TOP > 国内特許検索 > ガス圧接方法およびガス圧接装置 > 明細書

明細書 :ガス圧接方法およびガス圧接装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4015380号 (P4015380)
公開番号 特開2003-001438 (P2003-001438A)
登録日 平成19年9月21日(2007.9.21)
発行日 平成19年11月28日(2007.11.28)
公開日 平成15年1月8日(2003.1.8)
発明の名称または考案の名称 ガス圧接方法およびガス圧接装置
国際特許分類 B23K  20/00        (2006.01)
FI B23K 20/00 330A
B23K 20/00 330C
請求項の数または発明の数 6
全頁数 9
出願番号 特願2001-181179 (P2001-181179)
出願日 平成13年6月15日(2001.6.15)
審査請求日 平成16年7月23日(2004.7.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】山本 隆一
【氏名】深田 康人
個別代理人の代理人 【識別番号】100097113、【弁理士】、【氏名又は名称】堀 城之
審査官 【審査官】松本 公一
参考文献・文献 特開平09-220662(JP,A)
特開平10-122543(JP,A)
特開昭55-126368(JP,A)
特公昭57-008877(JP,B2)
調査した分野 B23K 20/00-20/26
B23K 7/00- 7/10
B23K 5/00- 5/24
F23L 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
双方のワークの端面を互いに突き合わせて加圧したとき、両者の突き合わせ部分を燃焼ガスのガス炎により加熱して接合するガス圧接方法において、
燃焼ガスとして、水を電気分解して得られ酸素水素混合ガスを生成し、
炭素化合物の気体を生成し、
前記酸素水素混合ガスに前記炭素化合物を付加して、ガスバーナに供給することを特徴とするガス圧接方法。
【請求項2】
酸素水素混合ガスに付加する前記炭素化合物は、酸素水素混合ガスの水素量に対して、0.02~0.27倍であることを特徴とする請求項記載のガス圧接方法。
【請求項3】
前記酸素水素混合ガスに、酸素を追加供給することを特徴とする請求項または記載のガス圧接方法。
【請求項4】
酸素水素混合ガスに追加供給する前記酸素の量は、酸素水素混合ガスの水素量に対して、(x-0.02)~(9.0x-0.18)倍であることを特徴とする請求項記載のガス圧接方法。(但し、x:付加する炭素化合物量を反応水素量で除した値)
【請求項5】
双方のワークの端面を互いに突き合わせて加圧したとき、両者の突き合わせ部分を、燃焼ガス供給部より供給された燃焼ガスのガス炎により加熱して接合するガス圧接装置において、
前記燃焼ガス供給部は、
水を電気分解して得られる酸素水素混合ガスを生成する酸素・水素混合ガス発生装置と、
炭素化合物の気体を生成する炭素化合物生成装置と、
酸素水素混合ガスに炭素化合物を混合して、ガスバーナに供給する混合手段とを備えることを特徴とするガス圧接装置。
【請求項6】
前記燃焼ガス供給部は、
酸素水素混合ガスと炭素化合物との混合ガスに酸素を追加供給する追加供給手段を備えることを特徴とする請求項記載のガス圧接装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス圧接方法と、その方法を実施するためのガス圧接装置とに係り、特に炭酸ガスの発生量を低減するのに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス圧接は、例えば、鉄筋,レール等を接合する場合に広く適用されている。そして、ガス圧接の工程においては、互いに接合すべき双方の端面を研削した後、それら両端面を互いに突き合わせて加圧すると共に、酸素・アセチレン炎にて突き合わせ部を所望温度に加熱することにより、互いに接合できるようにしている。
【0003】
