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明細書 :電力自立型河川監視装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4910134号 (P4910134)
公開番号 特開2008-026167 (P2008-026167A)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
発行日 平成24年4月4日(2012.4.4)
公開日 平成20年2月7日(2008.2.7)
発明の名称または考案の名称 電力自立型河川監視装置
国際特許分類 G01F   1/32        (2006.01)
G01D  21/00        (2006.01)
FI G01F 1/32 M
G01D 21/00 C
請求項の数または発明の数 9
全頁数 10
出願番号 特願2006-199457 (P2006-199457)
出願日 平成18年7月21日(2006.7.21)
審査請求日 平成21年6月12日(2009.6.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】高橋 勉
【氏名】白樫 正高
【氏名】岩橋 政宏
【氏名】坪根 正
【氏名】木佐木 麻央
個別代理人の代理人 【識別番号】100080089、【弁理士】、【氏名又は名称】牛木 護
【識別番号】100119312、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 栄松
審査官 【審査官】上田 正樹
参考文献・文献 特開平11-281421(JP,A)
実開昭64-051826(JP,U)
実開昭57-016972(JP,U)
特開平05-312823(JP,A)
特開平06-058946(JP,A)
特開2003-164136(JP,A)
調査した分野 G01F 1/32
G01D 21/00
特許請求の範囲 【請求項1】
流体中に配設されるリングと、前記リングを支持する支持体と、前記支持体と固定ベースとの間に配設され前記リングに作用する抗力を検出する抗力検出器と、前記抗力検出器からの信号を処理する制御装置と、前記制御装置に電力を供給する発電装置とを備え、前記発電装置が流体の流れ方向に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体と、前記第1の柱状体に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体と、前記第1の柱状体と前記固定ベースとの間に配設された振動発電装置と、を備えることを特徴とする電力自立型河川監視装置。
【請求項2】
前記振動発電装置が電磁誘導方式であることを特徴とする請求項記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項3】
前記振動発電装置が圧電素子と該圧電素子を押圧する押圧体からなる発電装置であることを特徴とする請求項記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項4】
前記抗力検出器が歪みゲージ式検出器であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項5】
前記制御装置が河川監視情報を送信する送信機を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項6】
前記制御装置が河川監視情報を表示する表示器を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項7】
前記発電装置が発生する電力を蓄える蓄電器を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項8】
前記固定ベースが水中に固定されることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置。
【請求項9】
前記固定ベースが水面に浮上係留されることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、河川を流れる水流等の監視に好適な電力自立型河川監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、異常気象に起因する自然災害が多発するようになった。特に短時間に限られた地域に多量の降雨をもたらす集中豪雨による水害が増加している。一般に日本の河川は急勾配な中小河川が多く、そのような中小河川の上流域に集中豪雨があると、短時間のうちに河川の流量が増大して堤防決壊等の重大な災害をもたらす。
【0003】
このような集中豪雨による水害の被害を低減するためには、できるだけ早期に河川の流量や水位変化を把握することが必要になる。可能ならばリアルタイムでデータを取得して対策を講ずることが有効である。
【0004】
このようなリアルタイムの河川監視システムは、すでに比較的大きな一級河川では実施されつつある(例えば、特許文献1参照)。しかし、リアルタイムの河川監視システムは大規模で高価なこともあって、中小河川では殆んど実施されていない。また、一級河川であっても、必要とされる監視箇所に対して量的には不十分な程度に留まっているのが現状である。

【特許文献1】特開2002-256525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
河川監視による防災システムの確立は緊急の課題であるにも拘わらず、その整備には多額の費用を要することもあって、多くの中小河川では未だに実現していない。そのため、自然環境下で安定した性能を発揮し、信頼性の高い河川監視を行うことができる小型で安価な河川監視装置の実現が切望されている。
【0006】
