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明細書 :防災ネットワークシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4247540号 (P4247540)
公開番号 特開2005-242438 (P2005-242438A)
登録日 平成21年1月23日(2009.1.23)
発行日 平成21年4月2日(2009.4.2)
公開日 平成17年9月8日(2005.9.8)
発明の名称または考案の名称 防災ネットワークシステム
国際特許分類 G08B  29/16        (2006.01)
G08B  27/00        (2006.01)
H04B   7/26        (2006.01)
FI G08B 29/16
G08B 27/00 Z
H04B 7/26
請求項の数または発明の数 7
全頁数 10
出願番号 特願2004-047796 (P2004-047796)
出願日 平成16年2月24日(2004.2.24)
審査請求日 平成18年1月23日(2006.1.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】高間 康史
【氏名】山口 亨
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100113099、【弁理士】、【氏名又は名称】和田 祐造
【識別番号】100117547、【弁理士】、【氏名又は名称】須田 浩史
審査官 【審査官】白石 剛史
参考文献・文献 特開2004-056730(JP,A)
特開2001-312783(JP,A)
特開2003-345999(JP,A)
特開2003-346266(JP,A)
特開2002-260139(JP,A)
特開2004-048094(JP,A)
調査した分野 G08B 23/00-31/00
H04B 7/26

特許請求の範囲 【請求項1】
災害発生ポイントに設置された複数のサーバと、
使用者に携帯され、インターネット又は無線LANにより前記サーバと接続可能な端末と
を用いた防災ネットワークシステムであって、
前記サーバは、
前記端末からの前記インターネットによる通常情報の要求に応答して前記端末に前記通常情報を送信するサーバ側通常情報管理手段と、
前記端末と前記無線LANで接続するサーバ側無線LAN接続手段と、
災害の発生が検知されたとき、前記インターネットによる接続から前記無線LANによる接続に切り替えるサーバ側切り替え手段と、
前記端末からの前記無線LANによる災害情報の要求に応答して前記端末に前記災害情報を送信するサーバ側防災情報管理手段と
を具備し、
前記端末は、
表示装置と、
前記サーバに前記インターネットにより前記通常情報の要求を送信し、前記サーバからの前記通常情報を前記インターネットにより受信して前記表示装置に表示させる端末側通常情報管理手段と、
前記端末側通常情報管理手段で前記インターネットにより前記サーバに接続できないとき、前記サーバとの接続を前記インターネットから前記無線LANに切り替える端末側切り替え手段と、
前記サーバと前記無線LANで接続する端末側無線LAN接続手段と、
前記サーバに対して前記無線LANにより前記災害情報の要求を送信し、前記サーバからの前記災害情報を前記無線LANにより受信して前記表示装置に表示させる端末側防災情報管理手段と
を具備することを特徴とする防災ネットワークシステム。
【請求項2】
前記サーバは、災害発生ポイントの画像を撮像する撮影装置
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の防災ネットワークシステム。
【請求項3】
前記サーバ側切り替え手段は、前記災害発生ポイントの画像に基づき災害の発生を検知して前記インターネットによる接続から前記無線LANによる接続に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の防災ネットワークシステム。
【請求項4】
前記サーバ側無線LAN接続手段は、前記災害情報を他のサーバと互いに送受信することを特徴とする請求項1に記載の防災ネットワークシステム。
【請求項5】
前記端末は、端末位置情報を検出する位置検出手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の防災ネットワークシステム。
【請求項6】
前記端末側防災情報管理手段は、前記災害情報の要求の際、前記サーバに前記端末位置情報を送信することを特徴とする請求項5に記載の防災ネットワークシステム。
