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明細書 :トンネル走行実験方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3686561号 (P3686561)
公開番号 特開2001-165821 (P2001-165821A)
登録日 平成17年6月10日(2005.6.10)
発行日 平成17年8月24日(2005.8.24)
公開日 平成13年6月22日(2001.6.22)
発明の名称または考案の名称 トンネル走行実験方法および装置
国際特許分類 G01M 17/08      
FI G01M 17/00 F
請求項の数または発明の数 9
全頁数 9
出願番号 特願平11-353497 (P1999-353497)
出願日 平成11年12月13日(1999.12.13)
審査請求日 平成15年2月18日(2003.2.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】福田 傑
【氏名】飯田 雅宣
【氏名】松村 豪
【氏名】西山 幸夫
【氏名】石橋 進
【氏名】佐藤 正男
個別代理人の代理人 【識別番号】100090033、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 博司
【識別番号】100093045、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 良男
審査官 【審査官】小山 茂
参考文献・文献 特開平07-151647(JP,A)
実開昭58-022170(JP,U)
特開平09-228785(JP,A)
特開平08-243212(JP,A)
調査した分野 G01M 17/08
特許請求の範囲 【請求項1】
模擬車両を発射して模擬トンネル内を通過させるトンネル走行実験方法において、
前記模擬トンネルの前方に、前記模擬車両の断面の大きさと同程度のロール間隔を有する回転ロール対を配置し、この回転ロール対を構成する回転ロールを互いに逆方向に回転させ、前記模擬車両を、当該回転ロール対のロール間に前記模擬トンネルの反対側から差し込んで前記模擬トンネルに向けて発射して通過させてなり、
前記各回転ロールにモータを直結し、
前記回転ロール対およびモータを備えた発射手段と、前記模擬トンネルとをほぼ覆うように吸音手段を設け、回転ロールの回転音と模擬車両発射音の反射を防いでこれらが測定に影響を与えることを防ぎ、
さらに、前記模擬トンネルと発射手段との間に遮音手段を設けて、回転ロールの回転音と模擬車両発射音とを遮音して測定に影響を与えることを防ぐことを特徴とするトンネル走行実験方法。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル走行実験方法において、
模擬トンネルの内部に圧力センサを設け、前記模擬車両が前記模擬トンネル内を通過する際に発生する当該模擬トンネル内の気圧変動を測定することを特徴とするトンネル走行実験方法。
【請求項3】
請求項1または2記載のトンネル走行実験方法において、
模擬トンネルの出入り口の少なくとも一方の近傍に低周波空気振動検出手段を設け、模擬車両が前記模擬トンネルに突入・退出する際に当該模擬トンネルの出入り口近傍で発生する低周波空気振動を測定することを特徴とするトンネル走行実験方法。
【請求項4】
模擬トンネルと、
この模擬トンネルの前方に配置される回転ロール対と、この回転ロール対の回転ロールを互いに逆方向に回転させる回転手段と、からなる発射手段と、
前記回転ロール対のロール間隔と同程度の断面の大きさを有する模擬車両と、
この模擬車両を前記回転ロール対のロール間から前記模擬トンネルまで案内する案内手段と、
前記回転ロールの回転音と模擬車両発射音の反射を防いでこれらが測定に影響を与えることを防ぐ為に、前記模擬トンネルおよび発射手段の周囲に設けられて、当該模擬トンネルおよび発射手段をほぼ覆う吸音手段と、
前記回転ロールの回転音と模擬車両発射音とを遮音して測定に与える影響を防ぐために、前記模擬トンネルと発射手段との間に設けられた遮音手段とを備え、
前記回転手段はモータにより構成され、前記回転ロールに前記モータを直結したことを特徴とするトンネル走行実験装置。
【請求項5】
請求項4記載のトンネル走行実験装置において、
