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明細書 :HCVの治療剤又は予防剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5696317号 (P5696317)
公開番号 特開2007-332103 (P2007-332103A)
登録日 平成27年2月20日(2015.2.20)
発行日 平成27年4月8日(2015.4.8)
公開日 平成19年12月27日(2007.12.27)
発明の名称または考案の名称 HCVの治療剤又は予防剤
国際特許分類 A61K  35/12        (2015.01)
A61K  39/395       (2006.01)
A61P  31/14        (2006.01)
FI A61K 35/12
A61K 39/395 D
A61K 39/395 N
A61P 31/14
請求項の数または発明の数 4
全頁数 17
出願番号 特願2006-167871 (P2006-167871)
出願日 平成18年6月16日(2006.6.16)
審判番号 不服 2013-009239(P2013-009239/J1)
審査請求日 平成21年1月23日(2009.1.23)
審判請求日 平成25年5月20日(2013.5.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】大段 秀樹
【氏名】石山 宏平
【氏名】大平 真裕
【氏名】浅原 利正
【氏名】茶山 一彰
【氏名】今村 道雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100076439、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 敏三
【識別番号】100141771、【弁理士】、【氏名又は名称】星野 宏和
参考文献・文献 LI,Y. et al,Natural killer cells inhibit hepatitis C virus expression,Journal of leukocyte biology,2004年,Vol.76, No.6,p.1171-1179
AHMAD,A. et al,Role of NK and NKT cells in the immunopathogenesis of HCV-induced hepatitis,Journal of leukocyte biology,2004年,Vol.76, No.4,p.743-759
調査した分野 A61K 35/00-35/76
JDreamII, CAPLUS(STN), MEDLINE(STN), EMBASE(STN), BIOSIS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
可溶性抗CD81抗体とNK細胞との組み合わせを有効成分とする抗HCV治療剤であって、NK細胞表面上に発現している膜糖タンパク質CD81分子を介して、前記NK細胞と前記可溶性抗CD81抗体とが結合している、抗HCV治療剤。
【請求項2】
NK細胞が肝臓由来である、請求項1に記載のHCV治療剤。
【請求項3】
NK細胞が、肝移植のために摘出した肝臓から採取されたものである、請求項2に記載の抗HCV治療剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の抗HCV治療剤を製造するための、NK細胞及び可溶性抗CD81抗体の使用。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎ウイルス(以下「HCV」と略す。)の有効な治療剤及び予防剤の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
HCV(C型肝炎ウイルス)性の肝硬変は肝移植の高頻度な適応疾患である。HCVによる肝硬変の治療は、全世界的にみても患者数は多く、わが国においても、国民病と呼ばれるほど多い、さらに、治療が極めて困難な、難治性疾患である。HCVに感染し慢性型に移行すると、完治できるまでの回復は困難であり、一部は、肝癌を合併する経過をとる。
【0003】
現在用いられているHCVの抗ウイルス療法のうち、最も効果的とされているものは、インターフェロンと抗ウイルス剤、リバビリンの併用投与であるが、その奏効率は50%程度である。また、重度の肝硬変患者は、肝臓の摘出後、健康な肝臓の移植手術が行われているが、肝移植手術においても、移植による拒絶反応を抑制するために、手術後に免疫抑制剤を投与することにより、抗ウイルスの免疫応答も抑制されるため、HCVのウイルスの複製を増長し、HCV性肝炎の移植後再発や増悪が高率に起っているのが現況である。そこで、本発明は、このような状況にあって、自然免疫を担う、NK細胞を活性化して、移入するという新規な抗ウイルス療法の材料の提供に関するものである。
【0004】
従来、NK細胞は、抗ウイルス作用や抗がん作用、抗菌作用等を有する生体の有力な防御機構であるが、NK細胞の活性は、加齢とともに低下してゆくため、高齢者ほど活性が低く、また、慢性のウイルス感染症やがん疾患になると、NK活性が低下するといわれている。
本発明は、このような、HCV性肝硬変患者の肝移植後HCV感染による肝炎再発の予防となる有効な治療手段を提供するものである。
【0005】

【非特許文献1】K.Ishiyama,H.Ohdan, H.Mitsuya,K.Arihiro,and T.Asahara, Difference in cytotoxicity against cellular carcinoma between liver and periphery natural killer cells in human. Hepatology, 2006, 362-372.
【非特許文献2】C.Gremion and A. Cerny. Hepatitis C vbirus and the immune system: a concise review. Rew, Med.Virol.2005;15:235-268.
【非特許文献3】L.Golden-Mason and H.R.Rosen. Natural Killer Cells: Primary Target for Hepatitis C Virus Immune Evasion Strategies? Liver Transplantation 2006.12:363-3372.
【非特許文献4】Hugo R. Rosen. Hepatitis C Pathogenesis: Mechanisms of Viral Clearance and Liver Injury.2003,Vol9, No11, Suppl3 (November)。2-3, S35-S43.
