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明細書 :三次元画像表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4568643号 (P4568643)
公開番号 特開2006-349774 (P2006-349774A)
登録日 平成22年8月13日(2010.8.13)
発行日 平成22年10月27日(2010.10.27)
公開日 平成18年12月28日(2006.12.28)
発明の名称または考案の名称 三次元画像表示装置
国際特許分類 G02B  27/22        (2006.01)
G03B  21/00        (2006.01)
H04N  13/04        (2006.01)
FI G02B 27/22
G03B 21/00 D
H04N 13/04
請求項の数または発明の数 5
全頁数 13
出願番号 特願2005-172935 (P2005-172935)
出願日 平成17年6月13日(2005.6.13)
審査請求日 平成19年4月24日(2007.4.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】坂本 康正
個別代理人の代理人 【識別番号】100105924、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 賢樹
審査官 【審査官】林 祥恵
参考文献・文献 特開2005-099625(JP,A)
特開2000-019635(JP,A)
特開2004-040667(JP,A)
特開2001-119724(JP,A)
調査した分野 G02B 27/22
G03B 21/00
G09F 9/30
H04N 13/04
特許請求の範囲 【請求項1】
駆動機構と、
発光素子を含み、前記駆動機構の駆動により回転軸周りに回転させられる発光表示部と、
前記発光表示部により表示される三次元画像の背景を表示するための投射表示部であって、光が投射される投射面を含み、前記発光表示部の回転運動により画定される発光表示可能領域と前記投射面とが前記投射面を観察したときに重なって観察され、前記投射面は前記発光表示可能領域に包囲され前記回転軸を包囲し、前記発光表示可能領域の背後の視界を遮るように配設される投射表示部と、
を備えることを特徴とする三次元画像表示装置。
【請求項2】
前記発光表示部は、前記発光素子の周囲に露出された発光素子支持面を含み、
前記投射表示部の前記投射面の反射輝度は、前記発光素子支持面の反射輝度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の三次元画像表示装置。
【請求項3】
前記投射面に画像を投影する画像投影機をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の三次元画像表示装置。
【請求項4】
駆動機構と、
所定の回転軸周りに回転可能に前記駆動機構に連結された支持部材と、
前記駆動機構の駆動に伴って前記支持部材とともに前記回転軸の周りを回転する複数の発光素子を含み、前記複数の発光素子の回転により発光表示可能領域を画定する発光素子列と、
前記発光表示可能領域に表示される三次元画像の背景を表示し前記発光表示可能領域の背後の視界を遮るために設けられており、前記発光表示可能領域に包囲され前記回転軸を包囲するスクリーンと、
を備えることを特徴とする三次元画像表示装置。
【請求項5】
前記回転軸からの放射方向において互いに異なる位置に配設された複数の前記発光素子列と、前記スクリーンに画像を投影する画像投影機とをさらに備えることを特徴とする請求項に記載の三次元画像表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元画像表示装置に関し、特に、駆動機構の駆動により発光素子が運動させられることにより三次元画像を表示させる三次元画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体画像を表示する多数の技術が提示されており、ホログラフィを用いるものや、人間の両目の視差を利用するものなど様々な技術が提案されている。このような立体画像表示技術は、広告等を表示するディスプレイ装置としての利用など、多様な用途に用いられうる。立体画像を表示する装置としては、本出願人が提案する、回転自在な支持部材に表示パネルを配置し、支持部材の回転に伴って表示パネル上の発光素子を予定の位置で三次元画像に対応させて点灯させることで、三次元画像を観察可能にしたものなどがある(例えば、特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2004-40667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人の提案する三次元画像表示装置に表示される三次元画像は、従来の他の方式により表示される立体画像に比較して、より多くの方向から観察可能である。たとえば、支持部材の外部のどの方向からも、看者は三次元画像を観察することができる。しかし、実用化に際しては、たとえば臨場感のある三次元画像を表示できる等の、より多様な映像表現を可能とすることが望まれる。
