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明細書 :レール変位量測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3940499号 (P3940499)
公開番号 特開平11-344304 (P1999-344304A)
登録日 平成19年4月6日(2007.4.6)
発行日 平成19年7月4日(2007.7.4)
公開日 平成11年12月14日(1999.12.14)
発明の名称または考案の名称 レール変位量測定装置
国際特許分類 G01B  11/00        (2006.01)
FI G01B 11/00 B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願平10-151299 (P1998-151299)
出願日 平成10年6月1日(1998.6.1)
審査請求日 平成17年4月21日(2005.4.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】中村 庄衛
【氏名】竹下 邦夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100082500、【弁理士】、【氏名又は名称】足立 勉
【識別番号】100106035、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 敏博
審査官 【審査官】櫻井 仁
参考文献・文献 特開平06-042917(JP,A)
特開平06-258044(JP,A)
実開平04-047611(JP,U)
実開平05-023016(JP,U)
特開平07-301519(JP,A)
調査した分野 G01B 11/00~11/30
特許請求の範囲 【請求項1】
光帯を形成して投光する投光器と、
当該投光器から投光された光を反射する投光用反射鏡と、
当該投光用反射鏡からレールに投光された光のレールからの反射光を反射する受光用反射鏡と、
当該受光用反射鏡からの反射光を受光する受光器と、
前記投光器および前記受光器が着脱可能に取付固定された基台と、
当該受光器における受光位置に基づいてレール変位量を算出するレール変位量算出手段とを備えたレール変位量測定装置であって、
前記投光器および前記受光器はそれぞれ円筒形の筺体を備え、
前記投光器の円筒形の筺体の中心軸と前記投光軸とが同一軸上に配置されると共に、前記受光器の円筒形の筺体の中心軸と前記受光軸とが同一軸上に配置され
前記透光器の円筒形の筺体の中心軸と前記受光器の円筒形の筺体の中心軸とが同一軸上になるように、前記基台に対して前記投光器および前記受光器が取付固定されたことを特徴とするレール変位量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレール変位量測定装置において、
前記投光器と前記投光用反射鏡と前記受光用反射鏡と前記受光器とを覆設し、前記投光の光路にあたる部分に投光用窓が設けられると共に、前記受光の光路にあたる部分に受光用窓が設けられた密閉構造の防水防塵部材
を備えたことを特徴とするレール変位量測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレール変位量測定装置において、
前記投光用窓および前記受光用窓を覆設し、前記投光の光路にあたる部分に投光用スリットが設けられると共に、前記受光の光路にあたる部分に受光用スリットが設けられ、前記投光用窓および前記投光用スリットと前記受光用窓および前記受光用スリットとの間に遮光板が設けられた遮光部材を
備えたことを特徴とするレール変位量測定装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のレール変位量測定装置において、
前記投光器は、レーザパルスを発振するレーザダイオードと、投光レンズと、シリンドリカルレンズとから構成され、
前記受光器は、前記投光器のレーザダイオードのレーザパルスの波長を透過帯域とする透過フィルタと、集束レンズと、ポジション・センシング・デバイスとから構成されたことを特徴とするレール変位量測定装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレール変位量測定装置に係り、詳しくは、レールの左右の変位量を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道の軌道は2条のレールが基準ゲージの軌間を成して敷設されるが、何らかの理由によりレールが左右に変位すると、列車の安全運行に支障をきたすことになる。そこで、従来より、レールの左右の変位量を測定するレール変位量測定装置を搭載した軌道検測車を軌道上に走行させて、レール変位量を定期的に検測することが行われている。