【非特許文献5】北所健悟、HCVワクチン開発のためのCD81の構造生物学的研究 ウイルス、第54巻、第1号、39-47、2004年。)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、HCVの感染防止及び感染後の治療について、有効な手段を提供することにある。特に、肝移植手術後のHCVの再発防止に有効な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、以下の(1)から(8)に記載することに関する。
(1) NK細胞活性化剤により活性化されたNK細胞を有効成分とする抗HCV治療剤又は予防剤。
(2) NK細胞活性化剤が、IL-2である前記項目(1)の抗HCV治療剤又は予防剤。
【0008】
(3) IL-2で活性化したNK細胞を含む細胞けん濁液を、さらに、抗CD3抗体を用いて所定の条件下で処理して、CD3陽性細胞を除去した、前記項目(1)又は(2)に記載の抗HCV治療剤又は予防剤。
(4) NK細胞活性化剤で処理したNK細胞と抗CD81抗体との組み合わせからなることを特徴とする抗HCV治療剤又は予防剤。
(5) 抗CD81抗体を有効成分とする、抗HCV治療剤又は予防剤。
【0009】
(6) 抗CD81抗体とNK細胞との組み合わせからなることを特徴とする抗HCV治療剤又は予防剤。
(7) NK細胞が肝臓由来である、前記項目(1)から4又は6のいずれかに記載のHCV治療剤又は予防剤。
(8) NK細胞が、肝移植のために摘出した肝臓から採取されたものである、前記項目(7)に記載の抗HCV治療剤又は予防剤。
【0010】
(9)前記項目(1)から(4)、(7)又は(8)のいずれかに記載の抗HCV治療剤又は予防剤を製造するための、IL-2の使用。
(10) 前記項目(5)又は(6)に記載の抗HCV治療剤又は予防剤を製造するための、抗CD81抗体の使用。
(11)前記項目(1)から(4)又は(6)から(8)のいずれかに記載の抗HCV治療剤又は予防剤を製造するための、NK細胞又はNK細胞活性化剤で活性化されたNK細胞の使用。
以上のHCVの治療剤又は予防剤およびそれらを製造する方法を提供することにより、本発明の目的が達成された。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、移植用肝臓片から採取した正常肝NK細胞をIL-2存在下で培養することにより活性化したNK細胞を含むHCV治療剤又は予防剤(以下、「本発明の治療剤等」と略す。)の提供によりHCV感染を予防又は治療することができる。また、抗CD81抗体とNK細胞からなるHCV治療剤等の提供により、肝移植後のHCV感染抵抗性を増強することができ、肝移植後のHCVの再発防止に有用である。また、本発明の治療剤等は、抗CD3抗体処理により、移植片対宿主反応(graft-vs-host disease)を起こすことなく、前記効果を得ることができる。本発明は、また、抗CD81抗体、および、IL-2の、HCVの治療剤又は予防剤の製造に用いることができるという新しい使用の用途を提供するものである。抗CD81抗体及びIL-2は、単独で又は併用(所定の処理条件で用いるという併用)により、HCV治療剤又は予防剤として用いることができ、また、HCV治療剤又は予防剤の製造に、有効成分として又は、有用な処理剤として、用いることができる。また、IL-2を直接人体に投与することによっても、HCVに対する感染抵抗性の増強効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を詳細に説明する。
(1)「NK細胞」
NK細胞は、ナチュラルキラーセル(細胞)と呼ばれ、リンパ球の1種であり、未感作の状態で種々の細胞障害性をもつエフェクター細胞として異物に対する生体の防御をつかさどる細胞である。本発明で用いるNK細胞は、活性化処理した後、ヒトに移入するため、同種であるヒトから採取した細胞を用いることは、もちろんであり、かつ、臓器提供者(ドナー)又は被提供者(レシーピエント)と同一個体のNK細胞を用いることが望ましい。また、末梢血液由来のNK細胞を用いることもできるが、肝臓に由来するNK細胞を用いることが好ましい。また、ヒトHCV患者において用いるNK細胞は、患者に移植するための肝臓片を健常人提供者者(ドナー)の肝臓摘出手術において得た場合、その摘出された肝臓片を、細胞外液又は保存液等で、門脈から肝臓を灌流することにより、流出させて得た血液から、次に述べる分離方法にしたがい、NK細胞を得ることができる。
【0013】
NK細胞の血液からの分離には、採取した血液から、比重遠心法で単核球を分離した分画を、次の工程である活性化処理の材料として用いる。また、NK細胞以外の細胞を認識する抗体を用いて、NK細胞以外の細胞群を除去することは、NK細胞の好ましい分離方法である。また、末梢血由来のNK細胞を用いるときは、動物又はヒトの末梢血から得た血液を材料に、同様の手法により、NK細胞を分離・精製することができる。
