックB2へ進入した列車3の編成を確定する。このとき、列車検知装置1は、上記ブロックB2へ進入した列車3の編成識別情報を在線列車情報として管理する。なお、一度進入を検知した在線列車情報は、その列車3の進出が検知できるまで保持する。
【0037】
次に、図6に示すように、レール2上を走行する列車3がさらに進み、上記列車3の編成の起点側に搭載された複数個の車上応答器V2,V1が質問器Q2の位置を順次通過すると、上記車上応答器V2,V1からの応答信号を質問器Q2が順次受信する。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q2から送られる車上応答器V2(終点側),V1(起点側)の順の応答信号受信を検出して、「終点方向検知」とする。これにより、上記列車検知装置1は、当該ブロックB2を進行する編成の進行方向を編成後方にて検知する。
【0038】
そして、図6において、レール2上を走行する列車3がさらに進み、該列車3の後尾部がブロックB1とB2との境界に対向配置された質問器Q2と地上応答器G2との間を通過すると、該両者間の通信が回復される。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q2から送られる地上応答器G2の応答信号受信有りを検出して、「列車無し」を点検知する。これにより、上記列車検知装置1は、後方のブロックB1からの列車3の編成の進出を検知する。そして、列車検知装置1は、ブロックB1における在線列車情報を削除し、ブロックB1を非在線として管理する。以上が、列車進入進出の基本的な検知方法を実行する場合である。
【0039】
次に、列車進入進出の第二の検知方法を実行する場合について、図7を参照して説明する。この場合は、図1において、一つの編成からなる列車3がブロックB1に在線するとし、図面左側の起点側から終点側に向かって矢印D方向に進行してブロックB2に進入し、その後ブロックB3に進入するとする。この状態で、ブロックB1からブロックB2への進入は、図4および図5に示すと同様に、列車3が対向配置された質問器Q2と地上応答器G2との間を通過することにより該列車3の「進入検知」をし、「編成確定」をする。
【0040】
そして、図7に示すように、レール2上を走行する列車3がさらに進み、該列車3を構成する編成のいずれか1個の車上応答器V(例えば終点側のV4)が質問器Q3の位置に来ると、上記車上応答器Vからの応答信号(編成識別情報を含む)を質問器Q3が受信する。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q3から送られる車上応答器Vの編成識別情報を検出して、ブロックB3への進入及び編成検知とする。これにより、上記列車検知装置1は、当該ブロックB3へ進入した列車3の編成を確定する。このとき、列車検知装置1は、質問器Q2より後方のブロックB1からの列車3の編成の進出を検知する。そして、列車検知装置1は、ブロックB1における在線列車情報を削除し、ブロックB1を非在線として管理する。
【0041】
この場合は、列車3の他の車上応答器が故障しても、上記1個の車上応答器Vからの応答信号を受信するだけで、上記進入したブロックB2より後方のブロックB1からの編成の進出をも検知できる。この場合の進出検知については、車上応答器Vの取付位置の情報は無くてもよい。また、進出検知については、地上応答器Gの動作も不要である。
【0042】
次に、列車進入進出の第三の検知方法を実行する場合について、図8を参照して説明する。この場合は、列車3が二つの編成31と32とから成り、図1において、上記列車3がブロックB1に在線するとし、図面左側の起点側から終点側に向かって矢印D方向に進行してブロックB2に進入するとする。この状態で、ブロックB1からブロックB2への進入は、図4および図5に示すと同様に、前側の編成31が対向配置された質問器Q2と地上応答器G2との間を通過することにより該編成31の「進入検知」をし、「編成確定」をする。
【0043】
ただし、ここで前側の編成31の車上応答器Vからの編成識別情報を受信できなかったとしても、図9に示すように、後側の編成32の車上応答器Vから編成識別情報を受信して該編成32の「進入検知」をし、かつ後方のブロックB1にて後側の編成32の前に上記編成31の進入を検知しているならば、前側の編成31も前方のブロックB2へ後側の編成32より前に進入していると検知する。
【0044】
次に、図8に示すように、レール2上を走行する列車3がさらに進み、最後尾側の編成32の起点側に搭載された複数個の車上応答器V2,V1が質問器Q2の位置を順次通過すると、上記車上応答器V2,V1からの応答信号を質問器Q2が順次受信する。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q2から送られる車上応答器V2(終点側),V1(起点側)の順の応答信号受信を検出して、「終点方向検知」とする。これにより、上記列車検知装置1は、当該ブロックB2を進行する編成32の進行方向を編成後方にて検知する。
【0045】
そして、図8において、レール2上を走行する列車3がさらに進み、最後尾側の編成32の後尾部がブロックB1とB2との境界に対向配置された質問器Q2と地上応答器G2との間を通過すると、該両者間の通信が回復される。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q2から送られる地上応答器G2の応答信号受信有りを検出して、「列車無し」を点検知する。これにより、上記列車検知装置1は、後方のブロックB1からの最後尾側の編成32の進出を検知する。したがって、該ブロックB1からの前側の編成31の進出をも検知する。そして、列車検知装置1は、ブロックB1における前側の編成31から最後尾側の編成32までの在線列車情報を削除し、ブロックB1を非在線として管理する。
【0046】
この場合は、前側の編成31の車上応答器の故障により質問器Q2で進出検知ができない場合でも、最後尾側の編成32の進出を検知するだけで、ブロックB2より後方のブロックB1からの列車3の進出を検知できる。この場合の前側の編成31の進出検知については、車上応答器Vの取付位置の情報は無くてもよい。また、上記編成31の進出検知については、地上応答器Gの動作も不要である。
【0047】
次に、列車進入進出の第四の検知方法を実行する場合について、図10を参照して説明する。この場合は、列車3が二つの編成31と32とから成り、図1において、上記列車3がブロックB1に在線するとし、図面左側の起点側から終点側に向かって矢印D方向に進行してブロックB2に進入し、その後ブロックB3に進入するとする。この状態で、ブロックB1からブロックB2への進入は、図4および図5に示すと同様に、前側の編成31が対向配置された質問器Q2と地上応答器G2との間を通過することにより該編成31の「進入検知」をし、「編成確定」をする。
