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明細書 :転てつ装置の取付装置及びその方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4091719号 (P4091719)
公開番号 特開2001-081703 (P2001-081703A)
登録日 平成20年3月7日(2008.3.7)
発行日 平成20年5月28日(2008.5.28)
公開日 平成13年3月27日(2001.3.27)
発明の名称または考案の名称 転てつ装置の取付装置及びその方法
国際特許分類 E01B   7/00        (2006.01)
B61L   5/10        (2006.01)
FI E01B 7/00
B61L 5/10 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 13
出願番号 特願平11-259794 (P1999-259794)
出願日 平成11年9月14日(1999.9.14)
審査請求日 平成18年1月24日(2006.1.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100083839、【弁理士】、【氏名又は名称】石川 泰男
審査官 【審査官】西田 秀彦
参考文献・文献 実開平03-021401(JP,U)
調査した分野 E01B 7/00
B61L 5/10
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄道における分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類等の転てつ装置を取り付ける装置において、転てつ機やクランク類等のきょう体の側面と上部斜面を押さえるような構造の固定金具と、固定部と前記きょう体の間に挿入され前記きょう体を挟んで対向する方向に前記きょう体の側面に沿ってスライドさせることで前記きょう体を前記固定金具側へ押し付けるようにした構造を有し前記きょう体の側部を押さえるような面を持つ調整金具の組を少なくともお互いに直交する方向に1組以上ずつ配置して前記転てつ装置のきょう体を取り付けることを特徴とする転てつ装置の取付装置。
【請求項2】
請求項1記載の転てつ装置の取付装置において、前記調整金具は第1調整金具と第2調整金具とを含み、前記転てつ装置は敷板を有し、前記きょう体を前記固定金具側へ押し付ける位置の反対側の位置に第1調整金具を設け、第2調整金具を用いて前記第1調整金具の背面に沿ってスライドさせることで、前記第1調整金具の背部を押さえるようにしたことを特徴とする転てつ装置の取付装置。
【請求項3】
請求項2記載の転てつ装置の取付装置において、前記第2調整金具が前記第1調整金具を押さえる部分は、所定の傾斜角度を有することを特徴とする転てつ装置の取付装置。
【請求項4】
請求項1記載の転てつ装置の取付装置において、前記固定部の上部は前記調整金具へ向かって水平方向に突出し、前記調整金具の下部は前記固定部へ向けて水平方向に突出することを特徴とする転てつ装置の取付装置。
【請求項5】
鉄道における分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類等の転てつ装置を取り付ける方法において、転てつ機やクランク類等のきょう体の側面と上部斜面を押さえるような構造の固定金具と、固定部と前記きょう体の間に挿入され前記きょう体を挟んで対向する方向に前記きょう体の側面に沿ってスライドさせることで前記きょう体を前記固定金具側へ押し付けるようにした構造を有し前記きょう体の側部を押さえるような面を持つ調整金具の組を少なくともお互いに直交する方向に1組以上ずつ配置して前記転てつ装置のきょう体を取り付けることを特徴とする転てつ装置の取付方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道における分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類等の転てつ装置のきょう体を取り付けるための取付装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道において、鉄道車両の進路を一つの線路(以下、「本線」という。)から他の線路(以下、「分岐線」という。)へ移す分岐を行わせるために分岐器が用いられている。この分岐器は、一般に、図5に示すような構成を有している。図5に示す分岐器100は、基本レールR1、R2と、分岐線側へのトングレールT1、T2と、電気転てつ機101と、伝動部108を備えている。
