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明細書 :糖供与体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5078108号 (P5078108)
公開番号 特開2007-230930 (P2007-230930A)
登録日 平成24年9月7日(2012.9.7)
発行日 平成24年11月21日(2012.11.21)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
発明の名称または考案の名称 糖供与体
国際特許分類 C07H   9/06        (2006.01)
FI C07H 9/06 CSP
請求項の数または発明の数 5
全頁数 20
出願番号 特願2006-055774 (P2006-055774)
出願日 平成18年3月2日(2006.3.2)
審査請求日 平成21年1月15日(2009.1.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】独立行政法人理化学研究所
発明者または考案者 【氏名】眞鍋 史乃
【氏名】伊藤 幸成
【氏名】石井 一之
個別代理人の代理人 【識別番号】110000109、【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
審査官 【審査官】新留 素子
参考文献・文献 J. Am. Chem. Soc.,2001年,Vol.123, No.38,pp.9461-9462
J. Org. Chem.,2005年,Vol.70, No.10,pp.4195-4198
調査した分野 C07H
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)で示される化合物。
【化1】
JP0005078108B2_000017t.gif
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立に水素原子、ベンジル基、クロロアセチル基、アセチル基、レブリノイル基、p-メトキシベンジル基、シリルエーテル又はベンゾイル基を示す。Yは、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1~4のアルキルチオ又はアリールチオを示す)
【請求項2】
Yがベンジル基であり、Zが-SCである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X1がベンジル基であり、X2がクロロアセチル基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の化合物からなる糖鎖合成用の糖供与試薬。
【請求項5】
請求項1から3の何れかに記載の化合物と糖受容体とを反応させて結合する工程を含む、糖鎖の合成方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、糖鎖合成反応において糖供与体として有用な新規化合物に関する。より詳細には、本発明は、1,2-cisグルコシル化反応における糖供与体として有用な新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のオリゴ糖合成は、立体選択的なグリコシル化が可能な場合にのみ可能である。一般に、アノマー位の選択性は、溶媒、温度、プロモーター、脱離基、及び保護基のパターンなどの反応条件を最適化することによって可能となる。現在の所、1,2-cisグリコシドの立体的選択的な合成は、複雑なオリゴ糖合成における難題である。特に、2-アミノ-2-デオキシ糖についての1,2-cis立体選択的なグリコシル化の進行に関しては、Lemieux及びPaulsenが約30年前に隣接基関与をしない保護基として2位にアジド基を導入することを報告している(非特許文献1及び2)。しかし、Lemieux及びPaulsenの方法では、1,2-cis 体が優先的に合成されるものの必ずしも満足すべき選択性を与えるわけではない。また、糖供与体の合成はアジドナイトレーションといわれる特殊な手法を用いるもの、または、爆発の危険があるトリフリックアジドを用いなければならないという問題があった。
【0003】
2001年、Kernsは、2,3-trans-オキサゾリジノンを有する糖供与体が高い選択性を示すことを報告した(非特許文献3)。しかしながら、この糖供与体には幾つかの欠点があることが報告されている(非特許文献4及び非特許文献5)。第一に、少なくとも2当量の活性化剤(フェニルスルフェニルトリフラート)が必要となるということである。そして、アミノ基のスルフェニル化及びグリコシル化は重大な副反応である。窒素原子をアセチル化すると、選択性が顕著に減少し、逆にβ選択性が見られる場合がある。また、アセトアミド基をアミノ基の保護基として用いた糖供与体の場合、2,3-位のtrans-oxazolidinone を塩基性条件においての脱保護に問題点がある。すなわち、アセトアミド基を残して、trans-oxazolidinone構造を加水分解したいが、アセトアミド基の加水分解が競争してしまい、選択的な加水分解が難しく、様々な生成物が生じる欠点がある。