かかる事情に鑑み、本発明の発明者は、作動原理が単純で堅牢な構造を有し、低コストで実現可能なカルマン渦の周波数検出器と、この周波数検出器の出力から流速を算出するプログラマブルで低消費電力な制御装置により、自然環境下での信頼性が高く、小型で汎用性に富む河川監視装置を提供することを課題として研究した。また、流体振動に関する新しい知見である縦渦励振現象を発電装置に適用することにより、商用電源からの電力供給が困難な河川環境においても安定的に動作可能な電力自立型河川監視装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、流体中に配設されるリングと、前記リングを支持する支持体と、前記支持体と固定ベースとの間に配設され前記リングに作用する抗力を検出する抗力検出器と、前記抗力検出器からの信号を処理する制御装置と、前記制御装置に電力を供給する発電装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項1記載の発明は、電力自立型河川監視装置において、前記発電装置が流体の流れ方向に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体と、前記第1の柱状体に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体と、前記第1の柱状体と前記固定ベースとの間に配設された振動発電装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
請求項記載の発明は、請求項記載の電力自立型河川監視装置において、前記振動発電装置が電磁誘導方式であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項記載の発明は、請求項記載の電力自立型河川監視装置において、前記振動発電装置が圧電素子と該圧電素子を押圧する押圧体からなる発電装置であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置において、前記抗力検出器が歪みゲージ式検出器であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置において、前記制御装置が河川監視情報を送信する送信機を備えることを特徴とするものである。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置において、前記制御装置が河川監視情報を表示する表示器を備えることを特徴とするものである。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置において、前記発電装置が発生する電力を蓄える蓄電器を備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置において、前記固定ベースが水中に固定されることを特徴とするものである。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載の電力自立型河川監視装置において、前記固定ベースが水面に浮上係留されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の電力自立型河川監視装置によれば、電力網の整備されていない場所でも河川の監視を行うことができる。また、コンパクトで安価な河川監視装置を実現できる。
【0018】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、河川の流水が有する流体エネルギを広範囲の流速域にわたって電力に変換することができるので、電力供給の安定性が向上する。
【0019】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、発電装置の主要部が磁石とコイルから構成されるので、長期間にわたって信頼性の高い発電を行うことができる。
【0020】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、発電装置が圧電素子と該圧電素子を押圧する押圧体から構成されるので、コンパクトな発電装置を実現できる。
【0021】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、流体の渦により励振されるリングの周波数をひずみゲージ式検出器の抵抗変化として容易に検出できる。
【0022】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、送信機により河川監視情報を遠隔地に無線送信することが可能となる。
【0023】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、表示器により河川監視情報を現場で目視にて把握できる。
【0024】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、一時的に発電装置に不具合が発生しても、蓄電器に蓄えられた電力により制御装置を駆動することができる。
【0025】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、水面上を流れる流木等によって監視装置が損傷を受けることを防止できる。
【0026】
請求項記載の電力自立型河川監視装置によれば、水深の浅い河川においても容易に設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る電力自立型河川監視装置1の正面図であり、図2はその側面視を示すA-A断面図である。電力自立型河川監視装置1は、流体中に配設されるリング2と、前記リング2を支持する支持体3と、前記支持体3と固定ベース4との間に配設され前記リング2に作用する抗力を検出する抗力検出器5と、前記抗力検出器5からの信号を処理する制御装置6と、前記制御装置6に電力を供給する発電装置7と、を備える。
【0028】