【0003】
基本レールR1、R2に密着するトングレールT1、T2の先端部は、舌状に形成されている。また、伝動部108は、動作かん102と、リンク部材103a、103b、103c、103d、103e及び103fと、エスケープクランク104及び106と、スイッチアジャスタ105及び107と、転てつ棒109、110を有している。また、スイッチアジャスタ105、107は、転てつ棒109、110を介してトングレールT1、T2に取り付けられている。
【0004】
また、電気転てつ機101は、内部に電動モータ(図示せず)を駆動力とする変換機構(図示せず)を有しており、電動モータの回転駆動力が直線方向の駆動力に変換され、動作かん102が図5の右側方向又は左側方向へ駆動される。この動作かん102の動きは、伝動部108によりスイッチアジャスタ105、107に伝えられ、転てつ棒109、110を介してトングレールT1、T2を動かす。
【0005】
例えば、動作かん102が図5における右側方向に移動した場合には、スイッチアジャスタ105、107が例えば図5における下方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端(図5における左端)が基本レールR2に密着し、かつトングレールT1の先端(図5における左端)が基本レールR1から離れる。また、動作かん102が図5における左側方向に移動した場合には、スイッチアジャスタ105、107が例えば図5における上方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端が本線側のレールR2から離れ、かつトングレールT1の先端が基本レールR1に密着する。
【0006】
上記のような動作により、分岐器100は、進路を本線側又は分岐線側に切り換えるトングレール転換動作を行うことができる。この場合、トングレールが本線側レールに密着する位置のうちの一方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1から離れトングレールT2の先端が基本レールR2に密着する位置を「定位」といい、他方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1に密着しトングレールT2の先端が基本レールR2から離れる位置を「反位」という。これらは、列車運行上の取決めであり、これらの逆の位置を定位又は反位としてもよい。
【0007】
上記した分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類は、図6に示す取付方法によって取り付けられている。図6は、従来の分岐器におけるエスケープクランクの構成を示す図であり、図6(A)は上面図を、図6(B)は側面図を、それぞれ示している。図6に示すように、エスケープクランク104は、図6に示すように、まくらぎ121、122の上に敷板122を載置し、きょう体104aのボルト取付穴141を元にして敷板122及びまくらぎ122にボルト取付穴を開け、取付ボルト123´を挿通し座金125´及びナット124´等で締結することにより、きょう体104bを敷板126を介してまくらぎ122に取り付けていた。
【0008】
しかし、分岐器のまくらぎ取付位置は、施工時には設計図の寸法通りに位置決めされて施工することは非常に困難である。このため、転てつ機やクランク類をまくらぎ等に取り付けるためのボルト取付穴を予めまくらぎ等に正確に開けることはできない。したがって、従来は、きょう体を取り付ける位置のまくらぎの上に敷板を敷き、転てつ機やクランク類を仮置きし、ボルト取付穴の位置を決め、敷板とまくらぎにボルト取付穴を開けなければならなかった。しかも、少なくとも4個以上の複数のボルト取付穴をまくらぎ等に開けてすべてのボルト取付穴に取付ボルトを通すためには、ボルト取付穴の直径を取付ボルトの直径に対して十分な余裕を持たせる必要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、取付ボルトとナット等できょう体を十分に締結しても、きょう体が横方向(水平方向)からの大きな力を受けると、きょう体をまくらぎに維持する力(水平方向成分)は、きょう体と敷板等との間の摩擦係数に依存するため、取付ボルトの締め付け力の数十分の1に激減してしまう。