【0004】

【非特許文献1】H.Paulsen, et al., Chem.Ber. 1978, 111, 2358-2369
【非特許文献2】R.U. Lemiuex, et al., Can.J.Chem. 1979, 57, 1244-1251
【非特許文献3】K.Benakli, et al., J.Am.Chem.Soc. 2001, 123, 9461-9462
【非特許文献4】P.Wei, et al., J.Org.Chem., 2005, 70, 4195-4198
【非特許文献5】P.Wei, et al., Tetrahedron Lett. 2005, 46, 6901-6905
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、立体選択的な1,2-cis グリコシル化反応を行うことができる糖供与体化合物を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、新規2,3-trans-オキサゾリジノン誘導体の簡便な合成法を開発し、さらにそれが1,2-cis グリコシル化反応の糖供与体として有用であることを見出した。さらに、脱保護反応も容易であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
【0007】
即ち、本発明によれば、下記式(1)で示される化合物が提供される。
【化1】
JP0005078108B2_000002t.gif
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基の保護基を示す。Yは、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1~4のアルキルチオ又はアリールチオを示す)
【0008】
好ましくは、Yはベンジル基であり、Zは-SC65である。
好ましくは、X1はベンジル基であり、X2はクロロアセチル基である。
【0009】
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の化合物からなる糖鎖合成用の糖供与試薬が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の化合物と糖受容体とを反応させて結合する工程を含む、糖鎖の合成方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1,2-cis グリコシル化反応の糖供与体として有用な新規な化合物が提供される。即ち、本発明の化合物は、グリコシル化反応において高い立体選択性を持つ糖供与体である。本発明の化合物の合成は簡便で、大きなスケールにも対応できる。また、グリコシル化反応においての立体選択性の発現においては著しい低温条件を必要としない。また、脱保護反応は塩基性条件、続く接触還元により行うことができる。
【0011】
本発明の化合物は、従来用いられているアジド糖に比べて、原料合成の点、立体選択性の点において改善が見られる。また、従来から用いられる (Kernsら)アセトアミド基をアミノ基の保護基として用いた糖供与体の場合、2,3-位のtrans-oxazolidinone を塩基性条件においての脱保護に問題点がある。すなわち、アセトアミド基を残して、trans-oxazolidinone構造を加水分解したいが、アセトアミド基の加水分解が競争してしまい、選択的な加水分解が難しく、様々な生成物が生じる欠点がある。しかし、本発明の化合物におけるN-ベンジル基ではtrans-oxazolidinoneのみが塩基性において加水分解を受けるため、このような問題点はない。
【0012】
本発明の化合物を用いることにより、液相合成だけではなく固相合成、可溶性高分子担体を用いての糖鎖合成、あるいは糖鎖自動合成機により、1,2-cis 結合を有する糖鎖を合成することが可能である。1,2-cis グリコシド結合を有するアミノ糖は、医薬品であるヘパリンやGPI アンカーなど生理活性を持つ糖鎖に多く見られるので、本発明の化合物は、これらの糖類の合成にも有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
先ず、本発明について、本明細書の実施例の内容に即して、表1並びに図1及び2を参照して説明する。
【0014】
本発明の化合物は、2-アミノ-2-デオキシ糖の1,2-cisグリコシル化のための新規な糖供与体である。糖供与体(化合物5及び6)は、N-ベンジル基を有する2,3-trans-オキサゾリジノンを有する。供与体(化合物5及び6)の合成を図1に示す。即ち、トリクロロエチルカーバメートで保護したGlcNAc(化合物1)(K.Benakli, et al., J.Am.Chem.Soc. 2001, 123, 9461-9462)を2,3-trans-オキサゾリジノン誘導体(化合物2)に、BnBr及びNaHを用いて一工程で96%の収率で転化した(図1)。Et3SiH-BF3・OEt2を用いた通常の還元ベンジリデンアセタール開環条件により、化合物2から、C-4位にフリーの水酸基を有する化合物3及び4が得られた。化合物3をクロロアセチル化することにより、糖供与体として化合物5が得られた。ガラクトサミン供与体(化合物6)も、化合物3から、中間体としてトリフラートを介して製造した。チオグリコシド(化合物5及び6)を用いて、立体選択的なグリコシル化反応を検討した。
