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明細書 :鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部及びその接合方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3826179号 (P3826179)
公開番号 特開平11-036455 (P1999-036455A)
登録日 平成18年7月14日(2006.7.14)
発行日 平成18年9月27日(2006.9.27)
公開日 平成11年2月9日(1999.2.9)
発明の名称または考案の名称 鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部及びその接合方法
国際特許分類 E04B   1/58        (2006.01)
E04B   1/30        (2006.01)
FI E04B 1/58 506N
E04B 1/30 E
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願平09-192826 (P1997-192826)
出願日 平成9年7月17日(1997.7.17)
審査請求日 平成16年4月5日(2004.4.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
発明者または考案者 【氏名】木下 雅敬
【氏名】葛 拓造
【氏名】村田 清満
【氏名】安原 真人
【氏名】鷹野 秀明
【氏名】齋藤 貴
個別代理人の代理人 【識別番号】100077517、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100088269、【弁理士】、【氏名又は名称】戸田 利雄
【識別番号】100082898、【弁理士】、【氏名又は名称】西山 雅也
審査官 【審査官】家田 政明
参考文献・文献 実公平04-027921(JP,Y2)
特開平02-300435(JP,A)
特開平03-002434(JP,A)
調査した分野 E04B 1/00-1/61
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物(1)の内部と断面円形のコンクリート充填鋼管構造物(2)の柱鋼管(4)の内部に第一の側の主鉄筋と第二の側の主鉄筋から延びる接合用鉄筋(5)を配筋した隅角接合部において、
前記コンクリート構造物(1)の第一の側の主鉄筋位置から柱鋼管(4)内部の前記鋼管直径に相当する位置まで、少なくとも一本の形鋼からなる鉄骨(6)を配置し、且つ
前記接合用鉄筋と前記鉄骨とを前記柱鋼管内でコンクリートで固着して、前記柱鋼管と前記コンクリート構造物とで隅角接合部を構成した、
ことを特徴とする前記鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と前記コンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部。
【請求項2】
鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物(1)の内部と断面円形のコンクリート充填鋼管構造物(2)の柱鋼管(4)の内部に第一の側の主鉄筋と第二の側の主鉄筋から延びる接合用鉄筋(5)を配筋して隅角接合部を接合する方法において、
前記コンクリート構造物(1)の第一の側の主鉄筋位置から柱鋼管(4)内部の前記鋼管直径に相当する位置まで、少なくとも一本の形鋼からなる鉄骨(6)を配置する工程、及び
前記接合用鉄筋と前記鉄骨とを前記柱鋼管内でコンクリートで固着して、前記柱鋼管と前記コンクリート構造物とで隅角接合部を接合する工程、
からなることを特徴とする前記鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と前記コンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部の接合方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道、道路、桟橋及びその他の土木建築分野における鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリートの構造部と、コンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部及びその接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート充填鋼管構造物と鉄筋コンクリート構造物との接合は、鋼管に鉄筋固定用部材を溶接により取り付け、この固定部材に鉄筋コンクリート構造物からの鉄筋を溶接する鉄筋溶接方法が取られていた。或いは、コンクリート充填鋼管構造物と鉄筋コンクリート構造物との接合部において、多数の接合用鉄筋をコンクリート充填鋼管構造物のなかに所定の長さ埋め込みコンクリートで固定する鉄筋埋め込み接合方式が取られていた。
