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明細書 :燃料電池の電極面の欠陥検査装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4701389号 (P4701389)
公開番号 特開2006-329642 (P2006-329642A)
登録日 平成23年3月18日(2011.3.18)
発行日 平成23年6月15日(2011.6.15)
公開日 平成18年12月7日(2006.12.7)
発明の名称または考案の名称 燃料電池の電極面の欠陥検査装置
国際特許分類 G01N  27/82        (2006.01)
H01M   8/04        (2006.01)
FI G01N 27/82
H01M 8/04 Z
請求項の数または発明の数 1
全頁数 11
出願番号 特願2005-149180 (P2005-149180)
出願日 平成17年5月23日(2005.5.23)
審査請求日 平成20年2月25日(2008.2.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】賀戸 久
個別代理人の代理人 【識別番号】100095511、【弁理士】、【氏名又は名称】有近 紳志郎
審査官 【審査官】中村 祐一
参考文献・文献 特開2004-152501(JP,A)
特開昭63-138259(JP,A)
特開2005-127963(JP,A)
特開昭59-010846(JP,A)
特開2001-194343(JP,A)
特開2001-296277(JP,A)
特開昭61-223549(JP,A)
調査した分野 G01N27/72-27/90
G01R31/36
H01M8/00-8/24
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
燃料電池の電極面に平行に載置されるセンサ面に分布して配設された複数の磁気センサと、運転時の状態の燃料電池の電極面について前記複数の磁気センサで得た検出信号に基づいて前記燃料電池の電極面に欠陥が有るか否かを判定する判定手段とを具備し、前記判定手段は、前記複数の磁気センサの位置と各検出信号とに基づいて欠陥が前記燃料電池の電極面のどの部分に有るかを判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の電極面の欠陥検査装置に関し、さらに詳しくは、燃料電池の電極面の実際の欠陥を直接的に且つ容易に検知することが出来る燃料電池の電極面の欠陥検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体電解質型燃料電池の陰極-陽極間に交流電圧を印加して負荷インピーダンスを測定し、その負荷インピーダンスに基づいて電気的ショートやガスリークを判定する燃料電池の検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
他方、固体酸化物型燃料電池の燃料極層および空気極層のいずれか一方側に温度分布検出器を配置し、他方側に熱源または冷却源を配置し、透過熱の分布を測定し、その透過熱の分布に基づいて欠陥の有無を判定する固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】

【特許文献1】特開2005-44715号公報([0012])
【特許文献2】特開2005-108801号公報([請求項10])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の燃料電池の検査装置は、固体電解質型燃料電池を等価回路で置き換えて間接的に欠陥の存在を推定するものであり、実際の欠陥を直接的に検知するものではないという問題点がある。
他方、上記従来の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置は、実際の欠陥を直接的に検知するものであるが、燃料電池の被検査領域に熱線をほぼ均一に透過させる必要があり、実施が容易でない問題点がある。
そこで、本発明の目的は、燃料電池の電極面の実際の欠陥を直接的に且つ容易に検知することが出来る燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、燃料電池の電極面に平行に載置されるセンサ面に分布して配設された複数の磁気センサと、電流が取り出されている状態の燃料電池の電極面について前記複数の磁気センサで得た検出信号に基づいて前記燃料電池の電極面に欠陥が有るか否かを判定する判定手段とを具備したことを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
上記第1の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、電流が取り出されている状態の燃料電池の電極面から発生する磁気分布を複数の磁気センサで検出して燃料電池の電極面に欠陥が有るか否かを判定する。すなわち、燃料電池に電流が流れている状態で発生する電極面に対応する磁気分布を複数の磁気センサで検出して欠陥が有るか否かを判定する。これによれば、燃料電池の電極面の実際の欠陥を複数の磁気センサで直接的に検知することが出来る。また、燃料電池の被検査領域に熱線をほぼ均一に透過させるような実施困難性がなく、実施が容易である。
