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明細書 :高周波放電装置及び高周波処理装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4122467号 (P4122467)
公開番号 特開平11-233289 (P1999-233289A)
登録日 平成20年5月16日(2008.5.16)
発行日 平成20年7月23日(2008.7.23)
公開日 平成11年8月27日(1999.8.27)
発明の名称または考案の名称 高周波放電装置及び高周波処理装置
国際特許分類 H05H   1/24        (2006.01)
C23C  16/50        (2006.01)
H01L  21/205       (2006.01)
H01L  21/302       (2006.01)
H05H   1/46        (2006.01)
FI H05H 1/24
C23C 16/50
H01L 21/205
H01L 21/302
H05H 1/46 L
請求項の数または発明の数 6
全頁数 11
出願番号 特願平10-034915 (P1998-034915)
出願日 平成10年2月17日(1998.2.17)
審査請求日 平成17年2月1日(2005.2.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】菅井 秀郎
【氏名】鈴木 啓之
【氏名】戸野谷 純一
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855、【弁理士】、【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672、【弁理士】、【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830、【弁理士】、【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
審査官 【審査官】林 靖
参考文献・文献 欧州特許出願公開第00813227(EP,A1)
特開平09-106899(JP,A)
特開平07-254500(JP,A)
特開平08-008095(JP,A)
特開平10-125497(JP,A)
特開平08-339897(JP,A)
調査した分野 H05H 1/24
C23C 16/50
H01L 21/205
H01L 21/302
H05H 1/46
特許請求の範囲 【請求項1】
くとも1つのループ状のアンテナに高周波電力を供給して容器内に誘導電界を発生させることによりプラズマを生成する高周波放電装置において、
1つの前記アンテナの接地側又は複数の前記アンテナ間にそれぞれ介装されたコンデンサを具備し
前記コンデンサは、可変容量であり、この容量を変化させて前記アンテナ上での高周波電圧分布を変化させ、前記アンテナと前記プラズマとの静電的結合を制御し、
前記コンデンサの容量Cは、高周波の周波数をω、回路中のインダクタンスをLとすると、
C=2/ω Lの関係を満たす、
ことを特徴とする高周波放電装置。
【請求項2】
前記アンテナは、外周側に絶縁被覆が施されている又は施されていないことを特徴とする請求項1記載の高周波放電装置。
【請求項3】
プラズマ生成用のガスが供給され、かつ内部に被処理体が配置される真空容器と、
高周波電力用の電源と、
前記電源からの高周波電力の供給により前記真空容器内に誘導電界を発生させてプラズマを生成させ、前記真空容器内の前記被処理体に対して処理を行なわせる少なくとも1つのループ状のアンテナと、
1つの前記アンテナの接地側又は複数の前記アンテナ間にそれぞれ介装されたコンデンサと、
を具備し、
前記コンデンサは、可変容量であり、この容量を変化させて前記アンテナ上での高周波電圧分布を変化させ、前記アンテナと前記プラズマとの静電的結合を制御し、
前記コンデンサの容量Cは、高周波の周波数をω、回路中のインダクタンス成分をLとすると、
C=2/ω Lの関係を満たす、
ことを特徴とする高周波処理装置。
【請求項4】
前記アンテナは、外周側に絶縁被覆が施されている又は施されていないことを特徴とする請求項3記載の高周波処理装置
【請求項5】
前記アンテナは、複数であり、かつ前記真空容器の内部に設けられたことを特徴とする請求項3記載の高周波処理装置
【請求項6】