また、血液からのNK細胞を機器を用いて分離するには、フローサイトセルソーティング、又は、マグネティックソーティング(磁気分離)のネガティブセレクションにより行うことができる。フローサイトセルソーティング法を用いて行うと、分離用の表面抗体が接着した細胞が得られるのに対し、マグネティックソーティングのネガティブセレクションでは抗体非接触の細胞が分離できるという利点があるので、後者は、より好ましいNK細胞の分離方法である。
【0014】
(2)「NK細胞活性化剤」および「IL-2」
IL-2(インターロイキン2)は、サイトカインの1種であり、Tリンパ球が分泌する糖蛋白であって、T細胞を増殖させる働きがあるため、T細胞増殖因子(TCGF)とも呼ばれる。本発明で用いるIL-2は、肝臓移植手術を行う宿主と同種類の宿主由来のものを用いることが好ましい態様であるため、ヒト肝移植の場合を想定している場合は、ヒト由来のIL-2を用いることが望ましい。ヒトIL-2は、遺伝子組み換えにより製造されたもので、既に市販されている、セルモロイキン(武田薬品工業社製)又はイムネース(シオノギ製薬社製)を用いることができる。
【0015】
前述の手法により、採取したNK細胞についてIL-2を用いて活性化処理するときのIL-2は、50から200JRU/mlの範囲の濃度を用いることができるが、好ましくは、100から150JRU/mlの範囲である。その他の活性化の条件は、通常の細胞をインキュベーイションする条件に従い、5%炭酸ガス培養器で培地には通常の組織培養用培地を用いて、37C、24~96時間、好ましくは、48~72時間インキュべーションすることにより行うことができる。
【0016】
NK細胞活性化剤としては、IL-2以外にも、NK細胞を活性化させるものを代替として用いることができる。例えば、IL-12又はIL-15等の別種のインターロイキンもある程度NK細胞の活性化をもたらすとされているので、これらを用いることもできる。また、インターロイキン類以外でも、種々のバイオモジュレーターをNK細胞の活性化剤として用いることができる。しかし、本発明者らは、NK細胞の活性化に適している物質を種々のサイトカインの中から検討し、IL-12やIL-15等よりも、IL-2が強い活性化作用をもつことを見出し、本発明を完成させた。したがって、本発明では、NK細胞の活性化として最も好ましいものはIL-2である。
【0017】
末梢血由来のNK細胞については、性状はよく研究されているが、肝臓由来のNK細胞の性状については、ほとんど知られていない。そこで、HCVは肝臓に感染するウイルスであることから、肝臓における防御機構に基づいた、抗ウイルス作用を研究する必要があるため、本発明者は、肝臓由来のNK細胞の性状を検討することとした。末梢血由来のNK細胞は、前述のように、IL-2等のサイトカインにより活性化されること、または、IL-2等により活性化されたNK細胞が抗がん効果を増強することはすでに報告されている。しかし、抗ウイルス効果、特に、抗HCV効果については、ほとんど検討されていない。本発明におけるNK細胞による抗ウイルス(特に、抗HCV)効果は、抗がん効果とはその標的を異にするため、その作用のメカニズムにおいても異なることが考えられる。
また、末梢血由来のNK細胞の抗がん作用については、前述のごとくよく研究されているが、それらの報告は、末梢血液由来のNK細胞に関するものであり、肝臓由来のNK細胞に関するものではない。 また、肝臓由来のNK細胞については、抗がん作用だけでなく、抗ウイルス作用(特に、抗HCV)作用についても報告されていない。したがって、末梢血由来であるか、肝由来であるかを問わず、活性化NK細胞が有用な抗HCV作用するため、抗HCV治療剤等になり得ることについては、本発明で開示するものである。
NK細胞とIL-2等のサイトカインの関係は、末梢血由来のNK細胞については、報告されているが、肝臓由来のNK細胞については、未知である。免疫担当細胞が末梢血由来であるか、あるいは、肝臓由来であるかは、免疫細胞の性状を研究する上では、重要な問題である。例えば、マクロファージについては、骨髄幹細胞由来の単球として血中に存在する遊走性マクロファージと肝のクッパー細胞に代表される定着性マクロファージに分類できるとされている(日経バイオ 最新用語辞典第5版、806頁)。遊走性マクロファージ(末梢血由来)と肝のクッパー細胞の性状が著しく異なることは、周知の事実である。
したがって、NK細胞についても、肝臓中に存在するものと、末梢血中のものとは、かなり性質が異なると考えられるため、本発明者は、肝臓由来のNK細胞とサイトカインの関係を検討する必要性があると考え、肝臓由来NK細胞のIL-2処理による影響を検討した。
【0018】
(3)「抗CD81抗体」
