TOP > 国内特許検索 > 転てつ減摩器 > 明細書

明細書 :転てつ減摩器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3824851号 (P3824851)
公開番号 特開2002-081005 (P2002-081005A)
登録日 平成18年7月7日(2006.7.7)
発行日 平成18年9月20日(2006.9.20)
公開日 平成14年3月22日(2002.3.22)
発明の名称または考案の名称 転てつ減摩器
国際特許分類 E01B   7/00        (2006.01)
B61L   5/00        (2006.01)
FI E01B 7/00
B61L 5/00 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 38
出願番号 特願2000-272427 (P2000-272427)
出願日 平成12年9月8日(2000.9.8)
審査請求日 平成15年3月12日(2003.3.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
【氏名】西山 幸夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100105108、【弁理士】、【氏名又は名称】大川 洋一
審査官 【審査官】深田 高義
参考文献・文献 特開平11-278271(JP,A)
実開昭56-077502(JP,U)
調査した分野 E01B 7/00
B61L 5/00
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄道の分岐器100のトングレールTの転換力を軽減するための転てつ減摩器10であって、
きょう体11と、第1ロッド12と、緩衝機構13と、第1ローラー14と、第2ローラー15と、第2ロッド16と、第3ロッド17と、レール取付金具18と、まくらぎ取付金具19を備え、きょう体11は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個のきょう体11、11は、レール取付金具18により分岐器における固定位置である基本レールRに固定され、まくらぎ取付金具19により分岐器における固定位置であるまくらぎSに固定され、きょう体11には、固定軸11aと、固定軸11bと、固定軸11cが設けられ、レール取付金具18においては、金具本体18aが基本レールRの底部に取付ボルト18bによって固定され、この金具本体18aに、きょう体11が、調整ボルト18cを介して取り付けられ、調整ボルト18cを調整することにより、第1ローラー14及び第2ローラー15の鉛直方向高さ位置を調整可能で、まくらぎ取付金具19においては、まくらぎSとまくらぎSとの間に渡されたコ字形断面の鋼材19aに、金具19bが取付ボルト19cによって固定され、この金具19bに、きょう体11が取り付けられ、第1ロッド12は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第1ロッド12の一端には、固定軸用孔12aが設けられ、固定軸用孔12aには、固定軸11aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ロッド12は、きょう体11に回転可能な状態で取付けられ、第1ロッド12の他端には、ローラー軸用孔12bが設けられ、このローラー軸用孔12bには、第1ローラー14のローラー軸14aが取付けられ、第1ローラー14には、その中心にローラー軸14aが設けられ、このローラー軸14aは、ローラー軸用孔12bと後述するローラー軸用孔13d及びローラー軸用孔17aに挿通可能であり、これらのローラー軸用孔12b、13d、17aにより第1ローラー14は回転可能な構成となっており、緩衝機構13は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部13aと、ピストン部13bと、固定軸接続部13cと、ばね13fと、ローラー軸接続部13tを有し、ばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、緩衝機構13は、ローラー軸接続部13tの先端が軸方向である長手方向にδだけ圧縮されると、圧縮量δに応じた反発力を発生するように構成されており、ピストン部13bは、シリンダー部13aの内部に挿入され、シリンダー部13aの外部のばね13fにより弾性的に支持されるように構成され、ローラー軸接続部13tは、ピストン部13bとは反対側のシリンダー部13aの端部に固定され、固定軸接続部13cは、シリンダー部13aとは反対側のピストン部13bの端部に固定され、固定軸接続部13cには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近である緩衝機構13の右端部付近に、固定軸用孔13eが設けられ、この固定軸用孔13eは、固定軸11cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、緩衝機構13の一方の端部である固定軸用孔13eは、固定軸11cに回転可能な状態で取付けられ、ローラー軸接続部13tには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近である緩衝機構13の左端部付近に、ローラー軸用孔13dが設けられ、このローラー軸用孔13dには、ローラー軸14aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ローラー14のローラー軸14aは、緩衝機構13の左端部であるローラー軸用孔13dとピン接合され、シリンダー部13aは、筒状に形成されており、軸方向である長手方向の両端が開放された構成となっており、シリンダー部13aの外部には、シリンダー部13aを取り巻くようにしてばね13fが配置され、ばね13fの一端は、シリンダー部13aに設けられた鍔状のばね押圧部13nによって押えられ、ばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部13aの軸方向である長手方向に反発力が作用するように構成され、シリンダー部13aの右側の開口からは、ピストン部13bがシリンダー部13aの内部に挿入され、ピストン部13bの挿入側のピストン端部13rは、シリンダー部13aのシリンダー端部13pと係合し離脱しないように拡径され、ピストン部13bには、円盤状のばね押圧部13gが取り付けられ、ばね13fの他端は、このばね押圧部13gによって押えられ、ピストン部13bには、雄ネジ部13sが形成され、ピストン部13bのばね押圧部13gの外側であるばね押圧部13gの右側には、雄ネジ部13sに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット13i、13jが嵌合されることにより、緩衝機構13の固定軸接続部13cは、固定軸11cにより回転可能な状態で軸支されており、固定軸11cのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束され、ピストン部13bがシリンダー部13aの内方へ押し込まれると、ばね13fが圧縮され、ばねのたわみ量又は縮み量に応じた反発力がシリンダー部13aの軸方向である長手方向に発生し、この反発力は、ピストン部13bと固定軸11cの両方に等しい値で伝達され、緩衝機構13には、ばねたわみ量調整ナット13i、13jが設けられており、これらのばねたわみ量調整ナット13i、13jを適宜量だけ回転させることにより、ばね13fのたわみ量をあらかじめ適宜の値にセットしておくことができ、ばね13fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能であり、ばねたわみ量調整ナット13i、13jをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット13i、13jのシリンダー軸方向である長手方向の位置を適宜設定することができ、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね13fからの圧力も可変調整可能であり、第1ローラー14、第2ローラー15の支持圧力も可変調整可能であり、第2ロッド16は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第2ロッド16の一端には、固定軸用孔16aが設けられ、この固定軸用孔16aには、固定軸11bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第2ロッド16は、きょう体11に回転可能な状態で取付けられ、第2ロッド16の他端には、ピン軸16bが設けられ、このピン軸16bは、第3ロッド17のピン軸用孔17cに挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第3ロッド17は、略三角形状に形成された部材であり、2個用いられ、第3ロッド17の三角形の各頂点位置には、ローラー軸用孔17aと、ローラー軸用孔17bと、ピン軸用孔17cが設けられ、これらのうち、ローラー軸用孔17aには、第1ローラー14のローラー軸14aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ローラー軸用孔17bには、第2ローラー15のローラー軸15aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ピン軸用孔17cには、第2ロッド16のピン軸16bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第3ロッド17は、第2ロッド16に回転可能な状態で取付けられるとともに、緩衝機構13のローラー軸接続部13tに回転可能な状態で取付けられ、かつ、第2ローラー15のローラー軸15aに回転可能な状態で取付けられ、これらを連結し、第3ロッド17は、鉛直上下方向に移動可能な構成となっており、第2ローラー15には、その中心にローラー軸15aが設けられ、このローラー軸15aは、ローラー軸用孔17bに挿通可能であり、ローラー軸用孔17bにより第2ローラー15は回転可能な構成となっており、第1ロッド12の左端の回転中心である固定軸11aの中心の水平方向位置は、第2ロッド16の左端の回転中心である固定軸11bの中心の水平方向位置と等しくなっており、第1ロッド12の左右の回転中心の間の距離である固定軸11aの中心とローラー軸14aの中心の間の距離と、第2ロッド16の左右の回転中心の間の距離である固定軸11bの中心とピン軸16bの中心の間の距離は等しくなっており、固定軸11aの中心と固定軸11bの中心の間の鉛直方向距離と、第3ロッド17におけるローラー軸用孔17aの中心とピン軸用孔17cの中心の間の鉛直方向距離は、等しくなっており、第1ロッド12と第2ロッド16は、ほぼ平行となるように配置され、第1ローラー14と第2ローラー15は、第3ロッド17の上部に、ほぼ水平となるように配置されるようにし、
点A1と点C1を結ぶ直線A1-C1が第1ロッド12を示し、点A1が、固定軸11aの中心点でかつ第1ロッド12の回転の中心点である第1ロッド回転中心点を示し、L1が、第1ロッド12の長さを示し、点C1が、ローラー軸14aの中心点でこの機構の作用点を示し、Fが、作用点C1に作用する作用力であるトングレールTの底部が第1ローラー14を押し下げようとする力を示し、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受けることとし、Xが、水平な鎖線から作用点C1までの垂直方向の距離とし、作用点C1が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していくこととなり、点C1が、作用点であるとともに、第1ロッド12と緩衝機構13のピン接合の中心点であるピン接合点でもあり、Sが、ピン接合点C1が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力又は反力であるようにし、点C1と点B1を結ぶ直線が、緩衝機構13を示し、点B1が、固定軸11cの中心点でかつ緩衝機構13の回転の中心点を示し、L2が、緩衝機構13のピン接合点又は作用点C1と、固定軸11cの中心点との間の距離を示し、L。が、固定軸11aの中心点A1と固定軸11cの中心点B1との間の距離を示すようにして、第1ロッド12(直線A1-C1)と緩衝機構13(直線C1-B1)のピン接合点C1を作用力の作用点とする原理モデルを構成したとき、
第2ローラー15上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第2ローラー15を押し下げる動作は、ローラー軸15aから第3ロッド17に伝達され、ローラー軸14aを押し下げる動作に等しく、このローラー軸14aを押し下げる動作は、作用点C1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、第1ローラー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第1ローラー14を押し下げる動作は、作用点C1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、この作用力Fにより、第1ロッド12(直線A1-C1)は、第1ロッド回転中心点A1を回転中心として、時計回りに回転し、この動きにより、作用点(ピン接合点)C1が、緩衝機構13(直線C1-B1)のピン軸接続部13tに力を作用させ、ピストン13bをシリンダー部13aの内部へ押し込もうとし、これによりばね13fが圧縮され、弾性反発力を発生し、このばね力は、直接作用点(ピン接合点)C1に加えられ、トングレールTが第1ローラー14又は第2ローラー15から受ける反力となり、この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、又は作用点(ピン接合点)C1において上方へ向かい大きさがFの力であり、作用点(ピン接合点)C1における第1ロッド12(直線A1-C1)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とし、作用点(ピン接合点)C1における緩衝機構13の反力Sと、第1ロッド12(直線A1-C1)の回転方向の接線とが成す角をθ2としたとき、作用力Fによって第1ロッド12(直線A1-C1)を回転させる分力をF′とすれば、第1式F′=F×cosθ1と表すことができ、緩衝機構の反力Sによって第1ロッド12(直線A1-C1)を回転させる分力をS′とすれば、第2式S′=S×cosθ2と表すことができ、第1ロッド回転中心点A1のまわりのモーメントは釣り合っているから、第3式F′×L1=S′×L1と表すことができ、第3式に第1式と第2式を代入して整理すれば、力Fは、第4式F=(cosθ2/cosθ1)×Sと表すことができ、第4式の値{(cosθ2/cosθ1)×S}が、作用点C1の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができるため、(cosθ2/cosθ1)の値が0.3~3.0の範囲となるように、ばねたわみ量調整ナット13i、13jを用いて作用点の動きを拘束することにより、
基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っており、第1ローラー14の上部、及び第2ローラー15の上部は、床板Pの上面よりも高くなるように設定され、次に、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れて移動すると、トングレールTの底部が第2ローラー15の上に乗り移り、次に、トングレールTの底部は、第2ローラー15上を転動し、この際、トングレールTの底部は、第2ローラー15を押し下げ、この場合、第1ローラー14と第2ローラー15は、同一高さで垂直移動し、この際、第2ローラー15への押し下げ力は、ローラー軸15aから第3ロッド17に伝達され、ローラー軸14aを押し下げ、ローラー軸14aから緩衝機構13へ伝達され、ローラー軸14aの中心を作用点とすると、第1実施形態の転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化し、次に、トングレールTの底部は、第1ローラー14の上に乗り移り、その後は、トングレールTの底部は、第1ローラー14上を転動し、この際、トングレールTの底部は、第1ローラー14を押し下げ、この押し下げ力は、ローラー軸14aから緩衝機構13へ伝達され、ローラー軸14aの中心を作用点とすると、転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化するようにしたこと
