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明細書 :ロック狂い検出器、及びロック狂い判定値の設定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3896220号 (P3896220)
公開番号 特開2000-159106 (P2000-159106A)
登録日 平成18年12月22日(2006.12.22)
発行日 平成19年3月22日(2007.3.22)
公開日 平成12年6月13日(2000.6.13)
発明の名称または考案の名称 ロック狂い検出器、及びロック狂い判定値の設定方法
国際特許分類 B61L   5/10        (2006.01)
E01B   7/20        (2006.01)
FI B61L 5/10 B
E01B 7/20
請求項の数または発明の数 2
全頁数 18
出願番号 特願平10-335120 (P1998-335120)
出願日 平成10年11月26日(1998.11.26)
審査請求日 平成17年6月28日(2005.6.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100083839、【弁理士】、【氏名又は名称】石川 泰男
審査官 【審査官】村上 哲
参考文献・文献 特開平04-303701(JP,A)
特開平08-105704(JP,A)
実開昭48-063406(JP,U)
実開昭58-179269(JP,U)
調査した分野 B61L 5/00~7/10
E01B 7/20
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄道における分岐器を転換する転てつ機の鎖錠かんに設けられた鎖錠かん切欠きとロックピースの位置ずれであるロック狂いを検出するロック狂い検出器であって、
前記鎖錠かんに固定され前記鎖錠かんの移動に追従して移動する鎖錠かん追従部と、
前記転てつ機の固定箇所に固定される固定部と、
前記固定部の第1基準位置と前記鎖錠かん追従部との間の距離である第1距離を測定する測距手段と、
前記第1距離と判断基準値との差により前記ロック狂いを検出するロック狂い検出手段とを備え、
前記ロック狂い検出手段に、判定値の設定手段と、記憶手段と、演算手段を設け、
前記鎖錠かん切欠きに前記ロックピースの嵌合部が挿入されている状態で前記鎖錠かんを移動させ、前記ロックピースの嵌合部の一方の側面が前記鎖錠かん切欠きの一方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第2距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、
次いで、前記鎖錠かんを前記過程の場合とは逆方向に移動させ、前記ロックピースの嵌合部の他方の側面が前記鎖錠かん切欠きの他方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第3距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、
次いで、前記第2距離と前記第3距離に基づく判断基準値を前記演算手段に演算させ、
前記第1距離と判断基準値との差を前記演算手段に演算させることにより前記ロック狂いを検出することを特徴とするロック狂い検出器。
【請求項2】
鉄道における分岐器を転換する転てつ機の鎖錠かんに設けられた鎖錠かん切欠きとロックピースの位置ずれであるロック狂いを検出するロック狂い判定値の設定方法であって、
前記鎖錠かんに固定され前記鎖錠かんの移動に追従して移動する鎖錠かん追従部と、前記転てつ機の固定箇所に固定される固定部と、前記固定部の第1基準位置と前記鎖錠かん追従部との間の距離である第1距離を測定する測距手段と、判定値の設定手段と、記憶手段と、演算手段を備えるロック狂い検出器を用い、
前記鎖錠かん切欠きに前記ロックピースの嵌合部が挿入されている状態で前記鎖錠かんを移動させ、前記ロックピースの嵌合部の一方の側面が前記鎖錠かん切欠きの一方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第2距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、
次いで、前記鎖錠かんを前記過程の場合とは逆方向に移動させ、前記ロックピースの嵌合部の他方の側面が前記鎖錠かん切欠きの他方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第3距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、
次いで、前記第2距離と前記第3距離に基づく判断基準値を前記演算手段に演算させ、
前記第1距離と判断基準値との差を前記演算手段に演算させることにより前記ロック狂いを検出することを特徴とするロック狂い判定値の設定方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道における分岐器を転換する転てつ機の鎖錠かん切欠きとロックピースの位置ずれであるロック狂いを検出するロック狂い検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道において、鉄道車両の進路を一つの線路(以下、「本線」という。)から他の線路(以下、「分岐線」という。)へ移す分岐を行わせるために分岐器が用いられている。この分岐器は、一般に、図6に示すような構成を有している。図6に示す分岐器100は、基本レールR1、R2と、分岐線側へのトングレールT1、T2と、電気転てつ機101と、伝動部108を備えている。
【0003】
