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明細書 :トロリ線の摺動面切削装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3544496号 (P3544496)
公開番号 特開2001-096450 (P2001-096450A)
登録日 平成16年4月16日(2004.4.16)
発行日 平成16年7月21日(2004.7.21)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
発明の名称または考案の名称 トロリ線の摺動面切削装置
国際特許分類 B24B 27/00      
B23C  1/20      
B60M  1/28      
B60M  1/30      
FI B24B 27/00 L
B23C 1/20
B60M 1/28 N
B60M 1/30 341
請求項の数または発明の数 4
全頁数 8
出願番号 特願平11-274987 (P1999-274987)
出願日 平成11年9月28日(1999.9.28)
審査請求日 平成13年12月11日(2001.12.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000001890
【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
発明者または考案者 【氏名】清水 政利
【氏名】原田 智
【氏名】藤井 保和
【氏名】岩間 祐一
【氏名】飯国 元久
【氏名】山川 盛実
個別代理人の代理人 【識別番号】100078950、【弁理士】、【氏名又は名称】大塚 忠
審査官 【審査官】岡野 卓也
参考文献・文献 特開平7-266935(JP,A)
実開昭55-8060(JP,U)
特開昭61-24701(JP,A)
調査した分野 B24B 27/00
B23C 1/20
B60M 1/28
B60M 1/30 341
特許請求の範囲 【請求項1】
線路の上方に架設された剛体トロリ線下面のパンタグラフとの摺動面を平滑に切削するための装置であって、
線路上を走行可能な台車と、
この台車上に、線路に対して直交方向に移動操作自在に設けられたスライドベースと、
このスライドベース上に、昇降自在に設けられた支持フレームと、
この支持フレームを昇降させるため、前記スライドベースと前記支持フレームとの間に介設された昇降駆動手段と、
前記支持フレーム上に、線路に対して直交方向の支軸により揺動自在に軸支され、かつ水平にバランスするように設けられた揺動枠と、
この揺動枠上に、前記支軸を挟んで線路延長方向に相互間隔をおいて水平に支持された一対の押し上げローラと、
この一対の押し上げローラ間に位置して前記揺動枠上に、上下位置を変更可能に、かつモータ駆動で水平回転自在に支持され、上面を前記トロリ線下面に圧接可能に設けられた砥石とを具備し、
前記昇降駆動手段が、常時前記押し上げローラを前記トロリ線下面に同圧力で押圧するように制御されていることを特徴とするトロリ線の摺動面切削装置。
【請求項2】
前記昇降駆動手段が、エアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線の摺動面切削装置。
【請求項3】
前記押し上げローラに、この押し上げローラの前記トロリ線に対する押圧力を検知するロードセルが付設され、前記エアシリンダの空気圧が、このロードセルにより検知された押圧力の変化に対応してコントローラで制御されることを特徴とする請求項2に記載のトロリ線の摺動面切削装置。
【請求項4】
前記砥石の回転軸は、前記揺動枠に垂直方向に昇降自在に支持され、
前記揺動枠には、前記砥石の回転軸を駆動するためのモータと、回転軸を昇降させるためのモータとが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線の摺動面切削装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地下鉄のトンネル内等に設置される剛体トロリ線のパンタグラフとの摺動面である下面を平滑に切削するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
