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明細書 :レール支承体の支持構造及び車両用軌道

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3984433号 (P3984433)
公開番号 特開2002-332601 (P2002-332601A)
登録日 平成19年7月13日(2007.7.13)
発行日 平成19年10月3日(2007.10.3)
公開日 平成14年11月22日(2002.11.22)
発明の名称または考案の名称 レール支承体の支持構造及び車両用軌道
国際特許分類 E01B   3/38        (2006.01)
E01B   2/00        (2006.01)
FI E01B 3/38
E01B 2/00
請求項の数または発明の数 9
全頁数 13
出願番号 特願2001-137596 (P2001-137596)
出願日 平成13年5月8日(2001.5.8)
審査請求日 平成16年7月22日(2004.7.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】涌井 一
【氏名】松本 信之
【氏名】奥田 広之
【氏名】浅沼 潔
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
審査官 【審査官】田畑 覚士
参考文献・文献 特開平10-140501(JP,A)
特開2001-115401(JP,A)
特開平09-217301(JP,A)
調査した分野 E01B 3/38
E01B 2/00
特許請求の範囲 【請求項1】
互いに平行をなす一対の縦梁と、該縦梁間を長手方向に所定の間隔ごとに一体に連結するための、該縦梁よりも柔軟な構造を有する継材とを具え、前記各縦梁の上部にそれぞれレールを支持するレール支承体であって、前記各縦梁の内側面または外側面の少なくともいずれかの長手方向の中心以外の1箇所に、内方または外方に突出するマクラギ突起をそれぞれ一体に設け、レールの長さ方向に沿って複数個並べて配置されるレール支承体の支持構造であって、
前記各マクラギ突起は、各レール支承体の各縦梁とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向するとともに、各マクラギ突起とレール方向に所定の間隔をおいて対向する水平ストッパーに当接することによって、レール支承体のレール長さ方向への移動を規制し、
前記複数のレール支承体の一部は、前記マクラギ突起が前記縦梁における前記レール長さ方向に沿う一方向側に寄った位置となる向きに配置され、前記複数のレール支承体の他は、前記縦梁における前記レール長さ方向に沿う他方向側に寄った位置となる向きに配置されたことを特徴とするレース支承体の支持構造。
【請求項2】
前記マクラギ突起を矩形状に形成した請求項1に記載のレール支承体の支持構造。
【請求項3】
路盤の上部に、互いに平行をなす一対の縦梁と、該縦梁間を長手方向に所定の間隔ごとに一体に連結するための、該縦梁よりも柔軟な構造を有する継材とからなるレール支承体をレール方向に連続的に敷設し、該レール支承体の各縦梁の上部にそれぞれレールを支持する車両用軌道であって、前記各レール支承体の各縦梁の内側面または外側面の少なくともいずれかの長手方向の中心以外の1箇所に、内方または外方に突出するマクラギ突起をそれぞれ一体に設けるとともに、前記各レール支承体に対応する前記路盤の部分に、各レール支承体の各縦梁とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向するとともに、各マクラギ突起とレール方向に所定の間隔をおいて対向する水平ストッパーをそれぞれ前記路盤と一体に設け、かつ前記各レール支承体の各縦梁と路盤との間、各縦梁と各水平ストッパーとの間、及び各マクラギ突起と各水平ストッパーとの間に、それぞれ防振材又は緩衝材を介装させてなり、
前記路盤は、長手方向に複数に分割されたものであって、隣接するもの同士間に所定の間隙が形成されるものであり、前記各レール支承体の各縦梁は、分割された各路盤の上部に敷設され又は隣接する路盤間に架設され、かつ、路盤間に架設される縦梁のうち、マクラギ突起が隣接する路盤間の間隙内に位置するものは、長手方向の前後を逆にして路盤間に架設することによりマクラギ突起を間隙内から避けるようにした車両用軌道。
【請求項4】
前記マクラギ突起を矩形状に形成した請求項3に記載の車両用軌道。
【請求項5】