基本レールR1、R2に密着するトングレールT1、T2の先端部は、舌状に形成されている。また、伝動部108は、動作かん102と、リンク部材103a、103b、103c、103d、103e及び103fと、エスケープクランク104及び106と、ロッド105及び107と、転てつ棒109、110を有している。また、ロッド105、107は、転てつ棒109、110を介してトングレールT1、T2に取り付けられている。
【0004】
また、電気転てつ機101は、内部に電動モータ(図示せず)を駆動力とする変換機構(図示せず)を有しており、電動モータの回転駆動力が直線方向の駆動力に変換され、動作かん102が図6の右側方向又は左側方向へ駆動される。この動作かん102の動きは、伝動部108によりロッド105、107に伝えられ、転てつ棒109、110を介してトングレールT1、T2を動かす。
【0005】
例えば、動作かん102が図6における右側方向に移動した場合には、ロッド105、107が例えば図6における下方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端(図6における左端)が基本レールR2に密着し、かつトングレールT1の先端(図6における左端)が基本レールR1から離れる。また、動作かん102が図6における左側方向に移動した場合には、ロッド105、107が例えば図6における上方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端が本線側のレールR2から離れ、かつトングレールT1の先端が基本レールR1に密着する。
【0006】
上記のような動作により、分岐器100は、進路を本線側又は分岐線側に切り換えるトングレール転換動作を行うことができる。この場合、トングレールが本線側レールに密着する位置のうちの一方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1から離れトングレールT2の先端が基本レールR2に密着する位置を「定位」といい、他方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1に密着しトングレールT2の先端が基本レールR2から離れる位置を「反位」という。これらは、列車運行上の取決めであり、これらの逆の位置を定位又は反位としてもよい。
【0007】
トングレールT1の先端にフロントロッド118を取り付け、このフロントロッド118に接続かん119を取り付け、接続かん119に鎖錠かん120を取り付けて、図7に示すように、電気転てつ機101のきょう体101aの内部でトングレールの定位、反位の位置が正しいか照査を行うようになっている。図7においては、鎖錠かん120が主鎖錠かん121と副鎖錠かん122から構成されている場合を図示する。
【0008】
鎖錠かんにおける鎖錠かん切欠きとロックピースの関係について、図8を参照しつつ説明する。図8は、主鎖錠かん121を例に挙げたものである。図8に示すように、主鎖錠かん121には、凹部状の主鎖錠かん切欠き123が形成されている。また、主鎖錠かん121に対して直角となるように、ロックピース124が配置されている。ロックピース124は、高さが低く主鎖錠かん切欠き123とは嵌合しない一般部124cと、高さが高く主鎖錠かん切欠き123と嵌合する嵌合部124dを有している。
【0009】
このような構成になっているので、予めトングレールと基本レールが接着する位置で鎖錠かん切欠きにロックピースが挿入できるように調整しておくと、転てつ機がトングレールを転換し、転換が終了すると転てつ機は鎖錠かんにロックピースを挿入する動作に移り、鎖錠かん切欠きにロックピースを挿入することができればトングレールと基本レールが接着する位置にあると判断することができる。逆に鎖錠かん切欠きにロックピースを挿入することができなければトングレールと基本レールが接着する位置にないと判断することができ、ロックピースを挿入できないことでトングレールと基本レールが接着する位置にない状態で列車を通過させることがないようになっている。ところが、基本レールやトングレールは温度伸縮や列車通過によって微少移動し、鎖錠かん切欠きは微妙に位置ずれを起こすので列車を安全に通過させるためにはこの鎖錠かん切欠き位置を定期的に調整してやる必要がある。
【0010】
鎖錠かん切欠きの位置と、ロックピースの嵌合部の位置との間に嵌合できなくなるほどの大きな位置ずれ(以下、「ロック狂い」という。)が生じると、鎖錠かん切欠きの内部にロックピースの嵌合部を挿入することができなくなり、列車を通過させることができなくなる。このような事態が起こる前に発見するため、従来は、図9(A)に示すようなロック狂い検出器200が電気転てつ機に設けられていた。
【0011】
このロック狂い検出器200(以下、「第1従来例」という。)は、発光ダイオード(LED)201a及び201bと、受光素子(例えば、硫化カドミウム(CdS)を利用した光導電セル)205a及び205bと、移動スリット203a及び203bと、固定スリット202a、202b、204a及び204bを備えている。図9(A)に示すように、発光ダイオード201aと受光素子205aを対向させて配置し、その中間に2つの固定スリット202a、204aを配置する。また、同様に、発光ダイオード201bと受光素子205bを対向させて配置し、その中間に2つの固定スリット202b、204bを配置する。そして、固定スリット202aと204a、あるいは202bと204bの中間部分において、鎖錠かんに固定され鎖錠かんとともに移動する移動スリット203a、203bを配置する。
【0012】
上記のような構成により、鎖錠かんとロックピースとの位置関係が正常な場合には、図9(A)に示すように、発光ダイオード201a、201bからの光L1、L2が、移動スリット203a、203bによって遮断されることなく受光素子205a、205bによって受光される。しかし、鎖錠かんとロックピースとの位置関係がずれ、「ロック狂い」の状態となった場合には、発光ダイオード201a、201bからの光L1、L2が、移動スリット203a、203bによって遮断されるため、受光素子205a、205bによって受光される光量が減少する。このような状態を検出することにより、「ロック狂い」を検出することができるようになっていた。