ところが、酸素・アセチレン炎を形成するアセチレンガスは、危険度が高く、取扱いに慎重さが要求される。そこで、安全性の高いプロパンガスを用いることも考えられ、検討された経緯がある。しかしながら、プロパンガス炎では接合面に酸化物が生成し易いので、品質の面でプロパンガス炎を用いた圧接システムは実用化されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガス圧接時、燃焼ガスとして、上述したようなアセチレンガスやプロパンガスを用いると、多量の炭酸ガスが発生するので、環境上好ましくない。特に近年では、地球温暖化現象が問題となっており、炭酸ガスの排出を低減することが要請されている。
一方、比較的取扱い易く、かつ燃焼反応における炭酸ガスの発生量が少ない燃焼ガスが探索されている今日、水を電気分解して得られる酸素水素混合ガスが注目されるに至っており、切断等の分野においては、既に適用されている。
【0005】
また、例えば特開2001-47255号公報に示されるように、ガス圧接時、開始当初は燃焼ガスとしてアセチレンガスを用い、その後、プロパンガス,LNG,エチレンガス,ブタンガス,メタンガス,水素ガス等の内の1つ、又はそれらの混合ガスとに切り換えて後期加熱を行う技術が開示されている。
しかしながら、例えば水素を単体とする火炎では、加熱効率のみならず還元性能の面において低下する問題があり、実用化することが困難である。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、炭酸ガスの発生量を確実に低減することができ、また作業の安全性を向上することもでき、さらに火炎を安定して形成することにより、接合界面の品質を高めることができるガス圧接方法を提供することを課題とし、また上記方法を的確に実施し得るガス圧接装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、双方のワークの端面を互いに突き合わせて加圧したとき、両者の突き合わせ部分を燃焼ガスのガス炎により加熱して接合するガス圧接方法において、燃焼ガスとして、水を電気分解して得られ酸素水素混合ガスを生成し、炭素化合物の気体を生成するとともに、前記酸素水素混合ガスに前記炭素化合物を付加して、ガスバーナに供給することを特徴とする。本発明では、酸素水素混合ガスに付加する前記炭素化合物は、酸素水素混合ガスの水素量に対して、0.02~0.27倍であることを特徴とする。本発明では、前記酸素水素混合ガスに、酸素を追加供給することを特徴とする。本発明では、酸素水素混合ガスに追加供給する前記酸素の量は、酸素水素混合ガスの水素量に対して、(x-0.02)~(9.0x-0.18)倍であることを特徴とする(但し、x:付加する炭素化合物量を反応水素量で除した値)。
本発明では、双方のワークの端面を互いに突き合わせて加圧したとき、両者の突き合わせ部分を、燃焼ガス供給部より供給された燃焼ガスのガス炎により加熱して接合するガス圧接装置において、前記燃焼ガス供給部は、水を電気分解して得られる酸素水素混合ガスを生成する酸素・水素混合ガス発生装置と、炭素化合物の気体を生成する炭素化合物生成装置と、酸素水素混合ガスに炭素化合物を混合して、ガスバーナに供給する混合手段とを備えることを特徴とする。本発明では、前記燃焼ガス供給部は、酸素水素混合ガスと炭素化合物との混合ガスに酸素を追加供給する追加供給手段を備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1~図8に基づいて説明する。図1は本発明方法を実施するためのガス圧接装置の一実施形態を示す燃料供給部の概略図、図2は図1の燃料供給部のガスバーナによる外炎を示す説明図、図3は同じくガスバーナによる火炎のコア部の温度計測状態を示す説明図である。
【0009】
図1に示すガス圧接装置の一実施形態は、燃焼ガス供給部1とガスバーナ2とが接続されており、燃焼ガス供給部1が酸素・水素混合ガス発生装置3と、炭素化合物気化装置4と、ガス混合室5とを備えて構成されている。
燃焼ガス供給部1の酸素・水素混合ガス発生装置3は、水を電気分解することによって酸素と水素(1:2の割合)との混合ガスを発生させ、その酸素水素混合ガスが得られるようになっている。
【0010】
炭素化合物気化装置4は、酸素・水素混合ガス発生装置3によって得られた酸素水素混合ガスの火炎だけでは、安定しにくいことから、火炎を安定させるために用いるものであって、気化された炭素化合物を生成する。本例では、炭素化合物として常温で液体となっているヘキサンを用い、炭素化合物気化装置4内に設けられた気化手段によってヘキサン溶液を気化させることにより、気化されたヘキサンを生成するようになっている。
