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明細書 :入浴補助装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4621626号 (P4621626)
公開番号 特開2007-289289 (P2007-289289A)
登録日 平成22年11月5日(2010.11.5)
発行日 平成23年1月26日(2011.1.26)
公開日 平成19年11月8日(2007.11.8)
発明の名称または考案の名称 入浴補助装置
国際特許分類 A61H  33/00        (2006.01)
FI A61H 33/00 310P
請求項の数または発明の数 5
全頁数 11
出願番号 特願2006-118422 (P2006-118422)
出願日 平成18年4月21日(2006.4.21)
審査請求日 平成20年10月28日(2008.10.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】郭 清蓮
【氏名】永瀬 宏
【氏名】小林 伸明
【氏名】谷 正史
個別代理人の代理人 【識別番号】100105924、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 賢樹
審査官 【審査官】岩田 洋一
参考文献・文献 特開平08-336482(JP,A)
特開2002-369851(JP,A)
特開2006-068153(JP,A)
実開昭62-002696(JP,U)
特開2006-087718(JP,A)
特開2006-7812(JP,A)
特開2000-318584(JP,A)
特開2001-278014(JP,A)
特開2000-247214(JP,A)
調査した分野 A61H 33/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被洗者の背中を洗うための入浴補助装置であって、
洗浄時に前記背中の異なる部位にそれぞれ当接して使用される複数の洗浄部材と、
前記複数の洗浄部材を運動させることにより前記被洗者の背中を洗浄させるとともに、前記複数の洗浄部材のそれぞれを前記被洗者の背中に対して個別に前後移動させる作動機構と、
前記複数の洗浄部材が前記作動機構を介して取り付けられる洗浄台と、
前記被洗者の背中と前記複数の洗浄部材のそれぞれとの個別の距離を表す照準データを取得するデータ取得部と、
前記複数の洗浄部材を通じて前記背中に加わる押圧力が所定の値になるよう、前記照準データによって表される距離に応じて前記複数の洗浄部材のそれぞれが前後移動すべき量を取得して前記作動機構を制御する作動制御部と、
を備えることを特徴とする入浴補助装置。
【請求項2】
前記照準データから前記距離を求める解析部をさらに備え、
前記データ取得部は、前記照準データとして、前記被洗者の背中と前記複数の洗浄部材のそれぞれが含まれるように側面の方向から撮影した画像を示す画像データを取得し、
前記解析部は、該画像データから前記距離を求め、
前記作動制御部は、前記解析部により求められた距離に応じて前記制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の入浴補助装置。
【請求項3】
前記洗浄部材が前記背中に当接するときの圧力を測定するタッチセンサをさらに備え、
前記作動制御部は、該タッチセンサによる測定値に応じて前記洗浄部材の移動量を微調整することを特徴とする請求項1または2に記載の入浴補助装置。
【請求項4】
前記洗浄台は、壁掛け機構を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の入浴補助装置。
【請求項5】
前記壁掛け機構は、設置壁面に取り付けられるレールと、前記レールに沿って前記洗浄台を少なくとも上下方向に移動する滑走部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の入浴補助装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、入浴の際に使用する入浴補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や身体障害者などは、一人での入浴、特に自身の背中を洗うことが困難である。そのため、近親者に一緒に浴室に入ってもらい、近親者に背中を洗ってもらうか、福祉サービスを利用して介助ヘルパーに背中を洗ってもらうなどのことが行われている。
【0003】
しかしながら、一緒に入浴する近親者がいない場合には、高齢者などは、入浴する際に無理をして自分で背中を洗うか、背中を洗うことを諦めるなど、不安全または不衛生の問題が生じうる。また、公的な福祉サービスを利用する場合には、制度上で毎日利用することができないという問題がある。さらに、軽度の障害の場合には公的な福祉サービスの対象にはならない。民間の福祉サービスを利用する場合においても、経済面の事情から頻繁な利用は非現実である。