流体中に配設されるリング2は、金属またはプラスチック材料からなる環状体をしている。その断面形状は円形または多角形をしており、リング2は流体の流れ方向8に対して略直角になるよう配設される。リング2をこのように配設することによりリング2には流体の抗力が作用し、流体の流れによるカルマン渦が生ずる。リング2の後流側には支持体3の一部を構成する支持棒9が2箇所に接続され、リング2に作用する流体による抗力をそのまま支持体3を構成する支持翼10に伝えるべく、支持棒9の他端は支持翼10に接続されている。支持翼10はリング2に生じる抗力を受けるとともに、その抗力を抗力検出器5に伝えるためのものであるが、支持翼10自体が流体から受ける抗力を少なくするため、支持翼10の断面形状は図3に示すように流線型に形成されている。
【0029】
支持体3の上部には歪みゲージを組み込んだ抗力検出器5が固定ベース4との間に配設されている。具体的には、固定ベース4の下面に固定された第2の柱状体12の下端に歪みゲージ式検出器5が固定されている。したがって、リング2に流体からの抗力が作用すると、その抗力は支持体3に伝達され、抗力検出器たる歪みゲージ式検出器5に曲げモーメントが作用することになる。そして、流体の流れによりリング2にカルマン渦が生じると、効力検出器5によって検出される抗力は一定の値とはならずに振動的な値となる。抗力検出器5からの出力は信号線(図示せず)を介して固定ベース4内に収納された制御装置6に送られる。
【0030】
固定ベース4は、金属またはプラスチック材料から製作され、水面13に浮上係留される。固定ベース4を水面13に浮上係留することにより、水深の浅い河川においても河川監視装置1を容易に設置することができる。一方、設置場所によっては、流木等の浮遊物の衝突が避けがたいこともある。そのような設置環境においては、固定ベース4を水中に固定して水面下に設置することもできる。
【0031】
固定ベース4には発電装置7が備えられている。発電装置7は、流体の流れ方向8に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体11と、前記第1の柱状体11に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体12と、前記第1の柱状体11と固定ベース4との間に配設された振動発電装置7とからなる。
【0032】
ここで、振動発電装置7の作動原理である縦渦励振について簡単に説明する。縦渦励振は、流体の流れ方向8に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体11と、前記第1の柱状体11に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体12とを有する装置において、第1の柱状体11と第2の柱状体12との離間間隔(s)が第1の柱状体11の直径(d)に対して所定の値になる場合に生ずる。
【0033】
図4は、流体の流れ方向8に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体11と、前記第1の柱状体11に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体12とを有する装置における縦渦の形態を示すものであり、図4(a)に示す形態をトレーリング渦と呼び、図4(b)に示す形態をネックレス渦と呼ぶことにする。トレーリング渦は、第1の柱状体11と第2の柱状体12との離間間隔(s)が、第1の柱状体11の直径(d)に対して小さな値となる場合に発生する。一方、ネックレス渦は、第1の柱状体11と第2の柱状体12との離間間隔(s)が、第1の柱状体11の直径(d)に対して比較的大きな値となる場合に発生する。例えば、図4(a)に示すトレーリング渦は、s/d=0.08、流速が12.8cm/secの水流において観察されたものである。また、図4(b)に示すネックレス渦は、s/d=0.28、流速が12.5cm/secの水流において観察されたものである。第1の柱状体11と第2の柱状体12との交差部近傍から周期的に縦渦が発生する。縦渦は第1の柱状体11と第2の柱状体12との離間隙間(s)を僅かに変化させると、2種類の形態をとることが観察される。また、これら2種類の縦渦による励振力は、従来のカルマン渦による励振力に対して3倍以上の大きな励振力を有するとともに、2つの柱状体の離間間隔(s)を僅かに変えることで広範囲の流速域においても振動を維持することが判明した。これら2種類の縦渦による励振、すなわちトレーリング渦励振およびネックレス渦励振とも、従来のカルマン渦励振とは異なる形態を示すものである。
【0034】
因みに、縦渦の発生は流体が水等の液体の場合のみならず、流体が空気等の気体の場合においても発生する。図5は、空気の流れ方向に対し長手方向が交差するように配設された第1の柱状体と、前記第1の柱状体に対し離間して長手方向が交差するように配設された第2の柱状体とを有する装置における、空気の流速と第1の柱状体の振幅との関係を示す実験結果である。図中、(1)のデータは、単独柱状体における渦、すなわち通常のカルマン渦励振による流速に対する振幅の関係を示す。流速に対する振幅の変化は極めて敏感であり、共振振動数に相当する流速から僅かでも流速が変動すると、振幅は急激に減少する。(2)のデータは、s/d=0.08におけるトレーリング渦励振による流速に対する振幅の関係を示す。トレーリング渦励振は、カルマン渦励振に較べると流速の速い領域で発生し、流速に対する振幅の変化は鈍感である。(3)のデータは、s/d=0.28におけるネックレス渦励振による流速に対する振幅の関係を示す。ネックレス渦励振はトレーリング渦励振よりもさらに流速の速い領域で発生する。そして、ネックレス渦励振による流速に対する振幅の変化は極めて鈍感であり、広範囲の流速域において振幅が減衰することなく大きな値を維持する。図5の例では7.5~13m/sec にわたる広範囲の流速域で大きな振幅を維持していることが分かる。これらのデータからネックレス渦励振を風力発電や水力発電に利用することができれば、広範囲の風速や水流速に適用可能な発電装置を実現できることが分かる。
【0035】