【0010】
しかも、ボルト取付穴の直径が取付ボルトの直径に対して十分な余裕を持つ値に設定されている(ボルト取付穴の直径は取付ボルトの直径に余裕値を加えた値となっている)ため、取付ボルトは、微小移動が可能である。これが原因となり、例えばきょう体が横方向からの力を受けると、クランク類が微小回転したり、電気転てつ機の位置が微妙に位置ずれを起こす場合があった。このような微小回転や位置ずれが生じると、取付ボルトのナットが弛緩したり、分岐器のトングレールの接着状態が悪くなり、トングレールの先端位置が狂うことによって電気転てつ機がロック狂いを起こしやすくなる等の問題が発生していた。
【0011】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、位置ずれ等が起こりにくい転てつ装置の取付装置及びその方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る転てつ装置の取付装置は、鉄道における分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類等の転てつ装置を取り付ける装置において、転てつ機やクランク類等のきょう体の側面と上部斜面を押さえるような構造の固定金具と、固定部と前記きょう体の間に挿入され前記きょう体を挟んで対向する方向に前記きょう体の側面に沿ってスライドさせることで前記きょう体を前記固定金具側へ押し付けるようにした構造を有し前記きょう体の側部を押さえるような面を持つ調整金具の組を少なくともお互いに直交する方向に1組以上ずつ配置して前記転てつ装置のきょう体を取り付けることを特徴とする。
【0013】
上記の転てつ装置の取付装置において、好ましくは、前記調整金具は第1調整金具と第2調整金具とを含み、前記転てつ装置は敷板を有し、前記きょう体を前記固定金具側へ押し付ける位置の反対側の位置に前記調整金具と同様の構造の第1調整金具を設け、前記調整金具と略同様の構造の第2調整金具を用いて前記第1調整金具の背面に沿ってスライドさせることで、前記第1調整金具の背部を押さえるようにした。
【0014】
また、上記の転てつ装置の取付装置において、好ましくは、前記第2調整金具が前記第1調整金具を押さえる部分は、所定の傾斜角度を有する。
また、上記の転てつ装置の取付装置において、好ましくは、前記固定部の上部は前記調整金具へ向かって水平方向に突出し、前記調整金具の下部は前記固定部へ向けて水平方向に突出する。
【0015】
また、本発明に係る転てつ装置の取付方法は、鉄道における分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類等の転てつ装置を取り付ける方法において、転てつ機やクランク類等のきょう体の側面と上部斜面を押さえるような構造の固定金具と、固定部と前記きょう体の間に挿入され前記きょう体を挟んで対向する方向に前記きょう体の側面に沿ってスライドさせることで前記きょう体を前記固定金具側へ押し付けるようにした構造を有し前記きょう体の側部を押さえるような面を持つ調整金具の組を少なくともお互いに直交する方向に1組以上ずつ配置して前記転てつ装置のきょう体を取り付けることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図であり、図1(A)は上面図を、図1(B)は側面図を、それぞれ示している。
【0018】
図1に示すように、この取付装置10は、敷板16上に設けられ、固定金具11a及び11bと、調整金具12と、固定部13と、ボルト14と、バネ座金15と、調整金具12´と、固定部13´と、ボルト14と、バネ座金15を備えて構成されている。固定金具11aと調整金具12の組と、固定金具11bと調整金具12´の組は、互いに直交する2方向に配置されている。
【0019】
敷板16は、エスケープクランク104の近傍のまくらぎ121及び122にボルト等(図示せず)により固定される。あるいは、敷板16は、エスケープクランク104の近傍のレールR1に締結したロッド112、113に取り付けてもよい。
【0020】