【請求項7】
前記サーバ側防災情報管理手段は、前記端末位置情報に応じた災害情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項6に記載の防災ネットワークシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に無線LAN接続通信を行うことにより、通信可能状態にあるサーバのみを用いて情報を再構成し、近傍にいる使用者携帯の端末に適切な防災情報を提供することを目的とする防災ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防災時に、被害状況や避難経路等の防災情報を提供することを目的としたネットワークシステムが提案されている。このネットワークシステムとして、例えば特許文献1,2に示されているように、インターネット等の公衆網を利用して、WWW(World Wide Web)サーバによる情報提供やメール配信を行うシステムが知られている。
【0003】
また、特許文献3に示されているように、災害発生時に、事前に登録された家庭や職場等の関連地点のみに、必要な情報を提供することにより、防災センター或いは防災地域に多数のアクセスが集中し、回線がオーバーフローを起こす問題を回避するシステムが知られている。
【0004】
上記の技術のうち、インターネットや公衆網を使用したシステムは、従来の防災放送を使用したシステムよりも情報伝達効率や情報伝達範囲等の面で優れているが、防災発生時には回線の断線やサーバの故障及び停電による停止等が発生し易く、情報伝達やアクセス自体が不可能になる可能性が高いといった問題点がある。
【0005】
また、家庭や職場等の関連地点のみに必要な災害情報を伝達するシステムにおいては、家庭や職場等の防災判定地点の情報や災害時の防災情報の通知先については、事前に登録しておく必要があり、通勤時や買い物中等、勤務先や自宅等を離れた場所で災害に巻き込まれた状況は想定しておらず、このような状況で使用者に適切な情報を提供することが考慮されていないといった問題点がある。

【特許文献1】特開2003-8528号公報
【特許文献2】特開平11-110454号公報
【特許文献3】特開2002-26013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、災害発生時に適切な災害情報を使用者に提供することが可能な防災ネットワークシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために以下に示す手段を用いている。
【0008】
本発明の一視点による防災ネットワークシステムは、災害発生ポイントに設置された複数のサーバと、使用者に携帯され、インターネット又は無線LANにより前記サーバと接続可能な端末とを用いた防災ネットワークシステムであって、前記サーバは、通常時に、前記端末からの前記インターネットによる通常情報の要求に応答して前記端末に前記通常情報を送信するサーバ側通常情報管理手段と、災害発生時に、前記端末と前記無線LANで接続するサーバ側無線LAN接続手段と、災害発生時に、前記端末からの前記無線LANによる災害情報の要求に応答して前記端末に前記災害情報を送信するサーバ側防災情報管理手段とを具備し、前記端末は、表示装置と、通常時に、前記サーバに前記インターネットにより前記通常情報の要求を送信し、前記サーバからの前記通常情報を前記インターネットにより受信して前記表示装置に表示させる端末側通常情報管理手段と、災害発生時に、前記サーバとの接続を前記インターネットから前記無線LANに切り替える端末側切り替え手段と、災害発生時に、前記サーバと前記無線LANで接続する端末側無線LAN接続手段と、災害発生時に、前記サーバに対して前記無線LANにより前記災害情報の要求を送信し、前記サーバからの前記災害情報を前記無線LANにより受信して前記表示装置に表示させる端末側防災情報管理手段とを具備する。
【0009】
前記防災ネットワークシステムにおいて、前記サーバは、災害発生ポイントの画像を撮像する撮影装置をさらに具備してもよい。
【0010】
前記防災ネットワークシステムにおいて、前記サーバは、前記災害発生ポイントの画像に基づき災害の発生を検知して前記インターネットによる接続から前記無線LANによる接続に切り替えるサーバ側切り替え手段をさらに具備してもよい。
【0011】
前記防災ネットワークシステムにおいて、前記サーバは、前記災害情報を他のサーバと互いに送受信してもよい。
【0012】
前記防災ネットワークシステムにおいて、前記端末は、端末位置情報を検出する位置検出手段をさらに具備してもよい。
