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明細書 :変更入換計画作成プログラム、記憶媒体及び変更入換計画作成システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4571349号 (P4571349)
公開番号 特開2003-072555 (P2003-072555A)
登録日 平成22年8月20日(2010.8.20)
発行日 平成22年10月27日(2010.10.27)
公開日 平成15年3月12日(2003.3.12)
発明の名称または考案の名称 変更入換計画作成プログラム、記憶媒体及び変更入換計画作成システム
国際特許分類 B61L  27/00        (2006.01)
G06Q  50/00        (2006.01)
FI B61L 27/00 Z
G06F 17/60 112G
請求項の数または発明の数 6
全頁数 19
出願番号 特願2001-267544 (P2001-267544)
出願日 平成13年9月4日(2001.9.4)
審査請求日 平成19年11月28日(2007.11.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】500519987
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール総研情報システム
発明者または考案者 【氏名】富井 規雄
【氏名】周 利剣
個別代理人の代理人 【識別番号】100090033、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 博司
【識別番号】100093045、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 良男
審査官 【審査官】柏崎 茂美
参考文献・文献 特開2000-177590(JP,A)
特開平06-092237(JP,A)
特開平09-188255(JP,A)
特開平11-344927(JP,A)
実開昭59-195052(JP,U)
調査した分野 B61L 27/00
G06Q 50/00
特許請求の範囲 【請求項1】
基本入換計画データを記憶する第1の記憶手段と、実施済みの変更入換計画に係る事例データを累積記憶する第2の記憶手段とを備えるコンピュータに、
臨時列車の運転データを入力する入力機能と、
前記入力機能により入力された臨時列車の運転データに基づいて、当該臨時列車の運転データと、前記第2の記憶手段に記憶された各事例データの臨時列車の運転データとの一致度を検索条件として、当該検索条件に合致する事例データを前記第2の記憶手段に記憶された複数の事例データの中から検索する検索機能と、
前記検索機能により検索された事例データと、前記運転データとに基づいて、新規変更入換計画を仮作成する仮作成機能と、
所定の実施可能条件に従って、前記仮作成された新規変更入換計画の矛盾の有無を判別し、矛盾無しと判別した場合に、前記仮作成した新規変更入換計画を本決定する本決定機能と、
実現させる変更入換計画作成プログラム
【請求項2】
請求項1記載の変更入換計画作成プログラムにおいて、
前記本決定機能が、
矛盾有りと判別した場合に、少なくとも1回、前記仮作成された新規変更入換計画の修正、および、当該修正後の新規変更入換計画に対する矛盾有無の再判別、を行うことを特徴とする変更入換計画作成プログラム
【請求項3】
請求項1または2に記載の変更入換計画作成プログラムにおいて、
前記検索機能が、
臨時列車の、H.着列車番号、I.発列車番号、J.着列車の番線競合列車番号、K.発列車の競合列車番号、L.着列車のパターン列車番号、M.発列車のパターン列車番号、N.着列車の番線競合列車のパターン列車番号、およびO.発列車の番線競合列車のパターン列車番号、の内の少なくとも1つが一致することを検索条件として、前記検索を実行することを特徴とする変更入換計画作成プログラム
【請求項4】
請求項記載の変更入換計画作成プログラムにおいて、
前記検索機能が、
前記H~Oの事項の内、優先度の高い事項に合致する事例データから順に検索することを特徴とする変更入換計画作成プログラム
【請求項5】
請求項1~の何れか記載の変更入換計画作成プログラムを記憶する記憶媒体。
【請求項6】
基本入換計画データを記憶する第1の記憶手段と、実施済みの変更入換計画に係る事例データを累積記憶する第2の記憶手段とを備える変更入換計画作成システムであって、
臨時列車の運転データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された臨時列車の運転データに基づいて、当該臨時列車の運転データと、前記第2の記憶手段に記憶された各事例データの臨時列車の運転データとの一致度を検索条件として、当該検索条件に合致する事例データを前記第2の記憶手段に記憶された複数の事例データの中から検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された事例データと、前記運転データとに基づいて、新規変更入換計画を仮作成する仮作成手段と、
所定の実施可能条件に従って、前記仮作成された新規変更入換計画の矛盾の有無を判別し、矛盾無しと判別した場合に、前記仮作成した新規変更入換計画を本決定する本決定手段と、
を備えることを特徴とする変更入換計画作成システム。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変更入換計画を自動作成する変更入換計画作成プログラム、当該変更入換計画作成プログラムを記憶する記憶媒体、および変更入換計画作成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
定期列車は列車ダイヤにしたがって、日々運行される。定期列車の他に、季節的な輸送需要の増加や修学旅行の団体等の個別の輸送需要に対応するために、臨時列車が運行されることがある。
【0003】
臨時列車は、定期列車の運行計画に極力影響を与えないように設定されるのが原則であるが、定期列車の運行密度が高いなどの理由でそれが不可能である場合は、定期列車の着発時刻や着発番線を変更することがある。このとき、駅構内入換計画(以下、「構内入換計画」とする。)においても、変更を必要とする。
【0004】