【0013】
図9(A)に示すロック狂い検出器200には、図示はしていないが、シュミット回路、直流増幅回路、出力リレー等からなる増幅部が接続しており、受光素子205a等の受光出力が低下すると、電気抵抗が増加し、リレーがOFF(落下)状態となり、これにより関係者に警報等が報知されるようになっていた。
【0014】
そのほか、ロック狂い検出器として種々のものが提案されてきた。
【0015】
例えば、特開昭52-53451号公報に開示された発明(以下、「第2従来例」という。)は、鎖錠かんにマグネットを取り付けるとともに、電気転てつ機のきょう体側に磁気ヘッドを取り付け、磁気ヘッドが検出する磁界の変化によりロック狂いを検出しようとしたものである。
【0016】
また、実開昭57-167867号公報に開示された考案(以下、「第3従来例」という。)は、ロック狂いの検出原理は第1従来例と同一であるが、信号機器室内に設けた光源からの光を光ファイバーによって電気転てつ機まで導くようにしたものである。
【0017】
また、特開平5-213199号公報に開示された発明(以下、「第4従来例」という。)は、鎖錠かんに移動スリットを取り付けるとともに、電気転てつ機のきょう体側にラインセンサーを取り付け、移動スリットの投影位置によりロック狂いを検出しようとしたものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記した第1~4従来例は、いずれも鎖錠かんにスリットやマグネット等を取り付けて、そのターゲットを検知することによりロック狂いを検出しようとするものである。しかしながら、実際の鎖錠かん切欠きやロックピースには製作公差があり、この製作公差はある幅をもってばらついている。したがって、一律に定めたスリット間隙を検知したり、一律の磁気分布のマグネットの磁界を検出したのでは、精度の良いロック狂い検知はできなかった。
【0019】
上記の従来例の原理によって精度の良いロック狂い検知を行うためには、個々の製作公差を有する個々の鎖錠かん切欠きに対応した寸法のスリットを製作し、精密な計測を行って正確に取り付ける必要がある。しかし、正確に取り付けるには手間がかかり、費用が増大してしまう。そこで、例えば、鎖錠かん切欠きとロックピースの嵌合部との隙間が、実際には1.5ミリメートル以上あっても、ターゲットの製作公差や取付け公差を考慮して、ロック狂いの最適検出点を、より無難な1.3ミリメートルとしなければならなかった(図9(B)参照)。そのため、例えば、ロック狂い警報が発せられたために現地調査を行ったところ、実際にはロック狂いの状況になるまでにはまだ余裕があり、信頼を失う、という事態が発生していた。
【0020】
また、スリットを用いるロック狂い検出器の場合は、スリットの取付け位置を決定するために微調整が必要であり、設定するまでに長時間がかかっていた。一方、マグネットを用いる第2従来例の場合には、マグネット位置を検出する磁気検出ヘッドの取付け位置を決定するために微調整が必要であり、この設定に時間がかかるので、設定に手間がかかることにはかわりがなかった。また、スリットと光を用いる方式のものでは、スリットの穴にグリース等が付着したり、発光面や受光面の汚れや結露等が発生することがあり、点検がかかせなかった。
【0021】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、設定が簡易で精度の高いロック狂い検出器、及びロック狂い判定値の設定方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るロック狂い検出器は、鉄道における分岐器を転換する転てつ機の鎖錠かんに設けられた鎖錠かん切欠きとロックピースの位置ずれであるロック狂いを検出するロック狂い検出器であって、前記鎖錠かんに固定され前記鎖錠かんの移動に追従して移動する鎖錠かん追従部と、前記転てつ機の固定箇所に固定される固定部と、前記固定部の第1基準位置と前記鎖錠かん追従部との間の距離である第1距離を測定する測距手段と、前記第1距離と判断基準値との差により前記ロック狂いを検出するロック狂い検出手段を備えることを特徴とする。
【0023】
上記のロック狂い検出器において、前記ロック狂い検出手段に、判定値の設定手段と、記憶手段と、演算手段を備え、前記鎖錠かん切欠きに前記ロックピースの嵌合部が挿入されている状態で前記鎖錠かんを移動させ、前記ロックピースの嵌合部の一方の側面が前記鎖錠かん切欠きの一方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第2距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、次いで、前記鎖錠かんを前記過程の場合とは逆方向に移動させ、前記ロックピースの嵌合部の他方の側面が前記鎖錠かん切欠きの他方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第3距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、次いで、前記第2距離と前記第3距離に基づく判断基準値を前記演算手段に演算させ、前記第1距離と判断基準値との差を前記演算手段に演算させることにより前記ロック狂いを検出する。
【0024】