【0003】
これに関して、本出願人は、特開平6-42917号公報に開示されるレール変位量測定装置を開発している。このレール変位量測定装置は、レールに対して斜め上方に設けられた投光器および受光器を備えている。
当該投光器は、レーザパルスを発振するLD(レーザダイオード)と、投光レンズおよびシリンドリカルレンズとにより構成され、シリンドリカルレンズによりレーザの光帯を形成してレールに投光する。
【0004】
また、当該受光器は、投光器のLDのレーザパルスの波長を透過帯域とする透過フィルタと、集束レンズおよびPSD(ポジション・センシング・デバイス)とにより構成される。
そして、受光器によりレールの反射光を受光してPSDの両端より出力される出力電流に基づいて、PSDにおける前記レーザパルスの受光位置を算出し、その受光位置に基づいてレール変位量を求めるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報には明示していないが、前記投光器および前記受光器は別々の筺体内に納められており、それぞれの筺体が取付ベースに対して別々にボルトにて取付固定されている。そして、投光器および受光器が取り付けられた取付ベースが、軌道検測車の台車に取付固定されるようになっている。
【0006】
ここで、投光器からレールに投光されるレーザ光の投光軸は、レール直交方向に対して35゜の角度を成すように設定されている。また、レールから反射されたレーザ光を受光器が受光する受光軸は、レール直交方向に対して20゜の角度を成すように設定されている。このように、投光軸および受光軸がそれぞれ所定角度に設定されているのは、レール表面の状態の影響を受けることなく、レール変位量の検測精度を高めるためである。
【0007】
従って、投光器を取付ベースに取付固定する際には、投光軸が前記所定角度を成すように、取付ベースに対する投光器の筺体の位置決めを正確に行う必要がある。同様に、受光器を取付ベースに取付固定する際には、受光軸が前記所定角度を成すように、取付ベースに対する受光器の筺体の位置決めを正確に行う必要がある。つまり、投光器および受光器を取付ベースへ取り付ける際には厳密な角度調整が必要であり、その角度調整には高度な技術と多大な時間とを要する。
【0008】
ところで、レール変位量の検測精度を維持するために、投光器および受光器はそれぞれ単体にて定期的な調整検査を行う必要がある。そのため、調整検査時には取付ベースから投光器および受光器を取り外し、調整検査終了後に投光器および受光器を再び取付ベースに取り付けなければならない。従って、投光器および受光器の定期的な調整検査の度に前記角度調整を行わなければならず、大変な手間がかかるという問題があった。
【0009】
また、投光器および受光器を雨水や塵埃から保護するためのカバーについても、投光器および受光器に対して別々に設けられている。そのため、部品点数が増加して部品コストが増大するという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、投光器および受光器の取付作業に要する手間を軽減することが可能で、高精度かつ低コストなレール変位量測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、光帯を形成して投光する投光器と、当該投光器から投光された光を反射する投光用反射鏡と、当該投光用反射鏡からレールに投光された光のレールからの反射光を反射する受光用反射鏡と、当該受光用反射鏡からの反射光を受光する受光器と、前記投光器および前記受光器が着脱可能に取付固定された基台と、当該受光器における受光位置に基づいてレール変位量を算出するレール変位量算出手段とを備えたレール変位量測定装置であって、前記投光器および前記受光器はそれぞれ円筒形の筺体を備え、前記投光器の円筒形の筺体の中心軸と前記投光軸とが同一軸上に配置されると共に、前記受光器の円筒形の筺体の中心軸と前記受光軸とが同一軸上に配置され前記透光器の円筒形の筺体の中心軸と前記受光器の円筒形の筺体の中心軸とが同一軸上になるように、前記基台に対して前記投光器および前記受光器が取付固定されたレール変位量測定装置をその要旨とする。
【0011】
本発明において、レールに投光される光の投光軸の角度調整は基台に対する投光用反射鏡の位置決めによって行われ、レールから反射された光の受光軸の角度調整は基台に対する受光用反射鏡の位置決めによって行われる。そのため、各反射鏡を基台に取付固定する際には厳密な角度調整が必要であるものの、投光器および受光器を基台に取付固定する際にはそれぞれの筺体の中心軸を合致させるだけでよく、その作業は簡単かつ容易であるため、レール変位量の検測精度を低下させることなく、投光器および受光器の取付作業に要する手間を軽減することができる。
