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明細書 :集成梁

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3986676号 (P3986676)
公開番号 特開2000-054780 (P2000-054780A)
登録日 平成19年7月20日(2007.7.20)
発行日 平成19年10月3日(2007.10.3)
公開日 平成12年2月22日(2000.2.22)
発明の名称または考案の名称 集成梁
国際特許分類 E21D   9/04        (2006.01)
FI E21D 9/04 F
請求項の数または発明の数 4
全頁数 7
出願番号 特願平10-223326 (P1998-223326)
出願日 平成10年8月6日(1998.8.6)
審査請求日 平成17年3月17日(2005.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000198307
【氏名又は名称】石川島建材工業株式会社
【識別番号】593061455
【氏名又は名称】極東貿易株式会社
発明者または考案者 【氏名】小山 幸則
【氏名】美浦 明彦
【氏名】行枩 孝一
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100101465、【弁理士】、【氏名又は名称】青山 正和
【識別番号】100094400、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100106493、【弁理士】、【氏名又は名称】松冨 豊
【識別番号】100107836、【弁理士】、【氏名又は名称】西 和哉
【識別番号】100108394、【弁理士】、【氏名又は名称】今村 健一
【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
【識別番号】100100077、【弁理士】、【氏名又は名称】大場 充
審査官 【審査官】須永 聡
参考文献・文献 特開平09-125869(JP,A)
実開昭59-163697(JP,U)
特開昭59-195996(JP,A)
特開平04-038398(JP,A)
特開平11-350897(JP,A)
特開平07-018999(JP,A)
調査した分野 E21D 9/04
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の長尺管状のエレメントを上下に並設してなる集成梁であって、
前記エレメントは、互いの連結面がトラス構造のトラス部とされて互いに連通してなり、これら互いに連通したエレメント内には、前記トラス部を介して上下のエレメントにわたってコンクリートが充填されており、
線路・道路下に構築されて、これら線路・道路を挟んだ位置に構築された基礎上に設置され、上部に上床が設置された側壁として用いられていることを特徴とする集成梁。
【請求項2】
前記トラス部は、長手方向へ平行に配設された2本の弦材と、これら弦材の間を三角形状に区切って繋ぐラチス部材とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の集成梁。
【請求項3】
前記エレメントには、互いに係合する継手部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の集成梁。
【請求項4】
前記継手部は、前記トラス部を挟む両側板に、長手方向へわたって設けられており、一方のエレメントに設けられた継手の突起部分が、相対するエレメントに設けられた継手の鉤型部分に係合してなることを特徴とする請求項3記載の集成梁。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、線路・道路等を支持する側壁として用いられる集成梁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
線路や道路の下に立体交差するトンネルを構築する方法として、従来からの現場打設コンクリートによる覆工体の構築工法に代えて、中空箱形のトンネル覆工用エレメントを、地盤に対して順次推進することにより、複数のエレメントを略門型に配列し、エレメントを相互に連結した後、エレメント連結対の内側の土砂を掘削除去してトンネルを構築するURT(Under Rail/Roadway Tunnel)工法が知られている。
この工法によって構築されたトンネルは、道路・線路を挟んで略門型に配列されたエレメントを両側に構築されたアバットで支持するものである。
また、エレメントは上床部分と側壁部分によって上部荷重や土圧を支える構造体である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレメントは、それぞれ梁として荷重をアバットに伝達する構造部材であったため、トンネルの側壁部分をなすエレメントは側方土圧を抑える役割を担っているが、上床部分の荷重を支える役割は付加されていなかった。このため、エレメントの断面の大きさによりトンネルの長さは構造強度的な意味で制限があった。
