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明細書 :鋼管柱の建て込み工法及びそのための場所打ち杭の杭頭処理工法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4615102号 (P4615102)
公開番号 特開2002-061198 (P2002-061198A)
登録日 平成22年10月29日(2010.10.29)
発行日 平成23年1月19日(2011.1.19)
公開日 平成14年2月28日(2002.2.28)
発明の名称または考案の名称 鋼管柱の建て込み工法及びそのための場所打ち杭の杭頭処理工法
国際特許分類 E02D  27/00        (2006.01)
E02D   5/34        (2006.01)
E02D  27/12        (2006.01)
E04B   1/24        (2006.01)
E04B   1/30        (2006.01)
E04B   1/58        (2006.01)
FI E02D 27/00 D
E02D 5/34 A
E02D 27/12 Z
E04B 1/24 R
E04B 1/30 C
E04B 1/58 503M
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願2000-249366 (P2000-249366)
出願日 平成12年8月21日(2000.8.21)
審査請求日 平成19年8月3日(2007.8.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】390036515
【氏名又は名称】株式会社鴻池組
【識別番号】000002118
【氏名又は名称】住友金属工業株式会社
【識別番号】509200613
【氏名又は名称】株式会社横河住金ブリッジ
発明者または考案者 【氏名】涌井 一
【氏名】松本 信之
【氏名】若林 健一
【氏名】外薗 伸二
【氏名】井澤 衛
【氏名】金子 悦三
個別代理人の代理人 【識別番号】100102211、【弁理士】、【氏名又は名称】森 治
【識別番号】100102211、【弁理士】、【氏名又は名称】森 治
審査官 【審査官】小山 清二
参考文献・文献 特開平10-299004(JP,A)
特開平11-100854(JP,A)
特開昭50-061809(JP,A)
実開平04-041533(JP,U)
特開平03-005522(JP,A)
調査した分野 E02D 27/00
E02D 5/34
E02D 27/12
E04B 1/24
E04B 1/30
E04B 1/58
特許請求の範囲 【請求項1】
場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置にアンカー削孔を形成するとともに、該アンカー削孔に、螺子により高さ調整可能に調整プレートを配設したアンカーを設置し、下端の中心位置にエンドプレートを介して杭芯誘導部材を配設した鋼管柱を、前記アンカー及び杭芯誘導部材により中心位置を調整しながら、上方から吊り降ろし、前記調整プレート上に、エンドプレートを介して鋼管柱を載置するようにしたことを特徴とする鋼管柱の建て込み工法。
【請求項2】
場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置を指示する中心位置指示部材を仮設してアンカー削孔を形成するとともに、該中心位置指示部材によりアンカーを支持してアンカーを設置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の鋼管柱の建て込み工法。
【請求項3】
杭頭鋼管の上端部の複数箇所に、杭頭鋼管と鋼管柱間の間隔を調整するアジャスタを配設することにより、鋼管柱の鉛直度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の鋼管柱の建て込み工法。
【請求項4】