【0004】
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、実用的な三次元画像表示装置を実現するための一つの観点として、多様な映像表現を可能とする三次元画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の三次元画像表示装置は、駆動機構と、発光素子を含み、駆動機構の駆動により運動させられる発光表示部と、光が投射される投射面を含み、発光表示部の運動により画定される発光表示可能領域と投射面とが、投射面を観察したときに重なって観察されるように配設される投射表示部と、を備える。
【0006】
この態様によれば、発光表示可能領域に表示される画像と投射面に表示される画像とが重ね合わされた三次元画像を観察することができる。このように異なる画像表示方式を併用することにより、より多様な映像表現が可能となり、たとえば、臨場感のある三次元画像を表示することが可能となる等、実用的な三次元画像表示装置が提供される。
【0007】
発光表示部は、所定の回転軸周りに回転させられ、投射表示部は、投射面の少なくとも一部が発光表示部よりも回転軸に近接して配設されてもよい。このようにすれば、発光表示部により表示される画像よりも回転半径方向に関して内側に設けられた投射表示部に画像を表示することができるので、たとえば、発光表示部に表示される画像の背景を投射表示部に表示する等、臨場感のある三次元画像を表示することが可能となる。
【0008】
発光表示部は、回転軸からの距離が異なる複数の発光素子を含み、投射表示部は、発光表示部により表示される三次元画像の背景を所定の画像投影機から画像が投影されることにより表示してもよい。このようにすれば、発光表示部により三次元画像を表示しつつ投射表示部により三次元画像の背景を表示することができるので、現実の世界により近似して見える三次元画像が表示される。よって、臨場感のある三次元画像を観察することができるようになる。
【0009】
発光表示部は、発光素子の周囲に露出された発光素子支持面を含み、投射表示部の投射面の反射輝度は、発光素子支持面の反射輝度よりも高くてもよい。このようにすれば、投射面に向けられた光束を発光表示部の回転により発光素子支持面が通過するときに、投射面によって反射される光のほうが、発光素子支持面によって反射される光よりも強くなる。このため、発光表示部に表示される画像と投射表示部に表示される画像とが重なり合った三次元画像を、より明瞭に観察することができる。
【0010】
また、投射面に画像を投影する画像投影機をさらに備えてもよい。この態様によっても、発光表示可能領域に表示される画像と投射面に投影される画像とが重なり合った画像を観察することができる。
【0011】
また、本発明の三次元画像表示装置は、駆動機構と、所定の回転軸周りに回転可能に駆動機構に連結された支持部材と、駆動機構の駆動に伴って支持部材とともに回転軸の周りを回転する複数の発光素子を含み、複数の発光素子の回転により発光表示可能領域を画定する発光素子列と、発光表示可能領域に包囲されるように回転軸の近傍に配設されるスクリーンと、を備えてもよい。
【0012】
この態様によれば、回転軸の近傍に配設されるスクリーンを包囲する発光表示可能領域に、発光素子列の回転により画像が表示される。このとき、観察者は、発光素子列により発光表示可能領域に表示される画像の背後にスクリーンを見ることができる。したがって、発光素子列とスクリーンとを併用して、より多様な映像表現をすることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、たとえば臨場感のある三次元画像を表示させる等、多様な映像表現が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、引き続き図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について説明する。図1は、本実施形態に係る三次元画像表示装置100に三次元画像を表示した状態を示す模式図である。本実施形態に係る三次元画像表示装置100の構成および作用の理解を容易にするために、まず最初に図1を参照して、三次元画像表示装置100の動作中の状態を説明する。
【0015】
三次元画像表示装置100は、ベース2、テーブル3、スクリーン25、および画像投影機30を含んで構成される。円板状のテーブル3は、ベース2に対して回転自在に連結されている。テーブル3は、図2を参照して後述するように、ベース2の内部に設けられた駆動機構によって、円板状のテーブル3の中心軸を回転軸として回転方向Tに回転させられる。
【0016】
