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明細書 :電車線検査装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3545679号 (P3545679)
公開番号 特開2002-002333 (P2002-002333A)
登録日 平成16年4月16日(2004.4.16)
発行日 平成16年7月21日(2004.7.21)
公開日 平成14年1月9日(2002.1.9)
発明の名称または考案の名称 電車線検査装置
国際特許分類 B60M  1/28      
G01N 27/90      
FI B60M 1/28 R
G01N 27/90
請求項の数または発明の数 4
全頁数 7
出願番号 特願2000-185609 (P2000-185609)
出願日 平成12年6月21日(2000.6.21)
審査請求日 平成14年8月21日(2002.8.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000001890
【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
発明者または考案者 【氏名】島田 健夫三
【氏名】佐藤 勇輔
【氏名】岩間 祐一
【氏名】中村 登
【氏名】飯国 元久
個別代理人の代理人 【識別番号】100078950、【弁理士】、【氏名又は名称】大塚 忠
審査官 【審査官】片岡 弘之
参考文献・文献 特開平07-266937(JP,A)
特開平09-226417(JP,A)
特開平11-051908(JP,A)
実開平04-045138(JP,U)
調査した分野 B60M 1/00 - 7/00
G01N 27/90
特許請求の範囲 【請求項1】
ほぼ水平かつ相互にほぼ平行に架設された2本の吊架線の下方にトロリ線を架設して成る電車線を、これに沿って前方へ移動しつつ、搭載した検査機器で損傷等を検査する装置であって、
本体フレームと、前記吊架線上を転動すべく本体フレームの前後左右に設けられたモータ駆動の少なくとも4つの走行ローラと、基端側において本体フレームに支持され本体フレームに対してほぼ垂直に垂下する押さえ位置とほぼ垂直に起立する退避位置との間で基端側を中心に吊架線に直交する方向に回転自在に設けられた前後左右少なくとも4つのアームと、このアームの先端側から直角に延出する軸上に支持された押さえローラと、アームを回転させるアーム駆動モータを含むアーム駆動手段と、走行進路上の障害物を検出するための障害物センサと、このセンサからの障害物検出情報に基づき前記アーム駆動手段を制御する制御装置とを具備し、
前記押さえローラは、前記アームが押さえ位置にあるときに吊架線の下面を転動し、かつアームが退避位置にあるときに前記フレームの外側方に位置して障害物を回避するように構成されていることを特徴とする電車線検査装置。
【請求項2】
前記走行ローラは、前記フレームの前後左右に4つ設けられ、
前記センサは、前方走行ローラの前方位置に配置される前方センサと、前後の走行ローラの間に配置される中間センサと、後方走行ローラの後方に配置される後方センサとを包含し、
前記制御装置は、前方センサの障害物検出情報を受けて、前記前方のアームを退避位置に配置すべくアーム駆動手段を動作させ、中間センサの障害物検出情報を受けて、前方のアームを押さえ位置へ復元させた後、後方のアームを退避位置に配置すべくアーム駆動手段を動作させ、後方センサの障害物検出情報を受けて、後方のアームを押さえ位置へ復元させるべくアーム駆動手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の電車線検査装置。
【請求項3】
前記アーム駆動手段が、アーム駆動モータと、このアーム駆動モータの回転を選択的に各アームへ伝える電磁クラッチとを包含し、
前記制御装置が、前記障害物センサからの障害物検出情報に基づいて、前記電磁クラッチの動作を制御することによりアームを押さえ位置又は退避位置へ移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線検査装置。
【請求項4】
