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明細書 :鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3681096号 (P3681096)
公開番号 特開2000-258126 (P2000-258126A)
登録日 平成17年5月27日(2005.5.27)
発行日 平成17年8月10日(2005.8.10)
公開日 平成12年9月22日(2000.9.22)
発明の名称または考案の名称 鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置
国際特許分類 G01B 11/02      
B60M  1/28      
FI G01B 11/02 Z
B60M 1/28 R
請求項の数または発明の数 6
全頁数 7
出願番号 特願平11-062146 (P1999-062146)
出願日 平成11年3月9日(1999.3.9)
審査請求日 平成14年4月26日(2002.4.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】501284767
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール総研電気システム
発明者または考案者 【氏名】清水 政利
【氏名】大浦 泰
【氏名】西野 功
個別代理人の代理人 【識別番号】100078950、【弁理士】、【氏名又は名称】大塚 忠
審査官 【審査官】岡田 卓弥
参考文献・文献 特開平8-233515(JP,A)
調査した分野 G01B11/00-11/30
G01B21/00-21/32
B60M 1/28
特許請求の範囲 【請求項1】
両側レール上の所定位置に掛け渡すように載置される架台と、この架台上にレールと直交してレール面に平行に伸びるように設けられたスライドフレームと、このスライドフレーム上にその延長方向に摺動自在に設けられた測定器と、この測定器の摺動路に沿ってスライドフレーム上に設けられた偏位計測スケールとを具備し、
前記測定器は、真上に照射光軸を向け前記レールに沿って伸びる測定対象である架線への照射光とそれの反射光との位相差から前記架線までの距離を測定するレーザ距離センサと、このレーザ距離センサの光軸の位置を前記偏位計測スケール上の目盛に指示するために光軸の中心から偏位計測スケールへ平面上直交方向に伸びる直線上に配置された指針とを備え、
前記偏位計測スケールの目盛は、両側レール間の中央をゼロとしてその両側への偏位距離を示すように刻まれ、前記レーザ距離センサは、レール面から前記架線までの距離を演算して表示部に示すように設定され、
前記スライドフレーム上で前記測定器を摺動させ、前記架線にレーザ光のスポットを当てて停止した状態で前記指針の指示する目盛を読むと共に、前記レーザ距離センサの表示部に示される高さ値を読むように構成され、
前記測定器が、前記架線を照準線上に映して位置を定めるためのミラーをさらに具備し、このミラーは 前記レーザ距離センサの照射光スポットが前記架線に当たる位置において、真上から目視して前記架線を前記照準線に重ねて映すように配置されていることを特徴とする鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置
【請求項2】
前記測定器が、前記レーザ距離センサの照射光スポットが前記架線に当たる位置において、真上から目視して前記架線を照準線上に映すミラーと、このミラーの照準線の真上に尖端を配置した照星板とをさらに具備し、真上から目視して前記照星板の尖端を前記ミラーの照準線に重ね、かつ前記架線を照準線上に映したときにレーザ距離センサの照射光スポットが前記架線に当たるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置。
【請求項3】
前記ミラーが、前記レール面に平行で前記照準線に直交する軸周りに回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置。
【請求項4】
前記レーザ距離センサが、予め設定された前記架線の管理高さ範囲内にある物体に照射光が当たったときに鳴動する検知音発生装置を具備していることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置。
【請求項5】
前記架台が、一方のレールの側面に配置基準面を当接させて架台のレール上の所定の載置位置を定めるためのガイド片を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置。
【請求項6】
前記スライドフレームが、偏位測定範囲を拡張可能とするために、延長フレームを接続可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気鉄道の電力供給用に架設されている電車線路のトロリ線等のレール上の施設が、レールに対して垂直方向及び水平方向に適切な相対位置に配置されているかどうかを測定するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロリ線の架設高さ、偏位の測定は、高さ、偏位測定ゲージ棒を使用して実施されている。トロリ線の高さは、測定員が長さ2.5m、重さ10kgのゲージ棒を持ち運び、軌道上に立てて棒を伸ばし、約5mの高さにあるトロリ線にゲージ棒の先端の偏位測定ゲージを押し当て、棒の高さ目盛を読みとることにより測定される。トロリ線の偏位は、トロリ線の軌道中心からの水平方向のずれをいい、偏位測定ゲージとトロリ線とが接触している点のゲージ目盛を読みとることにより測定される。この測定方法は、ゲージ棒の高さ及び偏位の目盛を読み取るものであるため、正確さに欠ける難点があると共に、長大な偏位測定ゲージは取り扱いに不便である等の問題点がある。
