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明細書 :放射線到達位置検出方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4217788号 (P4217788)
公開番号 特開2007-024584 (P2007-024584A)
登録日 平成20年11月21日(2008.11.21)
発行日 平成21年2月4日(2009.2.4)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
発明の名称または考案の名称 放射線到達位置検出方法及び装置
国際特許分類 G01T   1/20        (2006.01)
FI G01T 1/20 C
G01T 1/20 B
G01T 1/20 G
請求項の数または発明の数 6
全頁数 7
出願番号 特願2005-204589 (P2005-204589)
出願日 平成17年7月13日(2005.7.13)
審査請求日 平成17年7月13日(2005.7.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504151365
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
発明者または考案者 【氏名】上原 貞治
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100101096、【弁理士】、【氏名又は名称】徳永 博
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
審査官 【審査官】木下 忠
参考文献・文献 特開平08-248139(JP,A)
特開昭61-226677(JP,A)
特開平05-011060(JP,A)
特開昭64-039576(JP,A)
調査した分野 G01T1/00-7/12
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
シンチレータを含有する発光部Hとレンズ部Lとを有し、該レンズ部は一方側にレンズ面を形成し、該発光部Hと該レンズ部Lのレンズ面の反対側との間にくびれ部Rを形成し、該発光部Hの中心軸とレンズ部Lの光軸が平行になるように放射装置を構成するとともに、該放射装置の複数個をレンズ面が平面上に並列するように配列したアレーを構成し、シンチレータの発光強度の空間分布をイメージとして測定することを特徴とする放射線到達位置検出方法。
【請求項2】
シンチレータを含有する発光部Hとレンズ部Lとを有し、該レンズ部は一方側にレンズ面を形成し、該発光部Hと該レンズ部Lのレンズ面の反対側との間にくびれ部Rを形成し、該発光部Hの中心軸とレンズ部Lの光軸が平行になるように放射装置を構成するとともに、該放射装置の複数個をレンズ面が平面上に並列するように配列したアレーを構成し、シンチレータの発光強度の空間分布をイメージとして測定することを特徴とする放射線到達位置検出装置。
【請求項3】
該発光部Hと該レンズ部Lとの体積は、該発光部Hの体積をV とし、該レンズ部の体積をVとしたとき、V>Vの関係に構成することを特徴とする請求項2に記載の放射線到達位置検出装置。
【請求項4】
シンチレータにより発生する光を検出するための検出器を具えたことを特徴とする請求項2又は3記載の放射線到達位置検出装置。
【請求項5】
シンチレータにより発生する光を検出するための検出器を具えるとともに前記レンズ面に正対させて設けたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の放射線到達位置検出装置。
【請求項6】
シンチレータにより発生する光を検出するための検出器を具えるとともにミラーを設け、ミラーにより光路を変えて、検出器を該光路上に配設したことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の放射線到達位置検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線到達位置検出装置及びその応用分野に関する。
【背景技術】
【0002】
シンチレータを用いた何らかの構造体に放射線を照射し、その到達位置を直接的に測定するためには、ライトガイドや光ファイバーなど光を伝送するための構造を必要とする。また、カメラなどを使って撮像する方法も考えられる。
