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明細書 :鉄道車両における車輪の踏面清掃装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4130286号 (P4130286)
公開番号 特開2001-180487 (P2001-180487A)
登録日 平成20年5月30日(2008.5.30)
発行日 平成20年8月6日(2008.8.6)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
発明の名称または考案の名称 鉄道車両における車輪の踏面清掃装置
国際特許分類 B61F  13/00        (2006.01)
FI B61F 13/00
請求項の数または発明の数 6
全頁数 11
出願番号 特願平11-370400 (P1999-370400)
出願日 平成11年12月27日(1999.12.27)
審査請求日 平成16年9月30日(2004.9.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】鈴木 努
【氏名】内田 清五
【氏名】中野 敏
個別代理人の代理人 【識別番号】100067367、【弁理士】、【氏名又は名称】天野 泉
審査官 【審査官】西中村 健一
参考文献・文献 特開2000-225945(JP,A)
特開平07-019206(JP,A)
特開平10-203365(JP,A)
特公昭52-024285(JP,B2)
特公昭55-015431(JP,B2)
調査した分野 B61F 13/00
B61F 19/02-10
B61K 9/12
B60S 1/68
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置において、シリンダ内に筒状の第1のトルク受ロッドを移動自在に挿入し、第1のトルク受けロッド内に筒状の第2のトルク受ロッドが移動自在に挿入され、第1のトルク受ロッドの外端第2のトルク受ロッドの外端にはそれぞれ研摩特性の異なる研摩子が研摩子受けを介して着脱自在に結合され、上記第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドはそれぞれ上記シリンダ内に設けた復帰用のスプリングで上記研摩子を上記車輪の踏面から離す方向に常時附勢されると共に当該第1のトルク受けロッドと第2のトルク受けロッドの上記研摩子と反対側の一側には切換弁を介し上記復帰用のスプリグに対向してエアー圧源が選択的に接続されることを特徴とする鉄道車両における車輪の踏面清掃装置。
【請求項2】
シリンダがそれぞれキャップを備えたアウターシリンダとインナーシリンダとで構成され、アウターシリンダとインナーシリンダとの間に第1のピストンを介して第1の中空なトルク受ロッドが移動自在に挿入され、インナーシリンダ内に第2のピストンを介して第2の中空なトルク受ロッドが移動自在に挿入され、キャップにはそれぞれ第1,第2のピストンにエアー圧を供給するポートを設け、第1のピストンとインナーシリンダの外周との間に第1のトルク受ロッド復帰用のスプリングを介在させ、更にキャップに第2のトルク受ロッド内に侵入する支持桿を取付け、第2のピストンの内周に設けたシートと支持桿の端部に設けたシートとの間に第2のトルク受ロッド復帰用のスプリングを介在させている請求項1の鉄道車両における車両における車輪の踏面清掃装置。
【請求項3】
鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置において、ハウジングとハウジングの一端中央に連設したシリンダとを備え、ハウジング内には相対向する一対の第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドを移動自在に挿入し、第1のトルク受ロッドの外端第2のトルク受ロッドの外端にはそれぞれ研摩特性の異なる研摩子が研摩子受けを介して着脱自在に結合され、上記第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドはそれぞれ上記ハウジング内に設けた復帰用のスプリングで上記研摩子を上記車輪の踏面から離す方向に常時附勢され、シリンダはアウターシリンダとインナーシリンダとからなり、アウターシリンダとインナーシリンダとの間には中空ロッドを軸方向及び回転方向移動自在に挿入し、当該中空ロッドの端部には上記第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドに選択的に当接する係止片を設け、上記係止片とハウジングとの間に係止片復帰用のスプリングを介在させ、更にインナーシリンダ内に上記係止片と対向するピストンロッドを移動自在に挿入し、ピストンロッドの背面には上記係止片復帰用のスプリングに対向してエアー源を接続していることを特徴とする鉄道車両における車輪の踏面清掃装置。
