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明細書 :人工発汗装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3780513号 (P3780513)
公開番号 特開2004-068230 (P2004-068230A)
登録日 平成18年3月17日(2006.3.17)
発行日 平成18年5月31日(2006.5.31)
公開日 平成16年3月4日(2004.3.4)
発明の名称または考案の名称 人工発汗装置
国際特許分類 A41H   5/00        (2006.01)
FI A41H 5/00 Z
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願2002-232867 (P2002-232867)
出願日 平成14年8月9日(2002.8.9)
審査請求日 平成14年8月12日(2002.8.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛庁技術研究本部長
【識別番号】000161932
【氏名又は名称】京都電子工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】清水 勝嘉
【氏名】山田 晃也
【氏名】加納 喜代継
【氏名】松岡 武志
個別代理人の代理人 【識別番号】100083172、【弁理士】、【氏名又は名称】福井 豊明
審査官 【審査官】島田 信一
参考文献・文献 特開平08-047484(JP,A)
特開平10-332683(JP,A)
特開2002-201522(JP,A)
特開2000-005135(JP,A)
特開2001-099832(JP,A)
特開平08-047484(JP,A)
特開平10-332683(JP,A)
特開2002-201522(JP,A)
特開2000-005135(JP,A)
特開2001-099832(JP,A)
調査した分野 A41H 5/00
特許請求の範囲 【請求項1】
擬似人体表面内層に備えた加熱層と、上記擬似人体の表面に配置した保水材と、
上記保水材の更に表面に配設した透湿膜とを備えた人工発汗装置において、
所定温度に保持された保水材の保水率と蒸発率とが平衡に保たれた状態において、上記保水材への給水量が、上記透湿膜からの蒸発量と同じ量となる給水制御手段を備えたことを特徴とする人工発汗装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は人工発汗装置に関し、特に、簡単に発汗量を計量制御することができる人工発汗装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発汗機能を持つ擬似人体が、衣料分野あるいは空調分野で注目されている。当該擬似人体は、例えば衣料分野では、衣料の断熱性・発汗作用の評価用に使用されており、空調分野では、自動車の室内空調制御の評価用に使用されている。さらに、火災時に着用する防護服の快適性の評価用にも発汗機能を持つ擬似人体は使用されている。
【0003】
従来の擬似人体には、擬似人体の外部の温度や湿度等を計測する温度センサや湿度センサが備えられている。そして、これらのセンサが計測した温度や湿度から推定される人体の発汗量と同量の汗を擬似人体から発生させるように擬似人体の発汗量が制御されている。
【0004】
発汗量の制御は、例えば擬似人体内部の温度と湿度を調節して、擬似人体内部の水蒸気の分圧を制御し、擬似人体内部と外部の水蒸気の分圧に差異を持たせることで行われている。例えば擬似人体内部の水蒸気の分圧を外部よりも高くすればするほど、擬似人体内部から水蒸気が汗として擬似人体の表面に放散する量が多くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、擬似人体の内部と外部の水蒸気の分圧に差異を持たせようとすると、擬似人体内部と外部の水蒸気の分圧を得る必要があり、そのため擬似人体の内部と外部に温度センサや湿度センサ等を備えなければならない。
【0006】
よって、擬似人体全面から発汗する蒸気を計測するためには、擬似人体の外部表面に多くのセンサを取り付ける必要が生じるので、センサの配線等、擬似人体の構造が複雑となると共に、擬似人体の製造工数が多くなって製造コストが高くなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、簡単な構造であって容易に擬似人体の発汗量を制御することができる人工発汗装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
本発明の人工発汗装置は、図1に示すように、擬似人体表面内層に加熱層が備えられ、上記擬似人体の表面側に保水材が配置され、当該保水材のさらに表面に透湿膜が配設されており、さらに、上記保水材への給水量を制御する給水制御手段が備えられている。この構成において、保水材の保水率と蒸発量(発汗量)とが平衡に保たれている状態下では、上記保水材への給水量は、擬似人体の発汗量と等しくなり、上記保水材への給水量を制御することで、擬似人体の発汗量も制御することができる。
【0009】