剛体トロリ線は、例えば、断面T字形で、比較的断面積の大きい変形しにくい長尺の導体から構成され、トンネルの天井部に固着される。このトロリ線の下面を摺動するパンタグラフを介して電車に駆動電力が供給される。トロリ線の下面には、施工誤差による初期的な凹凸や、パンタグラフの摺動摩耗による後発的な凹凸が生じる。トロリ線の下面に凹凸があると、パンタグラフとの接触が不完全になり、電力の供給が不安定になるので、定期的に切削して平滑になるように維持、管理する必要がある。従来、トロリ線の切削は、電動グラインダを用いて行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のトロリ線の切削作業は、危険な高所作業であり、作業員が無理な姿勢を強いられ、また切削粉や塵埃にまみれる難作業となるし、均一な平滑化が難しいという問題点がある。
従って、本発明は、上記のような作業員の手作業による難作業を省略し、トロリ線を安全かつ効率的に均一に平滑化することができる装置を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、線路上を走行可能な台車2上に、トロリ線の摺動面切削装置を構成した。即ち、台車2上に、線路に対して直交方向(左右)水平に移動操作可能にスライドベース3を設ける。このスライドベース3上に、昇降自在に支持フレーム4を設け、スライドベース3と支持フレーム4との間には、支持フレーム4を昇降させるためのエアシリンダ7を介設する。支持フレーム4上には、左右方向の支軸9で揺動枠5を前後に揺動自在に軸支して、水平にバランスさせる。この揺動枠5上に、支軸9を挟んで前後に相互間隔をおいて一対の押し上げローラ10を水平に支持し、押し上げローラ10間に砥石11を支持する。砥石11は、上下位置を変更可能に、かつモータ21の駆動で水平回転自在とし、その上面は、トロリ線Tの下面(摺動面)に圧接させる。そして、押し上げローラ10が、トロリ線Tの摺動面を常時、同圧力で押圧するように、エアシリンダ7の空気圧を制御して、トロリ線の摺動面切削装置1を構成した。
線路上で台車2を走行させつつ、エアシリンダ7により支持フレーム4を一定圧力で押し上げ、砥石11をトロリ線Tの摺動面に圧接させて連続的に摺動面を切削する。トロリ線Tが線路に対して左右に変位している場合には、スライドベース3を左右に移動させて砥石11を適正位置に配置する。砥石11を支持する揺動枠5は、前後一対の押し上げローラ10により、常時トロリ線Tとの平行状態が維持されるから、トロリ線Tが上下方向に傾斜している箇所においても砥石11が傾斜に沿って均等にトロリ線Tを切削する。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は摺動面切削装置の正面図、図2は摺動面切削装置の上部の断面図、図3は摺動面切削装置の上部の背面図、図4は摺動面切削装置の上部の側面図、図5は摺動面切削装置の上部の平面図、図6は摺動面切削装置の上部の斜視図、図7は摺動面切削装置の上部の他方向からの斜視図である。
【0006】
図1において、摺動面切削装置1は、台車2の上に組み立てられ、線路上を矢印の方向(前後方向)に走行することができる。台車2上には、スライドベース3、支持フレーム4、揺動枠5が順次設けられている。
【0007】
スライドベース3は、台車2の上に、線路の延長方向と直交する方向(左右方向)に延びるように設けられたガイドレール6に沿って左右に移動自在である。
【0008】
支持フレーム4は、ガイドロッド4aによりスライドベース3上に連結され、スライドベース3に対して垂直に昇降自在である。支持フレーム4を昇降動作させるためのエアシリンダ7が、スライドベース3と支持フレーム4との間に介設されている。エアシリンダ7は、中間部においてトラニオン軸受8によりスライドベース3に枢支され、ロッド7aの先端が支持フレーム4の下面に結合されている。
【0009】
支持フレーム上4には、左右方向の支軸9により、揺動枠5が揺動自在に軸支され、かつ水平にバランスするように設けられている。図2乃至図7は、支持フレーム4より上の部分を示している。
【0010】
揺動枠5上には、上方に位置するトロリ線Tを押し上げるための前後一対の押し上げローラ10が設けられ、これら2つのローラ10間に、トロリ線Tの下面を研削するための砥石11が昇降自在に設けられている。
【0011】
ローラ10は、支軸9を挟んで前後に対称位置に、左右方向に水平に設けられ、ブラケット10a、ガイドロッド10bにより、ガイド筒10cに上下動自在に支持されている。トロリ線Tに対するローラ10の押圧力を検知するためのロードセル12が、ブラケット10aと揺動枠5との間に介設されている。エアシリンダ7の空気圧は、このロードセル12により検知された押圧力の変化に対応して図示しないコントローラで制御され、トロリ線Tに対するローラ10の押圧力が常時一定範囲に維持される。
【0012】
