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明細書 :ナーザルCPAP素子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3918057号 (P3918057)
公開番号 特開2004-321549 (P2004-321549A)
登録日 平成19年2月23日(2007.2.23)
発行日 平成19年5月23日(2007.5.23)
公開日 平成16年11月18日(2004.11.18)
発明の名称または考案の名称 ナーザルCPAP素子
国際特許分類 A61M  16/06        (2006.01)
A61M  16/00        (2006.01)
FI A61M 16/06 C
A61M 16/00 305A
A61M 16/00 332A
請求項の数または発明の数 1
全頁数 5
出願番号 特願2003-121639 (P2003-121639)
出願日 平成15年4月25日(2003.4.25)
審査請求日 平成15年4月28日(2003.4.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504190548
【氏名又は名称】国立大学法人埼玉大学
発明者または考案者 【氏名】川橋 正昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100101096、【弁理士】、【氏名又は名称】徳永 博
【識別番号】100086645、【弁理士】、【氏名又は名称】岩佐 義幸
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
審査官 【審査官】田中 成彦
参考文献・文献 実開昭56-116052(JP,U)
特表平05-505119(JP,A)
特開昭61-058667(JP,A)
米国特許出願公開第2003/47185(US,A1)
調査した分野 A61M 16/06
A61M 16/00
WPI
特許請求の範囲 【請求項1】
空気噴流を放出する空気供給ノズルと、前記ノズルの出口に接続された流路拡大部と、前記流路拡大部に前記空気噴流に対して垂直に接続された鼻孔取り付け部と、前記流路拡大部において前記空気噴流の中心に対して前記鼻孔取り付け部と反対方向にオフセットして設けられた噴流分岐板と、前記流路拡大部に前記噴流分岐板を挟んで前記鼻孔取り付け部と反対側に前記空気噴流の方向に接続された呼気排気管とを具えることを特徴とするナーザルCPAP素子。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナーザルCPAPに関し、特に、未熟児への使用に適したナーザルCPAP素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非侵襲的な呼吸管理という観点から、ナーザルCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)が未熟児の呼吸障害の治療に用いられつつある。CPAPは、呼気相終末においても気道内圧を陽圧に保ち、呼気相での肺胞虚脱を防止することにより機能的残気量を増加させ、肺内シャントを減少し、低酸素血症を改善する。鼻孔に陽圧を加えるものをナーザルCPAPと呼ぶ。
【0003】
ナーザルCPAPの利点は、(1)気管内挿管する必要がなく簡易にCPAPがかけられる、(2)挿管チューブの気道抵抗がなく呼吸仕事量が軽減できる、(3)気管内挿管管理に伴う気道感染症を回避することができることなどが挙げられる。
【0004】
しかしながら他方においては、(1)鼻孔取り付け部の鼻孔への強い圧迫による鼻孔狭窄、鼻中隔壊死を発症する可能性がある、(2)固定方法が難しく、リークにより十分なCPAPを維持することが困難である、(3)食道へも陽圧がかかるため、腸管が拡張して栄養が入れにくくなることがあるといった欠点も存在した。
【0005】
このような欠点を解消するために、微細な自発呼吸にも敏感に反応し、安定した気道内圧を提供し、呼気時の回路内抵抗を解消するため、流体力学的原理を応用したものが登場してきている。例えば、インファントフローシステムと呼ばれるものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したインファントフローシステムにおいては、鼻孔部への衝突噴流の不安定性を利用することから、素子の基本形状が鼻孔に対抗する形状となっており、空気供給管および呼気排出管等を鼻から額に掛けて顔面部を縦に横切って装着しなければならない。したがって、これを固定するための方法が複雑になってしまい、特に未熟児に使用した場合には多大な装着負担を与え、長時間のナーザルCPAP実施時に患者の鼻腔狭窄や鼻中隔壊死などを招くおそれがあるという問題が依然としてあった。