固定金具11a及び11bは、敷板16上に固定された金具である。固定金具11a及び11bは、上部が水平方向に突出した逆L字状の構造となっており、垂直な内壁面と、この内壁面に接続する斜面状の庇面を有している。固定金具11a及び11bの垂直な内壁面は、エスケープクランクのきょう体104aの側面S1を押さえ、斜面状の庇面は、エスケープクランクのきょう体104aの上部斜面S2を押さえるような構造となっている。固定金具11及び11bは、敷板16上にボルト等(図示せず)により固定される。
【0021】
固定部13は、敷板16上に固定された突出部であり、エスケープクランクのきょう体104aを挟んで固定金具11a、11aとは反対側に配置されている。固定部13は、図1(A)における左側に、平面投影形状がテーパー状(傾斜状)となっている垂直な側壁面を有している(図1(A)参照)。このテーパーの方向は、エスケープクランクのきょう体104aの図1(A)における右側面の方向(図1(A)の上下方向)に沿っており、微小な角度だけ傾斜している。
【0022】
調整金具12は、敷板16とは別体の金具であり、固定金具11a、11aと組をなす金具である。調整金具12は、図1(A)における右側に、平面投影形状がテーパー状となっている垂直な側壁面を有しており、この右側壁のテーパーは、固定部13のテーパーと一致している。
【0023】
また、調整金具12の図1(A)における左側は、上部が水平方向に突出した逆L字状の構造となっており、垂直な内壁面と、この内壁面に接続する斜面状の庇面を有している。垂直な内壁面は、エスケープクランクのきょう体104aの側面S1を押さえ、斜面状の庇面は、エスケープクランクのきょう体104aの上部斜面S2を押さえるような構造となっている。
【0024】
調整金具12には、長穴12aが設けられており、長穴12aの長手方向は、調整金具12の右側壁のテーパーの方向と一致している。
【0025】
また、敷板16には、固定部13の図1(A)における左側にネジ穴16aが予め設けられている。
【0026】
一方、固定部13´は、敷板16上に固定された突出部であり、エスケープクランクのきょう体104aを挟んで固定金具11b、11bとは反対側に配置されている。固定部13´は、図1(A)における上側に、平面投影形状がテーパー状となっている垂直な側壁面を有している(図1(A)参照)。このテーパーの方向は、エスケープクランクのきょう体104aの図1(A)における下側面の方向(図1(A)の左右方向)に沿っており、微小な角度だけ傾斜している。
【0027】
調整金具12´は、敷板16とは別体の金具であり、固定金具11b、11bと組をなす金具である。調整金具12´は、図1(A)における下側に、平面投影形状がテーパー状となっている垂直な側壁面を有しており、この下側壁のテーパーは、固定部13´のテーパーと一致している。
【0028】
また、調整金具12´の図1(A)における上側は、上部及び下部が水平方向に突出したコ字状の構造となっている。一方、エスケープクランクのきょう体104aは、図1(A)における下側に、庇状の突出部131が図1(A)における左右方向に沿って設けられている。このため、調整金具12´のコ字状の部分がエスケープクランクのきょう体104aの突出部131を挟み込み押さ付けるような構造となっている。
【0029】
調整金具12´には、長穴12a´が設けられており、長穴12a´の長手方向は、調整金具12´の下側壁のテーパーの方向と一致している。
【0030】
また、敷板16には、固定部13´の図1(A)における上側にネジ穴16b予めが設けられている。
【0031】
次に、エスケープクランク104を転てつ装置の例として、敷板16に取り付ける場合の手順について説明する。
【0032】
最初に、直交する2方向の固定金具11a、11bの凹面にきょう体104aの側部を嵌め込む。これにより、固定金具11a及び11bの垂直な内壁面は、エスケープクランクのきょう体104aの側面S1を押さえ、斜面状の庇面は、エスケープクランクのきょう体104aの上部斜面S2を押さえ付ける。
【0033】
次に、固定部13ときょう体104aの間に調整金具12を挿入し、調整金具12を、きょう体104aの図1(A)における右側面に沿って、図1(A)における上方向にスライドさせる。このようにすると、固定金具11aと固定部13の2つの固定箇所の間で、きょう体104aと固定部13の間に調整金具12が押し込まれ、調整金具12がクサビの機能を果たし、きょう体104aを固定金具11a側へ押し付け、動かないように拘束することができる。