を特徴とする転てつ減摩器。
【請求項2】
鉄道の分岐器100のトングレールTの転換力を軽減するための転てつ減摩器20であって、
きょう体21と、第1ロッド22と、緩衝機構23と、第1ローラー24と、第2ローラー25と、第2ロッド26と、第3ロッド27と、レール取付金具28を備え、きょう体21は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個のきょう体21、21は、レール取付金具28により分岐器における固定位置である基本レールRに固定され、きょう体21には、固定軸21aと、固定軸21cが設けられ、レール取付金具28においては、金具本体28aが基本レールRの底部に取付ボルト28bによって固定され、この金具本体28aに、きょう体21が、調整ボルト28cを介して取り付けられ、調整ボルト28cを調整することにより、第1ローラー24及び第2ローラー25の鉛直方向高さ位置を調整することができ、金具本体28aには、固定軸28dが設けられ、第1ロッド22は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第1ロッド22の中間位置には、固定軸用孔22aが設けられ、この固定軸用孔22aには、固定軸21aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ロッド22は、きょう体21に回転可能な状態で取付けられ、第1ロッド22の一端には、ピン軸22bが設けられ、このピン軸22bには、緩衝機構23のピン軸接続部23tが取付けられ、第1ロッド22の一端には、ローラー軸用孔22cが設けられ、このローラー軸用孔22cには、第1ローラー24のローラー軸24aが取付けられ、第1ローラー24には、その中心にローラー軸24aが設けられ、このローラー軸24aは、ローラー軸用孔22cとローラー軸用孔27aに挿通可能であり、これらのローラー軸用孔22c、27aにより第1ローラー24は回転可能な構成となっており、緩衝機構23は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部23aと、ピストン部23bと、固定軸接続部23cと、ばね23fと、ピン軸接続部23tを有し、ばね23fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、ピストン部23bの軸方向である長手方向に圧縮されると反発力が作用するように構成されており、ピストン部23bは、シリンダー部23aの内部に挿入され、シリンダー部23aの外部のばね23fにより弾性的に支持されるように構成され、ピン軸接続部23tは、ピストン部23bとは反対側のシリンダー部23aの端部に固定され、固定軸接続部23cは、シリンダー部23aとは反対側のピストン部23bの端部に固定され、固定軸接続部23cには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近である緩衝機構23の左端部付近に、固定軸用孔23eが設けられ、この固定軸用孔23eは、固定軸21cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、緩衝機構23の一方の端部である固定軸用孔23eは、固定軸21cに回転可能な状態で取付けられ、ピン軸接続部23tには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近である緩衝機構23の右端部付近に、ピン軸用孔23dが設けられ、このピン軸用孔23dには、ピン軸22bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ロッド22のピン軸22bは、緩衝機構23の右端部であるピン軸用孔23dとピン接合され、シリンダー部23aは、筒状に形成されており、軸方向である長手方向の両端が開放された構成となっており、シリンダー部23aの外部には、シリンダー部23aを取り巻くようにしてばね23fが配置され、ばね23fの一端は、シリンダー部23aに設けられた鍔状のばね押圧部23nによって押えられ、ばね23fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部23aの軸方向である長手方向に反発力が作用するように構成され、シリンダー部23aの左側の開口からは、ピストン部23bがシリンダー部23aの内部に挿入され、ピストン部23bの挿入側の端部は、シリンダー部23aのシリンダー端部と係合し離脱しないように拡径され、ピストン部23bには、円盤状のばね押圧部23gが取り付けられており、ばね23fの他端は、このばね押圧部によって押えられ、ピストン部23bには、雄ネジ部が形成され、ピストン部23bのばね押圧部の外側には、雄ネジに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット23i、23jが嵌合され、緩衝機構23の固定軸接続部23cは、固定軸21cにより回転可能な状態で軸支されており、固定軸21cのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束され、ピストン部23bがシリンダー部23aの内方へ押し込まれると、ばね23fが圧縮され、ばねのたわみ量又は縮み量に応じた反発力がシリンダー部23aの軸方向である長手方向に発生し、この反発力は、ピストン部23bと固定軸21cの両方に等しい値で伝達され、緩衝機構23には、ばねたわみ量調整ナット23i、23jが設けられており、これらのばねたわみ量調整ナット23i、23jを適宜量だけ回転させることにより、ばね23fのたわみ量をあらかじめ適宜の値にセットしておくことができ、ばね23fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能であり、ばねたわみ量調整ナット23i、23jをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット23i、23jのシリンダー軸方向である長手方向の位置を適宜設定することができ、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね23fからの圧力も可変調整可能であり、これに伴い第1ローラー24、第2ローラー25の支持圧力も可変調整可能であり、第2ロッド26は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第2ロッド26の一端には、固定軸用孔26aが設けられ、この固定軸用孔26aには、固定軸28dが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第2ロッド26は、金具本体28aに回転可能な状態で取付けられ、第2ロッド26の他端には、ピン軸26bが設けられ、このピン軸26bは、第3ロッド27のピン軸用孔27cに挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第3ロッド27は、略三角形状に形成された部材であり、2個用いられ、第3ロッド27の三角形の各頂点位置には、ローラー軸用孔27aと、ローラー軸用孔27bと、ピン軸用孔27cが設けられ、これらのうち、ローラー軸用孔27aには、第1ロッド22のローラー軸用孔22cと、第1ローラー24のローラー軸24aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ローラー軸用孔27bには、第2ローラー25のローラー軸25aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ピン軸用孔27cには、第2ロッド26のピン軸26bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第3ロッド27は、第2ロッド26に回転可能な状態で取付けられるとともに、第1ロッド22のローラー軸用孔22cに回転可能な状態で取付けられ、かつ、第2ローラー25のローラー軸25aに回転可能な状態で取付けられ、これらを連結し、第3ロッド27は、鉛直上下方向に移動可能な構成となっており、第2ローラー25には、その中心にローラー軸25aが設けられ、このローラー軸25aは、ローラー軸用孔27bに挿通可能であり、ローラー軸用孔27bにより第2ローラー25は回転可能な構成となっており、第1ロッド22の左端の回転中心である固定軸21aの中心の水平方向位置は、第2ロッド26の左端の回転中心である固定軸28dの中心の水平方向位置と等しくなっており、第1ロッド22の左右の回転中心の間の距離である固定軸21aの中心とローラー軸24aの中心の間の距離と、第2ロッド26の左右の回転中心の間の距離である固定軸28dの中心とピン軸26bの中心の間の距離は、等しくなっており、固定軸21aの中心と固定軸28dの中心の間の鉛直方向距離と、第3ロッド27におけるローラー軸用孔27aの中心とピン軸用孔27cの中心の間の鉛直方向距離は、等しくなっており、第1ロッド22と第2ロッド26は、ほぼ平行となるように配置され、第1ローラー24と第2ローラー25は、第3ロッド27の上部に、ほぼ水平となるように配置されるようにし、
点D2と点C2を結ぶ直線D2-C2が第1ロッド22を示し、点A2が、固定軸21aの中心点である固定軸中心点を示し、点D2が、ローラー軸24aの中心点でこの機構の作用点を示し、Fが、作用点D2に作用する作用力であるトングレールTの底部がローラー24を押し下げようとする力を示し、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受けることとし、Xが、水平な鎖線から作用点D2までの垂直方向の距離とし、作用点D2が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していくこととなり、L1が、第1ロッド22において、ピン軸22bの中心と固定軸用孔22aの中心との間の長さを示し、L3が、第1ロッド22において、固定軸用孔22aの中心とローラー軸用孔22cの中心の間の長さを示し、点C2が、ピン軸22bの中心点でかつ第1ロッド22と緩衝機構23のピン接合の中心点であるピン接合点を示し、Sが、ピン接合点C2が緩衝機構23のばね23fから受けるばね圧力又は反力であるようにし、点C2と点B2を結ぶ直線が、緩衝機構23を示し、点B2が、固定軸21cの中心点でかつ緩衝機構23の回転の中心点を示し、L2が、緩衝機構23のピン接合点又は作用点C2と、固定軸21cの中心点との間の距離を示し、L。が、固定軸21aの中心点A2と固定軸21cの中心点B2との間の距離を示すようにして、第1ロッド22(直線D2-C2)と緩衝機構23(直線C2-B2)のピン接合点C2を作用力の作用点とする原理モデルを構成したとき、
第1ローラー24上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部がローラー24を押し下げる動作は、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、第2ローラー25上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第2ローラー25を押し下げる動作は、ローラー軸25aから第3ロッド27に伝達され、ローラー軸24aを押し下げる動作に等しく、このローラー軸24aを押し下げる動作は、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、この作用力Fにより、第1ロッド22を示す直線D2-A2-C2は、固定軸中心点A2を回転中心として、時計回りに回転し、この動きにより、ピン接合点C2が、緩衝機構23(直線C2-B2)のピン軸接続部23tに力を作用させ、ピストン23bをシリンダー部23aの内部へ押し込もうとし、これによりばね23fが反発力を発生し、このばね力は、第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を経て作用点D2に伝達され、トングレールTが第1ローラー24又は第2ローラー25から受ける反力となり、この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、又は作用点D2において上方へ向かい大きさがFの力であり、作用点D2における第1ロッド22(直線D2-A2-C2)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とし、ピン接合点C2における緩衝機構23の反力Sと、第1ロッド22(直線D2-A2-C2)の回転方向の接線とが成す角をθ2としたとき、作用力Fによって第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を回転させる分力をF′とすれば、第5式F′=F×cosθ1と表すことができ、緩衝機構の反力Sによって第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を回転させる分力をS′とすれば、第6式S′=S×cosθ2と表すことができ、クランク軸A2のまわりのモーメントは釣り合っているから、第7式F′×L3=S′×L1と表すことができ、第7式に第5式と第6を代入して整理すれば、力Fは、第8式F=(L1/L3)×(cosθ2/cosθ1)×Sと表すことができ、第8式のうち、{(cosθ2/cosθ1)×S}の値が、作用点D2の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができるため、(cosθ2/cosθ1)の値が0.3~3.0の範囲となるように、ばねたわみ量調整ナット23i、23jを用いて作用点の動きを拘束することにより、
基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っており、第1ローラー24の上部、及び第2ローラー25の上部は、床板Pの上面よりも高くなるように設定され、次に、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れて移動すると、トングレールTの底部が第1ローラー24の上に乗り移り、次に、トングレールTの底部は、第1ローラー24上を転動し、この際、トングレールTの底部は、第1ローラー24を押し下げ、この押し下げ力は、ローラー軸24aから緩衝機構23へ伝達され、この場合、ローラー軸24aの中心を作用点とすると、第2実施形態の転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化し、次に、トングレールT´の底部は、ある位置から以降は、第2ローラー25の上に乗り移り、その後は、トングレールT´の底部は、第2ローラー25上を転動し、この際、トングレールT´の底部は、第2ローラー25を押し下げ、この場合、第1ローラー24と第2ローラー25は、同一高さで垂直移動し、この際、第2ローラー25への押し下げ力は、ローラー軸25aから第3ロッド27に伝達され、ローラー軸24aを押し下げ、ローラー軸24aから緩衝機構23へ伝達され、この場合、ローラー軸24aの中心を作用点とすると、転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化するようにしたこと
を特徴とする転てつ減摩器。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機構を組込んだ転てつ減摩器に関するものである。転てつ減摩器は、鉄道における分岐器を転換する転てつ装置において、ポイント部とクロッシング部の可動レール(ポイント部の可動レールは「トングレール」と呼ばれる。)を定位又は反位に転換させる際の転換力を減少させることを目的とした装置である。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道において、鉄道車両の進路を一つの線路(以下、「本線」という。)から他の線路(以下、「分岐線」という。)へ移す分岐を行わせるために分岐器が用いられている。この分岐器は、一般に、図11に示すような構成を有している。図11に示す分岐器100は、本線側のレールR1、R2(以下、「基本レール」という。)と、分岐線側へのトングレールT1、T2と、電気転てつ機101と、伝動部108を備えている。