杭頭鋼管内に、少なくとも下端縁が杭頭鋼管の内周面に摺接するとともに、中間に小径の胴部を有し、該小径の胴部の位置に略水平に膨張破砕剤を配設した杭頭除去用ガイドを設置し、コンクリートの打設後、膨張破砕剤の作用により杭頭除去用ガイドの小径の胴部の位置でコンクリートを静的に破砕し、杭頭除去用ガイドと共に場所打ち杭の余盛部分を除去するようにしたことを特徴とする場所打ち杭の杭頭処理工法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管柱の建て込み工法及びそのための場所打ち杭の杭頭処理工法に関し、特に、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面にコンクリート充填鋼管柱等の鋼管柱を、簡易な手段により正確に建て込むことができるようにするための鋼管柱の建て込み工法、及びその前工程において、場所打ち杭の余盛部分を、簡易な手段により除去し、整った杭頭頂面を形成することができるようにするための場所打ち杭の杭頭処理工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物や橋梁などの建造物を建造する場合、所要の径と深度を有する杭孔を掘削し、この杭孔内に鉄筋籠を建て込み、コンクリートを打設して構築した場所打ち杭の上部にコンクリート充填鋼管柱等の鋼管柱(本明細書において、「鋼管柱」という。)を建て込み、コンクリートを打設することにより、場所打ち杭と鋼管柱を一体化する工法が用いられている。
【0003】
ところで、この工法においては、鋼管柱の建て込み精度が建物や橋梁などの建造物の精度に影響を及ぼすため、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面にコンクリート充填鋼管柱等の鋼管柱を、鋼管柱の中心位置及び高さを調整しながら正確に建て込む必要があるが、従来は、このための簡易な調整手段がなく、鋼管柱の建て込みに手数を要し、工期が長期化するという問題があった。
【0004】
また、場所打ち杭において、スライムを含むため不良なコンクリートとなる余盛部分の除去は、ブレーカ等にて機械的に破砕し、除去することが一般的であるが、杭頭鋼管内において余盛部分を除去し、整った杭頭頂面を形成することは実質的に不可能であるため、従来は、場所打ち杭のコンクリートを打設する際に、杭頭鋼管内のコンクリートが良質なコンクリートになるまで杭頭鋼管からスライムを含む不良なコンクリートをオーバーフローさせるようにしていた。
このため、場所打ち杭のコンクリートの打設に合わせて鋼管柱の建て込みを行い、かつ杭頭鋼管内のコンクリートが硬化する前に鋼管柱の建て込みを完了させる必要があり、場所打ち杭のコンクリートの打設工程及び鋼管柱の建て込み工程それぞれの工程の自由度がなくなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本第1発明は、上記従来の鋼管柱の建て込み工法の有する問題点に鑑み、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面にコンクリート充填鋼管柱等の鋼管柱を、簡易な手段により正確に建て込むことができるようにするための鋼管柱の建て込み工法を提供することを第1の目的とする。
【0006】
また、本第2発明は、上記従来の鋼管柱の建て込み工法の前工程における場所打ち杭の杭頭処理工法の有する問題点に鑑み、鋼管柱の建て込み工法の前工程において、場所打ち杭の余盛部分を、簡易な手段により除去し、整った杭頭頂面を形成することができるようにするための場所打ち杭の杭頭処理工法を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本第1発明の鋼管柱の建て込み工法は、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置にアンカー削孔を形成するとともに、該アンカー削孔に、螺子により高さ調整可能に調整プレートを配設したアンカーを設置し、下端の中心位置にエンドプレートを介して杭芯誘導部材を配設した鋼管柱を、前記アンカー及び杭芯誘導部材により中心位置を調整しながら、上方から吊り降ろし、前記調整プレート上に、エンドプレートを介して鋼管柱を載置するようにしたことを特徴とする。
【0008】
この鋼管柱の建て込み工法は、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置にアンカー削孔を形成するとともに、該アンカー削孔に、螺子により高さ調整可能に調整プレートを配設したアンカーを設置し、下端の中心位置にエンドプレートを介して杭芯誘導部材を配設した鋼管柱を、前記アンカー及び杭芯誘導部材により中心位置を調整しながら、上方から吊り降ろし、前記調整プレート上に、エンドプレートを介して鋼管柱を載置するようにしているので、鋼管柱を、簡易な手段により鋼管柱の中心位置及び高さを調整しながら正確に建て込むことができる。
【0009】
この場合において、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置を指示する中心位置指示部材を仮設してアンカー削孔を形成するとともに、該中心位置指示部材によりアンカーを支持してアンカーを設置することができる。
