TOP > 国内特許検索 > 微少変位定圧機構及び転てつ減摩器 > 明細書

明細書 :微少変位定圧機構及び転てつ減摩器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3909785号 (P3909785)
公開番号 特開平11-278271 (P1999-278271A)
登録日 平成19年2月2日(2007.2.2)
発行日 平成19年4月25日(2007.4.25)
公開日 平成11年10月12日(1999.10.12)
発明の名称または考案の名称 微少変位定圧機構及び転てつ減摩器
国際特許分類 B61L   5/06        (2006.01)
E01B   7/00        (2006.01)
FI B61L 5/06
E01B 7/00
請求項の数または発明の数 9
全頁数 33
出願番号 特願平10-100342 (P1998-100342)
出願日 平成10年3月27日(1998.3.27)
審査請求日 平成16年11月9日(2004.11.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100083839、【弁理士】、【氏名又は名称】石川 泰男
審査官 【審査官】千壽 哲郎
参考文献・文献 特開昭48-015203(JP,A)
調査した分野 B61L 5/06
E01B 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
位置固定されるきょう体と、
このきょう体に設けられた2つの固定軸と、
軸方向の中間部分を支点、軸方向の一端が外部から作用力の付加される力点、他端が前記作用力に応じて変位する作用点として構成され、前記支点が一方の前記固定軸に回転支持されたアームと、
一端が他方の前記固定軸に回転支持されると共に、他端が前記アームの前記他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、
前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、
前記支点と前記力点との距離をL1とし、前記支点と前記作用点との距離をL2とし、
前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、
前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2とするとき、
前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、
F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S
を満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする微小変位定圧機構。
【請求項2】
請求項1に記載の微小変位定圧機構において、
前記アームは、一方の前記固定軸に回転支持された前記支点の位置で屈曲されたクランクであり、
前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.817~0.870の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束したことを特徴とする微小変位定圧機構。
【請求項3】
請求項1に記載の微小変位定圧機構において、
前記アームは直線状に形成され、
前記の値(cosθ2/cosθ1)が1.145~1.299の範囲、又は0.794~0.955の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束したことを特徴とする微小変位定圧機構。
【請求項4】
位置固定されるきょう体と、
このきょう体に設けられた2つの固定軸と、
一方の前記固定軸に一端が回転支持されたアームと、
他方の前記固定軸に一端が回転支持されると共に、他端が前記アームの他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、
前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、
前記ピン結合された結合点が外部から作用力の作用する点として構成され、2つの前記固定軸を結ぶ線と交わる方向に移動されるよう構成され、
前記アームにおける一方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL1とし、
前記緩衝機構における他方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL3とし、
前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、
前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2とするとき、
前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、
F=(L3/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S
を満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする微小変位定圧機構。
【請求項5】
鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するための転てつ減摩器において、
前記分岐器に位置固定されるきょう体と、
このきょう体に設けられた2つの固定軸と、
軸方向の中間部分を支点、軸方向の一端が外部からの作用力の付加される力点、他端が前記作用力に応じて変位する作用点として構成され、前記支点が一方の前記固定軸に回転支持されたアームと、
一端が他方の前記固定軸に回転支持されると共に、他端が前記アームの前記他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、
前記力点には、前記可動レールを転動摩擦により支持するローラー機構が設けられ、
前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、
前記支点と前記力点との距離をL1とし、前記支点と前記作用点との距離をL2とし、
前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、
前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2とするとき、
前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、
F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S
を満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする転てつ減摩器。
【請求項6】
鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するための転てつ減摩器において、
前記分岐器に位置固定されるきょう体と、
このきょう体に設けられた2つの固定軸と、
一方の前記固定軸に一端が回転支持されたアームと、
他方の前記固定軸に一端が回転支持されると共に、他端が前記アームの他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、
前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、
前記ピン結合された結合点が外部から作用力の作用する点として構成され、2つの前記固定軸を結ぶ線と交わる方向に移動されるよう構成され、
前記結合点には、前記可動レールを転動摩擦により支持するローラー機構が設けられ、
前記アームにおける一方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL1とし、
前記緩衝機構における他方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL3とし、
前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、
前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をS、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2としたとき、
前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、
F=(L3/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S
を満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする転てつ減摩器。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の転てつ減摩器において、
前記ローラー機構は、前記きょう体の金具軸に取付けられるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられる第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金具の動きを規制する第1ストッパー及び第2ストッパーを有して構成され、前記可動レールの転換前は前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止され、前記可動レールが転換を開始すると、前記可動レールの底部側面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラー支持金具が微少回転し、前記第2ローラーが前記可動レールの底部を押すことにより前記可動レールの底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具が前記第2ストッパーと前記可動レールの底部によって抑止されることにより回転が拘束された状態で前記第1ローラーによる前記可動レールの転動が行われるように構成されることを特徴とする転てつ減摩器。
【請求項8】
請求項5に記載の転てつ減摩器において、
前記アームは、一方の前記固定軸に回転支持された前記支点の位置で屈曲されたクランクであり、
前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.817~0.870の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束したことを特徴とする転てつ減摩器。
【請求項9】
請求項5に記載の転てつ減摩器において、
前記アームは直線状に形成され、
前記の値(cosθ2/cosθ1)が1.145~1.299の範囲、又は0.794~0.955の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束したことを特徴とする転てつ減摩器。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機構と、この微少変位定圧機構を組込んだ転てつ減摩器に関するものである。転てつ減摩器は、鉄道における分岐器を転換する転てつ装置において、ポイント部とクロッシング部の可動レール(ポイント部の可動レールは「トングレール」と呼ばれる。)を定位又は反位に転換させる際の転換力を減少させることを目的とした装置である。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道において、鉄道車両の進路を一つの線路(以下、「本線」という。)から他の線路(以下、「分岐線」という。)へ移す分岐を行わせるために分岐器が用いられている。この分岐器は、一般に、図16に示すような構成を有している。図16に示す分岐器100は、本線側のレールR1,R2(以下、「基本レール」という。)と、分岐線側へのトングレールT1,T2と、電気転てつ機101と、伝動部108を備えている。