【0034】
この状態で、ボルト14をバネ座金15を介して長穴12aに挿入し、ネジ穴16aにねじ込むことにより、きょう体104aを敷板16に強固に固定することができる。
【0035】
この場合、調整金具12の図1(A)における左側の逆L字状の部分が、きょう体104aの側部(側面S1及び上部斜面S2)を確実に押さえ付けている。
【0036】
また、調整金具12の長穴12aにもテーパーが設けられているので、調整金具12のクサビ作用が弛緩することが防止されている。
【0037】
次に、上記と同様にして、固定部13´ときょう体104aの間に調整金具12´を挿入し、調整金具12´を、きょう体104aの図1(A)における右側面に沿って、図1(A)における左方向にスライドさせる。このようにすると、固定金具11bと固定部13´の2つの固定箇所の間で、きょう体104aと固定部13´の間に調整金具12´が押し込まれ、調整金具12´がクサビの機能を果たし、きょう体104aを固定金具11b側へ押し付け、動かないように拘束することができる。
【0038】
この状態で、ボルト14をバネ座金15を介して長穴12a´に挿入し、ネジ穴16bにねじ込むことにより、きょう体104aを敷板16に固定することができる。
【0039】
この場合、調整金具12´の図1(A)における上側のコ字状の部分が、きょう体104aの側部(突出部131)を確実に押さえ付けている。
【0040】
また、固定金具11aと調整金具12の組と、固定金具11bと調整金具12´の組は、互いに直交する方向に配置されており、きょう体104aに横方向(水平方向)のどの方向から力が作用してもクサビ作用が緩まないようになっている。
【0041】
また、固定金具11aと調整金具12の組と、固定金具11bと調整金具12´の組は、それぞれ少なくとも1組以上配置されればよい。また、1組の中での固定金具と調整金具の個数についても任意の個数であればよい。
【0042】
上記において、敷板16は、本発明の必須構成要素ではなく、設けなくてもよい。その場合には、エスケープクランク104の近傍のまくらぎ121、122上に固定金具11a、11b、及び固定部13及び13´を設ける。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図2は、本発明の他の実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図(1)であり、図2(A)は上面図を、図2(B)は側面図を、それぞれ示している。
【0044】
図2に示すように、この取付装置20は、敷板16上に設けられ、固定金具11a及び11bと、調整金具22と、固定部23と、ボルト14と、バネ座金15と、調整金具22´と、固定部23´と、ボルト14と、バネ座金15を備えて構成されている。固定金具11aと調整金具22の組と、固定金具11bと調整金具22´の組は、互いに直交する2方向に配置されている。
【0045】
図2に示す実施形態では、調整金具22と、固定部23と、調整金具22´と、固定部23´の構成が、図1の実施形態の場合と異なっている。異なっている点は、調整金具22と固定部23の間のテーパー(傾斜)面の傾斜方向と、調整金具22´と固定部23´の間のテーパー(傾斜)面の傾斜方向が図1の場合と逆になっている点であり、他の部分の構成は、図1の実施形態と同様である。
【0046】
このような構成により、図2の実施形態では、直交する2方向の固定金具11a、11bの凹面にきょう体104aの側部を嵌め込んだ後、固定部23ときょう体104aの間に調整金具22を挿入し、調整金具22を、きょう体104aの図2(A)における右側面に沿って、図2(A)における下方向にスライドさせると、固定金具11aと固定部23の2つの固定箇所の間で、きょう体104aと固定部23の間に調整金具22が押し込まれ、調整金具22がクサビの機能を果たし、きょう体104aを固定金具11a側へ押し付け、動かないように拘束する。
【0047】
また、図2の実施形態では、固定部23´ときょう体104aの間に調整金具22´を挿入し、調整金具22´を、きょう体104aの図2(A)における下側面に沿って、図2(A)における右方向にスライドさせると、固定金具11bと固定部23´の2つの固定箇所の間で、きょう体104aと固定部23´の間に調整金具22´が押し込まれ、調整金具22´がクサビの機能を果たし、きょう体104aを固定金具11b側へ押し付け、動かないように拘束する。
