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明細書 :高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4533980号 (P4533980)
公開番号 特開2007-263613 (P2007-263613A)
登録日 平成22年6月25日(2010.6.25)
発行日 平成22年9月1日(2010.9.1)
公開日 平成19年10月11日(2007.10.11)
発明の名称または考案の名称 高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法
国際特許分類 G21F   9/16        (2006.01)
FI G21F 9/16 541B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2006-085976 (P2006-085976)
出願日 平成18年3月27日(2006.3.27)
審査請求日 平成20年4月9日(2008.4.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】青嶋 厚
【氏名】藤原 孝治
【氏名】新原 盛弘
【氏名】小林 秀和
個別代理人の代理人 【識別番号】100078961、【弁理士】、【氏名又は名称】茂見 穰
審査官 【審査官】村川 雄一
参考文献・文献 特開平08-233993(JP,A)
特開2003-161798(JP,A)
特開平08-105998(JP,A)
調査した分野 G21F 9/00 - 9/36
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
高レベル放射性廃液をガラス溶融炉に供給する経路の途中に、高レベル放射性廃液から固体として存在するモリブデン酸塩及びイオンとして溶解しているモリブデンを順次分離するモリブデン除去ユニット、次いで発熱元素でありイオンとして溶解しているセシウム及びストロンチウムを分離する発熱元素除去ユニットを配置し、高レベル放射性廃液からモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理し、それらが含まれていない廃液をガラス溶融炉に供給することで、ガラス原料との混合・溶融固化処理により廃棄物濃度45~55wt%の高減容ガラス固化体にすることを特徴とする高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。
【請求項2】
前記モリブデン除去ユニットは、上流側に位置し固体として存在するモリブデン酸塩を沈殿除去する沈降分離器と、下流側に位置しイオンとして溶解しているモリブデンを析出除去する電解析出器とを具備し、前記発熱元素除去ユニットは、セシウム吸着カラムとストロンチウム吸着カラムを具備している請求項1記載の高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。
【請求項3】
前記発熱元素除去ユニットは、主にランタノイド及びアクチノイドを析出させる脱硝器と、その析出物を分離する濾過器と、セシウム吸着カラム及びストロンチウム吸着カラムと、廃液の濃度調整を行う組成調整槽からなり、前記濾過器による堆積物を組成調整槽に戻すようにした請求項2記載の高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。
【請求項4】
セシウム吸着カラムは吸着材にフェリフェライトを使用したカラムであり、ストロンチウム吸着カラムは吸着材にA型ゼオライトを使用したカラムである請求項2又は3記載の高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済燃料の再処理工程で発生する高レベル放射性廃液をガラス溶融炉へ供給しガラス固化処理する方法に関し、更に詳しく述べると、高レベル放射性廃液に含まれているモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理してガラス溶融炉に供給することにより、安定な高減容ガラス固化体を得ることができるようにする高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