【0003】
トングレールT1、T2が基本レールR1、R2に密着する先端部は、舌状に形成されている。また、伝動部108は、動作かん102と、リンク部材103a、103b、103c、103d、103e及び103fと、エスケープクランク104及び106と、駆動部材105及び107と、転てつ棒109、110を有している。また、駆動部材105、107は、転てつ棒109、110を介してトングレールT1、T2に取り付けられている。
【0004】
また、電気転てつ機101は、内部に電動モーター(図示せず)と駆動力変換機構(図示せず)を有しており、電動モーターの回転駆動力が直線方向の駆動力に変換され、動作かん102が図11の右側方向又は左側方向へ駆動される。この動作かん102の動きは、伝動部108により駆動部材105、107に伝えられ、転てつ棒109、110を介してトングレールT1、T2を動かす。
【0005】
例えば、動作かん102が図11における右側方向に移動した場合には、駆動部材105、107が例えば図11における下方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端(図11における左端)が基本レールR2に密着し、かつトングレールT1の先端(図11における左端)が基本レールR1から離れる。また、動作かん102が図11における左側方向に移動した場合には、駆動部材105、107が例えば図11における上方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端が基本レールR2から離れ、かつトングレールT1の先端が基本レールR1に密着する。
【0006】
上記のような動作により、分岐器100は、進路を本線側又は分岐線側に切り換えるトングレール転換動作を行うことができる。この場合、トングレールが本線側レールに密着する位置のうちの一方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1から離れトングレールT2の先端が基本レールR2に密着する位置を「定位」といい、他方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1に密着しトングレールT2の先端が基本レールR2から離れる位置を「反位」という。これらは、列車運行上の取決めであり、これらの逆の位置を定位又は反位としてもよい。また上記の電気転てつ機101には、手動ハンドル(図示せず)が設けられており、動作かん102の駆動は人力により手動で行うことも可能である。
【0007】
従来のトングレールにおける上記の転換動作は、鋼製の床板上を摺動させて行われていた。しかし、トングレールと床板との摺動摩擦抵抗は、摺動部分に給油等の摩擦低減対策を行ったとしても、ローラーによる転動摩擦抵抗に比べて非常に大きかった。分岐器は屋外で使用されるため、床板の摺動面に錆等が発生したり塵埃等が付着し易く、摺動面を摩擦の少ない状態に保持するには多くの労力や経費が必要であった。
【0008】
このため、ローラーの転動を利用してトングレール転換時の転換力を減少させる転てつ減摩器が開発され戦前から実用化されていた。転てつ減摩器を、図11において201~204で示す。
【0009】
しかし、初期の転てつ減摩器は、トングレールの側面に穴を開け、転動用ローラーとローラー支持金具をその穴にボルト締結する必要があり、トングレールの強度に与える影響や、転てつ減摩器の設置が煩雑になる等の問題があった。
【0010】
この問題を解決するため、特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器が開発され、トングレールの側面に穴を開ける必要はなくなった。特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器は、本体を基本レール側に取付けて、そこからローラー支持金具を出し、ローラー支持金具の先端にローラーを取付けた構造のものである。この特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器によれば、トングレールが転換を開始すると、初めは床板上を摺動するものの、ある位置からはローラーに乗り移り、ローラーを利用して転動しトングレール転換ができるようになっている。
【0011】
現在では、特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器を基本として、さらにローラーの上下・左右方向の位置を調整し易くした構造の転てつ減摩器(実開昭60-45701号公報参照)が開発され、普及している。
【0012】
図12に、ローラーの転動を利用した転てつ減摩器の一例の構成を示す。図12に示すように、この転てつ減摩器は、本体210と、ローラー支持金具211と、ローラー212と、ボルト213と、ナット214と、ばね緩衝器215と、ボルト216と、ナット217を備えている。本体210は、ボルト216とナット217により基本レールRに取付けられている。ローラー支持金具211は、本体210の軸210aに取付けられている。ローラー212は、ローラー支持金具211の先端の軸211aに取付けられている。ボルト213は、ばね緩衝器215を介して本体210に取付けられ、ローラー支持金具211の後端211bを押えている。ばね緩衝器215については後述する。Tは、基本レールRに密着している時のトングレールを示している。また、T′は、転換中のトングレールを示している。
【0013】
上記のような構成により、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板(図示せず)上に乗っている。次に、T′に示すように、トングレールが転換を開始してある位置にくると、それ以降はローラー212の上に乗り移り、ローラー212上を転動する。これにより、トングレール転換時の摩擦抵抗が軽減されるようになっている。
【0014】
上記したようなローラーの転動を利用した転てつ減摩器においては、初め床板上にあるトングレールを途中からローラーに乗り移らせることが必要である。もし、ローラーの上面の高さが床板よりも低いと、トングレール底面がローラー上面と接触しないためトングレールは床板上を摺動してしまう。このため、ローラー上面の高さは、トングレール底面の位置よりも高い位置に設定する必要がある。
【0015】
しかし、ローラー上面の高さが床板よりも高くなると、トングレールがローラーに乗り移る際に抵抗力を受ける。このため、ローラー上面の高さが床板よりもかなり高くなると、トングレール転換力が非常に大きくなる。そして、さらにローラー上面の高さが高くなると、トングレールはローラーに乗り移ることができず、分岐器が転換不能となり、列車運行に支障を生じる原因となるおそれがある。
【0016】
そこで、従来は、経験上から、転てつ減摩器のローラーの高さ設定の目安として、トングレール先端と床板間に名刺が1枚挿入可能な程度に高くなるように設定するとトングレール転換力を軽減する減摩効果が有効に発揮される、とされてきた。
【0017】
しかし、トングレールの先端の位置でトングレール底部と床板とが接触していた場合であっても、転てつ減摩器の取付位置がトングレール先端位置から離れていればいるほど、上記のように「トングレール先端と床板間に名刺が1枚挿入可能な程度に高く」するためには、トングレールがたわむために、ローラーの高さを相当に高くしないと実現はできない。分岐器においては、まくらぎの設定の状態や、列車通過によるまくらぎの微少沈下等の原因により、床板のすべてがトングレール底部と接触しているわけではないため、トングレールの先端の位置でトングレール底部と床板とが接触しない場合もある。このような場合には、上記したローラー高さの設定基準の目安値は採用できず、現実には保守作業者等の経験や感覚による設定に頼らざるを得なかった。
【0018】
保守作業者等の感覚による設定では、トングレール底部を転てつ減摩器のローラーで転動するように高めに設定することになる。しかし、ローラーが回転する場合でも、転てつ減摩器の減摩効果が有効に発揮できるように設定されているとは限らない。転てつ減摩器のローラーが回転しない状態であったものを回転するように高めに設定した後に、実際にトングレールを電気転てつ機の手動ハンドルで転換してみると、設定前よりも手動ハンドルが重く感じられることがよくあり、特にトングレールが床板からローラーに乗り移る際に重くなることが多かった。
【0019】
そのような場合には、トングレールの手動転換を繰り返しながら、試行錯誤により、手動ハンドルが軽くなるようにローラー高さを微調整することになるが、人間の感覚による調整であるので個人差があった。また、転てつ減摩器の減摩効果の評価も人間の感覚によるものであり、これにも個人差があった。特に、弾性ポイントのように、トングレールの上下方向の動きが束縛されている場合には、微調整の繰り返しが顕著にならざるを得なかった。
【0020】
上記したローラーの転動を利用した転てつ減摩器においては、図12に示すように、ばね緩衝器215が設けられている。このばね緩衝器215は、圧縮ばねにより構成されている。図12において、ローラー212の位置が高過ぎ、トングレールTがローラー212上へ乗り移る際にローラー212に大きな力が加わった場合には、ローラー支持金具211の先端の軸211aが下方に微少量押し下げられる動きに連動して、ローラー支持金具211が軸210aを中心として微少回転し、この動きによりボルト213が上方に微少量押し上げられ、このときの衝撃がナット214からばね緩衝器215に伝達され、ばね緩衝器215の弾性変形により吸収され緩和されるようになっている。
【0021】
しかし、ばね緩衝器215は、微少変位で反発力が著しく増加する普通のばね緩衝器であるので、転てつ減摩器の衝撃緩衝用としては役立つかもしれないが、このばね緩衝器215が緩衝する状態で使用すると、緩衝ばねの圧力が大き過ぎ、トングレールの押し付け力と緩衝ばねの圧力による影響がローラー212に加わり、かえって転換力を増大させてしまう結果となることが多かった。
【0022】
このため、従来は、十分な減摩効果が発揮されるまで、何度もトングレールの手動転換を繰り返し、少しずつローラーの高さを微調整していくほかに方法がなく、ローラーの高さ位置を適正位置に調整するために手間がかかっていた。また、上記のようにしてローラー位置を調整した後に分岐器上を列車が通過すると、分岐器を支持するまくらぎは微少な沈下を生じ、ローラーとトングレールとの位置関係が変化していく。まくらぎの沈下量は、列車の通過頻度や道床の状態によって絶えず変化するため、上記したローラー位置調整は定期的に行う必要があり、分岐器の保守担当者にとっては大きな負担となっていた。
【0023】
一方、初期の転てつ減摩器の中には、トングレール転換中のほか、基本レールにトングレールが密着している場合にも、常にローラー上に乗せておく構造のものもあった。しかし、このような構造の転てつ減摩器では、基本レールに密着しているトングレールの上を列車が通過する際に、列車の重量をトングレールとローラーの線接触で受けることとなる。このような線接触による支持は、機器の状態としては好ましい状態ではないこと、また、ローラーの高さが高過ぎると実開昭60-45701号公報記載の転てつ減摩器と同様の構成となることから、ローラー高さを適正位置になるように微調整しておく必要があり、この場合にも、実開昭60-45701号公報記載の転てつ減摩器と同様に調整に手間がかかっていた。
【0024】
そこで、出願人は、図13及び図14に示す転てつ減摩器を開発した(特願平10-100342号参照)。この転てつ減摩器300は、きょう体301と、ロッド302と、緩衝機構303と、ローラー304を備えて構成されている。きょう体301は、レール取付金具311により分岐器における固定位置である基本レールRに固定され、まくらぎ取付金具312により分岐器における固定位置であるまくらぎSに固定される。きょう体301の2箇所には、固定軸301a及び固定軸301bが設けられている。
【0025】
ロッド302は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材である。ロッド302の一端には、固定軸用孔302aが設けられている。この固定軸用孔302aには、固定軸301aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、ロッド302は、きょう体301に回転可能な状態で取付けられる。また、ロッド302の他端には、ローラー軸用孔302bが設けられている。このローラー軸用孔302bには、後述するローラー304のローラー軸304aが取付けられる。
【0026】
ローラー304には、その中心にローラー軸304aが設けられている。このローラー軸304aは、ローラー軸用孔302bと後述するローラー軸用孔303dに挿通可能であり、これらのローラー軸用孔302b、303dによりローラー304は回転可能な構成となっている。
【0027】
緩衝機構303は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材であり、ばね303fと、ピストン部303bと、固定軸接続部303cと、ローラー軸接続部303tを有している。緩衝機構303のばね303fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、ピストン部303bの軸方向(長手方向)に圧縮されると反発力が作用するように構成されている。
【0028】
ローラー軸接続部303tには、ばね303fとは反対側の端部付近(緩衝機構303の図13、14における左端部付近)に、ローラー軸用孔303dが設けられている。このローラー軸用孔303dには、ローラー軸304aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、ローラー軸304aは、緩衝機構303の他方の端部であるローラー軸用孔303dとピン接合される。
【0029】
また、固定軸接続部303cには、ばね303fとは反対側の端部付近(緩衝機構303の図13、14における右端部付近)に、固定軸用孔303eが設けられている。この固定軸用孔303eには、固定軸301bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、緩衝機構303はきょう体301に回転可能な状態で取付けられる。
【0030】
上記のような構成を有する転てつ減摩器300の作用について説明する。
【0031】
まず、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っている。この場合には、ローラー304の上部が床板Pの上面よりも高くなるように設定されている。
【0032】
次に、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図13の右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレールTの底部がローラー304の上に乗り移り、ローラー304上を転動する。この際、トングレールTの底部は、ローラー304を押し下げる。
【0033】
この押し下げ力は、ローラー軸304aから緩衝機構303へ伝達される。この場合、ローラー軸304aの中心を作用点とすると、転てつ減摩器300の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0034】
すなわち、上記の転てつ減摩器300は、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大きく変化することはないため、従来のような煩雑なローラー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減される、という利点がある。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
上記した転てつ減摩器300においては、ローラー304の直径と、ローラー304の設定高さ、トングレールTの底部幅(図13における底部の左右長)によって、トングレールTをローラー304で転動させ得る距離(以下、「ストローク」という。)が決定される。このため、60kgレールの分岐器のトングレールのように、トングレール底部幅が広い場合には、ローラー304で転動させ得るストロークが長くなり、トングレールの転換終了近くまで上記の減摩効果を発揮させることができる。
