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明細書 :物体の加工処理方法と、その装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3646292号 (P3646292)
公開番号 特開2003-031559 (P2003-031559A)
登録日 平成17年2月18日(2005.2.18)
発行日 平成17年5月11日(2005.5.11)
公開日 平成15年1月31日(2003.1.31)
発明の名称または考案の名称 物体の加工処理方法と、その装置
国際特許分類 H01L 21/3065    
B01J 19/08      
C23C 16/52      
FI H01L 21/302 101B
B01J 19/08 H
C23C 16/52
請求項の数または発明の数 7
全頁数 10
出願番号 特願2001-216730 (P2001-216730)
出願日 平成13年7月17日(2001.7.17)
審査請求日 平成15年7月8日(2003.7.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】作道 訓之
個別代理人の代理人 【識別番号】100090712、【弁理士】、【氏名又は名称】松田 忠秋
審査官 【審査官】橋本 憲一郎
参考文献・文献 特開平08-083694(JP,A)
特開昭63-104678(JP,A)
S.Okuji et al.,Spatial distributions of ion-species in a large-volume inductively coupled plasma source,Surface and Coatings Technology,米国,2001年 2月 2日,Vol.136,p.102-105
調査した分野 H01L 21/3065
H01L 21/205
B01J 19/08
C23C 16/52
特許請求の範囲 【請求項1】
真空槽内の反応ガスを電離させて生成するプラズマを介して真空槽内の被処理物体を加工処理するに際し、被処理物体の加工処理プロセスの進行中に真空槽内の反応ガスの圧力を0.1Pa 超過の高圧値とプラズマの維持が不可能な低圧値との間に周期的に変動させ、低圧値に保持する時間幅をプラズマのアフタグロー時間より小さくすることによりプラズマ中の活性種の存在比率を制御することを特徴とする物体の加工処理方法。
【請求項2】
真空槽内の反応ガスの圧力をパルス状に変動させることを特徴とする請求項1記載の物体の加工処理方法。
【請求項3】
真空槽の排気弁の開度を変化させて真空槽内の反応ガスの圧力を変動させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の物体の加工処理方法。
【請求項4】
真空槽の排気弁に同期して反応ガスの導入弁を開閉させることを特徴とする請求項3記載の物体の加工処理方法。
【請求項5】
被処理物体を収容する真空槽と、該真空槽に反応ガスを供給する反応ガス供給源と、前記真空槽内の反応ガスを電離させてプラズマを生成させる電力供給源とを備えてなり、前記真空槽は、被処理物体の加工処理プロセスの進行中に反応ガスの圧力を0.1Pa 超過の高圧値とプラズマの維持が不可能な低圧値との間に周期的に変動させ、低圧値に保持する時間幅をプラズマのアフタグロー時間より小さくすることを特徴とする物体の加工処理装置。
【請求項6】
前記真空槽の排気弁は、非磁性体のケーシング内に回転自在に収納する孔明きのロータを備え、該ロータは、前記ケーシングの外部からの回転磁界によって回転駆動して前記ケーシングの入口ポート、出口ポートの間を周期的に開閉させることを特徴とする請求項5記載の物体の加工処理装置。
【請求項7】
前記排気弁と真空ポンプとの間にリザーバを設置し、該リザーバは、前記排気弁が閉じている間に前記真空ポンプにより真空に排気することを特徴とする請求項6記載の物体の加工処理装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被処理物体に対し、プラズマエッチングやプラズマCVDなどの各種の加工処理を容易に、しかも最適に行なうことができる物体の加工処理方法と、その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空槽内に被処理物体を置いてプラズマを発生させると、被処理物体の近傍にイオンリッチなイオンシースと呼ばれる領域が形成され、イオンシース中の電界によってイオンが被処理物体の表面に向けて垂直に加速される。そこで、この現象を利用することにより、任意の被処理物体の表面をエッチング処理したり、イオンドーピング処理したり、薄膜を形成したりすることができる(たとえば特公昭53-44795号公報)。なお、以下の説明において、これらの処理を一括して物体の加工処理という。