側壁エレメントは積み重なった状態で一体の梁のように機能すれば、上床荷重を受けて前後の基礎に伝えて、長いトンネルを支えることができる。
しかし、単に断面矩形状の長尺なエレメントを上下に並設させて互いに連結させたとしても、これらエレメント同士の連結箇所にて各エレメント同士の力の伝達、特に剪断力の伝達が良好に行われないという問題があった。つまり、側壁に荷重が加わった際に、エレメント同士の連結箇所におけるエレメントを構成する鋼板とコンクリートとの間にずれが生じて、積み重なった状態で一体の梁のように機能することは期待できなかった。
すなわち、従来は、重ねた梁の相互の目地部分がずれないようにするには、剪断力を伝えるための貫通鉄筋のような補強部材を目地に直交して掛け渡す必要があった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、上下に並設させたエレメント同士が確実に一体化された高強度の集成梁を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の集成梁は、複数の長尺管状のエレメントを上下に並設してなる集成梁であって、前記エレメントは、互いの連結面がトラス構造のトラス部とされて互いに連通してなり、これら互いに連通したエレメント内には、前記トラス部を介して上下のエレメントにわたってコンクリートが充填されており、
線路・道路下に構築されて、これら線路・道路を挟んだ位置に構築された基礎上に設置され、上部に上床が設置された側壁として用いられていることを特徴としている。
すなわち、トラスにより補強されたコンクリートの面が、互いに接近して位置すれば、相互を貫通する補強鋼材が無くとも、コンクリートの中の粗骨材が絡み合って剪断力を伝達することができるので、積み重なった状態で一体の梁のように機能する。
また、請求項2記載の集成梁は、請求項1記載の集成梁において、前記トラス部が、長手方向へ平行に配設された2本の弦材と、これら弦材の間を三角形状に区切って繋ぐラチス部材とから構成されていることを特徴としている。
【0006】
このように、請求項1または請求項2記載の集成梁によれば、上下に並設させたエレメントの互いの連結面がトラス構造のトラス部であることより、これら並設させたエレメント内部に打設したコンクリートがこれら並設させたエレメント全体に充填されることとなるので、これらエレメントからなる集成梁が確実に一体化される。また、トラス部同士が連結されたエレメントの内部にコンクリートが充填されて一体化された高強度の集成梁が容易に構築される。
【0007】
請求項3記載の集成梁は、請求項1または請求項2記載の集成梁において、前記エレメントに、互いに係合する継手部が設けられていることを特徴としている。
つまり、エレメントを地盤中へ掘進させる際に、既設のエレメントと新たに掘進させるエレメントとを継手部にて連結させた状態にて行うことにより、極めて容易に、エレメント同士を互いに連結させた状態にて掘進させることが可能となる。
【0008】
請求項4記載の集成梁は、請求項3記載の集成梁において、前記継手部は、前記トラス部を挟む両側板に、長手方向へわたって設けられており、一方のエレメントに設けられた継手の突起部分が、相対するエレメントに設けられた継手の鉤型部分に係合してなることを特徴としている。
即ち、突起部分へ鉤形部分を係合させることにより、極めて容易に、既設のエレメントに新たに掘進させるエレメントを連結させた状態にして掘進させることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を図によって説明する。
図1及び図2において、符号1は、トンネルである。このトンネル1は、線路あるいは道路等の下方にて交差するように構築されたもので、側壁2と、これら側壁2の上部に架け渡された上床3とを有し、下方には、路面4が構築されている。
このトンネル1を構成する側壁2及び上床3は、断面視長方形状に形成された長尺管状の複数のエレメント5から構成されたものである。
【0012】
つまり、エレメント5を地盤へそれぞれ隣接するもの同士を連結させながら推進させ、その後、上床3を構成するエレメント5では、エレメント5内及びエレメント5間にコンクリートを充填して一体化されている。また、側壁2は、その両端部が基礎7上に設置されており、この基礎7上に構築された壁体部8にアンカー9によって固定されて一体化されている。
なお、図中符号6は、上床部分の化粧縁である。
【0013】
次に、上記トンネル1を構成する側壁2について説明する。
図3及び図4に示すように、側壁2は、それぞれトラス部11を有するエレメント5a(以下、トラスエレメントという)から構成された集成梁10である。
トラスエレメント5aは、図5及び図6にも示すように、その長辺側の側面が、互いに対向させて設けられた鋼板(側板)12から構成されており、互いに連結された短辺側の面が、前記トラス部11とされている。なお、上端側及び下端側に配置させるトラスエレメント5aは、他のトラスエレメント5aとの連結面側のみがトラス部11とされており、他のトラスエレメント5aと連結されない短辺側は鋼板13とされている。
【0014】