【0015】
本発明では、立体選択性は、第1級アルコールを有する糖受容体(化合物7)を用いて調べた。PhSOTf及びN-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム-Tf2Oの組み合わせを用いたチオグリコシド活性化条件の場合は、α及びβ産物が立体ランダムに得られた(表1)。反応をトルエン:ジオキサン混合物中で行った場合、選択性は室温付近で劇的に向上した(エントリー1、条件C)。ガラクトサミン誘導体供与体(化合物6)は、同一の反応条件下においてわずかに高い選択性を示した(エントリー2)。
【0016】
この方法を各種の糖受容体に適用した。完全な選択性は、CH2Cl2中のWangの条件下においてグルコース(化合物10)及びグリコサミン誘導体(化合物11)の低反応性の4-OHの場合に認められた。粗製混合物をゲルろ過した後の400MHz 1H-NMR分析ではβ-グリコシドは同定されなかった。反応性の低い第2級アルコールは溶媒に関係なしに選択性を示した。グルコサミンのC-4位の水酸基は比較的反応性が低いことが知られているが、この糖供与体は、高収率で二糖(化合物13)を生成した。化合物15及び17、血栓塞栓疾患の予防及び治療用の薬剤であるヘパリンの構成成分である。何れの場合も、高い選択性が得られる。大部分の場合、収率は、1.2当量の糖供与体(化合物5及び6)を用いた場合に高く、糖供与体からの副生物はほとんど認められなかった。
【0017】
また、二糖(化合物8)の脱保護が可能である。即ち、塩基条件下でオキサゾリジノンの脱保護の後、O-及びN-ベンジル基を水素添加により除去した。未保護の二糖をアセチル化した後、二糖(化合物18)が得られた(図2)。
【0018】
本発明の化合物は、下記式(1)で示される化合物である。
【化2】
JP0005078108B2_000003t.gif

【0019】
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基の保護基を示す。Yは、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1~4のアルキルチオ又はアリールチオを示す)
【0020】
式(1)において、X1及びX2は水素原子又は水酸基の保護基を示す。水酸基の保護基としては、ベンジル基、クロロアセチル基、アセチル基、レブリノイル基、p-メトキシベンジル基、シリルエーテルなどが挙げられる。特に好ましくは、X1がベンジル基であり、X2がクロロアセチル基である。
【0021】
式(1)において、Yは、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基を示す。低級アルキル基とは、一般的には炭素数1から8のアルキル基、好ましくは炭素数1から6のアルキル基を示し、アルキル基は直鎖、分岐鎖又は環状の何れでもよい。炭素数7~20のアラルキル基としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-プロピルフェニル基、p-メトキシベンジル基などの置換ベンジル基、またはアリル基などが挙げられ、特に好ましくはベンジル基である。
【0022】
Zは塩素原子、臭素原子、ヨード原子等のハロゲン原子、-SCH3、-SC23等の炭素数1~4のアルキルチオ、又は置換基を有していても良い-SC65を示し、特に好ましくは、-SC65である。
【0023】
上記した本発明の化合物は、図1に記載した合成ルートに従って、上記した方法(並びに以下に具体的に記載した実施例の方法)に準じて合成することができる。
【0024】
Yが、(実施例に示した)ベンジル基以外の、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基を示す化合物については、化合物1から化合物2の反応を行う際に、ベンジルブロミドの代わりに、対応するブロミド化合物を用いて反応を行うことによって、Yがベンジル基である場合と同様に合成することができる。
【0025】
また、Zが、臭素原子又は-SCH3である化合物については、化合物1の代わりに、化合物1における-SC65が臭素原子又は-SCH3である化合物を出発物質として用いて、図1の合成ルートと同様の合成を行うことにより合成することができる。
【0026】