【0003】
トングレールT1,T2が基本レールR1,R2に密着する先端部は、舌状に形成されている。また、伝動部108は、動作かん102と、リンク部材103a,103b,103c,103d,103e及び103fと、エスケープクランク104及び106と、ロッド105及び107と、転てつ棒109,110を有している。また、ロッド105,107は、転てつ棒109,110を介してトングレールT1,T2に取り付けられている。
【0004】
また、電気転てつ機101は、内部に電動モーター(図示せず)を駆動力変換機構(図示せず)を有しており、電動モーターの回転駆動力が直線方向の駆動力に変換され、動作かん102が図16の右側方向又は左側方向へ駆動される。この動作かん102の動きは、伝動部108によりロッド105,107に伝えられ、転てつ棒109,110を介してトングレールT1,T2を動かす。
【0005】
例えば、動作かん102が図16における右側方向に移動した場合には、ロッド105,107が例えば図16における下方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端(図16における左端)が基本レールR2に密着し、かつトングレールT1の先端(図16における左端)が基本レールR1から離れる。また、動作かん102が図16における左側方向に移動した場合には、ロッド105,107が例えば図16における上方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端が基本レールR2から離れ、かつトングレールT1の先端が基本レールR1に密着する。
【0006】
上記のような動作により、分岐器100は、進路を本線側又は分岐線側に切り換えるトングレール転換動作を行うことができる。この場合、トングレールが本線側レールに密着する位置のうちの一方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1から離れトングレールT2の先端が基本レールR2に密着する位置を「定位」といい、他方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1に密着しトングレールT2の先端が基本レールR2から離れる位置を「反位」という。これらは、列車運行上の取決めであり、これらの逆の位置を定位又は反位としてもよい。また上記の電気転てつ機101には、手動ハンドル(図示せず)が設けられており、動作かん102の駆動は人力により手動で行うことも可能である。
【0007】
従来のトングレールにおける上記の転換動作は、鋼製の床板上を摺動させて行われていた。しかし、トングレールと床板との摺動摩擦抵抗は、摺動部分に給油等の摩擦低減対策を行ったとしても、ローラーによる転動摩擦抵抗に比べて非常に大きかった。分岐器は屋外で使用されるため、床板の摺動面に錆等が発生したり塵埃等が付着し易く、摺動面を摩擦の少ない状態に保持するには多くの労力や経費が必要であった。
【0008】
このため、ローラーの転動を利用してトングレール転換時の転換力を減少させる転てつ減摩器が開発され戦前から実用化されていた。転てつ減摩器を、図16において201~204で示す。
【0009】
しかし、初期の転てつ減摩器は、トングレールの側面に穴を開け、転動用ローラーとローラー支持金具をその穴にボルト締結する必要があり、トングレールの強度に与える影響や、転てつ減摩器の設置が煩雑になる等の問題があった。
【0010】
この問題を解決するため、特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器が開発され、トングレールの側面に穴を開ける必要はなくなった。特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器は、本体を基本レール側に取付けて、そこからローラー支持金具を出し、ローラー支持金具の先端にローラーを取付けた構造のものである。この特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器によれば、トングレールが転換を開始すると、初めは床板上を摺動するものの、ある位置からはローラーに乗り移り、ローラーを利用して転動しトングレール転換ができるようになっている。
【0011】
現在では、特開昭48-15203号公報記載の転てつ減摩器を基本として、さらにローラーの上下・左右方向の位置を調整し易くした構造の転てつ減摩器(実開昭60-45701号公報参照)が開発され、普及している。
【0012】
図17に、ローラーの転動を利用した転てつ減摩器の一例の構成を示す。図17に示すように、この転てつ減摩器は、本体210と、ローラー支持金具211と、ローラー212と、ボルト213と、ナット214と、ばね緩衝器215と、ボルト216と、ナット217を備えている。本体210は、ボルト216とナット217により基本レールRに取付けられている。ローラー支持金具211は、本体210の軸210aに取付けられている。ローラー212は、ローラー支持金具211の先端の軸211aに取付けられている。ボルト213は、ばね緩衝器215を介して本体210に取付けられ、ローラー支持金具211の後端211bを押えている。ばね緩衝器215については後述する。Tは、基本レールRに密着している時のトングレールを示している。また、T′は、転換中のトングレールを示している。
【0013】
上記のような構成により、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板(図示せず)上に乗っている。次に、T′に示すように、トングレールが転換を開始してある位置にくると、それ以降はローラー212の上に乗り移り、ローラー212上を転動する。これにより、トングレール転換時の摩擦抵抗が軽減されるようになっている。
【0014】
上記したようなローラーの転動を利用した転てつ減摩器においては、初め床板上にあるトングレールを途中からローラーに乗り移らせることが必要である。もし、ローラーの上面の高さが床板よりも低いと、トングレール底面がローラー上面と接触しないためトングレールは床板上を摺動してしまう。このため、ローラー上面の高さは、トングレール底面の位置よりも高い位置に設定する必要がある。しかし、ローラー上面の高さが床板よりも高くなると、トングレールがローラーに乗り移る際に抵抗力を受ける。このため、ローラー上面の高さが床板よりもかなり高くなると、トングレール転換力が非常に大きくなる。そして、さらにローラー上面の高さが高くなると、トングレールはローラーに乗り移ることができず、分岐器が転換不能となり、列車運行に支障を生じる原因となるおそれがある。
【0015】
そこで、従来は、経験上から、転てつ減摩器のローラーの高さ設定の目安として、トングレール先端と床板間に名刺が1枚挿入可能な程度に高くなるように設定するとトングレール転換力を軽減する減摩効果が有効に発揮される、とされてきた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トングレールの先端の位置でトングレール底部と床板とが接触していた場合であっても、転てつ減摩器の取付位置がトングレール先端位置から離れていればいるほど、上記のように「トングレール先端と床板間に名刺が1枚挿入可能な程度に高く」するためには、ローラーの高さを相当に高くしないと実現はできない。分岐器においては、まくらぎの設定の状態や、列車通過によるまくらぎの微少沈下等の原因により、床板のすべてがトングレール底部と接触しているわけではないため、トングレールの先端の位置でトングレール底部と床板とが接触しない場合もある。このような場合には、上記したローラー高さの設定基準の目安値は採用できず、現実には保守作業者等の経験や感覚による設定に頼らざるを得なかった。
【0017】
保守作業者等の感覚による設定では、トングレール底部を転てつ減摩器のローラーで転動するように高めに設定することになる。しかし、ローラーが回転する場合でも、転てつ減摩器の減摩効果が有効に発揮できるように設定されているとは限らない。転てつ減摩器のローラーが回転しない状態であったものを回転するように高めに設定した後に、実際にトングレールを電気転てつ機の手動ハンドルで転換してみると、設定前よりも手動ハンドルが重く感じられることがよくあり、特にトングレールが床板からローラーに乗り移る際に重くなることが多かった。
【0018】
そのような場合には、トングレールの手動転換を繰り返しながら、試行錯誤により、手動ハンドルが軽くなるようにローラー高さを微調整することになるが、人間の感覚による調整であるので個人差があった。また、転てつ減摩器の減摩効果の評価も人間の感覚によるものであり、これにも個人差があった。特に、弾性ポイントのように、トングレールの上下方向の動きが束縛されている場合には、微調整の繰り返しが顕著にならざるを得なかった。
【0019】
上記したローラーの転動を利用した転てつ減摩器においては、図17に示すように、ばね緩衝器215が設けられている。このばね緩衝器215は、圧縮ばねにより構成されている。図17において、ローラー212の位置が高過ぎ、トングレールTがローラー212上へ乗り移る際にローラー212に大きな力が加わった場合には、ローラー支持金具211の先端の211aが下方に微少量押し下げられる動きに連動して、ローラー支持金具211が軸210aを中心として微少回転し、この動きによりボルト213が上方に微少量押し上げられ、このときの衝撃がナット214からばね緩衝器215に伝達され、ばね緩衝器215の弾性変形により吸収され緩和されるようになっている。
【0020】
しかし、ばね緩衝器215は、微少変位で反発力が著しく増加する普通のばね緩衝器であるので、転てつ減摩器の衝撃緩衝用としては役立つかもしれないが、このばね緩衝器215が緩衝する状態で使用すると、緩衝ばねの圧力が大き過ぎ、トングレールの押し付け力と緩衝ばねの圧力による影響がローラー212に加わり、かえって転換力を増大させてしまう結果となることが多かった。
【0021】
このため、従来は、十分な減摩効果が発揮されるまで、何度もトングレールの手動転換を繰り返し、少しずつローラーの高さを微調整していくほかに方法がなく、ローラーの高さ位置を適正位置に調整するために手間がかかっていた。また、上記のようにしてローラー位置を調整した後に分岐器上を列車が通過すると、分岐器を支持するまくらぎは微少な沈下を生じ、ローラーとトングレールとの位置関係が変化していく。まくらぎの沈下量は、列車の通過頻度や道床の状態によって絶えず変化するため、上記したローラー位置調整は定期的に行う必要があり、分岐器の保守担当者にとっては大きな負担となっていた。
【0022】
一方、初期の転てつ減摩器の中には、トングレール転換中のほか、基本レールにトングレールが密着している場合にも、常にローラー上に乗せておく構造のものもあった。しかし、このような構造の転てつ減摩器では、基本レールに密着しているトングレールの上を列車が通過する際に、列車の重量をトングレールとローラーの線接触で受けることとなる。このような線接触による支持は、機器の状態としては好ましい状態ではないこと、また、ローラーの高さが高過ぎると実開昭60-45701号公報記載の転てつ減摩器と同様の構成となることから、ローラー高さを適正位置になるように微調整しておく必要があり、この場合にも、実開昭60-45701号公報記載の転てつ減摩器と同様に調整に手間がかかっていた。