構内入換計画とは、列車の着発時刻、着発番線、列車の折返し計画などの列車ダイヤを入力とし、駅の配線などの設備に関わる条件を制約として、入換が必要な列車に対して、他の列車との番線や進路の競合を避けるように、入換の時刻と使用する引上線を決定し、鉄道の駅における車両の入換作業のスケジュールを定めたものを言う。
【0005】
構内入換計画には、基本入換計画と変更入換計画が存在する。基本入換計画は、ダイヤ改正にあわせて作成され、駅における定期列車の入換作業のスケジュールを定めたものである。変更入換計画は、当該日の入換計画について、臨時列車の運転にあわせて基本入換計画に変更を加えて作成されるものである。
【0006】
従来、これらの構内入換計画のほとんどは、人間が主体となって作成し、コンピュータは、作成した構内入換計画をダイヤ図などに描画し、矛盾の有無を確認するなどというシステムに留まっている。
【0007】
また、確率的局所探索とPERT(日程計画法)を組み合わせた構内入換計画作成アルゴリズム(特開2000-177590号公報)によって、基本入換計画をコンピュータにより自動作成する方法が提案されているが、変更入換計画に対しては、自動作成アルゴリズムが存在せず、現時点では、全て人手によって作成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、臨時列車の運行頻度は極めて高いため、その度に変更入換計画を作成することは多大な労力を必要とする。一方で、変更入換計画をコンピュータで自動作成することは、非常に困難である。つまり、定期列車の着発番線は、乗り換えの利便性(移動に必要な時間、移動距離など)や他の列車との接続などを考慮して決定されるが、臨時列車の運行によって定期列車の運行計画を変更すると、どの程度の利用者にどの程度の不便が生じるのかという情報はコンピュータには格納されていないため、定期列車の運行計画の変更をコンピュータが評価して決定することは不可能である。また、仮にその情報が格納されていたとしても、定期列車の運行計画の変更については、どの方策を採用するのが最良であるかをコンピュータが判断することは、評価基準が曖昧であるため、非常に困難である。
【0009】
そして、例えば、定期列車の着発時刻の変更が可能であるかどうかは、変更入換計画の作成対象となっている当該駅の事情だけでは、判断不可能である。例えば、ある駅で着時刻あるいは発時刻を変更すると、通常は近隣の駅の時刻も変更する必要があり、その駅に関係する全ての駅における時刻変更の妥当性を検証し、時刻の変更が可能かどうか判断しなければならない。
【0010】
このように、変更入換計画のコンピュータによる自動作成は、情報の不足、判断基準の曖昧さ、当該駅を対象とするだけでは判断できない等の理由により実現されなかった
【0011】
本発明の課題は、変更入換計画を人手によらず、変更入換計画を自動的に作成するための変更入換計画作成プログラム、当該変更入換計画作成プログラムを記憶する記憶媒体、および変更入換計画作成システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、基本入換計画データを記憶する第1の記憶手段(例えば、図3の基本入換計画DB34)と、実施済みの変更入換計画に係る事例データを累積記憶する第2の記憶手段(例えば、図3の変更入換計画事例DB33)とを備えるコンピュータ(例えば、図3の変更入換計画作成システム)に、臨時列車の運転データを入力する入力機能(例えば、図2のCPU30;図7のステップS11)と、前記入力機能により入力された臨時列車の運転データ(例えば、図4の臨時列車運転データ)に基づいて、当該臨時列車の運転データと、前記第2の記憶手段に記憶された各事例データの臨時列車の運転データとの一致度を検索条件として、当該検索条件に合致する事例データを前記第2の記憶手段に記憶された複数の事例データの中から検索する検索機能(例えば、図2のCPU30;図7および図8のステップS12~ステップS21)と、前記検索機能により検索された事例データと、前記運転データとに基づいて、新規変更入換計画を仮作成する仮作成機能(例えば、図2のCPU30;図8のステップS23)と、所定の実施可能条件に従って、前記仮作成された新規変更入換計画の矛盾の有無を判別し、矛盾無しと判別した場合に、前記仮作成した新規変更入換計画を本決定する本決定機能(例えば、図2のCPU30;図9のステップS28)と、を実現させる変更入換計画作成プログラムである。
【0013】
また、請求項記載の発明は、基本入換計画データを記憶する第1の記憶手段(例えば、図3の基本入換計画DB34)と、実施済みの変更入換計画に係る事例データを累積記憶する第2の記憶手段(例えば、図3の変更入換計画事例DB33)とを備える変更入換計画作成システム(例えば図3の変更入換計画作成システム)であって、臨時列車の運転データを入力する入力手段(例えば、図2のCPU30;図7のステップS11)と、前記入力手段により入力された臨時列車の運転データ(例えば、図4の臨時列車運転データ)に基づいて、当該臨時列車の運転データと、前記第2の記憶手段に記憶された各事例データの臨時列車の運転データとの一致度を検索条件として、当該検索条件に合致する事例データを前記第2の記憶手段に記憶された複数の事例データの中から検索する検索手段(例えば、図2のCPU30;図7および図8のステップS12~ステップS21)と、前記検索手段により検索された事例データと、前記運転データとに基づいて、新規変更入換計画を仮作成する仮作成手段(例えば、図2のCPU30;図8のステップS23)と、所定の実施可能条件に従って、前記仮作成された新規変更入換計画の矛盾の有無を判別し、矛盾無しと判別した場合に、前記仮作成した新規変更入換計画を本決定する本決定手段(例えば、図2のCPU30;図9のステップS28)と、を備えることを特徴としている。
【0014】
この請求項1、記載の発明によれば、入力された臨時列車の運転データと類似する事例データを、実施済みの変更入換計画の事例データから所定の検索条件に従って検索し、検索された実施済みの事例データと入力された臨時列車の運転データから、新規変更入換計画を仮作成する。その仮作成された新規変更入換計画に列車の運行上の矛盾が存在しなければ、その新規変更入換計画を実行可能な変更入換計画と判断する。これにより、臨時列車の運行に対する変更入換計画の作成を人手によらず、自動的に作成することができ、変更入換計画を作成するための労力が軽減される。また、入力された臨時列車の運転データと類似する事例データを、実施済みの変更入換計画の事例データから検索することができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の変更入換計画作成プログラムにおいて、前記本決定機能が、矛盾有りと判別した場合に、少なくとも1回、前記仮作成された新規変更入換計画の修正(例えば、図2のCPU30;図9のステップS25)、および、当該修正後の新規変更入換計画に対する矛盾有無の再判別(例えば図2のCPU30;図9のステップS26)、を行うように機能させるための情報を含むことを特徴としている。
