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明細書 :転てつ減摩器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3850690号 (P3850690)
公開番号 特開2003-034248 (P2003-034248A)
登録日 平成18年9月8日(2006.9.8)
発行日 平成18年11月29日(2006.11.29)
公開日 平成15年2月4日(2003.2.4)
発明の名称または考案の名称 転てつ減摩器
国際特許分類 B61L   5/06        (2006.01)
E01B   7/20        (2006.01)
FI B61L 5/06
E01B 7/20
請求項の数または発明の数 8
全頁数 14
出願番号 特願2001-223832 (P2001-223832)
出願日 平成13年7月25日(2001.7.25)
審査請求日 平成16年7月14日(2004.7.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
【氏名】五十嵐 義信
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】千壽 哲郎
参考文献・文献 特開平11-278271(JP,A)
特開平09-158101(JP,A)
実開平02-054802(JP,U)
調査した分野 B61L 5/06
E01B 7/20
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄道用分岐器のトングレールが転換するときに発生する摩擦力を低減する転てつ減摩器であって、
前記鉄道用分岐器の基本レールの底部に減摩器基部を固定する固定部材と、
前記固定部材によって固定された前記減摩器基部に外力が作用したときに、この減摩器基部の脱落する方向への回転を規制する回転規制部材と、
を備える転てつ減摩器。
【請求項2】
請求項1に記載の転てつ減摩器において、
前記回転規制部材は、前記減摩器基部に装着されて、前記基本レールの外側側面に先端部が押し付けられるボルトを備えること、
を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の転てつ減摩器において、
前記回転規制部材は、
前記基本レールの外側側面と略同一形状の先端部を有する複数の板状部材と、前記基本レールの外側側面に前記先端部が接触するように、前記複数の板状部材を前記減摩器基部に固定するボルトとを備えること、
を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の転てつ減摩器において、
前記回転規制部材は、
前記基本レールの外側側面と略同一形状の先端部を有する複数の板状部と、
前記複数の板状部の後端部を連結する連結部と、
前記基本レールの外側側面に前記先端部が接触するように、前記減摩器基部の端部に前記連結部を固定するボルトとを備えること、
を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の転てつ減摩器において、
前記回転規制部材は、前記基本レールの長さ方向に複数設置されていること、を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の転てつ減摩器において、
前記減摩器基部は、前記基本レールの内側底部側面にこの減摩器基部を掛け止めする掛け止め部を備えること、
を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項7】
請求項6に記載の転てつ減摩器において、
前記掛け止め部は、前記基本レールの長さ方向に延びた延長部を備えること、
を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の転てつ減摩器において、
前記減摩器基部は、前記基本レールの外側底部上面にこの減摩器基部を掛け止めする掛け止め部を備え、
前記固定部材は、前記掛け止め部に装着されて、前記減摩器基部と前記基本レールとが密着するように、前記基本レールの外側底部上面に先端部が押し付けられるボルトを備えること、
を特徴とする転てつ減摩器。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道用分岐器のトングレールが転換するときに発生する摩擦力を低減する転てつ減摩器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。図12は、従来の転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。なお、図11及び図12では、鉄道用分岐器101を構成するトングレール102、基本レール103及び床板105のうち片側のみを図示し、まくら木104については一部を省略して図示している。
【0003】