【0023】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機構と、この微少変位定圧機構を組込んだ転てつ減摩器を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の微少変位定圧機構は、位置固定されるきょう体と、このきょう体に設けられた2つの固定軸と、軸方向の中間部分を支点、軸方向の一端が外部から作用力の付加される力点、他端が前記作用力に応じて変位する作用点として構成され、前記支点が一方の前記固定軸に回転支持されたアームと、一端が他方の前記固定軸に回転支持されると共に、他端が前記アームの前記他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、前記支点と前記力点との距離をL1とし、前記支点と前記作用点との距離をL2とし、前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2とするとき、前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×Sを満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする。
【0025】
上記の微小変位定圧機構において、前記アームは、一方の前記固定軸に回転支持された前記支点の位置で屈曲されたクランクであり、前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.817~0.870の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束した
【0026】
まあ、上記の微小変位定圧機構において、前記アームは直線状に形成され、前記の値(cosθ2/cosθ1)が1.145~1.299の範囲、又は0.794~0.955の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束した
【0027】
また、本発明に係る第2の微少変位定圧機構は、位置固定されるきょう体と、このきょう体に設けられた2つの固定軸と、一方の前記固定軸に一端が回転支持されたアームと、他方の前記固定軸に一端が回転支持されると共に、他端が前記アームの他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、前記ピン結合された結合点が外部から作用力の作用する点として構成され、2つの前記固定軸を結ぶ線と交わる方向に移動されるよう構成され、前記アームにおける一方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL1とし、前記緩衝機構における他方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL3とし、前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2とするとき、前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、F=(L3/L1)×(cosθ2/cosθ1)×Sを満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係る第1の転てつ減摩器は、鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するための転てつ減摩器において、前記分岐器に位置固定されるきょう体と、このきょう体に設けられた2つの固定軸と、軸方向の中間部分を支点、軸方向の一端が外部からの作用力の付加される力点、他端が前記作用力に応じて変位する作用点として構成され、前記支点が一方の前記固定軸に回転支持されたアームと、一端が他方の前記固定軸に回転支持されると共に、他端が前記アームの前記他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、前記力点には、前記可動レールを転動摩擦により支持するローラー機構が設けられ、前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、前記支点と前記力点との距離をL1とし、前記支点と前記作用点との距離をL2とし、前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2とするとき、前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×Sを満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の第2の転てつ減摩器は、鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するための転てつ減摩器において、前記分岐器に位置固定されるきょう体と、このきょう体に設けられた2つの固定軸と、一方の前記固定軸に一端が回転支持されたアームと、他方の前記固定軸に一端が回転支持されると共に、他端が前記アームの他端とピン結合された緩衝機構と、を具備し、前記緩衝機構は、前記支点と前記作用点とを結ぶ線の方向に伸縮するばねが設けられ、前記ピン結合された結合点が外部から作用力の作用する点として構成され、2つの前記固定軸を結ぶ線と交わる方向に移動されるよう構成され、前記結合点には、前記可動レールを転動摩擦により支持するローラー機構が設けられ、前記アームにおける一方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL1とし、前記緩衝機構における他方の前記固定軸と、ピン結合された前記他端である結合点との距離をL3とし、前記作用力をFとし、前記作用力により前記前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′のなす角をθ1とし、前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をS、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′のなす角度をθ2としたとき、前記緩衝機構に設けられた前記ばねは、F=(L3/L1)×(cosθ2/cosθ1)×Sを満たす反力Sを付与するよう前記ばね長が予め設定されたことを特徴とする。
【0030】
また、上記の転てつ減摩器において、好ましくは、前記ローラー機構は、前記きょう体の金具軸に取付けられるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられる第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金具の動きを規制する第1ストッパー及び第2ストッパーを有して構成され、前記可動レールの転換前は前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止され、前記可動レールが転換を開始すると、前記可動レールの底部側面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラー支持金具が微少回転し、前記第2ローラーが前記可動レールの底部を押すことにより前記可動レールの底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具が前記第2ストッパーと前記可動レールの底部によって抑止されることにより回転が拘束された状態で前記第1ローラーによる前記可動レールの転動が行われるように構成される。
【0031】
また、上記の転てつ減摩器において、好ましくは、前記アームは、一方の前記固定軸に回転支持された前記支点の位置で屈曲されたクランクであり、前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.817~0.870の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束するよう構成した。
【0032】
または、上記の転てつ減摩器において、好ましくは、前記アームは直線状に形成され、前記の値(cosθ2/cosθ1)が1.145~1.299の範囲、又は0.794~0.955の範囲で変化するように前記作用点として構成された前記アームの前記他端が移動するようにこのアームの動きを拘束するように構成した。
【0033】
なお、鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するための転てつ減摩器において、きょう体の金具軸に取付けられるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられる第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金具の動きを規制する第1ストッパー及び第2ストッパーを有して構成され、前記可動レールの転換前は前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止され、前記可動レールが転換を開始すると、前記可動レールの底部側面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラー支持金具が微少回転し、前記第2ローラーが前記可動レールの底部を押すことにより前記可動レールの底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具が前記第2ストッパーと前記可動レールの底部によって抑止されることにより回転が拘束された状態で前記第1ローラーによる前記可動レールの転動が行われるように構成してもよい
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図であり、図1(A)は転てつ減摩器の全体構成及び分岐器との配置関係を示す図を、図1(B)は図1(A)における緩衝機構のさらに詳細な構成を示す断面図を、それぞれ示している。
【0036】
図1(A)に示すように、この転てつ減摩器10は、きょう体11と、クランク12と、緩衝機構13と、ローラー14を備えて構成されている。
【0037】
きょう体11は、分岐器における固定位置、例えば床板P等に固定される。きょう体11の2箇所には、固定軸11a及び11bが設けられている。
【0038】
クランク12は、図示のように、「L」字状又は「へ」字状に形成された部材であり、第1アーム12aと、第2アーム12bの2つの部分を有している。第2アーム12bは、第1アーム12aから任意の角度を持ってさらに第1アーム12aを延長した構成となっている。
【0039】
第1アーム12aと第2アーム12bが接続する箇所には、固定軸用孔12dが設けられている。この固定軸用孔12dは、固定軸11aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、クランク12はきょう体11に取付けられる。
【0040】
また、第1アーム12aには、固定軸用孔12dとは反対側の端部付近に、ピン軸12eが設けられている。このピン軸12eには、後述する緩衝機構13が取付けられる。
【0041】
第2アーム12bには、固定軸用孔12dとは反対側の端部付近に、ローラー軸12cが設けられている。また、ローラー14には、その中心に図示しない孔が設けられている。この孔は、ローラー軸12cが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、ローラー14はクランク12の第2アーム12bに取付けられる。
【0042】
緩衝機構13は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部13aと、ピストン部13bと、固定軸接続部13cと、ピン軸接続部13tを有している。ピストン部13bは、シリンダー部13aの内部に挿入され、内部のばね(後述)により弾性的に支持されるように構成されている。また、ピン軸接続部13tは、ピストン部13bとは反対側のシリンダー部13aの端部に固定されている。また、固定軸接続部13cは、シリンダー部13aとは反対側のピストン部13bの端部に固定されている。