前記アンテナは、前記真空容器の外部に設けられたことを特徴とする請求項3記載の高周波処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハ上の薄膜素子の製造、或いは粒子ビーム源や分析装置や加熱装置などのプラズマ源に用いられる高周波放電装置並びに高周波処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属、半金属、半導体、酸化物、窒化物、砒素などを構成要素とする薄膜が形成された素子(以下、薄膜素子と称する)は、LSI、磁気記録装置、光記録装置などの記憶装置、半導体レーザ、光電変換素子などの通信機器、LCDなどの平面ディスプレイ、固体撮像素子などの表示装置、太陽電池などのエネルギー機器など、多種多様な装置の主要部品に応用されており、今後、機器の小型化、高性能化を進展させるための必須部品として技術的発展が期待されている。
【0003】
このような薄膜素子は、その構造の微細化、高性能化が進んでおり、例えばエッチング、CVDなどでプラズマを用いた製造プロセスが重要となつている。そして、製造プロセスで用いる被処理体の基板の面積も生産性向上の観点から大面積化している。
【0004】
このような製造プロセスを実現するために誘導結合型の高周波プラズマ装置が注目されている。この誘導結合型の高周波プラズマ装置は、通常、真空容器の外部にループ状のアンテナが配置され、このアンテナに高周波電流を流すことにより誘導電界を真空容器内のガスに加え、プラズマを生成するものとなっている。
【0005】
この場合、アンテナにより発生する誘導電界は、真空容器に設置された誘電体窓を通して真空容器内のガスに加えられている。
このような誘導結合型の高周波プラズマであれば、アンテナの近傍に誘導電界が発生するとともに、アンテナに供給される高周波電圧による静電界も同時に発生する。
【0006】
この静電界によるアンテナとプラズマとの静電的結合は、プラズマ放電の開始や低密度領域でのプラズマ生成に寄与する。これにより、この静電的結合は、プラズマ放電の安定化に重要な働きをする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アンテナとプラズマとの静電的結合の結果、アンテナ又はアンテナ近傍の誘電体には、負の直流セルフバイアス電圧が発生し、このセルフバイアス電圧によつて放電により生じたイオンが加速され、誘電体やアンテナの材料がスパッタされる。例えば、アンテナの材料が銅であれば、この銅そのものや電離した銅が真空容器の内壁や被処理体にスパッタされる。
【0008】
このため、高周波プラズマ装置の劣化を速めるだけでなく、スパッタされた不純物がエッチングやCVDなどのプロセスに悪影響を与える。
そこで本発明は、プラズマ放電の安定化とアンテナによるスパッタの抑制とを両立させるためにアンテナとプラズマとの静電的結合を最適に制御できる高周波放電装置を提供することを目的とする。
【0009】
又、本発明は、アンテナとプラズマとの静電的結合を最適に制御した状態でプラズマを発生させ、被処理体に対する処理ができる高周波処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、少くとも1つのループ状のアンテナに高周波電力を供給して容器内に誘導電界を発生させることによりプラズマを生成する高周波放電装置において、1つのアンテナの接地側又は複数のアンテナ間にそれぞれ介装されたコンデンサを具備し、コンデンサは、可変容量であり、この容量を変化させてアンテナ上での高周波電圧分布を変化させ、アンテナとプラズマとの静電的結合を制御し、コンデンサの容量Cは、高周波の周波数をω、回路中のインダクタンスをLとすると、C=2/ω Lの関係を満たす高周波放電装置である。
請求項2によれば、請求項1記載の高周波放電装置において、アンテナは、外周側に絶縁被覆が施されている又は施されていない。
【0011】
請求項3によれば、プラズマ生成用のガスが供給され、かつ内部に被処理体が配置される真空容器と、高周波電力用の電源と、電源からの高周波電力の供給により真空容器内に誘導電界を発生させてプラズマを生成させ、真空容器内の被処理体に対して処理を行なわせる少なくとも1つのループ状のアンテナと、1つのアンテナの接地側又は複数のアンテナ間にそれぞれ介装されたコンデンサとを具備し、コンデンサは、可変容量であり、この容量を変化させてアンテナ上での高周波電圧分布を変化させ、アンテナとプラズマとの静電的結合を制御し、コンデンサの容量Cは、高周波の周波数をω、回路中のインダクタンス成分をLとすると、C=2/ω Lの関係を満たす高周波処理装置である
請求項4によれば、請求項3記載の高周波処理装置において、アンテナは、外周側に絶縁被覆が施されている又は施されていない
請求項5によれば、請求項3記載の高周波処理装置において、アンテナは、複数であり、かつ真空容器の内部に設けられた。
請求項6によれば、請求項3記載の高周波処理装置において、アンテナは、真空容器の外部に設けられた。
【0017】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の高周波処理装置の構成図である。