【0010】
これにより、杭頭頂面の不陸と削岩機自身の振動によりビッドが振れて所定位置に形成することが困難であったアンカー削孔を、仮設した中心位置指示部材を基準として正確に形成することができるとともに、アンカーを、中心位置指示部材によりアンカーの固定に用いる樹脂モルタル等が硬化するまで鉛直性を維持しながら支持して正確に設置することができる。
【0011】
また、杭頭鋼管の上端部の複数箇所に、杭頭鋼管と鋼管柱間の間隔を調整するアジャスタを配設することにより、鋼管柱の鉛直度を調整するようにすることができる。
【0012】
これにより、中心位置及び高さを調整しながら正確に建て込んだ鋼管柱の鉛直度を簡易に調整することができる。
【0013】
また、上記第2の目的を達成するため、本第2発明の場所打ち杭の杭頭処理工法は、杭頭鋼管内に、少なくとも下端縁が杭頭鋼管の内周面に摺接するとともに、中間に小径の胴部を有し、該小径の胴部の位置に略水平に膨張破砕剤を配設した杭頭除去用ガイドを設置し、コンクリートの打設後、膨張破砕剤の作用により杭頭除去用ガイドの小径の胴部の位置でコンクリートを静的に破砕し、杭頭除去用ガイドと共に場所打ち杭の余盛部分を除去するようにしたことを特徴とする。
【0014】
この場所打ち杭の杭頭処理工法は、杭頭鋼管内に、少なくとも下端縁が杭頭鋼管の内周面に摺接するとともに、中間に小径の胴部を有し、この小径の胴部の位置に略水平に膨張破砕剤を配設した杭頭除去用ガイドを設置し、コンクリートの打設後、膨張破砕剤の作用により杭頭除去用ガイドの小径の胴部の位置でコンクリートを静的に破砕し、杭頭除去用ガイドと共に場所打ち杭の余盛部分を除去するようにしているので、スライムを含むため不良なコンクリートとなる余盛部分を、簡易な手段により静的に除去することができるとともに、杭頭鋼管内に整った杭頭頂面を形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の鋼管柱の建て込み工法及びそのための場所打ち杭の杭頭処理工法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1に、鋼管柱の建て込み工法の前工程において、スライムを含むため不良なコンクリートとなる場所打ち杭の余盛部分を、簡易な手段により除去し、整った杭頭頂面を形成することができるようにするための場所打ち杭の杭頭処理工法の一実施例を示す。
【0017】
この場所打ち杭の杭頭処理工法は、所要の径と深度を有する杭孔Hの上部に、杭孔Hの崩壊を防止するために建て込んだ杭頭鋼管1内に、上端縁23及び下端縁25が杭頭鋼管1の内周面に摺接するとともに、中間が小径の胴部21を有するように胴部壁22,24をテーパー状に形成し、小径の胴部21の位置に略水平に膨張破砕剤6を配設した杭頭除去用ガイド2を設置し、杭孔Hにコンクリートを打設した後、膨張破砕剤6の作用により杭頭除去用ガイド2の小径の胴部21の位置でコンクリートを静的に破砕し、杭頭除去用ガイド2と共に場所打ち杭の余盛部分C1を除去するようにしたものである。
【0018】
なお、杭孔H内には、杭頭鋼管1の所定の高さ位置まで鉄筋籠が建て込まれている。
【0019】
この場合において、杭頭除去用ガイド2は、杭頭鋼管1内への設置及び後処理が容易に行えるように縦割り状に複数個に分割(本実施例においては、2分割)できるようにハーフパイプ状の胴部本体2A,2Aで以て構成することが望ましい。
なお、杭頭除去用ガイド2の内周面にコンクリート剥離材を塗布しておくことにより、後処理を一層容易に行うことができる。
【0020】
そして、この杭頭除去用ガイド2は、杭頭鋼管1の上端に掛け渡した固定アングル3に、高さ調整用の吊りボルト4を介して吊り下げるようにして杭頭鋼管1内に建て込み、この状態で、胴部本体2A,2A間にキャンバー2Bを打ち込むことにより、杭頭鋼管1内に固定、設置するようにする。
【0021】
本実施例において、杭頭除去用ガイド2は、中間が小径の胴部21を有するように胴部壁22,24をテーパー状に形成したが、杭頭除去用ガイド2は、その下端縁25が杭頭鋼管1の内周面に摺接するとともに、中間が小径の胴部21を有する限りにおいて、その形状は限定されず、例えば、上部の胴部壁22は、中間の小径の胴部21と同径となるようにストレート状に形成することもできる。
ただし、本実施例のように、上部の胴部壁22をテーパー状に形成することにより、杭頭除去用ガイド2の高さ方向の寸法を大きくすることなく余盛部分C1の容量を確保することができるものとなる。
【0022】