トラス部11は、鋼板12に固定された一対の断面L字状の弦材14に、複数の断面L字状のラチス部材15が溶接により連結された構造とされており、これらラチス部材15によって弦材14の間が三角形状に区切られている。
【0015】
上記トラスエレメント5aには、互いに係合する継手部16が設けられている。この継手部16は、鋼板12に長手方向へわたって設けられた係合突起17と、この係合突起17に係合する鉤形の係合部18とから構成されている。
また、一つの応用として、この集成梁10には、図7に示すように、その下方側に、長手方向へPCケーブル19が配設されており、このPCケーブル19に緊張力を加えることにより、集成梁10にプレストレスが導入されている。このようにすれば集成梁10を、さらに必要なだけ強化することができる。
【0016】
上記構成の集成梁10を地盤中に構築して側壁2とする場合は、集成梁10を構成するトラスエレメント5aを一本ずつ地山へ掘進させて埋設させる。なお、二本目以降のトラスエレメント5aを掘進させる場合は、係合突起17に係合部18を係合させることにより、掘進させるトラスエレメント5aのトラス部11側を、既設のトラスエレメント5aのトラス部11側に連結させた状態にて行う。
【0017】
このように、コンクリートCを打設すると、各トラスエレメント5aは、トラス部11を介して連通状態であるから、この打設したコンクリートCが各トラスエレメント5a全体に充填される。
これにより、これらトラスエレメント5aは、充填されたコンクリートCによって全体が一体化された梁になる。
【0018】
このように、上記の集成梁10によれば、上下に並設されたトラスエレメント5aの互いの連結面がトラス構造のトラス部11であることより、これら並設させたトラスエレメント5a内部に打設したコンクリートCがこれら並設させたトラスエレメント5a全体に充填されることとなるので、これらトラスエレメント5aからなる集成梁10を確実に一体化させることができる。つまり、トラス構造が具備されていない従来のエレメント同士を連結した場合と比較して、荷重が加わった際に、トラスエレメント5a同士の連結箇所において滑りが生じるようなことなく、集成梁10全体にて荷重を受け止めることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の集成梁及びその構築方法によれば、下記の効果を得ることができる。請求項1または請求項2記載の集成梁によれば、上下に並設されたエレメントの互いの連結面がトラス構造のトラス部であることより、これら並設させたエレメント内部に打設したコンクリートがこれら並設させたエレメント全体に充填されることとなるので、これらエレメントからなる集成梁を確実に一体化させることができる。つまり、トラス構造が具備されていない従来のエレメント同士を連結した場合と比較して、荷重が加わった際に、エレメント同士の連結箇所において滑りが生じるようなことなく、集成梁全体で荷重を受け止めることができる。
また、上部に設置された上床の荷重及び線路、道路を走行する車両等の荷重を、基礎上に設置させた集成梁からなる側壁に確実に受け止めさせることができる。
【0020】
請求項3記載の集成梁によれば、エレメントを地盤中へ掘進させる際に、既設のエレメントと新たに掘進させるエレメントとを継手部にて連結させた状態にて行うことにより、極めて容易に、エレメント同士を互いに連結させた状態にて掘進させることができ、施工作業の容易化を図ることができる。
請求項4記載の集成梁によれば、突起部分へ鉤形部分を係合させることにより、極めて容易に、既設のエレメントに新たに掘進させるエレメントを連結させた状態にして掘進させることができ、施工作業の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を説明する集成梁が用いられたトンネルの断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を説明する集成梁が用いられたトンネルの正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を説明する集成梁の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を説明する集成梁の側断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を説明するトラスエレメントを互いに連結させたコンクリート打設前の集成梁の斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法に用いられるトラスエレメントの構成及び構造を説明するトラスエレメントの正面図である。
【図7】 本発明の実施の形態の集成梁及びその構築方法を説明する集成梁の側面図である。
【符号の説明】
2 側壁
3 上床
5 エレメント
5a トラスエレメント(エレメント)
6 上床部分の化粧縁
7 基礎
10 集成梁
11 トラス部
12 鋼板(側板)
14 弦材
15 ラチス部材
16 継手部
17 係合突起
18 係合部
C コンクリート
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6