【0013】
この場合、前記端末側防災情報管理手段は、前記災害情報の要求の際、前記サーバに前記端末位置情報を送信することも可能である。また、前記端末側防災情報管理手段は、前記端末位置情報に基づいて前記サーバから通信可能なサーバを選択することも可能である。また、前記サーバ側防災情報管理手段は、前記端末位置情報に応じた災害情報を前記端末に送信することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、災害発生時に適切な災害情報を使用者に提供することが可能な防災ネットワークシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
A.構成
図1は、本発明の一実施形態に係る防災ネットワークシステムの構成図を示す。図1に示すように、防災ネットワークシステムは、サーバ10と、使用者が携帯する端末20とからなる。サーバ10と端末20とはインターネット30により接続され、また、無線LAN40により接続される。
【0017】
サーバ10は、通常情報管理手段11と、インターネット通信制御手段12と、防災情報管理手段13と、無線LAN接続手段14と、災害発生検知手段15と、切り替え手段16と、撮影装置17とを備えている。このサーバ10は、街角、車内及び職場等の災害発生ポイントにそれぞれ設置される。通常情報管理手段11と、防災情報管理手段13とは、それぞれ記憶装置を備えている。これら記憶装置には、必要に応じてそれぞれ通常情報Aと、防災情報Bとを記憶しておく。
【0018】
端末20は、通常情報管理手段21と、インターネット通信制御手段22と、防災情報管理手段23と、無線LAN接続手段24と、災害発生検知手段25と、切り替え手段26と、位置検出手段28と、表示装置29とを備えている。通常情報管理手段21と、防災情報管理手段23と、位置検出手段28とは、それぞれ記憶装置を備えている。これら記憶装置には、必要に応じてそれぞれ通常情報Aと、防災情報Bと、位置情報Cとを記憶しておく。
【0019】
B.機能
上記構成は、以下のような機能をそれぞれ有している。
通常情報管理手段11,21は、インターネット30により送受信する各種データの処理を制御するもので、WWWサーバ、WWWブラウザなどが該当する。これら通常情報管理手段11,21は、日常生活情報等の通常情報Aを記憶する。この通常情報Aは、例えば他のサーバ10や端末20などから取得してもよいし、あるいはサーバ10や端末20で生成してもよい。
【0020】
インターネット通信制御手段12,22は、サーバ10と端末20との間でインターネット30を介して各種データを送受信し、実際のハードウェアを含めた通信制御処理を行う。
【0021】
防災情報管理手段13,23は、災害発生時に無線LAN40を介して送受信する各種データの処理を制御するもので、災害情報Bを記憶する。この災害情報Bは、消防署・警察・防災センター等のサーバや端末などから取得してもよいし、防災情報管理手段13,23が生成してもよい。サーバ10側の防災情報管理手段13は、近傍で通信可能なサーバ10や通信可能範囲に存在する端末20の情報を取得可能である。すなわち、無線LAN40を介して周辺の端末やサーバなどの存在を検知する手段を備える。また、防災情報管理手段13は、端末20から取得した端末位置情報Cを記憶する。また、端末20側の防災情報管理手段23は、近傍で通信可能なサーバ10についての情報を得ることが可能である。すなわち、無線LAN40を介して周辺のサーバ10の存在を検知する手段を備える。さらに、防災情報管理手段23は、位置検出手段28が取得した端末位置情報Cを記憶する。
【0022】
無線LAN接続手段14,24は、サーバ10と端末20との間で無線LAN40により各種データを送受信し、実際のハードウェアを含めた通信制御処理を行う。これにより、無線LANアクセスポイント間通信が実現される。サーバ10の無線LAN接続手段14は、他のサーバ10との間でも無線LAN40により各種データの送受信が可能である。
【0023】
災害発生検知手段15,25は、撮影装置17が取得した災害発生ポイントの風景の画像データの解析を行い災害発生を検知する。この災害発生の検知は、例えば火災発生については、炎の色を表す画像データの閾値を定めておき、この閾値を超えた場合に火災が発生したと判定するなど、通常の画像処理技術で実現可能である。また、他のサーバ10から災害情報Bを受信することにより災害の発生を検知してもよい。
【0024】