真空容器1は、例えば円筒状に形成され、その上部には図2に示すようにエッチング用の反応性ガスやCVD用の原料ガスなどのプロセスガス2を供給するための供給管3が接続されるとともに、その下部には排気管4が接続されている。なお、真空容器1は、円筒状に限らず、立方体形状に形成されていてもよい。
【0018】
排気管4には、排気ポンプ5が接続され、この排気ポンプ5の作動によって真空容器1内を減圧するようになっている。
又、真空容器1内には、テーブル6が設けられ、このテーブル6上にエッチング又はCVD処理が行なわれる被加工物7が載置されている。
【0019】
さらに、真空容器1内には、ループ状のアンテナ8が配置されている。このアンテナ8は、例えば導電性の材料、例えば銅、アルミニウムにより形成されている。
【0020】
又、このアンテナ8は、そのアンテナ導体の外周を絶縁材料、例えばガラス繊維で絶縁被覆が施されたもの、又は絶縁被覆を施さずにアンテナ導体の金属無垢の2種類となっている。
【0021】
このアンテナ8の一端には、図1に示すように高周波電力用の電源9が接続され、かつ他端側の接地との間にはフローティングコンデンサ10が接続されている。
【0022】
このフローティングコンデンサ10は、可変容量であり、その容量Cf を変化させてアンテナ8上での高周波電圧分布を変化させ、このアンテナ8とプラズマPとの静電的結合を制御する作用を持っている。
【0023】
すなわち、図3(a) に示すようにアンテナ8にフローティングコンデンサ10が接続されていなければ、接地に対するA点の電圧は同図(b) に示すように0Vとなり、A点とB点との間には同図(c) に示すようにアンテナ8のA,B間の電圧に対応した電圧波形が現れる。この波形は、同図(d) に示すように接地に対するB点についても同様である。
【0024】
これに対して図4(a) に示すようにアンテナ8にフローティングコンデンサ10を接続すると、A点には、このフローティングコンデンサ10の電圧降下により同図(b) に示すようにA点とB点との間の電圧位相{図4(c) }と逆位相で2分の1倍の振幅を持つの電圧波形が現れる。
【0025】
従って、接地からB点の電圧は、同図(b) に示すフローティングコンデンサ10による逆位相の電圧と同図(c) に示すA点とB点との間の電圧とが重なり合った波形となり、同図(d) に示すような最大値の小さくなった電圧となる。
【0026】
従って、フローティングコンデンサ10の容量Cf を変化させることにより、アンテナ8上の電圧分布を変化させてアンテナ8上の任意の点(例えばA点とB点との中間点)の電圧を0Vに制御できるものとなる。
【0027】
この中間点での電圧が0Vの場合、図4(a) に示す回路を式で表すと、
V={(jωL/2)+j(1/ωCf )}・I …(1)
となる。ここで、Lはアンテナ8のインダクタンス、Cf はフローティングコンデンサの容量、Iは回路電流である。
【0028】
この際には、式変形して
f =2/ω2 L …(2)
となる。
【0029】
この値をとれば、高周波電圧についてコンデンサがない場合に比べて接地からB点が半分となり大幅に静電的結合が抑制できる。
ここで、フローティングコンデンサ10の効果を調べるために、アンテナ8の両端での高周波電圧VRF1 、VRF2 、アンテナ8の負の直流セルフバイアス電圧VDC、電子密度ne をそれぞれ測定した。
【0030】
図5及び図6はアンテナ8のセルフバイアス電圧VDC(図には絶対値|VDC|を表示)、アンテナ8の両端の高周波電圧VRF1 、VRF2 、電子密度ne に対するフローティングコンデンサ10の容量Cf の依存性を示している。
【0031】
この場合、アンテナ8は、ステンレス製金属無垢のアンテナを用いて例えばアルゴン0.3Paの放電を行なった。
図5に示すようにフローティングコンデンサ10の容量Cf を小さくするにつれて、電源9側の高周波電圧VRF1 は小さくなり、フローティングコンデンサ10側の高周波電圧VRF2 は大きくなり、上記コンデンサ10の容量Cf が400pFとなる付近で大きさが逆転する。
【0032】
又、セルフバイアス電圧|VDC|は、上記コンデンサ10の容量Cf を小さくするにつれて初めは小さくなり、VRF1 =VRF2 となるときに最小となり、この後に再び高くなる。
【0033】
このことはフローティングコンデンサ10の容量Cf を変化させることにより、静電的結合の強さを制御できることを示している。
図6はセルフバイアス電圧|VDC|が最小となるときに電子密度ne が最大となっている。これはアンテナ8とプラズマPとの静電的結合を抑制すると、プラズマPの生成効率が高くなることを示している。
【0034】
一方、図7及び図8は上記同様にフローティングコンデンサ10の効果を調べるために、絶縁被覆されたアンテナ8を用いて、このアンテナ8の両端での高周波電圧VRF1 、VRF2 、電子密度ne をそれぞれ測定した結果である。なお、アンテナ8の負の直流セルフバイアス電圧VDCは、アンテナ導体でなく、プラズマP中の絶縁物表面に現れるために測定できない。