【0043】
また、固定軸接続部13cには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近(緩衝機構13の一方の端部付近)に、固定軸用孔13eが設けられている。この固定軸用孔13eは、固定軸11bが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、緩衝機構13の一方の端部である固定軸用孔13eは、固定軸11bに取付けられる。
【0044】
また、ピン軸接続部13tには、シリンダー部13aとは反対側の端部付近(緩衝機構13の他方の端部付近)に、ピン軸用孔13dが設けられている。このピン軸用孔13dは、ピン軸12eが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、第1アーム12aの端部であるピン軸12eは、緩衝機構13の他方の端部であるピン軸用孔13dとピン接合される。
【0045】
次に、シリンダー部13aの内部及びその付近のさらに詳細な構成について、図1(B)を参照しつつ説明する。
図1(B)に示すように、シリンダー部13aは、筒状に形成されており、軸方向(長手方向)の一端が開口となり、軸方向(長手方向)の他端が閉塞された構成となっている。
【0046】
シリンダー部13aの内部には、ばね13fが配置されている。ばね13fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部13aの軸方向(長手方向)に反発力が作用するように構成されている。
【0047】
また、シリンダー部13aの開口側からは、ピストン部13bがシリンダー部13aの内部に挿入されている。ピストン部13bの挿入側の端部であるばね押圧部13gは、ばね13fを有効に圧縮可能な形状に形成されている。また、シリンダー部13aの閉塞側には、上記したピン軸接続部13tが連結されている。
【0048】
上記のような構成により、緩衝機構13の固定軸接続部13cは、固定軸11bにより軸支されており、固定軸11bのまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束されている。このため、ピストン部13bがシリンダー部13aの内方へ押し込まれると、ばね13fが圧縮され、ばねのたわみ量(縮み量)に応じた反発力がシリンダー部13aの軸方向(長手方向)に発生する。この反発力は、ピン軸12eと固定軸11bの両方に等しい値で伝達される。
【0049】
また、緩衝機構13には、ばね13fのたわみ量をあらかじめセットしておくための機構が設けられている。この機構は、例えば、図1(B)に示すように、シリンダー部13aに設けられシリンダー部13aの軸方向に長くなるように形成された長穴13hと、長穴13hを通してシリンダー部13aの内部に突出するように配置されたばねたわみ量調整部材13iと、ばねたわみ量調整部材13iをシリンダー部13aに固定するボルト13kと、シリンダー部13aに設けられたボルト孔13m等から構成される。
【0050】
このような構成により、ばねたわみ量調整部材13iを長穴13h内でシリンダー部13aの軸方向にスライド移動させた後にボルト13kで固定すれば、ばね13fをあらかじめ縮ませた状態でセットすることができる。したがって、ばね13fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能となる。なお、ボルト孔13mをシリンダー部13aの軸方向に複数個設けておくなどすれば、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね13fからの圧力も可変調整可能であり、これに伴いローラー14の支持圧力も可変調整可能となる。
【0051】
次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10の作用について、図2を参照しつつ説明を行う。図2は、図1に示す転てつ減摩器の作用を示す図であり、図2(A)はトングレールが基本レールに密着している状態を、図2(B)はトングレールが転換中の状態を、それぞれ示している。
【0052】
まず、図2(A)に示すように、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っている。この場合には、ローラー14の上部が床板Pの上面よりも高くなるように設定されている。
【0053】
次に、図2(B)に示すように、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図の右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレールTの底部がローラー14の上に乗り移り、ローラー14上を転動する。この際、トングレールTの底部は、ローラー14を押し下げる。
【0054】
この押し下げ力は、ローラー軸12cからクランク12へ伝達される。この場合、ローラー軸12cの中心を作用点とすると、第1実施形態の転てつ減摩器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0055】
すなわち、第1実施形態の転てつ減摩器10は、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大きく変化することはないため、従来のような煩雑なローラー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減される、という利点がある。
【0056】
次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10の原理について説明を行う。図3は、図1に示す転てつ減摩器の第1の原理モデルを説明する図である。
【0057】
図3において、点D1と点A1を結ぶ直線D1-A1は、クランク12の第2アーム12bを示している。また、L1は、クランク12の第2アーム12bの長さを示している。点D1は、ローラー軸12cの中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。Fは、作用点D1に作用する作用力、すなわちトングレールTの底部がローラー14を押し下げようとする力である。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。Xは、図3の水平な鎖線から作用点D1までの垂直方向の距離である。したがって、作用点D1が下方へ押し下げられる場合には、Xが増加するように変化していく。
【0058】
また、点A1と点C1を結ぶ直線A1-C1は、クランク12の第1アーム12aを示している。また、L2は、クランク12の第1アーム12aの長さを示している。点A1は、固定軸11aの中心点、すなわちクランク12の回転の中心点(以下、「クランク軸」という。)を示している。点C1は、ピン軸12eの中心点、すなわちクランク12と緩衝機構13のピン接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)を示している。θ。は、クランク12の第1アーム12aと第2アーム12bの成す角を示している。Sは、ピン接合点C1が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力(反力)である。
【0059】
すなわち、図3のモデルは、第1アーム12a(直線A1-C1)と任意の角度θ。を持ってさらに第1アーム12a(直線A1-C1)を延長したクランク12(折線D1-A1-C1)を有するモデルである。
【0060】
また、点C1と点B1を結ぶ直線は、緩衝機構13を示している。点B1は、固定軸11bの中心点、すなわち緩衝機構13の回転の中心点を示している。また、L3は、緩衝機構13のピン接合点C1と、固定軸11bの中心点との間の距離を示している。また、L。は、固定軸11aの中心点A1と固定軸11bの中心点B1との間の距離を示している。
【0061】
上記のような原理モデルによれば、ローラー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部がローラー14を押し下げる動作は、図3において、作用点D1に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。この作用力Fにより、クランク12を示す折線D1-A1-C1は、クランク軸A1を回転中心として、反時計回りに回転する。この動きにより、ピン接合点C1が、緩衝機構13(直線C1-B1)のピン軸接続部13t(図3には図示せず)に力を作用させ、ピストン13b(図3には図示せず)をシリンダー部13a(図3には図示せず)の内部へ押し込もうとする。これによりばね13f(図3には図示せず)が反発力を発生する。
【0062】
このばね力は、クランク12(折線D1-A1-C1)を経て作用点D1に伝達され、トングレールTがローラー14から受ける反力となる。この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、すなわち作用点D1において図3の上方へ向かい大きさがFの力である。
【0063】
また、作用点D1における第2アーム12b(直線D1-A1)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とする。そして、ピン接合点C1における緩衝機構13の反力Sと、第1アーム12a(直線A1-B1)の回転方向の接線とが成す角をθ2とする。このように角θ1,θ2を定義すると、作用力Fによって第2アーム12b(直線D1-A1)を回転させる分力をF′とすれば、
F′=F×cosθ1 ……(1)
と表すことができる。
【0064】
また、緩衝機構の反力Sによって第1アーム12a(直線A1-C1)を回転させる分力をS′とすれば、
S′=S×cosθ2 ……(2)
と表すことができる。
【0065】
図3の状態では、クランク軸A1のまわりのモーメントは釣り合っているから、
F′×L1=S′×L2 ……(3)
と表すことができる。
【0066】
式(3)に式(1),式(2)を代入して整理すれば、力Fは、
F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S ……(4)
と表すことができる。
【0067】
上式(4)の値(L2/L1)を係数Kとすると、
F=K×(cosθ2/cosθ1)×S ……(5)
と表すことができる。
【0068】
上式(5)のうち、{(cosθ2/cosθ1)×S}の値が、作用点D1の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。
【0069】
例えば、上記したL。=200mm,L1=200mm,L2=100mm,θ。=135°とし、ばね13fのばね定数を15N/mm(N:ニュートン)とし、ばね13fのセット時のたわみ量を70mmとすると、変位X(mm),θ1,θ2,(cosθ2/cosθ1),ばね圧S(N),支持力F(N)は、表1のようになる。
【0070】
【表1】
JP0003909785B2_000002t.gif【0071】
この表1から、変位Xが50mm~65mmの範囲であれば、支持力Fは、605N~608Nの範囲の変化しかなく、ほぼ一定の支持力が得られることがわかる。これは単なる一例であり、ほぼ一定の支持力を得るには、上記の式を用いてアーム長さや角度等の定数の種々の様々な組合わせの中から最も適した定数を選択することにより、望ましい特性を得ることができる。
【0072】