ヘキサンを用いる理由としては、ヘキサンより炭素価の大きい他の炭素化合物を用いると、ガスバーナ2からの外炎形成領域を容易に拡張させることができるものの、炭素化合物を気化させるために大がかりな装置が必要となり、その点において、ヘキサンでは比較的簡単に気化できるためである。
【0011】
ガス混合室5は、流量調整弁6を有するガス供給管7を介して酸素・水素混合ガス発生装置3と接続されると共に、流量調整弁8を有する供給管9を介して炭素化合物気化装置4と接続されている。このガス混合室5は、酸素・水素混合ガス発生装置3から送り込まれた酸素水素混合ガスと、炭素化合物気化装置4から投入されたヘキサンとが所定の割合となるように混合して、ガスバーナ2に送り込む。
【0012】
したがって、この燃焼ガス供給部1は、酸素・水素混合ガス発生装置3からの酸素水素混合ガスに、炭素化合物気化装置4からの気化されたヘキサンが付加され、それらの混合ガスがガス混合室5からガスバーナ2に送り込まれることにより、ガスバーナ2からの火炎が図2に示すように、外炎長L1および外炎幅L2を有する所望の外炎Lを形成できるようになっている。なお、ガスバーナ2は、単孔バーナからなっている。
【0013】
また、ガス混合室5には、追加供給用の酸素ガスボンベ10が酸素の供給管11を介して接続され、酸素の供給管11に設けられた流量調整弁12により、所定量の酸素も酸素水素混合ガスとヘキサンとの混合ガスに追加供給されるようになっている。これは、酸素ガスボンベ10からの酸素量が追加供給されると、ガスバーナ2からの火炎において、図3に示すようにコア部(高温部)Cを形成させ、これによってワークのガス圧接すべき周辺部の昇温速度を高めるようにしている。
なお、図3は、ガスバーナ2による火炎のコア部Cの温度を計測するため、例えば銅板(150mmφ×10mmt)13に対し、表面から1.5mmの深さhの位置に熱電対14を埋設しておき、その状態の銅板13にコア部Cで加熱することにより、熱電対14を介して温度計測するようにしたものである。
【0014】
本実施形態は、上記のように構成されているので、ガス圧接に際し、ガス圧接を行うためのワーク(図示せず)の端面を互いに突き合わせて加圧したとき、その突き合わせた部分の周囲から、ガスバーナ2の火口を円周上に配列させたリングバーナ(図8参照)によって酸素水素混合ガスと気化されたヘキサンとの混合ガス炎で加熱することにより、両ワークを互いに突き合わせるガス圧接を行う。
【0015】
この場合、酸素水素混合ガスに気化されたヘキサンが付加されると、ガスバーナ2からの外炎Lを図2に示すように所望の形状にすることができ、火炎を安定して形成することができる。
しかも、ヘキサンの付加によって外炎Lの形成領域を拡張させることができ、還元作用域を形成できるので、ガス圧接時、ワークの突き合わせ部分に巻き込まれる酸素量が大幅に低減され、そのため、大気中でガス圧接作業を行うにも拘わらず、突き合わせ部分に酸化膜等が残存するような悪影響を受けるのを防止することができる。
その結果、ワークを互いに突き合わせ接合するためのガス圧接を良好に行うことができる。
【0016】
また、ガスバーナ2に対し、ガス混合室5を介し酸素ガスボンベ10から酸素が追加供給されるので、ガスバーナ2の火炎に図3に示すようにコア部Cを形成することができ、ガス圧接時の加熱効率を確実に高めることができる。そのため、ガス圧接をいっそう良好に行うことができる。
【0017】
因みに、図示実施形態の燃焼ガス供給部を用い、また酸素水素混合ガスの供給量が12l/min(酸素:水素=4l/min:8l/min)の条件において、付加するヘキサンの量を変化させることにより、外炎(還元作用域)Lの形成状態を調べたところ、図4に示す結果が得られた。図4は外炎形成領域とヘキサン量との関係を示している。
【0018】
図4によれば、酸素水素混合ガス中の水素量に対し、ヘキサンの付加量(体積量)が0.02以上であると、外炎を安定形成できることが理解できる。
但し、この場合、ヘキサンの付加量が0.16l/min未満、すなわち水素量の0.02倍未満では、ガスバーナ2からの火炎が安定形成されず、有効な還元作用域も形成されず、また、2.16l/minを越える付加量、すなわち水素量の0.27倍を大きく越えて供給した場合、ヘキサンが過剰に存在することになり、結果として外炎域が縮退するが、ヘキサンの付加量を調整することにより、ガスバーナ2からの火炎が安定して形成でき、外炎形成域を拡張することができる。