【0016】
この請求項2記載の発明によれば、新規変更入換計画を仮作成するために用いた事例データと入力された臨時列車の運転データとにおいて、例えば、時刻などが少し異なったり、番線や進路の競合などの矛盾が存在した場合であっても、少なくとも1回、仮作成された新規変更入換計画が修正される。そして、修正後の新規変更入換計画について、矛盾の有無が再判別される。従って、同一の事例データが存在しない場合であっても、修正によって矛盾のない変更入換計画を作成することができる。
【0018】
また、請求項記載の発明のように、請求項1または2に記載の変更入換計画作成プログラムにおいて、前記検索機能が、臨時列車の、H.着列車番号、I.発列車番号、J.着列車の番線競合列車番号、K.発列車の競合列車番号、L.着列車のパターン列車番号、M.発列車のパターン列車番号、N.着列車の番線競合列車のパターン列車番号、およびO.発列車の番線競合列車のパターン列車番号、の内の少なくとも1つが一致することを検索条件として、前記検索を実行することを特徴とする変更入換計画作成プログラムとしてもよい。
【0019】
この請求項3記載の発明によれば、入力された臨時列車の運転データと類似する事例データを、実施済みの変更入換計画の事例データから検索することができる。即ち、検索条件として、H.着列車番号、I.発列車番号、J.着列車の番線競合列車番号、K.発列車の競合列車番号、L.着列車のパターン列車番号、M.発列車のパターン列車番号、N.着列車の番線競合列車のパターン列車番号、およびO.発列車の番線競合列車のパターン列車番号、の内の少なくとも1つが一致することが条件とされるため、入力された臨時列車の運転データに対して、着発列車番号が一致する事例データの他に、時刻等は同じであるが列車番号が異なる場合の事例データをおよびの検索条件で検索するといったことができる。また、入力された臨時列車の運転データに対して、列車番号や時刻は異なるが、同じ変更パターンである事例データをおよびの検索条件で検索することができる。
【0020】
請求項記載の発明のように、請求項記載の変更入換計画作成プログラムにおいて、前記検索機能が、前記の事項の内、優先度の高い事項に合致する事例データから順に検索することを特徴とする変更入換計画作成プログラムとしてもよい。
【0021】
この請求項記載の発明によれば、事例データを実施済みの変更入換計画の事例データから検索する際に、前記の事項について、優先度の高い事項に合致する事例データから検索する。即ち、入力された臨時列車の運転データと一致度の高い事例データから検索することができる。これにより、例えば、高い優先度の事項に合致した事例データと、入力された臨時列車の運転データから新規変更入換計画を仮作成する際に、列車の運行上の矛盾が発生する可能性の低い新規変更入換計画を仮作成することができる。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項1~の何れか記載の変更入換計画作成プログラムを記憶する記憶媒体(例えば、図2の記憶媒体32)とすることを特徴としている。
【0023】
この請求項記載の発明によれば、請求項1~の何れか記載の発明の効果を奏する記憶媒体を実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、まず基本入換計画と変更入換計画の関係について説明した後、本発明を適用した変更入換計画作成システムについて詳細に説明する。
【0025】
[基本入換計画と変更入換計画の関係]
図1は、ある駅における線路の配線の一例を示した図である。この図において、プラットホームP1、P2およびP3は、乗客が列車に乗降するプラットホームである。番線0、1、2、・・・、7は、列車が駅外から直接停車することのできる番線である。上り引上線8および下り引上線9は、番線に到着した列車が折り返して運転される場合、一時的に列車を留置するために使用される。駅の線路は、U方面、V方面およびW方面へ配線されている。線路の配線上の矢印は、それぞれ列車の進む方向を示しており、二つの矢印が向き合って表示されている線路(例えば、W方向へ向かう線路)は単線であることを示している。
【0026】
図2(a)は、図1の駅を運行する定期列車の基本入換計画の一例であり、さらに臨時列車Xの運転データを加えた場合を示している。図2(b)は、臨時列車Xの運転を可能にするために、図2(a)に対して必要な変更を行って作成された変更入換計画の例を示している。図2(a)および(b)は、作業ダイヤ図と呼ばれる。
【0027】
図2(a)および(b)は縦軸を番線、横軸を時間として、番線0~番線6と下り引上線9の間の列車の移動を表している。番線7および上り引上線8の情報も通常図示されるが、本入換作業には使用しないため省略する。図2(a)および(b)の図中の四角形は、列車がその時間、その番線に停車していることを表している。また、四角形の左上に付された線分は、その列車が上り方面(U方面)から到着することを示し、右下の線分は、その列車が下り方面(V方面またはW方面)に向けて発車することを示している。同様に、左下の線分は下り方面からの到着、右上の線分は上り方面への発車を表している。
【0028】
図2(a)において、臨時列車Xの運行を示す平行四辺形は、変更入換計画の入力となる臨時列車の運転データに対応している。即ち、臨時列車Xは、10時9分にU方面から番線3に到着し、10時31分にV方面あるいはW方面へ番線1から発車する。この場合、着番線と発番線が異なるため、臨時列車Xに対して、入換作業を行う必要がある。
【0029】
図2(a)の基本入換計画と臨時列車Xの運転データに基づいて、図2(b)の変更入換計画を作成する段階において、臨時列車Xの運行によって他の定期列車(図2(a)の列車A、列車B、列車Cおよび列車D)の運行に矛盾が発生しないかどうか判別する。まず、列車Aの発時刻と臨時列車Xの着時刻との間に、十分な時間の確保ができていないため、列車Aと臨時列車Xの番線が競合していると判断される。また、臨時列車Xの入換作業と、列車Aから列車Bへの入換作業が、下り引上線9で競合する。