また、本発明に係るロック狂い判定値の設定方法は、鉄道における分岐器を転換する転てつ機の鎖錠かんに設けられた鎖錠かん切欠きとロックピースの位置ずれであるロック狂いを検出するロック狂い判定値の設定方法であって、前記鎖錠かんに固定され前記鎖錠かんの移動に追従して移動する鎖錠かん追従部と、前記転てつ機の固定箇所に固定される固定部と、前記固定部の第1基準位置と前記鎖錠かん追従部との間の距離である第1距離を測定する測距手段と、記憶手段と、演算手段を備えるロック狂い検出器を用い、前記鎖錠かん切欠きに前記ロックピースの嵌合部が挿入されている状態で前記鎖錠かんを移動させ、前記ロックピースの嵌合部の一方の側面が前記鎖錠かん切欠きの一方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第2距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、次いで、前記鎖錠かんを前記過程の場合とは逆方向に移動させ、前記ロックピースの嵌合部の他方の側面が前記鎖錠かん切欠きの他方の内壁に当接した場合の前記第1距離である第3距離を前記設定手段を用いて前記測距手段によって測定させて前記記憶手段に記憶させ、次いで、前記第2距離と前記第3距離に基づく判断基準値を前記演算手段に演算させ、前記第1距離と判断基準値との差を前記演算手段に演算させることにより前記ロック狂いを検出することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態であるロック狂い検出器の変位センサの取付けを示す図である。また図2は、本発明の一実施形態であるロック狂い検出器における本体部及び設定器の構成を示す図である。また図3は、本発明の一実施形態であるロック狂い検出器に接続される管理装置の構成を示す図である。また図4は、本発明の一実施形態であるロック狂い検出器に接続される設定器の外観構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示すように、このロック狂い検出器10は、固定部11aと鎖錠かん追従部11bからなる第1変位センサ11と、固定部12aと鎖錠かん追従部12bからなる第2変位センサ12と、本体部13Aを備えて構成されている。また、本体部13Aは、後述する管理装置30に接続される。
【0028】
また、図1において、126は、ロックピース124を各鎖錠かん121、122に対して直角に移動させるために誘導する部材であるロックピースガイドである。
【0029】
第1変位センサ11の固定部11aは、電気転てつ機101の固定箇所、例えば転てつ機きょう体101aに固定されている。また、第1変位センサ11の鎖錠かん追従部11bは、主鎖錠かん121に固定されている。したがって、鎖錠かん追従部11bは、主鎖錠かん121の移動に追従して移動する。固定部11aには基準位置P1(以下、「第1基準位置」という。)が設けられている。
【0030】
第2変位センサ12の固定部12aは、電気転てつ機101の固定箇所、例えば転てつ機きょう体101aに固定されている。また、第2変位センサ12の鎖錠かん追従部12bは、副鎖錠かん122に固定されている。したがって、鎖錠かん追従部12bは、副鎖錠かん122の移動に追従して移動する。固定部12aには基準位置P2(以下、「第1基準位置」という。)が設けられている。
【0031】
第1変位センサ11、第2変位センサ12は、測長センサであり、アナログやディジタルのセンサのいずれであってもよい。アナログ系としては、電圧、電流、抵抗、磁気、光、超音波等を用いたものがあり、差動変圧器、渦電流式変位計、ポテンショメータ、磁気抵抗素子、光抵抗素子、CCD(電荷結合素子)、レーザー変位計、歪ゲージ式変位計、超音波変位計等が用いられる。
【0032】
ディジタル系としては、変位方向にディジタルパターンを取り付けて、光、静電容量、磁気等で読み取るロータリーエンコーダやリニアーエンコーダあるいはCCD(電荷結合素子)を用いてもよい。
【0033】
処理部16A等の演算手段の処理方法がアナログかディジタルかによってセンサの選択が多少異なるが、最近は、A/D変換やD/A変換の電子部品を使えばどちらの処理でも容易に行えるので、変位計測の精度のよいセンサであればいずれのセンサを用いてもよく、鎖錠かんと転てつ機きょう体とのがたによる鎖錠かんの前後移動や片側あるいは両側が反対方向にずれることによる計測への影響を補正するとか、影響を抑制する構造にしておけば、高精度の変位計測が可能となり、この設定方法が有効となる。
【0034】
本実施形態の第1変位センサ11、第2変位センサ12は、上記の各種センサの一例として、磁気によるディジタルパターン帯を転てつ機きょう体101aに取り付け、鎖錠かんに取り付けた磁気センサでそのディジタルパターンを読み取ることにより変位計測を行うものについて説明を行う。
【0035】
また、本体部13Aは、第1変位センサ11と第2変位センサ12に接続されている。この本体部13Aは、図2に示すように、インターフェイス14と、伝送部15と、処理部16Aと、メモリ17を有している。処理部16Aは、CPU(Central Processing Unit :中央演算処理装置)、あるいはマイクロコンピュータにより構成されており、演算、制御、判断等を行う。メモリ17は、半導体チップ等で構成されるROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)、RAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)等を含み、処理部16Aにより演算された結果、計測値、判定値、判定結果等を記憶する。また、伝送部15からの出力は、管理装置30に送られる。
【0036】
また、図2、4に示すように、設定器40は、後述する判定値の設定時にのみ接続される。設定器40は、設定スイッチ41と、表示器42と、警報器43を備えている。設定スイッチ41は、本体部13Aの処理部16Aに指令を与えるための操作、設定モードや監視モード等を入力するキー、ボタン等である。また、表示器18は、液晶表示器等からなり、処理部16Aの演算結果の数値等を表示する。警報器19は、ブザー、発光ダイオード(LED)等を有し、音響あるいは点滅光等により警報を発生する。