【0003】
従来のこの種の加工処理装置は、被処理物体を収容する真空槽内に反応ガスを連続的に導入し、数10~数100MHz の高周波電力または数GHz のマイクロ波電力を投入して反応ガスを連続的に電離させ、加工処理用のプラズマ、いわゆるプロセスプラズマを真空槽内に生成させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、反応ガスは、真空槽内に連続的に導入され、投入される電力によって連続的に電離されるので、プラズマ中の活性種または解離種(以下、特に断らない限り、両者を総称して単に活性種という)の存在比率は、反応ガスの種類と投入電力密度によってほぼ決定され、加工処理プロセスの内容によって活性種の存在比率を最適に設定することが必ずしも容易でないという問題があった。
【0005】
たとえば、反応ガスとしてCF4 を使用するシリコンウェーハのエッチング処理において、プラズマによって反応ガスが分解して生じる活性種F、CF、CF2 、CF3 と、それらのイオンは、Fが多い程シリコンウェーハの表面層の原子と反応し易く、揮発性のSi F4 を作ってエッチングが進行する。この場合、それぞれの活性種によってエッチング速度が異なるばかりでなく、Fが少ない活性種は、逆にデポジションを生じることもある。そこで、アスペクト比の大きな微細穴をエッチングする場合、各活性種の存在比率を最適にし、穴の側壁に適量の保護膜をデポジットさせながらエッチングを進行させる必要がある。また、ダイアモンドライクカーボンをワーク上に成膜させる場合、炭化水素系のガスを反応ガスとして使用するが、プラズマ中の解離種(フラグメント)の存在比率により膜の特性が大きく変動する。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、加工処理プロセスの進行中に真空槽内の反応ガスの圧力を変動させることによって、プラズマ中の活性種の存在比率を制御し、各種の加工処理を容易に、しかも最適に行なうことができる物体の加工処理方法と、その装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、真空槽内の反応ガスを電離させて生成するプラズマを介して真空槽内の被処理物体を加工処理するに際し、被処理物体の加工処理プロセスの進行中に真空槽内の反応ガスの圧力を0.1Pa 超過の高圧値とプラズマの維持が不可能な低圧値との間に周期的に変動させ、低圧値に保持する時間幅をプラズマのアフタグロー時間より小さくすることによりプラズマ中の活性種の存在比率を制御することをその要旨とする。
【0008】
なお、真空槽内の反応ガスの圧力をパルス状に変動させることができる。
【0009】
また、真空槽の排気弁の開度を変化させて真空槽内の反応ガスの圧力を変動させてもよく、真空槽の排気弁に同期して反応ガスの導入弁を開閉させてもよい。
【0010】
第2発明(請求項5に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、被処理物体を収容する真空槽と、真空槽に反応ガスを供給する反応ガス供給源と、真空槽内の反応ガスを電離させてプラズマを生成させる電力供給源とを備えてなり、真空槽は、被処理物体の加工処理プロセスの進行中に反応ガスの圧力を0.1Pa 超過の高圧値とプラズマの維持が不可能な低圧値との間に周期的に変動させ、低圧値に保持する時間幅をプラズマのアフタグロー時間より小さくすることをその要旨とする。
【0011】
なお、真空槽の排気弁は、非磁性体のケーシング内に回転自在に収納する孔明きのロータを備え、ロータは、ケーシングの外部からの回転磁界によって回転駆動してケーシングの入口ポート、出口ポートの間を周期的に開閉させることができる。
【0012】
また、排気弁と真空ポンプとの間にリザーバを設置し、リザーバは、排気弁が閉じている間に真空ポンプにより真空に排気してもよい。
【0013】
【作用】
かかる第1発明の構成によるときは、加工処理プロセスの進行中において真空槽内の反応ガスの圧力を変動させ、プラズマ中の活性種の存在比率を適切に制御することにより、たとえばアスペクト比の大きな微細穴をエッチングする場合であっても、過大なオーバヘッドやアンダカットを生じることなく、高精度の仕上りを得ることができる。殊に、圧力をパルス状に変動させ、その時間平均値に着目すれば、定常プラズマによって実現不可能な活性種の存在比率をも実現することが可能である。
【0014】