【0030】
このような、臨時列車Xの入換作業によって発生する定期列車の運行の矛盾に対して、図2(a)の基本入換計画を変更する。臨時列車Xと列車Aの番線競合において、臨時列車Xの着時刻や着番線を変更できない場合、列車Aの発時刻もしくは着番線を変更する必要がある。図2(b)の場合、列車Aの着番線を番線3から番線6に変更している。これにより、列車Aの入換作業が不要となったので、入換作業を中止とするため、臨時列車Xと列車Aによる下り引上線9の競合も消滅する。
【0031】
さらに、列車Dが番線1を発車して一定時刻経過してから、臨時列車Xが下り引上線9から発番線である番線1に移動する時、列車CがV方面から番線6に到着するため、進路競合が発生する可能性が高い。線路の分岐点では、分岐器によってどちらか一方の線路の進行が決定されるため、上述のような進路競合が発生した場合、列車Cの着時刻、あるいは臨時列車Xの入換時刻が遅延し、列車ダイヤの乱れに繋がる。したがって、列車Cの着時刻を2分ほど遅らせて臨時列車Xを先に番線1に移動させることにより、進路競合の発生を防止している。
【0032】
以上のように、定期列車A、B、CおよびDと臨時列車Xとの運行上の競合を判断し、競合を回避するスケジュールに調整することによって、図2(b)のような変更入換計画が作成される。
【0033】
[構成]
次に、本発明を適用した変更入換計画作成システムの構成を説明する。図3は、変更入換計画作成システムの内部構成を示したブロック図である。変更入換計画作成システムは、CPU(中央演算装置:Central Processing Unit)30、RAM(Random Access Memory)31、記憶媒体32、変更入換計画事例データベース(以下、「変更入換計画事例DB」とする。)33、基本入換計画データベース(以下、「基本入換計画DB」とする。)34、入力部35、表示部36を備え、各部はバス37により接続されている。
【0034】
CPU30は、記憶媒体32に記憶されている変更入換計画作成システムに対応する各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムや、入力部35から入力される各種指示信号に応じた各種データ等をRAM31内に格納し、この入力指示および入力データに応じて、RAM31内に格納したアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM31内に格納するとともに、表示部36に表示する。そして、CPU30は、RAM31内に格納した処理結果を入力部35から入力指示される記憶媒体32の保存先に保存する。
【0035】
またCPU30は、入力部35から入力される指示信号に応じて、記憶媒体32に格納されている変更入換計画作成処理(図7~図9参照)に係る変更入換計画作成プログラム321、あるいは、変更入換計画判別処理(図10参照)に係る変更入換計画判別プログラム322、あるいは、基本入換計画作成処理に係る基本入換計画作成プログラム323を読み出して、読み出したプログラムに従って、各処理を実行する。
【0036】
各処理の詳細な説明は後述するが、CPU30は変更入換計画作成処理(図7~図9参照)を実行して、臨時列車運転データ記憶領域311に記憶されている臨時列車の運転データに基づいて、所定の検索条件により変更入換計画事例DB33より事例データを検索し、新規変更入換計画を決定する。また、CPU30が変更入換計画作成処理を実行する過程で読み出して実行する変更入換計画判別処理(図10参照)は、臨時列車運転データ記憶領域311に記憶されている臨時列車の運転データと、類似事例データ記憶領域312に記憶されている事例データとに基づいて新規変更入換計画を仮作成し、矛盾の有無を判別する。なお、CPU30が変更入換計画判別処理を実行する過程で読み出して実行する基本入換計画作成処理は、例えば特開2000—177590号公報記載の公知の技術を用いており、仮作成された新規変更入換計画の矛盾を修正する。
【0037】
RAM31は、CPU30の作業領域として用いられ、プログラムや数値を一時的に記憶する。本実施の形態においては、その領域として、特に、臨時列車運転データ記憶領域311、類似事例データ記憶領域312および変更入換計画データ記憶領域313を備える。
【0038】
臨時列車運転データ記憶領域311は、入力部35から入力された臨時列車の運転データを記憶する。類似事例データ記憶領域312は、臨時列車運転データ記憶領域311に記憶された臨時列車の運転データに基づいて検索された変更入換計画事例DB33のデータを記憶する。変更入換計画データ記憶領域313は、決定された新規変更入換計画を記憶する。
【0039】
記憶媒体32には、変更入換計画作成システムを実現させるためのプログラムが記憶されており、記憶媒体32はハードディスクやCD-ROM等により構成される。本実施の形態においては、記憶媒体32は、変更入換計画作成プログラム321、変更入換計画判別プログラム322および基本入換計画作成プログラム323を記憶する。なお、図示していないが、変更入換計画作成システムには、この記憶媒体32を読み出す記憶媒体読取装置等が具備されている。
【0040】
変更入換計画事例DB33には、例えば図2(b)で示したような、過去に実施された、運行に矛盾のない変更入換計画のデータが蓄積して格納されている
【0041】
基本入換計画DB34は、例えば、図2(a)で示したような、ダイヤ改正によって作成された基本入換計画に関するデータが格納されている。
【0042】
入力部35には、例えば、キーボードなどで構成され、オペレータによって入力される臨時列車の運転データなどをCPU30へ出力する。
【0043】
表示部36は、例えば、CRT(ブラウン管:Cathode Ray Tube)あるいはLCD(液晶画面:Liquid Crystal Display)などで構成され、変更入換計画作成システムの動作に必要なデータや動作結果を表示する。
【0044】
図4は、臨時列車運転データ記憶領域311に格納される、臨時列車運転データのデータ構造を示した図である。項目として、列車番号、着発時刻、着発番線、入換番線、入換時刻、番線競合列車、パターン列車、進路競合列車および折返し列車があり、オペレータによる入力部35の操作によって各項目に対応したデータが列車番号ごとに入力される。そのデータはCPU30によって、臨時列車運転データ記憶領域311に記憶される。
【0045】