【0036】
しかしながら、50Nレールの分岐器のトングレールのように、トングレール底部幅が狭い場合には、ローラー304で転動させ得るストロークが短くなり、トングレールの転換の途中でトングレールがローラー304から外れ、その後はこの転てつ減摩器300の上記の減摩効果を発揮させることができなくなる。
【0037】
例えば、50Nレールの分岐器に用いる転てつ減摩器300のローラー304の直径を92mm、突出量3mmで設計した場合について説明する。50Nレールの分岐器のトングレールの底部幅は、約55mmであるため、転てつ減摩器300のローラー304によりトングレールを転動させ得るストローク(図13におけるL1)は、88mmが限界となり、それ以上大きくすることはできない。分岐に必要なレール転換距離(図13におけるL2)は、最大となるトングレール先端側で160mmであるから、トングレールがローラーから外れた後、最大で72mm(=160-88)の範囲は、この転てつ減摩器300の上記の減摩効果を発揮させることができなくなる、という問題があった。
【0038】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、可動レールの底部幅が狭い場合においてもレール転換時の作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させ得る転てつ減摩器を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る転てつ減摩器は、
鉄道の分岐器100のトングレールTの転換力を軽減するための転てつ減摩器10であって、
きょう体11と、第1ロッド12と、緩衝機構13と、第1ローラー14と、第2ローラー15と、第2ロッド16と、第3ロッド17と、レール取付金具18と、まくらぎ取付金具19を備え、きょう体11は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個のきょう体11、11は、レール取付金具18により分岐器における固定位置である基本レールRに固定され、まくらぎ取付金具19により分岐器における固定位置であるまくらぎSに固定され、きょう体11には、固定軸11aと、固定軸11bと、固定軸11cが設けられ、レール取付金具18においては、金具本体18aが基本レールRの底部に取付ボルト18bによって固定され、この金具本体18aに、きょう体11が、調整ボルト18cを介して取り付けられ、調整ボルト18cを調整することにより、第1ローラー14及び第2ローラー15の鉛直方向高さ位置を調整可能で、まくらぎ取付金具19においては、まくらぎSとまくらぎSとの間に渡されたコ字形断面の鋼材19aに、金具19bが取付ボルト19cによって固定され、この金具19bに、きょう体11が取り付けられ、第1ロッド12は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第1ロッド12の一端には、固定軸用孔12aが設けられ、固定軸用孔12aには、固定軸11aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ロッド12は、きょう体11に回転可能な状態で取付けられ、第1ロッド12の他端には、ローラー軸用孔12bが設けられ、このローラー軸用孔12bには、第1ローラー14のローラー軸14aが取付けられ、第1ローラー14には、その中心にローラー軸14aが設けられ、このローラー軸14aは、ローラー軸用孔12bと後述するローラー軸用孔13d及びローラー軸用孔17aに挿通可能であり、これらのローラー軸用孔12b、13d、17aにより第1ローラー14は回転可能な構成となっており、緩衝機構13は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部13aと、ピストン部13bと、固定軸接続部13cと、ばね13fと、ローラー軸接続部13tを有し、ばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、緩衝機構13は、ローラー軸接続部13tの先端が軸方向である長手方向にδだけ圧縮されると、圧縮量δに応じた反発力を発生するように構成されており、ピストン部13bは、シリンダー部13aの内部に挿入され、シリンダー部13aの外部のばね13fにより弾性的に支持されるように構成され、ローラー軸接続部13tは、ピストン部13bとは反対側のシリンダー部13aの端部に固定され、固定軸接続部13cは、シリンダー部13aとは反対側のピストン部13bの端部に固定され、固定軸接続部13cには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近である緩衝機構13の右端部付近に、固定軸用孔13eが設けられ、この固定軸用孔13eは、固定軸11cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、緩衝機構13の一方の端部である固定軸用孔13eは、固定軸11cに回転可能な状態で取付けられ、ローラー軸接続部13tには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近である緩衝機構13の左端部付近に、ローラー軸用孔13dが設けられ、このローラー軸用孔13dには、ローラー軸14aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ローラー14のローラー軸14aは、緩衝機構13の左端部であるローラー軸用孔13dとピン接合され、シリンダー部13aは、筒状に形成されており、軸方向である長手方向の両端が開放された構成となっており、シリンダー部13aの外部には、シリンダー部13aを取り巻くようにしてばね13fが配置され、ばね13fの一端は、シリンダー部13aに設けられた鍔状のばね押圧部13nによって押えられ、ばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部13aの軸方向である長手方向に反発力が作用するように構成され、シリンダー部13aの右側の開口からは、ピストン部13bがシリンダー部13aの内部に挿入され、ピストン部13bの挿入側のピストン端部13rは、シリンダー部13aのシリンダー端部13pと係合し離脱しないように拡径され、ピストン部13bには、円盤状のばね押圧部13gが取り付けられ、ばね13fの他端は、このばね押圧部13gによって押えられ、ピストン部13bには、雄ネジ部13sが形成され、ピストン部13bのばね押圧部13gの外側であるばね押圧部13gの右側には、雄ネジ部13sに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット13i、13jが嵌合されることにより、緩衝機構13の固定軸接続部13cは、固定軸11cにより回転可能な状態で軸支されており、固定軸11cのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束され、ピストン部13bがシリンダー部13aの内方へ押し込まれると、ばね13fが圧縮され、ばねのたわみ量又は縮み量に応じた反発力がシリンダー部13aの軸方向である長手方向に発生し、この反発力は、ピストン部13bと固定軸11cの両方に等しい値で伝達され、緩衝機構13には、ばねたわみ量調整ナット13i、13jが設けられており、これらのばねたわみ量調整ナット13i、13jを適宜量だけ回転させることにより、ばね13fのたわみ量をあらかじめ適宜の値にセットしておくことができ、ばね13fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能であり、ばねたわみ量調整ナット13i、13jをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット13i、13jのシリンダー軸方向である長手方向の位置を適宜設定することができ、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね13fからの圧力も可変調整可能であり、第1ローラー14、第2ローラー15の支持圧力も可変調整可能であり、第2ロッド16は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第2ロッド16の一端には、固定軸用孔16aが設けられ、この固定軸用孔16aには、固定軸11bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第2ロッド16は、きょう体11に回転可能な状態で取付けられ、第2ロッド16の他端には、ピン軸16bが設けられ、このピン軸16bは、第3ロッド17のピン軸用孔17cに挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第3ロッド17は、略三角形状に形成された部材であり、2個用いられ、第3ロッド17の三角形の各頂点位置には、ローラー軸用孔17aと、ローラー軸用孔17bと、ピン軸用孔17cが設けられ、これらのうち、ローラー軸用孔17aには、第1ローラー14のローラー軸14aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ローラー軸用孔17bには、第2ローラー15のローラー軸15aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ピン軸用孔17cには、第2ロッド16のピン軸16bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第3ロッド17は、第2ロッド16に回転可能な状態で取付けられるとともに、緩衝機構13のローラー軸接続部13tに回転可能な状態で取付けられ、かつ、第2ローラー15のローラー軸15aに回転可能な状態で取付けられ、これらを連結し、第3ロッド17は、鉛直上下方向に移動可能な構成となっており、第2ローラー15には、その中心にローラー軸15aが設けられ、このローラー軸15aは、ローラー軸用孔17bに挿通可能であり、ローラー軸用孔17bにより第2ローラー15は回転可能な構成となっており、第1ロッド12の左端の回転中心である固定軸11aの中心の水平方向位置は、第2ロッド16の左端の回転中心である固定軸11bの中心の水平方向位置と等しくなっており、第1ロッド12の左右の回転中心の間の距離である固定軸11aの中心とローラー軸14aの中心の間の距離と、第2ロッド16の左右の回転中心の間の距離である固定軸11bの中心とピン軸16bの中心の間の距離は等しくなっており、固定軸11aの中心と固定軸11bの中心の間の鉛直方向距離と、第3ロッド17におけるローラー軸用孔17aの中心とピン軸用孔17cの中心の間の鉛直方向距離は、等しくなっており、第1ロッド12と第2ロッド16は、ほぼ平行となるように配置され、第1ローラー14と第2ローラー15は、第3ロッド17の上部に、ほぼ水平となるように配置されるようにし、
点A1と点C1を結ぶ直線A1-C1が第1ロッド12を示し、点A1が、固定軸11aの中心点でかつ第1ロッド12の回転の中心点である第1ロッド回転中心点を示し、L1が、第1ロッド12の長さを示し、点C1が、ローラー軸14aの中心点でこの機構の作用点を示し、Fが、作用点C1に作用する作用力であるトングレールTの底部が第1ローラー14を押し下げようとする力を示し、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受けることとし、Xが、水平な鎖線から作用点C1までの垂直方向の距離とし、作用点C1が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していくこととなり、点C1が、作用点であるとともに、第1ロッド12と緩衝機構13のピン接合の中心点であるピン接合点でもあり、Sが、ピン接合点C1が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力又は反力であるようにし、点C1と点B1を結ぶ直線が、緩衝機構13を示し、点B1が、固定軸11cの中心点でかつ緩衝機構13の回転の中心点を示し、L2が、緩衝機構13のピン接合点又は作用点C1と、固定軸11cの中心点との間の距離を示し、L。が、固定軸11aの中心点A1と固定軸11cの中心点B1との間の距離を示すようにして、第1ロッド12(直線A1-C1)と緩衝機構13(直線C1-B1)のピン接合点C1を作用力の作用点とする原理モデルを構成したとき、
第2ローラー15上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第2ローラー15を押し下げる動作は、ローラー軸15aから第3ロッド17に伝達され、ローラー軸14aを押し下げる動作に等しく、このローラー軸14aを押し下げる動作は、作用点C1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、第1ローラー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第1ローラー14を押し下げる動作は、作用点C1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、この作用力Fにより、第1ロッド12(直線A1-C1)は、第1ロッド回転中心点A1を回転中心として、時計回りに回転し、この動きにより、作用点(ピン接合点)C1が、緩衝機構13(直線C1-B1)のピン軸接続部13tに力を作用させ、ピストン13bをシリンダー部13aの内部へ押し込もうとし、これによりばね13fが圧縮され、弾性反発力を発生し、このばね力は、直接作用点(ピン接合点)C1に加えられ、トングレールTが第1ローラー14又は第2ローラー15から受ける反力となり、この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、又は作用点(ピン接合点)C1において上方へ向かい大きさがFの力であり、作用点(ピン接合点)C1における第1ロッド12(直線A1-C1)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とし、作用点(ピン接合点)C1における緩衝機構13の反力Sと、第1ロッド12(直線A1-C1)の回転方向の接線とが成す角をθ2としたとき、作用力Fによって第1ロッド12(直線A1-C1)を回転させる分力をF′とすれば、第1式F′=F×cosθ1と表すことができ、緩衝機構の反力Sによって第1ロッド12(直線A1-C1)を回転させる分力をS′とすれば、第2式S′=S×cosθ2と表すことができ、第1ロッド回転中心点A1のまわりのモーメントは釣り合っているから、第3式F′×L1=S′×L1と表すことができ、第3式に第1式と第2式を代入して整理すれば、力Fは、第4式F=(cosθ2/cosθ1)×Sと表すことができ、第4式の値{(cosθ2/cosθ1)×S}が、作用点C1の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができるため、(cosθ2/cosθ1)の値が0.3~3.0の範囲となるように、ばねたわみ量調整ナット13i、13jを用いて作用点の動きを拘束することにより、
基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っており、第1ローラー14の上部、及び第2ローラー15の上部は、床板Pの上面よりも高くなるように設定され、次に、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れて移動すると、トングレールTの底部が第2ローラー15の上に乗り移り、次に、トングレールTの底部は、第2ローラー15上を転動し、この際、トングレールTの底部は、第2ローラー15を押し下げ、この場合、第1ローラー14と第2ローラー15は、同一高さで垂直移動し、この際、第2ローラー15への押し下げ力は、ローラー軸15aから第3ロッド17に伝達され、ローラー軸14aを押し下げ、ローラー軸14aから緩衝機構13へ伝達され、ローラー軸14aの中心を作用点とすると、第1実施形態の転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化し、次に、トングレールTの底部は、第1ローラー14の上に乗り移り、その後は、トングレールTの底部は、第1ローラー14上を転動し、この際、トングレールTの底部は、第1ローラー14を押し下げ、この押し下げ力は、ローラー軸14aから緩衝機構13へ伝達され、ローラー軸14aの中心を作用点とすると、転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化するようにしたこと