なお、以上のようなこの発明の骨子は、真空槽内のプラズマ中の活性種の存在比率が反応ガスの圧力変動に伴って変化するという新しい知見に基づいている(たとえば図9)。ただし、同図は、反応ガスとしてCF4 を使用するとき、反応ガスの圧力P(Pa )に対し、活性種CF、CF2 、CF3 の存在比率Ri (i=1、2、3)(%)の質量分析計による実測値をプロットしたものである。ただし、一般に、圧力P<0.1Pa の領域では、プラズマを安定に維持することができないため、ここでは、プラズマが消滅するまでの微少時間(アフタグロー時間)内に存在比率Ri を測定している。
【0015】
いま、真空槽内の反応ガスの圧力Pを時間的に図10のように変化させ、周期T=T1 +T2 ごとに圧力Pを高圧値P1 >0.1Pa 、低圧値P2 <0.1Pa の間にパルス状に変化させる。ただし、T1 、T2 は、それぞれ高圧値P1 、低圧値P2 に保持する時間幅であり、低圧値P2 に保持する時間幅T2 は、アフタグロー時間Tagに対し、T2 ≦Tagに定めるものとする。
【0016】
圧力P=P1 、P2 における真空槽内のプラズマ密度をそれぞれn1 、n2 とし、そのときの活性種CFi (i=1、2、3)の存在比率をそれぞれRi1、Ri2(i=1、2、3)とすると、図10のように圧力Pを変動させるときの平均プラズマ密度no は、
no =(n1 T1 +n2 T2 )/(T1 +T2 ) ……(1)
である。また、活性種CFi の平均の存在比率Rioは、
Rio=(Ri1・n1 T1 +Ri2・n2 T2 )/(n1 T1 +n2 T2 ) ……(2)
となる。したがって、活性種CFi の平均密度no Rioは、
no Rio=(Ri1・n1 T1 +Ri2・n2 T2 )/(T1 +T2 ) ……(3)
と表わすことができる。
【0017】
したがって、T1 <T2 ≦Tagのような条件でプラズマを点火すると、圧力Pが一定の条件ではプラズマを維持できないような圧力P=P2 における活性種CFi の存在比率Ri2に近い平均の存在比率Rioを安定に実現することが可能である。
【0018】
真空槽の排気弁の開度を変化させれば、真空槽内の反応ガスの圧力を最も簡単に変動させることができる。排気弁の出口側は、真空ポンプにより必要十分な真空度に引かれているからである。
【0019】
真空槽の排気弁に同期して反応ガスの導入弁を開閉させると、真空槽内の圧力を一層速やかに変動させることができる。ただし、導入弁は、排気弁が閉じるときに開き、反応ガスを真空槽内に導入する一方、排気弁が開くときに閉じ、反応ガスの導入を停止させるものとする。
【0020】
第2発明の構成によるときは、真空槽は、反応ガスの圧力を変動させることにより、反応ガスの電離によって生じるプラズマ中の活性種の存在比率を制御して、第1発明を容易に実施することができる。なお、真空槽内の反応ガスの圧力は、たとえば真空槽の排気弁の開度を変化させて変動させる。
【0021】
孔明きのロータを備える排気弁は、ロータを回転させて開閉し、真空槽内の反応ガスの圧力を周期的に変動させることができる。なお、ロータは、円板状であってもよく、孔明きのステータと対向する円板状または有底円筒状であってもよい。排気弁は、ロータ側の孔がケーシングの入口側ポート、出口側ポート、またはステータ側の孔と対面するとき、開状態となり、それ以外のとき、閉状態となる。ただし、ロータの孔は、1個であってもよく、2以上のn個であってもよい。前者によれば、ロータの1回転当り1回の開閉動作ができ、後者によれば、n回の開閉動作が可能である。また、ロータは、シールの便宜上、たとえば非磁性体のケーシングの外部から回転磁界によって回転駆動することが好ましい。
【0022】
排気弁、真空ポンプの間にリザーバを設置すれば、排気弁を開くことにより、真空槽内の反応ガスの圧力を一層急峻に下降させることができる。ただし、リザーバ内は、真空ポンプにより、十分な真空度に引かれているものとする。なお、リザーバの容積は、真空槽の容積と同等、またはそれ以上であることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0024】
物体の加工処理装置は、真空槽11と、真空槽11に反応ガスを供給する反応ガス供給源20と、真空槽11内の反応ガスを電離させてプラズマを生成させる電力供給源30とを備えてなる(図1)。
【0025】
真空槽11には、前後のゲート弁12b、12bを介して前室12が付設されており、前室12には、開閉弁12cを介して真空ポンプ12dが接続されている。また、真空槽11には、排気弁13、開閉弁14を介して真空ポンプ15が接続されている。さらに、真空槽11には、真空ゲージ16が装備され、真空槽11内には、たとえばシリコンウェーハのような被処理物体Wを載せる試料台Wa が設置されている。前室12は、前後のゲート弁12b、12bを順に開閉することにより、真空槽11内の真空を完全に破壊することなく、被処理物体Wを真空槽11に搬出入することができる。