【0004】
また、体質の改善、医療技術の進歩にともなって、高齢者は日常生活において自立したい要望が高まり、入浴など自分自身で行いたい傾向がある。また、入浴の介助は、介助者にとっても重労働であり、負担が大きい。
【0005】
そこで、器具を用いた背中洗浄に関する提案が種々行われている。たとえば、特許文献1に記載の装置は、椅子の背面にブラシロールが設けられ、回転しながら昇降運動することにより自動的に背中を洗うことができるようになっている。

【特許文献1】特開2003-265577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、被洗者の体格や背中の形状は様々である。また、洗浄時の姿勢は様々である。特に高齢者の場合、背筋を伸ばすことが困難である場合が多い。このような場合、ブラシロールが適切に被洗者の背中に当たらなかったり、必要以上に強くブラシロールが背中に当たってしまうことがある。その結果、十分な洗浄がされなかったり、洗浄時に被洗者に不快感を与えてしまうという場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入浴する際に、背中を洗うことを手助けし、入浴者自身または介助者の負担を軽減でき、快適に十分な洗浄ができる入浴補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、被洗者の背中を洗うための入浴補助装置に関する。この装置は、洗浄時に背中の異なる部位にそれぞれ当接して使用される複数の洗浄部材と、複数の洗浄部材を運動させることにより被洗者の背中を洗浄させるとともに、複数の洗浄部材のそれぞれを被洗者の背中に対して個別に前後移動させる作動機構と、複数の洗浄部材が作動機構を介して取り付けられる洗浄台と、被洗者の背中と複数の洗浄部材のそれぞれとの個別の距離を表す照準データを取得するデータ取得部と、複数の洗浄部材を通じて背中に加わる押圧力が所定の値になるよう、照準データによって表される距離に応じて複数の洗浄部材のそれぞれが前後移動すべき量を取得して作動機構を制御する作動制御部とを備える。
【0009】
なお、本発明をシステム、方法として表現したものも、本発明の態様としては有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の入浴補助装置によれば、入浴する際に背中を洗うことを手助けし、被洗者自身または介助者の負担を軽減しつつ、快適に十分な背中の洗浄を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の実施の形態にかかる入浴補助装置(入浴補助システム)100の概略構成、および使用時に被洗者10と入浴補助システム100の位置関係を示す図である。
【0012】
この入浴補助システム100は、被洗者の背中を洗うためのものであり、たとえば浴室に設置される。なお、入浴補助システム100の浴室における設置場所は、特に限定されないが、背中を洗った後に洗い流すことを考慮して、シャワーや浴槽の近くが望ましい。
【0013】
入浴補助システム100は、洗浄装置50と、カメラ68と、解析部70と、操作板90を有する。
【0014】
洗浄装置50は、たとえば壁掛け機構を含み、浴室の壁(設置壁面)に装着することができる。壁掛け機構は、具体的には、固定壁面に固接されたレール80(図2参照)と、そのレール80に沿って洗浄台52を少なくとも上下方向に移動させるたとえばローラなどで構成される滑車部53(図5参照)を含み、洗浄の上下位置を調整できるようにすることができる。この機構により、被洗者10の背丈に応じて洗浄装置50の位置調整が容易にできる。また、起立姿勢で洗浄するか、椅子などに腰掛けた着座姿勢で洗浄するかの選択が容易にできるとともに、適切な洗浄位置調整ができる。
【0015】
操作板90は、使用の開始、停止、洗浄装置50の上下位置の調整などを行うものであり、洗浄装置50と同じく壁に装着されてもよい。なお、操作板90は、リモートコントロール式であってもよく、被洗者10が操作しやすいように、洗浄装置50の近くに設置されることが望ましい。
【0016】
データ取得部として機能するカメラ68は、被洗者10の背中の側面と、洗浄装置50の側面の両方を同じ画像に撮像できるように設置される。図1に示す例では、洗浄装置50と被洗者10を側方から見る方向で設置されており、設置場所は、たとえば洗浄装置50が設けられた壁と垂直な壁である。図2と図3は、入浴補助システム100使用時におけるカメラ68の視野の例を示す。図2は、被洗者10が立った姿勢で背中を洗う場合の例であり、図3は、被洗者10が座った姿勢で背中を洗う場合の例である。なお、図2と図3は、洗浄装置50がレール80を介して固定壁面に装着され、洗浄装置50全体の位置が上下方向に調整可能であることを例示している。