を特徴とする。
【0040】
また、本発明の請求項2に係る転てつ減摩器は、
鉄道の分岐器100のトングレールTの転換力を軽減するための転てつ減摩器20であって、
きょう体21と、第1ロッド22と、緩衝機構23と、第1ローラー24と、第2ローラー25と、第2ロッド26と、第3ロッド27と、レール取付金具28を備え、きょう体21は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個のきょう体21、21は、レール取付金具28により分岐器における固定位置である基本レールRに固定され、きょう体21には、固定軸21aと、固定軸21cが設けられ、レール取付金具28においては、金具本体28aが基本レールRの底部に取付ボルト28bによって固定され、この金具本体28aに、きょう体21が、調整ボルト28cを介して取り付けられ、調整ボルト28cを調整することにより、第1ローラー24及び第2ローラー25の鉛直方向高さ位置を調整することができ、金具本体28aには、固定軸28dが設けられ、第1ロッド22は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第1ロッド22の中間位置には、固定軸用孔22aが設けられ、この固定軸用孔22aには、固定軸21aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ロッド22は、きょう体21に回転可能な状態で取付けられ、第1ロッド22の一端には、ピン軸22bが設けられ、このピン軸22bには、緩衝機構23のピン軸接続部23tが取付けられ、第1ロッド22の一端には、ローラー軸用孔22cが設けられ、このローラー軸用孔22cには、第1ローラー24のローラー軸24aが取付けられ、第1ローラー24には、その中心にローラー軸24aが設けられ、このローラー軸24aは、ローラー軸用孔22cとローラー軸用孔27aに挿通可能であり、これらのローラー軸用孔22c、27aにより第1ローラー24は回転可能な構成となっており、緩衝機構23は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部23aと、ピストン部23bと、固定軸接続部23cと、ばね23fと、ピン軸接続部23tを有し、ばね23fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、ピストン部23bの軸方向である長手方向に圧縮されると反発力が作用するように構成されており、ピストン部23bは、シリンダー部23aの内部に挿入され、シリンダー部23aの外部のばね23fにより弾性的に支持されるように構成され、ピン軸接続部23tは、ピストン部23bとは反対側のシリンダー部23aの端部に固定され、固定軸接続部23cは、シリンダー部23aとは反対側のピストン部23bの端部に固定され、固定軸接続部23cには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近である緩衝機構23の左端部付近に、固定軸用孔23eが設けられ、この固定軸用孔23eは、固定軸21cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、緩衝機構23の一方の端部である固定軸用孔23eは、固定軸21cに回転可能な状態で取付けられ、ピン軸接続部23tには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近である緩衝機構23の右端部付近に、ピン軸用孔23dが設けられ、このピン軸用孔23dには、ピン軸22bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第1ロッド22のピン軸22bは、緩衝機構23の右端部であるピン軸用孔23dとピン接合され、シリンダー部23aは、筒状に形成されており、軸方向である長手方向の両端が開放された構成となっており、シリンダー部23aの外部には、シリンダー部23aを取り巻くようにしてばね23fが配置され、ばね23fの一端は、シリンダー部23aに設けられた鍔状のばね押圧部23nによって押えられ、ばね23fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部23aの軸方向である長手方向に反発力が作用するように構成され、シリンダー部23aの左側の開口からは、ピストン部23bがシリンダー部23aの内部に挿入され、ピストン部23bの挿入側の端部は、シリンダー部23aのシリンダー端部と係合し離脱しないように拡径され、ピストン部23bには、円盤状のばね押圧部23gが取り付けられており、ばね23fの他端は、このばね押圧部によって押えられ、ピストン部23bには、雄ネジ部が形成され、ピストン部23bのばね押圧部の外側には、雄ネジに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット23i、23jが嵌合され、緩衝機構23の固定軸接続部23cは、固定軸21cにより回転可能な状態で軸支されており、固定軸21cのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束され、ピストン部23bがシリンダー部23aの内方へ押し込まれると、ばね23fが圧縮され、ばねのたわみ量又は縮み量に応じた反発力がシリンダー部23aの軸方向である長手方向に発生し、この反発力は、ピストン部23bと固定軸21cの両方に等しい値で伝達され、緩衝機構23には、ばねたわみ量調整ナット23i、23jが設けられており、これらのばねたわみ量調整ナット23i、23jを適宜量だけ回転させることにより、ばね23fのたわみ量をあらかじめ適宜の値にセットしておくことができ、ばね23fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能であり、ばねたわみ量調整ナット23i、23jをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット23i、23jのシリンダー軸方向である長手方向の位置を適宜設定することができ、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね23fからの圧力も可変調整可能であり、これに伴い第1ローラー24、第2ローラー25の支持圧力も可変調整可能であり、第2ロッド26は、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられ、第2ロッド26の一端には、固定軸用孔26aが設けられ、この固定軸用孔26aには、固定軸28dが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第2ロッド26は、金具本体28aに回転可能な状態で取付けられ、第2ロッド26の他端には、ピン軸26bが設けられ、このピン軸26bは、第3ロッド27のピン軸用孔27cに挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、第3ロッド27は、略三角形状に形成された部材であり、2個用いられ、第3ロッド27の三角形の各頂点位置には、ローラー軸用孔27aと、ローラー軸用孔27bと、ピン軸用孔27cが設けられ、これらのうち、ローラー軸用孔27aには、第1ロッド22のローラー軸用孔22cと、第1ローラー24のローラー軸24aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ローラー軸用孔27bには、第2ローラー25のローラー軸25aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、ピン軸用孔27cには、第2ロッド26のピン軸26bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっており、これにより、第3ロッド27は、第2ロッド26に回転可能な状態で取付けられるとともに、第1ロッド22のローラー軸用孔22cに回転可能な状態で取付けられ、かつ、第2ローラー25のローラー軸25aに回転可能な状態で取付けられ、これらを連結し、第3ロッド27は、鉛直上下方向に移動可能な構成となっており、第2ローラー25には、その中心にローラー軸25aが設けられ、このローラー軸25aは、ローラー軸用孔27bに挿通可能であり、ローラー軸用孔27bにより第2ローラー25は回転可能な構成となっており、第1ロッド22の左端の回転中心である固定軸21aの中心の水平方向位置は、第2ロッド26の左端の回転中心である固定軸28dの中心の水平方向位置と等しくなっており、第1ロッド22の左右の回転中心の間の距離である固定軸21aの中心とローラー軸24aの中心の間の距離と、第2ロッド26の左右の回転中心の間の距離である固定軸28dの中心とピン軸26bの中心の間の距離は、等しくなっており、固定軸21aの中心と固定軸28dの中心の間の鉛直方向距離と、第3ロッド27におけるローラー軸用孔27aの中心とピン軸用孔27cの中心の間の鉛直方向距離は、等しくなっており、第1ロッド22と第2ロッド26は、ほぼ平行となるように配置され、第1ローラー24と第2ローラー25は、第3ロッド27の上部に、ほぼ水平となるように配置されるようにし、
点D2と点C2を結ぶ直線D2-C2が第1ロッド22を示し、点A2が、固定軸21aの中心点である固定軸中心点を示し、点D2が、ローラー軸24aの中心点でこの機構の作用点を示し、Fが、作用点D2に作用する作用力であるトングレールTの底部がローラー24を押し下げようとする力を示し、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受けることとし、Xが、水平な鎖線から作用点D2までの垂直方向の距離とし、作用点D2が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していくこととなり、L1が、第1ロッド22において、ピン軸22bの中心と固定軸用孔22aの中心との間の長さを示し、L3が、第1ロッド22において、固定軸用孔22aの中心とローラー軸用孔22cの中心の間の長さを示し、点C2が、ピン軸22bの中心点でかつ第1ロッド22と緩衝機構23のピン接合の中心点であるピン接合点を示し、Sが、ピン接合点C2が緩衝機構23のばね23fから受けるばね圧力又は反力であるようにし、点C2と点B2を結ぶ直線が、緩衝機構23を示し、点B2が、固定軸21cの中心点でかつ緩衝機構23の回転の中心点を示し、L2が、緩衝機構23のピン接合点又は作用点C2と、固定軸21cの中心点との間の距離を示し、L。が、固定軸21aの中心点A2と固定軸21cの中心点B2との間の距離を示すようにして、第1ロッド22(直線D2-C2)と緩衝機構23(直線C2-B2)のピン接合点C2を作用力の作用点とする原理モデルを構成したとき、
第1ローラー24上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部がローラー24を押し下げる動作は、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、第2ローラー25上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第2ローラー25を押し下げる動作は、ローラー軸25aから第3ロッド27に伝達され、ローラー軸24aを押し下げる動作に等しく、このローラー軸24aを押し下げる動作は、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当し、この作用力Fにより、第1ロッド22を示す直線D2-A2-C2は、固定軸中心点A2を回転中心として、時計回りに回転し、この動きにより、ピン接合点C2が、緩衝機構23(直線C2-B2)のピン軸接続部23tに力を作用させ、ピストン23bをシリンダー部23aの内部へ押し込もうとし、これによりばね23fが反発力を発生し、このばね力は、第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を経て作用点D2に伝達され、トングレールTが第1ローラー24又は第2ローラー25から受ける反力となり、この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、又は作用点D2において上方へ向かい大きさがFの力であり、作用点D2における第1ロッド22(直線D2-A2-C2)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とし、ピン接合点C2における緩衝機構23の反力Sと、第1ロッド22(直線D2-A2-C2)の回転方向の接線とが成す角をθ2としたとき、作用力Fによって第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を回転させる分力をF′とすれば、第5式F′=F×cosθ1と表すことができ、緩衝機構の反力Sによって第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を回転させる分力をS′とすれば、第6式S′=S×cosθ2と表すことができ、クランク軸A2のまわりのモーメントは釣り合っているから、第7式F′×L3=S′×L1と表すことができ、第7式に第5式と第6を代入して整理すれば、力Fは、第8式F=(L1/L3)×(cosθ2/cosθ1)×Sと表すことができ、第8式のうち、{(cosθ2/cosθ1)×S}の値が、作用点D2の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができるため、(cosθ2/cosθ1)の値が0.3~3.0の範囲となるように、ばねたわみ量調整ナット23i、23jを用いて作用点の動きを拘束することにより、
基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っており、第1ローラー24の上部、及び第2ローラー25の上部は、床板Pの上面よりも高くなるように設定され、次に、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れて移動すると、トングレールTの底部が第1ローラー24の上に乗り移り、次に、トングレールTの底部は、第1ローラー24上を転動し、この際、トングレールTの底部は、第1ローラー24を押し下げ、この押し下げ力は、ローラー軸24aから緩衝機構23へ伝達され、この場合、ローラー軸24aの中心を作用点とすると、第2実施形態の転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化し、次に、トングレールT´の底部は、ある位置から以降は、第2ローラー25の上に乗り移り、その後は、トングレールT´の底部は、第2ローラー25上を転動し、この際、トングレールT´の底部は、第2ローラー25を押し下げ、この場合、第1ローラー24と第2ローラー25は、同一高さで垂直移動し、この際、第2ローラー25への押し下げ力は、ローラー軸25aから第3ロッド27に伝達され、ローラー軸24aを押し下げ、ローラー軸24aから緩衝機構23へ伝達され、この場合、ローラー軸24aの中心を作用点とすると、転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化するようにしたこと
を特徴とする。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態である転てつ減摩器の構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す転てつ減摩器の構成を示す上面図である。
【0044】
図1及び図2に示すように、この転てつ減摩器10は、きょう体11と、第1ロッド12と、緩衝機構13と、第1ローラー14と、第2ローラー15と、第2ロッド16と、第3ロッド17と、レール取付金具18と、まくらぎ取付金具19を備えて構成されている。
【0045】
きょう体11は、図示のように、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材である。2個のきょう体11、11は、レール取付金具18により分岐器における固定位置である基本レールRに固定され、まくらぎ取付金具19により分岐器における固定位置であるまくらぎSに固定される。きょう体11には、固定軸11aと、固定軸11bと、固定軸11cが設けられている。