また、杭頭除去用ガイド2の小径の胴部21には、その内周側にブラケット26を突設し、このブラケット26に、例えば、井桁状となるように、細い棒状の破砕剤固定具5を番線等により取り付けるようにする。
【0023】
この破砕剤固定具5に、例えば、棒状に形成した膨張破砕剤6を番線等により取り付けるようにする。
この膨張破砕剤6は、吸水することにより膨張する性質を持つ薬剤を袋体内に充填して棒状に形成したもので、この薬剤としては、カルシウム・アルミノ・フェライト((CaO)・Al・Fe)、遊離酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)等の吸水膨張性剤を基本成分とし、これに遅延剤として作用をするホウ酸塩等を添加し、混合したものを使用する。
この場合、遅延剤は、膨張破砕剤6がコンクリートを打設した後、適当な時間帯に吸水膨張するように、種類及び添加量を調整するようにする。
なお、ここに挙げた薬剤は、その一例であって、これに限定されるものではなく、吸水することにより膨張する性質を持つ任意の物質及びそれを遅延させる性質を持つ任意の物質を使用することができる。
【0024】
また、コンクリートを打設した後、杭頭除去用ガイド2内の余盛部分C1に、余盛部分C1が硬化する前に、例えば、ワイヤーロープを介してクレーンのフック等に引っ掛けて引き上げるようにして杭頭除去用ガイド2と共に余盛部分C1を除去することができるように、略U字状等に形成した除去用アンカー7を、その一部が露出するように埋設するようにする。
【0025】
次に、この場所打ち杭の杭頭処理工法の施工工程及び作用について説明する。
【0026】
杭孔Hに建て込んだ杭頭鋼管1内に、上端縁23及び下端縁25が杭頭鋼管1の内周面に摺接するとともに、中間が小径の胴部21を有するように胴部壁22,24をテーパー状に形成し、小径の胴部21の位置に略水平に膨張破砕剤6を配設した杭頭除去用ガイド2を設置する。
【0027】
この杭頭除去用ガイド2は、杭頭鋼管1の上端に掛け渡した固定アングル3に、高さ調整用の吊りボルト4を介して吊り下げるようにして杭頭鋼管1内に建て込み、この状態で、縦割り状に2分割した胴部本体2A,2A間にキャンバー2Bを打ち込むことにより、杭頭鋼管1内に固定、設置するようにする。
【0028】
この状態で、杭孔Hにコンクリートを打設し、スライムを含むため不良なコンクリートとなる余盛部分C1が、杭頭除去用ガイド2の中間の小径の胴部21より上方の胴部壁22内に形成されるようにする。
【0029】
そして、コンクリートを打設した後、所定の時間が経過すると、膨張破砕剤6が吸水膨張することにより、膨張破砕剤6を配設した杭頭除去用ガイド2の小径の胴部21の位置で、コンクリートが静的に破砕される。
【0030】
その後、杭頭除去用ガイド2の縦割り状に2分割した胴部本体2A,2A間に打ち込んだキャンバー2Bを除去し、杭余盛部分C1に予め埋設しておいた去用アンカー7にワイヤーロープを掛けてクレーンのフック等に引き上げることにより、杭頭除去用ガイド2と共に余盛部分C1を除去することができる。
【0031】
これにより、スライムを含むため不良なコンクリートとなる余盛部分C1を、簡易な手段により静的に除去することができるとともに、コンクリートの破砕が、杭頭除去用ガイド2の小径の胴部21の位置に略水平に配設した膨張破砕剤6に沿って行われるため、杭頭鋼管1内に整った杭頭頂面を形成することができ、これに続く鋼管柱の建て込み工程を円滑に実施することができるものとなる。
【0032】
次に、図2に、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面にコンクリート充填鋼管柱等の鋼管柱を、簡易な手段により正確に建て込むことができるようにするための鋼管柱の建て込み工法の一実施例を示す。
【0033】
この鋼管柱の建て込み工法は、例えば、上記の場所打ち杭の杭頭処理工法を適用して場所打ち杭Cの余盛部分C1を除去した杭頭頂面Tの鋼管柱11を建て込む中心位置にアンカー削孔H1を形成するとともに、このアンカー削孔H1に、高さ調整可能に調整プレート9を配設したアンカー10を設置し、下端の中心位置にエンドプレート12を介して杭芯誘導部材13を配設した鋼管柱11を、アンカー10及び杭芯誘導部材13により中心位置を調整しながら、上方から吊り降ろし、調整プレート9上に、エンドプレート12を介して鋼管柱11を載置するようにし、さらに、このようにして載置した鋼管柱11と杭頭鋼管1間の間隔を調整して鋼管柱11の鉛直度を調整するアジャスタ8を、杭頭鋼管1の上端部の複数箇所に配設するようにしたものである。
【0034】
この場合において、アンカー削孔H1は、場所打ち杭Cと鋼管柱11の軸心を合わせるものであるため、通常、20~30mm程度の直径で、300~600mm程度の深さに形成する。