【請求項4】
第1,第2のトルク受ロッドを中空に形成し、ハウジングに第1,第2のトルク受ロッド内に侵入する支持桿を挿入し、各トルク受ロッドの内周に設けたシートと支持桿の端部に設けたシートとの間に各トルク受ロッド復帰用のスプリングを介在させている請求項3の鉄道車両における車輪の踏面清掃装置。
【請求項5】
アウターシリンダに円周方向に沿う長孔を形成し、中空ロッドには上記長孔に対向する軸方向の係止孔を設け、長孔から差し込んだピンを係止孔に嵌合させ、ピンを回転方向に移動して中空ロッドと係止片を回転駆動し、又中空ロッドはピンに案内されて軸方向に移動する請求項3又は4の鉄道車両における車輪の踏面清掃装置。
【請求項6】
鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置において、研摩特性の異なる研摩子をそれぞれ備えた二つの清掃装置がブラケットを介して並列に接続され、各清掃装置はシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入したトルク受ロッドと、シリンダ内に設けられて上記研摩子を上記車輪の踏面から離す方向に常時トルク受ロッドを附勢する復帰用スプリングと、トルク受ロッドの外端に着脱自在に結合した研摩子受けと、研摩子受けに着脱自在に取り付けた研摩子と、トルク受ロッドの端部に上記復帰用スプリングに対向してエアー圧を供給する供給ポートとを備え、切換弁を介して、どちらか一方の供給ポートに選択的にエアを供給することによりいずれか一方の清掃装置における研摩子を選択的に作動させることを特徴とする鉄道車両における車輪の踏面清掃装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両における車輪の踏面清掃装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、軌道上を走行する鉄道車両は走行中に車輪の踏面に錆,ゴミ,砂利等が付着し、これらのゴミ等が踏面と軌道間に介在することによって軌道を損傷して、異音を発生する等の問題点があった。
【0003】
又、車輪の踏面にゴミ等が付着することにより、軌道間との摩擦係数が変動して、ブレーキ動作にも悪影響を及ぼす場合、たとえば、ブレーキ制動距離が延びてしまう等もある。
【0004】
このような問題点に対しては、従来から、踏面清掃装置が使用されるとしており、踏面に付着したゴミ等を取り除くことに関しては、ある程度の効果を発揮していた。
【0005】
この踏面清掃装置としては、例えば、図6,図7に示すものある。
【0006】
この踏面清掃装置は、シリンダ40と、シリンダ40内に移動自在に挿入したトルク受ロッド41と、トルク受ロッド41の外端に設けた研摩子受け42と、研摩子受け42の端部に着脱自在に取付けた研摩子43と、研摩子受け42の下端がボルトBを介して回転自在に枢着されるときに上端を台車側に結合した吊りアーム44とを有している。
【0007】
更にトルク受ロッド41の外周にはトルク受ロッド41の復帰用スプリング48を設けている。
【0008】
上記の踏面清掃装置によれば、トルク受ロッド41の内端側にエアー圧を供給するとトルク受ロッド41と研摩子受け42と研摩子43が図6において左方向に伸長し、研摩子43の弯曲面43aが走行中の車輪の踏面に摺接し、当該踏面の外面に付着しているゴミ.砂利等を取り除く。
【0009】
エアー圧の供給を停止するとトルク受ロッド41は復帰スプリング48のばね力で元の位置に戻り、研摩子43も車輪の踏面から離れる。
【0010】
研摩子43が車輪の踏面に当接している時、フリクションにより、又は踏面に付着したゴミ等の大きさに応じて研摩子43には車輪の接線方向の力を受け、この時研摩子43はボルトBを中心にして揺動すると共に接線方向の力がトルク受ロッド41に作用しないように吊りアーム44で担持する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の踏面清掃装置では、車輪の回転速度にかかわりなくりなく、常に一つの研摩子で車輪の清掃を行っているために、低速から高速までの広範囲にわたって均一な清掃効果が得られない。