【0037】
また、図3に示すように、管理装置30は、本体部13Aを管理する装置であり、伝送部35と、インターフェイス34と、処理部36と、メモリ37と、表示部38と、警報部39を備えている。処理部36は、CPUあるいはマイクロコンピュータにより構成されており、演算、制御、判断等を行う。メモリ37は、半導体チップ等で構成されるROM、RAM等を含み、処理部36により演算された結果、計測値、判定値、判定結果等を記憶する。表示部38は、液晶表示器等からなり、処理部36の演算結果の数値等を表示する。警報部39は、ブザー、LED等を有し、音響あるいは点滅光等により警報を発生する。
【0038】
次に、上記したロック狂い検出器10の作用について説明する。
【0039】
鎖錠かん追従部11bは、所定サイクルタイム(例えば、1秒)ごとに変位を検出し、処理部16Aに送る。処理部16Aは、この変位と、固定部11aの第1基準位置P1とから、鎖錠かん追従部11bの第1基準位置P1からの距離(以下、「第1距離」という。)を測定し出力する。
【0040】
また、鎖錠かん追従部12bは、所定サイクルタイム(例えば、1秒)ごとに変位を検出し、処理部16Aに送る。処理部16Aは、この変位と、固定部12aの第1基準位置P2とから、鎖錠かん追従部12bの第1基準位置P2からの距離(以下、「第1距離」という。)を測定し出力する。
【0041】
次に、このロック狂い検出器10の判定値設定方法の例について、図1~図5を参照しつつ説明する。図5は、図1に示すロック狂い検出器の判定値設定方法を説明する図である。図5は、主鎖錠かん121とロックピース124を例に挙げて説明したものである。この場合、フロントロッドに接続された接続かんに接続された転てつ機の鎖錠かんが定位側で、反位側の副鎖錠かんが定位側の主鎖錠かんを基準に相対移動によって鎖錠かん位置を設定するようになっている転てつ機で、分岐器が転換されて定位になっており、主鎖錠かん切欠きにロックピースが挿入されている状態となっている。
【0042】
1) 通常、ロックピースは、図5(C)に示す状態となっている。この状態で、まず、図2に示すように、設定器40を本体部13Aに接続する。次に設定モードボタン41a(図4参照)を押して設定モードにする。このとき、変位センサは定期的な周期(例えば1秒)で鎖錠かんの位置を計測し、本体部13Aに出力している。この例では、その値は、変位センサ固有の位置を基準とした絶対位置の値とする。
【0043】
2) 次に、図5(A)に示すように、主鎖錠かん121を図5の右方へ移動させ、ロックピース124の嵌合部124dの左側面124aが主鎖錠かん切欠き123の左内壁123aに当った位置で停止させ、設定スイッチの主側ボタン41cと左側ボタン41e(図4参照)を押すと、本体部13Aは、そのときの計測した値(図5(A)の場合の第1距離。以下、「定位側第2距離」という。)を、主鎖錠かん切欠き左側面のロック狂い位置としてメモリ17に記憶する。
【0044】
3) 次に、図5(B)に示すように、主鎖錠かん121を図5の左方へ移動させ、ロックピース124の嵌合部124dの右側面124bが主鎖錠かん切欠き123の右内壁123bに当った位置で停止させ、設定スイッチの主側ボタン41cと右側ボタン41f(図4参照)を押すと、本体部13Aは、そのときの計測した値(図5(B)の場合の第1距離。以下、「定位側第3距離」という。)を、主鎖錠かん切欠き右側面のロック狂い位置としてメモリ17に記憶する。
【0045】
ほぼ設定前の状態に戻して監視モードスイッチを押すと、定位側第2距離と定位側第3距離を判定値または定位側第2距離と定位側第3距離を元に予め設定しておいた任意の余裕αを考慮した判定値が記憶され、表示器に判定値として表示される。次に分岐器を反位に転換し、設定モードボタンを押して設定モードにする。なお、予め設定しておいた任意の余裕αは設定器または管理装置にキーボードを設けて入力できるようにしておけばよい。また、この例では監視モードに戻すことで判定値を設定できるようにしたが、判定値設定完了を指令するスイッチを設定器に設けても同様に設定ができる。
【0046】
4) 次に、定位側の設定の場合と同様に、副鎖錠かんを右方へ移動させ、ロックピースの嵌合部の左側面が副鎖錠かん切欠きの左内壁に当った位置で停止させ、設定スイッチの副側ボタン41dと左側ボタン41e(図4参照)を押すと、本体部13Aは、そのときの計測した値(以下、「反位側第2距離」という。)を、副鎖錠かん切欠き左側面のロック狂い位置としてメモリ17に記憶する。
【0047】
5) 次に、定位側の設定の場合と同様に、副鎖錠かんを左方へ移動させ、ロックピースの嵌合部の右側面が副鎖錠かん切欠きの右内壁に当った位置で停止させ、設定スイッチの副側ボタン41dと右側ボタン41f(図4参照)を押すと、本体部13Aは、そのときの計測した値(以下、「反位側第3距離」という。)を、副鎖錠かん切欠き右側面のロック狂い位置としてメモリ17に記憶する。
【0048】
反位側第2距離と反位側第3距離との差の1/2だけ鎖錠かんを右に移動させ、またはほぼ設定前の状態に戻して監視モードスイッチを押すと、反位側第2距離と反位側第3距離を判定値または反位側第2距離と反位側第3距離を元に予め設定しておいた任意の余裕αを考慮した判定値が記憶され、表示器に判定値として表示される。次に分岐器を定位に転換し、設定モードボタンを押して設定モードにする。なお、予め設定しておいた任意の余裕αは設定器または管理装置にキーボードを設けて入力できるようにしておけばよい。
【0049】
6) 定位への転換終了時の計測値を元に、転換された方向や主鎖錠かん切欠きとロックピースとの左右の隙間及び判定値との左右の余裕量等が表示される。なお、その表示される値は計測した絶対位置の値でも、それを元に最初に設定した鎖錠かん切欠き中心位置を基準とした相対位置であってもよい。判定結果や各表示値等の表示内容は保守者の判りやすい表示をとればよい。
