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明細書 :磁性金属内包カーボンナノチューブ素子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4892723号 (P4892723)
公開番号 特開2007-277061 (P2007-277061A)
登録日 平成24年1月6日(2012.1.6)
発行日 平成24年3月7日(2012.3.7)
公開日 平成19年10月25日(2007.10.25)
発明の名称または考案の名称 磁性金属内包カーボンナノチューブ素子
国際特許分類 C01B  31/02        (2006.01)
G01R  33/02        (2006.01)
H01L  29/06        (2006.01)
B82B   1/00        (2006.01)
FI C01B 31/02 101F
G01R 33/02 A
H01L 29/06 601N
B82B 1/00
請求項の数または発明の数 5
全頁数 8
出願番号 特願2006-107470 (P2006-107470)
出願日 平成18年4月10日(2006.4.10)
審査請求日 平成21年4月2日(2009.4.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
発明者または考案者 【氏名】林 靖彦
【氏名】徳永 知春
【氏名】藤田 武志
審査官 【審査官】岡田 隆介
参考文献・文献 特開2001-089116(JP,A)
特開2005-104814(JP,A)
調査した分野 C01B 31/00-31/36
WPI
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
層カーボンナノチューブにニ種類以上の金属が内包もしくは充填され、該金属が磁性金属および非磁性金属からなり、磁性金属と非磁性金属とが分離されて内包もしくは充填されていることを特徴とするカーボンナノチューブ素子。
【請求項2】
前記磁性金属と非磁性金属がバーコード状に配置されたバーコードタイプの請求項1に記載のカーボンナノチューブ素子。
【請求項3】
磁気抵抗効果を利用した磁気ランダムアクセスメモリデバイスに用いられる請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ素子。
【請求項4】
磁気力顕微鏡(MFM)探針に用いられる請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ素子。
【請求項5】
磁気センサーに用いられる請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ素子。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、強磁性金属充填カーボンナノチューブ素子及びそれを用いたデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のカーボンナノチューブの製造方法が開示されている。特許文献1は、金属を内包するカーボンナノチューブの製造方法に関する特許であり、磁気抵抗効果(以下「TMR」という。)を利用した磁気ランダムアクセスメモリ(以下「MRAM」という。)の応用が示されているが,内包された金属の磁性特性が明らかにされていなかった。また、特許文献2においては、内包もしくは充填する金属が一種類であった。非特許文献1は、2層金属内包に関する論文であり、非特許文献2、3は、Fe内包カーボンナノチューブの電子線ホログラフィーに関する論文である。

【特許文献1】特開平6-227806号公報
【特許文献1】特開2005-104814公報
【非特許文献1】“Production and Characterization of Single-Crystal FeCo Nanowires Inside Carbon Nanotubes”, A. L. Elias, J. A. Rodriguez-Manzo, M. R. McCartney, D. Golberg, A. Zamudio, S. E. Baltazar, F. Lopez-Urias, E. Munoz-Sandoval, L. Gu, C. C. Tang, D. J. Smith, Y. Bando, H. Terrones, and M. Terrones, Nano Lett. 5, 467 - 472 (2005).
【非特許文献2】“Magnetic properties of aligned Fe-filled carbon nanotubes”, T. Muhl, D. Elefant, A. Graff, R. Kozhuharova, A. Leonhardt, I. Monch, M. Ritschel, P. Simon, S. Groudeva-Zotova, and C. M. Schneider, J. Appl. Phys. 93, 7894-7896 (2003).