【0012】
即ち、使用する研摩子の研摩特性によって、ある車輪の回転速度域では効果的な清掃効果が得られたとしても他の回転速度域では十分な清掃効果が得られない場合があった。
【0013】
そこで、本発明は、車輪の回転速度に応じて、その回転速度における清掃に適した研摩子を選択的に切り換えることにより、低速から高速に至るまで効果的に車輪の清掃を行なうことができる踏面清掃装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の一つの手段は、鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置において、シリンダ内に筒状の第1のトルク受ロッドを移動自在に挿入し、第1のトルク受けロッド内に筒状の第2のトルク受ロッドが移動自在に挿入され、第1のトルク受ロッドの外端第2のトルク受ロッドの外端にはそれぞれ研摩特性の異なる研摩子が研摩子受けを介して着脱自在に結合され、上記第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドはそれぞれ上記シリンダ内に設けた復帰用のスプリングで上記研摩子を上記車輪の踏面から離す方向に常時附勢されると共に当該第1のトルク受けロッドと第2のトルク受けロッドの上記研摩子と反対側の一側には切換弁を介し上記復帰用のスプリグに対向してエアー圧源が選択的に接続されることを特徴とするものである。
【0015】
この場合、シリンダがそれぞれキャップを備えたアウターシリンダとインナーシリンダとで構成され、アウターシリンダとインナーシリンダとの間に第1のピストンを介して第1の中空なトルク受ロッドが移動自在に挿入され、インナーシリンダ内に第2のピストンを介して第2の中空なトルク受ロッドが移動自在に挿入され、キャップにはそれぞれ第1,第2のピストンにエアー圧を供給するポートを設け、第1のピストンとインナーシリンダの外周との間に第1のトルク受ロッド復帰用のスプリングを介在させ、更にキャップに第2のトルク受ロッド内に侵入する支持桿を取付け、第2のピストンの内周に設けたシートと支持桿の端部に設けたシートとの間に第2のトルク受ロッド復帰用のスプリングを介在させているのが好ましい。
【0016】
同じく、本発明の他の手段は、鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置において、ハウジングとハウジングの一端中央に連設したシリンダとを備え、ハウジング内には相対向する一対の第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドを移動自在に挿入し、第1のトルク受ロッドの外端第2のトルク受ロッドの外端にはそれぞれ研摩特性の異なる研摩子が研摩子受けを介して着脱自在に結合され、上記第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドはそれぞれ上記ハウジング内に設けた復帰用のスプリングで上記研摩子を上記車輪の踏面から離す方向に常時附勢され、シリンダはアウターシリンダとインナーシリンダとからなり、アウターシリンダとインナーシリンダとの間には中空ロッドを軸方向及び回転方向移動自在に挿入し、当該中空ロッドの端部には上記第1のトルク受ロッドと第2のトルク受ロッドに選択的に当接する係止片を設け、上記係止片とハウジングとの間に係止片復帰用のスプリングを介在させ、更にインナーシリンダ内に上記係止片と対向するピストンロッドを移動自在に挿入し、ピストンロッドの背面には上記係止片復帰用のスプリングに対向してエアー源を接続していることを特徴とするものである。
【0017】
この場合、第1,第2のトルク受ロッドを中空に形成し、ハウジングに第1,第2のトルク受ロッド内に侵入する支持桿を挿入し、各トルク受ロッドの内周に設けたシートと支持桿の端部に設けたシートとの間に各トルク受ロッド復帰用のスプリングを介在させているのが好ましい。
【0018】
同じく、アウターシリンダに円周方向に沿う長孔を形成し、中空ロッドには上記長孔に対向する軸方向の係止孔を設け、長孔から差し込んだピンを係止孔に嵌合させ、ピンを回転方向に移動して中空ロッドと係止片を回転駆動し、又中空ロッドはピンに案内されて軸方向に移動するようにするのが好ましい。
【0019】