前記各レール支承体の各縦梁に対応する前記路盤の部分に台座を設けた請求項3又は4の何れかに記載の車両用軌道。
【請求項6】
前記水平ストッパーは、各レール支承体の各縦梁の内側面または外側面とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向する部分に、レール方向に連続的に設けられてなる請求項3~5の何れかに記載の車両用軌道。
【請求項7】
前記水平ストッパーは、各レール支承体の各縦梁の内側面または外側面とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向する部分に、レール方向に間欠的に設けられてなる請求項3~5の何れかに記載の車両用軌道。
【請求項8】
前記防振材は、各レール支承体の各縦梁と路盤との間に、レール方向に連続的に設けられてなる請求項3~7の何れかに記載の車両用軌道。
【請求項9】
前記防振材は、各レール支承体の各縦梁と路盤との間に、レール方向に間欠的に設けられてなる請求項3~7の何れかに記載の車両用軌道。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レール支承体の支持構造及び車両用軌道に関し、特に、上下方向、レール方向及びレール直交方向の衝撃、振動を吸収、減衰する機能を具えたレール支承体の支持構造及び車両用軌道に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、横マクラギ式のレール支承体を用いた車両用軌道は、図14に示すように構成されている。すなわち、この車両用軌道35は、路盤36の上部に道床37を設け、この道床37の上部に複数本の横マクラギ34を各々がレール30と直交しかつ互いに平行をなすように所定の間隔ごとに敷設してレール支承体33を構成し、このレール支承体33の横マクラギ34の上部に一対のレール30、30を互いに平行をなすように所定の間隔を隔てて敷設し、各レール30を締結装置38によって各横マクラギ34に支承したものである。
【0003】
このような構成のレール支承体33を用いた車両用軌道35にあっては、横マクラギ34によってレール30、30の間隔を一定に保持し、レール30、30が受ける車両からの荷重(上下方向、レール30長手方向、レール30直交方向の荷重)を横マクラギ34及び道床37を介して路盤36に分散させることにより支持する構造であり、車両の動揺、振動を低減させ、快適な乗り心地を提供している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成のレール支承体33を用いた車両用軌道35にあっては、レール30、30は、複数本の横マクラギ34によって間欠的に支持されているため、車両からの荷重が一部に集中し、局部的に応力集中が起きることが多々ある。そして、このような局部的な応力集中が繰り返し起きると、横マクラギ34及びレール30、30の平行度、水平度等に狂いが生じ、車両の動揺、振動が増大し、乗り心地が悪化してしまう。このため、狂いの生じた箇所を早急に発見して補修する保守作業が必要となり、その作業に多大な労力と時間と費用を要することになる。
【0005】
この発明は、前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、局部的に応力集中が起きるのを防止することにより、レールの平行度、水平度等に狂いが生じるのを防止し、これにより車両の動揺、振動を軽減させて快適な乗り心地を提供するとともに、保守作業に要する労力、時間及び費用を軽減することができるレール支承体及び車両用軌道を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレール支承体は、前記のような問題を解決するために、互いに平行をなす一対の縦梁と、該縦梁間を長手方向に所定の間隔ごとに一体に連結するための、該縦梁よりも柔軟な構造を有する継材とを具え、前記各縦梁の上部にそれぞれレールを支持するレール支承体であって、前記各縦梁の内側面または外側面の少なくともいずれかの長手方向の中心以外の1箇所に、内方または外方に突出するマクラギ突起をそれぞれ一体に設けた手段を採用したものである。また、前記マクラギ突起を矩形状に形成した手段を採用したものである。さらに、前記各縦梁を、長手方向の前後を逆にして、異なる表現をすれば、水平方向に180度回転させて使用できるようにした手段を採用したものである。
【0007】