なお、端末20側の災害発生検知手段25は、サーバ10側の災害発生検知手段15と同様の機能を備える必要はない。すなわち、サーバ10側の災害発生検知手段15は、災害発生ポイントの風景の画像データの解析を行い災害発生を検知するものであるが、端末20の災害発生検知手段25は、この解析や検知を行わず、単にサーバ10から災害情報Bを受信することで災害の発生を検知すればよい。もちろん、サーバ10側の災害発生検知手段15と同様に、端末20側の災害発生検知手段25も画像データ解析、災害発生の検知等の処理を実行してもよい。さらには、端末20は災害発生検知手段25を備えなくてもよい。
【0025】
切り替え手段16,26は、災害発生検知手段15,25により災害が発生されたことを検知すると、インターネット30と無線LAN40との接続方式の切り替えを行う。すなわち、切り替え手段16,26は、通常時はインターネット通信制御手段12,22を有効に設定しておく。そして、切り替え手段16,26は、災害発生の検知により、インターネット通信制御手段12,22の機能を停止させ、無線LAN接続手段14,24を有効に設定する。端末20に災害発生検知手段25を備えない場合、切り替え手段26は自動でインターネット接続と無線LAN接続との切り替えを行ってもよい。すなわち、例えばインターネット通信制御手段22がインターネット接続ができないと判定した場合に、切り替え手段26は自動でインターネット接続から無線LAN接続に切り替える。または、端末20に備えられた不図示の入力装置により使用者が切り替えの指示の入力を行ってもよい。
【0026】
撮影装置17は、例えばカメラやビデオ等からなり、災害発生ポイントの画像を撮像する。
【0027】
位置検出手段28は、端末20の端末位置情報Cを取得して記憶する。この端末位置情報Cの取得方法としては、GPS(Global Positioning Systems)や、近傍サーバ10との通信により同定する手法等が用いられる。また、端末位置情報Cに基づいて、防災情報管理手段13,23は、サーバ10及び端末20間で近傍の通信可能な相手を互いに選択することが可能である。なお、サーバ10にも同様の位置検出手段を設けてサーバ位置情報を取得してもよい。もちろん、サーバ10が固定されているために、予めサーバ位置情報を防災情報管理手段13などが記憶しておけば、改めてサーバ位置情報を位置検出手段により検出する手法をとらなくてもよい。このように、端末20、サーバ10のいずれの位置情報をも取得することが可能となる。サーバ10のサーバ位置情報も得られる場合には、防災情報管理手段23は、端末位置情報Cのみならずサーバ位置情報も用いて通信可能な相手を選択してもよい。
【0028】
表示装置29は、例えば液晶ディスプレイ等からなり、通常情報管理手段21に記憶された通常情報A、防災情報管理手段23に記憶された災害情報B、及び位置検出手段28に記憶された端末位置情報C等を表示する。
【0029】
C.動作
(1)通常時の通信方法
災害が発生していない通常時は、図2に示すように、インターネット30を介してサーバ10と端末20との間で、通常情報Aが例えばWWW(World Wide Web)上で提供される。このような通常情報Aのやりとりは、具体的には次のように行われる。
【0030】
まず、使用者が通常情報Aを取得したい場合、端末20のインターネット通信制御手段22からサーバ10のインターネット通信制御手段12に、インターネット30を介して、通常情報Aが要求される。
【0031】
サーバ10において、この通常情報Aの要求は、インターネット通信制御手段12から通常情報管理手段11を介してサーバ10の通常情報管理手段11で認識される。通常情報管理手段11は、この要求に応じた通常情報Aを予め記憶しておいた通常情報Aから選択する。この選択された通常情報Aは、通常情報管理手段11からインターネット通信制御手段12、インターネット30を介してサーバ10から端末20に送信される。
【0032】
端末20で受信された通常情報Aは、インターネット通信制御手段22から通常情報管理手段21を介して通常情報管理手段21で一旦記憶される。通常情報管理手段21は、取得した通常情報Aを表示装置29に表示させる。
【0033】
(2)災害発生の検知方法
災害が発生した場合、サーバ10及び端末20では、次のように災害の発生が検知される。
【0034】
サーバ10では、災害発生検知手段15が、撮影装置17から取得したサーバ周辺の映像や音声等を解析して災害の発生を検知する。また、防災情報管理手段13は、災害発生検知手段15で災害の発生が検知されると、災害情報Bを生成する。一方、端末20では、災害発生検知手段25が、サーバ10からインターネット30を通じて受信した災害情報Bに基づいて検知する。