【0017】
解析部70は、カメラ68が撮像した画像データを解析して、被洗者10と洗浄装置50との間のおおよその距離や、被洗者10の背中の傾きまたは彎曲具合を表しうる縦方向の形状などを得るとともに、背中の形状に基づいて背中の各部位と、洗浄装置50に設けられた洗浄部材との距離ないし洗浄部材の移動すべき量(それらの詳細については後述する)を求める。なお、解析部70は、たとえば解析プログラムを実装したコンピュータであり、それによる処理の詳細については後述する。
【0018】
図4は、被洗者10側から見た洗浄装置50を示し、図5は、洗浄装置50の側面の一部を示す。図示するように、洗浄装置50において、洗浄台52の上に複数の洗浄部材ここでは例としてブラシ54が設けられている。ブラシ54は、装着部56により洗浄台52に装着される。なお、ブラシ54は運動可能に設けられている。この例において、ブラシ54は回転可能に設けられており、装着部56は、ブラシ54の回転軸を兼ねている。さらに、洗浄装置50において、それぞれのブラシ54に対してタッチセンサ58が設けられており、これらのタッチセンサ58は、ブラシ54の先端が受けた圧力を測定することができる。なお、装着部56は、伸縮可能な機構を有しており、その伸縮によって、ブラシ54と洗浄台52の距離を調整する。なお、ブラシ54は、回転の代わりに、たとえば、数cmの幅で振動するものであってもよい。また、回転と振動の両方を同時または選択的に行うものであってもよい。
【0019】
洗浄装置50は、洗浄装置50の前述した各構成を制御するコントローラを有し、このコントローラはたとえば洗浄台52に内蔵するように設けられている。図6は、コントローラ60と、洗浄台52、装着部56、ブラシ54、タッチセンサ58との接続関係を示す。
【0020】
コントローラ60は、下記の処理を行う:1.被洗者10または介助者が操作した操作板90の指示にしたがって洗浄台52をレール80に沿って移動させ、その上下位置を調整する。2.解析部70の解析結果を取得し、その結果に基づいて装着部56に伸縮を行わせる。3.タッチセンサ58の測定結果に基づいて、装着部56を伸縮させる。4.洗浄時に装着部56を回転させることによってブラシ54を回転させる。
【0021】
なお、洗浄装置50は、上記処理を実行するための駆動部(図示せず)たとえばDCモータを有し、コントローラ60は、駆動部を介して上記の処理を実現する。
【0022】
ここで、上記処理2および処理3、すなわち解析部70の解析結果に基づいて装着部56を伸縮させる処理と、タッチセンサ58の測定結果に基づいて装着部56を伸縮させる処理を、解析部70の処理とともに説明する。
【0023】
解析部70は、まず、カメラ68により取得した、被洗者10の側面と、洗浄装置50の側面を含む画像を用いて、被洗者10と洗浄装置50間の平均距離Davを求める。そして、この平均距離Davを所定の閾値D0と比較して、比較結果に応じた処理を行う。
【0024】
平均距離Davが閾値D0より大きい場合には、解析部70は、被洗者10が洗浄装置50から離れすぎたとして、それを示す信号を洗浄装置50に提供する。
【0025】
被洗者10が移動した後に再度操作板90のたとえば開始ボタンを再度押下すると、カメラ68は再度撮像を行い、画像を解析部70に提供する。解析部70は、この画像を用いて再度平均距離Davを求める。
【0026】
一方、平均距離Davが閾値D0以下である場合には、解析部70は、さらに、洗浄装置50の各ブラシ54が移動すべき距離ΔDi(i:ブラシ54の番号)を求めて、洗浄装置50に出力する。ブラシ54は、被洗者10の背中に当接して使用されるので、ブラシ54の位置を調整することによって、ブラシ54が被洗者10の背中に与える圧力を調整することができる。ここでは、解析部70は、各ブラシ54が被洗者10の背中に与える圧力が所定の目標値に均一になるようにブラシ54の移動距離ΔDiを求める。なお、この目標値は、あらかじめ設定された値であり、固定値であってもよいが、被洗者10が自分の好みに応じて設定可能になっていることが好ましい。
【0027】
洗浄装置50のコントローラ60は、解析部70から送信されてきた各ΔDi通りに、装着部56を伸縮させて、ブラシ54の位置を調整する。
【0028】
この調整の後、ブラシ54は、被洗者10の背中に当接するようになる。ここで、コントローラ60は、さらにブラシ54の位置を微調整する。この微調整は、ブラシ54の先端に設けられたタッチセンサ58の測定値に応じて行う。タッチセンサ58が測定した力はブラシ54が受けた反力であり、その大きさはブラシ54が背中に与えた圧力と同じである。コントローラ60は、タッチセンサ58の測定値に応じて、それぞれの測定値が目標値になるように装着部56を伸縮させることによってブラシ54の位置を微調整する。