円筒形のスクリーン25は、テーブル3の回転軸と同軸にテーブル3の上面の中心部に固定されている。スクリーン25の円筒面には、投影面27が形成されている。矢印Pで示されるように、投影面27に向けて画像投影機30から画像が投影される。画像投影機30は、投影面27の大きさに相当する画像を投影することができるように、スクリーン25から離隔して配設されている。
【0017】
テーブル3の上面においては、さらに、スクリーン25の外側からテーブル3の外周部にわたって、図2および図3を参照して後述するように、複数の表示板16が固定されている。各々の表示板16には、複数の発光ダイオードユニット42が固定されている。複数の表示板16が、テーブル3とともに回転させられることにより、スクリーン25の外側にスクリーン25を包囲するようにドーナツ状の発光表示可能領域35が画定される。したがって、投影面27を観察したときに、投影面27と発光表示可能領域35とは重なって観察される。なお、図において、発光表示可能領域35は、一点鎖線に囲まれる領域として示される。また、各表示板16は三次元画像表示装置100の動作中には高速に回転しているために、図1においては示されていない。
【0018】
発光表示可能領域35において、複数の発光ダイオードユニット42の各々は、テーブル3の回転とともに、表示されるべき三次元画像に対応して明滅する。そうすると、残像効果により発光表示可能領域35に三次元画像を観察することができる。そして、本実施形態では、発光表示可能領域35に表示される三次元画像の背景が、スクリーン25の投影面27に画像投影機30から投影される。
【0019】
たとえば、図1に示されるように、発光表示可能領域35には自動車80の三次元画像を表示し、スクリーン25には、その背景となる山々や青空、太陽などの静止画を表示することができる。そうすると、背景が表示されることにより、単に自動車80のみを表示するのと比較して、臨場感のある三次元画像を観察することができる。あるいは、発光表示可能領域35に魚が泳いでいる様子を三次元の動画で表示し、それとともに背景となる水中の画像をスクリーン25に表示して、水中を泳ぐ魚を臨場感のある三次元画像として表示することもできる。
【0020】
次に、図2および図3を参照して、本実施形態に係る三次元画像表示装置100の構成および作用を詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る三次元画像表示装置100の回転軸を含む断面を示す概略断面図である。図3は、本実施形態における表示板16の平面配置を示す平面図である。
【0021】
ベース2は円板状の天板21および底板22と、天板21および底板22をそれらの外周部において固定して接続する円筒状の側板23とを有する。テーブル3の中心部からは、テーブル3の中心部に上端を固定された回転伝達軸5が下方に延びている。回転伝達軸5は、天板21を貫通してベース2の内部へ下方に延びる。回転伝達軸5の上部は、天板21に固定された軸受6により天板21に回転自在に支持される。回転伝達軸5の下部は、底板22に固定された軸受6により底板22に回転自在に支持される。
【0022】
回転伝達軸5の中央部にはギヤ7が同軸に結合される。ギヤ7には、モータ用ピニオン9が回転運動を伝達することができるように噛み合わされている。底板22にはモータ8が固定されている。モータ用ピニオン9はモータ8の出力軸に同軸に固定され、モータ8の駆動により回転させられる。また、ギヤ7には、エンコーダ用ピニオン11が回転運動を伝達することができるように噛み合わされている。エンコーダ用ピニオン11は、底板22に固定されたロータリエンコーダ10に回転運動を伝達することができるように同軸に固定されている。本実施形態においては、回転伝達軸5、ギヤ7、軸受6、モータ用ピニオン9、およびモータ8によりテーブル3を回転させる駆動機構が構成される。
【0023】
このように構成されることにより、モータ8が駆動されるとモータ用ピニオン9が回転させられる。モータ用ピニオン9の回転は、ギヤ7を介して、回転伝達軸5に伝達される。回転伝達軸5はベース2に回転自在に支持されるとともに、テーブル3の中心部に固定されている。したがって、回転伝達軸5の回転により、テーブル3は、回転伝達軸5を回転軸として図3に示される回転方向Tに回転させられる。そして、スクリーン25および各表示板16は、テーブル3とともに回転させられる。また、テーブル3の回転角度は、ギヤ7およびエンコーダ用ピニオン11を介して、ロータリエンコーダ10により検出される。なお、テーブル3は、例えば、600rpmで回転させられる。
【0024】
さて、テーブル3の上には、スクリーン25および複数の表示板16が固定されている。テーブル3はスクリーン25および表示板16の支持部材である。各表示板16は、テーブル3の回転軸と平行な方向にテーブル3の上面から上方に垂直に延びている。各表示板16には、複数の発光ダイオードユニット42がテーブル3の回転軸と平行な方向に一列に並べられている。各表示板16は、三次元画像表示装置100の仕様に応じて必要な個数の発光ダイオードユニット42を並べることができるような長さと幅を有する。各表示板16の発光ダイオードユニット42が並べられた面は、テーブル3の半径方向外側を向いている。