当該項目の種類は一例であり、臨時列車の運転計画が把握できる項目が存在していれば、これに限らず、例えば項目として、始発駅、終着駅、車種および両数などを含んでもよい。
【0046】
図4において、各項目のデータは、図2(a)に示した臨時列車Xの運転データを例としており、着列車である列車Xと、発列車である列車Yに関する運転データである。
【0047】
まず、列車番号の項目には、運行される臨時列車の列車番号が記憶される。着発時刻の項目には、その臨時列車が着列車の場合は駅に到着する時刻が記憶され、その臨時列車が発列車の場合は駅を発車する時刻が記憶される。着発番線の項目には、その臨時列車が着列車の場合は到着する番線番号が記憶され、その臨時列車が発列車の場合は発車する番線番号が記憶される。
【0048】
入換番線の項目には、その臨時列車に入換作業が必要なとき、入換作業に使用する番線番号が記憶される。入換時刻の項目には、その臨時列車が着列車の場合には入換作業を開始する時間が記憶され、その臨時列車が発列車の場合は発番線に移動する時間が記憶される。番線競合列車の項目には、その臨時列車の運行において、使用する番線が競合する列車の列車番号が記憶される。パターン列車の項目には、その臨時列車において、一定の周期(例えば、1時間、2時間など。
)だけ遅れて運転される列車の列車番号が記憶される。進路競合列車の項目には、その臨時列車の到着、入換作業および発車の際に進路が競合する列車の列車番号が記憶される。
【0049】
折返し列車の項目には、その臨時列車が着列車の場合には発列車の列車番号を、またその臨時列車が発列車の場合には着列車の列車番号を記憶する。ここで、列車番号は、列車を入換作業する場合、入換作業前(列車が到着したとき)の列車番号と入換作業後(列車が発車するとき)の列車番号が異なる。
【0050】
図5は、基本入換計画DB34に含まれる各列車の入換計画のデータ構造を示した図である。項目として、各列車に対して、列車番号、入換番線、入換時刻、パターン列車および折返し列車があり、ダイヤ改正などで基本入換計画が作成され、その基本入換計画がデータ化されたものが基本入換計画DB34である。
【0051】
図5において、各項目に対応して記載されているデータは、図2(a)の列車A、BおよびCの運転データを例としている。列車番号の項目には列車番号が記憶され、入換番線には、列車番号に記憶されている番号の列車に入換作業が必要であれば、入換作業で使用する番線の番号が記憶される。入換時刻は、列車番号に記憶されている番号の列車の入換作業の開始時刻が記憶される。パターン列車の項目には、列車番号に記憶されている番号の列車において、一定の周期(例えば、1時間、2時間など)だけ離れて運転される列車の列車番号が記憶される。
折返し列車の項目には、列車番号に記憶されている番号の列車が着列車の場合には発列車の列車番号を、またその列車が発列車の場合には着列車の列車番号が記憶される。
【0052】
図6は、変更入換計画事例DB33に含まれる事例データのデータ構造を示した図である。項目は大きく3つに分かれ、事象部、条件部および変更部がある。
本図において、各項目に対応して記載されているデータは、図2(b)の変更入換計画と同一の変更入換計画についてのものである。
【0053】
事象部には、臨時列車の運転データが記憶されており、項目として、着列車番号、着時刻、着番線、発列車番号、発時刻および発番線がある。着列車番号の項目には、臨時列車が駅に到着したときの列車番号が記憶され、着時刻の項目には、その臨時列車が駅に到着した時刻が記憶される。着番線の項目には、その臨時列車が到着した番線番号が記憶される。発列車番号の項目には、その臨時列車が駅を発車したときの列車番号が記憶される。発時刻の項目には、その臨時列車が駅を発車した時刻が記憶され、発番線の項目には、その臨時列車が発車した番線番号が記憶される。
【0054】
条件部は、変更入換計画が行われた運転日が平日であるか、あるいは休日であるかを記憶する。これは、平日の列車ダイヤと休日の列車ダイヤが異なるため、変更入換計画の1つのデータとして記憶される。
【0055】
変更部は、変更入換計画の作成によって変更された基本入換計画の変更内容を記憶する。変更部の項目として、運休、入換中止、入換設定、入換時刻変更、入換番線変更、番線変更、時刻変更、併合作業生成、分割作業生成、併合作業中止および分割作業中止がある。
【0056】
運休の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、運休されることとなった定期列車の列車番号が記憶される。入換中止の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、入換作業が中止となる定期列車の着列車番号および発列車番号が記憶される。入換設定の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車に入換作業が必要な場合の入換作業の内容が記憶される。本項目に記憶される内容は、発着列車番号と、使用する引上線の名称と、留置される引上線に移動する時刻と発番線に移動する時刻である。
【0057】
入換時刻変更の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、入換時刻が変更となる定期列車の列車番号と入換時刻が記憶され、入換番線変更の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、入換番線が変更となる定期列車の列車番号と入換番線が記憶される。
【0058】
番線変更の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、番線が変更となった定期列車の列車番号および番線番号が記憶される。時刻変更の項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、着発時刻が変更となった定期列車の列車番号と変更後の時刻が記憶される。
【0059】
併合作業生成および分割作業生成のそれぞれの項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、定期列車の車両の併合(連結)あるいは分割が行われた場合の定期列車の列車番号、作業する番線番号および併合、分割の作業実施時刻がそれぞれ記憶される。併合作業中止および分割作業中止のそれぞれの項目には、着列車番号の項目に記憶されている番号の臨時列車の運行によって、計画されていた定期列車の車両の併合あるいは分割が中止となった場合のその定期列車の列車番号がそれぞれ記憶される。
