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明細書 :パンタグラフ接触力測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3790925号 (P3790925)
公開番号 特開2002-328063 (P2002-328063A)
登録日 平成18年4月14日(2006.4.14)
発行日 平成18年6月28日(2006.6.28)
公開日 平成14年11月15日(2002.11.15)
発明の名称または考案の名称 パンタグラフ接触力測定装置
国際特許分類 G01L   5/00        (2006.01)
B60L   5/22        (2006.01)
FI G01L 5/00 Z
B60L 5/22 Z
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願2001-134177 (P2001-134177)
出願日 平成13年5月1日(2001.5.1)
審査請求日 平成16年6月15日(2004.6.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000003115
【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
発明者または考案者 【氏名】佐藤 裕樹
【氏名】長坂 整
【氏名】池田 充
【氏名】山田 浩二
個別代理人の代理人 【識別番号】100100930、【弁理士】、【氏名又は名称】長澤 俊一郎
審査官 【審査官】松浦 久夫
参考文献・文献 特開平11-136804(JP,A)
特開昭62-162935(JP,A)
特開平11-190671(JP,A)
特開2001-18692(JP,A)
調査した分野 G01L 5/00
B60L 5/22 - 5/32
特許請求の範囲 【請求項1】
車両用パンタグラフの集電舟の上下方向の加速度信号と、集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重の信号を演算することで、トロリー線と集電舟との間の接触力を測定するパンタグラフ接触力測定装置であって、
集電舟内部に設けられ、集電舟の上下方向の加速度を検出するための加速度計と、
舟支え内に組み込まれたコイルバネに設けられ、該コイルバネの接線方向に対して、45°の方向に交差させて2個貼り付けられた該コイルバネの歪みを測定する歪みゲージと、
上記歪みゲージにより測定された歪みと、上記加速度計により測定された加速度が入力され、
上記歪みゲージにより測定された歪みと、あらかじめ求められた歪みと荷重の関係から集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重を求め、該上下方向の荷重と、上記加速度計により測定された加速度からパンタグラフの接触力を求める演算器とを備えた
ことを特徴とするパンタグラフ接触力測定装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用パンタグラフの集電舟とトロリー線との間の接触力を測定するためのパンタグラフの接触力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、パンタグラフの作用を説明するパンタグラフ全体の機構図、図5は舟および舟支え部の断面図である。
図4、図5において、1は集電舟、2は舟支え、2aはコイルバネ、2bは舟支えシャフト、2cは舟支えガイド、5は上枠、6は下枠、7はバランスロッド、8は釣合棒、9は台枠、10は碍子である。また、11は車体、12はトロリー線である。
集電時には、台枠9内部にある主バネ(図示せず)の張力が、上枠5、下枠6、バランスロッド7、釣合棒8のリンク機構により、上枠5上部の舟支え2を介して集電舟1がトロリー線12に一定の押上力を与えられる。
舟支え2には、トロリー線12への追従性を良くするために、コイルバネ2aが組み込まれている。
【0003】
図6は従来の接触力測定方法の説明図である。図6において、3,3’は加速度計、4a、4bは信号線、13はロードセルである。集電舟1内部に取り付けた加速度計3,3’により集電舟1の上下方向の加速度を測定する。
ロードセル13は、舟支え2内のコイルバネ2aの下に取り付けられ、集電舟1と舟支え2間に作用する上下方向荷重を測定する。この加速度信号と荷重信号を車体に取り付けた演算器20に送り、集電舟1とトロリー線12の間の接触力を演算する。
図7は従来の他の接触力測定方法の説明図である。図7において、3,3’は加速度計、4a、4bは信号線、15は変位計、16は変位計取付台である。
集電舟1内部に取り付けた加速度計3,3’により集電舟1の上下方向の加速度を測定する。変位計15は、集電舟1と舟支え2の間に取り付けられ、集電舟1と舟支え2間の上下方向の変位を測定する。
この加速度信号と変位信号を車体に取り付けた演算器20に送り、変位信号は、コイルバネの変位と荷重の関係から集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重に換算したうえで、集電舟1とトロリー線12の間の接触力を演算する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す従来の接触力測定方式では、ロードセル13を舟支え2内に組み込む必要があるため、舟支え2は専用設計となって舟支え全体が大きくなり質量も増える。
このため、パンタグラフの空力特性や追従特性に影響し、測定しようとする本来のパンタグラフの接触力と異なったデータとなってしまう。
また、図7に示す従来の接触力測定方式では、変位計15が舟支え2の外部に取り付くため、やはり、パンタグラフの空力特性や追従特性に影響し、測定しようとする本来のパンタグラフの接触力と異なったデータとなってしまう。
さらに、どちらの従来方式も舟支え部の構造が複雑になり、信頼性が低下しコストも高いものになってしまう。