上記のような特性をグラフに示すと、図4における曲線302,303のようになる。横軸はローラーの高さを示しており、これは変位Xに相当する。また、縦軸はローラーの支持圧力を示しており、これは支持力Fに相当する。すなわち、曲線302の場合には、ローラーの高さが変化しても、ローラーの支持圧力はほぼ一定となる。また、曲線303の場合には、ローラーの高さの変化に伴い、ローラーの支持圧力は、緩やかな増加からほぼ一定となるか、又はほぼ一定から緩やかな減少となるように変化する。なお、図4における直線301は、従来の転てつ減摩器の特性を示しており、ローラー高さの変化に応じて一様に増加していく。
【0073】
次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10の他の原理について説明を行う。図5は、図1に示す転てつ減摩器の第2の原理モデルを説明する図である。
【0074】
図5において、点D2と点A2を結ぶ直線D2-A2は、クランク12の第2アーム12bを示している。また、L1は、クランク12の第2アーム12bの長さを示している。点D2は、ローラー軸12cの中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。Fは、作用点D1に作用する作用力、すなわちトングレールTの底部がローラー14を押し下げようとする力である。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。Xは、図5の水平な鎖線から作用点D2までの垂直方向の距離である。したがって、作用点D2が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していく。
【0075】
また、点A2と点C2を結ぶ直線A2-C2は、クランク12の第1アーム12aを示している。また、L2は、クランク12の第1アーム12aの長さを示している。点A2は、固定軸11aの中心点、すなわちクランク12の回転の中心点(以下、「クランク軸」という。)を示している。点C2は、ピン軸12eの中心点、すなわちクランク12と緩衝機構13のピン接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)を示している。θ。は、クランク12の第1アーム12aと第2アーム12bの成す角を示している。Sは、ピン接合点C2が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力(反力)である。
【0076】
すなわち、図5のモデルは、第1アーム12a(直線A2-C2)と軸対象方向にさらに第1アーム12a(直線A2-C2)を延長したクランク12(直線D2-A2-C2)を有するモデルである。
【0077】
また、点C2と点B2を結ぶ直線は、緩衝機構13を示している。点B2は、固定軸11bの中心点、すなわち緩衝機構13の回転の中心点を示している。また、L3は、緩衝機構13のピン接合点C2と、固定軸11bの中心点との間の距離を示している。また、L。は、固定軸11aの中心点A2と固定軸11bの中心点B2との間の距離を示している。
【0078】
上記のような原理モデルによれば、ローラー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部がローラー14を押し下げる動作は、図5において、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。この作用力Fにより、クランク12を示す直線D2-A2-C2は、クランク軸A2を回転中心として、反時計回りに回転する。この動きにより、ピン接合点C2が、緩衝機構13(直線C2-B2)のピン軸接続部13t(図5には図示せず)に力を作用させ、ピストン13b(図5には図示せず)をシリンダー部13a(図5には図示せず)の内部へ押し込もうとする。これによりばね13f(図5には図示せず)が反発力を発生する。
【0079】
このばね力は、クランク12(直線D2-A2-C2)を経て作用点D2に伝達され、トングレールTがローラー14から受ける反力となる。この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、すなわち作用点D2において図5の上方へ向かい大きさがFの力である。
【0080】
また、作用点D2における第2アーム12b(直線D2-A2)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とする。そして、ピン接合点C2における緩衝機構13の反力Sと、第1アーム12a(直線A2-B2)の回転方向の接線とが成す角をθ2とする。このように角θ1,θ2を定義すると、作用力Fによって第2アーム12b(直線D2-A2)を回転させる分力をF′とすれば、
F′=F×cosθ1 ……(6)
と表すことができる。
【0081】
また、緩衝機構の反力Sによって第1アーム12a(直線A2-C2)を回転させる分力をS′とすれば、
S′=S×cosθ2 ……(7)
と表すことができる。
【0082】
図5の状態では、クランク軸A2のまわりのモーメントは釣り合っているから、
F′×L1=S′×L2 ……(8)
と表すことができる。
【0083】
式(8)に式(6),式(7)を代入して整理すれば、力Fは、
F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S ……(9)
と表すことができる。
【0084】
上式(9)の値(L2/L1)を係数Kとすると、
F=K×(cosθ2/cosθ1)×S ……(10)
と表すことができる。すなわち、第2の原理モデルでも、上述した第1の原理モデルと同一の式を得ることができる。
【0085】
上式(10)のうち、{(cosθ2/cosθ1)×S}の値が、作用点D2の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。
【0086】
例えば、上記したL。=200mm,L1=200mm,L2=100mmとし、ばね13fのばね定数を15N/mmとし、ばね13fのセット時のたわみ量を70mmとすると、変位X(mm),θ1,θ2,(cosθ2/cosθ1),ばね圧S(N),支持力F(N)は、表2のようになる。
【0087】
【表2】
JP0003909785B2_000003t.gif【0088】
この表2から、変位Xが120mm~135mmの範囲であれば、支持力Fは、651N~654Nの範囲の変化しかなく、ほぼ一定の支持力が得られることがわかる。これは単なる一例であり、ほぼ一定の支持力を得るには、上記の式を用いてアーム長さや角度等の定数の種々の様々な組合わせの中から最も適した定数を選択することにより、望ましい特性を得ることができる。
【0089】
この表2の場合も、上記した図4の特性と同様の特性が得られる。
【0090】
さらに、上式(10)を用い、L。=200mm,L1=100mm,L2=100mmとし、ばね13fのばね定数を15N/mmとし、ばね13fのセット時のたわみ量を70mmとすると、変位X(mm),θ1,θ2,(cosθ2/cosθ1),ばね圧S(N),支持力F(N)は、表3のようになる。
【0091】
【表3】
JP0003909785B2_000004t.gif【0092】
この表3から、変位Xが40mm~50mmの範囲であれば、支持力Fは、650N~660Nの範囲の変化しかなく、ほぼ一定の支持力が得られることがわかる。これは単なる一例であり、ほぼ一定の支持力を得るには、上記の式を用いてアーム長さや角度等の定数の種々の様々な組合わせの中から最も適した定数を選択することにより、望ましい特性を得ることができる。
【0093】
この表3の場合も、上記した図4の特性と同様の特性が得られる。
【0094】
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図6は、本発明の第2実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す図であり、図6(A)はトングレールが基本レールに密着している状態を、図6(B)はトングレールが転換中の状態を、それぞれ示している。
【0095】
図6(A),図6(B)に示すように、この転てつ減摩器20は、きょう体21と、アーム22と、緩衝機構23と、ローラー24を備えて構成されている。
【0096】
きょう体21は、分岐器における固定位置、例えば床板P等に固定される。きょう体21の2箇所には、固定軸21a及び21bが設けられている。
【0097】
アーム22は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材である。
【0098】
アーム22の一端には、固定軸用孔22dが設けられている。この固定軸用孔22dは、固定軸21aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、アーム22はきょう体21に取付けられる。
【0099】
また、アーム22の他端には、ローラー軸22eが設けられている。このローラー軸22eには、後述するローラー24と緩衝機構23が取付けられる。
【0100】
ローラー24には、その中心に図示しない孔が設けられている。この孔は、ローラー軸22eが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、ローラー24はアーム22に取付けられる。
【0101】
緩衝機構23は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部23aと、ピストン部23bと、固定軸接続部23cと、ピン軸接続部23tを有している。この緩衝機構23の基本的な構成は、上記した第1実施形態の緩衝機構13と同様であり、シリンダー部23aはシリンダー部13aに相当し、ピストン部23bはピストン部13bに相当し、固定軸接続部23cは固定軸接続部13cに相当し、ピン軸接続部23tはピン軸接続部13tに相当しているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0102】
ピン軸接続部23tには、シリンダー部23aとは反対側の端部付近(緩衝機構23の他方の端部付近)に、ローラー軸用孔23dが設けられている。このローラー軸用孔23dは、ローラー軸22eが挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、アーム22の端部であるローラー軸22eは、緩衝機構23の他方の端部であるローラー軸用孔23dとピン接合される。
【0103】
シリンダー部23aの内部及びその付近のさらに詳細な構成は、上記したシリンダー部13aと同様であるので、その説明は省略する。
【0104】
次に、上記した第2実施形態の転てつ減摩器20の作用について、図6(A)及び図6(B)を参照しつつ説明を行う。まず、図6(A)に示すように、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上に乗っている。この場合には、ローラー24の上部が床板Pの上面よりも高くなるように設定されている。
【0105】
次に、図6(A)に示すように、トングレールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図の右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレールTの底部がローラー24の上に乗り移り、ローラー24上を転動する。この際、トングレールTの底部は、ローラー24を押し下げる。
【0106】
この押し下げ力は、ローラー軸22eからアーム22及び緩衝機構23へ伝達される。この場合、ローラー軸22eの中心を作用点とすると、第2実施形態の転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0107】