【0046】
レール取付金具18においては、金具本体18aが基本レールRの底部に取付ボルト18bによって固定され、この金具本体18aに、きょう体11が、調整ボルト18cを介して取り付けられている。調整ボルト18cを調整することにより、後述する第1ローラー14及び第2ローラー15の鉛直方向高さ位置を調整することができる。
【0047】
また、まくらぎ取付金具19においては、まくらぎSとまくらぎSとの間に渡されたコ字形断面の鋼材19aに、金具19bが取付ボルト19cによって固定され、この金具19bに、きょう体11が取り付けられている。
【0048】
第1ロッド12は、図示のように、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられる。第1ロッド12の一端(図1、2における左端)には、固定軸用孔12aが設けられている。この固定軸用孔12aには、固定軸11aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第1ロッド12は、きょう体11に回転可能な状態で取付けられる。
【0049】
また、第1ロッド12の他端(図1、2における右端)には、ローラー軸用孔12bが設けられている。このローラー軸用孔12bには、後述する第1ローラー14のローラー軸14aが取付けられる。
【0050】
第1ローラー14には、その中心にローラー軸14aが設けられている。このローラー軸14aは、ローラー軸用孔12bと後述するローラー軸用孔13d及びローラー軸用孔17a(後述)に挿通可能であり、これらのローラー軸用孔12b、13d、17aにより第1ローラー14は回転可能な構成となっている。
【0051】
次に、緩衝機構13の構成及び作用について、図3を参照しつつ説明する。図3に示すように、緩衝機構13は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部13aと、ピストン部13bと、固定軸接続部13cと、ばね13fと、ローラー軸接続部13tを有している。緩衝機構13のばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねである。このため、緩衝機構13は、図3(B)に示すように、ローラー軸接続部13tの先端が軸方向(長手方向)にδだけ圧縮されると、圧縮量δに応じた反発力を発生するように構成されている。
【0052】
以下、緩衝機構13の各部の構成及び作用について詳細に説明する。
【0053】
ピストン部13bは、シリンダー部13aの内部に挿入され、シリンダー部13aの外部のばね13fにより弾性的に支持されるように構成されている。また、ローラー軸接続部13tは、ピストン部13bとは反対側のシリンダー部13aの端部(図3における左端部)に固定されている。また、固定軸接続部13cは、シリンダー部13aとは反対側のピストン部13bの端部(図3における右端部)に固定されている。
【0054】
また、固定軸接続部13cには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近(図3における緩衝機構13の右端部付近)に、固定軸用孔13eが設けられている。この固定軸用孔13eは、固定軸11cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、緩衝機構13の一方の端部である固定軸用孔13eは、固定軸11cに回転可能な状態で取付けられる。
【0055】
また、ローラー軸接続部13tには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近(図3における緩衝機構13の左端部付近)に、ローラー軸用孔13dが設けられている。このローラー軸用孔13dには、ローラー軸14aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第1ローラー14のローラー軸14aは、緩衝機構13の図3における左端部であるローラー軸用孔13dとピン接合される。
【0056】
また、図3に示すように、シリンダー部13aは、筒状に形成されており、軸方向(長手方向)の両端(図3における左端及び右端)が開放された構成となっている。
【0057】
シリンダー部13aの外部には、シリンダー部13aを取り巻くようにしてばね13fが配置されている。ばね13fの一端(図3における左端)は、シリンダー部13aに設けられた鍔状のばね押圧部13nによって押えられている。ばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部13aの軸方向(長手方向)に反発力が作用するように構成されている。
【0058】
また、シリンダー部13aの右側の開口からは、ピストン部13bがシリンダー部13aの内部に挿入されている。ピストン部13bの挿入側のピストン端部13rは、シリンダー部13aのシリンダー端部13pと係合し離脱しないように拡径されている。また、ピストン部13bには、円盤状のばね押圧部13gが取り付けられており、ばね13fの他端(図3における右端)は、このばね押圧部13gによって押えられている。
【0059】
また、ピストン部13bには、雄ネジ部13sが形成されている。また、ピストン部13bのばね押圧部13gの外側(図3におけるばね押圧部13gの右側)には、上記した雄ネジ部13sに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット13i、13jが嵌合されている。
【0060】
上記のような構成により、緩衝機構13の固定軸接続部13cは、固定軸11cにより回転可能な状態で軸支されており、固定軸11cのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束されている。このため、ピストン部13bがシリンダー部13aの内方へ押し込まれると、ばね13fが圧縮され、ばねのたわみ量(縮み量)に応じた反発力がシリンダー部13aの軸方向(長手方向)に発生する。この反発力は、ピストン部13bと固定軸11cの両方に等しい値で伝達される。
【0061】
また、この緩衝機構13には、ばねたわみ量調整ナット13i、13jが設けられているので、これらのばねたわみ量調整ナット13i、13jを適宜量だけ回転させることにより、ばね13fのたわみ量をあらかじめ適宜の値にセットしておくことができる。したがって、ばね13fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能となる。
【0062】
また、ばねたわみ量調整ナット13i、13jをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット13i、13jのシリンダー軸方向(長手方向)の位置を適宜設定することができる。これにより、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね13fからの圧力も可変調整可能であり、これに伴い第1ローラー14、第2ローラー15の支持圧力も可変調整可能となる。
【0063】
また、第2ロッド16は、図示のように、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられる。第2ロッド16の一端(図1、2における左端)には、固定軸用孔16aが設けられている。この固定軸用孔16aには、固定軸11bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第2ロッド16は、きょう体11に回転可能な状態で取付けられる。
【0064】
第2ロッド16の他端(図1、2における右端)には、ピン軸16bが設けられている。このピン軸16bは、後述する第3ロッド17のピン軸用孔17cに挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。
【0065】
また、第3ロッド17は、図示のように、略三角形状に形成された部材であり、2個用いられる。第3ロッド17の三角形の各頂点位置には、ローラー軸用孔17aと、ローラー軸用孔17bと、ピン軸用孔17cが設けられている。これらのうち、ローラー軸用孔17aには、第1ローラー14のローラー軸14aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。また、ローラー軸用孔17bには、後述する第2ローラー15のローラー軸15aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。また、ピン軸用孔17cには、第2ロッド16のピン軸16bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。
【0066】
これにより、第3ロッド17は、第2ロッド16に回転可能な状態で取付けられるとともに、緩衝機構13のローラー軸接続部13tに回転可能な状態で取付けられ、かつ、第2ローラー15のローラー軸15aに回転可能な状態で取付けられ、これらを連結している。また、第3ロッド17は、鉛直上下方向に移動可能な構成となっている。
【0067】
また、第2ローラー15には、その中心にローラー軸15aが設けられている。このローラー軸15aは、ローラー軸用孔17bに挿通可能であり、ローラー軸用孔17bにより第2ローラー15は回転可能な構成となっている。
【0068】
また、図1に示すように、第1ロッド12の左端の回転中心である固定軸11aの中心の水平方向位置は、第2ロッド16の左端の回転中心である固定軸11bの中心の水平方向位置と等しくなっている。また、第1ロッド12の左右の回転中心の間の距離(固定軸11aの中心とローラー軸14aの中心の間の距離)と、第2ロッド16の左右の回転中心の間の距離(固定軸11bの中心とピン軸16bの中心の間の距離)は、等しくなっている。
【0069】
また、固定軸11aの中心と固定軸11bの中心の間の鉛直方向距離と、第3ロッド17におけるローラー軸用孔17aの中心とピン軸用孔17cの中心の間の鉛直方向距離は、等しくなっている。また、第1ロッド12と第2ロッド16は、ほぼ平行となるように配置されている。また、第1ローラー14と第2ローラー15は、第3ロッド17の上部に、ほぼ水平となるように配置されている。
【0070】
次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10の作用について、図4及び図5を参照しつつ説明を行う。
【0071】
まず、図4(A)に示すように、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っている。この場合には、第1ローラー14の上部、及び第2ローラー15の上部は、床板Pの上面よりも高くなるように設定されている。
【0072】
次に、図4(B)に示すように、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図の右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレールTの底部が第2ローラー15の上に乗り移る。
【0073】
次に、図5(A)に示すように、トングレールTの底部は、第2ローラー15上を転動する。この際、トングレールTの底部は、第2ローラー15を押し下げる。
【0074】
この場合、第1ローラー14と第2ローラー15は、同一高さで垂直移動する。この際、第2ローラー15への押し下げ力は、ローラー軸15aから第3ロッド17に伝達され、ローラー軸14aを押し下げ、ローラー軸14aから緩衝機構13へ伝達される。この場合、ローラー軸14aの中心を作用点とすると、第1実施形態の転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0075】
次に、図5(B)に示すように、トングレールTの底部は、ある位置から以降は、第1ローラー14の上に乗り移る。その後は、トングレールTの底部は、第1ローラー14上を転動する。この際、トングレールTの底部は、第1ローラー14を押し下げる。
【0076】
この押し下げ力は、ローラー軸14aから緩衝機構13へ伝達される。この場合、ローラー軸14aの中心を作用点とすると、第1実施形態の転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0077】
すなわち、第1実施形態の転てつ減摩器10は、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大きく変化することはないため、従来のような煩雑なローラー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減される、という利点がある。
【0078】
次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10の原理について説明を行う。図6は、図1、図2に示す転てつ減摩器の第1の原理モデルを説明する図である。
【0079】
図6において、点A1と点C1を結ぶ直線A1-C1は、第1ロッド12を示している。点A1は、固定軸11aの中心点、すなわち第1ロッド12の回転の中心点(以下、「第1ロッド回転中心点」という。)を示している。また、L1は、第1ロッド12の長さを示している。点C1は、ローラー軸14aの中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。Fは、作用点C1に作用する作用力、すなわちトングレールTの底部が第1ローラー14を押し下げようとする力である。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。
【0080】
Xは、図6の水平な鎖線から作用点C1までの垂直方向の距離である。したがって、作用点C1が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していく。
【0081】
また、点C1は、作用点であるとともに、第1ロッド12と緩衝機構13のピン接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)でもある。Sは、ピン接合点C1が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力(反力)である。
【0082】
また、点C1と点B1を結ぶ直線は、緩衝機構13を示している。点B1は、固定軸11cの中心点、すなわち緩衝機構13の回転の中心点を示している。また、L2は、緩衝機構13のピン接合点(作用点)C1と、固定軸11cの中心点との間の距離を示している。また、L。は、固定軸11aの中心点A1と固定軸11cの中心点B1との間の距離を示している。
【0083】
すなわち、図6のモデルは、第1ロッド12(直線A1-C1)と緩衝機構13(直線C1-B1)のピン接合点C1を作用力の作用点とするモデルである。
【0084】
上記のような原理モデルによれば、第2ローラー15上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第2ローラー15を押し下げる動作は、ローラー軸15aから第3ロッド17に伝達され、ローラー軸14aを押し下げる動作に等しい。このローラー軸14aを押し下げる動作は、図6において、作用点C1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。
【0085】
また、上記のような原理モデルによれば、第1ローラー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第1ローラー14を押し下げる動作についても、図6において、作用点C1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。
【0086】
この作用力Fにより、第1ロッド12(直線A1-C1)は、第1ロッド回転中心点A1を回転中心として、時計回りに回転する。この動きにより、作用点(ピン接合点)C1が、緩衝機構13(直線C1-B1)のピン軸接続部13t(図6には図示せず)に力を作用させ、ピストン13b(図6には図示せず)をシリンダー部13a(図6には図示せず)の内部へ押し込もうとする。これによりばね13f(図6には図示せず)が圧縮され、弾性反発力を発生する。
【0087】
