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明細書 :電車線支持装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3640298号 (P3640298)
公開番号 特開2001-270349 (P2001-270349A)
登録日 平成17年1月28日(2005.1.28)
発行日 平成17年4月20日(2005.4.20)
公開日 平成13年10月2日(2001.10.2)
発明の名称または考案の名称 電車線支持装置
国際特許分類 B60M  1/22      
B60M  1/28      
FI B60M 1/22 S
B60M 1/28 Z
請求項の数または発明の数 7
全頁数 8
出願番号 特願2000-088856 (P2000-088856)
出願日 平成12年3月28日(2000.3.28)
審査請求日 平成14年8月21日(2002.8.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000001890
【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
発明者または考案者 【氏名】島田 健夫三
【氏名】佐藤 勇輔
【氏名】岩間 祐一
【氏名】中村 登
【氏名】飯国 元久
個別代理人の代理人 【識別番号】100078950、【弁理士】、【氏名又は名称】大塚 忠
審査官 【審査官】長馬 望
参考文献・文献 特開平11-192862(JP,A)
特公昭48-002290(JP,B1)
特開昭63-002746(JP,A)
調査した分野 B60M 1/00- 1/36
特許請求の範囲 【請求項1】
ほぼ水平に電車線路に沿って架設される少なくとも1条の吊架線と、この吊架線の下方にハンガを介して吊支される少なくとも1条のトロリ線とを含む電車線を支持するための装置であって、
支持構造物に支持される支持部材と、この支持部材に水平回転自在に枢支される根付け金具と、この根付け金具に基端が固着される碍子と、この碍子の先端に基端が固着され電車線路を横断する方向にほぼ水平に伸びる主パイプと、この主パイプに固着されるアーム支持金具と、このアーム支持金具に基端が所定範囲で水平旋回自在に支持され先端部でトロリ線を把持する曲線引金具と、前記主パイプに固着されこの主パイプの上部において前記吊架線をほぼ水平に支持する吊架線支持金具とを具備し、
前記支持部材は、ほぼ垂直に上下に離れて配置された一対のブラケットを具備し、
前記根付け金具は、前記支持部材のブラケットに水平回転自在に枢支される上下一対のイヤと前記碍子の基端を固着するための碍子取付板とを具備し、
前記碍子は、2本の柱状碍子から成り、それぞれ基端が前記根付け金具の碍子取付板に固着され、電車線路方向に並んで互いに平行に斜め上方へ伸び、
前記主パイプは、基端に前記2本の柱状碍子の先端に結合される接続板を有し、基端側において屈曲してほぼ水平に伸びることを特徴とする電車線支持装置。
【請求項2】
互いにほぼ水平かつ平行に電車線路に沿って架設される2条の吊架線と、これら吊架線の少なくとも一方の下方にハンガを介して吊支される少なくとも1条のトロリ線とを含む電車線を支持するための装置であって、
支持構造物に支持される支持部材と、この支持部材に水平回転自在に枢支される根付け金具と、この根付け金具に基端が固着される碍子と、この碍子の先端に基端が固着され電車線路を横断する方向にほぼ水平に伸びる主パイプと、この主パイプに固着されるアーム支持金具と、このアーム支持金具に基端が所定範囲で水平旋回自在に支持され先端部でトロリ線を把持する曲線引金具と、前記主パイプに固着されこの主パイプの上部において前記2条の吊架線をほぼ水平に支持する吊架線支持金具とを具備し、
前記支持部材は、ほぼ垂直に上下に離れて配置された一対のブラケットを具備し、
前記根付け金具は、前記支持部材のブラケットに水平回転自在に枢支される上下一対のイヤと前記碍子の基端を固着するための碍子取付板とを具備し、
前記碍子は、2本の柱状碍子から成り、それぞれ基端が前記根付け金具の碍子取付板に固着され、電車線路方向に並んで互いに平行に斜め上方へ伸び、
前記主パイプは、基端に前記2本の柱状碍子の先端に結合される接続板を有し、基端側において屈曲してほぼ水平に伸びることを特徴とする電車線支持装置。
【請求項3】
前記根付け金具は、前記イヤを突設させた支持板をさらに具備し、前記碍子取付板は、支持板上に上下方向に首振り自在に枢着され、かつ、碍子取付板には、アイボルトが枢着され、このアイボルトが支持板を緩く貫通してナットで固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線支持装置。
【請求項4】
前記アーム支持金具が前記主パイプの先端付近に固着され、前記吊架線支持金具が主パイプの中間部に固着され、アーム支持金具に基端を支持された前記曲線引金具が、主パイプに沿って吊架線支持金具の下方位置まで伸びるように取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線支持装置。
【請求項5】
前記アーム支持金具が前記主パイプの中間付近に固着され、前記吊架線支持部材が主パイプの先端部に固着され、アーム支持金具に基端を支持された前記曲線引金具が、主パイプに沿って吊架線支持部材の下方位置まで伸びるように取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線支持装置。