【0035】
尚、サーバ10では、上述するようにそのサーバ10自身が災害発生を検知する場合以外にも災害を検知することは可能である。例えば、そのサーバ10以外の他のサーバ10から災害発生を検知することも可能であり、この場合は、サーバ10は、インターネット30又は無線LAN40を介して他のサーバ10から災害情報Bを受信し、災害発生検知手段15で災害の発生を検知する。また、端末20が災害発生を検知する場合は、インターネット30又は無線LAN40を介して災害情報Bをサーバ10に要求し、受信した災害情報Bに基づき災害発生検知手段25が災害の発生を検知する。
【0036】
(3)災害発生時の通信方法
災害発生時は、ネットワーク回線の断線やサーバ10の故障等が想定される。このため、災害発生が検知されると、通常のインターネット通信から無線LAN接続通信に切り替えられる。そして、図3に示すように、無線LAN40を介して、サーバ10と端末20との間で災害情報Bのやりとりが行われる。このような災害情報Bのやりとりは、具体的には次のように行われる。
【0037】
まず、サーバ10及び端末20において、災害発生検知手段15,25で災害発生が検知されると、切り替え手段16,26により、無線LAN接続通信に切り替えられる。端末20に災害発生検知手段25が備えられていない場合には、サーバ10とのインターネット接続ができないとインターネット通信制御手段22により判定された場合、切り替え手段26が自動で接続切替を行う。また、必ずしも自動の接続切替を行わない場合、使用者による入力装置を用いた入力に基づき接続切替を行ってもよい。
【0038】
次に、端末20からサーバ10に、無線LAN40を介して災害情報Bの要求が出される。この際、位置検出手段28により取得された端末位置情報Cも送信される。
【0039】
サーバ10において、災害情報Bの要求及び端末位置情報Cは、無線LAN接続手段14を介して防災情報管理手段13で認識される。防災情報管理手段13は、端末位置情報Cからの使用者の現在位置を検知し、この現在位置の周辺の災害情報Bを防災情報管理手段13内の災害情報Bから選択する。防災情報管理手段13は、この選択された災害情報Bを、無線LAN接続手段14、無線LAN40を介してサーバ10から端末20に送信する。
【0040】
端末20で受信された災害情報Bは、無線LAN接続手段24を介して防災情報管理手段23で一旦記憶される。防災情報管理手段23は、取得した災害情報Bを表示装置29に表示させる。
【0041】
尚、災害時に使用者の端末20に提供する災害情報Bとしては、使用者の周辺地域の「災害状況」、消防署・警察・防災センター等から取得した「防災情報・警報」、使用者の現在位置に応じた「避難経路・避難場所」に関する情報等が想定される。
【0042】
ここで、「災害状況」に関する情報は、使用者の周辺の災害状況や混雑状況を映像・画像とした情報であり、使用者が避難経路等を決定する際に有効活用できる。
【0043】
「防災情報・警報」に関する情報は、端末20がインターネット経由等で入手することも可能であるが、ネットワークの断線等により全てのサーバ10からインターネット経由等で入手できないような場合に有効である。
【0044】
「避難経路・避難場所」に関する情報は、端末20の使用者が移動することにより提供すべき情報が変化するが、端末位置情報Cを利用することで使用者の位置に応じた情報を提供することができる。すなわち、端末20の防災情報管理手段23が、無線LAN接続手段24、無線LAN40を介してサーバ10に端末位置情報Cを送信する。サーバ10の防災情報管理手段13は、受信した端末位置情報Cに基づき、その端末の位置に応じた避難経路や避難場所を、予め登録しておいた経路情報の候補や避難場所の候補に基づき算出する。得られた避難経路や避難場所は、端末20に送信され、防災情報管理手段23により表示装置29に表示される。
【0045】
このような災害情報Bの提供にあたり、サーバ10間では災害情報Bの共有が行われている。すなわち、あるサーバ10aは、他のサーバ10bに対して災害情報B1を無線LAN40を介して送信する。サーバ10bは、サーバ10aに対して災害情報B2を無線LAN40を介して送信する。もちろん、サーバ10c、10d、…などの他のサーバについても、同様に各サーバが有する災害情報Bを送受する。これにより、災害情報Bの共有が可能となる。
【0046】