しかしながら、全体の構造が複雑になる。また、このために構造の各部分に用いられる材質の放射線耐性の検討が必要となる。放射線耐性に劣る部分があった場合、その部分のために使用中に性能が劣化することとなる。また、通常の撮像の場合、一般に集光率が極端に低くなる場合が多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような状況の中で、本発明者は、レンズ型シンチレータを提案したところである。 本発明に関連するレンズ型シンチレータは、シンチレータに代表される固体の発光物質を特殊な形状に加工することにより、内部で発生した光を、外部に平行に近い形で取り出すことができる。光が平行光となって空間を飛ぶので、光センサまで導く伝送体を基本的に必要としない。
柱状、あるいはその他の形状のシンチレータの一部に「くびれた部分」、「絞り部分」(以後、「くびれ部」という。)を設け、光を取り出すための端面を凸レンズ状に加工する。そして基本的には、物質中でのレンズの焦点が、くびれ部の箇所付近にするように構成する。
本発明の利点は、発光体のみを用いて外部に平行光が得られることであるであり、発光位置の情報を離れたところに伝送することができる。
そもそもこのレンズ型シンチレータの発明の動機は、加速器付近の放射線強度の空間分布の測定であった。そして複雑な構造体を用いずに放射線強度の空間分布の情報を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、シンチレータを含有する発光部Hとレンズ部Lとを有し、該レンズ部は一方側にレンズ面を形成し、該発光部Hと該レンズ部Lのレンズ面の反対側との間にくびれ部Rを形成し、該発光部Hの中心軸とレンズ部Lの光軸が平行になるように放射装置を構成するとともに、該放射装置の複数個をレンズ面が平面上に並列するように配列したアレーを構成し、シンチレータの発光強度の空間分布をイメージとして測定することを特徴とする放射線到達位置検出方法に係る。
さらに本発明は、シンチレータを含有する発光部Hとレンズ部Lとを有し、該レンズ部は一方側にレンズ面を形成し、該発光部Hと該レンズ部Lのレンズ面の反対側との間にくびれ部Rを形成し、該発光部Hの中心軸とレンズ部Lの光軸が平行になるように放射装置を構成するとともに、該放射装置の複数個をレンズ面が平面上に並列するように配列したアレーを構成し、シンチレータの発光強度の空間分布をイメージとして測定することを特徴とする放射線到達位置検出装置に係る。
本発明は、放射線到達位置検出装置において、該発光部Hと該レンズ部Lとの体積は、該発光部Hの体積をVとし、該レンズ部の体積をVとしたとき、V>Vの関係に構成することを特徴とする。
本発明は、放射線到達位置検出装置において、シンチレータにより発生する光を検出するための検出器を具えたことを特徴とする。
本発明は、放射線到達位置検出装置において、シンチレータにより発生する光を検出するための検出器を具えるとともに前記レンズ面に正対させて設けたことを特徴とする。
本発明は、放射線到達位置検出装置において、シンチレータにより発生する光を検出するための検出器を具えるとともにミラーを設け、ミラーにより光路を変えて、検出器を該光路上に配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
光伝送体となるもの構造体を特に必要としないので、放射線強度の大きいX線、ガンマ線、荷電粒子線のビームの形状測定などにおいて、放射線耐性についての考慮を最小限にできるなどの利点がある。光センサを離して配置出来て、基本的にはシンチレータ以外の物質を放射線にさらす必要はない。構造が簡単であり、必要に合わせて、任意の個数並べることができる。そして強放射線環境下において複雑な構造体を用いずに放射線の空間位置や空間分布を測定する際に応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に関連するレンズ型シンチレータは、シンチレータに代表される固体の発光物質を特殊な形状に加工することにより、内部で発生した光を、外部に平行に近い形で取り出すことができる。光が平行光となって空間を飛ぶので、光センサまで導く伝送体を基本的に必要としない。
柱状、あるいはその他の形状のシンチレータの一部に「くびれた部分」、「絞り部分」(以後、「くびれ部」という。)を設け、光を取り出すための端面を凸レンズ状に加工する。そして基本的には、物質中でのレンズの焦点が、くびれ部の箇所付近にするように構成する。
本発明の利点は、発光体のみを用いて外部に平行光が得られることであるであり、発光位置の情報を離れたところに伝送することができる。
【0007】
本発明の放射線到達位置検出装置に関連するシンチレータについて、先ず説明する。