【0060】
[動作]
次に変更入換計画作成システムの動作について説明する。図7、図8および図9は、変更入換計画作成プログラム321の実行に係る、変更入換計画作成処理の動作を示すフローチャートである。まずオペレータは入力部35の操作により、臨時列車の運転データを入力する(ステップS11)。入力する内容は、図4の臨時列車運転データのデータ構造に示した各項目に従う。入力されたデータは、CPU30によって臨時列車運転データ記憶領域311に記憶され、以降の処理に利用される。
【0061】
次にCPU30は、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS11で入力された臨時列車運転データの着列車番号を事象部に含む事例データを検索する(ステップS12)。臨時列車運転データの着列車番号を事象部に含む事例データがあった場合(ステップS12:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別プログラム322を読み出して変更入換計画判別処理を実行する(ステップS13)。
【0062】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS14)。戻り値がf=1の場合(ステップS14:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0063】
一方、臨時列車運転データの着列車番号を事象部に含む事例データがない場合(ステップS12:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS14:No)、CPU30は、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS11で入力された臨時列車運転データの発列車番号を事象部に含む事例データを検索する(ステップS15)。臨時列車運転データの発列車番号を事象部に含む事例データがあった場合(ステップS15:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS16)。
【0064】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS17)。戻り値がf=1の場合(ステップS17:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0065】
一方、臨時列車運転データの発列車番号を事象部に含む事例データがない場合(ステップS15:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS17:No)、CPU30は、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS11で入力された臨時列車運転データの着列車の番線競合列車の列車番号を変更部に含む事例データを検索する(ステップS18)。臨時列車運転データの着列車の番線競合列車の列車番号を変更部に含む事例データがあった場合(ステップS18:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS19)。
【0066】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS20)。戻り値がf=1の場合(ステップS20:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0067】
一方、臨時列車運転データの着列車の番線競合列車の列車番号を変更部に含む事例データがない場合(ステップS18:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS20:No)、CPU30は、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS11で入力された臨時列車運転データの発列車の番線競合列車の列車番号を変更部に含む事例データを検索する(ステップS21)。臨時列車運転データの発列車の番線競合列車の列車番号を変更部に含む事例データがあった場合(ステップS21:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS22)。
【0068】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS23)。戻り値がf=1の場合(ステップS23:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0069】
一方、臨時列車運転データの発列車の番線競合列車の列車番号を変更部に含む事例データがない場合(ステップS21:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS23:No)、CPU30は、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS11で入力された臨時列車運転データの着列車のパターン列車の列車番号を事象部に含む事例データを検索する(ステップS24)。臨時列車運転データの着列車のパターン列車の列車番号を事象部に含む事例データがあった場合(ステップS24:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS25)。
【0070】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS26)。戻り値がf=1の場合(ステップS26:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0071】
一方、臨時列車運転データの着列車のパターン列車の列車番号を事象部に含む事例データがない場合(ステップS24:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS26:No)、CPU30は、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS11で入力された臨時列車運転データの発列車のパターン列車の列車番号を事象部に含む事例データを検索する(ステップS27)。臨時列車運転データの発列車のパターン列車の列車番号を事象部に含む事例データがあった場合(ステップS27:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS28)。