また、この発明による車両用軌道は、前記のような問題を解決するために、路盤の上部に、互いに平行をなす一対の縦梁と、該縦梁間を長手方向に所定の間隔ごとに一体に連結するための、該縦梁よりも柔軟な構造を有する継材とからなるレール支承体をレール方向に連続的に敷設し、該レール支承体の各縦梁の上部にそれぞれレールを支持する車両用軌道であって、前記各レール支承体の各縦梁の内側面または外側面の少なくともいずれかの長手方向の中心以外の1箇所に、内方または外方に突出するマクラギ突起をそれぞれ一体に設けるとともに、前記各レール支承体に対応する前記路盤の部分に、各レール支承体の各縦梁とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向し、各マクラギ突起とレール方向に所定の間隔をおいて対向する水平ストッパーをそれぞれ一体に設け、かつ前記各レール支承体の各縦梁と路盤との間、各縦梁と各水平ストッパーとの間、及び各マクラギ突起と各水平ストッパーとの間に、それぞれ緩衝材又は防振材を介装させた手段を採用したものである。また、前記マクラギ突起を矩形状に形成した手段を採用したものである。さらに、前記各レール支承体の各縦梁に対応する前記路盤の部分に台座を設けた手段を採用したものである。さらに、前記各縦梁を、長手方向の前後を逆にして使用できるようにした手段を採用したものである。さらに、前記路盤は、長手方向に複数に分割されたものであって、隣接するもの同士間に所定の間隙が形成されるものであり、前記各レール支承体の各縦梁は、分割された各路盤の上部に敷設され又は隣接する路盤間に架設され、かつ、路盤間に架設される縦梁のうち、マクラギ突起が隣接する路盤間の間隙内に位置するものは、長手方向の前後を逆にして路盤間に架設することによりマクラギ突起を間隙内から避けるようにした手段を採用したものである。さらに、前記水平ストッパーは、各レール支承体の各縦梁の内側面または外側面とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向する部分に、レール方向に連続的に設けられてなる手段を採用したものである。さらに、前記水平ストッパーは、各レール支承体の各縦梁の内側面または外側面とレール直交方向に所定の間隔をおいて対向する部分に、レール方向に間欠的に設けられてなる手段を採用したものである。さらに、前記防振材は、各レール支承体の各縦梁と路盤との間に、レール方向に連続的に設けられてなる手段を採用したものである。さらに、前記防振材は、各レール支承体の各縦梁と路盤との間に、レール方向に間欠的に設けられてなる手段を採用したものである。
【0008】
【作用】
この発明は、前記のような手段を採用したことにより、レール支承体の一対の縦梁は、縦梁よりも柔軟な構造を有する複数本の継材によって所定の間隔に保持され、この縦梁の上部に一対のレールが支承され、レール間隔が一定に保持されることになる。そして、車両からの荷重は、レールから縦梁及び防振材を介して路盤に、レールから縦梁、緩衝材及び水平ストッパーを介して路盤に、又はレールからマクラギ突起、緩衝材及び水平ストッパーを介して路盤に伝達され、分散されることになる。そして、路盤がレール方向に複数に分割されたものであって、隣接する路盤間に間隙があるものである場合には、隣接する路盤間に縦梁を架設したときに、路盤間の間隙内にマクラギ突起が位置する場合は、縦梁の長手方向の前後を逆にすることにより、マクラギ突起が路盤間の間隙内に位置しないようにすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2には、この発明によるレール支承体の一実施の形態が示されていて、このレール支承体1は、互いに平行をなす一対の縦梁2、2と、両縦梁2、2間を長手方向に所定の間隔ごとに一体に連結する継材4と、縦梁2にレール30を固定する締結装置(従来例と同一のため図示を省略する)とから構成されている。
【0010】
縦梁2は、プレストレストコンクリートにより形成される角柱状をなすものであって、一端部外側面の長手方向の中心以外の1箇所には外方に突出する矩形状のマクラギ突起3が一体に設けられ、このマクラギ突起3の縦梁2の長手方向に直交する2つの面3a、3aはそれぞれ緩衝面3a、3aに形成されている。
【0011】
継材4は、鋼管材から形成されるパイプ状をなすものであって、縦梁2の軸線と直交するように縦梁2、2間に設けられている。継材4の長手方向の両端部はそれぞれ縦梁2内に埋設され、これにより継材4と縦梁2とが一体に形成されている。継材4の長さは、継材4の長手方向の両端と縦梁2の外側面との間に所定の被り厚さが確保できる値に設定されている。
【0012】