【0048】
この場合も前述と同様に、前側の編成31の車上応答器Vからの編成識別情報を受信できなかったとしても、図9に示すように、後側の編成32の車上応答器Vから編成識別情報を受信して該編成32の「進入検知」をし、かつ後方のブロックB1にて後側の編成32の前に上記編成31の進入を検知しているならば、前側の編成31も前方のブロックB2へ後側の編成32より前に進入していると検知する。
【0049】
次に、図10に示すように、レール2上を走行する列車3がさらに進み、最後尾側の編成32の1個の車上応答器Vが質問器Q3の位置に来ると、上記車上応答器Vからの応答信号(編成識別情報を含む)を質問器Q3が受信する。すると、列車検知装置1は、上記質問器Q3から送られる車上応答器Vの編成識別情報を検出して、最後尾側の編成32のブロックB3への進入及び編成検知とし、当該ブロックB3へ進入した最後尾側の編成32の編成を確定する。これにより、上記列車検知装置1は、後方のブロックB1からの最後尾側の編成32の進出を検知する。したがって、該ブロックB1からの前側の編成31の進出をも検知する。そして、列車検知装置1は、ブロックB1における前側の編成31から最後尾側の編成32までの在線列車情報を削除し、ブロックB1を非在線として管理する。
【0050】
この場合は、前側の編成31の車上応答器の故障により質問器Q2で進出検知ができない場合でも、最後尾側の編成32の進出を検知するだけで、ブロックB2より後方のブロックB1からの列車3の進出を検知できる。この場合の進出検知については、車上応答器Vの取付位置の情報は無くてもよい。また、進出検知については、地上応答器Gの動作も不要である。
【0051】
なお、図8及び図10においては、列車3を構成する編成は二つとしたが、最後尾の編成で進出検知できればよいので、上記に限られず、三つ以上の編成としてもよい。また、列車検知装置1の行う列車3の進入進出検知は、該列車3を構成する編成単位に行われるので、複数の編成から成る列車3を分割又は併合する場合に、その都度編成替え情報を入力しなくても分割又は併合に対応できる。さらに、以上の説明では、列車3は起点側から終点側に向けて進行するものとしたが、これとは逆に、終点側から起点側に向けて進行する場合にも、同様に進入進出の検知が行われる。
【0059】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1及び請求項4に係る発明によれば、レール上を走行する複数編成の列車の最先端側がブロックの境界に対向配置された質問器と地上応答器との間の通信を遮断するのを検知して前方のブロックへの列車の進入を検知し、列車を構成する編成の車上応答器からの編成識別情報を上記質問器で受信することにより当該ブロックへ進入した編成を確定し、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で列車の最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信して、上記進入したブロックより後方のブロックからの上記最後尾の編成の進出を検知することにより、上記最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信するだけで、上記進入したブロックより後方のブロックからの上記最後尾の編成の進出をも検知できる。
【0062】
また、請求項2及び請求項5に係る発明によれば、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で上記最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信して、上記進入したブロックより後方のブロックからの、上記最後尾側の編成より前側の編成の進出をも検知することにより、複数編成の列車において、上記最後尾側の編成より前側の編成の進出検知ができなくても、上記進入したブロックの進行方向前方側のブロックの境界に設置された質問器で上記最後尾側の編成の車上応答器からの応答信号を受信して、上記進入したブロックより後方のブロックからの、上記最後尾側の編成より前側の編成の進出をも検知できる。
【0063】
さらに、請求項3に係る発明によれば、上記前方のブロックへの列車の進入を検知するステップの次に、後方のブロックにて上記最後尾側の編成より前に在線している編成も、上記最後尾側の編成より前に上記前方のブロックへ進入したと検知することにより、上記最後尾側の編成より前に位置する編成の車上応答器からの応答信号が受信できなかった場合、又は走行途中で車上応答器が故障した場合に、その編成の進入・進出検知を上記最後尾側の編成の進入・進出検知により行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による列車検知管理システムの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】 上記列車検知管理システムにおける質問器と、地上応答器と、車上応答器と、列車検知装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 列車に搭載された車上応答器の配置を示す説明図である。
【図4】 本発明による列車進入進出検知方法を示す説明図であり、前方のブロックへの列車の進入検知を示す図である。
【図5】 同じく列車進入進出検知方法を示す説明図であり、前方のブロックへ進入した列車の編成確定を示す図である。
【図6】 同じく列車進入進出検知方法を示す説明図であり、後方のブロックからの編成の進出検知を示す図である。
【図7】 列車進入進出の第二の検知方法を示す説明図である。
【図8】 列車進入進出の第三の検知方法を示す説明図である。
【図9】 上記第三の検知方法における他の実施例を示す説明図である。
【図10】 列車進入進出の第四の検知方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1…列車検知装置
2…レール
3…列車
1,32…列車の編成
4…外部装置
Q,Q1~Q4…質問器
G,G1~G4…地上応答器
V,V1~V4…車上応答器
B1~B3…ブロック
A…拡大ブロック
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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