したがって、付加されるヘキサンの量としては、水素量の0.02~0.27倍とすることが好ましい。
なお、上記の実験は、ガスバーナ2として図1に示すように火口径が1.3mmの単孔バーナを使用した。また炭素化合物として、ヘキサン以外にも、アセトン,ガソリンを適用した場合も図4の場合とほぼ同様の火炎形成現象が生じたことを確認している。
【0019】
また、酸素水素混合ガスの発生量が6l/min(酸素:水素=2l/min:4l/min)のとき、ヘキサンの付加量が0.7l/min、即ち、供給水素量の0.175倍の条件において、酸素の追加供給量が火災の昇温能力に与える影響を図3に示す銅板13の加熱試験により調べたところ、図5の結果が得られた。図5は追加供給酸素量と火炎の昇温能力との関係を示している。
【0020】
図5によれば、追加供給する酸素量が0.4l/min、即ち供給水素量の0.1倍では、火炎にコア部が形成されないため、加熱効率が著しく低いものとなったが、酸素の追加供給量が供給水素量の0.16倍以上の条件では、コア部が形成され、しかも酸素の追加供給量の増大に伴い、加熱効率が向上できることが確認された。
但し、酸素の追加供給量が6.4l/min、即ち、供給水素量の1.6倍の条件では、ガスバーナ2に逆火現象が生じ、消化に至ってしまった。
【0021】
さらに、実験では、ヘキサンの付加量が0.52l/min(供給水素量の0.13倍)、追加供給酸素量が1.0l/min(供給水素量の0.25倍)、およびヘキサンの付加量が1.0l/min(供給水素量の0.25倍)、追加供給酸素量が2.8l/min(供給水素量の0.7倍)の二条件で、同様の温度測定試験を実施したところ、図6に示す結果となった。図6はヘキサンの付加量と追加供給酸素量と火炎の昇温能力との関係を示している。これら両方の条件とも、コア部Cを有する安定した火炎を形成できることが確認された。
【0022】
したがって、図4~図6の内容から図7に示す結果が得られる。つまり、図7に示すように、酸素水素混合ガス中の水素量に対しヘキサンの付加量が0.02~0.27倍の範囲内にあって、また追加酸素量が(x-0.02)倍と(9.0x-0.18)倍との間である範囲(斜線部)zが、ガス圧接を行う上で好ましい適正範囲であることがわかる。この場合、xはヘキサン付加量の水素量に対する比、yは追加供給酸素量の水素量に対する比である。
このような結果は、ヘキサン以外として、アセトン,ガソリンを適用した場合も、ほぼ同様の現象が生じることを確認している。
【0023】
その結果、本発明方法によれば、水を電気分解することによって得られた酸素水素混合ガスを主成分としてガス圧接に用いるので、酸素・アセチレン炎や酸素・プロパン炎に比較し、炭酸ガスの発生量を大幅に低減することができる。しかも、慎重に取り扱う必要のある酸素・アセチレン炎に比較すると、取扱い性において有利となり、作業の安全性を向上できる。
【0024】
また、酸素水素混合ガスにヘキサンの気体を付加することにより、外炎Lを安定して形成することができるばかりでなく、外炎Lの形成域を拡張できるので、ワークの突き合わせ部分に巻き込まれる酸素量が大幅に低減され、良好なガス圧接を実現でき、接合界面の品質を高めることができる。
さらに、酸素を追加供給することにより、火炎のコア部Cを形成できるので、ガス圧接時の加熱効率を高めることができる。
【0025】
そして、本実施形態のガス圧接装置によれば、ガス供給部として、水を電気分解することによって酸素水素混合ガスを発生する酸素・水素混合ガス発生装置3と、ヘキサンなどのような気化された炭素化合物を生成する炭素化合物気化装置4と、それら酸素水素混合ガスと炭素化合物との混合ガスをガスバーナ2に供給するガス混合室5とを備えて構成したので、上記方法を的確に実施することができる。
また、ガス混合室5には酸素を追加供給する酸素ガスボンベ10を接続しているので、追加供給酸素量を適宜選定してコア部Cを形成することにより、加熱効率を高めることができ、ガス圧接をいっそう良好に行うことができる。
【0026】
図8は、本発明方法を実施するためのガス圧接装置の他の実施形態を示している。
この実施形態では、ガスバーナ2として、周囲に適宜の間隔をおいて設けられた8ケの火口を有するリングバーナーを採用している。火口径は1.5mmからなっている。そして、ガスバーナ2の中心部に、圧接すべきワーク(図示せず)を互いに突き合わせて加圧した状態にしておき、その状態で両方の突き合わせ部分を周囲から加熱することにより、両ワークを圧接できるようになっている。