従来の転てつ減摩器106は、図11及び図12に示すように、ローラ107a~107cを支持する支持アーム108と、この支持アーム108を回転自在に支持する減摩器基部109と、ローラ107a~107cの位置を調整する位置調整部材110,111と、基本レール103の底部103aに減摩器基部109を固定する固定部材112,113を備えている。従来の転てつ減摩器106では、基本レール103の底部103aに減摩器基部109を取り付ける場合に、基本レール103の内側(軌道内側)には減摩器基部109を固定する部分がない。このため、従来の転てつ減摩器106では、基本レール103の外側(軌道外側)の底部上面103cにボルト112a,113aを締め付けて、減摩器基部109を底部103aに固定していた。その結果、従来の転てつ減摩器106は、基本レール103の底部103aに片持ち支持された状態で装着されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の転てつ減摩器106では、基本レール103の底部103aに減摩器基部109が強固に取り付けられていなかったり、底部103aに油が付着した状態で減摩器基部109が取り付けられたり、ボルト112a,113aが時間の経過とともに弛緩することがある。その結果、トングレール102の底部102aがローラ107a~107cに繰り返し乗り上がったり列車の振動などによって、基本レール103の底部103aから減摩器基部109が脱落するおそれがあった。
【0005】
また、従来の転てつ減摩器106では、基本レール103の底部側面103bに減摩器基部109を引っ掛ける掛け止め部109bが形成されている。基本レール103には、底部側面103bを斜めにカットして傾斜面状に形成した形式のレールと、底部側面103bを斜めにカットしないで曲面状に形成した形式のレールとがある。このため、底部側面103bを斜めにカットした基本レール103では、掛け止め部109bを底部側面103bに比較的容易に引っ掛けることができるが、底部側面103bを斜めにカットしていない基本レール103では、掛け止め部109bを底部側面103bに引っ掛けることが困難であった。
【0006】
さらに、基本レール103の底部側面103bに掛け止め部109bを引っ掛けても、底部側面103bと掛け止め部109bとの接触部分の面積が僅かであるために、減摩器基部109に過大な外力が加わると底部側面103bから掛け止め部109bが脱落するおそれがあった。その結果、固定部材112,113によって基本レール103の底部103aに減摩器基部109を固定するだけでは、転てつ減摩器106が底部103aから脱落するおそれがあった。
【0007】
この発明の課題は、減摩器基部の脱落を防止することができる転てつ減摩器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、鉄道用分岐器のトングレール(2)が転換するときに発生する摩擦力を低減する転てつ減摩器であって、前記鉄道用分岐器の基本レール(3)の底部(3a)に減摩器基部(9,25)を固定する固定部材(12,13,26,27)と、前記固定部材によって固定された前記減摩器基部に外力が作用したときに、この減摩器基部の脱落する方向への回転を規制する回転規制部材(14,15,16,17,30)とを備える転てつ減摩器(6)である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の転てつ減摩器において、前記回転規制部材は、前記減摩器基部に装着されて、前記基本レールの外側側面(3d)に先端部(14c)が押し付けられるボルト(14a)を備えることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の転てつ減摩器において、前記回転規制部材は、前記基本レールの外側側面と略同一形状の先端部(18a,19a)を有する複数の板状部材(18,19)と、前記基本レールの外側側面に前記先端部が接触するように、前記複数の板状部材を前記減摩器基部に固定するボルト(20)とを備えることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の転てつ減摩器において、前記回転規制部材は、前記基本レールの外側側面と略同一形状の先端部(30a,30b)を有する複数の板状部(30c,30d)と、前記複数の板状部の後端部を連結する連結部(30e)と、前記基本レールの外側側面に前記先端部が接触するように、前記減摩器基部の端部に前記連結部を固定するボルト(31)とを備えることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の転てつ減摩器において、前記回転規制部材は、前記基本レールの長さ方向に複数設置されていることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の転てつ減摩器において、前記減摩器基部は、前記基本レールの内側底部側面(3b)にこの減摩器基部を掛け止めする掛け止め部(9b)を備えることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の転てつ減摩器において、前記掛け止め部は、前記基本レールの長さ方向に延びた延長部(9g,9h)を備えることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の転てつ減摩器において、前記減摩器基部は、前記基本レールの外側底部上面(3c)にこの減摩器基部を掛け止めする掛け止め部(9c)を備え、前記固定部材は、前記掛け止め部に装着されて、前記減摩器基部と前記基本レールとが密着するように、前記基本レールの外側底部上面に先端部が押し付けられるボルト(12a,13a)を備えることを特徴とする転てつ減摩器である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【0017】