【0007】
本発明の目的は、ナーザルCPAP実施時の未熟児に対する素子の装着負担軽減を可能にする小型で横型のCPAP素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるCPAP素子は、
空気噴流を放出する空気供給ノズルと、前記ノズルの出口に接続された流路拡大部と、前記流路拡大部に前記空気噴流に対して垂直に接続された鼻孔取り付け部と、前記流路拡大部において前記空気噴流の中心に対して前記鼻孔取り付け部と反対方向にオフセットして設けられた噴流分岐板と、前記流路拡大部に前記噴流分岐板を挟んで前記鼻孔取り付け部と反対側に前記空気噴流の方向に接続された呼気排気管とを具えることを特徴とする。
【0009】
ノズルから流出する空気噴流は、その下流側に設けられた流路拡大部の広がりがある程度以上になると噴流がその中心に対して偏る現象が生じ、不安定な流れとなる。この偏りは、拡大部の圧力の変動などによって制御される。本発明では、噴流分岐板のオフセットにより鼻腔側にCPAPが維持されると同時に、呼吸時の微小圧力変動により噴流の偏りを制御し、吸気時には噴流が鼻孔側により偏ることによって吸気を補助し、呼気時には噴流が呼気排気管側に偏ることによって排気の誘引作用により呼気を補助することにより、自発呼吸に対して確実な呼吸補助動作を行うことができる。
【0010】
また、吸気側の吸気供給ノズルに接続される空気供給管と、呼気排出管とが同じ方向において配置され、鼻孔取り付け部がこれらに対して垂直方向に配置されるため、これらの管を患者の顔面を横に横切らせて装着することが可能になり、装着負担が軽減する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるナーザルCPAP素子の構成を示す線図である。本ナーザルCPAP素子1は、空気噴流を放出する空気供給ノズル2と、流路拡大部4と、患者の鼻孔に取り付ける鼻孔取り付け部6と、噴流分岐板8と、呼気排気管10とから成る。
【0012】
流路拡大部4は、空気供給ノズル2からの空気噴流の流路が所定の割合で拡大する部分である。この流路拡大部4に、空気供給ノズル2からの空気噴流の方向に対して垂直方向に鼻孔取り付け部6を接続し、鼻孔取り付け部6と反対側に空気供給ノズル2からの空気噴流の方向と同じ方向に呼気排気管10を接続する。空気供給ノズル2が放出し、流路拡大部4に入った空気噴流が、鼻孔取り付け部6側と呼気排気管10側とに分離するように噴流分岐板8を設ける。この際、鼻孔取り付け部6側に空気噴流が偏ることによってCPAPが保たれるように、噴流分岐板8を呼気排気管10の方向にオフセットして取り付ける。
【0013】
患者の自発呼吸により、鼻孔取り付け部6における圧力変動に応じて、前記空気噴流は鼻孔取り付け部6側と呼気排気管10側との間で切り替わる。すなわち、吸気時には前記空気噴流は鼻孔取り付け部6側に偏よって患者の吸気を補助し、呼気時には前記空気噴流は呼気排気管10側に偏って排気の誘引作用により患者の呼気を補助する。
【0014】
図2は、本発明によるナーザルCPAP素子の患者への取り付け方法を説明する線図である。本発明によるナーザルCPAP素子は、図1も参照すると、吸気側である空気供給ノズル2の方向と排気側である呼気排気管10が同じ方向を向いて配置され、鼻孔取り付け部6はこれらに対して垂直方向に配置されるため、図2に示すように吸気側および排気側双方の管が顔面部を横に横切るように装着される。
【0015】
【発明の効果】
したがって、本発明によるナーザルCPAP素子を使用すれば、特に、自発呼吸がぎりぎり可能でなおかつ呼吸補助を必要とする幼児、特に未熟児に適用する場合でも、装着時の顔面への負担が軽くなり、長時間のナーザルCPAP実施時にも患者の鼻腔狭窄や鼻中隔壊死を招く危険性が低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるナーザルCPAP素子の構成を示す線図である。
【図2】 本発明によるナーザルCPAP素子の患者への取り付け方法を説明する線図である。
【符号の説明】
1 ナーザルCPAP素子
2 空気供給ノズル
4 流路拡大部
6 鼻孔取り付け部
8 噴流分岐板
10 呼気排気管
図面
【図1】
0
【図2】
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