継材4の長手方向の両端部(縦梁2に埋設される部分)の外周面には、継材4の軸線方向を向く一対の板状の大リブ5、5が一体に設けられ、この大リブ5、5を介して継材4に作用する回転力を縦梁2に伝達させて荷重分担させるようになっている。また、各大リブ5の両端部には、継材4の軸線と直交する方向を向く一対の小リブ6、6が一体に設けられ、この小リブ6、6を介して継材4に作用する長手方向の力(引抜き力)を縦梁2に伝達させて荷重分担させるようになっている。なお、継材4の両端部に大リブ5及び小リブ6を設けずに、継材4の両端部を偏平に形成して、継材4に作用する回転力及び引抜き力に対抗させるように構成しても良い。
【0013】
なお、この実施の形態においては、継材4を円形断面とすることにより、剛性及び強度を何れの方向へも均一にしているが、継材4を角形断面やH形断面等とすることにより、特定方向への剛性及び強度を高めるようにしても良い。
【0014】
縦梁2の内部には、複数本の縦筋7及び横筋8が全体に渡って格子状に設けられている。また、継材4の両端部に対応する部分には、継材4を上下方向から挟むように凸状の補強筋9が設けられている。さらに、継材4の両端部の周囲には継材4を巻回するようにスパイラル状の補強筋10が設けられている。この場合、縦筋7はPC鋼より線、横筋8、補強筋9及び10は、異形棒鋼等の鉄筋から形成されている。
【0015】
締結装置11は、縦梁2内に垂直に埋設されるとともに、頭部が縦梁2の上面から突出するインサート12と、インサート12の頭部に設けられる支持孔13内に挿着されるクリップ14とから構成されている。クリップ14は、棒鋼を所望の形状に屈曲させてばねとしての機能を付加したものであって、インサート12の支持孔13内に挿着された状態で、レール30を絶縁材15を介して縦梁2の方向に付勢するようになっている。
【0016】
そして、上記のような構成のレール支承体1によってこの発明による第1の実施の形態の車両用軌道20を構成するには、以下の▲1▼~▲5▼の手順に従う。
▲1▼ 水平ストッパー24及び台座22となる路盤21上の部分に必要な鉄筋を配置する。
▲2▼ 路盤21上に、レール支承体1を連続的に仮置きする。
▲3▼ レール支承体1上にレール30を敷設し、レール支承体1の位置を微調整する。
▲4▼ 水平ストッパー24外側と台座22内側に型枠28を組み立てる(図7参照)。
▲5▼ 水平ストッパー24及び台座22の部分にコンクリート又は無収縮モルタルを打ち込む(図8参照)。
【0017】
この場合、各レール支承体1に緩衝材25、26、防振材23及び間隙材27を予め取り付けておく。ここで、間隙材27を取り付けておくのは、レール支承体1と水平ストッパー24との間隙及びレール支承体1と台座22との間隙内にコンクリートが回り込まないようにするためである。
【0018】
そして、上記のような▲1▼~▲5▼の手順を経て、コンクリート又は無収縮モルタルが固化した後に型枠28を取り外すことにより、各レール支承体1の各縦梁2の外側面に対向する部分に水平ストッパー24を形成することができ、各レール支承体1の各縦梁2の底面に対向する部分に台座22を形成することができるものである。
【0019】
この場合、水平ストッパー24は、各レール支承体1の各縦梁2の外側面に対向する部分(マクラギ突起3に対応する部分は除く)に連続的に設けられるようになっている(図3参照)。水平ストッパー24のレール方向の一端面は、マクラギ突起3のレール方向を向く面3aとレール方向に所定の間隔をおいて対向する対向面24bに形成され、この水平ストッパー24の対向面24bとマクラギ突起3のレール方向を向く面3aとの間に、ゴム等からなる平板状の緩衝材26が介装される。水平ストッパー24のレール直交方向を向く内側面24aは、縦梁2の外側面2aとレール直交方向に所定の間隔をおいて対向する対向面24aに形成され、この水平ストッパー24の対向面24aと縦梁2の外側面2aとの間に、ゴム等からなる平板状の緩衝材25がレール方向に所定の間隔ごとにまたは連続的に介装される。なお、水平ストッパー24を、各レール支承体1の各縦梁2の外側面2aに対向する部分(マクラギ突起3に対応する部分は除く)に間欠的に設けてもよいものである(図4参照)。その場合には、各水平ストッパー24の対向面24aと縦梁2の外側面2aとの間にそれぞれ緩衝材25を介装させればよいものである。また、緩衝材25、26は、平板状に限らず、他の形状としてもよく、その配置についても連続的に介装しても良いものである。
【0020】
台座22は、各レール支承体1に対応する路盤21上の部分に連続的に設けてもよいし、間欠的に設けてもよい。台座22の上面と各レール支承体1の各縦梁2の下面との間には、ゴム等からなる角柱状の防振材23がレール方向に所定の間隔ごとに介装される(図5参照)。なお、防振材23は角柱状に限らず、他の形状としてもよい。また、防振材23は、レール方向に連続的に設けてもよいものである(図6参照)。