【0035】
この絶縁被覆されたアンテナ8を用いた場合でも、上記同様に、アンテナ8の両端の高周波電圧VRF1 、VRF2 は、フローティングコンデンサ10の容量Cf が400pFとなる付近でVRF1 =VRF2 となり、かつ電子密度ne が最大となるという同じ傾向を持っている。
【0036】
これはアンテナ8に絶縁被覆を施してもフローティングコンデンサ10の容量Cf を変えることにより、アンテナ8とプラズマPとの静電的結合が制御できることを示している。
【0037】
なお、アンテナ8を真空容器1の外部に配置した場合でも、アンテナ8とプラズマPとが誘電体を介して結合されている点では、アンテナ8を真空容器1の内部に配置した場合と変わらないので、アンテナ8を真空容器1の外部に配置した場合でもフローティングコンデンサ10の容量Cf を変えることによりアンテナ8とプラズマPとの静電的結合が制御できる。
【0038】
このような高周波処理装置での処理は、真空容器1の内部に配置されたループ状のアンテナ8に対して電源9から高周波電流が流すことにより誘導電界が真空容器1内のエッチング用の反応性ガスやCVD用の原料ガスなどのプロセスガス2に加えられ、これによりプラズマPが生成され、被処理体7に対するエッチング又は薄膜形成などの処理が行なわれる。
【0039】
このように上記第1の実施の形態においては、アンテナ8の接地側にフローティングコンデンサ10を接続し、このフローティングコンデンサ10の容量Cf を変化させてアンテナ8上での高周波電圧分布を変化させ、このアンテナ8とプラズマPとの静電的結合を制御するようにしたので、プラズマP放電の安定化とアンテナ8によるスパッタの抑制とを両立させるためにアンテナ8とプラズマPとの静電的結合を最適に制御できる。
【0040】
これにより、負の直流セルフバイアス電圧によつてイオンが加速され、例えば、アンテナの材料が真空容器1の内壁や被処理体7にスパッタされることが抑制され、高周波プラズマ装置を長寿命化でき、エッチングやCVDなどのプロセスに悪影響を与えることはなくなる。
(2) 次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0041】
図9は高周波処理装置の構成図である。
真空容器1の内部には、径の異なる複数のループ状のアンテナ、例えば2つのアンテナ20、21が配置されている。
【0042】
これらアンテナ20、21は、例えば導電性の材料、例えば銅、アルミニウムにより形成されている。
又、これらアンテナ20、21は、そのアンテナ導体の外周を絶縁材料、例えばガラス繊維で絶縁被覆が施されたもの、又は絶縁被覆を施さずにアンテナ導体の金属無垢の2種類となっている。
【0043】
これらアンテナ20、21は、直列に接続され、かつその各間にはそれぞれ各フローティングコンデンサ22、23が接続されている。
これらフローティングコンデンサ22、23は、それぞれ可変容量であり、その各容量Cf を変化させて各アンテナ20、21上での高周波電圧分布を変化させ、各アンテナ20、21とプラズマPとの静電的結合を制御する作用を持っている。
【0044】
すなわち、上記第1の実施の形態と同様に、各フローティングコンデンサ22、23の各容量Cf を変化させることにより、各アンテナ20、21での電圧分布を任意に制御してアンテナ上の任意の点を0Vにできるとともに、接地から各アンテナ20,21までの電圧を小さくすることができる。
【0045】
このような高周波処理装置での処理は、真空容器1の内部に配置された2つのループ状のアンテナ20、21に対して電源9から高周波電流が流すことにより誘導電界が真空容器1内のエッチング用の反応性ガスやCVD用の原料ガスなどのプロセスガス2に加えられ、これによりプラズマPが生成され、被処理体7に対するエッチング又は薄膜形成などの処理が行なわれる。
【0046】
このように上記第2の実施の形態においては、2つのアンテナ20、21の各間にフローティングコンデンサ22、23を接続してその各容量Cf を変化させて2つのアンテナ20、21上での高周波電圧分布を変化させ、これらアンテナ20、21とプラズマPとの静電的結合を制御するようにしたので、上記第1の実施の形態と同様に、プラズマP放電の安定化とアンテナ20、21によるスパッタの抑制とを両立させるためにアンテナ20、21とプラズマPとの静電的結合を最適に制御できるという効果を奏することは言うまでもない。
(3) 次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0047】
図10は高周波処理装置の構成図である。
真空容器1の外周には、複数のループ状のアンテナ、例えば3つのアンテナ30、31、32が配置されている。
【0048】
これらアンテナ30、31、32は、例えば導電性の材料、例えば銅、アルミニウムにより形成されている。