【請求項6】
前記吊架線支持部材が、前記主パイプに固着される本体と、この本体との間に吊架線を挟んでボルトで本体に締め付けられる把持金具とを有し、この把持金具における吊架線の延長方向の両端上縁部には、電車線検査装置の走行ローラが、円滑にこれを乗り越えることができるように斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線支持装置。
【請求項7】
前記吊架線の下方に2条の前記トロリ線を吊支して成る電車線を支持するための装置であって、
前記アーム支持金具は、前記主パイプから両側方へほぼ水平に延出し、先端の位置が、前記トロリ線の相互間隔対応距離だけ主パイプの延長方向に相互にずれた一対の翼部と、この翼部の先端部に設けられたブラケットとを具備し、
前記曲線引金具は、2本で構成され、基端において前記アーム支持金具のブラケットに夫々支持され、先端部において夫々前記トロリ線を把持することを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線支持装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電車線路の上方に架設されるき電線、吊架線、トロリ線を含む電車線を支持するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気鉄道に於ける電力供給用のき電線、吊架線、トロリ線等を含む電車線の検査を、これら電車線に沿って自走する電車線検査装置によって容易に実施できるように電車線を配置した架線構造が、特開平9-226417号の公報に記載されている。
これは、き電線、吊架線の2条をほぼ水平に互いに平行に架設し、吊架線の下方にハンガを介してトロリ線を吊支する構造である。なお、き電線の下方にもトロリ線を吊支する(従って、トロリ線が2条)ことができる。ここでは「き電線」、「吊架線」を「吊架線」と総称する。
電車線検査装置は、2条又は1条の吊架線の上を自走する走行部と、トロリ線の下方に配置される制御部と、走行部から延出し、トロリ線を回避してトロリ線の下方へ回り込むように伸び、制御部に連結されるアームとを具備する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、構造が簡単で体裁が良く、また上記のような電車線検査装置が支障なく走行できるように、吊架線、トロリを支持できる電車線支持装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、支持構造物Sに支持される支持部材2と、この支持部材2に水平回転自在に枢支される根付け金具3と、この根付け金具3に基端が固着される碍子4と、この碍子4の先端に基端が固着され電車線路を横断する方向にほぼ水平に伸びる主パイプ5と、この主パイプ5に固着されるアーム支持金具6と、このアーム支持金具6に基端が所定範囲で水平旋回自在に支持され先端部でトロリ線T1(T2)を把持する曲線引金具7と、主パイプ5に固着されこの主パイプ5の上部において吊架線F1(F2)をほぼ水平に支持する吊架線支持金具8とを具備させて電車線支持装置1を構成した。
この電車線支持装置は、構造が単純で外観上の体裁が良好であって比較的安価に得られ、電車線検査装置の走行の支障となるような張り出し部がない。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は電車線支持装置の正面図、図2は電車線支持装置の基部の拡大正面図、図3は電車線支持装置の先端側の拡大正面図、図4は電車線支持装置の基部の拡大平面図、図5は電車線支持装置の先端側の拡大平面図、図6は吊架線支持金具の図3におけるVI-VI矢視図、図7は他の実施形態の電車線検査装置の正面図である。
【0006】
図1,図3、図5において、F1,F2は吊架線、T1,T2はトロリ線、1はこれらの電車線を下束、電柱、その他の支持構造物Sに支持するための支持装置である。吊架線、トロリ線は、何れも1条とされることがある。
【0007】
支持装置1は、支持部材2、根付け金具3、碍子4、主パイプ5、アーム支持金具6、曲線引金具7及び吊架線支持金具8を具備する。支持部材2は支持構造物Sに支持される。根付け金具3は、支持部材2に水平回転自在に枢支される。碍子4は、根付け金具3に基端が固着される。主パイプ5は、基端において碍子4の先端に固着され、電車線路を横断する方向にほぼ水平に伸びる。アーム支持金具6は、主パイプ5に固着される。曲線引金具7は、基端においてアーム支持金具6に、所定範囲で水平旋回自在に支持され、先端部においてトロリ線T1,T2を把持する。吊架線支持金具8は、主パイプ5の上部において2条の吊架線T1,T2をほぼ水平に支持する。
【0008】
支持部材2は、支持構造物Sに固着される上下2つの取付バンド9と、これに固着されたブラケット10とを具備する。ブラケット10,10は、ほぼ垂直に上下に離れて配置される。
【0009】