【0021】
そして、各レール30を締結装置11のクリップ14により縦梁2の上部に固定することにより、この発明による第1の実施の形態の車両用軌道20が構成されるものである。
【0022】
上記のように構成したこの実施の形態による車両用軌道20にあっては、車両からの荷重のうち、上下方向の荷重は、レール30、縦梁2、防振材23及び台座22を介して路盤21に伝達され、分散されることになる。この場合、レール30及び縦梁2は、上下方向からの衝撃、振動に追従してその方向に変位することになるが、レール30及び縦梁2の変位に追従して防振材23が変位することにより、レール30及び縦梁2のその方向への変位が抑制され、同時にその方向の衝撃、振動が減衰、吸収されることになる。
【0023】
また、レール30直交方向の荷重は、レール30、縦梁2、緩衝材25及び水平ストッパー24を介して路盤21に伝達され、分散されることになる。この場合、縦梁2及びレール30は、レール30直交方向からの衝撃、振動に追従してその方向に変位することになるが、縦梁2の外側面2aが緩衝材25を介して水平ストッパー24の対向面24aに当接することによりそれ以上の変位が抑制され、同時にその方向の衝撃、振動が減衰、吸収されることになる。
【0024】
さらに、レール30方向の荷重は、レール30、縦梁2、マクラギ突起3、緩衝材26及び水平ストッパー24を介して路盤21に伝達され、分散されることになる。この場合、レール30及び縦梁2は、レール30方向からの衝撃、振動に追従してその方向に変位することになるが、マクラギ突起3の緩衝面3aが緩衝材26を介して水平ストッパー24の対向面24b、24bに当接することによりそれ以上の変位が抑制され、同時にその方向の衝撃、振動が減衰されることになる。
【0025】
したがって、局部的に応力が集中して、縦梁2及びレール30の平行度、水平度等に狂いが生じるようなことはなく、それらの狂いにより車両の動揺、振動が増大して乗り心地が悪化するようなことはなく、快適な乗り心地を提供することができることになる。
【0026】
また、縦梁2及びレール30の平行度、水平度等に狂いが生じることが殆どないので、保守作業が容易となり、保守作業に要する労力、時間及び費用を大幅に軽減することができることになる。
【0027】
さらに、上下方向の衝撃、振動は、防振材23によって減衰、吸収し、レール30の長手方向の衝撃、振動は、緩衝材26によって減衰、吸収し、レール30直交方向の衝撃、減衰は、緩衝材25によって減衰、吸収するように構成しているので、各防振材23、緩衝材25、26の減衰特性の設定が簡単となるとともに、それらの交換、修理等のメンテナンスが簡単となる。
【0028】
さらに、縦梁2の外側面2aに1箇所のみにマクラギ突起3を設け、このマクラギ突起3のみを水平ストッパー24、24間に位置させるように構成したので、縦梁2の長さが熱膨張により変化しても、縦梁2の動きが制限されてマクラギ突起3に過大な負荷がかかるようなことはなく、縦梁2をレール30方向へスムーズに変位させることができ、その方向の衝撃、振動を効果的に減衰、吸収することができることになる。しかも、マクラギ突起3と水平ストッパー24との協働により、縦梁2のレール30方向への変位を所定の範囲内に制限することができることになる。
【0029】
図9には、この発明による車両用軌道の第2の実施の形態が示されていて、この車両用軌道20は、レール30方向に所定の間隔ごとに設けられた構造物31の路盤21の上部にこの発明によるレール支承体1を設置したものである。すなわち、この実施の形態における路盤21は、レール30方向に複数に分割されたものであって、隣接する路盤21、21間に所定の間隙が形成され、この間隙はずらすことができないものである。ここで、路盤21、21間の相対変位が大きく、防振材23及びレール支承体1に作用する負荷が著しく大きくなる場合は、防振材23の上面あるいは下面を滑らせる構造にすると良い。
【0030】
そして、このような構成の間隙を有する路盤21、21……の上部にこの発明によるレール支承体1を、所定の位置に予め防振材23、緩衝材25、26及び間隙材27を取り付けた状態で設置し、各レール支承体1の各縦梁2に対応する路盤21の部分に水平ストッパー24を設けることで、各縦梁2と路盤21との間に防振材23が介装され、各縦梁2の外側面2aと水平ストッパー24との間、及び各マクラギ突起3と水平ストッパー24との間にそれぞれ緩衝材25、26が介装され、これによりこの発明による第2の実施の形態の車両用軌道20が構成されるものである。