鉄道用分岐器1は、一つの軌道を二つ以上の軌道に分ける装置である。鉄道用分岐器1は、図1及び図2に示すように、先端部を尖らせた転換可能な可動レールであるトングレール2と、トングレール2の先端部が密着及び分離する基本レール3と、基本レール3が締結されるまくら木4と、トングレール2を転換自在に支持する床板5と、トングレール2を転換及び鎖錠する図示しない転てつ機などを備えている。
【0018】
転てつ減摩器6は、鉄道用分岐器1のトングレール2が転換するときに発生する摩擦力を低減する装置である。転てつ減摩器6は、トングレール2の転換力を軽減したり転換力の変動を少なくするために、例えば、1つの鉄道用分岐器1に2個~4個程度が基本レール3の底部3aに着脱自在に装着される。転てつ減摩器6は、図1及び図2に示すように、ローラ7a~7cと、支持アーム8と、減摩器基部9と、位置調整部材10,11と、固定部材12,13と、回転規制部材14とを備えている。
【0019】
ローラ7a~7cは、トングレール2が転換するときに、このトングレール2の底部2aと回転接触する回転体である。ローラ7a~7cは、図1に示すように、それぞれ回転軸7d~7fを備えている。支持アーム8は、ローラ7a~7cを回転自在に支持する部材である。支持アーム8は、図1及び図2に示すように、板状部8a,8bと、支持部8c,8dと、平坦部8eと、支点部8fとを備えている。板状部8a,8bは、所定の間隔を開けて対向して配置されたてこ状の部材である。支持部8c,8dは、回転軸7d~7fを回転自在に支持する部分であり、板状部8a,8bの一方の端部(軌道内側)に形成されている。平坦部8eは、板状部8a,8bの他方の端部(軌道外側)に形成された平板状の部分であり、支点部8fは板状部8a,8bが一体となって回転するときに回転中心となる部分である。
【0020】
減摩器基部9は、転てつ減摩器6をトングレール2に装着するための装着部である。減摩器基部9は、支持アーム8の支点部8fを回転自在に支持するとともに転てつ減摩器6の筐体を構成する。減摩器基部9は、図2に示すように位置決め部9aと、掛け止め部9b,9cと、ブロック部9d~9fとを備えている。
【0021】
位置決め部9aは、基本レール3の底部3aに嵌め込み減摩器基部9を位置決めする部分である。掛け止め部9bは、基本レール3の底部側面3bに減摩器基部9を掛け止めする部分である。掛け止め部9bは、位置決め部9aの長さ方向の端部に形成された段差部分(突起部)であり、基本レール3の底部側面3bとこの段差部分で接触する。掛け止め部9bは、図1に示すように、基本レール3の底部側面3bと接触する部分の長さが板状部6aと板状部6bとの間の間隔よりも僅かに小さく設定されている。図2に示す掛け止め部9cは、基本レール3の底部上面3cに減摩器基部9を掛け止めする部分である。掛け止め部9cは、減摩器基部9の端部に断面U字状に形成されている。ブロック部9d,9fは、減摩器基部9の上部にこの減摩器基部9と一体に形成された部分である。図1に示すように、ブロック部9dは、基本レール3側が2つに分岐しており、ブロック部9fはブロック部9dの分岐した部分に形成されている。ブロック部9eは、減摩器基部9の下部にこの減摩器基部9と一体に形成された部分である。
【0022】
位置調整部材10は、転てつ減摩器6の垂直方向の位置を調整する部材である。位置調整部材10は、図2に示すように、ブロック部9dの雌ねじ部に装着されるボルト10aと、このボルト10aに装着されるナット10bとを備えている。位置調整部材10は、ボルト10aの突出量を調整してボルト先端部10cを平坦部8eに接触させ、支点部8fを中心に支持アーム8を回転させてローラ7a~7cの高さを調整する。
【0023】
位置調整部材11は、転てつ減摩器6の水平方向の位置を調整する部材である。位置調整部材11は、ブロック部9eの雌ねじ部に装着されるボルト11aと、このボルト11aに装着されるナット11bとを備えている。位置調整部材11は、ボルト11aの突出量を調節して支点部8fを水平方向に移動させ、トングレール2の底面2aとローラ7a~7cとが接触する位置を調整する。
【0024】
固定部材12,13は、基本レール3の底部3aに減摩器基部9を固定する部材である。固定部材12,13は、いずれも同一構造であり、以下では固定部材12について説明し、固定部材12側の部材と対応する固定部材13側の部材については対応する符号を付して説明を省略する。固定部材12は、図2に示すように、ブロック部9dの分岐した部分に形成された雌ねじ部に装着されるボルト12aと、このボルト12aに装着されるナット12bとを備えている。固定部材12は、基本レール3の底部上面3cにボルト先端部12cを押し付けることによって基本レール3の底部3aと減摩器基部9とを密着させて、ボルト先端部12cと減摩器基部9との間に底部3aを挟み込み、減摩器基部9を底部3aに固定する。