【0048】
次に、本発明のさらに他の実施形態について説明する。図3は、本発明の他の実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図(2)であり、図3(A)は上面図を、図3(B)は側面図を、それぞれ示している。
【0049】
図3に示すように、この取付装置30は、敷板16上に設けられ、固定金具11a及び11bと、調整金具32と、固定部33と、ボルト14と、バネ座金15と、調整金具32´と、固定部33´と、ボルト14と、バネ座金15を備えて構成されている。固定金具11aと調整金具32の組と、固定金具11bと調整金具32´の組は、互いに直交する2方向に配置されている。
【0050】
図3に示す実施形態では、調整金具32と、固定部33と、調整金具32´と、固定部33´の構成が、図2の実施形態の場合と異なっている。他の部分の構成は、図2の実施形態と同様である。以下に、異なっている構成について説明する。
【0051】
固定部33は、敷板16上に固定された突出部であり、エスケープクランクのきょう体104aを挟んで固定金具11a、11aとは反対側に配置されている。固定部33は、図3()における左側が、上部が水平方向に突出した逆L字状の構造となっており、垂直な上部側壁面と、上部側壁面に接続する水平面と、水平面に接続する垂直な下部側壁面を有している。垂直な上部側壁面と下部側壁面は、平面投影形状がテーパー状(傾斜状)となっている(図3(A)参照)。このテーパーの方向は、エスケープクランクのきょう体104aの図3(A)における右側面の方向(図3(A)の上下方向)に沿っており、微小な角度だけ傾斜している。このテーパーの方向は、図2の実施形態の場合と同様である。
【0052】
調整金具32は、敷板16とは別体の金具であり、固定金具11a、11aと組をなす金具である。調整金具32は、図3()における右側が、下部が水平方向に突出したL字状の構造となっており、垂直な上部側壁面と、上部側壁面に接続する水平面と、水平面に接続する垂直な下部側壁面を有している。垂直な上部側壁面と下部側壁面は、平面投影形状がテーパー状(傾斜状)となっている(図3(A)参照)。このテーパーは、固定部33のテーパーと一致している。また、調整金具32の図3(A)における左側は、図1の実施形態と同様の構成となっている。
【0053】
調整金具32には、長穴32aが設けられており、長穴32aの長手方向は、調整金具32の右側壁のテーパーの方向と一致している。
【0054】
固定部33´と調整金具32´についても同様な構成を有しているが、テーパーの方向はほぼ直交する方向となっている。
【0055】
このような構成により、図3の実施形態では、直交する2方向の固定金具11a、11bの凹面にきょう体104aの側部を嵌め込んだ後、固定部33ときょう体104aの間に調整金具32を挿入し、調整金具32を、きょう体104aの図3(A)における右側面に沿って、図3(A)における下方向にスライドさせると、固定金具11aと固定部33の2つの固定箇所の間で、きょう体104aと固定部33の間に調整金具32が押し込まれ、調整金具32がクサビの機能を果たし、きょう体104aを固定金具11a側へ押し付け、動かないように拘束する。また、この際、固定部33の上部の庇状の突出部が調整金具32を上方から押さえ付け、クサビの締め付け作用が緩むことを防止する。固定部33´と調整金具32´についても同様である。
【0056】
次に、本発明の上記以外の実施形態について説明する。図4は、本発明の他の実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図(3)である。
【0057】
図4(A)の上面図に示すように、この取付装置40は、敷板16上に設けられ、固定金具11a及び11bと、第1調整金具42と、第1固定部43と、ボルト14と、第2調整金具44と、第2固定部45と、ボルト14と、第1調整金具42´と、第1固定部43´と、ボルト14と、第2調整金具44´と、第2固定部45´と、ボルト14を備えて構成されている。また、上記各実施形態の場合と同様に、バネ座金(符号は省略)も設けられている。固定金具11aと第1調整金具42と第2調整金具44の組と、固定金具11bと第1調整金具42´と第2調整金具44´の組は、互いに直交する2方向に配置されている。
【0058】
