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明細書 :フラックスゲート型磁気検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4532242号 (P4532242)
公開番号 特開2006-138635 (P2006-138635A)
登録日 平成22年6月18日(2010.6.18)
発行日 平成22年8月25日(2010.8.25)
公開日 平成18年6月1日(2006.6.1)
発明の名称または考案の名称 フラックスゲート型磁気検出装置
国際特許分類 G01R  33/04        (2006.01)
FI G01R 33/04
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2004-325776 (P2004-325776)
出願日 平成16年11月10日(2004.11.10)
審査請求日 平成19年10月4日(2007.10.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】賀戸 久
個別代理人の代理人 【識別番号】100095511、【弁理士】、【氏名又は名称】有近 紳志郎
審査官 【審査官】藤原 伸二
参考文献・文献 特開昭59-211876(JP,A)
調査した分野 G01R 33/00-33/26
G01N 27/72-27/90
特許請求の範囲 【請求項1】
軟磁気特性を有する磁心及び励磁用コイル及び検出用コイルを備えたフラックスゲート型磁気検出素子と、前記励磁用コイルに方形波励磁信号を入力する励磁部と、前記方形波励磁信号の反転時に対応して前記検出用コイルに誘起される第1誘起信号を含む第1期間および前記方形波励磁信号の反転時から所定時間遅れて前記検出用コイルに誘起される第2誘起信号を含む第2期間は前記検出用コイルからの検出信号を通過させるが前記第1期間および前記第2期間以外の期間は前記検出用コイルからの検出信号を通過させない窓回路とを具備したことを特徴とするフラックスゲート型磁気検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフラックスゲート型磁気検出装置において、前記窓回路は、前記第1期間および前記第2期間以外の期間は「0」を出力することを特徴とするフラックスゲート型磁気検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、フラックスゲート型磁気検出装置に関し、さらに詳しくは、フラックスゲート型磁気検出素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を充分に抑制することが出来るフラックスゲート型磁気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラックスゲート型磁気検出素子を用いた磁気測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
他方、磁気抵抗効果素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を抑制することが出来る地磁気方位センサーが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】

【特許文献1】特開2003-121521号公報
【特許文献2】特開平7-35551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の磁気測定装置では、フラックスゲート型磁気検出素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を充分に抑制することが出来ない問題点がある。
他方、上記従来の地磁気方位センサーでは、フラックスゲート型磁気検出素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を抑制することは考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、フラックスゲート型磁気検出素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を充分に抑制することが出来るフラックスゲート型磁気検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、磁心および励磁用コイル及び検出用コイルを備えたフラックスゲート型磁気検出素子と、前記励磁用コイルに方形波励磁信号を入力する励磁部と、前記方形波励磁信号の反転時に対応して前記検出用コイルに誘起される第1誘起信号を含む第1期間および前記方形波励磁信号の反転時から所定時間遅れて前記検出用コイルに誘起される第2誘起信号を含む第2期間は前記検出用コイルからの検出信号を通過させるが前記第1期間および前記第2期間以外の期間は前記検出用コイルからの検出信号を通過させない窓回路とを具備したことを特徴とするフラックスゲート型磁気検出装置を提供する。
上記第1の観点によるフラックスゲート型磁気検出装置では、検出対象の磁気の強さ情報を含む第1誘起信号および第2誘起信号が発生する第1期間および第2期間は、検出用コイルからの検出信号が窓回路を通過するため、検出対象の磁気の強さを測定することが出来る。一方、第1期間および第2期間以外の期間は、検出用コイルからの検出信号が窓回路を通過できないが、この期間は実質的にバルクハウゼンノイズのみを含むため、フラックスゲート型磁気検出素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を充分に抑制することが出来る。
【0006】
第2の観点では、本発明は、上記構成のフラックスゲート型磁気検出装置において、前記窓回路は、前記第1期間および前記第2期間以外の期間は「0」を出力することを特徴とするフラックスゲート型磁気検出装置を提供する。
上記第2の観点によるフラックスゲート型磁気検出装置では、第1期間および第2期間以外の期間は「0」を出力するため、窓回路よりも後段で支障なく積分や直流増幅することが出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフラックスゲート型磁気検出装置によれば、フラックスゲート型磁気検出素子のバルクハウゼンノイズの悪影響を充分に抑制することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図に示す実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0009】