また、綿織物、絹織物、羊毛織物、紙、不織布その他蒸気を透過する透湿性部材で擬似人体の表面外部を囲み、擬似人体と上記透湿性部材で囲まれた空間層の湿度を計測する湿度センサを人工発汗装置に備え、当該湿度センサが示す湿度に基づいて、上記給水制御手段が上記保水材への給水量を制御するようにしてもよい。この構成によれば、上記空間層の湿度と擬似人体の発汗量の関係が明らかとなり、擬似人体の発汗量を制御することにより、上記空間層の湿度を任意に設定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の構成を示す概念図である。擬似人体1の表面の下層全体に均一に、例えばニッケルワイヤヒータを用いた加熱層10が設けられている。一方、上記擬似人体1の表面には、保水材11が配置されており、また、上記保水材11の外側に透湿膜3が配設されている。上記保水材11は、頭、胸、背中、腕、足等の複数のパーツに分かれており、それぞれのパーツの例えば中央部付近には、給水チューブ12の一端が取り付けられている。各給水チューブ12の他端は、図2に示すようにそれぞれのパーツ用の給水ポンプ30に接続されている。
【0011】
さらに、上記保水材11の透湿膜3寄りには、上記加熱層10とは別の加熱層20が設けられている。なお、加熱層10は、擬似人体1の発汗を促進するために配設され、加熱層20は、主に擬似人体1からの発熱を担うために配設されている。
【0012】
上記保水材11には、ポリビニルアルコールの多孔質体を使用することができる。さらに、上記加熱層10としては、シリコンラバーヒータも使用することができる。
【0013】
上記給水チューブ12には上記給水ポンプ30より水が供給されており、上記給水ポンプ30は図3に示す給水制御手段21によって制御されている。上記給水チューブ12に供給された水は、上記保水材11に供給される。
【0014】
上記加熱層10または上記加熱層20が加熱されると、擬似人体1の保水材11と透湿膜3とが均等に加熱され、この状態において加熱層10、20の温度と、擬似人体1の外部の温度、湿度が一定であれば、上記保水材11への給水量に応じた発汗が擬似人体1から生じることになる。
【0015】
ところで、上記保水材11への給水量を制御することにより、擬似人体1の発汗量も制御することができる。これは、図4に示すように、ある一定時間ある一定量の給水を保水材11に行うことにより、保水材11の保水率と蒸発率とが平衡状態となり、給水ポンプ30の給水量が擬似人体1の発汗量となるためである。
【0016】
なお、上記加熱層10、20の加熱用の電力の供給量は、任意に設定できるようになっている。
【0017】
また、上記給水制御手段21や給水ポンプ30が設けられる位置は、擬似人体1内部であっても外部であってもよい。
【0018】
(実施の形態2)
上記保水材11への給水量の制御は、実施の形態1のように単に保水材11への給水量を一定に制御するほかに、例えば擬似人体1の表面の外側近傍に透湿膜3から放散される蒸気を透過する透過性部材15にて囲まれた空間層14の湿度を用いて行うことも可能である。
【0019】
実施の形態1に記載のように、擬似人体1から放散される発汗量は、上記給水ポンプ30の給水量に依存する。なお、上記擬似人体1の表面近傍に位置する上記空間層14の湿度は、上記給水ポンプ30の給水量、即ち、発汗量に依存することになる。
【0020】
そこで、本実施の形態では上記空間層14の湿度を上記給水制御手段21に入力し、上記給水制御手段21は、入力された湿度を用いて給水ポンプ30の給水量を制御して、上記空間層14の湿度を調整している。
【0021】
上記空間層14とは、例えば図5に示すように、擬似人体1の表面外側に、上記擬似人体1の表面と上記透湿性部材15にて囲まれた空間である。上記透湿性部材15には、綿織物、絹織物、羊毛織物、紙、不織布などの蒸気を透過する材質を用いることができる。また当該空間層14は、例えば擬似人体1に衣服を着せた状態で、当該衣服と擬似人体1との間に生じる空間として形成される。
【0022】
上記空間層14内には、湿度センサ13が設けられ、当該湿度センサ13の出力は、上記給水制御手段21に入力されるようになっている。
【0023】
湿度センサ13の出力によって空間層14の湿度を調整する場合、上記給水制御手段21は、湿度センサ13が測定した空間層14の湿度が高いと判断した場合は、給水ポンプ30に供給される電圧を小さくして給水量を少なくし、また、湿度センサ13が測定した空間層14の湿度が低いと判断した場合は、給水ポンプ30に供給される電圧を大きくして給水量を多くする。
【0024】
以上のように上記空間層14の湿度から給水ポンプ30へ供給される電圧を制御することで、擬似人体1は、上記空間層14の湿度を所定の値にすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように保水材への給水量、或いは、上記空間層の湿度に基づいて給水ポンプの給水量を制御することで、擬似人体の発汗量も制御することができる。
【0026】
従って、発汗量を制御するために、擬似人体内部の温度や湿度を計測する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断面を示す概念図である。
【図2】本発明の平面を示す概念図である。
【図3】本発明の概念図である。
【図4】保水材への給水量と、擬似人体の発汗量との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の概念図である。
【符号の説明】
1 擬似人体
3 透湿膜
10 20 加熱層
11 保水材
12 給水チューブ
13 湿度センサ
14 空間層
15 透湿性部材
21 給水制御手段
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4