また、レール面上から種々の上方施設までの距離をレーザ距離センサを用いて、非接触によりレール直角方向に連続して測定し、測定した高さ値の中から最小となる測定値を示した位置と軌道中心位置とにより偏位を求める方法が知られている(特開平6-281417号公報)。この方法は、レール上の複数の架線のうち、最小高さのものしか測定できないし、レーザ光の照射位置を目視確認することが困難であるため、測定対象物の確認が困難である等の問題点がある。また、この方法に用いる測定装置は比較的高価で、取り扱いも容易でない難点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、鉄道施設のトロリ線などの線条や金具の高さ、偏位をレーザ光により非接触で測定する装置であって、測定対象へのレーザ光照射を確実に目視確認でき、構造簡易で比較的安価に得られ、小型軽量で取り扱いが容易なものを提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、レールR上の所定位置に載置される架台2と、この架台2上にレールRと直交してレール面に平行に伸びるように設けられたスライドフレーム3と、このスライドフレーム3上に摺動自在に設けられた測定器4と、この測定器4の摺動路に沿ってスライドフレーム3上に設けられた偏位計測スケール10とを具備させて、鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置1を構成した。測定器4は、真上に照射光軸を向け測定対象への照射光とそれの反射光との位相差から測定対象までの距離を測定するレーザ距離センサとし、それの光軸の位置を偏位計測スケール10上の目盛に指示するために、測定器4に指針13を設ける。偏位計測スケール10の目盛は、両側レールR間の中央をゼロとしてその両側への偏位距離を示すように刻み、レーザ距離センサ12は、レール面から測定対象までの距離を演算して表示部に示すように設定する。スライドフレーム3上で測定器4を摺動させ、測定対象にレーザ光を当てて指針13の指示する目盛を読むと共に、レーザ距離センサ12の表示部に示される高さ値を読むようにした。
測定対象を、トロリ線T1のようなレールRに沿って伸びる架線とする場合、測定器4に、測定対象を照準線17上に映して位置を定めるためのミラー14をさらに具備させる。このミラー14は、レーザ距離センサ12の照射光が測定対象に当たる位置において、真上から目視して測定対象を照準線17上に映すように配置する。測定対象をミラー14の照準線17上に映しながら、容易に測定対象にレーザ光を当てることができる。
また、この場合、ミラー14に加え、ミラー14の照準線17の真上に尖端配置した照星板15をさらに測定器4に設ける。真上から目視して照星板15の尖端をミラー14の照準線17上に重ね、かつ測定対象を照準線上17に映したときに、レーザ距離センサ12の照射光が測定対象に当たるようにした。
さらに、ミラー14をレール面に平行で照準線17に直交する軸周りに回転自在にすれば、レーザ光スポットの確認が容易である。
また、予め設定された測定対象の管理高さ範囲内にある物体に照射光が当たったときに鳴動する検知音発生装置をレーザ距離センサ12に設けることにより、測定対象の確認を容易にした。
さらに、レールR上の所定の載置位置を定めるためのガイド片6を架台2に設け、それの配置基準面を一方のレールRの側面に当接させて配置を容易に定められるようにした。
さらに、偏位測定範囲をレールRの外側にも広げられるように、スライドフレーム)に延長フレーム18を接続可能にし、適用範囲を広げた。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明を適用した鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置の斜視図、図2は同装置の一部の平面図、図3は同装置の概略的正面図である。
【0006】
図において、1は高さ、偏位の測定装置、2は架台、3はスライドフレーム、4はレーザ距離センサを備えた測定器、Rはレール、T1はトロリ線である。架台2は、レールR上の所定位置に掛け渡すように載置される。この架台2上にスライドフレーム3が設けられ、その上に測定器4が摺動自在に設けられている。
【0007】
架台2は、両端下部に電気絶縁性の脚5を備え、その片側には、ガイド片6が設けられている。ガイド片6は、レールRの側面に配置基準面を当接させることによって、架台2のレールR上の載置位置を定めるためのものである。図2に示すように、架台2は、折り畳み自在の伸縮脚7、その両側の伸縮ポール8によって、スライドフレーム3をレール面と平行に支持している。測定装置1の搬送時には、伸縮脚7をたたみ、伸縮ポール8を縮小させてコンパクト化することができる。
【0008】