図1は、実施例1にかかるフラックスゲート型磁気検出装置100を示す構成図である。
このフラックスゲート型磁気検出装置100は、フラックスゲート型磁気検出素子10と、フラックスゲート型磁気検出素子10の励磁用コイル12に方形波励磁信号bを入力する励磁回路20と、フラックスゲート型磁気検出素子10の検出用コイル13から出力される検出信号Isに帰還信号Ibを重畳する重畳回路31と、重畳回路31の出力信号を非反転増幅する非反転アンプ32と、非反転アンプ32の出力信号c(以下、非反転検出信号cという)を出力するか又は非反転検出信号cを反転した反転検出信号dを出力することを交互に行う反転回路40と、反転回路40の出力信号e(以下、交互反転検出信号eという)を通過させるか又は「0」を出力することを交互に行う窓回路50と、窓回路50の出力信号Vp(以下、窓通過信号Vpという)を処理して処理信号Vi1,Vi2及びVi3を出力する処理回路60と、処理信号Vi1,Vi2及びVi3から帰還信号Ibを生成する帰還回路70とを具備している。
【0010】
フラックスゲート型磁気検出素子10は、例えばパーマロイまたはセンダストなどの軟磁気特性(保持力が小さく、透磁率が大きい。)を有する材料を環状に成形した磁心11に、励磁用コイル12および検出用コイル13を設けた構造である。なお、棒状の磁心に励磁用コイルと検出用コイルとを付設した構造でもよい。
【0011】
励磁回路20は、例えば周波数2kHzの方形波の発振信号aを発振する発振器21と、発振器21が発振した方形波を1/2分周する分周回路22と、分周回路22が出力する方形波に基づく励磁信号bを励磁用コイル12に入力するコイル駆動回路23とを含んでいる。
【0012】
反転回路40は、非反転検出信号cを反転し反転検出信号dを出力する反転アンプ41と、入力されるスイッチ信号gが「H」のときは非反転検出信号cを通過させ「L」のときは反転検出信号dを通過させるように切り替える第0スイッチ回路42と、発振信号aを遅延時間τgだけ遅延させてスイッチ信号gとして出力する第0遅延回路43とを含んでいる。
【0013】
窓回路50は、入力される窓信号wが「H」のときは交互反転検出信号eを通過させ「L」のときは「0」を出力するように切り替える第1スイッチ回路51と、発振信号aを遅延時間τaだけ遅延させる第1遅延回路52と、第1遅延回路52の出力信号の立上りから時間幅T1だけ「H」になる第1窓信号w1を出力する第1ワンショット回路53と、発振信号aを遅延時間τbだけ遅延させる第2遅延回路54と、第2遅延回路54の出力信号の立上りから時間幅T2だけ「H」になる第2窓信号w2を出力する第2ワンショット回路55と、第1窓信号w1と第2窓信号w2の論理和を窓信号wとして出力するオア回路56とを含んでいる。
【0014】
処理回路60は、窓回路50からの窓通過信号Vpを時定数τ1で積分し第1の処理信号Vi1を出力する第1の積分器41と、第1の処理信号Vi1を時定数τ2(>τ1)で積分し第2の処理信号Vi2を出力する第2の積分器42と、第2の処理信号Vi2を時定数τ3(>τ2)で積分し第3の処理信号Vi3を出力する第3の積分器43とを含んでいる。
【0015】
帰還回路70は、第1~第3の処理信号Vi1~Vi3を減衰/増幅する第1~第3の個別調整器71~73と、個別調整器71~73を経た第1~第3の処理信号Vi1’~Vi3’を加算して加算信号Vdを出力する加算器74と、感度を調整するべく加算信号Vdを減衰/増幅する帰還量調整器75と、帰還量調整器75を経た加算信号Vd’にバイアス信号Vaを加えて帰還信号Ibを出力するバイアス調整器76とを含んでいる。なお、バイアス信号Vaは、ノイズの直流成分を打ち消すように調整しておく。
【0016】
各積分器61,62,63の時定数τ1,τ2,τ3を調整したり、個別調整器71~73を調整することで、窓通過信号Vpから抽出される信号成分の帯域を積分器ごとに変えることが可能となり、異なる複数の帯域の信号成分をそれぞれ処理信号として同時に得ることが出来る。すなわち、第1~第3の積分信号Vi1~Vi3のいずれか適当なものを選んで利用すればよい。
【0017】
図2は、各信号のタイミングを示すタイムチャートである。
第1窓信号w1は、第1遅延回路52の遅延時間τaと第1ワンショット回路53の出力パルス幅T1とを調整することによって、励磁信号bの反転時に対応して検出用コイル13に誘起される第1誘起信号I1が第1スイッチ回路51を通過しうる必要十分なタイミングを作っている。
第2窓信号w2は、第2遅延回路54の遅延時間τbと第2ワンショット回路55の出力パルス幅T2とを調整することによって、励磁信号bの反転時から所定時間遅れて検出用コイル13に誘起される第2誘起信号I2が第1スイッチ回路51を通過しうる必要十分なタイミングを作っている。
【0018】
実施例1のフラックスゲート型磁気検出装置100によれば、検出対象の磁気の強さ情報を含む第1誘起信号I1および第2誘起信号I2が発生する第1期間(T1)および第2期間(T2)は、検出用コイル13からの検出信号が窓回路50を通過するため、検出対象の磁気の強さを測定することが出来る。一方、第1期間および第2期間以外の期間は、検出用コイル13からの検出信号が窓回路50を通過できないため、この期間におけるフラックスゲート型磁気検出素子10のバルクハウゼンノイズの悪影響を充分に抑制することが出来る。また、第1期間および第2期間以外の期間は窓回路50が「0」を出力するため、処理回路60で支障なく積分や直流増幅することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
地磁気や自動車のような磁性物体の存在を検知するのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1のフラックスゲート型磁気検出装置を示す構成図である。
【図2】実施例1のフラックスゲート型磁気検出装置の各信号のタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0021】
10 フラックスゲート型磁気検出素子
11 磁心
12 励磁用コイル
13 検出用コイル
20 励磁回路
50 窓回路
100 フラックスゲート型磁気検出装置
図面
【図1】
0
【図2】
1