【0072】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS29)。戻り値がf=1の場合(ステップS29:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0073】
一方、臨時列車運転データの発列車のパターン列車の列車番号を事象部に含む事例データがない場合(ステップS27:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS29:No)、CPU30は、臨時列車運転データの着列車の番線競合列車の運転データを基本入換計画DB34から取得し(ステップS30)、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS30で取得した運転データに基づいて、臨時列車運転データの着列車の番線競合列車のパターン列車の列車番号を変更部に含む事例データを検索する(ステップS31)。臨時列車運転データの着列車の番線競合列車のパターン列車の列車番号を変更部に含む事例データがあった場合(ステップS31:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS32)。
【0074】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS33)。戻り値がf=1の場合(ステップS33:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0075】
一方、臨時列車運転データの着列車の番線競合列車のパターン列車の列車番号を変更部に含む事例データがない場合(ステップS31:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS33:No)、CPU30は、臨時列車運転データの発列車の番線競合列車の運転データを基本入換計画DB34から取得し(ステップS34)、変更入換計画事例DB33に格納されている全ての事例データの中から、ステップS34で取得した運転データに基づいて、臨時列車運転データの発列車の番線競合列車のパターン列車の列車番号を変更部に含む事例データを検索する(ステップS35)。臨時列車運転データの発列車の番線競合列車のパターン列車の列車番号を変更部に含む事例データがあった場合(ステップS35:有)、CPU30はその事例データを類似事例データ記憶領域312に記憶し、変更入換計画判別処理を実行する(ステップS36)。
【0076】
次にCPU30は、変更入換計画判別処理の戻り値を判別する(ステップS37)。戻り値がf=1の場合(ステップS37:Yes)、CPU30はステップS39へ処理を移行する。
【0077】
一方、臨時列車運転データの発列車の番線競合列車のパターン列車の列車番号を変更部に含む事例データがない場合(ステップS35:無)、また、変更入換計画判別処理の戻り値がf=1ではない場合(ステップS37:No)、CPU30はステップS11で入力された臨時列車の運転データに類似した事例データが変更入換計画事例DB33に存在しない、あるいは実行可能な新規変更入換計画を作成できなかったと判断し、表示部36にエラーメッセージを表示させ(ステップS38)、プログラムを終了する。
【0078】
一方、CPU30は、ステップS39において、実行可能な新規変更入換計画が作成できたとして、変更入換計画データ記憶領域313に記憶されているデータを表示部36に表示させ、プログラムを終了する。
【0079】
図10は、変更入換計画判別プログラム322の実行に係る、変更入換計画判別処理の動作を示すフローチャートである。
【0080】
まずCPU30は、判別フラグfに0を代入し(ステップS101)、臨時列車運転データ記憶領域311と類似事例データ記憶領域312に記憶されているデータに基づいて、新規変更入換計画を仮作成し、変更入換計画データ記憶領域313に記憶する(ステップS102)。
【0081】
次にCPU30は、仮作成された新規変更入換計画において、矛盾の有無を判別する(ステップS103)。矛盾があった場合(ステップS103:有)、CPU30は新規変更入換計画に対して基本入換計画作成プログラム323を読み出して基本入換計画作成処理を実行し、新規変更入換計画の矛盾を修正する(ステップS104)。
【0082】
そしてCPU30は、修正された新規変更入換計画に対して、再度矛盾の有無を判別する(ステップS105)。矛盾があった場合(ステップS105:有)、CPU30は戻り値をf=0として、変更入換計画判別処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS103において、仮作成された新規変更入換計画に矛盾がない場合(ステップS103:無)、また、ステップS104で修正された新規変更入換計画に矛盾がない場合(ステップS105:無)、CPU30はfに1を代入し(ステップS106)、戻り値をf=1として、変更入換計画判別処理を終了する。
【0084】
ここで、変更入換計画判別処理において、CPU30が仮作成された新規変更入換計画に矛盾があると判別した場合、基本入換計画作成処理による新規変更入換計画の矛盾の修正を1回行うとしているが、複数回行ってもよい。
【0085】
また、臨時列車の運転データに基づいて、所定の検索条件に従って変更入換計画事例DB34より事例データを検索するが、検索条件は上記検索条件に限らない。同様に、臨時列車の運転データに基づいて、所定の検索条件に優先度を付して変更入換計画事例DB34より事例データを検索するが、検索条件の優先度は上記の優先度に限らない。
【0086】
図11は、図1に示した駅において、ある所定の期間に発生した臨時列車の列車番号、その運転日数、臨時列車一本あたりの入換作業変更件数および所定の期間内の入換作業の総変更件数を示した図である。臨時列車一本あたりの入換作業変更件数は、例えば、臨時列車の運行に伴い発生した入換作業の中止、入換時刻の変更などと、それらの変更作業に関連して発生した定期列車の番線変更、時刻変更などの変更件数を示している。
【0087】