【0029】
これらの調整の後、コントローラ60は回転軸を兼ねる装着部56を回転させることによってブラシ54を回転させ、洗浄を開始する。
【0030】
次に解析部70の解析処理を具体的に説明する。まず、平均距離Davを求める処理について説明する。
【0031】
平均距離Davを求める処理は、下記の手順で行われる。なお、ここでは、被洗者10が立ち姿勢である場合を例にする。
【0032】
1.画像から被洗者10の輪郭線を抽出する。
ここで、輪郭線の抽出は、たとえば肌色領域を検出し、検出した肌色領域の輪郭線を被洗者10の輪郭線とする。
【0033】
2.抽出した輪郭線が囲む領域の外接長方形領域(図7に示す長方形領域B。以下人体全領域という)を得て、この人体全領域Bに含まれる画像に対してエッジ検出を行って、2値化処理をする。これにより、人体全領域Bの2値画像が得られる。
【0034】
3.人体全領域Bの2値画像において、縦方向の中心線mによって人体全領域Bを上下2つに分け、上半身領域と下半身領域を得る。
【0035】
4.上半身領域に対して、上半身の傾きを示しうる固有ベクトルの抽出を行い、上半身姿勢ベクトルVupを得る。下半身領域に対して、下半身の傾きを示しうる固有ベクトルの抽出を行い、下半身姿勢ベクトルVdownを得る。
【0036】
5.上半身姿勢ベクトルVupと下半身姿勢ベクトルVdownの中心線mにおける交差点を、被洗者10の重心位置Pとして取得する。
【0037】
6.被洗者10と洗浄装置50間の平均距離Davとして、重心位置Pから洗浄台52までの距離を算出する。
【0038】
次に、各々のブラシ54の移動すべき距離ΔDiを求める処理について説明する。この処理は、平均距離Davが閾値D0以下である場合においてなされ、この平均距離Davを求める際に得られた上半身姿勢ベクトルVupと下半身姿勢ベクトルVdowm、重心位置P、およびブラシ54の高さHiを用いて下記の手順で行われる。
【0039】
1.i番目のブラシ54の高さHiと、重心位置Pの縦方向の高さを用いて、このブラシ54と重心位置Pの間の距離Dhiを求める。
【0040】
2.重心位置Pより上にあるブラシ54に対して、平均距離Dav、Vup、Dhiを用いて、このブラシ54の高さと同じ高さを有する背中の部位までの距離を求める。そして、この距離に基づいて、移動すべき距離ΔDiを求める。ここでは、上記距離を求める処理、およびその距離に基づいてΔDiを求める処理を統括して、下記の式(1)によりΔDiを求める。
ΔDi=f1(Dav,Vup,Dhi) (1)
3.重心位置Pより下にあるブラシ54に対して、平均距離Dav、Vdown、Dhiを用いて、このブラシ54の高さと同じ高さを有する背中の部位までの距離を求める。そして、この距離に基づいて、移動すべき距離ΔDiを求める。ここにおいても、上記距離を求める処理、およびその距離に基づいてΔDiを求める処理を統括して、下記の式(2)によりΔDiを求める。
【0041】
ΔDi=f2(Dav,Vdown,Dhi) (2)
以下、図8に示すフローチャートを参照して、図1に示す入浴補助システム100の使用時における処理の流れについて説明する。
【0042】
入浴補助システム100は、被洗者10または介助者が操作板90における「開始」ボタンを押下するなどの開始指示に応じて動作を開始する。まず、カメラ68は、撮像を行って、それによって得た画像を解析部70に送信する(S10)。解析部70は、カメラ68から送信されてきた画像を用いて、被洗者10と洗浄装置50間の平均距離Davを求めるとともに、平均距離Davと閾値D0の比較を行う(S14)。解析部70は、平均距離Davが閾値D0より大きい場合(S14:Yes)において、被洗者10が洗浄装置50から離れすぎることを示す信号を洗浄装置50に送信し、洗浄装置50のコントローラ60は、この信号に応じて、より洗浄装置50に近づくように被洗者10を誘導する(S16)。その後、被洗者10が移動後に再度行った開始指示に応じて、カメラ68による撮像(S10)からの処理が再度行われる。
【0043】
一方、平均距離Davが閾値D0以下である場合(S14:No)において、解析部70は、各ブラシ54が被洗者10の背中に与える圧力が目標値になるように、ブラシ54の移動すべき距離ΔDiを算出して洗浄装置50に出力する(S20)。
【0044】
洗浄装置50のコントローラ60は、解析部70から送信されてきたΔDi通りに、装着部56を伸縮させてブラシ54を移動する(S30)。この移動によって、各ブラシ54が被洗者10の背中に当接する。
【0045】