CD81は、236個のアミノ酸からなる4つの膜貫通型の膜タンパク質であり、CD81は、数多く知られている細胞表面抗原のひとつであり、リンパ球の中ではNK細胞の細胞表面に多く存在する抗原として知られている(J. Chien-Te K. and Kimpel G.R. Binding of the hepatitis C virus envelope protein E2 to CD81 inhibits natural killer cell functions. J. Exp. Med. 2002年; 195巻、43-49頁)。
本発明の抗CD81抗体とは、CD81抗原に対する抗体であって、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の別を問わないが、モノクローナル抗体がより好ましい。研究的、試験的な使用には、市販の抗CD81モノクローナル抗体を用いることができるが、ヒト臨床上用いる場合は、ヒト抗体は、通常市販はされておらず、動物で作製した抗CD81抗体を、そのままヒトに投与すると、異種抗体の強い抗原性が問題となる。これを解決するために、動物抗体をヒト抗体類似する構造に修飾した(キメラ)抗体の作製手法や、ヒト化抗体の作製手法を用いることができる(J.H.Ellis, J. Immunology. 155巻:925-937頁, 1995年)。キメラ抗体はマウス抗体の可変領域をヒト抗体の定常領域に連結したもので、遺伝子組み換えにより構築できる。また、ヒト化抗体の作製は、マウス抗体の相補鎖決定領域をヒト抗体の可変領域に繋ぐことで構築できる。ヒト抗体はヒト抗体遺伝子移入マウスやファージを使う方法があり、抗CD81抗体の作製にも応用可能であるので、動物で産生した当該抗体をこれら公知の手法を用いて、抗CD81ヒト化抗体や、抗CD81のキメラ抗体を作製することができる。
本発明の抗CD81抗体は、単独でHCV感染の予防又は治療剤として用いることができる。抗CD81単独でも、NK細胞と協力的に働き、NK細胞を活性化させるからである(図1、-■-可溶性抗CD81抗体)。また、抗CD81抗体は、NK細胞と共に投与するとより効果的に抗HCV効果を発揮すると考えられる。NK細胞が予め活性化の有無を問わず、抗CD81抗体と併用する場合は、HCV感染に対して有効である。
【0019】
(4)「架橋モデル」
通常、ウイルスが細胞に感染すると、生体の防御機構が働き、例えば、多形核白血球、マクロファージ、Tリンパ球、抗体、NK細胞等が、単独で又は互に協力して働き、非特異的な応答により、又は、感染後期間の経過後は、特異的な防御機構により、細菌、ウイルス等の排除が図られる。
しかし、HCVが肝臓感染した場合は、ウイルスの排除が何らかの原因により速やかに行われないため、自然回復が困難となり、また、HCVに対する化学療法によってもHCV感染の場合はウイルス排除が困難であり、慢性感染型となり、次第に肝硬変に変化し、最後に肝がんへ移行するといわれている。
本発明者らは、このような極めて治療困難な疾病であるHCV感染症の治療又は予防を解決するために、インビトロでのHCV感染モデルの作製を試みた。
【0020】
HCV感染の機構については、HCVの表面にあるスパイク状のエンベロープ糖タンパク質(E2)がヒトの細胞表面上の膜糖タンパク質であるCD81分子の細胞外ドメインに結合する(ピレリら、サイエンス、 Pileri P, Science, 282巻、938-941頁、1998年)。このためHCVが感染すると、感染した肝細胞にHCVのE2タンパク質が表出し、そのE2蛋白がNK細胞に表出するD81タンパク質との間で架橋を形成すると考えられる。一方、NK細胞はE2タンパク質がNK細胞表面のCD81に結合すると、そのNK細胞の活性が低下すると考えられている。このことは、NK細胞のCD81抗原がある種のタンパク質と結合すると、この結合が引き金となって、何らかの細胞内機構が働き、NK細胞の活性低下を誘発すると考えられる。そのため、結合タンパクがE2であっても、抗CD81抗体であっても、同様な現象をNK細胞内に誘発するであろうと考えられる。そこで、本発明者らは、かかるHCVの感染におけるE2タンパク質と抗体の関係のモデルを仮説として提示した(図7)。そして、図7に示すモデルのように、NK細胞の活性を低下させるために、E2タンパク質の代わりに抗CD81抗体が引き金となり、実際にこの現象が起こるか否かを試験した。
【0021】
そこで、架橋形成によるNK細胞の活性低下の具体的なモデルとして、培養容器壁面に抗CD81抗体で被覆した容器をあらかじめ作製し、培養液とともにNK細胞を入れて培養し、NK細胞の細胞傷害性試験を行った(図1、表1)。その結果、壁面の抗CD81抗体と結合するNK細胞の細胞傷害活性は、壁面を抗体処理して架橋形成させた場合(▲)には、無処置(◆)に比較して、NK細胞の活性の低下が確認できた(図1、表1)。これによりインビトロ架橋形成がNK細胞におけるHCV感染モデルとして成立すると考えられた。
【0022】
(5)「抑制状態のNK細胞の回復」
このインビトロ モデルを用いて本発明者らは、NK細胞の抑制状態を活性化させるために有効な手段を検討することにし、その一例として、本発明者らは、可溶性抗CD81抗体処理が、NK細胞の活性回復ないし増強することを見出した。