前記本体フレーム上に、前記吊架線に近接して渦電流により吊架線の損傷を検知する渦電流センサが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線検査装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電車線路の上方に架設される吊架線、き電吊架線、き電線、トロリ線を含む電車線やその付属設備を、電車線に沿って移動しつつ、搭載した検査機器で検査する装置であって、電車線を支持するために設けられる水平支持材等の、検査装置の進路を横断する障害物を回避して自走できる電車線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電車線検査装置として、例えば特開平9-226417号の公報に記載されたものが知られている。これは、吊架線とき電線の上を転動する走行ローラを備えた走行装置と、これに支持された検査用のセンサと、このセンサからの検査情報を処理して外部記憶装置に記憶させる制御装置を内蔵したコントローラボックスとを具備するもので、走行装置とコントローラボックスとは、片持ち状態で支柱で結合されている。走行装置とコントローラボックスとを片側において支柱で結合することにより、走行の障害となる可動ブラケット、曲線引き金具等の支持物を回避するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の検査装置においては、走行装置とコントローラボックスとが離れて結合されているため、装置が大型、大重量となるし、金具の構造によってはどうしても回避することができない場合があるという問題点がある。
従って、本発明は、予想されるあらゆる障害物を支障なく回避し、しかも安定的に自走することができ、検査を迅速に実行することができる電車線検査装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、トロリ線Tの上方に、ほぼ水平かつ相互にほぼ平行に架設された2本の吊架線Mの上を走行するように電車線検査装置1を構成する。電車線検査装置1のフレーム2の前後左右に、吊架線M上を転動するように、モータ4,5駆動の少なくとも4つの走行ローラ3を設けると共に、走行中、吊架線Mの下方に位置して吊架線Mの下面を転動する押さえローラ6を設ける。押さえローラ6を支持するアーム7の基端側をフレーム2に回転自在に支持し、アーム駆動モータ10を含むアーム駆動手段でアーム7を押さえ位置と退避位置との間で回転させる。アーム7は、押さえ位置においてフレーム2に対してほぼ垂直に垂下し、押さえローラ6を吊架線Mの下方に配置し、退避位置においてほぼ垂直に起立し、押さえローラ6をフレーム2の側方に配置する。走行進路上の障害物を障害物センサ14,15,16で検出し、このセンサ14,15,16からの障害物検出情報に基づき、制御装置17でアーム駆動手段であるアーム駆動モータ10,クラッチ11を制御する。
電車線検査装置1は、走行ローラ3で吊架線M上を自走し、吊架線Mに沿って移動しながら、例えば搭載した渦電流センサ18等の検査機器で各種電車線の検査を行う。走行中に進路を横断する障害物があると、障害物センサ14,15,16が順次これを検知し、その検知信号に基づき、アーム駆動手段であるアーム駆動モータ10、クラッチ11が動作し、アーム7を外方へ回転させることによって障害物を回避しつつ円滑に走行を継続する。アーム7は進行に従って順次前後が個別に退避動作するので、常時、前後何れかの押さえローラ6が下方から吊架線Mを保持する。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は電車線検査装置の正面図、図2は電車線検査装置の側面図、図3は電車線検査装置の平面図、図4は障害物を通過する状態の電車線検査装置の正面図である。
【0006】
図において、Mは吊架線、Tはトロリ線(図4)であり、電車線路の上方に架設されている。吊架線Mは、トロリ線Tの上方に平行に2本架設され、図示しないハンガイヤを介してトロリ線Tを吊支し、あるいはトロリ線Tに電力を供給するき電線を兼ねる。
【0007】
電車線検査装置1は、吊架線M上を図2,図3において矢印方向へ自走する。電車線検査装置1のフレーム2には、吊架線M上を転動するように、前後左右4つの溝付き走行ローラ3が支持されている。進行方向前方の走行ローラ3は、駆動モータ4により、また後方の走行ローラ3は、駆動モータ5により、夫々回転する(図1,図2)。
【0008】
押さえローラ6は、走行時に各走行ローラ3の下方にあって、走行ローラ3との間に吊架線Mを挟むもので、アーム7を介してフレーム2の左右両側面に支持されている。
【0009】
アーム7は、基端側において、フレーム2の側面に設けられたブラケット8に枢軸9で枢支され、ほぼ垂直に垂下する押さえ位置(図1に実線で示す)と、ほぼ垂直に起立する退避位置(図1に仮想線で示す)との間で、吊架線Mに直交する方向に180度回転自在である。アーム7の先端部に、押さえローラ6の軸6aが直交方向に固着されている。
【0010】
アーム7は、フレーム2の後方左右に設けられたアーム駆動モータ10により回転する。各アーム駆動モータ10の回転軸10aは、電磁クラッチ11を介して夫々前後のアームの枢軸9に連結されている。
【0011】
アーム7を押さえ位置に保持するためのロックピン12及びこれをロック位置、非ロック位置に進退動させるためのソレノイド13が、ブラケット8に支持されている。
【0012】
