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明細書 :風力発電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4355793号 (P4355793)
公開番号 特開2005-302399 (P2005-302399A)
登録日 平成21年8月14日(2009.8.14)
発行日 平成21年11月4日(2009.11.4)
公開日 平成17年10月27日(2005.10.27)
発明の名称または考案の名称 風力発電装置
国際特許分類 H05F   3/04        (2006.01)
F03D  11/00        (2006.01)
F03D  11/04        (2006.01)
FI H05F 3/04 G
F03D 11/00 A
F03D 11/04 A
請求項の数または発明の数 5
全頁数 8
出願番号 特願2004-113897 (P2004-113897)
出願日 平成16年4月8日(2004.4.8)
審査請求日 平成18年8月31日(2006.8.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】饗庭 貢
個別代理人の代理人 【識別番号】100072420、【弁理士】、【氏名又は名称】小鍜治 明
審査官 【審査官】高橋 学
参考文献・文献 特開平11-204287(JP,A)
特開2003-317995(JP,A)
実開昭60-77219(JP,U)
実開昭56-35800(JP,U)
調査した分野 H05F 3/04
F03D 11/00-11/04
特許請求の範囲 【請求項1】
発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性材の避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融する複数の避雷突針を前記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させたことを特徴とする風力発電装置。
【請求項2】
発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性材のチタンで成形した避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融するカーボンファイバーで成形した複数の避雷突針を前記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させたことを特徴とする風力発電装置。
【請求項3】
発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性導電材の避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融する複数の避雷突針を前記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させると共に、前記ブレードの回転中心部には導電性のハブを備え、前記ブレードの内部に避雷導体を配設して、その避雷導体で前記避雷突針取付台と前記ハブを電気的に接続し、前記ハブの発電機側端面には熱熔融する複数の放電球体を着脱・交換自在に装着すると共にナセルの風車側端部に、前記ハブに装着した放電球体と対向する導電性の放電環を装着し、その放電球体と放電環の間に放電ギャップを空けて両者を対向させ、前記放電環を、避雷導線を通じて接地したことを特徴とする風力発電装置。
【請求項4】
発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性導電材の避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融する複数の避雷突針を前記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させると共に、前記ブレードの回転中心部には導電性のハブを備え、前記ブレードの内部に避雷導体を配設して、その避雷導体で前記避雷突針取付台と前記ハブを電気的に接続し、前記ハブの発電機側端面には熱熔融する複数の放電球体を着脱・交換自在に装着すると共にナセルの風車側端部に、前記ハブに装着した放電球体と対向する導電性の放電環を装着し、その放電球体と放電環の間に放電ギャップを空けて両者を対向させ、前記放電環を、避雷導線を通じて接地し、さらに環状避雷導体を、ブレードの先端の回転最低位置から若干下方に位置させてタワーの周りに配設し、その環状避雷導体を避雷針を通じて接地したことを特徴とする風力発電装置。
【請求項5】
ブレードの先端に覆着する避雷突出針取付台を耐熱性材のチタンで成形し、ブレード先端に着脱・交換自在に装着される避雷突針と、ブレードのハブの発電機側端面に着脱・交換自在に装着される放電球体を、光・熱エネルギーを吸収して熱熔融するカーボンファイバーで成形したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の風力発電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は風力発電装置の耐雷保護手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境汚染防止の視点から風力発電による電力供給が見直され、風力発電装置の実用化・普及に向けた取り組みが高まっている。風力発電装置の実用化・普及に当っては、風力発電装置を落雷損傷から守るための有効な耐雷保護手段が必須である。従来から風力発電装置の耐雷保護手段は種々の発案されており、風力発電装置の風車の先端部に落雷する頻度が多いことから、特開2000-265938号公開特許公報(特許文献1)、特開2001-123934号公開特許公報(特許文献2)、特開2002-227757号公開特許公報(特許文献3)、特開2003-282295号公開特許公報(特許文献4)などに見られるような風力発電装置用の各種の避雷・耐雷保護手段が提案されている。