培養液に添加した抗CD81抗体(容器壁面に被覆した抗体に対して、この抗体を「可溶性抗CD81抗体」又は略して「可溶性抗体」と呼ぶ。)をその培養容器の培地中に添加すると、この抑制状態に陥ったNK細胞の活性が回復して、増強することは、肝移植を受けたHCV性肝硬変患者に可溶性抗CD81抗体を投与すると、NK細胞の機能が亢進し、HCVの複製を抑制することにより、抗ウイルス効果発揮するであろうことを示唆している。本発明により、可溶性抗CD81抗体を肝移植後の患者へ投与することで、HCVの感染抵抗性が増強する治療法につながることを見出した。
【0023】
(6)「NK細胞と抗CD81抗体の組み合わせによる治療剤又は予防剤」
本発明によるHCV治療剤等は、(a)活性化したNK細胞を有効成分とする治療剤等、(b)抗CD81抗体を有効成分とする治療剤等、(c)NK細胞と抗CD81抗体の組み合わせからなる治療剤、(d)活性化したNK細胞と抗CD81抗体の組み合わせからなる治療剤等、(e)IL-2のインビボ投与、(f)IL-2のインビボ投与と抗CD81抗体の組み合わせ、及び(g)抗CD81抗体、IL-2及びNK細胞からなるキット、又はそれらの2者からなるキットを提供するものである。
この中で、(c)及び(d)のNK細胞又は活性化したNK細胞と抗CD81抗体の組み合わせからなる治療剤又は予防剤については、(イ)当初から該抗体とNK細胞を混合した状態である場合、(ロ)別々の状態で投与する場合、があり得る。別々の状態で投与する場合は、NK細胞の投与と、抗CD81の投与は、各々の効果を最大に発揮するため、投与スケジュールが異なる場合が考えられる。
(e)については、NK細胞との組み合わせであるが、IL-2をインビトロではなく、直接インビボに投与する手法である。IL-2によりNK細胞の活性化がインビトロで起こることが確認できたので、このことは、インビボにおいても効果が生じることが十分に考えられる。また、(g)製剤として調製するには、抗CD81抗体と活性化したNK細胞の両材料を一つの治療用の又は予防剤用の「キット」として調製することは、HCVの治療にとって便利であるため、当該「キット」も本発明に含まれる。
【0024】
(7)「肝臓由来活性化NK細胞の移入療法」
本発明は、HCV性肝硬変患者に対する感染状態の肝臓摘出後の肝移植において、HCV性肝炎の再発防止法の開発を目的として検討を行ったものである。しかし、このようなHCV感染患者の肝摘出後の肝移植における再発防止に限定されず、HCV感染の可能性のある場合には、本発明を適時修正して適用できる。例えば、HCV患者と接触した場合や、HCV患者の血液、体液等と接触した場合等の、HCV感染の可能性があると判断される場合には、HCVの初期感染防御手段として応用できる。その場合、摘出した肝臓を灌流して得たNK細胞ではなく、末梢血から得たNK細胞を用いることにすれば、本発明を応用することができる。
【0025】
本発明者らは、生体肝移植の際に移植片(グラフト)用の肝から採取した正常肝NK細胞をIL-2存在下で培養した場合にHCVの感染抵抗性増強することを見出した。これは、HCV肝硬変患者に肝摘出後の新しい肝を移植した後において、本発明の治療剤等を投与することにより、抗HCV治療効果又は予防効果が得られることを意味し、また、HCV肝硬変患者に肝摘出後の新しい肝を移植した後において、抗CD81抗体を投与することにより、また、抗CD81抗体又は/及びIL-2で活性化したNK細胞の投与は、抗HCV治療効果又は予防効果が得られることを意味し、これは、HCV肝硬変患者に対する肝移植後に、IL-2で活性化処理した肝臓由来NK細胞を、肝移植の後に、患者に移入することは、HCV再発の予防法又は治療法となりうることを示唆する。
【0026】
(8)「拒絶反応への対策」
CD81分子は外来抗原に対する獲得免疫応答を司るT細胞上にも表出しているため、抗CD81抗体を生体に使用する場合、獲得免疫応答に与える副作用のおそれがある。そこで、本発明者らは、このような危惧を検討するために、可溶性抗CD81抗体が異系T細胞応答に及ぼす影響を検討したところ、可溶性抗CD81抗体の処理の前後で、ヘルパーT細胞を示す抗原(CD4)及び細胞傷害性T細胞を示す抗原(CD8)の量に変化はなく、異系T細胞応答に影響を与えないことを確認した(図2)。本発明のHCV感染治療剤又は予防剤の一つである抗CD81抗体は異系T細胞応答に影響を及ぼさず、移植後の拒絶反応を助長することはないと考えられる。
【0027】
さらに、臨床応用の際には、肝臓移植における免疫反応への対策を万全とするために、移植片対宿主反応を引き起こす原因であると考えられているCD56陰性CD3陽性T細胞を、本発明の治療剤又は予防剤から、除去処理することを、人体への投与前に行う必要がある。そのためにCD56陰性CD3陽性T細胞除去するため抗CD3抗体で処理する操作により、本発明のIL-2により活性化したNK細胞の抗HCV活性が失われないことが必要である。そこで、そのことを検討したところ、図4Aの実験結果が示すように、抗CD3抗体処理により、混在するCD3陽性細胞が除去できることを確認し、さらに、抗CD3抗体処理によりIL-2により活性化したNK細胞の抗HCV効果を維持し、本発明の有効性に影響を与えないことが確認できた(図4B)。