【0025】
なお、各表示板16の外部に露出した表面は黒色とされている。これは、各発光ダイオードユニット42から発せられる光と、各発光ダイオードユニット42の周囲において外部に露出した各表示板16の表面とのコントラストを高めて、表示される三次元画像を観察しやすくするためである。また、各表示板16が画像投影機30により方向Pからスクリーン25に向けて投影される画像をテーブルの回転により通過するときに、各表示板16の表面に映される画像が目立たないようにするためでもある。
【0026】
複数の発光ダイオードユニット42の各々は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および青色発光ダイオードを含み、赤色、緑色、および青色の三原色を適宜発光することにより任意の色の光を発光することが可能となるように構成されている。
【0027】
図3に示されるように、テーブル3の上には複数の表示板16からなる第1表示板群51および第2表示板群52が配置される。第1表示板群51においては、最も回転軸に近接した表示板(以下、これを「第1最内部表示板」という。他の表示板群においても同様とする。)61から最も回転軸から離隔した表示板(以下、これを「第1最外部表示板」という。他の表示板群においても同様とする。)71へと順に、角度が一定量増加するたびに回転軸からの距離も一定量増加して外周部に近づいていくように、各表示板16は、らせん状に配列されてテーブル3上に固定されている。たとえば、角度は8度ずつ増加し、回転中心からの距離は7mmずつ増加する。第2表示板群52の各表示板16も、第1表示板群51と同様にテーブル3上に固定されている。
【0028】
第1最内部表示板61および第2最内部表示板62は、ともにテーブル3の回転軸からの距離が等しく、180度の角度間隔で、回転軸に関して対称に設けられている。第1最外部表示板71および第2最外部表示板72も、同様に、回転軸に関して対称に設けられている。同様に、他の表示板16のそれぞれにも、回転軸に関して対称に設けられた表示板16が存在する。すなわち、第1表示板群51と第2表示板群52とは、回転軸に関して対称に配置されている。
【0029】
モータ8の回転に伴い、テーブル3とともに各表示板16が回転させられると、各表示板16の高さ、第1最内部表示板61および第2最内部表示板62の回転半径、および第1最外部表示板71および第2最外部表示板72の回転半径により画定されるドーナツ状領域が、各発光ダイオードユニット42の明滅により三次元画像を表示することができる発光表示可能領域35となる。
【0030】
スクリーン25は、円筒状に形成され、その中心軸をテーブル3の回転軸と一致させてテーブル3上に固定されている。スクリーン25の半径方向外側を向く面には、画像投影機30から投影される画像を表示するための投影面27が形成されている。投影面27が第1最内部表示板61および第2最内部表示板62よりもテーブル3の回転軸に近接するように、スクリーン25は配設されている。投影面27を観察したときに、投影面27と発光表示可能領域35とは重なって観察される。
【0031】
なお、投影面27の反射輝度は、画像投影機30から投影される画像を明瞭に表示することができるように、各表示板16の外部に露出した表面の反射輝度よりも高くなるように表面の材質や色が選択される。なお、ここで、反射輝度とは、投影面27に垂直に光を投射したときに反射してくる光の輝度をいう。
【0032】
図2に示されるように、テーブル3の上には、さらに、各発光ダイオードユニット42を制御するためのマイクロコンピュータやその周辺要素を含む制御装置17が設けられる。また、テーブル3の中心部には、制御装置17に電源やロータリエンコーダ10からの信号を供給するためのロータリコネクタ18が設けられる。
【0033】
ロータリコネクタ18は、回転部48と固定部49とを含んで構成される。図示されない電源等から各表示板16や制御装置17等に接続される給電等のケーブルは、中空とされた回転伝達軸5の内部に設けられるケーブル導入部50を通じてロータリコネクタ18の固定部49に接続される。ロータリコネクタ18の固定部49と回転部48とは、電気的に接続された状態で所定の軸周りに互いに回転自在に接続されている。ロータリコネクタ18の回転部48と各表示板16等とは図示されないケーブルで接続される。回転部48が回転伝達軸5と同軸に配設されるように、固定部49はケーブル導入部50に固定される。
【0034】
このため、テーブル3が回転しても、ケーブル導入部50に固定された固定部49は回転しない。一方、回転部48は、テーブル3に固定された各表示板16等とケーブルで接続されているので、テーブル3の回転に伴って回転する。回転部48と固定部49とは電気的に接続されているので、テーブル3の回転中であっても各表示板16等に給電等を行うことができる。