このため、端末20の使用者が移動することにより通信可能なサーバ10が変化する場合でも、使用者の現在位置に一番近いサーバ10が使用者の現在位置に合わせた情報を提供することができるだけでなく、使用者に意識させることなく通信可能なサーバ10を切り替えることができる。また、災害発生時、あるサーバ10が故障等により災害情報Bを入手できない場合でも、一台でも災害情報Bを入手できたサーバ10が存在すれば、このサーバ10の災害情報Bを共有することができる。
【0047】
D.効果
本実施形態の防災ネットワークシステムでは、サーバ10と端末20間やサーバ10間における通信手段を状況に応じて変化させることが可能である。従って、災害発生時には、インターネット通信から無線LAN接続通信に切り替えることができる。このため、災害時にネットワークの断線やインターネット経路上のサーバ10が故障した場合でも、通信可能範囲に存在する使用者の端末20に対して、無線LAN40を介して避難経路誘導等の必要な災害情報Bを提供することができる。
【0048】
また、本実施形態の防災ネットワークシステムでは、端末20を携帯する使用者が移動しても、この変化する端末位置情報Cに応じて災害情報Bを提供することが可能である。つまり、使用者の携帯する端末20には端末位置情報Cを検出する位置検出手段28が設けられているため、使用者が移動する場合であっても、サーバ10は端末位置情報Cを基に使用者の現在位置に応じた災害情報Bを提供することができる。
【0049】
また、本実施形態の防災ネットワークシステムでは、サーバ10間で情報の共有を行うことができる。従って、避難時に使用者が移動することにより、端末20の通信可能なサーバ10が切り替わる場合でも、近傍のサーバ10間で情報を共有することにより、使用者の行動に合わせた情報提供が可能である。また、あるサーバ10が故障して災害情報Bを取得できない場合でも、情報を共有することで、近傍のサーバ10から情報を取得することができるため、ネットワーク網の断線やサーバの故障等の影響を最小限に抑えて災害情報Bを収集することができる。
【0050】
以上のように、本実施形態の防災ネットワークシステムによれば、災害時の断線やアクセス集中に弱いという情報ネットワークの欠点を補いつつ、災害発生時に個々の使用者に効率よい情報提供を行うことが可能である。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。通常情報管理手段11、防災情報管理手段13、通常情報管理手段21、防災情報管理手段23、位置検出手段28が記憶装置を備える例を示したが、これら各手段が別個に記憶装置を備える必要はなく、サーバごと、あるいは端末ごとに記憶装置を備えていればよい。
【0052】
また、災害時と非災害時に、切り替え手段16,26がインターネット接続と無線LAN接続を切り替える例を示したが、これに限定されるものではない。災害発生によりインターネット接続を強制的に切断する必要はなく、接続可能な限りインターネットによる接続と無線LANによる接続の双方を継続してもよい。また、通常時に無線LAN接続を適宜利用してもよい。
【0053】
また、図1に示したサーバ10及び端末20の構成はほんの一例にすぎず、利用形態などに応じて種々変更可能である。例えば、インターネットと無線LANをそれぞれ別のネットワークに置換して利用することも可能である。
【0054】
その他、本発明は、上記一実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記一実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上説明したようにこの発明は、近傍にいる使用者携帯の端末に適切な防災情報を提供することを目的とする防災ネットワークシステムの技術分野に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態に係る防災ネットワークシステムを示す構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る通常時の防災ネットワークシステムを示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る災害発生時の防災ネットワークシステムを示す図。
【符号の説明】
【0057】
10…サーバ、11,21…通常情報管理手段、12,22…インターネット通信制御手段、13,23…防災情報管理手段、14,24…無線LAN接続手段、15,25…災害発生検知手段、16,26…切り替え手段、17…撮影手段、20…端末、28…位置検出手段、29…表示装置、30…インターネット、40…無線LAN。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2