再処理工場で使用済核燃料を再処理する過程では高レベル放射性廃液が発生する。この高レベル放射性廃液は、濃縮した後、ガラス溶融炉へ供給し、ガラス原料と混合して溶融することで固化処理される。得られたガラス固化体は、貯蔵により短寿命核種の減衰を行った後、地層処分されることになる。
【0003】
このような地層処分を行う際には、ガラス固化体は、均質で且つ長期間にわたって化学的に安定でなければならない。このため、従来技術では、廃棄物量に対するガラス原料の割合を多くすることで安定化を図っている。ガラス原料の割合を低くして廃棄物含有量を多くすると、ガラスに対する溶解度が低く(3~4wt%)、溶解度を超えると水溶性の化合物として析出する高放射性廃液中のモリブデンが、ガラス中に析出するためである。そこで具体的には、廃棄物濃度を30wt%以下に制限し、固化ガラスによる廃棄物閉じ込め性能を保持する必要があった。しかし、ガラス固化体中の廃棄物濃度が低いと、ガラス固化体の発生本数が多くなって貯蔵・地層処分のコストアップとなる問題が生じる。
【0004】
このような問題を解決できる技術として、高レベル放射性廃液からMo(モリブデン)及びZr(ジルコニウム)を主成分とする沈殿物を除去した後、ガラス溶融炉に供給するガラス固化処理方法が提案されている(特許文献1参照)。これは、高レベル放射性廃液中の沈殿物の主成分がMoとZrであることに着目し、固化処理前に沈殿物(モリブデン酸ジルコニウム)を分離除去するものである。しかし、ガラス固化処理前に単に沈殿物を分離除去しただけではイエローフェーズと呼ばれる水溶性の析出物が固化ガラス中に析出する現象を防止することはできず、そのため沈殿物の除去操作のみならず、使用するガラス原料の組成を特定し従来のガラス原料とは異なる組成にしなければならない。そのために、使用実績がありデータが豊富な従来から用いられてきたガラス原料が使用できないという問題がある。しかも、固化処理前に沈殿物(モリブデン酸ジルコニウム)を分離除去し、ガラス組成を変更しても、ガラス固化体中の廃棄物濃度は45wt%までにとどまっている。
【0005】
更に、ガラス固化体は、その発熱量が約0.35kw以下となるまで冷却しながら貯蔵し、その後、地層処分することになるが、廃棄物濃度を高めると発熱量も上昇するため、貯蔵時の冷却や貯蔵期問の長期化に伴うコストが増加するという問題が生じる。

【特許文献1】特開平8-233993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ガラス固化体中の廃棄物濃度を45~55wt%まで高め、従来のガラス原料を用いても均質で且つ長期間にわたって化学的に安定なガラス固化体を得ることができ、貯蔵・地層処分のコストダウンを図ることができるようにすることである。本発明が解決しようとする他の課題は、ガラス固化体の発熱を抑制し、貯蔵時の冷却や貯蔵期間の短縮化を図り、コスト削減を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高レベル放射性廃液をガラス溶融炉に供給する経路の途中に、高レベル放射性廃液から固体として存在するモリブデン酸塩及びイオンとして溶解しているモリブデンを順次分離するモリブデン除去ユニット、次いで発熱元素でありイオンとして溶解しているセシウム及びストロンチウムを分離する発熱元素除去ユニットを配置し、高レベル放射性廃液からモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理し、それらが含まれていない廃液をガラス溶融炉に供給することで、ガラス原料との混合・溶融固化処理により廃棄物濃度45~55wt%の高減容ガラス固化体にすることを特徴とする高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法である。
【0008】