【0035】
このように構成されることにより、テーブル3がモータ8等からなる駆動機構により回転させられる間、制御装置17は、ロータリエンコーダ10により検出されたテーブル3の回転角度に基づいて、各表示板16上の各発光ダイオードユニット42を、表示されるべき三次元画像に対応させて点灯または消灯させるように、それぞれの発光ダイオードユニット42に制御信号を送信する。その結果、テーブル3上の発光表示可能領域35には、三次元画像表示装置100の外部のどの方向からでも観察することができる三次元画像が表示される。それとともに、スクリーン25の投影面27に向けて画像投影機30から、発光表示可能領域35に表示される三次元画像の背景となる画像が投影される。
【0036】
本実施形態においては、テーブル3が高速に回転させられるために各表示板16は視認されにくいので、各表示板16により発光表示可能領域35に表示される三次元画像は、発光表示可能領域35の内部の空間に浮かんでいるように見える。よって、仮に円筒状のスクリーン25が設けられていなければ、視線方向において三次元画像表示装置100を越えたところに存在し三次元画像とは何ら関係のない物が視界に入ってしまうことがある。
【0037】
ところが、本実施形態においては、視線方向においてスクリーン25の手前に表示される三次元画像を観察するときに、三次元画像表示装置100を越えたところに存在する無関係な物が視界に入ることがスクリーン25によって抑制される。投影面27が発光表示可能領域35に重なって観察されるように配設されているためである。したがって、表示される三次元画像を観察するときに無関係の物が視界に入りにくくなるので、観察者はより臨場感をもって三次元画像を観察することができる。そして、発光表示可能領域35に表示される三次元画像の背景を投影面27に投影すれば、より一層の臨場感のある画像を観察者は観察することができる。
【0038】
また、本実施形態では、発光表示可能領域35に三次元の動画を表示し、投影面27に背景となる静止画を表示している。このとき、残像効果を利用して発光表示可能領域35に画像を表示しているので、発光表示可能領域35には、静止画よりも動画を観察しやすく表示できる傾向がある。一方、投影面27に表示される画像は、画像投影機30を適宜選択することにより、明瞭な静止画を表示することも可能である。このように、本実施形態においては、発光による表示と投影による表示とを併用することによって、静止画と動画とを組み合わせた三次元画像を観察しやすく表示することができる。
【0039】
また、投影面27はテーブル3と同軸に回転する円筒面であるので、投影面27はテーブル3の回転方向の全周にわたって連続しており、かつ、テーブル3の回転中において画像投影機30と投影面27との距離は一定である。よって、あたかも静止している投影面27に画像を投影しているかのように、投影面27上には明瞭に画像が表示される。
【0040】
次に、図4を参照して、本実施形態の第1の変形例を説明する。図4は、本実施形態の第1の変形例に係る三次元画像表示装置100の回転軸を含む断面を示す概略断面図である。本変形例においては、スクリーン25および画像投影機30のかわりに、天井カバー37に固定された円筒表示板26が用いられる。先に説明した本実施形態と同様の箇所については、説明を適宜省略する。
【0041】
本変形例における三次元画像表示装置100は、ベース2の上に固定された天井カバー37および側面カバー38と、天井カバー37に固定された円筒表示板26とを含む。天井カバー37は、ベース2の天板21と同様の大きさの円板状に形成されている。側面カバー38は、回転伝達軸5と同軸の円筒状に形成されている。側面カバー38の内部の円柱状空間の半径は、テーブル3の回転を妨げないように、テーブル3の半径よりも若干長くなっている。側面カバー38の下端は、ベース2の天板21の上面の外周部に固定され、側面カバー38の上端は、天井カバー37の下面の外周部に固定されている。天井カバー37および側面カバー38は、表示される三次元画像を観察することができるように、ガラス、アクリル樹脂等の透明な材料で形成されている。
【0042】
天井カバー37の下面の中心部には、円筒表示板26が固定されている。円筒表示板26は、テーブル3の回転軸と同軸の円筒状に形成されている。円筒表示板26は、第1最内部表示板61および第2最内部表示板62よりもテーブル3の回転軸に近接して配設されている。
【0043】
円筒表示板26は、天井カバー37の下面の中心部からテーブル3に向けて下方に延びている。円筒表示板26および各表示板16のそれぞれの回転軸方向の長さはほぼ等しい。テーブル3および各表示板16の回転を妨げないように、円筒表示板26の下端とテーブル3とは接触していないし、各表示板16の上端と天井カバー37とは接触していない。
【0044】