前記模擬車両の断面形状や大きさに合わせて前記回転ロールの間隔を調整可能となっていることを特徴とするトンネル走行実験装置。
【請求項6】
請求項4または5記載のトンネル走行実験装置において、
回転ロールは金属製であり、ロール面全周に弾性材を備えることを特徴とするトンネル走行実験装置。
【請求項7】
請求項4~6のいずれかに記載のトンネル走行実験装置において、
回転ロール対を複数直列に備えることを特徴とするトンネル走行実験装置。
【請求項8】
請求項4~7のいずれかに記載のトンネル走行実験装置において、
模擬トンネルの内壁に、当該模擬トンネル内の圧力を測定する圧力センサを備えることを特徴とするトンネル走行実験装置。
【請求項9】
請求項4~8のいずれかに記載のトンネル走行実験装置において、
模擬トンネルの出入り口の少なくとも一方の近傍に、低周波空気振動検出手段を備えることを特徴とするトンネル走行実験装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両がトンネル内を通過する際に発生する現象を実験的に検証するトンネル走行実験装置に係り、特にノイズが少なく、また、鉄道車両がトンネルを高速通過する際に発生する現象を測定可能にしたトンネル走行実験方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、列車がトンネル内に突入すると圧縮波および膨張波が生じる。この圧縮波や膨張波がトンネル内を伝播して反対側の坑口に到達すると、この圧縮波あるいは膨張波前面の圧力勾配にほぼ比例したパルス状の圧力波(微気圧波)が坑口から外部に放射される。
この微気圧波の放射は、破裂的な空気圧音(一次音)を招くだけでなく、坑口付近の家屋の窓ガラスや戸を急に動かして二次音を発生させる要因となるものであり、その抑制防止が重要となっている。具体的な微気圧波低減対策としては、列車先頭形状を長くしたり、トンネル入口にフードを設ける等の手段が講じられているが、このような列車先頭の最適形状やトンネルフードの最適構造を定めるには、トンネル走行の模擬実験を行って微気圧波を実測することが極めて望ましい。
【0003】
また、近年は列車のさらなる高速化(時速300km以上)が進み、上述した微気圧波の他、従来は問題にならなかった、トンネル突入時およびトンネル退出時に当該トンネルと列車との相互作用により発生する低周波のトンネル突入波、退出波も、微気圧波と同様の問題をもたらす可能性が出てきている。
【0004】
これらの問題を解決するため、従来から実験室レベルで上述した諸現象を調べるトンネル走行実験が行われている。
従来のトンネル走行実験としては、例えば特開平7-151647号公報に開示されるように、発射筒内に模擬車両を装填し、その後方に一定期間高圧ガスを供給することにより当該模擬車両を発射して模擬トンネル内に突入させる方法および装置が知られている。
ここで、模擬トンネルおよび模擬車両を軸対称な形状にして、これらの断面積比を実物と相似にすることで、時間を圧縮した形で実物と相似なトンネル内圧縮波形が得られるため、微気圧波の現象を解析し、これらの低減対策の検討を行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した高圧ガスを利用したトンネル走行実験では、模擬車両発射時に、高圧ガスの膨張によって空気振動(騒音も含む)が発生してノイズ源となり、測定に悪影響を与えていた。この傾向は模擬車両の発射速度が高速になるほど大きくなっていた。
また、上述したトンネル走行実験では、ノイズの悪影響を受けることなく300km以上の速度でトンネルを通過させることが難しかったため、高速走行時のトンネル突入波、退出波などの現象を近年の鉄道の高速化に対応させた状態で測定することは難しかった。
さらに、上述したトンネル走行実験では、模擬車両の断面積を変更するには発射筒を変更する必要があり、容易に変更することは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、ノイズを発生させず、また、例えば時速300km以上という高速で、任意の断面積の鉄道車両がトンネルを通過する際に発生する現象を測定・検証可能としたトンネル走行実験方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、第1の発明は、例えば図1~図3に示すように、模擬車両(2)を発射して模擬トンネル(3)内を通過させるトンネル走行実験方法において、前記模擬トンネルの前方に、前記模擬車両の断面の大きさと同程度のロール間隔を有する回転ロール対(40)を配置し、この回転ロール対を構成する回転ロール(41)を互いに逆方向に回転させ、前記模擬車両を、当該回転ロール対のロール間に前記模擬トンネルの反対側から差し込んで前記模擬トンネルに向けて発射して通過させてなり、