このばね力は、直接作用点(ピン接合点)C1に加えられ、トングレールTが第1ローラー14又は第2ローラー15から受ける反力となる。この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、すなわち作用点(ピン接合点)C1において図6の上方へ向かい大きさがFの力である。
【0088】
また、作用点(ピン接合点)C1における第1ロッド12(直線A1-C1)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とする。そして、作用点(ピン接合点)C1における緩衝機構13の反力Sと、第1ロッド12(直線A1-C1)の回転方向の接線とが成す角をθ2とする。このように角θ1、θ2を定義すると、作用力Fによって第1ロッド12(直線A1-C1)を回転させる分力をF′とすれば、
F′=F×cosθ1 ……(1)
と表すことができる。
【0089】
また、緩衝機構の反力Sによって第1ロッド12(直線A1-C1)を回転させる分力をS′とすれば、
S′=S×cosθ2 ……(2)
と表すことができる。
【0090】
図6の状態では、第1ロッド回転中心点A1のまわりのモーメントは釣り合っているから、
F′×L1=S′×L1 ……(3)
と表すことができる。
【0091】
式(3)に式(1)、式(2)を代入して整理すれば、力Fは、
F=(cosθ2/cosθ1)×S ……(4)
と表すことができる。
【0092】
上式(4)の値{(cosθ2/cosθ1)×S}が、作用点C1の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。
【0093】
上記のような特性をグラフに示すと、図7における曲線92、93のようになる。横軸はローラーの高さを示しており、これは変位Xに相当する。また、縦軸はローラーの支持圧力を示しており、これは支持力Fに相当する。すなわち、曲線92の場合には、ローラーの高さが変化しても、ローラーの支持圧力はほぼ一定となる。また、曲線93の場合には、ローラーの高さの変化に伴い、ローラーの支持圧力は、緩やかな増加からほぼ一定となるか、又はほぼ一定から緩やかな減少となるように変化する。なお、図7における直線91は、従来の転てつ減摩器の特性を示しており、ローラー高さの変化に応じて一様に増加していく。
【0094】
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図8は、本発明の第2実施形態である転てつ減摩器の構成を示す正面図である。また、図9は、図8に示す転てつ減摩器の構成を示す上面図である。
【0095】
図8及び図9に示すように、この転てつ減摩器20は、きょう体21と、第1ロッド22と、緩衝機構23と、第1ローラー24と、第2ローラー25と、第2ロッド26と、第3ロッド27と、レール取付金具28を備えて構成されている。
【0096】
きょう体21は、図示のように、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材である。2個のきょう体21、21は、レール取付金具28により分岐器における固定位置である基本レールRに固定される。きょう体21には、固定軸21aと、固定軸21cが設けられている。
【0097】
レール取付金具28においては、金具本体28aが基本レールRの底部に取付ボルト28bによって固定され、この金具本体28aに、きょう体21が、調整ボルト28cを介して取り付けられている。調整ボルト28cを調整することにより、後述する第1ローラー24及び第2ローラー25の鉛直方向高さ位置を調整することができる。金具本体28aには、固定軸28dが設けられている。
【0098】
第1ロッド22は、図示のように、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられる。第1ロッド22の中間位置には、固定軸用孔22aが設けられている。この固定軸用孔22aには、固定軸21aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第1ロッド22は、きょう体21に回転可能な状態で取付けられる。
【0099】
また、第1ロッド22の一端(図8、9における左端)には、ピン軸22bが設けられている。このピン軸22bには、後述する緩衝機構23のピン軸接続部23tが取付けられる。
【0100】
また、第1ロッド22の一端(図8、9における右端)には、ローラー軸用孔22cが設けられている。このローラー軸用孔22cには、後述する第1ローラー24のローラー軸24aが取付けられる。
【0101】
第1ローラー24には、その中心にローラー軸24aが設けられている。このローラー軸24aは、ローラー軸用孔22cと後述するローラー軸用孔27aに挿通可能であり、これらのローラー軸用孔22c、27aにより第1ローラー24は回転可能な構成となっている。
【0102】
緩衝機構23の構成及び作用は、上述した緩衝機構13と同様である。緩衝機構23は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部23aと、ピストン部23bと、固定軸接続部23cと、ばね23fと、ピン軸接続部23tを有している。緩衝機構23のばね23fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、ピストン部23bの軸方向(長手方向)に圧縮されると反発力が作用するように構成されている。
【0103】
緩衝機構23において、シリンダー部23aは緩衝機構13のシリンダー部13aに、ピストン部23bは緩衝機構13のピストン部13bに、固定軸接続部23cは緩衝機構13の固定軸接続部13cに、ピン軸用孔23dは緩衝機構13のローラー軸用孔13dに、固定軸用孔23eは緩衝機構13の固定軸用孔13eに、ばね23fは緩衝機構13のばね13fに、ばねたわみ量調整ナット23i、23jは緩衝機構13のばねたわみ量調整ナット13i、13jに、ピン軸接続部23tは緩衝機構13のローラー軸接続部13tに、それぞれ相当する構成と作用を有している。
【0104】
ピストン部23bは、シリンダー部23aの内部に挿入され、シリンダー部23aの外部のばね23fにより弾性的に支持されるように構成されている。また、ピン軸接続部23tは、ピストン部23bとは反対側のシリンダー部23aの端部(図8における右端部)に固定されている。また、固定軸接続部23cは、シリンダー部23aとは反対側のピストン部23bの端部(図8における左端部)に固定されている。
【0105】
また、固定軸接続部23cには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近(図8における緩衝機構23の左端部付近)に、固定軸用孔23eが設けられている。この固定軸用孔23eは、固定軸21cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、緩衝機構23の一方の端部である固定軸用孔23eは、固定軸21cに回転可能な状態で取付けられる。
【0106】
また、ピン軸接続部23tには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近(図8における緩衝機構23の右端部付近)に、ピン軸用孔23dが設けられている。このピン軸用孔23dには、ピン軸22bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第1ロッド22のピン軸22bは、緩衝機構23の図8における右端部であるピン軸用孔23dとピン接合される。
【0107】
また、図8に示すように、シリンダー部23aは、筒状に形成されており、軸方向(長手方向)の両端(図8における左端及び右端)が開放された構成となっている。
【0108】
シリンダー部23aの外部には、シリンダー部23aを取り巻くようにしてばね23fが配置されている。ばね23fの一端は、シリンダー部23aに設けられた鍔状のばね押圧部23nによって押えられている。ばね23fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部23aの軸方向(長手方向)に反発力が作用するように構成されている。
【0109】
また、シリンダー部23aの左側の開口からは、ピストン部23bがシリンダー部23aの内部に挿入されている。ピストン部23bの挿入側の端部は、シリンダー部23aのシリンダー端部と係合し離脱しないように拡径されている。また、ピストン部23bには、円盤状のばね押圧部23gが取り付けられており、ばね23fの他端(図8における左端)は、このばね押圧部によって押えられている。
【0110】
また、ピストン部23bには、雄ネジ部(図示せず)が形成されている。また、ピストン部23bのばね押圧部の外側には、上記した雄ネジに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット23i、23jが嵌合されている。
【0111】
上記のような構成により、緩衝機構23の固定軸接続部23cは、固定軸21cにより回転可能な状態で軸支されており、固定軸21cのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束されている。このため、ピストン部23bがシリンダー部23aの内方へ押し込まれると、ばね23fが圧縮され、ばねのたわみ量(縮み量)に応じた反発力がシリンダー部23aの軸方向(長手方向)に発生する。この反発力は、ピストン部23bと固定軸21cの両方に等しい値で伝達される。
【0112】
また、この緩衝機構23には、ばねたわみ量調整ナット23i、23jが設けられているので、これらのばねたわみ量調整ナット23i、23jを適宜量だけ回転させることにより、ばね23fのたわみ量をあらかじめ適宜の値にセットしておくことができる。したがって、ばね23fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能となる。
【0113】
また、ばねたわみ量調整ナット23i、23jをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット23i、23jのシリンダー軸方向(長手方向)の位置を適宜設定することができる。これにより、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね23fからの圧力も可変調整可能であり、これに伴い第1ローラー24、第2ローラー25の支持圧力も可変調整可能となる。
【0114】
また、第2ロッド26は、図示のように、略直線状又は梁状若しくは棒状に形成された部材であり、2個用いられる。第2ロッド26の一端(図8における左端)には、固定軸用孔26aが設けられている。この固定軸用孔26aには、固定軸28dが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第2ロッド26は、金具本体28aに回転可能な状態で取付けられる。
【0115】
第2ロッド26の他端(図8における右端)には、ピン軸26bが設けられている。このピン軸26bは、後述する第3ロッド27のピン軸用孔27cに挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。
【0116】
また、第3ロッド27は、図示のように、略三角形状に形成された部材であり、2個用いられる。第3ロッド27の三角形の各頂点位置には、ローラー軸用孔27aと、ローラー軸用孔27bと、ピン軸用孔27cが設けられている。これらのうち、ローラー軸用孔27aには、第1ロッド22のローラー軸用孔22cと、第1ローラー24のローラー軸24aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。また、ローラー軸用孔27bには、後述する第2ローラー25のローラー軸25aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。また、ピン軸用孔27cには、第2ロッド26のピン軸26bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。
【0117】
これにより、第3ロッド27は、第2ロッド26に回転可能な状態で取付けられるとともに、第1ロッド22のローラー軸用孔22cに回転可能な状態で取付けられ、かつ、第2ローラー25のローラー軸25aに回転可能な状態で取付けられ、これらを連結している。また、第3ロッド27は、鉛直上下方向に移動可能な構成となっている。
【0118】
また、第2ローラー25には、その中心にローラー軸25aが設けられている。このローラー軸25aは、ローラー軸用孔27bに挿通可能であり、ローラー軸用孔27bにより第2ローラー25は回転可能な構成となっている。
【0119】
また、図8に示すように、第1ロッド22の左端の回転中心である固定軸21aの中心の水平方向位置は、第2ロッド26の左端の回転中心である固定軸28dの中心の水平方向位置と等しくなっている。また、第1ロッド22の左右の回転中心の間の距離(固定軸21aの中心とローラー軸24aの中心の間の距離)と、第2ロッド26の左右の回転中心の間の距離(固定軸28dの中心とピン軸26bの中心の間の距離)は、等しくなっている。
【0120】
また、固定軸21aの中心と固定軸28dの中心の間の鉛直方向距離と、第3ロッド27におけるローラー軸用孔27aの中心とピン軸用孔27cの中心の間の鉛直方向距離は、等しくなっている。また、第1ロッド22と第2ロッド26は、ほぼ平行となるように配置されている。また、第1ローラー24と第2ローラー25は、第3ロッド27の上部に、ほぼ水平となるように配置されている。
【0121】
次に、上記した第2実施形態の転てつ減摩器20の作用について、図8を参照しつつ説明を行う。
【0122】
まず、図8においてTで示すように、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っている。この場合には、第1ローラー24の上部、及び第2ローラー25の上部は、床板Pの上面よりも高くなるように設定されている。
【0123】
次に、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図の右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレールTの底部が第1ローラー24の上に乗り移る。
【0124】
次に、トングレールTの底部は、第1ローラー24上を転動する。この際、トングレールTの底部は、第1ローラー24を押し下げる。
【0125】
この押し下げ力は、ローラー軸24aから緩衝機構23へ伝達される。この場合、ローラー軸24aの中心を作用点とすると、第2実施形態の転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0126】
次に、図8においてT´で示すように、トングレールT´の底部は、ある位置から以降は、第2ローラー25の上に乗り移る。その後は、トングレールT´の底部は、第2ローラー25上を転動する。この際、トングレールT´の底部は、第2ローラー25を押し下げる。
【0127】
この場合、第1ローラー24と第2ローラー25は、同一高さで垂直移動する。この際、第2ローラー25への押し下げ力は、ローラー軸25aから第3ロッド27に伝達され、ローラー軸24aを押し下げ、ローラー軸24aから緩衝機構23へ伝達される。この場合、ローラー軸24aの中心を作用点とすると、第2実施形態の転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0128】
すなわち、第2実施形態の転てつ減摩器20の場合も、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大きく変化することはないため、従来のような煩雑なローラー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減される、という利点がある。
【0129】
次に、上記した第2実施形態の転てつ減摩器20の原理について説明を行う。図10は、図8、図9に示す転てつ減摩器の第2の原理モデルを説明する図である。
【0130】