【0031】
この場合、レール支承体1の縦梁2は、路盤21の上部に全体が敷設されるものと、隣接する路盤21、21間に架設されるものとが存在する。そして、隣接する路盤21、21間に架設されるもののうち、マクラギ突起3が路盤21、21間の間隙内に位置する場合(図10の左側の状態)、そのままではマクラギ突起3を水平ストッパー24で支持することができない。この場合、縦梁の長手方向の前後を逆にして(図10の右側の状態)マクラギ突起3を間隙からずらして路盤21が存在する位置へ配置することにより、マクラギ突起3を支持することができる。したがって、コストダウン等を目的としてすべてのレール支承体1を同一規格で製造した場合であっても、路盤21やこれを支える建造物の設計変更を伴うことなく、マクラギ突起3を位置合わせして敷設することができる。
【0032】
そして、この実施の形態による車両用軌道20にあっても、前記第1の実施の形態の車両用軌道20と同様の作用効果を奏し、局部的に応力が集中して、縦梁2及びレール30の平行度、水平度等に狂いが生じるようなことはなく、それらの狂いにより車両の動揺、振動が増大して乗り心地が悪化するようなことはなく、快適な乗り心地を提供することができることになる。
【0033】
また、縦梁2及びレール30の平行度、水平度等に狂いが生じることが殆どないので、保守作業が容易となり、保守作業に要する労力、時間及び費用を大幅に軽減することができることになる。
【0034】
さらに、上下方向の衝撃、振動は、防振材23によって減衰、吸収し、レール30の長手方向の衝撃、振動は、緩衝材26によって減衰、吸収し、レール30直交方向の衝撃、減衰は、緩衝材25によって減衰、吸収するように構成しているので、各防振材23、緩衝材25、26の減衰特性の設定が簡単となるとともに、交換、修理等のメンテナンスが簡単となる。
【0035】
さらに、縦梁3の外側面2aに1箇所のみにマクラギ突起3を設け、このマクラギ突起3のみを水平ストッパー24、24間に位置させるように構成したので、縦梁3の長さが熱膨張により変化しても、縦梁3の動きが制限されてマクラギ突起3に過大な負荷がかかるようなことはなく、縦梁2をレール30方向へスムーズに変位させることができ、その方向の衝撃、振動を効果的に減衰、吸収することができることになる。しかも、マクラギ突起3と水平ストッパー24との協働により縦梁2の変位を所定の範囲内に制限することができることになる。
【0036】
さらに、熱膨張等により構造物31、31間がレール30方向へ相対的に変位しても、縦梁2の動きが制限されてマクラギ突起3に過大な負荷がかかるようなことはなく、縦梁2をレール30方向へスムーズに変位させることができるので、その方向の衝撃、振動を効果的に減衰、吸収することができることになる。しかも、マクラギ突起3と水平ストッパー24との協働により縦梁2の変位を所定の範囲内に制限することができることになる。
【0037】
さらに、路盤21がレール30方向に複数に分割されたものであって、隣接する路盤21、21間に間隙があるものであっても、レール支承体1の縦梁2の長手方向の前後を逆にして使用することにより、路盤21、21間に縦梁2のマクラギ突起3が位置しないようにすることができるので、レール30方向、レール30直交方向、上下方向の衝撃、振動を効果的に減衰、吸収することができることになる。したがって、既存の橋梁等の構造物にも有効に使用することができることになる。
【0038】
なおマクラギ突起を設ける位置は、実施形態の如き外側面のみに限定されるものではなく、内側面に突出する場合、それぞれから千鳥状に突出する場合のいずれでもよい。
【0039】
【発明の効果】
この発明によるレール支承体及び車両用軌道は、前記のように構成したことにより、レール及び縦梁は、上下方向からの衝撃、振動に追従して上下方向に変位することになるが、レール及び縦梁の変位に追従して防振材が変位することにより、レール及び縦梁の上下方向への変位が抑制され、同時に上下方向の衝撃、振動が減衰、吸収されることになる。また、レール及び縦梁は、レール直交方向からの衝撃、振動に追従してレール直交方向に変位することになるが、縦梁の外側面が緩衝材を介して水平ストッパーに当接することによりそれ以上の変位が抑制され、同時にレール直交方向の衝撃、振動が減衰、吸収されることになる。さらに、レール及び縦梁は、レール方向からの衝撃、振動に追従してレール方向に変位することになるが、マクラギ突起が緩衝材を介して水平ストッパーに当接することによりそれ以上の変位が抑制され、同時にレール方向の衝撃、振動が減衰されることになる。したがって、局部的に応力が集中して、縦梁及びレールの平行度、水平度等に狂いが生じるようなことはないので、それらの狂いにより車両の動揺、振動が増大して乗り心地が悪化するようなことはなく、快適な乗り心地を提供することができることになる。