なお、図8において、図1と同一符号のものには同一符号を付しているので、その説明を省略する。
【0027】
本実施形態では、圧接に際し、ワークとして異形棒鋼(SD345、呼び名D25)を用い、また圧接条件は、酸素水素混合ガス30l/min(酸素:水素=10l/min:20l/min)、付加ヘキサン量3.5l/min、追加供給酸素量10l/min、ワークに対する加圧力を上限値35MPaおよび下限値17MPa、加熱時間80秒の一定とした。そして、上記条件下によりワークの圧接を10継手実施し、その後、圧接によって得られたそれぞれワークの継手のふくらみ部を機械加工により、28mm径に削り出し、曲げ試験を行ったところ、以下の結果が得られた。
【0028】
即ち、全数のワークが90°の曲げ角で割れ・破断等の異常が認められなかった。このワークの継手性能は、従来の酸素・アセチレン炎(酸素:アセチレン=20l/min:20l/min)において、加圧力を上限値35MPaおよび下限値17MPaとし、60秒間加熱した場合に得られた継手と同等の結果となった。
これにより、それぞれの継手が、酸素アセチレン炎によるガス圧接の場合と同様の接合強度が得られた。また、これらの圧接条件において発生する炭酸ガス発生量を、加熱時間を考慮して算出したところ、従来の酸素アセチレン炎による圧接法のおよそ1/3となり、これにより、炭酸ガスの発生量を大幅に低減できる結果が得られた。
また、酸素・水素混合ガス発生装置3の代わりに、例えば、酸素ガスボンベ及び水素ガスボンベを用いても本発明と同様の効果が得られることを確認しているが、水素ガスは単体の場合、アセチレンと同様に危険なガスとして知られていることから、取扱いの容易さ及び安全性を考慮し、水を電気分解して酸素水素混合ガスを発生させる酸素・水素混合ガス発生装置3を用いることとしている。
よって、アセチレンガスのような慎重さが要求されるおそれがなく、取扱い性において極めて有利であり、作業の安全性を向上することができる。
【0029】
したがって、本発明方法によれば、酸素水素混合ガスにヘキサンを付加して得られた混合ガス炎により、ガス圧接を行うので、基本的には前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができ、また本ガス圧接装置によれば、上記方法を的確に実施することができる。
【0030】
なお、これまでの図示実施形態によれば、炭素化合物気化装置4が、比較的容易に炭素化合物を気化できることから、ヘキサンを用いた例を示したが、気化された炭素化合物であれば、他のものであってもよいのは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水を電気分解することによって得られた酸素水素混合ガスをガス圧接に用いるので、酸素・アセチレン炎や酸素・プロパン炎に比較し、炭酸ガスの発生量を大幅に低減することができ、また取扱い性において有利となって作業の安全性を向上でき、さらにワークの突き合わせ部分に巻き込まれる酸素量が大幅に低減され、接合界面の品質を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのガス圧接装置の一実施形態を示す燃焼ガス供給部の概略図である。
【図2】ガス圧接時において、図1の燃焼ガス供給部のガスバーナによる外炎を示す説明図である。
【図3】同じくガスバーナによる火炎のコア部の温度状態を計測するための説明図である。
【図4】外炎形成領域とヘキサン量との関係を示す説明図である。
【図5】追加供給酸素量と火炎の昇温能力との関係を示す説明図である。
【図6】同じくヘキサンの付加量と追加供給酸素量と火炎の昇温能力との関係を示す説明図である。
【図7】酸素水素混合ガス中の水素量に対するヘキサンの付加量と追加供給酸素量との関係を示す説明図である。
【図8】本発明方法を実施するためのガス圧接装置の他の実施形態を示す図1に対応する図である。
【符号の説明】
1 燃焼ガス供給部
2 ガスバーナ
3 酸素・水素混合ガス発生装置
4 炭素化合物気化装置
5 ガス混合室
6 流量調整弁
7 ガス供給管
8 流量調整弁
9 供給管
10 酸素ガスボンベ
11 酸素の供給管
12 流量調整弁
13 銅板
14 熱電対
L 外炎
L1 外炎長
L2 外炎幅
C コア部(高温部)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7