【0050】
7) そして、鎖錠かん切欠きとロックピースとの隙間が判定値を越えると、ロック調整の警報を出す。また、鎖錠かん切欠きとロックピースとの隙間が無くなったり、ラップしたりするとロック狂いの警報を出す。ロック狂いの状態は転換終了するごとにその時間と共に時系列記憶させたり、プリンターに出力することもできる。
【0051】
上記したように、このロック狂い検出器10によれば、鎖錠かん切欠きにロックピースの嵌合部が挿入されている状態で鎖錠かんをいずれかの方向へ移動させ、ロックピースの嵌合部の一方の側面が鎖錠かん切欠きの一方の内壁に当接した場合の第1距離である第2距離を測定し記憶させる第1の鎖錠かん設定操作と、次いで、鎖錠かんを第1の鎖錠かん操作の場合とは逆方向に移動させ、ロックピースの嵌合部の他方の側面が鎖錠かん切欠きの他方の内壁に当接した場合の第1距離である第3距離を測定し記憶させる第2の鎖錠かん設定操作のみを操作者が行うだけでよく、その後は、ロック狂いの判断基準値、例えば、ロックピースが鎖錠かん切欠きの中央位置となる状態からの所定のずれ量等を決めておけば、処理部16Aが所定のサイクルタイムごとに測定、判断基準値との差演算、判定を行い、ロック狂いを自動的に検出する。
【0052】
変位センサをロック狂い検知に必要な範囲に入るように取付ければ、スリットは不用となり、上記した第1、第2の鎖錠かん設定操作は、従来のスリット位置等の微調整に比べ格段に簡易である、という利点がある。
【0053】
また、第1、第2の鎖錠かん設定操作の後は、実際にロック狂いとなる位置を基にしてロック狂い検出が行われるため、ロック狂い検出の精度が高い、という利点もある。
【0054】
また、電気転てつ機101の転てつ機きょう体101aとロックピース124との位置関係は、現地設置後は変動することはない。このため、上記の第1、第2の鎖錠かん設定操作を一度行えば、変位センサ11や12の取付状態に変化がない限り、鎖錠かん切欠きの位置調整を行ってもロック狂い検出器の再調整は不要となる、という利点もある。
【0055】
上記のことから、このロック狂い検出器10によれば、鎖錠かん切欠きの製作公差を含めた実体に合ったロック狂いの診断、判定ができ、かつ人為的にロック狂いのしきい値を設定する従来の方法に比べ、不要な警報を行わない領域を拡大することができ、保守者は不要な出動を減らすことができる。また、処理部16Aからの警報信号等を導き、鉄道の指令所や保守区においてモニター装置により監視するようにすれば、分岐器の鎖錠状態を定量的に把握することが可能となる。さらに、転てつ機の転換不能が発生した場合に、ロック狂いによる転換不能であるのか、過負荷による転換不能であるのかの判別も可能となるため、原因の究明が容易になるとともに、復旧時間の短縮化を図ることができる。また、分岐器の鎖錠状態が定量的に判明するので、この値を時系列的に記録しておけば、変位量が判断基準値に接近する状況が発生した場合にはロック狂いが進行し始めたことを示すため、ロック調整の時期の設定にも役立つ、という利点がある。
【0056】
本発明は、他の構成の実施形態によっても実現可能である。他の実施形態においては、図示はしないが、ロック狂い検出器は、図1~5に示した実施形態と同様の固定部及び第1変位センサと、図1~5に示した実施形態とは異なる第2変位センサ及び本体部を備えて構成される。
【0057】
他の実施形態における異なる第2変位センサは、2つの鎖錠かん追従部を有している。これらのうち一方の鎖錠かん追従部(以下、「主体鎖錠かん追従部」という。)は、主鎖錠かん121に固定される。したがって、主体錠かん追従部は、主鎖錠かん121の移動に追従して移動する。
【0058】
また、他の実施形態における異なる第2変位センサのうちの他方の鎖錠かん追従部(以下、「副鎖錠かん追従部」という。)は、副鎖錠かん122に固定される。したがって、副鎖錠かん追従部は、副鎖錠かん122の移動に追従して移動する。
【0059】
また、他の実施形態における本体部は、図示はしていないが、図1~5に示した実施形態における本体部13Aのうち、処理部16Aのかわりに異なる処理部(以下、「第2処理部」という。)を有している点を除き、本体部13Aと同様の構成を有している。
【0060】
上記したように、第1変位センサ11の鎖錠かん追従部11bは、所定サイクルタイム(例えば、1秒)ごとに変位を検出する。他の実施形態では、この変位は、第2処理部に送られる。第2処理部は、この変位と、固定部11aの第1基準位置P1とから、第1基準位置P1からの鎖錠かん追従部11bの第1距離を測定し出力する。
【0061】
また、主鎖錠かん追従部は、所定サイクルタイム(例えば、1秒)ごとに変位を検出し、第2処理部に送る。また、副鎖錠かん追従部も、所定サイクルタイム(例えば、1秒)ごとに変位を検出し、第2処理部に送る。第2処理部は、これらの変位から、主鎖錠かん追従部と副鎖錠かん追従部の間の相対距離(例えば、これらの変位の差の絶対値。以下、「第4距離」という。)を測定し出力する。
【0062】
第2処理部は、第1距離と第4距離から、副鎖錠かん追従部の第1基準位置P1からの距離(例えば、第1距離と第4距離の差の絶対値。以下、第5距離という。)を測定し出力する。
【0063】
したがって、他の実施形態の場合も、図1~5に示した実施形態の場合と同様に、不動点(移動する鎖錠かんに対して動かない点)を基準とした座標を測定することができることになる。他の実施形態では、副鎖錠かん122の座標位置が第1基準位置P1からの距離で表される点が、図1~5に示した実施形態と異なるだけである。
【0064】