【0025】
回転規制部材14は、固定部材12,13によって固定された減摩器基部9に外力が作用したときに、この減摩器基部9の脱落する方向への回転を規制する部材である。回転規制部材14は、図1に示すように、固定部材12と固定部材13との間に配置されている。回転規制部材14は、図1及び図2に示すように、ブロック部9fの雌ねじ部に装着されるボルト14aと、このボルト14aに装着されるナット14bとを備えている。回転規制部材14は、基本レール3の外側(軌道外側)の側面3dに向けてブロック部9fからボルト14aを突出させて、この側面3dにボルト先端部14cを押し付ける。回転規制部材14は、減摩器基部9を脱落する方向の外力が作用したときに、基本レール3の側面3dとボルト先端部14cとの間にこの外力に対抗する抗力を発生させる。この実施形態では、減摩器基部9に作用する外力に比べて抗力が大きくなるように、基本レール3の底部3aからなるべく離れた位置にボルト先端部14cを配置することが好ましい。回転規制部材14は、掛け止め部9bとボルト先端部14cとの間に基本レール3を挟み込み基本レール3の底部3aに減摩器基部9を固定する。
【0026】
次に、この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器の取付方法を説明する。
図1及び図2に示すように、基本レール3の底部3aに掛け止め部9cを掛け止めし、基本レール3の底部側面3bに掛け止め部9bを掛け止めすると、基本レール3の底部3aに位置決め部9aが嵌り込み減摩器基部9が位置決めされる。次に、ボルト12a,13aを回転させて突出量を調節しナット12b,13bを締め付けると、基本レール3の底部上面3cにボルト先端部12c,13cが押し付けられて、基本レール3の底部3aに減摩器基部9が装着される。そして、ボルト14aを回転させて突出量を調節しナット14bを締め付けると、基本レール3の側面3dにボルト先端部14cが押し付けられる。最後に、ボルト10a,11aを回転させて突出量を調節しナット10b,11bを締め付けると、ローラ7a~7cの垂直方向及び水平方向の位置が調整される。
【0027】
次に、この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器の動作を説明する。
図2に示すように、トングレール2が転換を開始すると、トングレール2の底部2aが床板5からローラ7a~7cに乗り移る。減摩器6は、トングレール2の底部2aが床板5上を移動するときに発生する摩擦力に比べて、ローラ7a~7c上を底部2aが移動するときに発生する摩擦力を低減させる。トングレール2の底部2aがローラ7a~7cに乗り上がると、支持部8c,8dを押し下げる方向の外力が加わり、支点部8fを中心として図2に示す矢印方向に支持アーム8を回転させるモーメントが発生する。その結果、支持アーム8から減摩器基部9へ支点部8fを通じて、減摩器基部9を押し下げる方向の外力が加わり、基本レール3の底部3aを支点として図中矢印方向に減摩器基部9を回転させるモーメントが発生する。
【0028】
基本レール3の側面3dをボルト先端部14cが押し付けているために、ボルト先端部14cを通じて側面3dから減摩器基部9が抗力を受ける。このため、減摩器基部9に外力が加わって減摩器基部9を脱落する方向に回転させるモーメントが発生しても、基本レール3の側面3dから減摩器基部9にこの外力に対抗する抗力が加わり、このモーメントと反対方向のモーメントが発生する。その結果、減摩器基部9が脱落する方向に微小回転しようとすると、回転規制部材12が回転を規制して脱落を阻止する。
【0029】
この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、固定部材12,13によって固定された減摩器基部9に外力が作用したときに、この減摩器基部9の脱落する方向への回転を回転規制部材14が規制する。その結果、トングレール2の底部2aがローラ7a~7cに乗り上がるときや列車が通過して基本レール3が振動するときなどに、基本レール3の底部3aから減摩器基部9が脱落するのを防止するために、転てつ減摩器6によって転換力の軽減効果を発揮させることができる。
【0030】
(2) この第1実施形態では、減摩器基部9の雌ねじ部にボルト14aを装着して、基本レール3の側面3dにボルト先端部14cを押し付けている。その結果、減摩器基部9に外力が作用してこの減摩器基部9が微小回転しようとするときに、基本レール3の側面3dとボルト先端部14cとの間にこの外力に対抗する抗力を発生させることができる。
【0031】
(3) この第1実施形態では、基本レール3の底部側面3bに減摩器基部9を掛け止めする掛け止め部9bが形成されている。その結果、ボルト先端部14cと掛け止め部9bとの間に基本レール3の底部3aが挟み込まれるために、基本レール3の底部側面3bが斜めにカットされているか否かに関わらず、基本レール3の底部3aに減摩器基部9を強固に固定することができる。
【0032】
(第2実施形態)