すなわち、第2実施形態の転てつ減摩器20は、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大きく変化することはないため、従来のような煩雑なローラー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減される、という利点がある。
【0108】
次に、上記した第2実施形態の転てつ減摩器20の原理について説明を行う。図7は、図6に示す転てつ減摩器の原理モデルを説明する図である。
【0109】
図7において、点A3と点C3を結ぶ直線A3-C3は、アーム22を示している。点A3は、固定軸21aの中心点、すなわちアーム22の回転の中心点(以下、「アーム軸」という。)を示している。また、L2は、アーム22の長さを示している。点C3は、ローラー軸22eの中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。Fは、作用点C3に作用する作用力、すなわちトングレールTの底部がローラー24を押し下げようとする力である。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。
【0110】
Xは、図7の水平な鎖線から作用点C3までの垂直方向の距離である。したがって、作用点C3が下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変化していく。
【0111】
また、点C3は、作用点であるとともに、アーム22と緩衝機構23のピン接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)でもある。Sは、ピン接合点C3が緩衝機構23のばねから受けるばね圧力(反力)である。
【0112】
また、点C3と点B3を結ぶ直線は、緩衝機構23を示している。点B3は、固定軸21bの中心点、すなわち緩衝機構23の回転の中心点を示している。また、L3は、緩衝機構23のピン接合点(作用点)C3と、固定軸21bの中心点との間の距離を示している。また、L。は、固定軸21aの中心点A3と固定軸21bの中心点B3との間の距離を示している。
【0113】
すなわち、図7のモデルは、アーム22(直線A3-C3)と緩衝機構23(直線C3-B3)のピン接合点を作用力の作用点とするモデルである。
【0114】
上記のような原理モデルによれば、ローラー24上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トングレールTの底部がローラー24を押し下げる動作は、図7において、作用点C3に垂直下方に作用力Fが作用することに相当する。この作用力Fにより、アーム22(直線A3-C3)は、アーム軸A3を回転中心として、時計回りに回転する。この動きにより、作用点(ピン接合点)C3が、緩衝機構23(直線C3-B3)のピン軸接続部23t(図7には図示せず)に力を作用させ、ピストン23b(図7には図示せず)をシリンダー部23a(図7には図示せず)の内部へ押し込もうとする。これによりばね(図7には図示せず)が反発力を発生する。
【0115】
このばね力は、直接作用点(ピン接合点)C3に加えられ、トングレールTがローラー24から受ける反力となる。この反力は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい力、すなわち作用点(ピン接合点)C3において図7の上方へ向かい大きさがFの力である。
【0116】
また、作用点(ピン接合点)C3におけるアーム22(直線A3-C3)の回転方向の接線と、作用力Fの作用方向の成す角をθ1とする。そして、作用点(ピン接合点)C3における緩衝機構23の反力Sと、アーム22(直線A3-C3)の回転方向の接線とが成す角をθ2とする。このように角θ1,θ2を定義すると、作用力Fによってアーム22(直線A3-C3)を回転させる分力をF′とすれば、
F′=F×cosθ1 ……(11)
と表すことができる。
【0117】
また、緩衝機構の反力Sによってアーム22(直線A3-C3)を回転させる分力をS′とすれば、
S′=S×cosθ2 ……(12)
と表すことができる。
【0118】
図7の状態では、アーム軸A3のまわりのモーメントは釣り合っているから、
F′×L1=S′×L1 ……(13)
と表すことができる。
【0119】
式(13)に式(11),式(12)を代入して整理すれば、力Fは、
F=(cosθ2/cosθ1)×S ……(14)
と表すことができる。
【0120】
上式(14)の値{(cosθ2/cosθ1)×S}が、作用点C3の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。
【0121】
この第2実施形態の場合も、上記した図4の特性と同様の特性が得られる。
【0122】
(3)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図8は、本発明の第3実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【0123】
図8に示すように、この転てつ減摩器30は、きょう体31と、クランク32と、緩衝機構33と、ボルト35と、ナット36を備えて構成されている。
【0124】
きょう体31は、分岐器における固定位置、例えば床板(図示せず)等に固定される。きょう体31の2箇所には、固定軸31a及び31bが設けられている。
【0125】
クランク32は、図示のように、「L」字状又は「へ」字状に形成された部材であり、第1アーム32aと、第2アーム32bの2つの部分を有している。第2アーム32bは、第1アーム32aから任意の角度を持ってさらに第1アーム32aを延長した構成となっている。このクランク32の基本的な構成は、上記した第1実施形態のクランク12と同様であり、第1アーム部32aは第1アーム部12aに相当し、第2アーム部12bは第2アーム部12bに相当し、固定軸用孔32dは固定軸用孔12dに相当し、ピン軸32eはピン軸12eに相当しているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0126】
クランク32が上記した実施形態と異なる点は、第2アーム32bの、固定軸用孔32dとは反対側の端部付近に、ボルト35とナット36が取付けられ、このボルト35の下端が、図17に示す構成のローラー支持金具211の後端211bを押えるように構成されている点である。ローラー支持金具211の先端の軸211a(図17参照)には、ローラー212(図17参照)が取付けられている。
【0127】
緩衝機構33は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部33aと、ピストン部33bと、固定軸接続部33cと、ピン軸接続部33tを有している。この緩衝機構33の基本的な構成は、上記した第1実施形態の緩衝機構13と同様であり、シリンダー部33aはシリンダー部13aに相当し、ピストン部33bはピストン部13bに相当し、固定軸接続部33cは固定軸接続部13cに相当し、ピン軸接続部33tはピン軸接続部13tに相当しているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0128】
シリンダー部33aの内部及びその付近のさらに詳細な構成は、上記したシリンダー部13aと同様であるので、その説明は省略する。
【0129】
上記のような構成により、図8に示す第3実施形態の転てつ減摩器30は、ローラーと接続する。この構成は、中間にローラー支持金具211と、ボルト35を介する点が異なり、緩衝機構とクランクの配置状態が逆になっているだけで、その他の点は図1に示す第1実施形態の転てつ減摩器10と基本的に同様である。このため、この第3実施形態の転てつ減摩器30は、第1実施形態の転てつ減摩器10とまったく同様の作用・効果を発揮し、作用点(ボルト35の下端)が上方へ上昇する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が上方へ上昇する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0130】
(4)第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図9は、本発明の第4実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【0131】
図9に示すように、この転てつ減摩器40は、きょう体41と、アーム42と、緩衝機構43と、中間ローラー47を備えて構成されている。
【0132】
きょう体41は、分岐器における固定位置、例えば床板(図示せず)等に固定される。きょう体41の2箇所には、固定軸41a及び41bが設けられている。
【0133】
アーム42は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材である。このアーム42の基本的な構成は、上記した第2実施形態のアーム22と同様であり、固定軸用孔42dは固定軸用孔22dに相当し、ローラー軸42eはローラー軸22eに相当しているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0134】
緩衝機構43は、図示のように、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部43aと、ピストン部43bと、固定軸接続部43cと、ピン軸接続部43tを有している。この緩衝機構43の基本的な構成は、上記した第1実施形態の緩衝機構13と同様であり、シリンダー部43aはシリンダー部13aに相当し、ピストン部43bはピストン部13bに相当し、固定軸接続部43cは固定軸接続部13cに相当し、ピン軸接続部43tはピン軸接続部13tに相当しているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0135】
シリンダー部43aの内部及びその付近のさらに詳細な構成は、上記したシリンダー部13aと同様であるので、その説明は省略する。
【0136】
この第4実施形態の転てつ減摩器40が上記した実施形態と異なる点は、ローラー軸42eに中間ローラー47が取付けられ、この中間ローラー47の下端が、図17に示す構成のローラー支持金具211の後端211bを押えるように構成されている点である。ローラー支持金具211の先端の軸211a(図17参照)には、ローラー212(図17参照)が取付けられている。
【0137】
上記のような構成により、図9に示す第4実施形態の転てつ減摩器40は、ローラーと接続する。この構成は、中間にローラー支持金具211と、中間ローラー47を介する点が異なり、緩衝機構とクランクの配置状態が逆になっているだけで、その他の点は図6に示す第2実施形態の転てつ減摩器20と基本的に同様である。このため、この第4実施形態の転てつ減摩器40は、第2実施形態の転てつ減摩器20とまったく同様の作用・効果を発揮し、作用点(中間ローラー47の下端)が上方へ上昇する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用点が上方へ上昇する変位量に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0138】
(5)第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図10は、本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す第1の図である。
【0139】