【0028】
ここで、抗CD3抗体としては、市販のオルソクローン(登録商標)(OKT3)(ヤンセン協和株式会社)を用いることができる。抗CD3抗体を用いた所定の処理について説明する。NK細胞を含むリンパ球けん濁液を抗CD3抗体(オルソクローン)での処理は、本発明のHCV治療剤又は予防剤の投与6時間前から48時間前、好ましくは、12時間から24時間前から行うことが望ましい。このための抗CD3抗体の濃度は、0.5から2μg/mlの範囲、好ましくは1μg/mlであり、常法の組織培養の手法により培養することで処理できる。このような処理により、移植片対宿主反応(graft-vs-host disease)を予防することができる。
【0029】
(9)「本発明の治療剤又は予防剤の組成」
本発明の治療剤又は予防剤は、前述した項目(6)に記載の「NK細胞と抗CD81抗体の組み合わせによる治療剤又は予防剤」に示す種類があるが、それによれば、NK細胞活性化剤、活性化剤により活性化したNK細胞、抗CD81抗体からなるが、その中で「NK細胞」は、生きた細胞でなければならない。そのため、本発明の治療剤又は予防剤は、NK細胞を含む細胞けん濁液の状態又は細胞ペレットの状態が好ましく、その治療剤又は予防剤は、NK細胞が十分に活性化された後は、使用されるまでの間は、低温で保存されることが好ましい。低温とは、0℃から10℃、好ましくは、2から7℃の範囲である。
そして、本発明の治療剤等が、当該NK細胞を含む細胞けん濁液の場合は、有効成分の他に、pH調整剤、浸透圧調整剤、その他、薬学的に許容される成分を適宜含有することができるものである。
一方、抗CD81抗体の投与は、前記の活性化したNK細胞とは、別の溶液として投与されることが望ましいが、該NK細胞のけん濁液中に抗CD81抗体を含んでいてもよい。また、抗CD3抗体でさらに処理する場合は、抗CD3抗体で処理後は、当該CD3抗体は、除去できるため、残余の該抗体をほぼ完全に除去することが好ましい。
【0030】
(10)「本発明の治療剤又は予防剤の投与経路、投与回数、投与量」
本発明の治療剤又は予防剤は、注射又は点滴により人体の血管に投与することが好ましい。特に、活性化処理されたNK細胞は、肝臓へ定着しやすい部位からの注射又は点滴により投与されることが好ましい。活性化処理したNK細胞および抗CD81抗体の投与は、1回投与に限られず、最大の効果を発揮させるためには、数回にわけて投与される場合もある。また、活性化処理したNK細胞の投与と、抗CD81抗体の投与は、同一の場合もあるが、各々別の投与スケジュールで投与する方がより優れた効果を発揮する場合もあり得るので、原則的には、各々別の投与スケジュールにより投与されるべきである。
これらの本発明の治療剤又は予防剤の投与は、HCVの感染が想定される前後に投与されることが望ましい。特に、本発明の治療剤又は予防剤の有効な投与法(使用法)は、HCV感染患者の肝臓移植の後に本発明の治療剤又は予防剤を投与することである。かかる投与法により、HCV感染の再発が、効果的に防止できるからである。
本発明の治療剤又は予防剤の投与量について、活性化したNK細胞の場合は、一回の投与につき、10個から10個、好ましくは、10個から10個を静脈内注射又は点滴により投与することができる。抗CD81抗体の場合は、抗体価により異なるが、1回つき、アルブミン量として1g~12.5gを、好ましくは、2~6gを緩徐に投与する。抗CD81抗体と活性化NK細胞を組み併せて投与する場合の各々の投与量は、単独の場合の投与量を基準にして、それに該抗体又は該NK細胞の投与量を追加する方式で投与することができる。
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
[実施例1] [抗CD81抗体の投与によるNK活性の増強](図1)
ヒト末梢血NK細胞(n=6)を抗CD81抗体でコーティングしたフラスコを用い(E2蛋白によるCD81分子の架橋モデル)、可溶性抗CD81抗体(5μg/ml)(抗CD81可溶性抗体) の存在・非存在下で培養し、NK活性をK562細胞株に対する傷害活性を測定することで評価した。
抗CD81抗体は、マウスをヒトCD81分子で感作後、体内で当該抗体を生産するBリンパ球をクローニングして作製されたモノクローナル抗体(Purified mouse anti-human CD81 monoclonal antibody)(BD Pharmingen社製)を使用した。
【0032】