図4(A)に示す実施形態では、第1調整金具42と第1固定部43の構成は、図1の実施形態における調整金具12と固定部13の場合と同様である。また、図4(A)の実施形態では、第1調整金具42´と第1固定部43´の構成は、図1の実施形態における調整金具12´と固定部13´の場合と同様である。異なる点は、新たな構成要素として、第2調整金具44、44´と、第2固定部45、45´を設けた点である。他の部分の構成は、図1の実施形態と同様である。以下に、異なっている構成について説明する。
【0059】
第2固定部45は、敷板16上に固定された突出部であり、第1調整金具42を押し込む方向(図4(A)における上方向)とは反対となる第1調整金具の側(図4(A)における下側)に配置されている。第2固定部45は、図4(A)における上側が、垂直な壁面となっており、平面投影形状がテーパー状(傾斜状)となっている(図4(A)参照)。このテーパーの方向は、第1調整金具43がエスケープクランクのきょう体104aを固定金具11aに押し付ける方向(図4(A)における左へ向かう方向)に沿っており、微小な角度だけ傾斜している。
【0060】
第2調整金具44は、敷板16とは別体の金具であり、固定金具11a、11aと組をなす金具である。第2調整金具44は、図4(A)における上側44bが、垂直な壁面となっており、平面投影形状が水平直線状となっている。また、第2調整金具44は、図4(A)における下側が、垂直な壁面となっており、平面投影形状がテーパー状(傾斜状)となっている(図4(A)参照)。このテーパーは、第2固定部45のテーパーと一致している。
【0061】
第2調整金具44には、長穴が設けられており、長穴の長手方向は、第2調整金具44の下側壁面のテーパーの方向と一致している。
【0062】
第2固定部45´と第2調整金具44´についても同様な構成を有しているが、テーパーの方向はほぼ直交する方向となっている。
【0063】
このような構成により、図4(A)の実施形態では、直交する2方向の固定金具11a、11bの凹面にきょう体104aの側部を嵌め込んだ後、図1の実施形態の場合と同様の手順で、第1調整金具42を図4(A)の上方向へ、また第1調整金具42´を図4(A)の左方向へスライドさせ、きょう体104aを固定金具11a、11bに押し付け、拘束する。
【0064】
次に、第2固定部45ときょう体104aの間に第2調整金具44を挿入し、第2調整金具44を、背面に沿った方向(図4(A)における左方向)にスライドさせると、第1調整金具42と第2固定部45の間に第2調整金具44が押し込まれ、第2調整金具44がクサビの機能を果たし、第1調整金具42の背部を上記の押し込み方向へ押し付け、拘束する。この状態で、第1調整金具42と第2調整金具44のボルト14を締め付け、固定を行うことができる。第2固定部45´と第2調整金具44´の作用についても同様である。
【0065】
図4(B)は、さらに他の実施形態を示したものであり、図に示す実施形態の取付装置50は、第1調整金具52、52´を押し付ける第2調整金具54、54´の部分54b、54b´を、上部が水平方向に突出した逆L字状の構造としたものである。
【0066】
このような構成とすることにより、第2調整金具55、54´が第1調整金具52、52´を押し付ける際、第2調整金具の部分54b、54b´の水平突出部が第1調整金具52、52´の背部を上方から押さえ付け、クサビの締め付け作用が緩むことを防止する。
【0067】
図4(C)は、さらに他の実施形態を示したものであり、図に示す実施形態の取付装置60は、第1調整金具62、62´を押し付ける第2調整金具64、64´の部分64b、64b´の平面投影形状を、水平方向や垂直方向ではなく、所定の傾斜角度の直線状としたものである。したがって、第2調整金具64、64´に押し付けられる第1調整金具62、62´の背部62b、62b´の平面投影形状も、所定の傾斜角度の直線状となっている。
【0068】
このような構成によっても、クサビ作用により、第2調整金具55、54´が第1調整金具52、52´を押し付ける。
【0069】
上記のような構成により、きょう体104aの横方向(水平方向)から大きな力を受けるようなことがあっても、きょう体104aは、固定金具11a、11bと、調整金具12、12´、又は22、22´、又は32、32´によって隙間なく押さえ付けられているので、微小移動や微小回転は防止される。