【0013】
た、請求項に記載の発明のように、請求項に記載のレール変位量測定装置において、前記投光器と前記投光用反射鏡と前記受光用反射鏡と前記受光器とを覆設し、前記投光の光路にあたる部分に投光用窓が設けられると共に、前記受光の光路にあたる部分に受光用窓が設けられた密閉構造の防水防塵部材を備えるようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、外部からの雨水や塵埃から投光器,投光用反射鏡,受光用反射鏡,受光器を確実に保護して、レール変位量の検測精度を高精度に維持することができる。また、投光器,投光用反射鏡,受光用反射鏡,受光器を一括して覆設する防水防塵部材を設ければ、投光器および受光器に対して防水防塵部材を別々に設ける場合に比べて、部品点数が少なくなり、コストダウンを図ることができる。
【0015】
また、請求項に記載の発明のように、請求項に記載のレール変位量測定装置において、前記投光用窓および前記受光用窓を覆設し、前記投光の光路にあたる部分に投光用スリットが設けられると共に、前記受光の光路にあたる部分に受光用スリットが設けられ、前記投光用窓および前記投光用スリットと前記受光用窓および前記受光用スリットとの間に遮光板が設けられた遮光部材を備えるようにしてもよい。
【0016】
このようにすれば、投光器から投光されたレーザ光や外部からの外乱光により、受光器が受光するレーザ光が影響を受けるのを防ぐことができる。そして外乱光の影響を受けないため、昼夜を問わずレール変位量の検測が可能になる。また、投光用窓および受光用窓を一括して覆設する遮光部材を設ければ、各窓に対して遮光部材を別々に設ける場合に比べて、部品点数が少なくなり、コストダウンを図ることができる。
【0017】
また、請求項に記載の発明のように、請求項1~のいずれか1項に記載のレール変位量測定装置において、前記投光器は、レーザパルスを発振するレーザダイオードと、投光レンズと、シリンドリカルレンズとから構成され、前記受光器は、前記投光器のレーザダイオードのレーザパルスの波長を透過帯域とする透過フィルタと、集束レンズと、ポジション・センシング・デバイスとから構成されるようにしてもよい。
【0018】
このようにすれば、レーザダイオードおよびポジション・センシング・デバイスを使用することにより、光学系を小型化することができる。
尚、以下に述べる発明の実施の形態において、特許請求の範囲または課題を解決するための手段に記載の「投光用反射鏡」は投光用ガラスミラー53に相当し、同じく「受光用反射鏡」は受光用ガラスミラー54に相当し、同じく「基台」は取付ベース21に相当し、同じく「レール変位量算出手段」は信号処理部75および変位量検出部12から構成され、同じく「防水防塵部材」はカバー22に相当し、同じく「遮光部材」はフード23に相当する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面と共に説明する。
図2(a)に、本実施形態のレール変位量測定装置1の平面図を示す。また、図2(b)に、レール変位量測定装置1の右側面図を示す。
【0020】
レール変位量測定装置1は、本体2および回路部3から構成されている。回路部3は本体2とは別体のケース内に収容されており、本体2と回路部3とは信号ケーブル4を介して接続されている。
回路部3は、パルス発生器11および変位量検出部12から構成されている。
【0021】
本体2は、取付ベース21,カバー22,フード23を備えている。
取付ベース21は、45゜に折り曲げられたアルミニウム厚板から成る各基体21a,21bによって形成され、平板状の基体21aの四隅には軌道検測車の台車81に取付固定するためのボルト孔24が穿設され、基体21bには円形の投光用スリット25および受光用スリット26が穿設されている。
【0022】
カバー22は取付ベース21の基体21a上に着脱可能に覆設され、フード23は取付ベース21の各基体21a,21b上に着脱可能に覆設されている。取付ベース21の基体21aとカバー22との接続部分は完全密閉され、当該接続部分を介して外部から雨水や塵埃が漏れ入らないようになっている。また、取付ベース21およびカバー22とフード23との接続部分は隙間が生じないように密閉され、当該接続部分を介して外部から光が漏れ入らないようになっている。
【0023】
図1(a)に、図2(b)におけるA-A線断面図を示す。また、図1(b)に、図1(a)におけるB-B線断面図を示す。