上記した本発明の式(1)の化合物は、糖鎖合成用の糖供与試薬として有用である。また、本発明の式(1)の化合物と糖受容体とを反応させることによって糖鎖を合成する方法も本発明の範囲内である。糖鎖合成のためのグリコシル化反応は、通常の条件下で行うことができ、例えば、以下の実施例に記載する方法A、方法B、及び方法Cなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。方法Aでは、活性化モレキュラーシーブ、トリフルオロメタンスルホン酸銀、2,6-ジ-tertブチル-4-メチルピリジン、アクセプター、及びドナーを混合し、ベンゼンスルフェニルクロライドを添加して反応させる方法である。方法Bは、活性化モレキュラーシーブ、N-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム、DTBMP 、 受容体及び供与体の混合物に、Tf2Oを添加して反応を行う方法である。また、方法Cは、DTBMP 、AgOTf、受容体、供与体、及び活性化モレキューラシーブの混合物にPhSClを添加して反応させる方法である。
【0027】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
(1)一般的方法:
旋光度は、 JASCO DIP-310 偏光計を用いて測定した。融点(未修正)は、YANACOマイクロ融点装置を用いて測定した。1H 及び13C NMR スペクトルは、室温(23~24℃)でCDCl3中においてJEOL JNM-ECP 500 MHz NMR分光計、及び JEOL EX-400 (400 MHz) を用いて記録した。化学シフトは、1H NMRスペクトルについては内部標準テトラメチルシラン(δ = 0.00 ppm)、及び13C NMRスペクトルについては内部標準CDCl3 (δ = 77.00 ppm)に対するppmで記載する。シリカゲル60N (球形, 中性, Kanto Chemical Co., Inc, Tokyo) をフラッシュカラム(40~100μm) 及びオープンカラム(100~200μm) クロマトグラフィーのために使用した。シリカゲル60 F254 (E. Merck) を分析用及び分取用薄層クロマトグラフィーのために使用した。
【0029】
(2)フェニル N-ベンジル-2-アミノ-4,6-O-ベンジリデン-2-N,3-O-カルボニル-2-デオキシ-1-チオ-α-D-グルコピラノシド (化合物2)の合成
【化3】
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【0030】
トリクロロエチルカーバメート(化合物1)(2.20 g, 4.11 mmol) 及びベンジルブロミド(0.98 mL, 8.22 mmol) のDMF (40 mL) の溶液に氷冷下、NaH (0.2 g, 8.22 mmol) を添加した。反応液を氷冷バス上で30分間攪拌した後、反応混合物を室温まで温め、さらに30分間攪拌した。反応液にEt3N (1.5 mL) を添加して反応停止し、酢酸エチルで希釈し、飽和NH4Cl水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。結晶性残渣を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化し、化合物2 (1.88 g, 96%) を無色結晶として得た。
【0031】
融点216-217 ℃. [α]24D -72 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.47-7.26 (m, 15 H, aromatic H), 5.59 (s, 1 H, acetal-PhCH), 4.85 (d, J1,2 = 10.0 Hz, 1 H, H-1), 4.83 (d, J = 15.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.78 (d, J = 15.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.32 (t, J2,3 = 10.5 Hz, 1 H, H-3), 4.32 (dd, J5,6a = 5.0 Hz, J6a,6b = 10.5 Hz, 1 H, H-6a), 4.04 (dd, J3,4 = 10.0 Hz, J4,5 = 8.5 Hz, 1 H, H-4), 3.90 (t, J5,6b = 10.0 Hz, 1 H, H-6b), 3.57 (dddd, 1 H, H-5), 3.52 (dd, J1,2 = 10.0 Hz, J2,3 = 10.5 Hz, 1 H, H-2). 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 158.8 (オキサゾリジノン, C=O), 136.4, 136.3, 132.6, 131.7, 129.3, 129.2, 128.7, 128.3, 128.0, 127.6, 126.1 (aromatic C), 101.4 (acetal-CHPh), 87.7 (C-1), 78.9 (C-3), 78.4 (C-4), 72.8 (C-5), 68.2 (C-6), 61.5 (C-2), 47.7 (N-CH2Ph). Anal. Calcd for C27H25NO5S: C, 68.19; H, 5.30; N, 2.95. Found: C, 68.15; H, 5.17; N, 2.88.