本発明に係る電力自立型河川監視装置1においては、上記に説明したような縦渦励振の原理を応用した振動発電装置7を備えている。図1および図2に示すように、第1の柱状体11は流体の流れ方向8に対して長手方向が交差するように配設される。第2の柱状体12は第1の柱状体11に対して離間して長手方向が交差するように配設される。第1の柱状体11の両端は、固定ベース4に一端が固定された固定軸14の下端に設けられた板ばね15により弾性支持されている。すなわち、第1の柱状体11は流体の流れ方向8に対しての剛性は高いが、流体の流れ方向8と交差する方向(図中の上下方向)に対する剛性は低く、外力により容易に上下振動するよう支持されている。第1の柱状体11の両端または一端には棒状の永久磁石16が取り付けられており、第1の柱状体11が水中で上下方向に振動すると、永久磁石16も上下方向に振動することになる。永久磁石16の周囲には導電材料からなるコイル17が配設され、コイル装着体(図示省略)によりコイル17は固定ベース4に取付けられている。そして、コイル17の巻線端は制御装置6に接続され、コイル17に発生する電力を制御装置6に供給するようにされている。すなわち、流体の流れにより第1の柱状体11の周囲に縦渦が生ずると、第1の柱状体11は上下方向に振動し、第1の柱状体11の端部に設けられた永久磁石16はコイル17に対して相対運動をする。そうすると、コイル17には電磁誘導作用により交流の電力が発生することになり、制御装置6に電力を供給することができる。また、制御装置6には整流器と充電器および蓄電器が設けられており、振動発電装置7により発生した交流電力を安定した直流電力として制御装置6に供給することができるようにされている。なお、振動発電装置7としては上記したような永久磁石16とコイル17による電磁誘導方式とする他に、第1の柱状体11と固定ベース4との間に圧電素子と該圧電素子を押圧する押圧体からなる発電装置を設けることもできる。
【0036】
次に、リング渦流量計について説明する。リング渦流量計は既知の技術であるカルマン渦流量計に属するものであり、流体中に配設されたリング2によりカルマン渦を生じさせてカルマン渦の周波数変化から流速を求めるものである。流体の流れ方向8に対して交差するように配設されたリング2には流速に対応した周波数を有するカルマン渦が発生する。すなわち、カルマン渦列の周波数は流体の流速に応じて変化する。カルマン渦列の周波数が変化すると、リング2が流体から受ける抗力も変化する。そして、リング2は支持体3により支持され、該支持体3と固定ベース4との間に配設された抗力検出器である歪みゲージ5に歪み変化を生じさせる。すなわち、リング2に生じるカルマン渦列による周波数変化は、歪みゲージ5の抵抗変化として検出されることになる。
【0037】
図6は、制御装置6の構成を示すブロック図である。この制御装置6の構成自体は既知の技術に属するものであり、概略を簡単に説明する。抗力検出器としての歪みゲージ5の抵抗変化はチャージアンプ21により増幅される。なお、初期設定作業として歪みゲージ5とチャージアンプ21との校正が実施される。チャージアンプ21からの出力は低域フィルタ22により基本周波数のみが抽出され、高次の振動周波数はカットされる。流速情報としてのカルマン渦列の振動数は基本周波数に含まれるからである。低域フィルタ22を通過した後の信号は、A/D変換器23を経由して演算装置たるCPU24に入力される。CPU24に入力された信号は、液晶表示器または発光ダイオードからなる表示器25に出力され、人間が流速を直接認識できるよう表示される。また、必要に応じてCPU24に入力された信号は、送信機26を介してアンテナから無線送信され、遠隔地の河川監視局等に送信される。また、制御装置6には、振動発電装置7で発電された電力を蓄電するための蓄電器27、および蓄電器27に蓄電する際に必要となる充電器等が備えられている。
【0038】
上記実施例による電力自立型河川監視装置1によれば、流体のエネルギを利用して発電を行なうことができるので、商用電力網の整備されていない場所でも河川状況の監視を行うことができる。また、コンパクトで安価な河川監視装置1を実現でき、長期間にわたって信頼性の高い発電を行うことができる。さらに、送信機26により河川監視情報を遠隔地に無線送信することもできるし、表示器25により河川監視情報を現場で目視にて把握することもできる。また、一時的に発電装置7に不具合が発生しても、蓄電器27に蓄えられた電力により制御装置6を確実に駆動することができる。
【0039】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は種々の変形実施をすることができる。たとえば上記実施例においては、第1の柱状体11を両端において支持した場合について説明したが、第1の柱状体11は両端支持される場合に限定されるものではなく、片持支持とすることもできる。また、発電装置7を第1の柱状体11の両端ではなく、第1の柱状体11の一端と固定ベース4との間に設けるようにしてもよい。さらに、上記実施例においては、発電装置として流体による振動発電装置7だけを用いたが、必要に応じて固定ベース4に太陽電池パネルを装着して太陽電池と振動発電装置7とを併用することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例を示す電力自立型河川監視装置の正面図である。
【図2】図1中のA-A矢視断面図である。
【図3】図1中のB-B矢視図である。
【図4】縦渦の様子を示すものであり、(a)はトレーリング渦励振を、(b)はネックレス渦励振を示す。
【図5】流体の流速と柱状体の振幅との関係を示す特性図である。
【図6】制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0041】
1 電力自立型河川監視装置(河川監視装置)
2 リング
3 支持体
4 固定ベース
5 抗力検出器(歪みゲージ式検出器、歪みゲージ)
6 制御装置
7 発電装置(振動発電装置)
11 第1の柱状体
12 第2の柱状体
25 表示器
26 送信機
27 蓄電器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図4】
5