カバー22において、フード23に覆われる部分には投光用ガラス窓32および受光用ガラス窓33が嵌合固定されている。各ガラス窓32,33とカバー22との接続部分は完全密閉され、当該接続部分を介して外部から雨水,塵埃,光が漏れ入らないようになっている。
【0024】
カバー22に覆われる取付ベース21の基体21a上には、投光器用取付座41,受光器用取付座42,投光用ガラスミラー保持具43,受光用ガラスミラー保持具44がそれぞれボルト(図示略)にて取付固定されている。そして、投光器用取付座41に投光器51が着脱可能に取付固定され、受光器用取付座42に受光器52が着脱可能に取付固定され、投光用ガラスミラー保持具43に投光用ガラスミラー53が取付固定され、受光用ガラスミラー保持具44に受光用ガラスミラー54が取付固定されている。
【0025】
フード23内は遮光板31によって2つの部屋23a,23bに分けられている。そして、部屋23a側には受光用スリット26および受光用ガラス窓33が設けられ、部屋23b側には投光用スリット25および投光用ガラス窓32が設けられている。取付ベース21およびカバー22と遮光板31との接続部分は隙間が生じないように密閉され、当該接続部分を介してフード23内の各部屋23a,23b間で相互に光が漏れ入らないようになっている。
【0026】
図3(a)に、投光器51内部の概略構成を示す。
投光器51は、円筒形の筺体61内に収容されたLD(レーザダイオード)62,投光レンズ63,シリンドリカルレンズ64から構成されている。
LD62は、信号ケーブル4を介して接続された回路部3のパルス発生器11により励起され、例えば数百~千数百Wで極めて短い時間幅のレーザパルスを発振する。尚、パルス発生器11は高電圧で動作してノイズ発生源となるため、そのパルス発生器11の発生したノイズが投光器51,受光器52,変位量検出部12に悪影響を与えないように、パルス発生器11および信号ケーブル4には厳重なシールドおよびアースが施されている。
【0027】
LD62の発振したレーザパルスは、投光レンズ63を通してシリンドリカルレンズ64によりレーザの光帯とされ、投光器51から投光される。この投光器51から投光されるレーザ光の投光軸Taは、円筒形の筺体61の中心軸と同一軸上に配置されている。
【0028】
図3(b)に、受光器52内部の概略構成を示す。
受光器52は、円筒形の筺体71内に収容された透過フィルタ72,集束レンズ73,PSD(ポジション・センシング・デバイス)74,信号処理部75から構成されている。
【0029】
後述するようにレールにより反射された投光器51からのレーザ光は、LD62のレーザパルスの波長を透過帯域とする透過フィルタ72によってかなりのノイズ成分が除去され、集束レンズ73によってレールの変位に対応したPSD74の受光位置に結像される。
【0030】
信号処理部75は、PSD74の両端より出力される各出力電流をそれぞれ入力し、当該各出力電流のノイズ成分を除去した後に積分して得た積分電流を出力する。つまり、信号処理部75はPSD用プリアンプとして機能する。
信号ケーブル4を介して信号処理部75と接続された回路部3の変位量検出部12は、信号処理部75から出力された積分電流に基づいて、PSD74におけるレーザパルスの受光位置を算出し、その受光位置をレール変位量に換算することにより、レール変位量のデータを求めて出力する。
【0031】
ところで、レールから反射されたレーザ光を受光器52が受光する受光軸Jaは、円筒形の筺体71の中心軸と同一軸上に位置されている。
そして、図1(a)に示すように、投光器51の投光軸Taと受光器52の受光軸Jaとが同一軸上に配置されるように、投光器51および受光器52の位置決めがなされた状態で、投光器51および受光器52はそれぞれ各取付座41,42を介して取付ベース21の基体21aに取付固定されている。
【0032】
また、PSD74および信号処理部75は、1つの回路ブロック76として構成され、回路ブロック76は受光器52から簡単に着脱可能になっている。加えて、信号処理部75は、振動による内部配線の断線を防止するため、シリコン樹脂などが充填されて厳重な防振対策が施されている。
【0033】
尚、上記した投光器51および受光器52の構成および動作は、前記公報(特開平6-42917号)に開示されているものと同じであり、特に、PSD74,信号処理部75,変位量検出部12の動作については前記公報に詳述されているため、ここでは説明を省略する。また、上記構成によって得られる効果についても、LD62およびPSD74を使用することにより光学系を小型化することができる等、前記公報に記載されている効果と同じである。
【0034】