【0006】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記判定手段は、電流が取り出されている状態の燃料電池の電極面について前記複数の磁気センサで得た検出信号の平均値との差に基づいて欠陥が有るか否かを判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
上記第2の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、複数の磁気センサで得た検出信号の平均値から各磁気センサで得た検出信号がどれだけ外れるかによって欠陥の有無を検知する。欠陥のない燃料電池の電極面に対応する磁気分布が一様または略一様であると見なせる場合に有効である。
【0007】
第3の観点では、本発明は、前記第1の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記判定手段は、欠陥の有無を判定する基準となる基準データを記憶しており、電流が取り出されている状態の燃料電池の電極面について前記複数の磁気センサで得た検出信号に基づく検査データと前記基準データとを比較して欠陥が有るか否かを判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
上記第3の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、欠陥のない燃料電池の電極面について複数の磁気センサで得た検出信号に基づく基準データを記憶しておき、各磁気センサで得た検出信号に基づく検査データと記憶していた基準データとを比較して欠陥の有無を検知する。欠陥のない燃料電池の電極面に対応する磁気分布が一様または略一様であると見なせない場合でも有効である。
【0008】
第4の観点では、本発明は、前記第1の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記判定手段は、電流が取り出されている状態の燃料電池の電極面について前記複数の磁気センサで得た検出信号の経時変化に基づいて欠陥が生じたか否かを判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
上記第4の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、欠陥のない燃料電池の電極面に欠陥が生じたときの磁気分布の変化により欠陥の発生を検知することが出来る。
【0009】
第5の観点では、本発明は、前記第1から前記第4のいずれかの観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記判定手段は、前記複数の磁気センサの位置と各検出信号とに基づいて欠陥が前記燃料電池の電極面のどの部分に有るかを判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
上記第5の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、欠陥と磁気センサの距離が近いほど検出信号への影響が大きいことを利用して、欠陥がどの磁気センサに最も近いかを推定し、その最も近い磁気センサの位置から欠陥がどの部分に存在しているかを判定する。
【0010】
第6の観点では、本発明は、前記第1から前記第5のいずれかの観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記磁気センサがフラックスゲート型磁気検出素子であることを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
上記第6の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、小さな欠陥による小さな磁気の変化をも検出できる高感度のフラックスゲート型磁気検出素子を用いるため、小さな欠陥でも確実に検知できる。
【0011】
第7の観点では、本発明は、前記第の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記磁気センサは前記センサ面に交差する方向に対になって配設されており、前記判定手段は、前記対になっている磁気センサで得た検出信号の差分に基づいて判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
外来磁気の変化を磁気センサが検出して誤動作する可能性がある。