前記各回転ロール(41)にモータ(43)を直結し、
前記回転ロール対(40)およびモータ(43)を備えた発射手段(4)と、前記模擬トンネル(3)とをほぼ覆うように吸音手段(91)を設け、回転ロール(41)の回転音と模擬車両発射音の反射を防いでこれらが測定に影響を与えることを防ぎ、
さらに、前記模擬トンネル(3)と発射手段(4)との間に遮音手段(92)を設けて、回転ロール(41)の回転音と模擬車両発射音とを遮音して測定に影響を与えることを防ぐことを特徴とする。
【0008】
この請求項1記載の発明において、模擬車両は回転ロール対の回転により加速されて模擬トンネルに向けて発射される。すなわち、従来とは模擬車両の発射方式が異なり、回転ロール対の回転速度を上げたり、あるいは回転ロール対を複数走行方向に並べてこれらの間に模擬車両を順次通して順次加速することにより、従来より高速で模擬車両を模擬トンネルに向けて発射することができる。
このため、模擬車両発射時のノイズは従来の高圧ガスを利用した方法より格段に小さいため、より高精度の測定を行える。
また、従来より高速で鉄道車両がトンネルを通過する際に発生する現象や、トンネル-トンネル間が非常に短い場合、その間すなわち明かり区間を通過する際に発生する現象を測定することが可能になる。
【0009】
例えば、列車通過時のトンネル内の気圧変動を測定するには、請求項2記載のように、模擬トンネルの内部に圧力センサ(31)を設ければよい。
また、トンネルに突入・退出する際にトンネル出入り口で発生する低周波空気振動(例えばトンネル突入波、退出波で、現地では数ヘルツ程度、模型では数十ヘルツ程度)を測定するには、請求項3記載のように、模擬トンネルの出入り口の少なくとも一方の近傍に低周波空気振動検出手段(例えばマイクロフォン7)を設ればよい。
【0010】
また、本発明は、模擬トンネルと発射手段との間に遮音手段(例えば遮音シート92)を設けて、回転ロールの回転音と模擬車両発射音とを遮音して測定に与える影響を防いだり、模擬トンネルの周囲に、当該模擬トンネルをほぼ覆うように吸音手段(例えば吸音材91)を設け、回転ロールの回転音と模擬車両発射音の反射を防いで測定に与える影響を防ぐことができるので、実験室内で無限空間を模擬することになり、さらに高精度に鉄道車両がトンネルや明かり区間を通過する際に発生する現象を測定・検証できる。
【0011】
また、第2の発明は、請求項に記載し、また図1~図3に例示するように、模擬トンネル(3)と、この模擬トンネルの前方に配置される回転ロール対(40)と、この回転ロール対の回転ロール(41)を互いに逆方向に回転させる回転手段(例えばモータ43)と、からなる発射手段(4)と、前記回転ロール対のロール間隔と同程度の断面の大きさを有する模擬車両(2)と、この模擬車両を前記回転ロール対のロール間から前記模擬トンネルまで案内する案内手段(例えばピアノ線5)と、
前記回転ロール(41)の回転音と模擬車両発射音の反射を防いでこれらが測定に影響を与えることを防ぐ為に、前記模擬トンネル(3)および発射手段(4)の周囲に設けられて、当該模擬トンネル(3)および発射手段(4)をほぼ覆う吸音手段(91)と、
前記回転ロール(41)の回転音と模擬車両発射音とを遮音して測定に与える影響を防ぐために、前記模擬トンネル(3)と発射手段(4)との間に設けられた遮音手段(92)とを備え、
前記回転手段はモータ(43)により構成され、前記回転ロール(41)に前記モータ(43)を直結したトンネル走行実験装置であることを特徴とする。
【0012】
この請求項記載の発明によれば、第1の発明を行うトンネル走行実験装置を提供できる。ここで、回転ロールとしては、例えば請求項に記載するように、金属製であり、ロール面全周に弾性材(例えばゴム材44)を備える構成とする。これにより、模擬車両は発射時に回転ロールによって傷つけられにくくなるとともに、発射に必要な摩擦力が得られる。また、一つの回転ロール対を形成する各回転ロールの回転速度は同じであり、好ましくは、例えばインバータ等を含む制御回路で意図する速度に調節可能な構成にする。