【0035】
このアンカー削孔H1内に挿入されるアンカー10は、樹脂モルタル等を用いて鉛直に、アンカー10の上端が、杭頭頂面Tより、通常、150~300mm程度突出するようにして固定するようにし、アンカー10に螺合することより高さ調整可能に配設した調整プレート9を調整することにより、調整プレート9の上面の高さを鋼管柱11の下端の高さ位置に設定するようにする。
そして、この調整プレート9及びアンカー10は、調整プレート9上に、エンドプレート12を介して鋼管柱11を載置することができる強度を有するように設計する。
【0036】
ところで、アンカー削孔H1は、通常、ビッドを取り付けた削岩機により形成するが、杭頭頂面Tの不陸と削岩機自身の振動によりビッドが振れるため、所定位置に形成することが困難であった。
これに対処するため、本実施例においては、図3に示す杭頭頂面Tの鋼管柱11を建て込む中心位置を指示する中心位置指示部材14を仮設してアンカー削孔H1を形成するとともに、この中心位置指示部材14を利用してアンカー10を支持してアンカー10を設置するようにしている。
この中心位置指示部材14は、本体プレート14aと、本体プレート14aの下面の複数箇所(本実施例においては4箇所)に配設した不陸調整ねじ14bと、本体プレート14aの周面の複数箇所(本実施例においては4箇所)に配設した、杭頭鋼管1に当接、支持することにより本体プレート14aを固定するための固定用アジャスタ14cと、本体プレート14a上に二次元方向に移動調整可能に配設した杭頭頂面Tの鋼管柱11を建て込む中心位置を指示する中心位置決定スライドプレート14dと、本体プレート14aに中心位置決定スライドプレート14dを固定するための固定ねじ14eと、アンカー10を設置する際にアンカー10を支持するアンカー保持金具14fとで構成されている。
【0037】
そして、この中心位置指示部材14は、杭頭頂面Tの鋼管柱11を建て込む中心位置を測量した後、本体プレート14aが水平になるように不陸調整ねじ14bを調節するとともに、固定用アジャスタ14cを介して本体プレート14aを杭頭鋼管1に固定する。
その後、中心位置決定スライドプレート14dの中心に形成されている孔を、先に測量した杭頭頂面Tの鋼管柱11を建て込む中心位置に合わせ、固定ねじ14eにより、中心位置決定スライドプレート14dを本体プレート14aに固定する。
そして、中心位置決定スライドプレート14dの中心に形成されている孔をガイドとして、ビッドを取り付けた削岩機によりアンカー削孔H1を形成する。
その後、アンカー削孔H1にアンカー10の固定に用いる樹脂モルタル等を充填するとともに、アンカー10をアンカー保持金具14fを介して中心位置指示部材14により樹脂モルタル等が硬化するまで鉛直性を維持しながら支持する。
そして、樹脂モルタル等が硬化した後、中心位置指示部材14を撤去し、アンカー10の設置を完了する。
【0038】
これにより、杭頭頂面Tの不陸と削岩機自身の振動によりビッドが振れて所定位置に形成することが困難であったアンカー削孔H1を、仮設した中心位置指示部材14を基準として正確に形成することができるとともに、アンカー10を、中心位置指示部材14によりアンカー10の固定に用いる樹脂モルタル等が硬化するまで鉛直性を維持しながら支持して正確に設置することができるものとなる。
【0039】
下端の中心位置にエンドプレート12を介して配設した杭芯誘導部材13は、頂部にアンカー10の挿通孔を備え、略円錐状をした下向きの凹部を有するように形成し、これにより、鋼管柱11を上方から吊り降ろすだけで、鋼管柱11の中心位置を調整しながら、調整プレート9上に、エンドプレート12を介して鋼管柱11を載置することができるようにする。
【0040】
次に、この鋼管柱の建て込み工法の施工工程及び作用について説明する。
【0041】
場所打ち杭Cの余盛部分C1を除去した杭頭頂面Tの鋼管柱11を建て込む中心位置に形成したアンカー削孔H1に、高さ調整可能に調整プレート9を配設したアンカー10を設置する。
この場合、中心位置指示部材14を用いることにより、アンカー削孔H1を正確に形成することができるとともに、アンカー10を正確に設置することができる。
【0042】
そして、下端の中心位置にエンドプレート12を介して杭芯誘導部材13を配設した鋼管柱11を、アンカー10及び杭芯誘導部材13により中心位置を調整しながら、上方から吊り降ろし、調整プレート9上に、エンドプレート12を介して鋼管柱11を載置する。
【0043】
さらに、杭頭鋼管1の上端部の複数箇所に配設したアジャスタ8により、杭頭鋼管1と鋼管柱11間の間隔を調整して、鋼管柱11の鉛直度を調整し、鋼管柱11を鉛直に樹立させる。