そこで、上記第7の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、磁気センサを近接して対にしておき、磁気センサの検出信号の差分をとる。外来磁気の変化は対の磁気センサの検出信号に同じ影響を与えるため、差分をとれば相殺される。よって、外来磁気の影響を抑制できる。一方、この対はセンサ面に交差する方向に配設されているため燃料電池の電極面に対しては遠近があり、欠陥に起因する磁気は対の磁気センサの検出信号に異なった影響を与える。よって、差分から欠陥の存否を判定できる。
【0012】
第8の観点では、本発明は、前記第2から第5のいずれかの観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置において、前記磁気センサは前記センサ面に交差する方向に対になって配設されており、前記判定手段は、前記第2から第5のいずれかの観点に記載の検出信号に代えて前記対になっている磁気センサで得た検出信号の差分に基づいて判定することを特徴とする燃料電池の電極面の欠陥検査装置を提供する。
外来磁気の変化を磁気センサが検出して誤動作する可能性がある。
そこで、上記第8の観点による燃料電池の電極面の欠陥検査装置では、磁気センサを近接して対にしておき、磁気センサの検出信号の差分をとる。外来磁気の変化は対の磁気センサの検出信号に同じ影響を与えるため、差分をとれば相殺される。よって、外来磁気の影響を抑制できる。一方、この対はセンサ面に交差する方向に配設されているため燃料電池の電極面に対しては遠近があり、欠陥に起因する磁気は対の磁気センサの検出信号に異なった影響を与える。よって、前記第2から第5のいずれかの観点に記載の「検出信号」に代えて「対になっている磁気センサで得た検出信号の差分」を用いることにより、外来磁気の影響を抑制して欠陥の存否を判定できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池の電極面の欠陥検査装置によれば、燃料電池の電極面の実際の欠陥を複数の磁気センサで直接的に検知することが出来る。また、燃料電池の被検査領域に熱線をほぼ均一に透過させるような実施困難性がなく、実施が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図に示す実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る燃料電池の電極面の欠陥検査装置100を示す構成図である。
この燃料電池の電極面の欠陥検査装置100は、センサ面1aに多数のフラックスゲート型磁気検出素子10が分布して配設されているセンサユニット1と、センサユニット1からの検出信号に基づいて欠陥の有無を判定するコントロールボックス2とを具備してなる。
【0016】
図2に示すように、センサユニット1は、第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nと、第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nの励磁用コイルに励磁電流を通電する第1~第Nの励磁部50-1~50-Nと、第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nの検出用コイルに誘起される信号を処理して第1~第Nの検出信号を出力する第1~第Nの信号処理部20-1~20-Nと、第1~第Nの検出信号をアナログ/デジタル変換する第1~第NのA/D変換器40-1~40-Nとを備えている。
また、コントロールボックス2は、第1~第NのA/D変換器40-1~40-Nより第1~第Nの検出信号を読み込んで、各検出信号に基づいて欠陥が存在するか否かを判定するマイクロプロセッサ60と、操作者からの指示を受け付けると共に判定結果を出力する入出力部61とを具備している。
【0017】
図3は、フラックスゲート型磁気検出素子10(10-1~10-N)と、励磁部50(50-1~50-N)と、信号処理部20(20-1~20-N)を示す構成図である。
【0018】
フラックスゲート型磁気検出素子10は、例えばパーマロイまたはセンダストなどの軟磁気特性(保持力が小さく、透磁率が大きい。)を有する材料を環状に成形した磁心11に励磁用コイル12および検出用コイル13を設けた構造である。なお、棒状の磁心に励磁用コイルと検出用コイルとを付設した構造でもよい。
【0019】
励磁部50は、周波数f0(例えばf0=2kHz)の矩形波を発振する発振器51と、発振器51が発振した矩形波を分周し周波数f0/2の交流電流を励磁用コイル12に通電するコイル駆動回路52とを含んでおり、フラックスゲート型磁気検出素子10の励磁用コイル12に交流電流を通電する。
【0020】