また、請求項5に記載するように、前記模擬車両の断面形状や大きさに合わせて前記回転ロールの間隔を調整可能としてもよい。
【0013】
また、この第2の発明は、請求項に記載し、図2に例示するように、回転ロール対を複数直列に備える構成としてもよい。この場合は、模擬車両をより高速で模擬トンネル内に突入させることができる。ここで、各回転ロール対は、好ましくは各々別個に制御回路で速度調節が可能な構成にして、最も効率よく模擬車両を加速できるように速度比を設定する。
【0014】
また、請求項記載の発明は、請求項4~7のいずれかに記載のトンネル走行実験装置において、模擬トンネルの内壁に、当該模擬トンネル内の圧力を測定する圧力センサ(31)を備えることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項4~8のいずれかに記載のトンネル走行実験装置において、模擬トンネルの出入り口の少なくとも一方の近傍に、低周波空気振動検出手段(例えばマイクロフォン7)を備えることを特徴とする。
これら請求項8または9記載の発明によれば、請求項2または3記載のトンネル走行実験方法を行う装置を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の一実施例であるトンネル走行実験装置1について詳細に説明する。
図1はトンネル走行実験装置1の構成を説明する概略図であり、図2はトンネル走行実験装置1の発射手段4の側面図であり、図3は発射手段4の正面図であり、図4はトンネル走行実験装置1の測定結果の一例を示すグラフである。
【0017】
トンネル走行実験装置1は、図1に示すように、周知の模擬車両2と、圧力センサ31を内蔵した周知の模擬トンネル3と、模擬車両2を発射する発射手段4と、発射手段4から発射された模擬車両2を模擬トンネル3に案内するピアノ線5(案内手段)と、模擬車両2の速度を測定するために模擬トンネル3の入口付近に設けられた周知の速度センサー6と、模擬トンネル3の入り口付近および出口付近にそれぞれ設けられたマイクロフォン7(低周波振動検出手段)と、模擬トンネル3を通過した模擬車両2を制動する周知の制動手段8と、模擬車両2の発射音がマイクロフォン7に届くのを防ぐ防音手段9と、により概略構成されており、模擬車両2が模擬トンネル3を通過する際に、模擬トンネル3内で発生する圧縮波や膨張波を圧力センサ31で、模擬トンネル3の入口で発生する突入波・退出波や模擬トンネル3の出口で発生する微気圧波等をマイクロフォン7で、それぞれ測定・検証する装置である。
【0018】
発射手段4は、図2および図3に示すように、3個の回転ロール対40を直列に並べた3段構成であり、側面に設けた挿入口4aから、一端側の回転ロール対40のロール間に模擬車両2を差し込み、3つの回転ロール対40で順次加速して、他端側の回転ロール対40から発射する装置である。この際、各回転ロール対40の回転速度は、一端側から他端側に行くにつれて順次速くなっている。
【0019】
ここで、回転ロール対40は、例えば直径が50~100cm程度の2個の金属製の回転ロール41を、互いに上下に位置するように支持枠42に取り付け、さらに、各回転ロール41にモータ43を直結した構成である。
また、回転ロール41のロール面にはゴム材44を貼り付けてある。
さらに、少なくとも一方の回転ロール41はモータ43と共に上下に移動可能となっており、模擬車両2の断面の形状や大きさに合わせて回転ロール41の間隔を調節できる構成となっている。
【0020】
ピアノ線5は、模擬車両2のほぼ中心を走行方向に貫いており、一端は3つの回転ロール対40のロール間を通り抜けて発射手段4の差込側より先に位置しており、他端は模擬トンネル3の中を通り抜けた先に位置している。
また、ピアノ線5は緊張装置(図示省略)により張力を与えられた状態に維持されている。
【0021】
マイクロフォン7は、任意の位置で測定できるように取り付け位置が可変となっている。
また、マイクロフォン7としては、測定対象となる空気振動の周波数に合った特性のマイクロフォンを用いる。例えばトンネル突入波を測定する場合には、10~500ヘルツ程度の空気振動を測定対象としたマイクロフォンを用いる。
【0022】