洗浄装置50は、さらに、タッチセンサ58の測定値に応じて、ブラシ54の位置を微調整する(S40)とともに、調整後、装着部56を回転させることによってブラシ54を回転させ、洗浄を行う(S50)。
【0046】
洗浄は、操作板90を介して「終了」などの指示がなされる(S60:Yes)まで続く。
【0047】
このように、図1に示す入浴補助システム100によれば、洗浄部材となるブラシ54を回転させることによって被洗者の背中を洗うので、被洗者は背中に手を回したりするなどの行為をする必要がない。そのため、高齢者など、一人で入浴することが困難な者であっても自分で安全に背中を洗うことができる。また、介助者が必要な場合においても、介助者は操作板90の操作と被洗者の安全だけに気を付ければよく、介助時の負担が軽減できる。
【0048】
また、この入浴補助システム100は、ブラシ54が背中に与える圧力が目標値になるように、背中の形状に合わせてブラシ54を移動させるので、確実かつ快適に背中を洗うことができる。
【0049】
また、洗浄装置50を壁掛け式にすることによって、省スペース化を図ることができ、浴室が狭小である場合においても設置することができる。
【0050】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0051】
たとえば、入浴時において、被洗者が前屈み気味になることが多いことに着目して、図9に示すように洗浄台52aを曲面にしてもよい。こうすることによって、各ブラシ54の初期位置は、平面の洗浄台に設けられた場合より背中に近くなり、ブラシ54の位置を調整する際に、移動距離が小さくて済む。
【0052】
また、図1に示す入浴補助システム100において、被洗者の姿勢ベクトル(Vup、Vdown)を求め、姿勢ベクトルを用いて各ブラシ54と、背中の対応する部位との距離、およびブラシ54の移動すべき距離を算出しているが、背中の輪郭線を用いて直接上記距離を検出するようにしてもよい。そして、検出した距離を用いて、各ブラシの移動すべき距離を求めればよい。
【0053】
また、図1に示す入浴補助システム100において、まず、カメラにより取得した画像から各ブラシの移動すべき量を算出し、その後、タッチセンサの測定値に応じて微調整を行うようにしているが、タッチセンサ58を省略することもできる。タッチセンサ58を省略する場合、カメラ68で取得した画像データを解析し、被洗者10の背中とブラシ54との距離を取得し、その距離からブラシ54の先端が受けた圧力を推定する。そして、推定した圧力に基づき、ブラシ54の位置を微調整することができる。タッチセンサ58が省略されることにより、ブラシ54は、毛体以外の部材を含まない構成になるので、ブラシ54が被洗者10の背中に当接したときの肌触りが向上するという利点がある。なお、画像処理を行わず、タッチセンサ58のみから得られる測定値に基づき、微調整を行ってもよい。この場合、画像処理を行わないので、システムの全体の簡略に寄与できる。
【0054】
また、解析部70とコントローラ60は、別々に設けられているが、解析部70をコントローラ60に内蔵させるようにしてもよい。
【0055】
また、操作板に設けられたボタンや、印刷された文字について、操作または視認しやすいように大きめにしたり、形状、色で分けたりするなど、高齢者を配慮した設計にしてもよい。
【0056】
また、洗浄部材も、ブラシに限らずたとえばスポンジであってもよい。
【0057】
また、洗浄台の形状や材質、洗浄部材の材質などについて、安全および衛生面において配慮することが好ましい。
【0058】
さらに、ブラシの装着機構についても、取り外しや水洗などができるようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態にかかる入浴補助システムを示す図である。
【図2】図1に示す入浴補助システムにおけるカメラの視野の例を示す図である。
【図3】図1に示す入浴補助システムにおけるカメラの別の視野の例を示す図である。
【図4】被洗者側から見た洗浄装置を示す図である。
【図5】洗浄装置の側面の一部を示す図である。
【図6】洗浄装置のコントローラと、洗浄装置の他の構成との接続関係を示す図である。
【図7】解析部による処理を説明する図である。
【図8】図1に示す入浴補助システムにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】洗浄装置の他の態様を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
10 被洗者、 50 洗浄装置、 52 洗浄台、 54 ブラシ、 56 装着部、 58 タッチセンサ、 60 コントローラ、 68 カメラ、 70 解析部、 80 レール、 90 操作板、 100 入浴補助システム。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8