前記モリブデン除去ユニットは、典型的な例としては、上流側に位置し固体として存在するモリブデン酸塩を沈殿除去する沈降分離器と、下流側に位置しイオンとして溶解しているモリブデンを析出除去する電解析出器とを具備している。固体として存在するモリブデン酸塩の分離除去は、廃液とモリブデン酸塩との比重差を利用した沈降分離器が簡便で最適であるが、メンブレンフィルタなどを用いた濾過や圧搾脱水、遠心清澄、廃液に膜等の多孔性物質を通して電位を与えた場合に生じる電気浸透による溶媒移動現象や電気泳動による粒子移動現象等を利用した電気浸透脱水なども利用可能である。イオンとして溶解しているモリブデンの分離除去は、電解析出器による析出除去が、除去性能の観点から好ましいが、アルミナなどの吸着材に通過させることで選択的に分離除去することも可能である。
【0009】
前記発熱元素除去ユニットは、主にランタノイド及びアクチノイドを析出させる脱硝器と、その析出物を分離する濾過器と、セシウム吸着カラム及びストロンチウム吸着カラムと、廃液の濃度調整を行う組成調整槽からなり、前記濾過器による堆積物を組成調整槽に戻すようにする構成が好ましい。例えばセシウム吸着カラムは吸着材にフェリフェライトを使用したカラムであり、ストロンチウム吸着カラムは吸着材にA型ゼオライトを使用したカラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法は、高レベル放射性廃液をガラス溶融炉に供給する経路の途中に、モリブデン除去ユニット、次いで発熱元素除去ユニットを配置し、高レベル放射性廃液から固体として存在しているモリブデン酸塩のみならず、イオンとして溶解しているモリブデン、セシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理し、それらが含まれていない廃液をガラス溶融炉に供給するように構成されているので、ガラス固化体中の廃棄物濃度を45~55wt%まで高め、均質で且つ長期間にわたって化学的に安定な、しかも発熱の少ないガラス固化体を得ることができる。そのため、貯蔵時の冷却や貯蔵期間の短縮化を図ることができ、貯蔵・地層処分のコストダウンを図ることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法の典型例を図1に示す。再処理工場で使用済核燃料を再処理する過程で発生する高レベル放射性廃液10を、ガラス溶融炉12に供給する経路の途中に、高レベル放射性廃液から固体として存在するモリブデン酸塩及びイオンとして溶解しているモリブデンを順次分離するモリブデン除去ユニット14、次いで発熱元素でありイオンとして溶解しているセシウム及びストロンチウムを分離する発熱元素除去ユニット16を配置し、高レベル放射性廃液からモリブデン及びセシウム、ストロンチウムを供給経路内での一連の工程で分離除去処理する。そして、それらが含まれていない廃液を、廃液供給槽18に貯留し、その後、ガラス原料供給系20から送られるガラス原料に染み込ませ、ガラス溶融炉12に供給して混合・溶融し、排出してガラス固化体とする。なお、分離除去したモリブデン、及びセシウム、ストロンチウムは、モリブデン回収槽22及び発熱元素回収槽24へ回収する。また、各工程で発生するガスは、オフガス処理系26で処理する。
【0012】
モリブデン除去ユニットの例を図2に示す。このモリブデン除去ユニットは、上流側に位置し、固体として存在するモリブデン酸塩(主にモリブデン酸ジルコニウム)を廃液との比重差を利用して沈殿除去する沈降分離器30と、その下流側に位置し、イオンとして溶解しているモリブデンを直流通電により電極に選択的に析出させて分離除去する電解析出器32などからなる。
【0013】
高レベル放射性廃液を沈降分離器30内の沈殿槽に導き一時貯留し、比重の大きいモリブデン酸ジルコニウムを底部に沈降させ、上澄み液と分離することにより除去する。沈殿槽に沈降したモリブデン酸ジルコニウムは、洗浄液で洗浄後、モリブデン回収槽22へ回収する。次に、上澄み液を電解析出器32へ導く。ここで電解析出器32は、電極棒が挿入された貯槽と直流電源ユニットなどから構成される。電解析出器32では、廃液を貯槽に一時貯留し、電極へ直流通電し電位を調節することで、廃液中にイオンとして溶解しているモリブデンを電極棒表面に選択的に析出させ、廃液から分離する。電解析出器32の電極を、定期的に交換し、電極棒に析出したモリブデンを回収する。このようなプロセスによりモリブデンを除去した廃液は、オーバーフロー方式により発熱元素除去ユニット16へ送られる。