さらに、縦梁及びレールの平行度、水平度等に狂いが生じることが殆どないので、保守作業が容易となり、保守作業に要する労力、時間及び費用を大幅に軽減することができることになる。
さらに、上下方向の衝撃、振動は、防振材によって減衰、吸収し、レールの長手方向の衝撃、振動は、緩衝材によって減衰、吸収し、レール直交方向の衝撃、減衰は、緩衝材によって減衰、吸収するように構成しているので、各防振材、緩衝材の減衰特性の設定が簡単となるとともに、交換、修理等のメンテナンスが簡単となる。
さらに、縦梁の内側面または外側面に1箇所のみにマクラギ突起を設け、そのマクラギ突起のみを水平ストッパー間に位置させるように構成したので、縦梁の長さが熱膨張により変化しても、縦梁の動きが制限されてマクラギ突起に過大な負荷がかかるようなことはなく、縦梁をレール方向へスムーズに変位させることができ、レール方向の衝撃、振動を効果的に減衰、吸収することができることになる。しかも、マクラギ突起と水平ストッパーとの協働により、縦梁の変位を所定の範囲内に制限することができることになる。
さらに、構造物間に設置した場合に、熱膨張等により構造物間がレール方向へ相対的に変位しても、縦梁の動きが制限されてマクラギ突起に過大な負荷がかかるようなことはなく、縦梁をレール方向へスムーズに変位させることができるので、レール方向の衝撃、振動を効果的に減衰、吸収することができることになる。しかも、マクラギ突起と水平ストッパーとの協働により、縦梁の変位を所定の範囲内に制限することができることになる。
そして、縦梁の内側面または外側面の長手方向の中心以外の1箇所にマクラギ突起を設けたので、路盤がレール方向に分割されたものであって、隣接する路盤間に間隙があるものであっても、縦梁の長手方向の前後を逆にして使用することにより、縦梁のマクラギ突起を路盤間の間隙内から避けることができることになる。したがって、既存の橋梁等の構造物であっても、マクラギ突起の機能を十分に発揮させることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるレール支承体及び車両用軌道の第1の実施の形態を示した平面図である。
【図2】 図1のA-A線に沿って見た断面図である。
【図3】 水平ストッパーと縦梁との関係の一例を示した説明図である。
【図4】 水平ストッパーと縦梁との関係の他の例を示した説明図である。
【図5】 縦梁と防振材との関係の一例を示した説明図である。
【図6】 縦梁と防振材との関係の他の例を示した説明図である。
【図7】 レール支承体の施工手順を示したものであって、水平ストッパー及び台座の外側に型枠を設置した状態を示した説明図である。
【図8】 レール支承体の施工手順を示したものであって、水平ストッパー及び台座に対応する部分にコンクリートを打ち込んだ状態を示した説明図である。
【図9】 この発明によるレール支承体及び車両用軌道の第2の実施の形態を示した断面図である。
【図10】 第2の実施の形態の車両用軌道を示した概略図であって、縦梁のマクラギ突起を路盤間の間隙内から避ける方法を示した説明図である。
【図11】 レール支承体の配筋図である。
【図12】 継材の斜視図である。
【図13】 締結装置の断面図である。
【図14】 従来のレール支承体及び車両用軌道の一例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1、33……レール支承体
2……縦梁
2a……外側面
3……マクラギ突起
3a……緩衝面
4……継材
5……大リブ
6……小リブ
7……縦筋
8……横筋
9、10……補強筋
12……インサート
13……支持孔
14……クリップ
15……絶縁材
20、35……車両用軌道
21、36……路盤
22……台座
23……防振材
24……水平ストッパー
24a、24b……対向面
25、26……緩衝材
27……間隙材
28……型枠
30……レール
31……構造物
34……横マクラギ
37……道床
38……締結装置
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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