図10に示すように、この転てつ減摩器50は、きょう体51と、きょう体51の金具軸51aに挿通かつ回転可能な金具軸用孔52cにより取付けられるローラー支持金具52と、ローラー支持金具52の第1ローラー軸52aに回転可能な構成で取付けられる第1ローラー53と、ローラー支持金具52の第2ローラー軸52bに回転可能な構成で取付けられる第2ローラー54と、きょう体51に取付けられローラー支持金具52の動きを規制する第1ストッパー55及び第2ストッパー56を有して構成されている。
【0140】
次に、上記した転てつ減摩器50の作用について、図10,11,12,13を参照しつつ説明する。
【0141】
まず、トングレールTの転換前は、ローラー支持金具52が第1ストッパー55により抑止されている。次に、トングレールTが転換を開始すると(図10参照)、トングレールTの底部側面が第1ローラー53を押すことにより、ローラー支持金具52が図の時計回りに微少回転する。
【0142】
この動きに伴い、第2ローラー54がトングレールTの底部を押すことにより、トングレールTの底部を第1ローラー53に円滑に乗せる(図11参照)。
【0143】
次いで、ローラー支持金具52が第2ストッパー56とトングレールTの底部によって抑止されることにより回転が拘束された状態で、第1ローラー53によるトングレールTの転動が行われる(図12,図13参照)。
【0144】
このように、第5実施形態の転てつ減摩器50によれば、2つのローラー53,54を組み合わせるとともに、ローラー支持金具52がある範囲内で微少回転可能な構成としたので、床板Pからローラーに乗り移る動きが円滑になり、ローラーからの支持圧力もほぼ一定である、という利点を有している。
【0145】
(6)第6実施形態
次に、本発明の第6実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図14は、本発明の第6実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【0146】
図14に示すように、この転てつ減摩器60は、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10におけるローラー14のかわりに、第5実施形態の転てつ減摩器50を取り付けた構成となっている。異なる点は、きょう体51の動きが、第2アーム部12bの動きの範囲内のみに拘束するガイド部61,62が設けられている点である。
【0147】
このように、第6実施形態の転てつ減摩器60によれば、第1実施形態の転てつ減摩器10の利点に加え、第5実施形態の転てつ減摩器50の利点が加わるので、2つのローラー53,54からの支持圧力がほぼ一定化すること、ローラー高さの自動調整が速やかになること、さらに安定した減摩効果を発揮すること等の多くの利点を有している。
【0148】
なお、上記した各実施形態においては、作用点の変位の範囲は、少なくとも2つの固定軸を結ぶ直線の近傍に作用点が接近しない範囲内に設定する必要がある。このため、公知の拘束部材や規制機構等が採用可能である。
【0149】
また、上記した表1,表2,表3の値より、(cosθ2/cosθ1)の値は、0.3~3.0程度の範囲であれば、実用上、作用点での反力を、作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させることができる。このため、図1(B)に示すばねたわみ量調整部材13iやその他公知の手段を用いて、作用点の動きを上記の条件を満足するように拘束する構成としておけばよい。
【0150】
上記した第1実施形態において、固定軸11a及び11bと、クランク12と、緩衝機構13からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、第2実施形態において、固定軸21a及び21bと、アーム22と、緩衝機構23からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、第3実施形態において、固定軸31a及び31bと、クランク32と、緩衝機構33からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、第4実施形態において、固定軸41a及び41bと、アーム42と、緩衝機構43からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、第5実施形態において、きょう体51と、ローラー支持金具52と、第1ローラー53と、第2ローラー54と、第1ストッパー55と、第2ストッパー56と、金具軸51aからなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、第5実施形態において、トングレールTは、微少変位定圧機構の対象物に相当している。また、第6実施形態において、固定軸61a及び61bと、クランク62と、緩衝機構63からなる機構は、微少変位定圧機構を構成している。
【0151】
また、上記した第1実施形態において、ローラー14とローラー軸12cからなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、第2実施形態において、ローラー24とローラー軸22eからなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、第3実施形態において、ローラー212(図16参照)と、ローラー支持金具211と、ボルト35と、ナット36からなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、第4実施形態において、ローラー212(図16参照)と、ローラー支持金具211と、中間ローラー47からなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、第6実施形態において、きょう体64と、ローラー支持金具65と、第1ローラー66と、第2ローラー67と、第1ストッパー68と、第2ストッパー69と、金具軸64aからなる機構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、上記各実施形態において、トングレールTは、可動レールに相当している。
【0152】
以上説明したように、上記各実施形態に例示を行った本発明の微少変位定圧機構によれば、作用点での反力を、前記作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させるようにしたので、反力をほぼ一定にする必要がある機器や装置に好適である、という利点がある。
【0153】
また、さらに、上記の微少変位定圧機構を転てつ減摩器に組込んだ場合には、可動レールを乗せる可動レール転動支持機構をほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化する圧力で支持するように構成し、支持圧力を可変としておけば、支持圧力の調整によって可動レール転動支持機構(例えばローラー)が転動するようになったときが支持圧力の適正値であり、可動レールの押しつけ力と可動レール転動支持機構の支持圧力のバランスのとれた位置が可動レール転動支持機構の高さの適正位置となる。
【0154】
すなわち、可動レール転動支持機構の高さの適正位置を求めるために微少変位の調整を感覚的に繰り返す必要がなく、支持圧力の調整と可動レール転動支持機構による転動を目で確認するだけで済む。そのときの、減摩効果は、従来の転てつ減摩器でローラー高さの適正な設定を行ったときに匹敵し、それよりも多少高めに設定したとしても、その支持圧力がほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるような変化であるので、減摩効果への影響は無視できる。
【0155】
したがって、調整に手間がかからず、調整後に可動レールの高さが多少変化しても、安定した減摩効果を発揮する転てつ減摩器を提供することができる。
【0156】
さらに、可動レール転動支持機構の高さが高過ぎた場合でも、第5,6実施形態に例示を行った本発明のように、可動レール転動支持機構への乗り移りの際に、ローラー支持金具に可動レールの底部を押し上げてローラーへの乗り移りが容易になる機構を付加すると、ローラー高さの自動調整が速やかになり、さらに安定した減摩効果を発揮するのに役立つ。
【0157】
上記各実施形態に例示を行った本発明の転てつ減摩器によれば、転てつ減摩器を取付ける際に転てつ減摩器の可動レール転動支持機構(例えばローラー)の高さを可動レール底部より人間の感覚で高くなっていると感じる程度に設定しておくと、可動レールの押しつけ力と転てつ減摩器の可動レール転動支持機構の支持圧力とのバランスがとれた位置に可動レール転動支持機構の高さが自動的に治り、可動レール転動支持機構が転動するようであればその圧力でよく、可動レール転動支持機構が転動しなければ、圧力調整によって支持圧力を上げればよく、微少変位に合わせるような手間のかかる微調整は不要となる。
【0158】
この支持圧力は、可動レールの種類や取付ける位置によって異なるが、転てつ減摩器を取付けられる位置はほぼ決まっているのであらかじめ標準的な圧力に設定することは可能であり、そのようにすればほぼ無調整で適度な減摩効果を得ることができる。
【0159】
なお、可動レール転動支持機構には、可動レールからの押しつけ力と転てつ減摩器の緩衝機構からの支持圧力が加わることとなるが、床板による摺動摩擦よりも一段と小さなローラー等による転動摩擦にすることで、十分な減摩効果が得られる。
【0160】
また、上記各実施形態における緩衝機構13,23,33,43は、原理構成を示したものであり、実際の転てつ減摩器等に使用するためには、種々の点で技術的な改良が必要である。以下に、その一例について説明する。図15は、本発明の各実施形態に用いる緩衝機構の他の例のさらに詳細な構成を示す図であり、図15(A)は断面図を、図15(B)は図15(A)に対し垂直な方向からの断面図を、図15(C)はばねがδだけ圧縮された場合の図15(A)と同様な断面図を、それぞれ示している。
【0161】
図15に示すように、この緩衝機構73は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダー部73aと、ピストン部73bと、固定軸接続部73cと、ピン軸接続部73tを有している。ピストン部73bは、シリンダー部73aの内部に挿入され、シリンダー部73aの外部のばね(後述)により弾性的に支持されるように構成されている。また、ピン軸接続部73tは、ピストン部73bとは反対側のシリンダー部73aの端部に固定されている。また、固定軸接続部73cは、シリンダー部73aとは反対側のピストン部73bの端部に固定されている。
【0162】
また、固定軸接続部73cには、シリンダー部73aとは反対側の端部付近(緩衝機構73の一方の端部付近)に、固定軸用孔73eが設けられている。この固定軸用孔73eは、上記各実施形態の固定軸(11b,21b,31b,41b)が挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、緩衝機構73の一方の端部である固定軸用孔73eは、上記各実施形態の固定軸(11b等)に取付けられる。
【0163】
また、ピン軸接続部73tには、シリンダー部73aとは反対側の端部付近(緩衝機構73の他方の端部付近)に、ピン軸用孔73dが設けられている。このピン軸用孔73dは、上記各実施形態のピン軸(12e,22e,32e,42e)が挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これにより、上記各実施形態の第1アーム等の部材(12a,22,32a,42)の端部であるピン軸(12e等)は、緩衝機構73の他方の端部であるピン軸用孔73dとピン接合される。
【0164】
また、図15に示すように、シリンダー部73aは、筒状に形成されており、軸方向(長手方向)の両端(図における左端及び右端)が開放された構成となっている。