図3は、この発明の第2実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。図4は、この発明の第2実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【0033】
この第2実施形態は、図3及び図4に示すように、基本レール3の長さ方向に延びた延長部9g,9hを減摩器基部9に形成した実施形態である。延長部9g,9hは、図3に示すように、基本レール3の長さ方向における掛け止め部9bの両端部にこの掛け止め部9bと一体に形成されている。この第2実施形態では、第1実施形態に比べて、掛け止め部9b及び延長部9g,9hと基本レール3の底部側面3bとの接触面積が増大する。その結果、基本レール3の底部3aに減摩器基部9が強固に固定され、減摩器基部9の脱落を阻止することができる。
【0034】
(第3実施形態)
図5は、この発明の第3実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。図6は、この発明の第3実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【0035】
この第3実施形態は、図5及び図6に示すように、基本レール3の長さ方向に回転規制部材15,16を複数設置した実施形態である。回転規制部材15,16は、図1~図4に示す回転規制部材14と同一構造であり、以下では回転規制部材14と対応する部材には対応する符号を付して詳細な説明を省略する。回転規制部材15は、ボルト先端部15cが基本レール3を挟み延長部9gと略対向する位置に配置されており、回転規制部材16はボルト先端部16cが基本レール3を挟み延長部9gと略対向する位置に配置されている。ブロック部9i,9jは、減摩器基部9の側面にこの減摩器基部9と一体に形成されている。
【0036】
この第3実施形態では、ボルト先端部15c,16cを基本レール3の側面3dに押し付けて、掛け止め部9b及び延長部9g,9hとボルト先端部15c,16cとの間で基本レール3を挟み込む。その結果、第1実施形態及び第2実施形態に比べて、基本レール3の底部3aに減摩器基部9がより一層強固に固定されて、減摩器基部9の脱落を阻止することができる。
【0037】
(第4実施形態)
図7は、この発明の第4実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。図8は、この発明の第4実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【0038】
この第4実施形態は、図1~図6に示す回転規制部材14~16と異なる構造の回転規制部材17を減摩器基部9に装着した実施形態である。回転規制部材17は、図7及び図8に示すように、基本レール3の側面3dと略同一形状の先端部18a,19aを有する板状部材18,19と、先端部18a,19aが側面3dに接触するように、板状部材18,19を減摩器基部9に固定するボルト20と、ボルト20に装着される2つのナット21とを備えている。ボルト20は、減摩器基部9の上部にこの減摩器基部9と一体に形成されたブロック部9kの2つの雌ねじ部にそれぞれ装着される。ナット21は、板状部材18と板状部材19との間にブロック部9kが挟み込まれて、板状部材18,19とブロック部9kとが密着するように、2本のボルト20の先端部にそれぞれ装着され締め付けられる。
【0039】
この第4実施形態では、基本レール3の側面3dに密着する先端部18a,19aがこの側面3dと略同一形状に形成されている。その結果、第1実施形態~第3実施形態に比べて、先端部18a,19aと側面3dとの接触面積が増大し、減摩器基部9の脱落をより一層強固に規制することができる。
【0040】
(第5実施形態)
図9は、この発明の第5実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。図10は、この発明の第5実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【0041】
この第5実施形態は、図1~図8に示す減摩器6と異なる構造の減摩器22に回転規制部材30を装着した実施形態である。減摩器22は、図9及び図10に示すように、トングレール2と回転接触するローラ23と、このローラ23を支持する板状部24a,24bを有し、支点部24cを中心として回転する略L字状の支持アーム24と、支点部24cを支持するとともに基本レール3の底部3aに装着される減摩器基部25と、基本レール3の底部3aに減摩器基部25を固定するボルト26a,27aを有する固定部材26,27と、トングレール2がローラ23に乗り上げたときに発生する衝撃力を緩和するばね28aを有する緩衝器28と、一方の端部が緩衝器28に連結され他方の端部が支点部24cに連結されており、減摩器基部25に支持される支持プレート29と、回転規制部材30とを備えている。
【0042】