スライドフレーム3はレールRに直交して、レール面に平行に伸びている。スライドフレーム3の上面には、長手方向に平行一対のスライドガイド9が伸び、また上面縁部には、偏位計測スケール10が設けられている。偏位計測スケール10の目盛は、両側レール間の中央Oをゼロとして、その両側への偏位距離を示すように刻まれている。
【0009】
測定器4は、ベース11上に、レーザ距離センサ12、指針13、ミラー14,照星板15を備える。ベース11は、スライドフレーム3上のスライドガイド9に係合し、これに沿って摺動する。レーザ距離センサ12は、照射窓12aから真上に光軸を向けてレーザ光を照射する。そして、測定対象への照射光とそれの反射光との位相差から測定対象までの距離を測定し、測定結果を表示部に表示し、必要に応じて記憶、プリントするものとする。なお、レーザ距離センサ12は、レール面から測定対象までの距離を演算して表示部に示すように設定されており、また予め設定された測定対象の管理高さ範囲内にある物体に照射光が当たったときに鳴動する検知音発生装置を具備している。指針13は、レーザ距離センサ12の光軸の位置を偏位計測スケール10上の目盛に指示するためのもので、光軸の中心から偏位計測スケール10へ平面上直交方向に伸びる直線上に配置される。ミラー14は、ベース11上に、それの摺動方向の軸16で回転自在に支持されている。ミラー14の上面には、レーザ光軸と指針13とを結ぶ平面的直線上に照準線17が表示されている。従って、測定者が測定器4を真上から見た状態で、測定対象であるトロリ線T1をミラー14の照準線17に重ねて映した位置において、レーザ距離センサ12の照射光スポットがトロリ線T1に当たっていることになる。真上からの目視を確実にするために、ミラー14の上方に位置して照星板15が設けられている。照星板15は、ミラー14の照準線17の真上に尖端を配置している。
【0010】
18は延長フレームであり、渡り線T2のような、レールRの外側の線条の高さL2、偏位D2を位置を測定するときに、スライドフレーム3の一端に接続可能に構成されている。
【0011】
この測定装置1を用いてレール上のトロリ線T1の高さL1と偏位D1を測定する場合には、まず一方のレールRの内側面に架台2のガイド片6を当接させて測定装置1をレールR上に設置する。次いで、照星板15の尖端をミラー14の照準線17に重ねて目視する状態を維持しつつ、測定器4をスライドフレーム3上で摺動させ、トロリ線T1をミラー14の照準線17に重ねて映す位置に持ち来す。この状態で、レーザ距離センサ12の照射光スポットが、トロリ線T1に当たり、検知音発生装置の測定対象検知音が鳴る。さらに照射光スポットを目視確認するために、ミラー14を回転させて、トロリ線T1上のスポットを探す。目視確認したら、レーザ距離センサ12の表示部に示されるトロリ線T1のレールR上の高さL1を読み所要の記録を行う。さらに、指針13が指示する偏位計測スケール10上の目盛を読んで所要の記録を行う。なお、測定対象はトロリ線T1,渡り線T2に限らず、鉄道線路上施設の全てが対象となりうる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、スライドフレーム3上で測定器4を摺動させ、トロリ線T1のような測定対象にレーザ距離センサ12のレーザ光を当て、それの表示する数値を読み、また指針13の指示する偏位計測スケール10上の目盛を読むことにより簡単かつ正確に、線路上の測定対象の高さと偏位を測定することができる。装置は小型、軽量で取り扱いも容易である。
測定対象を、レールに沿って伸びるトロリ線T1のような架線とする場合、測定器4に、測定対象を照準線17上に映して位置を定めるためのミラー14をさらに具備させる。このミラー14は、レーザ距離センサ12の照射光スポットが測定対象に当たる位置において、真上から目視して測定対象を照準線17上に映すように配置する。測定対象をミラー14の照準線17上に映しながら、容易に測定対象にレーザ光を当てることができる。
ミラー14に加え、照星板15を測定器4に設ける場合には、真上から正確にミラー14、それに映る測定対象を目視して測定作業を容易に行うことができる。
さらに、ミラー14をレール面に平行で照準線17に直交する軸周りに回転自在にすれば、レーザ光スポットの確認が容易である。
また、予め設定された測定対象の管理高さ範囲内にある物体に照射光が当たったときに鳴動する検知音発生装置をレーザ距離センサに付設すれば、測定対象の確認が一層容易になる。
さらに、レールR上の載置位置を定めるためのガイド片6を架台2に設ければ、それの配置基準面を一方のレールRの側面に当接させて配置を容易に定められる。
さらに、スライドフレーム3に延長フレーム18を接続可能にすれば、偏位測定範囲をレールRの外側にも広げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置の斜視図である。
【図2】本発明を適用した鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置の一部の平面図である。
【図3】本発明を適用した鉄道線路上施設の高さ、偏位測定装置の概略的正面図である。
【符号の説明】
1 高さ、偏位測定装置
2 架台
3 スライドフレーム
4 測定器
6 ガイド片
10 偏位計測スケール
12 レーザ距離センサ
13 指針
14 ミラー
15 照星板
17 照準線
18 延長フレーム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2