【0026】
反応ガス供給源20は、反応ガス用のボンベ21にマスフローコントローラ22、導入弁23を接続して構成されている。導入弁23の出口側は、コネクタ24を介して真空槽11内に開口している。
【0027】
電力供給源30は、高周波発振器31に整合回路32を付設して構成されている。整合回路32の出力側は、気密の導入窓33を介し、真空槽11内に設置するアンテナ34に接続されている。
【0028】
排気弁13は、孔13b1 を有する円板状のロータ13bを非磁性体のケーシング13a内に収納して構成されている(図2)。ロータ13bは、軸13b2 を介し、ケーシング13a内に回転自在に支持されており、ケーシング13aの外部からの回転磁界により高速に回転駆動することができる。ただし、軸13b2 は、図2に拘らず、ケーシング13aの内部に組み込まれ、ケーシング13aを貫通していないものとする。ロータ13bの孔13b1 は、ロータ13bの偏心位置に開口されており、ロータ13bが回転すると、ケーシング13aに形成する入口ポート13a1 、出口ポート13a2 の間を周期的に開閉させることができる。すなわち、排気弁13は、ロータ13bを回転させ、開度を周期的に変化させることができる。
【0029】
真空槽11は、真空ポンプ15を作動させて排気弁13、開閉弁14を開くことにより、所定の真空度に排気される。そこで、マスフローコントローラ22、導入弁23を介してボンベ21からの反応ガスを真空槽11に導入すると、反応ガスは、真空槽11内の被処理物体Wの周囲に均一に拡散する。一方、高周波発振器31を作動させると、整合回路32、アンテナ34を介して高周波電力が真空槽11内の反応ガスに供給され、反応ガスを電離させてプラズマを生成することができる。このようにしてプラズマ化された反応ガスは、被処理物体Wの周囲にイオンシースを形成し、イオンシース中の電界によりイオンが被処理物体Wの表面に向けて垂直に加速され、被処理物体Wを加工処理することができる。なお、整合回路32は、高周波発振器31とアンテナ34とのインピーダンス整合を図る。
【0030】
一方、排気弁13は、ロータ13bを回転させることにより、周期的に開閉する(図3)。そこで、このときの真空槽11内の反応ガスの圧力Pは、排気弁13の開閉にほぼ同期して、高圧値P1 、低圧値P2 の間に周期的に変動し、高圧値P1 、低圧値P2 における各活性種の平均密度を実現することができる。すなわち、被処理物体Wの加工処理プロセスの進行中において、真空槽11内のプラズマ中の活性種の存在比率Ri は、時間平均値として、前記(2)式により実質的にRi =Rioに制御することができ、加工処理プロセスに最適な加工処理特性を実現することができる。
【0031】
なお、図3の圧力Pの変動曲線において、高圧値P1 は、反応ガス供給源20からの反応ガスの供給量によって設定され、低圧値P2 は、真空ポンプ15による排気流量、反応ガス供給源20による反応ガスの供給量などによって決まる圧力平衡点である。また、同図において、排気弁13の開閉の周期Tは、ロータ13bの回転数によって決まり、周期Tに対する開状態の時間幅T2 の割合は、孔13b1 の大きさによって決まる。そこで、ロータ13bを十分に高速回転させ、時間幅T2 をプラズマのアフタグロー時間より十分小さくすると、圧力Pが高圧値P1 から低圧値P2 にパルス状に減少し、低圧値P2 をたとえばP2 ≪0.1Pa としても、真空槽11内のプラズマが消滅することがない。ちなみに、アフタグロー時間数mS~数10mSとすると、時間幅T2 =0.1~100mS程度にしなければならず、ロータ13bの回転周波数は、少なくとも10Hz~10kHz が必要である。
【0032】
【他の実施の形態】
排気弁13の円板状のロータ13bは、円板状のステータ13cと同軸状に対向させることができる(図4)。ロータ13b、ステータ13cには、それぞれn(n≧1)個の同形同大の孔13b1 、13b1 …、13c1 、13c1 …が同径の円周上に等ピッチに形成されている。ロータ13bは、軸13b2 により回転自在に支持され、ケーシング13aの外部からの回転磁界によって回転駆動される。一方、ステータ13cは、軸13b2 に対して相対回転自在に固定支持されている。ステータ13cを固定し、ロータ13bを回転させると、排気弁13は、ロータ13bの1回転当りn回の開閉動作を実現することができる。
【0033】