【0003】
すなわち、特許文献1には、アルミ製の羽根の先端に金属チップ(15)を設けると共に羽根の根元部に導体リング(16)を設け、他方、風力発電機(3)を内蔵するロータケース(6)に非直線抵抗体(18)を設け、その非直線抵抗体を、スパークギャップ(17)を介して導体リング(16)と対向させ、羽根先端の金属チップ(15)で受けた雷撃電流を、導体リング(16)、スパークギャップ(17)、非直線抵抗体(18)へと導いて放電させる風力発電の耐雷保護装置が示されている。また特許文献2には、ブレード(12)を電気的に絶縁化すると共にナセル(11)上に早期ストリーマ発進型避雷針(13)を設置して避雷効果を強化した風力発電装置が示されている。また特許文献3には、ガラス繊維強化プラスチック製のブレード(6)(7)(8)の先端から根元までの間に複数の電極板(9)(10)を取り付け、ブレードへ落雷した雷電流を電極板(9)から電極板(10)を経てハブ(5)で捕捉し、あるいは電極板からブレード面上を沿面放電させてハブ(5)で捕捉し、その捕捉雷電流をハブ(5)からナセル(4)、タワー(3)を経て地中に導くことにより、ブレード(6)(7)(8)の刃部に落雷させないようにして、落雷によるブレードの焼損を防止する風車用避雷設備が示されている。さらに特許文献4には、ブレード(8)の下端位置から僅かな距離を隔ててブレードより下方に位置する環状または針状の金属部材(13)を設け、落雷の誘因となるブレードへの充電電荷を、ブレードの回転毎に近接する金属部材(13)に放電させることにより、ブレードへの落雷を防止する風力発電装置の避雷装置が示されている。

【特許文献1】特開2000-265938号公開特許公報
【特許文献2】特開2001-123934号公開特許公報
【特許文献3】特開2002-227757号公開特許公報
【特許文献4】特開2003-282295号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際に設置されて落雷被害に見舞われた風力発電装置のブレードの観察結果に照らせば、上記のような従来の避雷・耐雷保護手段より更に耐雷効果が優れ且つその耐雷効果を長期に亘って維持するためのメンテナンス作業が簡便で容易な耐雷保護手段が強く望まれる。例えば、電気絶縁性材料で成形したブレードの回転中心部に鍛造製のハブを備えブレードの先端部にステンレスまたは銅製の受雷器(金属プレート)が装着され且つそのブレード内に配設された銅ワイヤーで受雷器とハブが電気的に接続された風車で発電機を駆動する出力1500Kwの風力発電装置であって、ブレードが受雷した雷電流をブレード内の銅ワイヤーを通して、あるいはブレード表面の沿面電流としてハブに導き、そのハブで集電された雷電流を避雷銅線を介して大地に放流する耐雷保護手段を備えた風力発電装置について、ブレードの被雷損傷状態を観察したところ、ブレードの受風面側で激しい着雷痕跡が認められ、ブレード先端部に装着された受雷器が着雷時のエネルギーで熔けた熔融痕が見られた。したがって、発雷頻度の高い地方に設置される風力発電装置では、比較的短期期間でブレードの落雷損傷補修して耐雷効果を回復させるためのメンテナンス作業が必要となる。
【0005】
このような実態から、この発明は、風力発電装置の耐雷保護装置に関して、風力発電装置のブレードへの着雷に対する耐雷保護効果を更に高めると共に、劣化した耐雷保護効果を回復させるためのメンテナンスが簡便で容易に行なえるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題に対応するために、この発明では、発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性材の避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融する複数の避雷突針を前記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させた構成を採る。
【0007】
また上記の課題に対応するために、この発明では、発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性導電材の避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融する複数の避雷突針を前記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させると共に、前記ブレードの回転中心部には導電性のハブを備え、前記ブレードの内部に避雷導体を配設して、その避雷導体で前記避雷突針取付台と前記ハブを電気的に接続し、前記ハブの発電機側端面には熱熔融する複数の放電球体を着脱・交換自在に装着すると共にナセルの風車側端部に、前記ハブに装着した放電球体と対向する導電性の放電環を装着し、その放電球体と放電環の間に放電ギャップを空けて両者を対向させ、前記放電環を、避雷導線を通じて接地する構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
そして風力発電装置のブレードに着雷する時点で、ブレードの先端に装着した避雷突針と大気の境界面でスパーク放電が生じて雷による光・熱エネルギーが発生するが、この発明に係る風力発電装置の耐雷保護手段によれば、その熱エネルギーをカーボンファイバーの避雷突針10が受けて熱熔融することによって吸収し、その結果、着雷によるブレードの損傷が防御される。