フレーム2には、電車線検査装置1の進路を横断するように設けられる水平支持材A(図4)等の障害物を検知するためのセンサ14,15,16が設けられている。前方センサ14,後方センサ16は接触式センサであり、中間センサ15は光電式センサである。
【0013】
図2において、17は制御装置であり、障害物センサ14,15,16からの障害物検知情報に基づき、モータ4,5,10の運転、停止、クラッチ11の入り、切りを制御する。18は渦電流式の損傷検査器であり、吊架線Mの損傷を検知する。電車線検査装置上には、ビデオカメラ、その他の損傷検査機器を搭載することができる。
【0014】
装置を始動させると、アーム7が押さえ位置でロックピン12によりロックされ、押さえローラ6が走行ローラ3と対向して吊架線Mを保持した状態で、ローラ駆動モータ4,5により走行ローラ3が回転して、吊架線M上を図2、図3において右方へ走行しつつ、渦電流センサ18等の検査機器で吊架線M、その他の電車線の検査が実行される。図4に示すように、走行中に進路を横断する水平支持材A等の障害物があると、前方センサ14がこれを検知し、検知情報が制御装置17に送られ、駆動モータ4,5が停止して装置の走行が止まる。前方のアーム7のロックピン12を非ロック位置に置くようソレノイド13が励磁されると共に、前方のクラッチ11がつながれる。さらに、アーム駆動モータ10が退避側へ始動し、前方のアーム7が退避側へ回転して、押さえローラ6を障害物と干渉しない退避位置に配置保持する。
【0015】
次いで、前方ソレノイド13及び前方クラッチ11を解除し、駆動モータ4,5を始動させて装置を所定距離前進させると、前方走行ローラ3は障害物を通過し、中間センサ15が障害物を検知する。検知情報が制御装置17に送られると、制御装置17は、駆動モータ4,5を停止させると共に、アーム駆動モータ10を押さえ方向へ始動させ、前方ソレノイド13を励磁すると共に、前方のクラッチ11をつなぎ、アーム7を押さえ位置へ回転させ、前方の押さえローラ6を押さえ位置へ配置する。そして、前方ソレノイド13を解除し、ロックピン12で前方アーム7を押さえ位置にロックし、アーム駆動モータ10を停止させる。
【0016】
その後、設定時間経過すると、アーム駆動モータ10を退避側へ始動させ、後方のアーム7のロックピン12を非ロック位置に置くよう後方ソレノイド13を励磁し、後方クラッチ11をつなぎ、後方アーム7を退避側へ回転させ、後方の押さえローラ6を退避位置に配置保持する。次いで、後方ソレノイド13及び後方クラッチ11を解除し、駆動モータ4,5始動させて装置を所定距離前進させると、後方走行ローラ3は障害物を通過し、後方センサ16が障害物を検知する。
【0017】
検知情報が制御装置17に送られると、制御装置17は、駆動モータ4,5を停止させると共に、アーム駆動モータ10を押さえ方向へ始動させ、後方ソレノイド13を励磁すると共に、後方のクラッチ11をつなぎ、アーム7を押さえ位置へ回転させ、後方の押さえローラ6を押さえ位置へ配置する。そして、後方クラッチ11,後方ソレノイド13を解除し、ロックピン12で後方アーム7を押さえ位置にロックし、アーム駆動モータ10を停止させる。次いで、駆動モータ4,5を始動させて装置を前進させる。障害物を検知する度に同様の動作を繰り返しながら、検査を続行する。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、電車線検査装置1が、走行ローラ3で吊架線M上を自走し、吊架線Mに沿って移動しながら、例えば搭載した渦電流センサ18等の検査機器で各種電車線の検査を迅速に行うことができる。走行中に進路を横断する障害物があると、障害物センサ14,15,16が順次これを検知し、その検知信号に基づき、アーム駆動モータ10、クラッチ11のようなアーム駆動手段が動作し、アーム7を外方へ回転させることによって障害物を回避しつつ円滑に走行を継続することができる。アーム7は進行に従って順次前後が個別に退避動作するので、常時、前後何れかの押さえローラ6が下方から吊架線Mを保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電車線検査装置の正面図である。
【図2】電車線検査装置の側面図である。
【図3】電車線検査装置の平面図である。
【図4】障害物を通過する状態の電車線検査装置の正面図である。
【符号の説明】
1 電車線検査装置
2 フレーム
3 走行ローラ
4 モータ
5 モータ
6 押さえローラ
7 アーム
8 ブラケット
9 枢軸
10 アーム駆動モータ
11 クラッチ
12 ロックピン
13 ソレノイド
14 前方センサ
15 中間センサ
16 後方センサ
17 制御装置
18 渦電流センサ
A 水平支持材
M 吊架線
T トロリ線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3