又、これらアンテナ30、31、32は、絶縁被覆を施さずにアンテナ導体の金属無垢となっている。
【0049】
これらアンテナ30、31、32は、直列に接続され、かつその各間にはそれぞれ各フローティングコンデンサ33、34、35が接続されている。
これらフローティングコンデンサ33、34、35は、それぞれ可変容量であり、その各容量Cf を変化させて各アンテナ30、31、32上での高周波電圧分布を変化させ、各アンテナ30、31、32とプラズマPとの静電的結合を制御する作用を持っている。又、アンテナ30,31,32は、真空容器の一部をなす例えば石英部材36に巻かれている。
【0050】
すなわち、上記第1の実施の形態と同様に、各フローティングコンデンサ33,34,35の各容量Cf を変化させることにより、各アンテナ30,31,32での電圧分布を任意に制御してアンテナ上の任意の点を0Vにできるとともに、接地から各アンテナ30,31,32までの電圧を小さくすることができる。
【0051】
このような高周波処理装置での処理は、真空容器1の内部に配置された2つのループ状のアンテナ30、31、32に対して電源9から高周波電流を流すことにより誘導電界が真空容器1内のエッチング用の反応性ガスやCVD用の原料ガスなどのプロセスガス2に加えられ、これによりプラズマPが生成され、被処理体7に対するエッチング又は薄膜形成などの処理が行なわれる。
【0052】
このように上記第3の実施の形態においては、3つのアンテナ30、31、32の各間にフローティングコンデンサ33、34、35を接続してその各容量Cf を変化させて3つのアンテナ30、31、32上での高周波電圧分布を変化させ、これらアンテナ30、31、32とプラズマPとの静電的結合を制御するようにしたので、上記第1の実施の形態と同様に、プラズマP放電の安定化とアンテナ30、31、32によるスパッタの抑制とを両立させるためにアンテナ30、31、32とプラズマPとの静電的結合を最適に制御できるという効果を奏することは言うまでもない。
【0053】
なお、上記の説明では高周波を用いた処理装置について述べたが、高周波加熱装置のような常圧容器中での被処理体(例えば金属など)の加熱に用いる高周波放電装置も提供できる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、アンテナの接地側又は複数のアンテナ間にそれぞれ介装されたコンデンサの容量を変化させてアンテナ上での高周波電圧分布を変化させ、アンテナとプラズマとの静電的結合を制御することによってプラズマ放電の安定化とアンテナによるスパッタの抑制とを両立させるためにアンテナとプラズマとの静電的結合を最適に制御できる高周波放電装置を提供できる。
【0055】
又、本発明によれば、アンテナの接地側又は複数のアンテナ間にそれぞれ介装されたコンデンサの容量を変化させてアンテナ上での高周波電圧分布を変化させ、アンテナとプラズマとの静電的結合を制御することによってアンテナとプラズマとの静電的結合を最適に制御した状態でプラズマを発生させ、被処理体に対する処理ができる高周波処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる高周波処理装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における真空容器内の構成図。
【図3】フローティングコンデンサが無いときのアンテナ上の高周波電圧分布を説明するための図。
【図4】フローティングコンデンサを接続したときのアンテナ上の高周波電圧分布を説明するための図。
【図5】金属無垢のアンテナを用いた場合のアンテナのセルフバイアス電圧Vなどに対するフローティングコンデンサの容量の依存性を示す図。
【図6】金属無垢のアンテナを用いた場合のアンテナのセルフバイアス電圧などに対するフローティングコンデンサの容量の依存性を示す図。
【図7】絶縁被覆されたアンテナを用いた場合のアンテナのセルフバイアス電圧Vなどに対するフローティングコンデンサの容量の依存性を示す図。
【図8】絶縁被覆されたアンテナを用いた場合のアンテナのセルフバイアス電圧Vなどに対するフローティングコンデンサの容量の依存性を示す図。
【図9】本発明に係わる高周波処理装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係わる高周波処理装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1:真空容器、
2:プロセスガス、
7:被加工物、
8,20,21,30,31,32:ループ状のアンテナ、
9:高周波電力用の電源、
10,22,23,33,34,35:フローティングコンデンサ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9