次に、上記のように構成されたレール変位量測定装置1の動作について説明する。
図1(a)に示すように、投光器51から投光軸Taにて投光されたレーザ光は、投光用ガラスミラー53の表面で反射されて投光軸がTaからTbに変えられ、そのレーザ光の光路にあたる部分に設けられた投光用ガラス窓32から投光用スリット25を通って、レール91に投光される。
【0035】
ここで、投光軸Tbは、レール91の直交方向に対して所定角度θ3(例えば、35゜)を成すように設定されている。そのため、投光軸Tbがレール91の直交方向に対して所定角度θ3を成すように、投光用ガラスミラー53の位置決めがなされた状態で、投光用ガラスミラー53は保持具43を介して取付ベース21の基体21aに取付固定されている。また、レーザ光の進行を妨げないように、投光用ガラス窓32は平坦で均一な厚みの透明なガラス板によって形成され、そのガラス面は投光軸Tbに対して直角に配置されている。
【0036】
ところで、図1(b)に示すように、レール91の頭部を形成する踏面91aと側面91bとの間には直径13mmのアールが設けられている。そして、2条のレールのそれぞれについて、側面91bにおける踏面91aから14mm下の点Pをとり、両レールのそれぞれの点P間の距離が軌間される。
【0037】
従って、投光軸Tbは、踏面91aと平行で且つ側面91bの点Pを含む面Qに対して所定角度θ2(例えば、45゜)を成して点Pを通るように設定されている。そのため、投光軸Tbが面Qに対して所定角度θ2を成すように、取付ベース21の基体21aの位置決めがなされた状態で、基体21aは軌道検測車の台車81に取付固定されている。
【0038】
そして、図1(a)に示すように、レール91から反射されたレーザ光は、そのレーザ光の光路にあたる部分に設けられた受光用スリット26から受光用ガラス窓33を通り、受光用ガラスミラー55の表面で反射されて受光軸がJbからJaに変えられ、受光器52にて受光される。
【0039】
ここで、受光軸Jbは、レール91の直交方向に対して所定角度θ1(例えば、20゜)を成し、受光軸Jbと投光軸Tbとがレール81の側面81bの点Pにて交差するように設定されている。そのため、受光軸Jbがレール91の直交方向に対して所定角度θ1を成すように、受光用ガラスミラー54の位置決めがなされた状態で、受光用ガラスミラー54は保持具44を介して取付ベース21の基体21aに取付固定されている。また、レーザ光の進行を妨げないように、受光用ガラス窓33は平坦で均一な厚みの透明なガラス板によって形成され、そのガラス面が受光軸Jbに対して直角に配置されている。
【0040】
尚、受光軸Jbについても、投光軸Tbと同様に、面Qに対して所定角度θ2を成して点Pを通るように設定されている。
ところで、投光用スリット25および受光用スリット26の開口寸法および穿設位置は、投光または受光されるレーザ光の進行を妨げず、当該レーザ光が外部からの外乱光の影響を受けないように、最適に設定されている。
【0041】
また、前記各角度θ1,θ3は、投光または受光されたレーザ光の歪みが最も少なくなるような角度に設定されている。尚、レール91の表面の状態の影響を受けることなく、レール変位量の検測精度を高めるためには、各角度θ1,θ3を15゜程度ずらすことが望ましい。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態のレール変位量測定装置1によれば、以下の作用および効果を得ることができる。
(1)投光器51の投光軸Taと円筒形の筺体61の中心軸とが同一軸上に配置され、受光器52の受光軸Jaと円筒形の筺体71の中心軸とが同一軸上に配置されている。そして、投光軸Taと受光軸Jaとが同一軸上に配置されるように、投光器51および受光器52はそれぞれ各取付座41,42を介して取付ベース21の基体21aに取付固定されている。
【0043】
投光用ガラスミラー53は、投光軸Tbがレール91の直交方向に対して所定角度θ3を成すように位置決めがなされた状態で、保持具43を介して取付ベース21の基体21aに取付固定されている。つまり、投光軸Tbの角度調整は、取付ベース21に対する投光用ガラスミラー53の位置決めによって行われる。
【0044】
また、受光用ガラスミラー54は、受光軸Jbがレール91の直交方向に対して所定角度θ1を成すように位置決めがなされた状態で、保持具44を介して取付ベース21の基体21aに取付固定されている。つまり、受光軸Jbの角度調整は、取付ベース21に対する受光用ガラスミラー54の位置決めによって行われる。
【0045】