同じく、本発明の他の手段は、鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置において、研摩特性の異なる研摩子をそれぞれ備えた二つの清掃装置がブラケットを介して並列に接続され、各清掃装置はシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入したトルク受ロッドと、シリンダ内に設けられて上記研摩子を上記車輪の踏面から離す方向に常時トルク受ロッドを附勢する復帰用スプリングと、トルク受ロッドの外端に着脱自在に結合した研摩子受けと、研摩子受けに着脱自在に取り付けた研摩子と、トルク受ロッドの端部に上記復帰用スプリングに対向してエアー圧を供給する供給ポートとを備え、切換弁を介してどちらか一方の供給ポートに選択的にエアを供給することによりいずれか一方の清掃装置における研摩子を選択的に作動させることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図にもとづいて説明する。
【0021】
図1に係る鉄道車両における車輪の踏面清掃装置は、鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃するものである。
これは、シリンダ1内に筒状の第1のトルク受ロッド2を移動自在に挿入し、第1のトルク受けロッド2内に筒状の第2のトルク受ロッド3が移動自在に挿入され、第1のトルク受ロッド2の外端と第2のトルク受ロッド3の外端にはそれぞれ研摩特性の異なる研摩子4、6が研摩子受け5、7を介して着脱自在に結合され、上記第1のトルク受ロッド2と第2のトルク受ロッド3はそれぞれ上記シリンダ1内に設けた復帰用のスプリング9、10で上記研摩子4、6を上記車輪の踏面から離す方向に常時附勢されると共に当該第1のトルク受けロッド2と第2のトルク受けロッド3の上記研摩子4,6と反対側の一側には切換弁8を介し上記復帰用のスプリグ9,10に対向してエアー圧源が選択的に接続されることを特徴とするものである。
【0022】
なお、研摩特性の異なる二つの研摩子とは、車輪の高速回転時に踏面に付着したゴミ等を効果的に取り除く(清掃)ことができる研摩子と車輪の低速回転時に踏面に付着したゴミ等を効果的に取り除くことができる研摩子をいう。
【0023】
シリンダ1がそれぞれキャップ11,12を備えたアウターシリンダ1aとインナーシリンダ1bとで構成され、アウターシリンダ1aとインナーシリンダ1bとの間に第1のピストン13を介して第1の中空なトルク受ロッド2が移動自在に挿入されている。
【0024】
インナーシリンダ1b内に第2のピストン14を介して第2の中空なトルク受ロッド3が移動自在に挿入されている。
【0025】
キャップ11,12にはそれぞれ第1,第2のピストン13,14にエアー圧を供給するポート15,16を設けている。
【0026】
第1のピストン13とインナーシリンダ1bの外周との間に第1のトルク受ロッド2の復帰用スプリング9を介在させている。
【0027】
更に中央のキャップ12に第2のトルク受ロッド3内に侵入する支持桿17を取付け、第2のピストン14の内周に設けたシート18と支持桿17の端部に設けたシート19との間に第2のトルク受ロッド3の復帰用スプリング10を介在させている。
【0028】
アウターシリンダ1aと第1のトルク受ロッド2との間にブーツ20を設けてダスト,雨水等の侵入を防止している。
【0029】
切換弁8は、エアー源ポートと大気側ポートとを備え、ソレノイドを介して切換えることにより、キャップ11,12のポート15,16をどちらか一方に連通させ、エアー源に接続された時、どちらか一方の研摩子4又は6が車輪の踏面に当接する。
【0030】
この場合、例えば、車輪の回転速度が高速の時は、研磨面を粗くした研磨特性の研摩子4を使用し、低速の時は、研磨面が細かい研磨特性の他方の研摩子6を使用する。
【0031】
即ち、図1のようにポート15がエアー源側に接続され、他のポート16が大気側に接続されたとすると、第2のトルク受ロッド3はスプリング10で復帰しており、清掃作業は行なわれない。
【0032】
ポート15にエアー圧が供給されると第1のピストン13を介して第1のトルク受ロッド2が伸長し、研摩子4が回転している車輪の踏面に当接して清掃を行なう。
【0033】
清掃が終了した時はエアー圧の供給が停止し、これにより復帰用スプリング9の復元力で第1のトルク受ロッド2が元の位置に戻される。
【0034】
一方、研摩子6で清掃を行う場合には、ソレノイドを介して切換弁8を切換え、ポート11にエアー圧を供給することにより第2のトルク受ロッド3を押出すことにより、研摩子6が車輪に当接し、研摩子6による清掃が行える。
【0035】
次に、図2乃至図4に示す他の実施の形態について述べる。
【0036】