本発明は、このような従来の技術の問題点を解消し、パンタグラフの本来の性能に影響を与えることなく、精度のよい接触力測定データを得ることができ、信頼性が高くコストも低い接触力測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明においては、集電舟の上下方向の加速度を検出するため集電舟内部に加速度計を設け、また、集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重を検出するため、舟支え内に組み込まれたコイルバネに歪みゲージを貼り付け、歪みを測定する。上記歪ゲージは、コイルバネの接線方向に対して、45°の方向に交差させて2個貼り付ける。
そして、上記歪みゲージにより測定された歪みと上記加速度計により測定された加速度とを演算器に入力する。演算器は、上記歪みゲージにより測定された歪みと、あらかじめ求められた歪みと荷重の関係から集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重を求め、該上下方向の荷重と、上記加速度計により測定された加速度からパンタグラフの接触力を求める。
本発明においては、上記のように、舟支え内に組み込まれたコイルバネに歪みゲージを設けて、集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重を求めているので、パンタグラフの舟支えの形状、質量にほとんど変更がない。
このため、パンタグラフの空力特性、追従特性への影響が無く、測定しようとするパンタグラフ本来の接触力データを得ることが出来る。また、構造が簡単なため、信頼性が高く低コストとすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例の接触力測定装置の構成を示す図である。
図1において、前記図4に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、1は集電舟、2aは舟支え内に設けられたコイルバネ、2bは舟支えシャフト、2cは舟支えガイド、3,3’は集電舟内部に設けられた加速度計、4a,4bは信号線、20は演算器である。
図2は歪みゲージを取り付けた舟支え2内部のコイルバネ2aの断面図、図3は歪みゲージをコイルバネ2aに貼り付けた状態を示す図である。
歪みゲージ2dは、コイルバネ2aに作用するせん断応力が測定出来るように、図3に示すように、コイルバネ2aの接線方向に対して45°の方向に交差させて2個貼り付け、さらに、コイルバネ2a上の2箇所に取り付ける。
歪みゲージ2dは、舟支えシャフト2bと接触破損を避けるために、図2、図3に示すようにコイルバネ間のバネ上に貼り付けるのが望ましい。また、ノイズ等の影響を避けるためにコイルバネ近傍でホィートストン・ブリッジ結線し歪みを測定する。
【0007】
上記歪みゲージ2dの出力は、図1に示すように信号線4bを介して演算器20に入力される。また、集電舟内部に設けられた加速度計3,3’により測定された集電舟の加速度ω1,ω2は信号線4aを介して演算器20に入力される。
トロリー線12から受けた力は集電舟1を介してコイルバネ2aに伝わり、コイルバネ2aは荷重を受けて変位する。したがって、コイルバネ2aに歪みゲージ2dを貼り付け、その歪を測定することにより、コイルバネ2aが受ける荷重を求めることができる。
演算器20は、上記歪みゲージ2dが出力する歪み量と、予め求めた歪みゲージの歪み量と荷重の関係から集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重fを求める。
そして、トロリー線とパンタグラフの接触力Fを、上記集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重fと、集電舟体の加速度ω1,ω2と、集電舟体の質量mから次の式により求める。
F=f+m(W1・ω1+W2・ω2)
ここで、W1,W2は、加速度計3,3’により測定された加速度ω1,ω2に対する重み係数である。
【0008】
図1と前記図5を比較すると明らかなように、本実施例においては、既設のパンタグラフに対して追加改造されている部分が殆どない。このため、パンタグラフの空力特性、追従特性への影響が出ない。なお、演算器20に信号を送る信号線4bは、集電舟1または舟支え2に貫通穴を設けて内部から引き出すので、パンタグラフの追従性に影響を与える程度ではない。
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により以下の効果を得ることができる。
(1)舟支え内に組み込まれたコイルバネに歪みゲージを設けて、集電舟と舟支え間に作用する上下方向荷重を求めているので、パンタグラフの舟支えの形状、質量にほとんど変更がない。したがって、パンタグラフの空力特性、追従特性への影響が無く、測定しようとするパンタグラフ本来の接触力データを得ることが出来る。
(2)構造が簡単で信頼性が高く、また、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパンタグラフ接触力測定装置の構成を示す図である。
【図2】コイルバネの断面図である。
【図3】図2の断面図のA-Aの矢視図である。
【図4】従来から使用されているパンタグラフの機構図である。
【図5】従来から使用されている舟および舟支えの断面図である。
【図6】ロードセルを用いた従来の接触力測定装置の説明図である。
【図7】変位計を用いた従来の接触力測定装置の説明図である。
【符号の説明】
1 集電舟
2 舟支え
2a コイルバネ
2b 舟支えシャフト
2c 舟支えガイド
2d 歪みゲージ
3,3’加速度計
4a 信号線
4b 信号線
5 上枠
6 下枠
7 バランスロッド
8 釣合棒
9 台枠
10 碍子
11 車体
12 トロリー線
13 ロードセル
14 ロードセル取付台
15 変位計
16 変位計取付台
20 演算器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6