信号処理部20は、検出用コイル13に誘起される検出信号Isに帰還信号Ibを重畳する帰還回路26と、フラックスゲート型磁気検出素子10の励磁移相から移相をずらせた同期信号を出力する移相器31と、帰還信号Ibを重畳した検出信号Isを増幅する前置増幅器32と、遮断周波数fc1(>f0/2)で励磁信号成分を遮断するためのハイパスフィルタ33と、ハイパスフィルタ33からの出力信号を同期信号で位相検波する位相検波器34と、遮断周波数fc2(≪f0)で所望帯域の出力信号Vpを取り出すローパスフィルタ35と、出力信号Vpを時定数τ1で積分し第1の積分信号Vi1を出力する第1の積分器41と、第1の積分信号Vi1を時定数τ2(>τ1)で積分し第2の積分信号Vi2を出力する第2の積分器42と、第2の積分信号Vi2を時定数τ3(>τ2)で積分し第3の積分信号Vi3を出力する第3の積分器43と、第1~第3の積分信号Vi1~Vi3を減衰/増幅する第1~第3の積分信号調整器201~203と、積分信号調整器201~203を経た第1~第3の積分信号Vi1’~Vi3’を加算して加算信号Vdを出力する加算器21と、感度を調整するべく加算信号Vdを減衰/増幅する帰還量調整器22と、帰還量調整器22を経た加算信号Vd’にバイアス信号Vaを加えて帰還信号Ibを出力するバイアス調整器23とを具備している。
【0021】
バイアス信号Vaは、磁性物体が近傍に存在しないときに加算信号Vdが0になるように(つまり、ノイズ磁気の直流成分を打ち消すように)調整しておく。
【0022】
各積分器41,42,43の時定数τ1,τ2,τ3やフィードバック特性を積分信号調整器201~203で調整することで、出力信号Vpから抽出される信号成分の帯域を積分器ごとに変えることが可能となり、異なる複数の帯域の信号成分をそれぞれ検出信号として同時に得ることが出来る。すなわち、第1~第3の積分信号Vi1~Vi3のいずれか適当なものを検出信号として選べばよい。
【0023】
図4は、燃料電池Fの欠陥を検査する状態の説明図である。なお、判りやすくするため、燃料電池Fをセンサユニット1より小さく描いているが、実際には同面積である。
燃料電池Fは、陽極ガス導入部Aと、多孔性陽極Pと、電解質Yと、多孔性陰極Nと、陰極ガス導入部Hとからなっている。多孔性陽極Pと多孔性陰極Nの間に負荷Rが接続され、電流Iが取り出される。
燃料電池の電極面の欠陥検査装置100は、そのセンサ面1aを燃料電池Fの多孔性陰極Nと平行にして設置される。
【0024】
図5は、実施例1に係る燃料電池の電極面の欠陥検査処理を示すフロー図である。
ステップS1では、マイクロプロセッサ60は、第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nから第1~第Nの検出信号を読み込む。
ステップS2では、第1~第Nの検出信号の平均値を求める。
ステップS3では、第1~第Nの検出信号の平均値と第1~第Nの検出信号の各差(絶対値)と所定値(正の値)とを比較し、全ての差が所定値より小さいならステップS4へ進み、1つでも差が所定値以上ならステップS5へ進む。
【0025】
ステップS4では、欠陥が存在しないと判定する。そして、ステップS7へ進む。
【0026】
ステップS5では、欠陥が存在していると判定する。
ステップS6では、第1~第Nの検出信号の平均値と第1~第Nの検出信号の各差と第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nの位置(予め判っている)とを基に、図6に概念的に示すように等高線図hを作成し、等高線図hの頂き領域を欠陥の推定存在領域として抽出する。そして、ステップS7へ進む。
【0027】
ステップS7では、欠陥が存在しないと判定した場合は、その旨を報知する。他方、欠陥が存在すると判定した場合は、図7に示すように、欠陥が存在する旨のメッセージ表示Mおよび推定存在領域Lを表示する。そして、処理を終了する。
【0028】
実施例1に係る燃料電池の電極面の欠陥検査装置100によれば、次の効果が得られる。
(1)第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nで燃料電池Fの電極面の実際の欠陥を直接的に検知することが出来る。
(2)燃料電池Fの被検査領域に熱線をほぼ均一に透過させるような実施困難性がなく、実施が容易である。
(3)小さな欠陥による小さな磁気の変化をも検知できる高感度のフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nを用いるため、小さな欠陥でも確実に検知できる。
(4)欠陥の存在位置を検知することが出来る。
(5)燃料電池の実際の運転状態(電流Iを取り出している状態)を反映した検査が出来る。なお、陰極-陽極間に交流電圧を印加して検査することも出来る。
【実施例2】
【0029】
図8は、実施例2に係る燃料電池の電極面の欠陥検査処理を示すフロー図である。
マイクロプロセッサ60は、欠陥のない燃料電池Fについて第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nで得た検出信号に基づく各基準データを予め記憶している。
ステップS11では、マイクロプロセッサ60は、記憶していた各基準データを読み出す。
ステップS12では、第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nから第1~第Nの検出信号を読み込む。
ステップS13では、各基準データと第1~第Nの検出信号の各差(絶対値)と所定値(正の値)とを比較し、全ての差が所定値より小さいならステップS14へ進み、1つでも差が所定値以上ならステップS15へ進む。