【0014】
発熱元素除去ユニットの例を図3に示す。この発熱元素除去ユニット16は、脱硝器40と、その析出物を分離する濾過器42と、セシウム吸着カラム44及びストロンチウム吸着カラム46と、廃液の濃度調整を行う組成調整槽48などからなる。モリブデンを除去した廃液を脱硝器40内の沈殿槽に一時貯留する。脱硝器40では、廃液へギ酸を添加してpHを調整し、加熱することで廃液中のセシウムとその同属元素であるナトリウム、ストロンチウムとその同属元素であるカルシウム、バリウム以外の元素を析出させる。特にランタノイド及びアクチノイドを析出させることができる。この廃液を濾過器42で濾過し、析出物を分離除去する。濾過器42に残った堆積物を硝酸で溶解し、組成調整槽48へ移送する。濾過器42を通過した廃液をセシウム吸着カラム44に通してセシウムを吸着分離する。吸着材であるフェリフェライトは定期的に硝酸アンモニウムで洗浄し、吸着したセシウムを溶解して発熱元素回収槽24へ回収する。更に、セシウム吸着カラムを通過した廃液をストロンチウム吸着カラム46に通してストロンチウムを吸着分離する。吸着材であるA型ゼオライトは定期的にEDTAで洗浄し、吸着したストロンチウムを溶解して発熱元素回収槽24へ回収する。前記脱硝器と濾過器により、セシウム、ストロンチウムの吸着と関係のない元素を予め取り除くことで、その後の吸着カラムでの吸着効率を上げることができる。
【0015】
そして、以上のプロセスにより発熱元素であるセシウム、ストロンチウムを除去した廃液を、組成調整槽48で濾過器42の洗浄液と混合し、硝酸、純水により組成調整を行いオーバーフロー方式により、廃液供給槽18に貯留する。廃液供給槽18の廃液をガラス供給系20からのガラス原料に供給し、廃液が染み込んだガラス原料をガラス溶融炉12内へ供給する。ガラス溶融炉12は、耐火物の炉体50の側壁に電極52を対向配置し、ガラス原料を通電溶融するものであり、溶融ガラスを下方の排出口から容器内に排出し、冷却することでガラス固化体となる。このとき、ガラス原料に対して廃棄物の混合割合を高め、廃棄物濃度45~55wt%のガラス固化体とする。
【0016】
図4は、ガラス固化体へのモリブデン溶解度を表している。一般にガラス固化体へのモリブデンの溶解は三酸化モリブデン(MoO3 )の状態で存在するため、モリブデンの濃度をMoO3 濃度としてグラフに表している。ここで、MoO3 濃度が3~4wt%以上で、モリブデンはセシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属を同伴し、水溶性のモリブデン酸塩としてガラス中に析出することが知られている。現状廃液組成(例)の直線では廃棄物濃度が45%でMoO3 析出領域となる。モリブデン酸塩の析出を防止して均質なガラスとするために、現状のガラス固化処理においては、工程変動を考慮して、廃棄物含有率を20~30wt%となるように設定している。このときのMoO3 濃度は2%である。それに対して本発明においては、ガラス溶融炉への廃液供給過程にモリブデン除去ユニットを設けることで、廃液中のMoO3 の60%以上を除去し、ガラス固化可能な廃棄物含有率約55%においても、MoO3 濃度を2wt%以下に抑えつつ、モリブデン酸塩の析出のない均質なガラスの製造が可能となる。本発明における廃液組成(例)の直線では、廃棄物濃度が55wt%でもMoO3 濃度が2wt%以下となる。
【実施例】
【0017】
処理手順の一実施例の詳細について説明する。図5はモリブデン除去ユニットの部分を示し、図6は発熱元素除去ユニットの前段部分、図7は発熱元素除去ユニットの後段部分を示している。
【0018】
モリブデン除去ユニット14では、まず沈降分離器30に、一定の液位となるまで廃液を受け入れる。所定時間放置して固体成分を沈降分離し、上澄み液のみを全量次の電解析出器32に移送する。洗浄液(2.5N硝酸及び純水)を沈降分離器30に受け入れ、所定時間放置して固体成分を沈降分離し、上澄み液を次の電解析出器32に移送する。再び洗浄液(硝酸及び純水)を沈降分離器30に受け入れ、洗浄液の水流によって堆積物(主にモリブデン酸ジルコニウム)をモリブデン回収槽22に移送し回収する。
【0019】