【非特許文献3】“Synthesis and properties of filled carbon nanotubes”, A. Leonhardt, M. Ritschel, R. Kozhuharova, A. Graff, T. Muhl, R. Huhle, I. Monch, D. Elefant and C. M. Schneider, Diamond Relat. Mater. 12, 790-793 (2003).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来技術では、これまでに、単一のカーボンナノチューブに充填もしくは内包した金属からの磁性特性を得られていない。また、二種類以上の磁性金属を含む金属全般を内包もしくは充填する技術は確立されていない。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、磁性金属をチューブ内に完全に充填もしくは、チューブ先端に内包するナノチューブ素子を作製し、磁性特性の評価を行い、本素子を用いた磁気センサー等のデバイスを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1発明の強磁性金属充填カーボンナノチューブ素子は、単層・多層カーボンナノチューブに二種類以上の磁性金属を含む金属を内包もしくは充填することを特徴とする。
第2発明の強磁性金属充填カーボンナノチューブ素子は、第1発明の磁性金属を含む金属が,単層・多層カーボンナノチューブ内で合金もしくは分離して内包もしくは充填することを特徴とする。
第3発明のバーコードタイプ強磁性金属充填カーボンナノチューブ素子は、第1発明のの磁性金属を含む金属が,単層・多層カーボンナノチューブ内でそれぞれの金属ごとに分離して内包もしくは充填することを特徴とする。
第4発明の磁気ランダムアクセスメモリデバイスは、第1又は第2発明のカーボンナノチューブ素子を用い磁気抵抗効果を利用することを特徴とする。
第5発明の磁気力顕微鏡(MFM)探針及び第6発明の磁気センサーは、第1又は第2発明のカーボンナノチューブ素子を用いることを特徴とする。
【0005】
図1に示すように、一種類以上の磁性金属を含む金属全般を内包もしくは充填するために、基板に内包もしくは充填する金属薄膜を積層する。
【0006】
金属を内包もしくは充填する金属を積層した基板を用いてナノチューブを成長することで,成長と同時にこれらの金属内包もしくは充填する.成長条件を制御することで,チューブ内の金属を分離して内包もしくは充填することができる。
【0007】
金属を内包もしくは充填した単一のナノチューブからの磁性特性を,電子線ホログラフィー法により明らかにし,磁気センサーなどの有効なことを示した。
従来一種類もしくは二種類の金属を内包するナノチューブの報告があるが,本発明により多数の金属をチューブ内に内包もしくは充填することが可能となった。
カーボンナノチューブ内に合金を内包もしくは充填するだけでなく,金属を分離して内包もしくは充填することに成功した.これにより,ナノスケールでバーコードのようなデバイスを作成することが可能となった。
金属を内包もしくは充填した単一のナノチューブからの磁性特性を電子線ホログラフィー法で観察することで,金属からの明らかな磁気力線を確認することができ,磁気センサーなどの磁気デバイスへの応用が可能となった。また,金属はナノチューブの中に閉じこめられているため,直接大気に触れることがなく,金属の酸化などから防ぐことができ,磁気センサーなどに応用した場合には安定した特性が得られる。
【発明の効果】
【0008】
単層・多層カーボンナノチューブに二種類以上の磁性金属を含む金属を内包もしくは充填することが可能となる。
【0009】
カーボンナノチューブ内に合金を内包もしくは充填するだけでなく,金属を分離して内包もしくは充填するバーコードタイプ強磁性金属充填カーボンナノチューブも可能となる。
【0010】
磁気センサーに応用する際,磁性金属を含む金属はカーボンナノチューブ内に内包もしくは充填しているため,大気などに暴露されることがないため安定したデバイスが作製可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0012】
図1に示すように、一種類以上の磁性金属を含む金属を内包もしくは充填するために、基板に内包もしくは充填する金属薄膜を積層する。
図1は二層及び多層構造カーボンナノチューブで、1(部品番号1)は基板、例えばシリコン基板、金属基板を示す。2(部品番号2)は、前記部品番号1がシリコン基板の場合は、SiO2,SiNx,Mo,Wなどであり、前記部品番号1が金属基板の場合では、Mo,Wなどの高融点金属である。3(部品番号3)及び4(部品番号4)は、内包する金属を2(部品番号2)の上に積層する.図1では,2種類の金属の場合で,例えば,3(部品番号3)はPd(非磁性金属),部品番号4はCo(強磁性金属)のような組み合わせである.内包もしくは充填する金属の種類により部品数を増やすことができる.
図2は、多層カーボンナノチューブ内でPdとCoを分離して内包する実施例を示す写真である。5(部品番号5)は、多層カーボンナノチューブ内でPdとCoを分離して内包し、6(部品番号6)はPd金属であり、7(部品番号7)はCo金属を示す。
図3は、多層カーボンナノチューブ内でPdとCoが合金として充填している実施例を示す写真である。
【0013】
図4は、電子線ホログラフィー法により観察したカーボンナノチューブ単一に内包したCo金属からの磁気誘導を示す図である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の強磁性金属充填カーボンナノチューブ素子及びそれを用いたデバイスは磁気センサー等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】二層及び多層構造カーボンナノチューブを示す説明図である。
【図2】多層カーボンナノチューブ内でPdとCoを分離して内包する実施例を示す写真である。
【図3】多層カーボンナノチューブ内でPdとCoが合金として充填している実施例を示す写真である。
【図4】電子線ホログラフィー法により観察したカーボンナノチューブ単一に内包したCo金属からの磁気誘導を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3