【0003】
鷹野等は、コンクリート充填鋼管柱と鉄筋コンクリートの接合方法を、「(2195)鋼管とRC部材の接合部を鋼管鉄筋コンクリートとした構造の耐力と変形性能」(コンクリート工学年次論文報告集第16巻2号、1994年)において開示した。この接合部供試体を準備し、この接合部のコンクリートと鉄筋の付着力、接合部の耐力及び変形性能を確認している。
【0004】
しかしながら、断面積の大きな鉄筋コンクリート構造物または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と、比較的コンパクトな断面を有するコンクリート充填鋼管構造物との接合は、鉄筋コンクリート構造物または鉄骨鉄筋コンクリート構造物からの多数の接合用鉄筋を鋼管内に配筋しなければいけない。また、接合用鉄筋をコンクリート充填鋼管構造物の円形断面にほぼ均一に埋め込むためには、鉄筋コンクリート構造物の梁の主鉄筋と接合用鉄筋とが交差するため作業が複雑になる問題が発生している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部において、従来の方法は多数の接合用鉄筋をコンクリート充填鋼管構造物中に配筋するために、鉄筋が過密になり配筋作業が困難であった。したがって、本発明はこれらの構造物の接合部での鉄筋の配筋作業を簡略化し、従来の方法と同じ程度の耐力と剛性がある隅角接合部及びその接合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物の内部と断面円形のコンクリート充填鋼管構造物の柱鋼管の内部に第一の側の主鉄筋と第二の側の主鉄筋から延びる接合用鉄筋を配筋した隅角接合部において、コンクリート構造物の第一の側の主鉄筋位置から柱鋼管内部の鋼管直径に相当する位置まで、少なくとも一本の形鋼からなる鉄骨を配置し、且つ接合用鉄筋と鉄骨とを柱鋼管内でコンクリートで固着して、柱鋼管とコンクリート構造物とで隅角接合部を構成したことを特徴とする前記鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と前記コンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部によって達成される。
【0007】
上記目的は、本発明によれば、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物の内部と断面円形のコンクリート充填鋼管構造物の柱鋼管の内部に第一の側の主鉄筋と第二の側の主鉄筋から延びる接合用鉄筋を配筋して隅角接合部を接合する方法において、コンクリート構造物の第一の側の主鉄筋位置から柱鋼管内部の鋼管直径に相当する位置まで、少なくとも一本の形鋼からなる鉄骨を配置するとともに、接合用鉄筋と鉄骨とを柱鋼管内でコンクリートで固着して、柱鋼管とコンクリート構造物とで隅角接合部を接合する工程、からなることを特徴とする前記鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と前記コンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部の接合方法によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接合方法は、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と断面円形のコンクリート充填鋼管構造物との接合部コンクリート中に鉄骨として形鋼を配置して、接合用鉄筋の配筋本数を減少する。形鋼としては山形鋼、溝形鋼、I形鋼、H形鋼及び異形鋼を含む。鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物から延びる接合用鉄筋と鉄骨とをコンクリートでコンクリート充填鋼管構造物内に固着する。隅角接合部に作用する曲げモーメントに対し、鋼管柱内にコンクリートにより固定された鉄筋及び鉄骨は、柱鋼管に支圧力及び摩擦力として応力を伝達する。これにより、コンクリート充填鋼管構造物と鉄筋及び鉄骨鉄筋コンクリート構造物の隅角接合部は、充分な耐力と剛性を有する様に接合する事ができる。
【0009】
従って、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物と断面円形のコンクリート充填鋼管構造物との接合部に於いて、接合の配筋作業を簡略化し、且つ、充分な耐力と剛性を有する接合構造を提供できる。
これにより、コンクリート充填鋼管構造物と鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物との隅角接合部を接合がなされる。鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物とのこの隅角接合部は、鉄骨として形鋼が配置されるために高耐力高剛性すなわち高変形性能を有する。したがって、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリート構造物に加わる荷重を、コンクリート充填鋼管構造物に好ましく荷重伝達することができる。