フラスコ底面を抗CD81抗体コーティングには、5μg/mlの濃度の抗CD81抗体を含んだ培養液を12時間静置して行った。実験群は、コーティング無しのフラスコを用い、可溶性抗CD81抗体の非存在下でNK細胞を培養したもの(図1中、無処置(…◆…))、コーティングしていないフラスコを用いて可溶性抗CD81分子抗体の存在下でNK細胞を培養したもの(抗CD81可溶性抗体(—■—))、抗CD81抗体でコーティングしたフラスコを用い、可溶性抗CD81分子抗体の非存在下でNK細胞を培養した場合(架橋(—▲—))、抗CD81抗体でコーティングしたフラスコを用いて可溶性抗CD81分子抗体の存在下でNK細胞を培養した場合(抗CD81可溶性抗体+架橋(—X—))の各々示す。この試験の結果から、最も強いNK活性は、抗CD81抗体でコーティングしたフラスコを用いて、可溶性抗CD81抗体の存在下でNK細胞を培養した場合(抗CD81可溶性抗体+架橋;—X—)で得られた。NK細胞上のCD81分子が架橋されるとNK活性は減弱したが、可溶性抗CD81抗体が結合すると、NK細胞機能は逆に増強した(図1)。可溶性抗CD81抗体の作用は、架橋形成の初期に間に合うと効果が強いことがわかる。
【0033】
【表1】
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【0034】
[試験例2] [リンパ球混合培養試験における細胞傷害性T細胞(CD8T細胞)とヘルパーT細胞(CD4T細胞)に対する抗CD81抗体の影響]
カルボキシフルオレッセイン ジアセテイト サクシニミジルエステル(Carboxyfluorescein diacetate succinimidyl ester、以下、「CFSE」と略す。)で細胞質染色したヒト末梢血リンパ球を抗CD81抗体でコーティングしたフラスコを用い(E2蛋白によるCD81の架橋を模倣したもの)可溶性抗CD81抗体(5μg/ml)の存在下及び非存在下で放射線照射した異系リンパ球と共培養し、同種異系T細胞性免疫応答を評価した(リンパ球混合試験)(図2)。先ず、二人のボランティアからヒト末梢血リンパ球を採取し、一方の末梢血リンパ球に30Gyの放射線照射を行い刺激細胞とした。他方の末梢血リンパ球は、CSFE(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)を5μMの濃度で染色し反応細胞(末梢血から採取したNK細胞であって、CFSEで染色したものを「反応細胞」という。)とした。2×106 個/mlの刺激細胞と反応細胞を1:1の割合で、通常の細胞培養用培地を用いて5%炭酸ガス培養器を用い37Cで5日間培養した。この試験系では、細胞分裂が起きるとCFSEの蛍光強度が低下するため、CFSEの蛍光強度によってCD4T細胞(ヘルパーT細胞)あるいはCD8T細胞(細胞傷害性T細胞性)の免疫応答を定量的に評価することができる。この試験により、CD4T細胞(ヘルパーT細胞)あるいはCD8T細胞(細胞傷害性T細胞)の活性を測定したところ、抗CD81抗体の投与によりCD4細胞とCD8細胞の分裂・増殖の程度に変化はみられなかった。この場合は、CD81分子の架橋と可溶性抗CD81抗体が同時にT細胞に結合しても、同種異系T細胞性免疫応答を増強することはなく、かえってやや抑制した(図2)。この結果は、抗CD81分子抗体の投与が肝移植後の拒絶反応を助長しないことを意味する。抗CD81抗体の投与は移植後の獲得免疫応答に影響を与えないことがわかった(図2)。
【0035】
[試験例3] [IL-2により活性化したNK細胞の細胞傷害性の増強]
K562を標的細胞としたNK細胞の細胞傷害試験を行うために、ヒト末梢血NK細胞(n=6)をIL-2(100 JRU/ml)存在下で3日間培養し(ここで、図3に示す試験において、無処理の場合も含めてすべてのものに、IL-2(100 JRU/ml)処理した。)、その後、抗CD81抗体で被覆(コーティング)したフラスコを用い(E2蛋白によるCD81分子の架橋を模倣したモデル)、可溶性抗CD81分子抗体(5μg/ml)の存在・非存在下で培養した。NK活性をK562細胞株に対する傷害活性として、測定した。その結果を図3に示した。
【0036】
正常NK細胞をIL-2存在下で培養した場合、K562細胞に対してNK細胞の強い細胞傷害効果が確認された。このような結果は、CD81分子の架橋に起因する機能抑制に対し抵抗性を獲得するものである。また、この結果は、IL-2非存在下で行った、図1に示す試験結果と比較すると、IL-2処理を行った場合(図2に示す各群)は、一様に高いNK活性を示した。このことは、図1で示す試験では、架橋形成直前又は直後に抗CD81抗体を用いた場合に、強いNK活性の維持効果が得られたが、IL-2処理をすると、抗CD81抗体処理しなくても、(抗CD81抗体処理以上に)、強いNK活性が得られたことを示した。すなわち、IL-2処理することにより、抗CD81抗体を用いることなく、高いNK活性を得ることが可能であることがわかった(図3)。
【0037】
【表2】
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【0038】
[試験例4][移植片対宿主反応(Graft-vs.-host disease)を回避しうるドナー肝由来NK細胞の処理方法](図4A,B)