この車輪の清掃装置は、鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置である。
これは、ハウジング50とハウジング50の一端中央に連設したシリンダ51とを備えている。
ハウジング50内には相対向する一対の第1のトルク受ロッド52と第2のトルク受ロッド53を移動自在に挿入し、第1のトルク受ロッド52の外端と第2のトルク受ロッド53の外端にはそれぞれ研摩特性の異なる研摩子4,6が研摩子受け5,7を介して着脱自在に結合され、上記第1のトルク受ロッド52と第2のトルク受ロッド53はそれぞれ上記ハウジング50内に設けた復帰用のスプリング59,60で上記研摩子4,6を上記車輪の踏面から離す方向に常時附勢されている。
【0037】
シリンダ51はアウターシリンダ51aとインナーシリンダ51bとからなり、アウターシリンダ51aとインナーシリンダ51bとの間には中空ロッド54を軸方向及び回転方向移動自在に挿入し、当該中空ロッド54の端部には上記第1のトルク受ロッ52ドと第2のトルク受ロッド53に選択的に当接する係止片55を設けている。
又、上記係止片55とハウジング50の中間との間に係止片復帰用のスプリング61を介在させ、更にインナーシリンダ51b内に上記係止片55と対向するピストンロッド56を移動自在に挿入し、ピストンロッド56の背面には上記係止片復帰用のスプリング61に対向してエアー源を接続している。
以下更に詳しく説明する。
【0038】
第1,第2のトルク受ロッド52,53は、中空に形成し、ハウジング50にそれぞれ第1,第2のトルク受ロッド52,53内に侵入する支持桿57,58を挿入し、各トルク受ロッド52,53の内周に設けたシートS,Sと支持桿57,58の端部に設けたシートS2,S2との間に各トルク受ロッド57,58の復帰用のスプリング59,60を介在させている。
【0040】
更に、アウターシリンダ51aに円周方向に沿う長孔を形成し、中空ロッド54には上記長孔に対向する軸方向の係止孔aを設け、長孔から差し込んだピンPを係止孔aに嵌合させ、ピンPをソケット62を介して回転方向に移動することにより中空ロッド54と係止片55を回転駆動し、又中空ロッド54はピンPに案内されて軸方向に移動する。
【0041】
サブハウジング50bと第1,2のトルク受ロッド52,53との間にはダストの侵入を防止するブーツ64が設けられている。
【0042】
係止片55は、図4に示すように、円盤上の係止部55aと任意の間隔をあけて設けた二つの半円状の切欠き逃げ部55bを備える。
【0043】
中空ロッドの中立状態又はどちらか一方に回転した時係止部55aがどちらか一方のトルク受ロッド52,53の端部に当接し、どちらか一方の逃げ部55bがトルク受ロッド52,53の外周に対向する。
【0044】
例えば、図4のように、係止部55bが第2のトルク受ロッド53の端部に対向しており、一方の逃げ部55bが第1のトルク受ロッド52の外周に対向しているとする。
【0045】
この状態で栓部材57のポートより高圧エアーを供給すると、ピストンロッド56と係止片55が押し出され、係止部55bが第2のトルク受ロッド53に当接してこれを外方に押し出し、逃げ部55bは、第1のトルク受ロッド52に係合せずその外周を通過する。
【0046】
この為、第2のトルク受ロッド53と研摩子6のみが伸長し、この研摩子6が回転している車輪の踏面に当接し清掃作業を行う。
【0047】
清掃が終了した時エアー圧の供給を停止するとスプリング60で第2のトルク受ロッド53が元の位置に復帰し、他のスプリング61の復帰力でピストンロッド56も元の位置に戻される。
【0048】
次に、もう一方の研摩子4を作動させる場合には、リンク等を介して遠隔的にソケット62を円周方向の長孔に沿って回転し、これによりピンPを介して中空ロッド54と係止片55が回転され、係止片55の係止部55bが上記と逆に第1のトルク受ロッド52の端部に対向し、逃げ部55bを第2のトルク受ロッド53の外周に対向させる。
【0049】
この為、この状態で上記と同じくピストンロッド56を伸長すると研摩子4が車輪の路面に当接して清掃作業を行なうものである。
【0050】
なお、上述したいずれの実施の形態にあっても2つの研摩子4,6を選択的に切り換えることにより、車輪の回転速度に応じた清掃効果が得られるが、研摩子4,6はいずれが高速用或いは低速用であってもよい。
【0051】
図5は、本発明の他の実施の形態を示し、これは上記の実施の形態と同じく、鉄道車両の車輪に対向して配置した研摩子を走行中の上記車輪の踏面に摺接して当該踏面を清掃する鉄道車両における踏面清掃装置に係るものである。