【0070】
しかも、従来例のように、少なくとも4箇所のボルト取付穴を開ける必要はない。取付手順は、きょう体104aを固定金具11a、11bの側へ嵌め込んだ後、調整金具12、12´、又は22、22´、又は32、32´をきょう体104aの側面に沿った方向にスライドさせることにより、クサビ作用により、きょう体104aは固定金具側へ隙間なく押し付けられる。
【0071】
また、調整金具12、12´、又は22、22´、又は32、32´をボルト14で締め付ければ、きょう体104aの上部斜面を押さえ付けることができるので、きょう体104aが上方向に浮き上がることも防止できる。すなわち、1本のボルト14締めにより、きょう体104aの側面S1と上部斜面S2の両方を押さえることができるので、作業能率が向上する。
【0072】
さらに、第1調整金具42、42´、又は52、52´、又は62、62´の背部を、第2調整金具44、44´、又は54、54´、又は64、64´によって押さえ付けるようにすれば、第1調整金具又は第2調整金具のどちらかのボルトに接損や弛緩が発生しても、きょう体104aの固定状態を維持することができる。
【0073】
上記実施形態において、分岐器の転換鎖錠等を行うための転てつ機やクランク類は、転てつ装置に相当している。
【0074】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来例のように少なくとも4箇所以上のきょう体の取付穴が合うように取付穴を開ける必要がないので、取付穴の位置を正確にけがいたり、取付穴を開ける時間が短縮でき、取付穴を開ける位置を誤ることもない。きょう体を固定金具と調整金具で挟み込み、調整金具でさらに押さえ込むので、従来のようなボルト締めによる方式よりもはるかに強い力で隙間なく固定できる。調整金具は、きょう体との固定部との間でクサビを打ち込んだ状態となるので、たとえボルトが緩んでも、調整金具は抜ける方向には動きにくい。したがって、短時間で確実なきょう体の固定が可能となり、たとえボルトが緩んでも、きょう体の固定状態には影響しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図(1)である。
【図3】本発明の他の実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図(2)である。
【図4】本発明の他の実施形態である転てつ装置の取付装置の構成を示す図(3)である。
【図5】従来の分岐器の構成を示す上面図である。
【図6】従来の分岐器におけるエスケープクランクの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 転てつ装置の取付装置
11a、11b 固定金具
12、12´ 調整金具
12a、12a´ 長穴
13、13´ 固定部
14 ボルト
15 バネ座金
16 敷板
16a、16b ネジ穴
20 転てつ装置の取付装置
22、22´ 調整金具
22a、22a´ 長穴
23、23´ 固定部
30 転てつ装置の取付装置
32、32´ 調整金具
32a、32a´ 長穴
32b、32b´ 段差部
33、33´ 固定部
40 転てつ装置の取付装置
42、42´ 第1調整金具
43、43´ 第1固定部
44、44´ 第2調整金具
45、45´ 第2固定部
50 転てつ装置の取付装置
52、52´ 第1調整金具
53、53´ 第1固定部
54、54´ 第2調整金具
55、55´ 第2固定部
60 転てつ装置の取付装置
62、62´ 第1調整金具
63、63´ 第1固定部
64、64´ 第2調整金具
65、65´ 第2固定部
100 分岐器
101 電気転てつ機
101a 転てつ機きょう体
102 動作かん
103a~103f リンク部材
104 エスケープクランク
104a、104b きょう体
105 スイッチアジャスタ
106 エスケープクランク
107 ロッド
108 伝動部
109、110 転てつ棒
112、113 ロッド
121、122 まくらぎ
123、123´ 取付ボルト
124、124´ ナット
125、125´ 座金
126 敷板
131、131´ 突出部
141 ボルト取付穴
R1、R2 基本レール
S1 きょう体側面
S2 きょう体上部斜面
T1、T2 トングレール
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5