防音手段9は、当該トンネル走行実験装置1を覆う吸音材91(吸音手段)と、模擬トンネル3と発射手段4との間をピアノ線5近辺を除いて仕切っている遮音シート92(遮音手段)と、により概略構成されている。
吸音材91は、回転ロール41の回転音(モータ43の駆動音も含む)や模擬車両2の発射音、さらには測定対象そのものである突入波・退出波・微気圧波がトンネル走行実験装置1を設置した部屋の壁や天井、床面で反射してマイクロフォン7に届くことを防ぐ手段である。また、遮音シート92は前記した反射音を防ぐ他、模擬車両2の発射音が直接マイクロフォン7に届くことも防ぐ手段である。
【0023】
このような構成のトンネル走行実験装置1によれば、模擬車両2を、回転ロール対40を用いて発射するので、ガス圧力を利用する従来のトンネル走行実験装置と比べてより低ノイズ下で高精度に、突入波や微気圧波などの測定を行える。また、防音手段9の働きにより、模擬車両2の発射音はマイクロフォン7に届かないため、さらに低ノイズ下で高精度に突入波・退出波や微気圧波の測定・検証を高精度で行える。
【0024】
また、高速で模擬車両2を発射できる。このため、従来と比べてより高速でトンネルを通過する際の現象を測定・検証できる。
さらに、発射手段4を回転ロール対40の3段構成としたので、回転ロール対40が1段若しくは2段の場合と比べ、さらに高速で模擬車両2を発射できる。
【0025】
この結果、図4(A)(圧力センサ31による測定結果)、同図(B)(模擬トンネル3入口側のピアノ線5の近くに設置されたマイクロフォン7による測定結果)、同図(C)(模擬トンネル3入口側のピアノ線5から離れて設置されたマイクロフォン7による測定結果)、同図(D)(模擬トンネル3出口側に設置されたマイクロフォン7による測定結果)のグラフに示すように、回転ロール対40が二段の場合(図4各グラフ中の細線に示す)と比べ、トンネル走行実験装置1(図4各グラフ中の太線に示す)は、模擬車両2の速度が時速280kmから時速430kmに高速化するため、トンネル内で発生する圧縮波や膨張波(図4(A)参照)やこれらによって発生する微気圧波(図4(D)参照)の他、従来例では把握が難しかったトンネル突入時に発生する突入波(図4(B)および(C)参照)も、はっきり捉えることが可能となる。
【0026】
なお、本発明は本実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形可能であり、マイクロフォン7の個数を増やして微気圧波や突入波の立体的な広がりをさらに精度よく把握することもできる。
さらに、模擬トンネル3の途中で、断面形状を変えたり分岐部を設けたり、あるいは器材孔を設けたりすることで、これらが車両のトンネル通過時の諸現象に与える影響を測定・検討することも可能になる。また、トンネルがない場合の車両通過時の沿線圧力変動等の測定・検討も可能になる。
【0027】
【発明の効果】
以上より、本発明によれば、模擬車両は回転ロール対の回転により加速されて模擬トンネルに向けて発射されるため、回転ロール対の回転速度を上げたり、あるいは回転ロール対を複数走行方向に並べてこれらの間に模擬車両を順次通して順次加速することにより、従来より高速で模擬車両を模擬トンネル内を通過させることができる。
このため、圧縮波や膨張波、微気圧波の他、トンネル突入波やトンネル退出波など、鉄道車両がトンネルを通過する際に発生する現象を、より高速走行下で測定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるトンネル走行実験装置の構成を説明する概略図。
【図2】同トンネル走行実験装置の発射手段の側面図。
【図3】同発射手段の正面図。
【図4】同トンネル走行実験装置の測定結果の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1 トンネル走行実験装置
2 模擬車両
3 模擬トンネル
4 発射手段
4a 挿入口
5 ピアノ線(案内手段)
6 速度センサ
7 マイクロフォン(低周波振動検出手段)
8 制動手段
9 防音手段
31 圧力センサ
40 回転ロール対
41 回転ロール
42 支持枠
43 モータ(回転手段)
91 吸音材(吸音手段)
92 遮音シート(遮音手段)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3