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明細書 :超電導磁石の液体水素冷却システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4567220号 (P4567220)
公開番号 特開2002-272060 (P2002-272060A)
登録日 平成22年8月13日(2010.8.13)
発行日 平成22年10月20日(2010.10.20)
公開日 平成14年9月20日(2002.9.20)
発明の名称または考案の名称 超電導磁石の液体水素冷却システム
国際特許分類 H02K   9/193       (2006.01)
B60L  13/03        (2006.01)
FI H02K 9/193 ZAA
B60L 13/02 A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 7
出願番号 特願2001-064165 (P2001-064165)
出願日 平成13年3月8日(2001.3.8)
審査請求日 平成19年6月27日(2007.6.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】澤田 一夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】櫻田 正紀
参考文献・文献 特開2000-092627(JP,A)
特開平05-036526(JP,A)
特開平06-253410(JP,A)
特開平06-005421(JP,A)
特開平06-283769(JP,A)
特開平10-135526(JP,A)
特開昭57-016763(JP,A)
特開昭57-020485(JP,A)
調査した分野 H02K 9/00- 9/28
B60K 13/00-13/10
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)液体水素を導入する液体水素タンクと、
(b)該液体水素タンクに接続される複数の区画に分割された超電導磁石と、
(c)該複数の区画に分割された超電導磁石の各区画にそれぞれ接続されるバッファと、
(d)前記複数の区画の各区画に対応して配置される圧力センサーと、
(e)前記液体水素タンクからの液体水素圧が所定値に上昇した時に閉止する駆動装置付き閉止弁と、
(f)前記超電導磁石と前記バッファとの間に配置される安全弁と、
(g)前記圧力センサーからの情報を取り込み、前記駆動装置付き閉止弁を制御する制御装置とを具備することを特徴とする超電導磁石の液体水素冷却システム。
【請求項2】
請求項1記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記安全弁を前記制御装置により制御することを特徴とする超電導磁石の液体水素冷却システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記超電導磁石は、2超電導コイルをそれぞれ配置した2区画に分割することを特徴とする超電導磁石の液体水素冷却システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記超電導磁石は、1超電導コイルをそれぞれ配置した両端の2区画と2超電導コイルを配置した中央の1区画に分割することを特徴とする超電導磁石の液体水素冷却システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記超電導磁石は、1超電導コイルをそれぞれ配置した4区画に分割することを特徴とする超電導磁石の液体水素冷却システム。
【請求項6】
請求項1又は2記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記バッファを共通に1個配置することを特徴とする超電導磁石の液体水素冷却システム。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモーターカーに搭載される超電導磁石の液体水素冷却システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超電導磁石は、液体ヘリウムで冷却されている。
図5は従来の液体ヘリウム冷却超電導磁石の模式図である。
この図に示すように、超電導コイル1は2超電導コイルずつの2区画に区分されている。ここで、機械的損傷等により一方の区画の真空度が低下すると、そちらにあった液体ヘリウム3はもちろん、上部の液体ヘリウムタンク2に蓄えられていた大量の液体ヘリウム3も短時間に蒸発してしまう。この大量の液体ヘリウム3が蒸発すると一気に圧力が高まるため、液体ヘリウムタンク2に設けた安全弁(図示なし)が吹いてガス4は大気中に放出される。
【0003】
一方、本願発明者は、既に、燃料電池と組み合わせる水素冷却超電導磁石を搭載するリニアモーターカーを提案している(特開2000-92627参照)。 図6は係る液体水素冷却超電導磁石を搭載するリニアモーターカーの概略システム構成図である。
この図において、11は液体水素冷却超電導磁石、12は個々の超電導コイル、13は熱シールド板、14は液体水素タンク、15は蒸発した水素ガスを通し、熱シールド板13に固定される水素冷却配管、16は車両基地に設置される液体水素補充装置、17は電磁バルブ、18は蒸発した水素ガスを通す配管、19はその配管18に接続される水素貯蔵装置(水素吸着合金)、20は前記配管18と接続されて、水素ガスが供給され、直流電力を出力する燃料電池、21はDC/AC変換器、22は電磁バルブの制御装置である。
【0004】
係る液体水素冷却超電導磁石は、蒸発する水素を燃料電池により発電に供せるため、浮上式鉄道に用いた場合、車載冷凍機が不要となる、他に車上電源装置を搭載する必要がなくなる、など大きな利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水素ガスが磁石から大量に大気中に放出されると爆発の恐れがあり、その水素ガスの大気との混合比がかなりの広い範囲で爆発を起こす危険性がある。