また、排気弁13のロータ13b、ステータ13cは、それぞれ浅い有底円筒状に形成してもよい(図5)。ロータ13b、ステータ13cの側壁面には、それぞれn個の同形同大の孔13b1 、13b1 …、13c1 、13c1 …が等ピッチに形成されており、ロータ13bは、ステータ13c内に同軸に収納されている。ステータ13cを固定し、ロータ13bを回転させると、ロータ13bの1回転当りn回の開閉動作を実現することができる。
【0034】
なお、図2においても、ロータ13bには、n個の孔13b1 、13b1 …を形成してもよい。
【0035】
真空槽11は、排気弁13と真空ポンプ15との間にリザーバ17を設置することができる(図6)。リザーバ17は、排気弁13が閉じている間に、真空ポンプ15を介して十分な真空度に引かれるため、排気弁13が開になると、真空槽11内の反応ガスの圧力Pを速やかに低圧値P2 に減少させることができる。
【0036】
また、反応ガス供給源20の導入弁23は、排気弁13に同期して開閉させることができる(図7)。排気弁13が開くとき、導入弁23を閉じて反応ガスの導入を阻止し、真空槽11内の反応ガスの圧力Pを急激に低下させるとともに、排気弁13が閉じるとき、導入弁23を開いて反応ガスを導入し、圧力Pの上昇を速めることができる。また、圧力Pの低圧値P2 を小さくするとともに高圧値P1 を大きくし、圧力Pの変動幅(P1 -P2 )を大きくすることができる。
【0037】
以上の説明において、電力供給源30は、真空槽11内の反応ガスを電離させてプラズマを生成することができればよく、高周波電力に代えて、直流電力、交流低周波電力、マイクロ波電力のいずれを供給するものであってもよい。また、電力供給源30は、被処理物体Wの加工処理プロセスの進行中において、反応ガスに供給する電力を一定に維持してもよく、それを変動させてもよい。さらに、電力供給源30は、加工処理プロセスの進行中において、連続的または間欠的に作動させることができる。
【0038】
一方、排気弁13の開度を変化させて真空槽11内の反応ガスの圧力Pを変動させるに際し、圧力Pは、被処理物体Wの加工処理プロセスの開始時期t1 から終了時期t2 までの加工処理プロセスの進行中において、少なくとも1回以上、任意の態様により変動させることができる(たとえば図8の曲線(1)~(4))。ただし、同図の曲線(1)は、低圧値P2 から高圧値P1 までゆっくりと1回変動させ、曲線(2)は、急激に1回変動させている。また、曲線(3)は、低圧値P2 から高圧値P1 の間において圧力Pを周期的に変動させ、その変動周期をも変化させている。なお、曲線(4)は、図3にほぼ対応するように、圧力Pをパルス状に変動させている。また、図8の曲線(1)~(4)において、高圧値P1 、低圧値P2 を入れ替えてもよい。
【0039】
すなわち、真空槽11内の反応ガスの圧力Pは、被処理物体Wの加工処理プロセスの進行中の各時点において、プラズマ中の活性種の存在比率と、それによる加工処理特性が最適となるように、適切に変動させればよい。なお、圧力Pを周期的に、しかもパルス状に変動させるとき、プラズマ中の活性種の実質的な存在比率は、前記(2)式に従うと考えられる(図3、図8の曲線(4))。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この出願に係る第1発明によれば、加工処理プロセスの進行中に真空槽内の反応ガスの圧力を変動させ、プラズマ中の活性種の存在比率を制御することによって、適切な加工処理特性を容易に実現することができるから、各種の加工処理を容易に、しかも最適に行なうことができるという優れた効果がある。
【0041】
第2発明によれば、真空槽、反応ガス供給源、電力供給源を備えることによって、真空槽は、加工処理プロセスの進行中に反応ガスの圧力を変動させ、第1発明を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成模式説明図
【図2】 排気弁の模式構成図
【図3】 動作説明線図
【図4】 他の実施の形態を示す図2相当図
【図5】 他の実施の形態を示す要部斜視図
【図6】 他の実施の形態を示す要部構成模式図
【図7】 他の実施の形態を示す動作説明線図(1)
【図8】 他の実施の形態を示す動作説明線図(2)
【図9】 動作原理説明線図(1)
【図10】 動作原理説明線図(2)
【符号の説明】
W…被処理物体
P…圧力
Ri …存在比率
11…真空槽
13…排気弁
13b…ロータ
13b1 …孔
15…真空ポンプ
17…リザーバ
20…反応ガス供給源
23…導入弁
30…電力供給源
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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