また、円筒表示板26の半径方向外側を向く面には、複数の発光ダイオードユニット42が固定されている。複数の発光ダイオードユニット42は、円筒表示板26の上端から下端までテーブル3の回転軸と平行に一列に配列され、さらに、この一列に配列された発光ダイオードユニット42が、円筒状の表面の全周にわたって配列されている。したがって、天井カバー37および側面カバー38の外側から円筒表示板26の表面を観察したときに、発光表示可能領域35と円筒表示板26の画像表示可能領域とは、重なって観察される。
【0045】
このように構成することにより、テーブル3の回転中に制御装置17が各表示板16および円筒表示板26に設けられた発光ダイオードユニット42を明滅させると三次元画像が表示される。このとき円筒表示板26には、各表示板16に表示される三次元画像の背景を表示することができる。
【0046】
本変形例においては、円筒表示板26は、各表示板16よりも回転軸に近接して配設されているので、他の表示板16から発せられる光を円筒表示板26が遮ることがない。よって、円筒表示板26の表面の全域に発光ダイオードユニット42を密集させて配列することが可能であるので、円筒表示板26は、各表示板16により表示される三次元画像の背景を鮮明に表示することができる。
【0047】
画像投影機30およびスクリーン25を用いる場合には、画像投影機30からの光が投射されるスクリーン25上の領域にしか画像が表示されないが、本変形例においては、円筒表示板26の表面の全域に発光ダイオードユニット42を配列することができるので、円筒表示板26の表面の全域に画像を表示することができる。なお、もちろん、たとえば表示される画像を特定の方向から観察する場合には、その特定の方向に対応した一部の表面にだけ発光ダイオードユニットを設けてもよい。
【0048】
また、円筒表示板26は天井カバー37に固定されており回転しないので、スクリーン25をテーブル3に固定するのに比べてモータ8への負荷が小さい。さらに、画像投影機30を設置する必要がないので、三次元画像表示装置を小型化し、コストを低減することができる。
【0049】
次に、図5を参照して、本実施形態の第2の変形例を説明する。図5は、本実施形態の第2の変形例に係る三次元画像表示装置100に三次元画像を表示した状態を示す模式図である。第2の変形例においては、第1の変形例と同様に天井カバー37および側面カバー38が設けられ、スクリーン25は天井カバー37に固定されている。図5においては、理解を容易にするために天井カバー37および側面カバー38は図示しない。なお、先に説明した本実施形態と同様の箇所については、説明を適宜省略する。
【0050】
第2の変形例においては、スクリーン25は平板状に形成される。スクリーン25の上端は、天井カバー37の下面の中心部に固定される。スクリーン25は、天井カバー37の中心部からテーブル3の上面の中心部に向けて延びている。スクリーン25の下端とテーブル3の上面との間にはテーブル3の回転を妨げないように間隙が設けられ、スクリーン25とテーブル3とは接触していない。
【0051】
また、第1最内部表示板61および第2最内部表示板62の回転を妨げないように、スクリーン25は第1最内部表示板61および第2最内部表示板62よりも回転半径方向において内側に設けられる。ロータリコネクタ18は、テーブル3の上面に固定してもよいが、スクリーン25の回転軸方向の長さを長くしたいときには、たとえば回転伝達軸5の下端側に設けてもよい。
【0052】
スクリーン25の一方の面には投影面27が形成される。スクリーン25は発光表示可能領域35に包囲されているため、投影面27とドーナツ状の発光表示可能領域35とは重なって観察される。表示される三次元画像の背景となる画像が画像投影機30から投影面27に投影される。なお、スクリーン25の両面に投影面27を形成し、それぞれの投影面に画像が投影されるようにしてもよい。
【0053】
スクリーン25は天井カバー37に固定されており、テーブル3とは接触していないので、テーブル3が回転してもスクリーン25は回転しない。よって、投影面27に背景を鮮明に表示することができる。スクリーン25が円筒形である場合には、投影される画像が湾曲してしまうが、本変形例ではスクリーン25は平板であるので投影される画像が湾曲しない点で好ましい。
【0054】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0055】
本実施形態においては、発光素子として発光ダイオード(LED)を用いたが、これに限られず、たとえば、有機ELや液晶を用いた表示器など、画像を表示するための画素として光を発することができるものであればよい。また、本実施形態では、三原色の発光により所望の色の光を発することができるようにされているが、これに限られず、たとえば、単色の発光であってもよい。
【0056】
また、本実施形態においては、投射面としての投影面27は、発光表示部としての各表示板16の回転により画定される発光表示可能領域35よりも回転軸に近接して設けられているが、これに限られない。投射面を観察したときに発光表示可能領域35と投射面とが重なって観察されるように投射表示部が設けられていればよい。
【0057】