電解析出器32に、一定の液位となるまで沈降分離器30の上澄み液を受け入れる。電極間に直流通電し電位を調節することでモリブデンを電極表面上に析出させる。電極間の抵抗値を測定し、所定の抵抗値になるまで通電を続ける。所定の抵抗値に達したならば、次に通電電気量を求め、所定の値に達したか否かを判定する。所定の通電電気量に達していなければ、通電を停止し、廃液を発熱元素除去ユニット16に移送する。所定の通電電気量に達したならば、通電を停止し、電極の交換によりモリブデンを回収する。
【0020】
発熱元素除去ユニット16では、まず脱硝器40に、一定の液位となるまでモリブデン除去済廃液を受け入れる。攪拌しながら、pHが6.0~7.0になるまでギ酸を添加調整する。また攪拌しながら加熱蒸気により95℃に加熱し、その後、室温まで冷却する。脱硝器40内の廃液全量を濾過器42に移送する。濾液は、組成調整槽まで連続的に通過させる。濾過器42ではメンブレンフィルタ(ここでは0.45HVを使用)で濾過処理を行い、濾液を順次セシウム吸着カラム44に移送する。メンブレンフィルタ前後の差圧を測定し、所定値以上に達した場合、脱硝器40からセシウム吸着カラム44へのバルブを閉じ、フィルタ堆積物を硝酸によって溶解し、組成調整槽48に移送する。
【0021】
濾液を、セシウム吸着カラム44を通じてストロンチウム吸着カラム46に移送する。セシウム吸着カラム44での処理量が所定量以上になった場合は、脱硝器40からの廃液供給を停止し、セシウム吸着カラム44からストロンチウム吸着カラム46へのバルブを閉じ、5N硝酸アンモニウムをセシウム吸着カラム44に流し、吸着物を溶離する。そして、連続的に溶離液を発熱元素回収槽24へ移送する。フェリフェライト吸着材を用いることによって、廃液中のセシウムの98%を除去することができる。セシウム吸着カラム44を通過した濾液を、ストロンチウム吸着カラム46を通して組成調整槽48に移送する。ストロンチウム吸着カラム46での処理量が所定量以上になった場合は、脱硝器40からの廃液供給を停止し、セシウム吸着カラム44からストロンチウム吸着カラム46へのバルブを閉じ、0.05NのEDTAをストロンチウム吸着カラム46に流し、吸着物を溶離する。そして、連続的に溶離液を発熱元素回収槽24へ移送する。A型ゼオライト吸着材を用いることによって、廃液中のストロンチウムの97.4%を除去することができる。
【0022】
組成調整槽48に、ストロンチウム吸着カラム46を通過した濾液及び濾過器42の堆積物を硝酸によって溶解した廃液を一定液位まで受け入れる。攪拌しながら硝酸を加え、固体成分を完全に溶解し、廃液供給槽18に移送する。廃液供給槽18からオーバーフローによって、ガラス固化体中の廃棄物濃度が45~55wt%となるように、ガラス原料に対して廃棄物量を多くしてガラス溶融炉12に廃液を供給する。
【0023】
このようにして、ガラスに対する溶解度が低く溶解度を超えると水溶性の化合物として析出する高放射性廃液中のモリブデン、及び発熱量の大きい元素を、廃液供給段階において連続的に分離除去した後、溶融炉へ供給することで、廃棄物濃度を約55wt%まで高くしてもモリブデン酸塩の析出を防止できるとともに、発熱量を低い状態に維持でき、貯蔵・地層処分コストの大幅な低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る高レベル放射性廃液の高減容ガラス固化処理方法の典型例を示す全体説明図。
【図2】そのモリブデン除去ユニットの一例を示す説明図。
【図3】その発熱元素除去ユニットの一例を示す説明図。
【図4】モリブデン溶解度と廃棄物濃度の関係を示すグラフ。
【図5】モリブデン除去ユニットの処理手順の説明図。
【図6】発熱元素除去ユニットの前段での処理手順の説明図。
【図7】発熱元素除去ユニットの後段での処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0025】
10 高レベル放射性廃液
12 ガラス溶融炉
14 モリブデン除去ユニット
16 発熱元素除去ユニット
18 廃液供給槽
20 ガラス原料供給系
22 モリブデン回収槽
24 発熱元素回収槽
26 オフガス処理系
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6