また着雷の都度、避雷突針が熔融して短く痩せ細って耐雷保護効果が次第に低下するが、適時に避雷突針を取り替え交換することにより、ブレードへの着雷に起因する風力発電装置の耐雷保護効果を長期にわたって高く維持することができ、その取り替え交換の際の耐雷保護メンテナンス作業は、避雷突針のみを取り替え交換するのみであるから極めて容易で簡便である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の最良の実施形態は、発電機を駆動する風車のブレードの先端に耐熱性導電材のチタンで形成した避雷突出針取付台を覆着し、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融するカーボンファイバーで形成した複数の避雷突針を上記避雷突出針取付台に着脱・交換自在に装着して、その複数の避雷突針を避雷突針取付台の外面から放射状に突出させると共に、ブレードの回転中心部には導電性のハブを備え、ブレードの内部に避雷導体を配設して、その避雷導体で上記避雷突針取付台とハブを電気的に接続し、そのハブの発電機側端面には、熱熔融するカーボンファイバーで成形した複数の放電球体を着脱・交換自在に装着すると共に、ナセルの風車側端部に、上記放電球体と対向する導電性の放電環を装着し、その放電球体と放電環の間に放電ギャップを空けて両者を対向させ、その放電環を、避雷導線を通じて接地し、さらに環状避雷導体を、ブレードの先端の回転最低位置から若干下方に位置させてタワーの周りに配設し、その環状避雷導体を避雷針を通じて接地した風力発電装置である。
【実施例1】
【0010】
以下、この発明の一実施例を、図面を参考に説明する。図1は、この発明に係る風力発電装置の側面図で一部を断面で示したものである。図2は、図1のA部の拡大断面図である。図3は、図1のB部の拡大図である。図において、1は発電機を駆動する風車Wのブレード、2は発電機、3はクラッチで、風車Wの回転軸Waはクラッチ3を介して発電機2の回転軸に連結されている。21は風力発電装置のタワーで、タワー21は、地盤22中に築いた基礎23の上に構築されている。タワー21の頂上にはナセル4が設置され、ナセル4内に前記クラッチ3と発電機2が収納されている。また、ナセル4には避雷針5が取り付けられ、その避雷針5は避雷導線6を通じて発電機2、クラッチ3、およびタワー21内に設置した発電制御盤7,8と共に接地されている。なお、これらの構造は言うまでもなく周知である。
【0011】
ブレード1は電気絶縁性材で成形され、ブレード1の先端には耐熱性材であるチタンで成形した避雷突針取付台9を覆着し、避雷突針取付台9に、着雷による光・熱エネルギーを吸収して熱熔融するカーボンファイバーで成形した複数の避雷突針10を着脱・交換自在に装着し、その複数の避雷突針10を避雷突針取付台9の外面から放射状に突出させている。また、ブレード1の回転中心部には鍛造成形された導電性のハブ11が嵌着されており、そのハブ11から風車Wの回転軸Waが突出している。そしてブレード1の内部には黄銅製の避雷導体12が配設され、避雷導体12によって避雷突針取付台9ならびに避雷突針10とハブ12が電気的に接続されている。さらにハブ11の発電機側端面には、カーボンファイバー製の複数の放電球体13が、風車Wの回転軸Waを中心とする円弧上に着脱・交換自在に装着されている。一方、ナセル4の風車側端部には、黄銅で環状に成形さられ導電性の放電環14が装着されている。そして放電環14は、放電ギャップ15を空けて前記放電球体13と対向し、放電環14は避雷導線16を通じて接地されている。また、17は環状の避雷導体で、環状避雷導体17は、ブレード1の先端の回転最低位置から若干下方に位置してタワー21の周りに配設され、環状避雷導体17は3箇所で避雷針18a,18b,18cを通じて接地されている。したがって、ブレード1の先端と環状避雷導体17は若干の空隙をもって対向することになる。なお19は、避雷針18a,18b,18cを覆う保護管である。
【0012】
上記の風力発電装置において、雷雲が風力発電装置に接近してブレードに着雷しようとすると、ブレード1の先端に装着した避雷突針10と大気の境界面でスパーク放電が生じて雷による光・熱エネルギーが発生するが、カーボンファイバーの避雷突針10がその熱エネルギーを受けて熔融することによって着雷エネルギー吸収し着雷によるブレード1の損傷を防御する。そして着雷のたびに避雷突針10が熔融して短く痩せ細って耐雷保護効果が次第に低下するが、適時に避雷突針10を取り替え交換することにより、風力発電装置のブレードへの着雷に対して風力発電装置を保護し、その耐雷保護効果を長期にわたって高く維持することができ、その耐雷保護メンテナンス作業は避雷突針10や放電球体13のみを適時に取り替え交換するのみであるから極めて簡便で容易である。
【0013】
さらに、着雷エネルギーが避雷突針10のみでは十分処理できない程に大きい場合には、その雷電流はブレード1内の避雷導体12を通じて、あるいはブレード1の表面に沿ってハブ11に導かれ、ハブ11に装着した放電球体13から放電ギャップ15を越えてナセル4側の放電環14へ放電し、放電環14から避雷導体16を通じて大地へ放流されることにより風力発電装置に損傷が拡大することを防御する。なお、放電球体13からの放電作動度数が重なって放電球体13が消耗した場合には、前記の避雷突針10の場合と同様に適時に放電球体13を取り替え交換する。さらにまた、ブレード1への着雷による雷電流は、ブレード1の若干下方にあってブレード1の先端部と対向する環状避雷導体17を介して避雷針18a,18b,18cを通じても大地へ放流され、風力発電装置を外雷に対してより大きく保護することことができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
この発明に係る風力発電装置の耐雷保護手段は、構成が簡単で、その耐雷保護手段の付設とメンテナンスが極めて容易であることから、多くの風力発電装置に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施例を示す風力発電装置の一部断面とした側面図。
【図2】図1のA部の拡大断面図。
【図3】図1のB部の拡大図。
【符号の説明】
【0016】
1:ブレード
2:発電機
3:クラッチ
4:ナセル
5:避雷針
6,16:避雷導線
7,8:発電制御盤
9:避雷突針取付台
10:避雷突針
11:ハブ
12:避雷導体
13:放電球体
14:放電環
15:放電ギャップ
17:環状避雷導体
18a,18b,18c:避雷針
19:保護管
21:タワー
22:設置地盤
23:基礎
W:風車
Wa:風車の回転軸
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2