【0044】
この状態で、杭頭鋼管1と鋼管柱11間、さらに必要に応じて、鋼管柱11内にコンクリートを打設し、場所打ち杭Cと鋼管柱11を、杭頭鋼管1及び打設したコンクリートによって一体化する。
【0045】
これにより、鋼管柱11を、簡易な手段により鋼管柱11の中心位置及び高さ並びに鉛直度を調整しながら正確に建て込むことができ、建物や橋梁などの建造物の精度を向上することができるとともに、工期の短縮化を図ることができるものとなる。
【0046】
以上、本発明の鋼管柱の建て込み工法及びそのための場所打ち杭の杭頭処理工法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、各実施例に記載した構成を適宜他の工法と組み合わせて適用する等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0047】
【発明の効果】
本第1発明の鋼管柱の建て込み工法によれば、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置にアンカー削孔を形成するとともに、該アンカー削孔に、螺子により高さ調整可能に調整プレートを配設したアンカーを設置し、下端の中心位置にエンドプレートを介して杭芯誘導部材を配設した鋼管柱を、前記アンカー及び杭芯誘導部材により中心位置を調整しながら、上方から吊り降ろし、前記調整プレート上に、エンドプレートを介して鋼管柱を載置するようにしているので、鋼管柱を、簡易な手段により鋼管柱の中心位置及び高さを調整しながら正確に建て込むことができ、これにより、建物や橋梁などの建造物の精度を向上することができるとともに、工期の短縮化を図ることができる。
【0048】
そして、場所打ち杭の余盛部分を除去した杭頭頂面の鋼管柱を建て込む中心位置を指示する中心位置指示部材を仮設してアンカー削孔を形成するとともに、該中心位置指示部材によりアンカーを支持してアンカーを設置することにより、杭頭頂面の不陸と削岩機自身の振動によりビッドが振れて所定位置に形成することが困難であったアンカー削孔を、仮設した中心位置指示部材を基準として正確に形成することができるとともに、アンカーを、中心位置指示部材によりアンカーの固定に用いる樹脂モルタル等が硬化するまで鉛直性を維持しながら支持して正確に設置することができる。
【0049】
また、杭頭鋼管の上端部の複数箇所に、杭頭鋼管と鋼管柱間の間隔を調整するアジャスタを配設することにより、中心位置及び高さを調整しながら正確に建て込んだ鋼管柱の鉛直度を簡易に調整することができる。
【0050】
また、本第2発明の場所打ち杭の杭頭処理工法によれば、杭頭鋼管内に、少なくとも下端縁が杭頭鋼管の内周面に摺接するとともに、中間に小径の胴部を有し、この小径の胴部の位置に略水平に膨張破砕剤を配設した杭頭除去用ガイドを設置し、コンクリートの打設後、膨張破砕剤の作用により杭頭除去用ガイドの小径の胴部の位置でコンクリートを静的に破砕し、杭頭除去用ガイドと共に場所打ち杭の余盛部分を除去するようにしているので、スライムを含むため不良なコンクリートとなる余盛部分を、簡易な手段により静的に除去することができるとともに、杭頭鋼管内に整った杭頭頂面を形成することができ、これにより、場所打ち杭のコンクリートの打設工程及び鋼管柱の建て込み工程それぞれの工程の自由度が高まり、場所打ち杭のコンクリートの打設工程及びこれに続く鋼管柱の建て込み工程を円滑に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の場所打ち杭の杭頭処理工法の施工例を示し、(A)は正面縦断面図、(B)は(A)のA-A線断面図である。
【図2】 本発明の鋼管柱の建て込み工法の施工例を示し、(A)は正面縦断面図、(B)は(A)のB-B線断面図、(C)は要部の正面縦断面図である。
【図3】 本発明の鋼管柱の建て込み工法に用いる中心位置指示部材を示し、(A)は平面図、(B)は正面縦断面図である。
【符号の説明】
C 場所打ち杭
C1 余盛部分
1 杭頭鋼管
2 杭頭除去用ガイド
2A 胴部本体
2B キャンバー
21 小径の胴部
22 胴部壁
23 上端縁
24 胴部壁
25 下端縁
3 固定アングル
4 吊りボルト
5 破砕剤固定具
6 膨張破砕剤
7 除去用アンカー
8 アジャスタ
9 調整プレート
10 アンカー
11 鋼管柱(コンクリート充填鋼管柱)
12 エンドプレート
13 杭芯誘導部材
14 中心位置指示部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2