そのため、各ミラー53,54を取付ベース21に取付固定する際には厳密な角度調整が必要であるものの、投光器51および受光器52を取付ベース21に取付固定する際には各筺体61,71の中心軸を合致させるだけでよい。ここで、各筺体61,71の中心軸を合致させるのは簡単かつ容易であり、その作業は高度な技術を必要とせず短時間に行うことができる。
【0046】
ところで、レール変位量の検測精度を維持するために、投光器51および受光器52はそれぞれ単体にて定期的な調整検査を行う必要がある。そのため、調整検査時には取付ベース21から投光器51および受光器52を取り外し、調整検査終了後に投光器51および受光器52を再び取付ベース21に取り付けなければならない。
【0047】
それに対して、投光用ガラスミラー53および受光用ガラスミラー54は、レール変位量測定装置1の製造時に取付ベース21に一度取り付けたら、その後に取り外す必要はない。つまり、投光器51および受光器52の定期的な調整検査時に、各ガラスミラー53,54をいじる必要はない。
【0048】
従って、本実施形態によれば、投光器51および受光器52の定期的な調整検査時における投光器51および受光器52の取付作業に要する手間を軽減することができる。
(2)光学系部材(投光器51,受光器52,投光用ガラスミラー53,受光用ガラスミラー54)は、密閉構造のカバー22によって覆われている。
【0049】
そのため、外部からの雨水や塵埃から光学系部材を確実に保護して、レール変位量の検測精度を高精度に維持することができる。
(3)カバー22に嵌合固定された各ガラス窓32,33は、各スリット25,26が穿設されたフード23によって覆われている。そして、各スリット25,26の開口寸法は必要最小限に設定されている。
【0050】
そのため、外部からの雨水や塵埃から各ガラス窓32,33を確実に保護することが可能になり、各ガラス窓32,33が汚れてレーザ光が妨げられのを防止することができる。
また、フード23内は遮光板31によって各部屋23a,23bに分けられ、部屋23a側に受光用スリット26および受光用ガラス窓33が設けられ、部屋23b側には投光用スリット25および投光用ガラス窓32が設けられている。
【0051】
そのため、投光器51から投光されたレーザ光や外部からの外乱光により、受光器52が受光するレーザ光が影響を受けるのを防ぐことができる。そして外乱光の影響を受けないため、昼夜を問わずレール変位量の検測が可能になる。
(4)カバー22およびフード23はそれぞれ1つずつ設けられており、投光器51および受光器52で共用されている。そのため、投光器51および受光器52に対してカバー22およびフード23を別々に設ける場合に比べて、部品点数が少なくなり、コストダウンを図ることができる。
【0052】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように変更してもよく、その場合でも、上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
[1]各ガラス窓32,33の材質は、レーザ光を妨げないならばガラスに限定されるものではなく、透明な合成樹脂などを用いてもよい。
【0053】
[2]各ミラー53,54の材質は、レーザ光を確実に反射可能であればガラスに限定されるものではなく、金属ミラーなどを用いてもよい。
[3]各角度θ1~θ3は例示した角度に限定されるものではなく、レール変位量の検測精度を勘案して適宜設定すればよい。
【0054】
[4]投光器51および受光器52は前記構成に限定されるものではなく、レール変位量を正確に検測可能であればどのような構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は図2(b)におけるA-A線断面図。図1(b)は図1(a)におけるB-B線断面図。
【図2】図2(a)は本発明を具体化した一実施形態のレール変位量測定装置の平面図。図2(b)は一実施形態のレール変位量測定装置の右側面図。
【図3】図3(a)は一実施形態の投光器の概略構成を示す説明図。図3(b)は一実施形態の受光器の概略構成を示す説明図。
【符号の説明】
1…レール変位量測定装置 11…パルス発生器 12…変位量検出部
21…取付ベース 21a,21b…基体 22…カバー
23…フード 25…投光用スリット 26…受光用スリット
31…遮光板 32…投光用ガラス窓 33…受光用ガラス窓
51…投光器 52…受光器 53…投光用ガラスミラー
54…受光用ガラスミラー 61,71…筺体 62…LD
63…投光レンズ 64…シリンドリカルレンズ 72…透過フィルタ
73…集束レンズ 74…PSD
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2