回転規制部材30は、基本レール3の側面3dと略同一形状の先端部30a,30bを有する板状部30c,30dと、この板状部30c,30dの後端部を連結する連結部30eと、基本レール3の側面3dに先端部30a,30bが接触するように、減摩器基部25の端部に連結部30eを固定するボルト31とを備えている。回転規制部材30は、減摩器基部25の上部にこの減摩器基部25と一体に形成されたブロック部25aを挟み込むように、このブロック部25aに嵌め込まれている。ボルト31は、ブロック部25aの端部に形成された雌ねじ部に装着されており、回転規制部材30を減摩器基部25に固定する。この第5実施形態では、第4実施形態の効果に加えて、回転規制部材30が略U字状の1つの部材で形成されているために、減摩器基部25に回転規制部材30を容易に位置決めして装着することができる。
【0043】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この第1実施形態~第3実施形態では、ボルト14a,15a,16aを例に挙げて説明したが、押し付け部材をボルトに限定するものではなく、ピンなどの他の押し付け部材についてもこの発明を適用することができる。また、この第1実施形態~第3実施形態では、ボルト先端部14c,15c,16cを基本レール3の腹部側面に押し付けているが、列車の走行に支障がない範囲で押し付け位置を基本レール3の外側の頭部寄りに設定してもよい。
【0044】
(2) この第1実施形態~第5実施形態では、3個のローラ7a~7c又は1個のローラ23を支持アーム8,24に装着しているが、トングレール2の大きさなどに応じてローラの個数を任意に設定することができる。また、この第1実施形態~第5実施形態では、減摩器6,22を例に挙げて説明したがこれらの構造の減摩器に限定するものではなく、基本レール3に装着される他の構造の減摩器などについてもこの発明を適用することができる。
【0045】
(3) この第2実施形態~第4実施形態では、掛け止め部9bに延長部9g,9hを形成した場合を例に挙げて説明しているが、掛け止め部9bに延長部9g,9hが形成されていない減摩器基部9に回転規制部材15~17を設けてもよい。また、この第3実施形態では、2つの回転規制部材15,16を設けているが設置個数はこの実施形態に限定するものではなく、固定部材12と固定部材13との間に回転規制部材を追加してもよい。
【0046】
(4) この第4実施形態では、固定部材12と固定部材13との間に回転規制部材16を追加してもよい。また、この第4実施形態及び第5実施形態では、基本レール3の長さ方向に沿って板状部材18,19や板状部30c,30dを3つ以上設けてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、固定部材によって固定された減摩器基部に外力が作用したときに、この減摩器基部の脱落する方向への回転を回転規制部材が規制するので、減摩器基部の脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【図3】この発明の第2実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。
【図4】この発明の第2実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【図5】この発明の第3実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。
【図6】この発明の第3実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【図7】この発明の第4実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。
【図8】この発明の第4実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【図9】この発明の第5実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。
【図10】この発明の第5実施形態に係る転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【図11】従来の転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す平面図である。
【図12】従来の転てつ減摩器を基本レールに装着した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 鉄道用分岐器
2 トングレール
2a 底部
3 基本レール
3a 底部
3b 底部側面(内側底部側面)
3c 底部上面(外側底部上面)
3d 側面(外側側面)
6 減摩器
9 減摩器基部
9b,9c 掛け止め部
9g,9h 延長部
12,13 固定部材
14,15,16,17 回転規制部材
14a,15a,16a ボルト
14c,15c,16c ボルト先端部
18,19 板状部材
18a,19a 先端部
20 ボルト
25 減摩器基部
26,27 固定部材
30 回転規制部材
30a,30b 先端部
30c,30d 板状部
30e 連結部
31 ボルト
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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