柱状、或はその他の形状のシンチレータの一部にくびれ部を設け、光を取り出すための端面を凸レンズ状に加工する。基本的には、物質中でのレンズの焦点がくびれ部の箇所付近にするようにする。またくびれ部の直径は、レンズ部分の直径の30%程度以下であることが望ましい。
【0008】
図1に示されものは、BGO結晶シンチレータであって、(a)は、シンチレータの側面図、(b)は、シンチレータのくびれ部Rを破線で示してある背面図(レンズ面の正面図)である。シンチレータの発光部Hを円柱状に形成し、一端側にくびれ部Rを設け、レンズ部Lの光を取り出すための端面を凸レンズ状に加工する。
なお、図1で示すシンチレータは棒状のBGO結晶に加工を施して円柱状とし、その一部にくびれ部Rを設け、端面をレンズ状としたものである。発光部Hは放射線が入射すると発光して、その光の一部は発光部H内で反射して、くびれ部Rに向かって集光する。発光部Hの中心軸H-LAとレンズ部Lの光軸L-LAとは平行になっている。
また物質中でのレンズの焦点がくびれ部の箇所付近にするようにする。またくびれ部の直径は、レンズ部分の直径の30%程度以下であることが望ましい。
【0009】
レンズ面は、くびれ部Rの中心に焦点がくるように曲率を設計する。
【0010】
図2に示されものは、GSO結晶シンチレータであって、図1に示される結晶シンチレータの1.5倍のサイズを有している。
【0011】
図3に示されものは、プラスッチックシンチレータであって、レンズ部のレンズ面の反対側を段差付円錐状に形成している。
【0012】
くびれ部Rに対してレンズの反対側の形状は自由であるが、取り出す光の量を多くするためには、その体積を大きくとることによって発光量を大きくし、くびれ部に向かって傾斜を設けることにより、全反射を利用した集光をするとよい。また、この側面の部分からレンズ部分を経由せずに外に出た光がレンズ側に来ないように、側面を覆って遮光したり、くびれ部の部分の周囲に遮光板を設けることも有効である。
個々のレンズ型シンチレータからは平行光が得られるので、外部には、光の伝送、集光、結像などのための構造が基本的に不要である。
【0013】
以上は本発明者が提案したとおころの本発明の放射線到達位置検出装置の基本構成となるレンズ型放射装置について説明した。
本発明は、上記したような構成を具えたレンズ型放射装置の複数個を並列するように配列してアレーを構成し、離れた所から光センサを用いて光のパターンを測定するとともに到達位置を検出しようとするものである。
図4は、基本的原理説明図で、図4の左側よりビームなどの放射線が入射すると、シンチレータ1からシンチレーション光が平行光として、放射され、光センサ2が受光する。
【0014】
またレンズ型シンチレータのアレイのレンズ面に向かうように平面状の感度面を持つ光センサを離れたところに設置して、発光の空間分布は測定できるが、反射鏡のようなものを適宜用いて光の進行方向を変えることができる。
【0015】
図5は、高放射線環境で使用される到達検出装置を示し、ガンマー線が入射されると、シンチレーション光が平面鏡で反射されて、マルチアノード型光電子増倍管で検出しする。該マルチアノード型光電子増倍管にケーブル6を接続して、オシロスコープで観察することができる。
【0016】
図6は、16個の放射装置1を並列に配列したアレー10の斜視図を示す。
【0017】
図7は、(a)は、アレーの側面図、(b)は、正面図を示す。図7に示されるものは、16個の放射装置1を並列に配列したアレー10である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本検出装置を必要な場所に設置することによりして、X線、ガンマ線、高エネルギーの荷電粒子線などの貫通能力の比較的高い放射線ビームの形状の測定などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るBGO結晶シンチレータである放射装置。
【図2】本発明に係るGSO結晶シンチレータである放射装置。
【図3】本発明に係るプラスッチックシンチレータである放射装置。
【図4】本発明の放射線到達位置検出装置の基本原理説明図。
【図5】本発明の放射線到達位置検出装置。
【図6】放射装置1を並列に配列したアレー10の斜視図。
【図7】放射装置1を並列に配列したアレー10の側面図と正面図。
【符号の説明】
【0020】
1 放射装置
2 光センサ
3 ミラー
4 マルチアノード型光電子増倍管
5 オシロスコープ
6 ケーブル
10 シンチレータアレー
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6