正常肝由来リンパ球をIL-2存在下で3日間培養し、次にオルソクローン(登録商標)(OKT3、ヤンセン協和社製)の存在下で1日間培養した。培養後CD3陽性T細胞の存在比率をフローサイトメーターで解析した。また、OKT3処理のNK細胞活性に与える影響をHepG2細胞株を標的とした細胞傷害性試験によって評価した。ここで、NK細胞は、CD56陽性CD3陰性であり、移植片対宿主反応(Graft-vs-host Disease)の原因となるT細胞は、CD56陰性CD3陽性細胞であるので、CD56陽性細胞数及びCD3陽性細胞数を測定した(図4)。OKT3処理後にはCD3陽性T細胞をインビトロで消失させたことが確認できた(図4A)。また、抗CD3抗体であるOKT3処理は、NK細胞の細胞傷害活性に影響を与えないことが確認できた(図4B)。
【0039】
[試験例5] [HCV感染マウスに対する活性化NK細胞の治療効果]
ヒト肝細胞キメラマウスにHCV RNA高値患者(genotype Ib)の血清を移入し、HCV持続感染モデルを作製した。摘出したヒト肝臓片から予め前述した方法に従って調整したNK細胞を、IL-2(100JRU/ml)存在下で3日間処理することにより活性化したNK細胞を準備した。このHCV感染ヒト肝細胞キメラマウスに上記ヒト肝NK細胞2x107個を腹腔内に注入した。RNAの抽出をスミテスト(SMITEST EX&D、 Genome Science Laboratories, Tokyo, Japan)を使用して行い、その後ライトサイクラー(Light Cycler、 Roche Diagnostic, Japan, Tokyo)を用いてPCRを行い血中HCVのmRNA量の定量を行った。無治療対照群におけるヒト肝細胞キメラマウスの血中HCV mRNA量は持続高値を示したのに対して、ヒト肝活性化したNK細胞移入1週間後から、血中HCVのmRNA量が測定感度以下となった(表3、図5)。マウス血漿よりヒトアルブミン エライザ測定キット(Human Albumin ELISA Quantitation Kit、 Bethyl Laboratories Inc. Montgomery, TX)を用いてヒトアルブミン量を測定した。ヒトアルブミン濃度とヒト肝細胞置換率・肝特異機能には、正の相関が認められるため、キメラマウスにおけるヒト肝細胞の機能・置換率を確認するためにアルブミン量の測定を行った。測定した結果、ヒト肝細胞由来のアルブミンは、無治療対照群ヒト肝細胞キメラマウスもヒト肝NK細胞移入マウスも同程度の量が検出され、このHCV感染マウスの治療試験において、血中アルブミン量については、変化は認められなかった(表4、図6)。
【0040】
【表3】
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【0041】
【表4】
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【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】NK細胞の活性に及ぼす抗CD81抗体の影響を示すグラフである。
【図2】リンパ球混合培養試験における細胞傷害性T細胞(CD8T細胞)とヘルパーT細胞(CD4T細胞)に及ぼす抗CD81抗体の影響を示すグラフである。
【図3】肝臓由来NK細胞の細胞傷害活性に及ぼすIL-2処理の影響を示すグラフである。縦軸はNKの細胞傷害活性を、横軸は、NK細胞と標的細胞(K562細胞)の比率を示す。
【図4】IL-2で活性化処理したリンパ球に対する抗CD3抗体処理の影響を示すグラフである。図4Aは、CD56陽性細胞とCD3陽性細胞の比率を示し、図4Bは、IL-2活性化処理したNK細胞を、さらに抗CD3抗体処理した場合と当該処理をしない場合におけるNKの細胞傷害性の比較した結果を示す。
【図5】HCV感染マウスに対するIL-2で活性化したNK細胞の治療効果を示す。HCV量に相当するHCVmRNA量(縦軸)とHCV感染後の経過期間(週、横軸)の関係を示す。
【図6】HCV感染マウスに対する活性化NK細胞の治療試験における血中アルブミン量の変化を示すグラフである。図5に示す試験で用いたマウスと同じ固体における血中アルブミン量を測定した結果を示す。
【図7】本発明における、HCV由来E2タンパク質がCD81細胞表面抗原に結合する関係において、投与された抗CD81抗体がそれを阻害する関係を示す説明図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
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【図5】
4
【図6】
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【図7】
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