【0030】
ステップS14では、欠陥が存在しないと判定する。そして、ステップS17へ進む。
【0031】
ステップS15では、欠陥が存在していると判定する。
ステップS16では、各基準データと第1~第Nの検出信号の各差と第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nの位置とを基に、等高線図を作成し、等高線図の頂き領域を欠陥の推定存在領域として抽出する。そして、ステップS17へ進む。
【0032】
ステップS17では、欠陥が存在しないと判定した場合は、その旨を報知する。他方、欠陥が存在すると判定した場合は、欠陥が存在する旨のメッセージ表示および推定存在領域を表示する。そして、処理を終了する。
【実施例3】
【0033】
図9は、実施例3に係る燃料電池の電極面の欠陥検査処理を示すフロー図である。
この処理は所定時間(例えば30分)ごとに反復実行される。そして、初回の実行時は、ステップS22だけが実行され、燃料電池Fについて第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nで得た各検出信号が記憶される。2回目以降の実行時はステップS21~S27が実行される。
【0034】
ステップS21では、マイクロプロセッサ60は、記憶していた前回の各検出信号を読み出す。
ステップS22では、第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nから第1~第Nの検出信号を読み込む。
ステップS23では、前回と今回の第1~第Nの検出信号の各差(絶対値)と所定値(正の値)とを比較し、全ての差が所定値より小さいならステップS24へ進み、1つでも差が所定値以上ならステップS25へ進む。
【0035】
ステップS24では、欠陥が存在しないと判定する。そして、ステップS27へ進む。
【0036】
ステップS25では、欠陥が存在していると判定する。
ステップS26では、前回と今回の第1~第Nの検出信号の各差と第1~第Nのフラックスゲート型磁気検出素子10-1~10-Nの位置とを基に、等高線図を作成し、等高線図の頂き領域を欠陥の推定存在領域として抽出する。そして、ステップS27へ進む。
【0037】
ステップS27では、欠陥が存在しないと判定した場合は、その旨を報知する。他方、欠陥が存在すると判定した場合は、欠陥が存在する旨のメッセージ表示および推定存在領域を表示する。そして、処理を終了する。
【実施例4】
【0038】
図10は、実施例4に係る燃料電池の電極面の欠陥検査装置200を示す構成図である。
この燃料電池の電極面の欠陥検査装置200は、実施例1の燃料電池の電極面の欠陥検査装置100の各フラックスゲート型磁気検出素子10の下側に、それらと対になるフラックスゲート型磁気検出素子10を備えた構成である。
【0039】
燃料電池の電極面の欠陥検査処理は、図5,図8および図9における「第1~第Nの検出信号」を「第1~第Nの検出信号およびそれらと対になる第N+1~第2Nの検出信号の各差分(絶対値)である第1~第Nの差分」と読み替えればよい。
【0040】
実施例4の燃料電池の電極面の欠陥検査装置200によれば、フラックスゲート型磁気検出素子の検出信号の対の差分をとるため、外来磁気の影響を抑制することが出来る。
【実施例5】
【0041】
フラックスゲート型磁気検出素子の代わりに、SQUIDや、ホール素子や、MR素子などを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の燃料電池の電極面の欠陥検査装置は、燃料電池の欠陥検査装置として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施例1に係る燃料電池の電極面の欠陥検査装置の構成を示す模式図である。
【図2】実施例1に係る燃料電池の電極面の欠陥検査装置の構成を示すブロック図である。
【図3】フラックスゲート型磁気検出素子と励磁部と信号処理部を示す構成図である。
【図4】燃料電池の欠陥を検査する状態の説明図である。
【図5】実施例1に係る燃料電池の電極面の欠陥検査処理を示すフロー図である。
【図6】等高線図の説明図である。
【図7】欠陥を検知した場合の表示例を示す説明図である。
【図8】実施例2に係る燃料電池の電極面の欠陥検査処理を示すフロー図である。
【図9】実施例3に係る燃料電池の電極面の欠陥検査処理を示すフロー図である。
【図10】実施例4に係る燃料電池の電極面の欠陥検査装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0044】
1 センサユニット
2 コントロールボックス
10,10-1~10-2N フラックスゲート型磁気検出素子
11 磁心
12 励磁用コイル
13 検出用コイル
20,20-1~20-N 信号処理部
50,50-1~50-N 励磁部
60 マイクロプロセッサ
61 入出力部
100,200 燃料電池の電極面の欠陥検査装置
F 燃料電池
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9