図11において、全体の変更件数924件に対して、例えば臨時列車9531M、9627Dなど、少数の臨時列車の運転による変更件数が大きな割合を占めていることが分かる。また、これらの入換作業の変更内容は、臨時列車の列車番号が同じであれば、入換作業の変更内容も同じであったことから、過去に実施された変更入換計画を事例データとして変更入換計画事例DB34に蓄積して格納し、新たに運転する臨時列車に対する変更入換計画を作成する際に、臨時列車の運転データに基づいて、所定の検索条件で蓄積された事例データを検索し、検索された事例データに基づいて変更入換計画を作成する方法は効果的である。
【0088】
図12は、図1に示した駅において、ある所定の期間に実施された変更入換計画から事例データを蓄積し、別のある所定の期間に発生した臨時列車の運行に対する変更入換計画を、本実施の形態の変更入換計画作成システムを適用して作成したときの評価結果を示した図である。
【0089】
図12によると、臨時列車の列車番号に基づいて検索した事例データを新規変更入換計画の作成に適用した件数が80件、臨時列車の番線競合列車の列車番号に基づいて検索した事例データを新規変更入換計画の作成に適用した件数が11件、臨時列車のパターン列車の列車番号に基づいて検索した事例データを新規変更入換計画の作成に適用した件数が6件、仮作成された新規変更入換計画に矛盾が発生し、基本入換計画作成処理で矛盾の修正を行った新規変更入換計画は0件であった。即ち、実施された変更入換計画の事例データに基づいて、新たに実施可能な新規変更入換計画を作成することができた件数は合計で97件であった。
【0090】
適用できる変更入換計画の事例データが存在しないなどの理由で、新規変更入換計画の作成ができなかった件数は11件であり、臨時列車の運行に伴って発生した入換作業の発生および中止、番線変更などの変更件数は108件であった。
【0091】
結果として、新規変更入換計画の作成成功比率は89.8%であった。これより、本発明を適用した新規変更入換計画の作成において、約90%の確率で実施可能な新規変更入換計画を自動作成することができ、変更入換計画を作成する際の労力を削減することができる。
【0092】
また、臨時列車の運転データに基づいて、実施された変更入換計画の事例データを検索する検索条件として、例えば臨時列車の番線競合列車の列車番号など、臨時列車の列車番号以外の各種項目を加えて検索することは、新規変更入換計画の作成に有効な事例データを検索するために効果的である。
【0093】
【発明の効果】
請求項1、記載の発明によれば、入力された臨時列車の運転データと類似する事例データを、実施済みの変更入換計画の事例データから所定の検索条件に従って検索し、検索された実施済みの事例データと入力された臨時列車の運転データから、新規変更入換計画を仮作成する。その仮作成された新規変更入換計画に列車の運行上の矛盾が存在しなければ、その新規変更入換計画を実行可能な変更入換計画と判断する。これにより、臨時列車の運行に対する変更入換計画の作成を人手によらず、自動的に作成することができ、変更入換計画を作成するための労力が軽減される。また、入力された臨時列車の運転データと類似する事例データを、実施済みの変更入換計画の事例データから検索することができる。
【0094】
請求項2記載の発明によれば、新規変更入換計画を仮作成するために用いた事例データと入力された臨時列車の運転データとにおいて、例えば、時刻などが少し異なったり、番線や進路の競合などの矛盾が存在した場合であっても、少なくとも1回、仮作成された新規変更入換計画が修正される。そして、修正後の新規変更入換計画について、矛盾の有無が再判別される。従って、同一の事例データが存在しない場合でもあっても、修正によって矛盾のない変更入換計画を作成することができる。
【0095】
請求項記載の発明によれば、入力された臨時列車の運転データと類似する事例データを、実施済みの変更入換計画の事例データから検索することができる。即ち、検索条件として、H.着列車番号、I.発列車番号、J.着列車の番線競合列車番号、K.発列車の競合列車番号、L.着列車のパターン列車番号、M.発列車のパターン列車番号、N.着列車の番線競合列車のパターン列車番号、およびO.発列車の番線競合列車のパターン列車番号、の内の少なくとも1つが一致することが条件とされるため、入力された臨時列車の運転データに対して、着発列車番号が一致する事例データの他に、時刻等は同じであるが列車番号が異なる場合の事例データをおよびの検索条件で検索するといったことができる。また、入力された臨時列車の運転データに対して、列車番号や時刻は異なるが、同じ変更パターンである事例データをおよびの検索条件で検索することができる。
【0096】
請求項記載の発明によれば、事例データを実施済みの変更入換計画の事例データから検索する際に、前記の事項について、優先度の高い事項に合致する事例データから検索する。即ち、入力された臨時列車の運転データと一致度の高い事例データから検索することができる。これにより、例えば、高い優先度の事項に合致した事例データと、入力された臨時列車の運転データから新規変更入換計画を仮作成する際に、列車の運行上の矛盾が発生する可能性の低い新規変更入換計画を仮作成することができる。
【0097】
請求項記載の発明によれば、請求項1~の何れか記載の発明の効果を奏する記憶媒体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駅の線路の配線を示した図。
【図2】基本入換計画に対するダイヤ図、および変更入換計画に対するダイヤ図を示した図。
【図3】変更入換計画作成システムの内部構成を示したブロック図。
【図4】臨時列車運転データ記憶領域のデータ構造を示した図。
【図5】基本入換計画DBのデータ構造を示した図。
【図6】変更入換計画事例DBのデータ構造を示した図。
【図7】変更入換計画作成処理の動作を示すフローチャート。
【図8】図7に続く、変更入換計画作成処理の動作を示すフローチャート。
【図9】図8に続く、変更入換計画作成処理の動作を示すフローチャート。
【図10】変更入換計画判別処理の動作を示すフローチャート。
【図11】臨時列車の運行状況および運行に伴った変更件数を示した図。
【図12】本発明を適用して変更入換計画を作成した際の評価を示した図。
【符号の説明】
30 CPU
31 RAM
311 臨時列車運転データ記憶領域
312 類似事例データ記憶領域
313 変更入換計画データ記憶領域
32 記憶媒体
321 変更入換計画作成プログラム
322 基本入換計画作成プログラム
33 変更入換計画事例DB
34 基本入換計画DB
35 入力部
36 表示部
37 バス
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11