たとえば、発光表示可能領域35の内部に包含されて投射面が設けられてもよい。一例として、各表示板16の回転半径方向外側を向く面等の発光表示部において外部に露出された面に投射面を形成してもよい。
【0058】
また、投射表示部を発光表示部よりも回転軸から離隔して設けてもよい。たとえば、回転軸の近傍から投射表示部を観察したときに発光表示可能領域と投射面とが重なって観察されるように、発光表示部を包囲するように投射表示部を設けてもよい。
【0059】
あるいは、発光表示部を支持する、たとえばテーブル3等の支持部材の表面に投射面を形成してもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、投影面27は、回転軸方向から見たときの断面が円形であるが、これに限られない。たとえば、直線、あるいは菱形等の多角形であってもよいし、楕円等の曲線であってもよく、適宜選択することができる。また、投射面が回転方向の全周にわたって連続に設けられると、投射面が発光表示部とともに回転しない場合であっても任意の方向から光を投射することができるので好ましい。投射面が発光表示部とともに回転する場合には、投射面は回転に伴って所定の頻度で任意の方向を向くので、投射面は回転方向の全周にわたって設けられていない不連続な形状であってもよい。
【0061】
投射表示部に背景を表示する場合には、投射面の全部が発光表示部よりも回転軸に近接して設けられている必要はなく、投射面の少なくとも一部が発光表示部よりも回転軸に近接して設けられていればよい。この場合には、発光表示部よりも回転軸に近接して設けられた投射面の一部分に、背景に相当する画像を表示させることが好ましい。
【0062】
本実施形態においては、画像投影機30は、スクリーン25の外部から投影面27に向けて画像を投影しているが、スクリーン25の内部に画像投影機30を設けてスクリーン25の内面に投射面を形成し、画像を投影してもよい。この場合には、スクリーン25の内部に投影された画像を外部から観察することができるように、いわゆるリアタイプスクリーンを用いることが好ましい。
【0063】
本実施形態の変形例のように天井カバー37および側面カバー38等のカバーを設けた場合に、画像をカバーの外部から投影するときは、カバーの表面に、たとえば反射防止膜を形成する等の反射防止処理を行うことが好ましい。
【0064】
また、本実施形態では一つの画像投影機30が設けられているが、これを複数設け、発光表示部の回転方向に関して投射表示部の全周に画像が表示されるようにしてもよい。
【0065】
本実施形態においては、投射面として円筒形のスクリーン25の投影面27を用い、画像投影機30から投影面27に画像を投影したが、これに限られない。たとえば、画像投影機30を用いずに、表示したい特定の画像が予め描かれたスクリーン等の表示部を採用することもできる。この場合、表示部の一方の表面から他方の表面に光が透過可能であって、一方の表面が投射面として形成されたスクリーンと、投射面に光を投射するバックライト投射機とを用いてもよい。このようにすれば、バックライト投射機から光を投射してスクリーンに描かれた画像の視認性を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、発光表示部としての各表示板16は、駆動機構により回転させられて発光表示可能領域35を画定するようになっているが、本発明はこれに限られず、駆動機構の駆動により運動させられて発光表示可能領域を画定するものであればよい。発光表示部が、例えば、レーストラック状等の、周回運動をさせられることにより発光表示可能領域35を画定するものであってもよいし、あるいは、発光表示部が往復動することにより発光表示可能領域35を画定するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態に係る三次元画像表示装置に三次元画像を表示した状態を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係る三次元画像表示装置の回転軸を含む断面を示す概略断面図である。
【図3】本実施形態における表示板の平面配置を示す平面図である。
【図4】本実施形態の第1の変形例に係る三次元画像表示装置の回転軸を含む断面を示す概略断面図である。
【図5】本実施形態の第2の変形例に係る三次元画像表示装置に三次元画像を表示した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
2 ベース、 3 テーブル、 8 モータ、 16 表示板、 17 制御装置、 25 スクリーン、 26 円筒表示板、 27 投影面、 30 画像投影機、 35 発光表示可能領域、 42 発光ダイオードユニット、 100 三次元画像表示装置。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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