その後は、鎖錠かん切欠きにロックピースの嵌合部が挿入されている状態で鎖錠かんをいずれかの方向へ移動させ、ロックピースの嵌合部の一方の側面が鎖錠かん切欠きの一方の内壁に当接した場合の第1距離である第2距離を測定し記憶させる第1の鎖錠かん設定操作と、次いで、鎖錠かんを第1の鎖錠かん操作の場合とは逆方向に移動させ、ロックピースの嵌合部の他方の側面が鎖錠かん切欠きの他方の内壁に当接した場合の第1距離である第3距離を測定し記憶させる第2の鎖錠かん設定操作のみを操作者が行って設定を行い、ロック狂いの判断基準値、例えば、ロックピースが鎖錠かん切欠きの中央位置となる状態からの所定のずれ量等を決めておけば、第2処理部が所定のサイクルタイムごとに測定、判断基準値との差演算、判定を行い、ロック狂いを自動的に検出する。
【0065】
上述した他の実施形態の場合も、図1~5に示した実施形態の場合と同様の効果、利点を有している。
【0066】
上記実施形態において、変位センサと処理部(第1変位センサ11と処理部16A、第2変位センサ12と処理部16A、第1変位センサ11と第2処理部、第2変位センサと第2処理部)は、測距手段を構成している。また、処理部16A、第2処理部は、ロック狂い検出手段、演算手段に相当している。また、メモリ17は、記憶手段に相当している。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0068】
例えば、上記実施形態においては、固定部(11a、12a)が転てつ機きょう体に固定される例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の固定箇所に固定されてもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、第1基準位置を図のP1の位置とし、第2基準位置を図のP2の位置とする例について説明したが、本発明はこれには限定されず、第1基準位置は固定箇所上の点であればどの位置に設置してもよい。また、鎖錠かん追従部(11b、12b、主鎖錠かん追従部、副鎖錠かん追従部)は、鎖錠かんの上に設けれていなくてもよく、何らかの部材によって鎖錠かんに連結されていてもよい。要は、鎖錠かん追従部は、鎖錠かんの移動に追従して移動するように構成されていれば、どのような構成であってもよい。
【0070】
また、処理部16A等の演算手段は、マイクロコンピュータのようなディジタル系の機器のほか、アナログ系の機器であってもよい。また、記憶手段についても、メモリのようなディジタル系の機器のほか、アナログ系の機器であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態における変位センサは、磁気センサについて説明したが、例えば、鎖錠かん上に取り付けた遮蔽板(スリット)とCCDの一種であるラインセンサを用いて、遮蔽板(スリット)の位置を変位として計測する方式でも、ラインセンサや遮蔽板に結露や汚れがつかないようにし、鎖錠かんと転てつ機きょう体とのがたによる鎖錠かんの前後移動や片側あるいは両側が反対方向にずれることによる計測への影響を補正するとか、影響を抑制する構造にした場合には変位計として有効となるので、この方法を用いれば、鎖錠かん上に取り付けた遮蔽板(スリット)の取付け位置は厳密に位置決めする必要がなくなる。
【0072】
また、変位センサは、接触式、非接触式のいずれであってもよい。また、変位センサは、図5(B)に示す距離Cの範囲を少なくとも計測できれば十分である。
【0073】
また、上記実施形態においては、変位の計測を1秒周期で計測する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、以下のような他の計測タイミングで計測してもよい。
【0074】
ア.任意の計測周期(例えば1秒)で鎖錠かん変位を計測する。
【0075】
イ.連動装置の当該分岐器を含む軌道回路の軌道回路リレー等の接点状態を常時監視し、軌道回路リレーの接点がONしているとき(列車が軌道回路内に入っていないとき)のみ任意の時間(例えば1秒)周期で鎖錠かん変位を計測する。
【0076】
ウ.連動装置の当該転てつ機の転てつ機制御リレーと当該分岐器を含む軌道回路の軌道回路リレー等の接点状態を常時監視し、転てつ機制御リレーの接点がOFF軌道回路リレーがONしている条件をもって任意の時間(例えば1秒)周期で鎖錠かん変位を計測する。
【0077】
エ.当該軌道回路リレーの接点の当該電気転てつ機のモータ電流を常に監視し、モータ電流が切れている条件と軌道回路リレーの接点がONしている条件をもって任意の時間(例えば1秒)周期で鎖錠かん変位を計測する。
【0078】
オ.任意の時間(例えば1秒)周期で鎖錠かん変位を計測し、連動装置の当該分岐器を含む軌道回路の軌道回路リレー等の接点状態を常時監視すると共に、当該転てつ機の転てつ機制御リレーまたは当該電気転てつ機のモータ電流を常に監視し、軌道回路リレーの接点がONあるいは転てつ機制御リレーの接点がOFFまたはモータ電流が流れているときは計測判断処理しない。
【0079】
また、上記した設定器40は、基本的には、設定スイッチ41と表示器42で構成できるが、警報器42を付加することにより、調整時のロック狂いが設定時にすぐわかるようにしてもよい。また、設定器40に処理部とメモリを内蔵させて、本体部13A等の処理を分担させてもよい。また、本体部13A等に設定スイッチを設け、本体部で設定が行えるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態においては、判定値の設定において、設定モード、監視モード、主側、副側、右側、左側等の設定スイッチを用いる例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の方法でもよい。例えば、これらの設定スイッチをタッチパネルの表示部によって表示させ、指等で押すことによって設定する方法でもよい。また、表示部の表示画像にこれらの設定スイッチを表示させ、ノートパソコンのサムボールのようにマウス操作を行うことによって設定していく方法でもよい。