図10において、点D2と点C2を結ぶ直線D2-C2は、第1ロッド22を示している。点A2は、固定軸21aの中心点(以下、「固定軸中心点」という。)を示している。また、点D2は、ローラー軸24aの中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。Fは、作用点D2に作用する作用力、すなわちトングレールTの底部がローラー24を押し下げようとする力である。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。Xは、図10の水平な鎖線から作用点D2までの垂直方向の距離である。したがって、作用点D2が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していく。
【0131】
また、L1は、第1ロッド22において、ピン軸22bの中心と固定軸用孔22aの中心との間の長さを示している。また、L3は、第1ロッド22において、固定軸用孔22aの中心とローラー軸用孔22cの中心の間の長さを示している。点C2は、ピン軸22bの中心点、すなわち第1ロッド22と緩衝機構23のピン接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)を示している。Sは、ピン接合点C2が緩衝機構23のばね23fから受けるばね圧力(反力)である。
【0132】
また、点C2と点B2を結ぶ直線は、緩衝機構23を示している。点B2は、固定軸21cの中心点、すなわち緩衝機構23の回転の中心点を示している。また、L2は、緩衝機構23のピン接合点(作用点)C2と、固定軸21cの中心点との間の距離を示している。また、L。は、固定軸21aの中心点A2と固定軸21cの中心点B2との間の距離を示している。
【0133】
すなわち、図10のモデルは、第1ロッド22(直線D2-C2)と緩衝機構23(直線C2-B2)のピン接合点C2を作用力の作用点とするモデルである。
【0134】
上記のような原理モデルによれば、第1ローラー24上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部がローラー24を押し下げる動作は、図10において、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。
【0135】
また、第2ローラー25上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部が第2ローラー25を押し下げる動作は、ローラー軸25aから第3ロッド27に伝達され、ローラー軸24aを押し下げる動作に等しい。このローラー軸24aを押し下げる動作は、図10において、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。
【0136】
この作用力Fにより、第1ロッド22を示す直線D2-A2-C2は、固定軸中心点A2を回転中心として、時計回りに回転する。この動きにより、ピン接合点C2が、緩衝機構23(直線C2-B2)のピン軸接続部23t(図10には図示せず)に力を作用させ、ピストン23b(図10には図示せず)をシリンダー部23a(図10には図示せず)の内部へ押し込もうとする。これによりばね23f(図10には図示せず)が反発力を発生する。
【0137】
このばね力は、第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を経て作用点D2に伝達され、トングレールTが第1ローラー24又は第2ローラー25から受ける反力となる。この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、すなわち作用点D2において図10の上方へ向かい大きさがFの力である。
【0138】
また、作用点D2における第1ロッド22(直線D2-A2-C2)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とする。そして、ピン接合点C2における緩衝機構23の反力Sと、第1ロッド22(直線D2-A2-C2)の回転方向の接線とが成す角をθ2とする。このように角θ1、θ2を定義すると、作用力Fによって第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を回転させる分力をF′とすれば、
F′=F×cosθ1 ……(5)
と表すことができる。
【0139】
また、緩衝機構の反力Sによって第1ロッド22(直線D2-A2-C2)を回転させる分力をS′とすれば、
S′=S×cosθ2 ……(6)
と表すことができる。
【0140】
図10の状態では、クランク軸A2のまわりのモーメントは釣り合っているから、
F′×L3=S′×L1 ……(7)
と表すことができる。
【0141】
式(7)に式(5)、式(6)を代入して整理すれば、力Fは、
F=(L1/L3)×(cosθ2/cosθ1)×S ……(8)
と表すことができる。
【0142】
上式(8)のうち、{(cosθ2/cosθ1)×S}の値が、作用点D2の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。
【0143】
この第2実施形態の場合も、上記した図7の特性と同様の特性が得られる。
【0144】
なお、上記した各実施形態においては、作用点の変位の範囲は、少なくとも2つの固定軸を結ぶ直線の近傍に作用点が接近しない範囲内に設定する必要がある。このため、公知の拘束部材や規制機構等が採用可能である。
【0145】
また、(cosθ2/cosθ1)の値は、0.3~3.0程度の範囲であれば、実用上、作用点での反力を、作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。このため、ばねたわみ量調整ナット13i、13j、23i、23j等を用いて、作用点の動きを上記の条件を満足するように拘束する構成としておけばよい。
【0146】
上記した第1実施形態において、固定軸11a及び11cと、第1ロッド12と、緩衝機構13からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、第2実施形態において、固定軸21a及び21cと、第1ロッド22と、緩衝機構23からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。
【0147】
また、上記した第1実施形態において、第1ローラー14と、第2ローラー15と、第2ロッド16と、第3ロッド17からなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、第2実施形態において、第1ローラー24と、第2ローラー25と、第2ロッド26と、第3ロッド27からなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、上記各実施形態において、トングレールTは、可動レールに相当している。
【0148】
以上説明したように、上記各実施形態に例示を行った本発明の微少変位定圧機構によれば、作用点での反力を、前記作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させるようにしたので、反力をほぼ一定にする必要がある機器や装置に好適である、という利点がある。
【0149】
また、さらに、上記の微少変位定圧機構を転てつ減摩器に組込んだ場合には、可動レールを乗せる可動レール転動支持機構をほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する圧力で支持するように構成し、支持圧力を可変としておけば、支持圧力の調整によって可動レール転動支持機構(例えばローラー)が転動するようになったときが支持圧力の適正値であり、可動レールの押しつけ力と可動レール転動支持機構の支持圧力のバランスのとれた位置が可動レール転動支持機構の高さの適正位置となる。
【0150】
すなわち、可動レール転動支持機構の高さの適正位置を求めるために微少変位の調整を感覚的に繰り返す必要がなく、支持圧力の調整と可動レール転動支持機構による転動を目で確認するだけで済む。そのときの、減摩効果は、従来の転てつ減摩器でローラー高さの適正な設定を行ったときに匹敵し、それよりも多少高めに設定したとしても、その支持圧力がほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるような変化であるので、減摩効果への影響は無視できる。
【0151】
したがって、調整に手間がかからず、調整後に可動レールの高さが多少変化しても、安定した減摩効果を発揮する転てつ減摩器を提供することができる。
【0152】
上記各実施形態に例示を行った本発明の転てつ減摩器によれば、転てつ減摩器を取付ける際に転てつ減摩器の可動レール転動支持機構(例えばローラー)の高さを可動レール底部より人間の感覚で高くなっていると感じる程度に設定しておくと、可動レールの押しつけ力と転てつ減摩器の可動レール転動支持機構の支持圧力とのバランスがとれた位置に可動レール転動支持機構の高さが自動的に治り、可動レール転動支持機構が転動するようであればその圧力でよく、可動レール転動支持機構が転動しなければ、圧力調整によって支持圧力を上げればよく、微少変位に合わせるような手間のかかる微調整は不要となる。
【0153】
この支持圧力は、可動レールの種類や取付ける位置によって異なるが、転てつ減摩器を取付けられる位置はほぼ決まっているのであらかじめ標準的な圧力に設定することは可能であり、そのようにすればほぼ無調整で適度な減摩効果を得ることができる。
【0154】
なお、可動レール転動支持機構には、可動レールからの押しつけ力と転てつ減摩器の緩衝機構からの支持圧力が加わることとなるが、床板による摺動摩擦よりも一段と小さなローラー等による転動摩擦にすることで、十分な減摩効果が得られる。
【0155】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0156】
例えば、上記各実施形態においては、緩衝機構(例えば13)として、圧縮ばね(例えば13f)を用いたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の緩衝機構、例えば、油圧、空圧、磁石等を利用した緩衝機構であってもよい。
【0157】
また、微少変位定圧機構の場合は、圧縮により反発力を発生する緩衝機構には限定されず、引張により力を発生するような緩衝機構、例えば引張ばねを用いた緩衝機構などであってもよい。このことは、図6、図10の原理図において、作用力Fを図示とは逆の方向に作用させ、引張により力を発生するような緩衝機構を図のL2の部分に配置した場合にも、作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化することから明らかである。
【0158】
また、ばねを用いる緩衝機構の場合、図3に示した構成には限定されず、他の公知のばねの使用形態を利用した構成、例えば固定軸(例えば11a)の側をピストンとする構成、あるいはシリンダーの外部にばねを配置するのではなく、シリンダーの内部にばねを配置する構成等のほか種々の形態が適用可能である。
【0159】
また、ばねを用いる緩衝機構の場合、ばね13fのたわみ量をあらかじめセットしておくための機構についても、図3に示した構成には限定されず、他の公知の拘束機構、規制部材等が適用可能である。また、ばねたわみ量調整部材を固定する機構についても、ボルトとボルト孔以外に、他の公知の固定機構が適用可能である。
【0160】
また、ローラーの個数は、3個以上を適宜の機構で組み合わせてもよい。
【0161】
また、第2実施形態に示す構成の第1ロッド22のほか、他の構成であってもよく、ロッド(図8における22aと22bの間の部分)と軸対象方向又は任意の角度を持ってさらにロッド(図8における22aと22bの間の部分)を延長した端部に可動レール転動支持機構を取り付けるように構成してもよい。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転てつ減摩器によれば、作用点での反力を、作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機構を備え、可動レール転動支持機構は、可動レールが転換する際に可動レールを転動させる複数のローラーを内蔵し、複数のローラーが微小変位定圧機構の動作で上下変位した際に複数のローラーが同一高さで垂直移動するようにしたので、可動レールの底部幅が狭い場合においても、転換終了時点まで常に安定した減摩効果が得られる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である転てつ減摩器の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す転てつ減摩器の構成を示す上面図である。
【図3】図1、図2に示す転てつ減摩器に用いる緩衝機構のさらに詳細な構成を示す図である。
【図4】図1、図2に示す転てつ減摩器の作用を示す第1の図である。
【図5】図1、図2に示す転てつ減摩器の作用を示す第2の図である。
【図6】図1、図2に示す転てつ減摩器の第1の原理モデルを説明する図である
【図7】図1、図2に示す転てつ減摩器におけるローラーの高さとローラーの支持圧力との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態である転てつ減摩器の構成を示す正面図である。
【図9】図8に示す転てつ減摩器の構成を示す上面図である。
【図10】図8、図9に示す転てつ減摩器の第2の原理モデルを説明する図である
【図11】従来の分岐器の構成を示す上面図である。
【図12】従来の転てつ減摩器の一例の構成を示す正面図である。
【図13】従来の転てつ減摩器の他の例の構成を示す正面図である。
【図14】図13に示す転てつ減摩器の構成を示す上面図である。
【符号の説明】
10 転てつ減摩器
11 きょう体
11a~11c 固定軸
12 第1ロッド
12a 固定軸用孔
12b ローラー軸用孔
13 緩衝機構
13a シリンダー部
13b ピストン部
13c 固定軸接続部
13d ローラー軸用孔
13e 固定軸用孔
13f ばね
13g ばね押圧部
13i、13j ばねたわみ量調整ナット
13n ばね押圧部
13p シリンダー端部
13r ピストン端部
13s 雄ネジ部
13t ローラー軸接続部
14 第1ローラー
14a ローラー軸
15 第2ローラー
15a ローラー軸
16 第2ロッド
16a 固定軸用孔
16b ピン軸
17 第3ロッド
17a、17b ローラー軸用孔
17c ピン軸用孔
18 レール取付金具
18a 金具本体
18b 取付ボルト
18c 調整ボルト
19 まくらぎ取付金具
19a 鋼材
19b 金具
19c 取付ボルト
20 転てつ減摩器
21 きょう体
21a、21c 固定軸
22 第1ロッド
22a 固定軸用孔
22b ピン軸
22c ローラー軸用孔
23 緩衝機構
23a シリンダー部
23b ピストン部
23c 固定軸接続部
23d ピン軸用孔
23e 固定軸用孔
23f ばね
23g ばね押圧部
23i、23j ばねたわみ量調整ナット
23n ばね押圧部
23t ピン軸接続部
24 第1ローラー
24a ローラー軸
25 第2ローラー
25a ローラー軸
26 第2ロッド
26a 固定軸用孔
26b ピン軸
27 第3ロッド
27a、27b ローラー軸用孔
27c ピン軸用孔
28 レール取付金具
28a 金具本体
28b 取付ボルト
28c 調整ボルト
28d 固定軸
100 分岐器
101 電気転てつ機
102 動作かん
103a~103f リンク部材
104 エスケープクランク
105 駆動部材
106 エスケープクランク
107 駆動部材
108 伝動部
109、110 転てつ棒
201~204 転てつ減摩器
210 本体
210a 軸
211 ローラー支持金具
211a 軸
211b 後端
212 ローラー
213 ボルト
214 ナット
215 ばね緩衝器
216 ボルト
217 ナット
300 転てつ減摩器
301 きょう体
301a 固定軸
301b 固定軸
302 ロッド
302a 固定軸用孔
302b ローラー軸用孔
303 緩衝機構
303b ピストン部
303c 固定軸接続部
303d ローラー軸用孔
303e 固定軸用孔
303f ばね
303t ローラー軸接続部
304 ローラー
304a ローラー軸
311 レール取付金具
312 まくらぎ取付金具
L1 ストローク
L2 レール転換距離
P 床板
R、R1、R2 基本レール
S まくらぎ
T、T′、T1、T2 トングレール
δ ばね圧縮量
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13