砥石11は円筒形で、揺動枠5に垂直に支持された回転軸13上に固着されている。回転軸13は、外周に相対回転自在に被挿されたスリーブ14と共に、揺動枠5の軸受け筒15内に昇降自在に支持されている。スリーブ14は、軸受け筒15とキー結合され、相対回転することができない。スリーブ14の側面には、ボールナット17が固着されている。軸受け筒15は、揺動枠5に垂直に固定され、一部にスリーブ14のボールナット16を上下動自在に突出させる切欠14aを備える。軸受け筒15には、切欠14aの下端側に位置して軸受け17が固着され、この軸受け17に下端部を支持されたねじ棒18が、ボールナット16に螺合している。ねじ棒18は、揺動枠5上のモータ19に伝動機構を介して結合されている。軸受け筒15から下方へ突出した回転軸13の下端は、ベルト20を介してモータ21に結合されている。カウンタウエイト22は、モータ21の対向部に位置調整自在に設けられており、図1,図3に示す水平復元機構23と協働して、揺動枠5を水平にバランスさせる。砥石11の外周には、切削による粉塵の飛散を防ぐためのフード24が設けられている。
なお、スライドベースと支持フレームとの間に介設さる支持フレームの昇降駆動手段として、エアシリンダに代えて、サーボモータ等の他の各種のモータを採用することができる。
【0013】
この実施形態の摺動面切削装置1は、線路上で台車2を走行させつつ、連続的にトロリ線Tの摺動面を切削する。即ち、エアシリンダ7により支持フレーム4を一定圧力で押し上げ、砥石11をトロリ線Tの摺動面に圧接させつつ線路に沿って進行する。剛体トロリ線Tは、パンタグラフの偏摩耗を防ぐために、パンタグラフに対する接触位置を所定範囲で左右方向にずらすべく、一径間毎に左右に屈折するように配置されている。このように、トロリ線Tが線路に対して水平方向左右に変位している場合には、スライドベース3をガイドレール6上で、左右に動かして、砥石11を適正位置に配置する。トロリ線Tが前後方向上下に傾斜している箇所においては、前後一対の押し上げローラ10により、揺動枠5がトロリ線Tの傾斜に従って傾斜し、常時トロリ線Tとの平行状態が維持されるから、砥石11はトロリ線Tの傾斜に沿って、これを均等に切削する。トロリ線Tに対するローラ10の押圧力は、ロードセル12で検知され、これに基づいてエアシリンダ7のエアが制御される。エアシリンダ7で支持フレーム4もろともローラ10、砥石11を昇降させることで、ローラ10又は砥石11のトロリ線Tに対する押圧力が一定に維持される。砥石11の切り込み量は、モータ19で高さ調整して定める。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、線路上を台車2によって走行させつつ、エアシリンダ7により支持フレーム4を一定圧力で押し上げ、砥石11をトロリ線Tの下面(摺動面)に圧接させて連続的に摺動面を切削するから、危険な高所での手作業によるトロリ線の切削作業が省略でき、トロリ線を効率よく均一に平滑化することができる。トロリ線Tが線路に対して水平方向に変位している場合には、スライドベース3を線路に直交方向に移動させて砥石11を適正位置に配置し、連続的な切削作業が行える。砥石11を支持する揺動枠5は、前後一対の押し上げローラ10により、常時トロリ線Tとの平行状態が維持されるから、トロリ線Tが上下方向に傾斜している箇所においても、砥石11がこれに対応して傾斜、均等にトロリ線Tを切削することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】摺動面切削装置の正面図である。
【図2】図2は摺動面切削装置の上部の断面図である。
【図3】摺動面切削装置の上部の背面図である。
【図4】摺動面切削装置の上部の側面図である。
【図5】摺動面切削装置の上部の平面図である。
【図6】摺動面切削装置の上部の斜視図である。
【図7】摺動面切削装置の上部の他方向からの斜視図である。
【符号の説明】
1 摺動面切削装置
2 台車
3 スライドベース
4 支持フレーム
5 揺動枠
6 ガイドレール
7 エアシリンダ
8 トラニオン軸受
9 支軸
10 押し上げローラ
11 砥石
12 ロードセル
13 回転軸
14 スリーブ
15 軸受筒
16 ボールナット
17 軸受
18 ねじ棒
19 モータ
20 ベルト
21 モータ
22 カウンタウエイト
23 水平復元機構
24 フード
T トロリ線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
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【図6】
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【図7】
6