【0081】
あるいは、表示部と、1つの設定ボタンと、1つ前の動作状態に戻る押しボタン(例えば、図4における41g)を設け、画面上に表示される手順表示に従って設定していく方法でもよい。
【0082】
例えば、画面に「設定モードにしますか。」と表示させ、設定スイッチを押すと、「主鎖錠かん切欠き左側面がロックピース左側面に当った位置で停止させ、設定ボタンを押して下さい。」と表示させ、設定スイッチを押すと、「主鎖錠かん切欠き右側面がロックピース右側面に当った位置で停止させ、設定ボタンを押して下さい。」と表示させ、設定スイッチを押すと、次の動作を表示させるような設定方法でもよい。この場合、誤った設定ボタンを押した場合は、1つ前の動作に戻る押しボタン41gを押せば、1つ前の表示である「主鎖錠かん切欠き右側面がロックピース右側面に当った位置で停止させ、設定ボタンを押してください。」という表示がなされる。また、上記設定を管理装置を用いて行なえるようにしても同様に設定はできる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鎖錠かんに固定され鎖錠かんの移動に追従して移動する鎖錠かん追従部と、転てつ機の固定箇所に固定される固定部と、固定部の第1基準位置と鎖錠かん追従部との間の距離である第1距離を測定する測距手段と、第1距離と判断基準値との差によりロック狂いを検出するロック狂い検出手段を備えたので、従来のスリット位置等の微調整に比べ格段に簡易である、という利点がある。
【0084】
また、実際にロック狂いとなる位置を基として、ロック狂い検出が行われるため、ロック狂い検出の精度が高い、という利点がある。
【0085】
また、転てつ機の固定箇所とロックピースとの位置関係は、変動することはない。このため、鎖錠かん設定操作を一度行えば、変位センサ等の取付状態に変化がない限り、鎖錠かん切欠きの位置調整を行ってもロック狂い検出器の再調整は不要となる、という利点もある。
【0086】
また、本発明のロック狂い検出器によれば、鎖錠かん切欠きの製作公差を含めた実体に合ったロック狂いの診断、判定ができ、かつ人為的にロック狂いのしきい値を設定する従来の方法に比べ、不要な警報を行わない領域を拡大することができ、保守者は不要な出動を減らすことができる。また、ロック狂い検出器からの警報信号等を導き、鉄道の指令所や保守区においてモニター装置により監視するようにすれば、分岐器の鎖錠状態を定量的に把握することが可能となる。さらに、転てつ機の転換不能が発生した場合に、ロック狂いによる転換不能であるのか、過負荷による転換不能であるのかの判別も可能となるため、原因の究明が容易になるとともに、復旧時間の短縮化を図ることができる。また、分岐器の鎖錠状態が定量的に判明するので、この値を時系列的に記録しておけば、変位量が判断基準値に接近する状況が発生した場合にはロック狂いが進行し始めたことを示すため、ロック調整の時期の設定にも役立つ、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるロック狂い検出器の変位センサの取付けを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態であるロック狂い検出器における本体部及び設定器の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態であるロック狂い検出器に接続される管理装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態であるロック狂い検出器に接続される設定器の外観構成の一例を示す図である。
【図5】図1に示すロック狂い検出器の判定値設定方法を説明する図である。
【図6】従来の分岐器の構成を示す上面図である。
【図7】図6に示す分岐器における電気転てつ機の構成を示す上面図である。
【図8】図7に示す電気転てつ機における鎖錠かんとロックピースの関係を示す図である。
【図9】図7に示す電気転てつ機におけるロック狂い検出器の構成と作用を説明する図である。
【符号の説明】
10 ロック狂い検出器
11 第1変位センサ
11a 固定部
11b 鎖錠かん追従部
12 第2変位センサ
12a 固定部
12b 鎖錠かん追従部
13A 本体部
14 インターフェイス
15 伝送部
16A 処理部
17 メモリ
30 管理装置
33 伝送部
34 インターフェイス
35 伝送部
36 処理部
37 メモリ
38 表示器
39 警報部
40 設定部
41 設定スイッチ
41a~41g ボタン
42 表示器
43 警報器
100 分岐器
101 電気転てつ機
101a 転てつ機きょう体
102 動作かん
103a~103f リンク部材
104 エスケープクランク
105 ロッド
106 エスケープクランク
107 ロッド
108 伝動部
109、110 転てつ棒
118 フロントロッド
119 接続かん
120 鎖錠かん
121 主鎖錠かん
122 副鎖錠かん
123 主鎖錠かん切欠き
123a 主鎖錠かん切欠き左内壁
123b 主鎖錠かん切欠き右内壁
124 ロックピース
124a ロックピース左側面
124b ロックピース右側面
124c ロックピース一般部
124d ロックピース嵌合部
125 副鎖錠かん切欠き
125a 副鎖錠かん切欠き左内壁
125b 副鎖錠かん切欠き右内壁
126 ロックピースガイド
200 ロック狂い検出器
201a、201b 発光ダイオード
202a、202b 固定スリット
203a、203b 移動スリット
204a、204b 固定スリット
205a、205b 受光素子
L1、L2 光
R1、R2 基本レール
P1、P2 第1基準位置
S 設定スイッチ
T1、T2 トングレール
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8