【0010】
【実施例】
準備した試験体は、基本的に従来の鉄道高架構造物の約1/2の大きさとした。試験体は、実施例1と比較例1の2種類を準備した。実施例1の試験体は、接合用鉄筋と、鉄骨としてH形鋼を配置した本発明の鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部構造物である。比較例1の試験体は、接合用鉄筋のみを配置した従来の鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部である。
【0011】
実施例1
図1の(A)と(B)に、本発明の鉄筋コンクリート構造物と鉄骨鉄筋コンクリート充填鋼管構造物の隅角接合部の主要値を示す。
本発明の実施例1の充填鋼管は、直径406.4mmの鋼管を使用した。使用した鉄骨はH形鋼であり、フランジの高さ100mm、厚さ8mmであった。図1の(A)及び(B)に示すように、H形鋼はクロス状に配置し、鋼管への埋め込み長さは鋼管直径に相当する400mmとした。接合用鉄筋の直径は16mmであり、鉄骨を配置したため配筋数は16本に減少した。接合用鉄筋の配置位置は、充填鋼管内径と、H形鋼の対角線を直径とする位置との中間位置であった。また、接合用鉄筋長さは第一の側からコンクリート充填鋼管構造物中のコンクリートに鋼管径程度埋め込む。必要はならば、上記鉄骨に鉄筋コンクリート構造物の第2の側の主鉄筋を貫通させる。接合用鉄筋及び鉄骨を鋼管と結合するために使用したコンクリートは、270kgf/cm2 のものであった。この実施例1の設計曲げ耐力は27.1重量トンメートルであり、設計剪断耐力は、32.6重量トンであった。
【0012】
表2の試験結果に示すように、実施例1の試験体降伏荷重は16.7重量トンであり、終局強度は25.8重量トンであった。
【0013】
比較例1
図2の(A)と(B)に、従来の鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部を示す。従来の鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部の主要値を表1に示す。
従来例の比較例1において、接合用鉄筋の直径は16mmであり、鉄骨を配置しないため配筋数は30本であった。接合用鉄筋の配置位置は、実施例1の位置と同一の位置に配置した。使用したコンクリートは実施例1と同一とした。設計曲げ耐力は27.2重量トンメートルであった。設計剪断耐力は、実施例1の約2/3の値である21.0重量トンであった。
比較例1の試験体の降伏荷重は11.7重量トンであり、終局強度は24.3重量トンであった。
【0014】
JP0003826179B2_000002t.gif【0015】
JP0003826179B2_000003t.gif表2の本発明の実施例1と従来技術の比較例1の試験結果を考察する。本発明の隅角接合部に鉄骨を配置し且つ接合用鉄筋の配筋数を減少しても、降伏強度及び終局強度の双方において従来技術のそれを上回った。
【0016】
【発明の効果】
表2の本発明の実施例1と従来技術の比較例1の試験結果を考察する。本発明の隅角接合部に鉄骨を配置し且つ接合用鉄筋の配筋数を減少しても、降伏強度及び終局強度の双方において従来技術のそれを上回った。このことは、本発明の鉄筋及び鉄骨鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物内の接合用鉄筋の配筋数を減少することにより、過密で複雑であった接合部での鉄筋の配筋作業が簡素化された。さらに、隅角接合部への鉄骨の配置は、隅角接合部の耐力すなわち降伏強度及び終局強度を従来技術と同等以上にし、鉄筋及び鉄骨鉄筋コンクリート構造物の荷重が、設計どおりにコンクリート充填鋼管構造物に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄筋コンクリート構造物と、鉄骨と鉄筋とを配置したコンクリート充填鋼管との隅角接合部を示し、図2の(A)は隅角接合部の平面断面図であり、(B)は(A)のY-Y線で切断した全断面部を示す断面図である。
【図2】従来の鉄筋コンクリート構造物とコンクリート充填鋼管構造物との隅角接合部を示し、図1の(A)は隅角接合部の平面断面図であり、(B)は(A)のX-X線で切断した全断面部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…鉄筋コンクリート構造物
2…コンクリート充填鋼管構造物
3…主鉄筋
3-1…第一の側の主鉄筋
3-2…第二の側の主鉄筋
4…柱鋼管
5…接合用鉄筋
6…形鋼からなる鉄骨
7…第一の側
8…第二の側
図面
【図1】
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【図2】
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