【0165】
シリンダー部73aの外部には、シリンダー部73aを取り巻くようにしてばね73fが配置されている。ばね73fの一端(図における左端)は、シリンダー部73aに設けられた鍔状のばね押圧部73nによって押えられている。ばね73fは、線形の反発力特性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部73aの軸方向(長手方向)に反発力が作用するように構成されている。
【0166】
また、シリンダー部73aの右側の開口からは、ピストン部73bがシリンダー部73aの内部に挿入されている。ピストン部73bの挿入側の端部73rは、シリンダー部73aの端部73pと係合し離脱しないように拡径されている。また、ピストン部73bには、円盤状のばね押圧部73gが取り付けられており、ばね73fの他端(図における右端)は、このばね押圧部73gによって押えられている。
【0167】
また、ピストン部73bには、雄ネジ部73sが形成されている。また、ピストン部73bのばね押圧部73gの外側(図におけるばね押圧部73gの右側)には、上記した雄ネジ部73sに螺合する雌ネジ部を有するばねたわみ量調整ナット73iが嵌合されている。
【0168】
上記のような構成により、緩衝機構73の固定軸接続部73cは、上記各実施形態の固定軸(11b等)により軸支されており、固定軸(11b等)のまわりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束されている。このため、ピストン部73bがシリンダー部73aの内方へ押し込まれると、ばね73fが圧縮され、ばねのたわみ量(縮み量)に応じた反発力がシリンダー部73aの軸方向(長手方向)に発生する。この反発力は、ピストン部73bと固定軸(11b等)の両方に等しい値で伝達される。
【0169】
また、この緩衝機構73には、ばねたわみ量調整ナット73iが設けられているので、上記各実施形態の緩衝機構13におけるばねたわみ調整部材13i等と同様に、ばね73fのたわみ量をあらかじめセットしておくことができる。したがって、ばね73fの反発力を、零でない任意の値から増加させることが可能となる。
【0170】
また、ばねたわみ量調整ナット73iをいずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整ナット73iのシリンダー軸方向(長手方向)の位置を適宜設定することができる。これにより、上記各実施形態の緩衝機構13におけるボルト孔13m等と同様に、ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これによりばね73fからの圧力も可変調整可能であり、これに伴い上記各実施形態におけるローラー等の部材(14,24,35,47,53,54)の支持圧力も可変調整可能となる。
【0171】
また、上記の緩衝機構73のように構成すれば、緩衝機構13,23,33,43に比べ、ピストン部が揺れたりぶれるおそれはなくなり、より安定した緩衝作用を果たすことができる、という利点を有している。
【0172】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0173】
例えば、上記各実施形態においては、緩衝機構(例えば13)として、圧縮ばね(例えば13f)を用いたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の緩衝機構、例えば、油圧、空圧、磁石等を利用した緩衝機構であってもよい。
【0174】
また、微少変位定圧機構の場合は、圧縮により反発力を発生する緩衝機構には限定されず、引張により力を発生するような緩衝機構、例えば引張ばねを用いた緩衝機構などであってもよい。このことは、図3,図5,図6の原理図において、作用力Fを図示とは逆の方向に作用させ、引張により力を発生するような緩衝機構を図のL3の部分に配置した場合にも、作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化することから明らかである。
【0175】
また、ばねを用いる緩衝機構の場合、図1(B)に示した構成には限定されず、他の公知のばねの使用形態を利用した構成、例えば固定軸(例えば11b)の側をピストンとする構成、あるいはシリンダーの内部にばねを配置するのではなくピストンの周囲に巻き付けるようにばねが配置される(ばねが外部に露出する)構成等のほか種々の形態が適用可能である。
【0176】
また、ばねを用いる緩衝機構の場合、ばね13fのたわみ量をあらかじめセットしておくための機構についても、図1(B)に示した構成には限定されず、ばねたわみ量調整部材(例えば13h)は、他の公知の拘束機構、規制部材等が適用可能である。また、ばねたわみ量調整部材を固定する機構についても、ボルトとボルト孔以外に、他の公知の固定機構が適用可能である。
【0177】
また、上記した第5,6実施形態においては、第1ストッパー,第2ストッパーとして図示のような部材を用いた例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の第1ストッパー,第2ストッパーでもよい。要は、第5,6実施形態に示すような作用を可能とするようにローラー支持金具の動きを規制する部材であればどのようなものであってもよいのである。
【0178】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の微少変位定圧機構によれば、作用点での反力を、作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させるようにしたので、反力をほぼ一定にする必要がある機器や装置に好適である、という利点がある。
また、上記の微少変位定圧機構を転てつ減摩器に組込んだ場合には、ローラー高さの微少変位の設定を行う必要のある従来転てつ減摩器のような手間のかかる調整から免れることができ、人の目で可動レール転動支持機構が転動することを確認するような調整が可能となって調整が容易になるとともに、調整後に転てつ減摩器近傍のまくらぎが微少に沈むような変化があったり、可動レール底部の高さが微少変化しても、可動レールの押しつけ力が許容範囲であれば、可動レール転動支持機構の高さは補正されて適正な高さによる可動レール転動支持機構の転動が確保され、常に安定した減摩効果が得られる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図であり、図1(A)は転てつ減摩器の全体構成及び分岐器との配置関係を示す図を、図1(B)は図1(A)における緩衝機構のさらに詳細な構成を示す断面図を、それぞれ示している。
【図2】図1に示す転てつ減摩器の作用を示す図であり、図2(A)はトングレールが基本レールに密着している状態を、図2(B)はトングレールが転換中の状態を、それぞれ示している。
【図3】図1に示す転てつ減摩器の第1の原理モデルを説明する図である。
【図4】図1に示す転てつ減摩器におけるローラーの高さとローラーの支持圧力との関係を示すグラフである。
【図5】図1に示す転てつ減摩器の第2の原理モデルを説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す図であり、図6(A)はトングレールが基本レールに密着している状態を、図6(B)はトングレールが転換中の状態を、それぞれ示している。
【図7】図6に示す転てつ減摩器の原理モデルを説明する図である。
【図8】本発明の第3実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【図10】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す第1の図である。
【図11】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す第2の図である。
【図12】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す第3の図である。
【図13】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の構成と作用を示す第4の図である。
【図14】本発明の第6実施形態である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【図15】本発明の各実施形態に用いる緩衝機構の他の例のさらに詳細な構成を示す図であり、図15(A)は断面図を、図15(B)は図15(A)に対し垂直な方向からの断面図を、図15(C)はばねがδだけ圧縮された場合の図15(A)と同様な断面図を、それぞれ示している。
【図16】従来の分岐器の構成を示す上面図である。
【図17】従来の転てつ減摩器の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 転てつ減摩器
11 きょう体
11a,11b 固定軸
12 クランク
12a 第1アーム
12b 第2アーム
12c ローラー軸
12d 固定軸用孔
12e ピン軸
13 緩衝機構
13a シリンダー部
13b ピストン部
13c 固定軸接続部
13d ピン軸用孔
13e 固定軸用孔
13f ばね
13g ばね押圧部
13h 長穴
13i ばねたわみ量調整部材
13k ボルト
13m ボルト孔
13t ピン軸接続部
14 ローラー
20 転てつ減摩器
21 きょう体
21a,21b 固定軸
22 アーム
22d 固定軸用孔
22e ローラー軸
23 緩衝機構
23a シリンダー部
23b ピストン部
23c 固定軸接続部
23d ローラー軸用孔
23e 固定軸用孔
23t ピン軸接続部
24 ローラー
30 転てつ減摩器
31 きょう体
31a,31b 固定軸
32 クランク
32a 第1アーム
32b 第2アーム
32d 固定軸用孔
32e ピン軸
33 緩衝機構
33a シリンダー部
33b ピストン部
33c 固定軸接続部
33d ピン軸用孔
33e 固定軸用孔
33t ピン軸接続部
35 ボルト
36 ナット
40 転てつ減摩器
41 きょう体
41a,41b 固定軸
42 アーム
42d 固定軸用孔
42e ローラー軸
43 緩衝機構
43a シリンダー部
43b ピストン部
43c 固定軸接続部
43d ローラー軸用孔
43e 固定軸用孔
43t ピン軸接続部
47 中間ローラー
50 転てつ減摩器
51 きょう体
51a 金具軸
52 ローラー支持金具
52a 第1ローラー軸
52b 第2ローラー軸
52c 金具軸用孔
53 第1ローラー
53a 第1ローラー軸用孔
54 第2ローラー
54a 第2ローラー軸用孔
55 第1ストッパー
56 第2ストッパー
60 転てつ減摩器
61,62 ガイド部
73 緩衝機構
73a シリンダー部
73b ピストン部
73c 固定軸接続部
73d ピン軸用孔
73e 固定軸用孔
73f ばね
73g ばね押圧部
73i ばねたわみ量調整ナット
73n ばね押圧部
73p シリンダー端部
73r ピストン端部
73s 雄ネジ部
73t ピン軸接続部
100 分岐器
101 電気転てつ機
102 動作かん
103a~103f リンク部材
104 エスケープクランク
105 ロッド
106 エスケープクランク
107 ロッド
108 伝動部
109,110 転てつ棒
201~204 転てつ減摩器
210 本体
210a 軸
211 ローラー支持金具
211a 軸
211b 後端
212 ローラー
213 ボルト
214 ナット
215 ばね緩衝器
216 ボルト
217 ナット
P 床板
R,R1,R2 基本レール
T,T′,T1,T2 トングレール
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16