本発明は、上記問題点を除去し、万一水素ガスが磁石から大量に大気中に放出される恐れがある場合には、当該部位への液体水素供給を停止し、水素ガスの外部への発生を最小限にとどめ、安全度の向上を図り得る超電導磁石の液体水素冷却システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、液体水素を導入する液体水素タンクと、この液体水素タンクに接続される複数の区画に分割された超電導磁石と、この複数の区画に分割された超電導磁石の各区画にそれぞれ接続されるバッファと、前記複数の区画の各区画に対応して配置される圧力センサーと、前記液体水素タンクからの液体水素圧が所定値に上昇した時に閉止する駆動装置付き閉止弁と、前記超電導磁石と前記バッファとの間に配置される安全弁と、前記圧力センサーからの情報を取り込み、前記駆動装置付き閉止弁を制御する制御装置とを具備することを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記安全弁を前記制御装置により制御することを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記超電導磁石は、2超電導コイルをそれぞれ配置した2区画に分割することを特徴とする。
【0008】
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記超電導磁石は、1超電導コイルをそれぞれ配置した両端の2区画と2超電導コイルを配置した中央の1区画に分割することを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕又は〔2〕記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記超電導磁石は、1超電導コイルをそれぞれ配置した4区画に分割することを特徴とする。
【0009】
〔6〕上記〔1〕又は〔2〕記載の超電導磁石の液体水素冷却システムにおいて、前記バッファを共通に1個配置することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す超電導磁石の液体水素冷却システムの模式図である。
この図において、31は液体水素冷却超電導磁石、32は液体水素タンク、33は液体水素、34は液体水素タンク32と液体水素冷却超電導磁石31を連通する通路35に配置される液体水素圧が上昇した時に閉じる閉止弁、36は液体水素冷却超電導磁石31とバッファB1,B2とを連通する通路37に配置される安全弁、38は液体水素圧を検知する圧力センサー、39はその圧力センサー38の情報が取り込まれるとともに、各種の弁を駆動するように制御する制御装置、40は閉止弁34を駆動する駆動装置、41は安全弁36を駆動する駆動装置である。なお、当然、安全弁36は駆動装置41により駆動されることなく、異常圧力により応動するようにしてもよい。
【0011】
このように、液体水素冷却超電導磁石31を2以上の区画に分け、液体水素タンク32から各区画には、液体水素タンク32と液体水素冷却超電導磁石31を連通する通路35に配置された、液体水素圧が上昇した時に閉じる閉止弁34を介して液体水素33を供給する。そして、いずれかの区画の圧力が高まると、その区画に対応する圧力センサー38が動作して制御装置39により駆動装置40が動作し閉止弁34を閉じ、液体水素33の供給を停止する。各区画は安全弁36を介して外部のバッファB1とB2に接続されており、各区画が保持していた液体水素33は真空度低下等により蒸発しても、外部に水素ガスH2 が放出されることなくバッファB1とB2に導かれる。
【0012】
したがって、液体水素33は外気に放出されることなく、その放出による爆発の恐れもない。
なお、実際は液体水素冷却超電導磁石31部分より液体水素タンク32の方が、冷媒(液体水素)の量は遙に多い。
図2は本発明の第2実施例を示す超電導磁石の概略配置の模式図である。なお、この図においては、水素ガスの排出機構については省略されている。
【0013】
上記第1実施例では、超電導磁石を2区画に分けるようにしたが、この実施例では、左端に1超電導コイル51、中央に2超電導コイル52、右端に1超電導コイル53の3区画に分けるようにしている。
このように構成することにより、比較的真空が破れやすい両端の超電導コイル数を減らして、安全な水素ガスH2 の排出を行うように構成することができる。
【0014】
図3は本発明の第3実施例を示す超電導磁石の概略配置の模式図である。なお、この図においては、水素ガスの排出機構については省略されている。
この実施例では、この図に示すように、超電導磁石を各1超電導コイル61~64として各1区画に分けるようにしている。
このように構成することにより、真空破壊の領域を極力小さく限定することにより、異常時の緊急的運行を行うことができる。
【0015】
図4は本発明の第4実施例を示す超電導磁石の液体水素冷却システムの模式図である。
上記第1実施例では、バッファB1,B2は左右に配置するようにしたが、この実施例では、回収管71に接続されるバッファB0としてまとめて1個配置するように構成する。このように構成することにより、水素ガスH2 をまとめて回収することが容易になり、その水素ガスを回収して省エネルギー化を図ることができる。
【0016】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、液体水素冷却超電導磁石の真空度が低下しても液体水素の蒸発量は最小限に抑えられることになり、かつ蒸発した水素ガスはバッファに導入される。よって、水素ガスが大気中に放出される恐れがなくなるので、爆発の恐れはなくなり、液体水素冷却超電導磁石の安全性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す超電導磁石の液体水素冷却システムの模式図である。
【図2】 本発明の第2実施例を示す超電導磁石の概略配置の模式図である。
【図3】 本発明の第3実施例を示す超電導磁石の概略配置の模式図である。
【図4】 本発明の第4実施例を示す超電導磁石の液体水素冷却システムの模式図である。
【図5】 従来の液体ヘリウム冷却超電導磁石の模式図である。
【図6】 液体水素冷却超電導磁石を搭載するリニアモーターカーの概略システム構成図である。
【符号の説明】
31 液体水素冷却超電導磁石
32 液体水素タンク
33 液体水素
34 閉止弁
35,37 通路
36 安全弁
38 圧力センサー
39 制御装置
40 閉止弁を駆動する駆動装置
41 安全弁を駆動する駆動装置
B0,B1,B2 バッファ
51 左端の1超電導コイル
52 中央の2超電導コイル
53 右端の1超電導コイル
61~64 1超電導コイル
71 回収管
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5