【0052】
これは、研摩特性の異なる研摩子4a、6aをそれぞれ備えた二つの清掃装置X、YがブラケットZを介して並列に接続されたものである。
【0053】
例えば、第1の清掃装置Xの研摩子4aは高速用の特性を有し、第2の清掃装置Yの研摩子6aは低速用の特性を備えている。
【0054】
各清掃装置X、Yはシリンダ70と、シリンダ70内に摺動自在に挿入したトルク受ロッド71と、シリンダ70内に設けられて研摩子4a、6aを車輪の踏面から離す方向に常時トルク受ロッド71を附勢する復帰用スプリング72と、トルク受ロッド71の外端に着脱自在に結合した研摩子受け5a、7aと、研摩子受け5a、7aに着脱自在に取り付けた研摩子4a、6aと、トルク受ロッド71の端部に上記復帰用スプリング72に対向してエアー圧を供給する供給ポート74とを備え、切換弁75を介してどちらか一方の供給ポート74に選択的にエアを供給することによりいずれか一方の清掃装置X,Yにおける研摩子4a、6aを選択的に作動させるものである。
【0056】
これにより、切換弁75を介して、どちらか一方の供給ポート74に高圧エアを供給するとトルク受ロッド71が伸長し、復帰用スプリング72が圧縮し、伸長したトルク受ロッド71に接続されたどちらか一方の研摩子4a又は6aが車輪に当接する。
【0057】
供給ポート74のエア圧を抜くと復帰用スプリング72の復元力でトルク受ロッド71が元の位置に戻るものである。
【0058】
なお、上記の各実施の形態における車輪の踏面清掃装置は、踏面に付着した錆、ゴミ等を除去するものであるが、各実施の形態における研磨子4,6,4a,6aをこれらより研磨特性のが粗いもの、言い代えれば、車輪の踏面表面を切削可能な研磨特性を備えたものと交換することにより、車輪の踏面を切削し、当該車輪の摩擦抵抗を調整することができる。
【0059】
即ち、車両の走行中にブレーキ動作を繰り返して行うと、車輪の踏面が徐々に削られて滑らかなツルツルとした面となり、その結果、車輪の踏面と軌道表面との間の摩擦抵抗が減少し、ブレーキが良好に効かなくなり、制動距離が長くなってしまう場合がある。
【0060】
そこで、研磨子4,6又は4a,6aに代えてこれらより更に研磨面が、例えば、硬くて粗い切削用の研磨子を取り付け、車両の走行中にこの研磨子の研磨面を車輪の踏面に押付けると、踏面が研磨特性に応じて切削され、踏面の表面が粗くなるから軌道との間の摩擦抵抗が変化する。
【0061】
この場合、研磨子は、一つ使用しても良く、上記各実施の形態に示すように、高速用と低速用のものを選択的使用しても良い。
【0062】
高速用の研磨子は、表面が粗く、低速用の研磨子は、これより表面が細かいものを使用する。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、車輪の高速回転時に踏面に付着したゴミ等を効果的に取り除くことができる研摩特性を有する研摩子と車輪の低速回転時に踏面に付着したゴミ等を効果的に取り除くことができる研摩特性を有する研摩子を、車輪の回転速度に応じて選択的に切り換えて使用できるため、車輪の低速回転域から高速回転域に至るまで効果的な清掃効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車輪の踏面清掃装置の縦断正面図である。
【図2】他の実施の形態に係る車輪の踏面清掃装置の縦断正面図である。
【図3】同じく右側面図である。
【図4】同じく係止片の側面図である。
【図5】他の実施の形態に係る車輪の踏面清掃装置の一部縦断正面図である。
【図6】従来例とされる車輪の踏面清掃装置の一部切欠き正面図である。
【図7】図6のC-C線縦断側面図である。
【符号の説明】
1, 70 シリンダ
1a アウターシリンダ
1b インナーシリンダ
2,71 第1のトルク受ロッド
3 第2のトルク受ロッド
4,6,4a,6a 研摩子
5,7,5a,7a 研摩子受け
8 切換弁
9,10,72 復帰用のスプリング
11,12 キャップ
13,14 ピストン
15,16 ポート
17 支持桿
18,19 シート
25 ボルト
50 ハウジング
51 シリンダ
51a アウターシリンダ
51b インナーシリンダ
52 第1のトルク受ロッド
53 第2のトルク受ロッド
54 中空ロッド
55 係止片
56 ピストンロッド
57,58 支持桿
59,60 復帰用のスプリング
72 復帰用のスプリング
75 切換弁
P ピン
S、S2 シート
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6