根付け金具3は、支持板11と碍子取付板12とを具備する。支持板11は、一方の面に、上下一対のイヤ11a,11bを有し、反対側の他方の面にブラケット11cを有する。イヤ11a,11bは、支持部材2のブラケット10に水平回転自在に枢支され、支持板11は他方の面を斜め上方に向けて取り付けられる。碍子取付板12は、支持板11に対向する一方の面の下部にイヤ12aを有し、このイヤ12aがブラケット11cに枢着される。碍子取付板12の一方の面の上部には、アイボルト12bの基端が枢着され、このアイボルト12bが支持板11を緩く貫通してナット12cで固定されている。従って、碍子取付板12は、支持板11に対して上下に首振り自在であり、ナット12cの位置を調整して碍子取付板12の取り付け角度を変更できる。
【0010】
碍子4は、2本の柱状碍子4a、4bから成り、それぞれ基端が根付け金具3の取付板12に固着される。柱状碍子4a、4bは、電車線路方向に並んで互いに平行に斜め上方へ伸び、先端において連結板4cで結合されている。
【0011】
主パイプ5は、碍子4の連結板4cに結合される接続板5aを基端に有し、基端側において屈曲してほぼ全体が水平に伸びる。
【0012】
図1、図3,図5において、アーム支持金具6は、主パイプ5の先端付近に固着される。アーム支持金具6は、主パイプ5を把持する把持部6a、この把持部6aから斜めに両側方へ延出する一対の翼部6b,6c及び各翼部6b,6cの先端部に設けられたブラケット6d,6eを有する。ブラケット6dとブラケット6eの位置は、主パイプ5の延長方向にトロリ線T1,T2の相互間隔分だけずれている。なおトロリ線が1条である場合には、ブラケットは1つで足りる。
【0013】
各曲線引金具7の基端は、アーム支持金具6のブラケット6d,6eに水平方向に所定角度首振り自在に緩く軸支される。曲線引金具7は、主パイプ5に沿って、吊架線支持金具8の下方位置まで伸び、先端部でトロリ線T1,T2を把持する。曲線引金具7は、図1において、右方向へトロリ線T1,T2を引いている。なおトロリ線が1条である場合には、曲線引金具7は1つで足りる。
【0014】
図1、図3,図5,図6において、吊架線支持金具8は、主パイプ5の中間上部に固着される本体8aと、この本体8aとの間に吊架線F1,F2を挟んでボルトで本体8aに締め付けられる一対の把持金具8bとを有する。把持金具8bにおける吊架線F1,F2の延長方向の両端上縁部には、電車線検査装置31の走行ローラ35が、円滑にこれを乗り越えることができるように斜面が形成されている。吊架線が1条である場合には、吊架線支持金具8の構造をこれに対応させる。
【0015】
電車線検査装置31は、2条の吊架線F1,F2の上を自走する走行部32と、トロリ線T1,T2の下方に配置される制御部33と、走行部32から延出し、主パイプ5、曲線引金具7、トロリ線T1,T2等を回避してトロリ線の下方へ回り込むように伸び、制御部33に連結されるアーム34とを具備する。
【0016】
図7には、トロリ線T1,T2を左方へ引き留める実施形態を示す。図1乃至図6に示す実施形態と同一の構成部には同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態では、主パイプ5がトロリ線T1,T2の上方位置付近まで伸び、その先端部付近に吊架線支持金具8が取り付けられ、基端部付近にアーム支持金具6が、先の実施形態とは反対向きに取り付けられている。曲線引金具7は、ブラケット6d,6eから主パイプ5に沿って、それの先端側の吊架線支持金具8の下方位置まで伸び、先端部でトロリ線T1,T2を把持する。曲線引金具7は、トロリ線T1,T2を図7において左方へ引いている。
【0017】
図1に示す電車線支持装置1と図7に示す電車線支持装置1とを電車線路の延長方向に交互に設置すれば、トロリ線T1,T2をジグザグに支持して電車のパンタグラフの偏摩耗を防止することができる。何れの電車線支持装置1も電車線検査装置31の走行に支障を来さない。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、支持構造物Sに支持される支持部材2と、この支持部材2に水平回転自在に枢支される根付け金具3と、この根付け金具3に基端が固着される碍子4と、この碍子4の先端に基端が固着され電車線路を横断する方向にほぼ水平に伸びる主パイプ5と、この主パイプ5に固着されるアーム支持金具6と、このアーム支持金具6に基端が所定範囲で水平旋回自在に支持され先端部でトロリ線T1(T2)を把持する曲線引金具7と、主パイプ5に固着されこの主パイプ5の上部において吊架線F1(F2)をほぼ水平にする支持する吊架線支持金具8とを具備させて電車線支持装置1を構成したため、構造が単純で体裁が良く比較的安価に得られ、邪魔な張り出し部がないので、電車線検査装置31の走行に支障を来さないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電車線支持装置の正面図である。
【図2】電車線支持装置の基部の拡大正面図である。
【図3】電車線支持装置の先端側の拡大正面図である。
【図4】電車線支持装置の基部の拡大平面図である。
【図5】電車線支持装置の先端側の拡大平面図である。
【図6】吊架線支持金具の図3におけるVI-VI矢視図である。
【図7】他の実施形態の電車線支持装置の正面図である。
【符号の説明】
1 電車線支持装置
2 支持部材
3 根付け金具
4 碍子
5 主パイプ
6 アーム支持金具
7 曲線引金具
8 吊架線支持金具
31 電車線検査装置
F1 吊架線
F2 吊架線
T1 トロリ線
T2 トロリ線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6