【0032】
(3)フェニルN-ベンジル-2-アミノ-6-O-ベンジル-2-N,3-O-カルボニル-2-デオキシ-1-チオ-α-及びβ-D-グルコピラノシド(化合物 3a 及び3b)
【化4】
JP0005078108B2_000005t.gif

【0033】
化合物2 (7.3 g, 15.4 mmol) 及びトリエチルシラン (30 mL, 184.8 mmol) のCH2Cl2 (200 mL) 溶液に氷冷下、ボロントリフルオリドジエチルエーテレート (BF3・OEt2, 3.9 mL, 30.8 mmol) を少しずつ添加した。氷冷温度で80分間攪拌した後、混合物を飽和NaHCO3 水溶液に注ぎ、CHCl3 で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し (Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3:1 -> 2:1 -> 1:9 , CHCl3/EtOAc)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化することにより、α-グリコシド(化合物 3a) (0.78 g, 11%) 及びβ-グルコシド(化合物3b) (5.3 g, 72%)が得られた。
【0034】
α-グリコシド(化合物3a)
融点118-119 ℃. [α]22D +210 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ = 7.50-7.24 (m, 15 H, aromatic H), 5.37 (d, J1,2 = 4.5 Hz, 1 H, H-1), 4.79 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.17 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.60 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.50 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.36 (dd, J2,3 = 12.0 Hz, J3,4 = 9.5 Hz, 1 H, H-3), 4.14 (dddd, J4,5 = 9.5 Hz, 1 H, H-5), 4.02 (ddd, JH-4,4-OH = 3.0 Hz, 1 H, H-4), 3.78 (dd, J5,6a = 4.5 Hz, J6a,6b = 10.5 Hz, 1 H, H-6a), 3.70 (dd, J5,6b = 4.0 Hz, 1 H, H-6b), 3.50 (dd, 1 H, H-2), 2.71 (d, 1 H, 4-OH). 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 158.6 (オキサゾリジノン, C=O), 137.5, 134.4, 132.9, 131.9, 129.1, 129.0, 128.9, 128.5, 128.4, 127.9, 127.7 (aromatic C), 84.9 (C-1), 78.4 (C-3), 73.6 (CH2Ph), 73.0 (C-5), 69.4 (C-4), 68.7 (C-6), 59.6 (C-2), 47.8 (N-CH2Ph). Anal. Calcd for C27H27NO5S: C, 67.90; H, 5.70; N, 2.93. Found: C, 67.96; H, 5.64; N, 2.85.
【0035】
β-グリコシド(化合物3b): 融点125-126 ℃. [α]22D -77 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.40-7.22 (m, 15 H, aromatic H), 4.77 (d, J1,2 = 9.0 Hz, 1 H, H-1), 4.74 (s, 2 H, N-CH2Ph), 4.58 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.55 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.07 (t, J2,3 = 10.5 Hz, 1 H, H-3 ), 4.01 (dddd, J3,4 = 10.3 Hz, J4,5 = 8.0 Hz, JH-4,4-OH = 2.5 Hz, 1 H, H-4), 3.79 (dd, J5,6a = 5.0 Hz, J6a,6b = 10.0 Hz, 1 H, H-6a), 3.76 (dd, J5,6b = 5.0 Hz, 1 H, H-6b), 3.56 (dddd, 1 H, H-5), 3.41 (dd, 1 H, H-2), 2.97 (d, 1 H, 4-OH). 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 159.3 (C=O), 137.5, 136.22, 132.4, 132.3, 129.1, 128.6, 128.5, 128.4, 128.2, 127.9, 127.7, 127.6 (aromatic C), 86.7 (C-1), 82.4 (C-3), 79.6 (C-5), 73.7 (CH2Ph), 69.7 (C-6), 69.1 (C-4), 60.1 (C-2), 47.6 (N-CH2Ph). Anal. Calcd for C27H27NO5S: C, 67.90; H, 5.70; N, 2.93. Found: C, 67.89; H, 5.56; N, 2.84.
【0036】
(4)フェニル N-ベンジル-2-アミノ-6-O-ベンジル-2-N,3-O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(化合物5)
【化5】
JP0005078108B2_000006t.gif

【0037】
4-OH 体(化合物3) (2.6 g, 3.64 mmol) 及びクロロ酢酸無水物 (0.94 g, 5.47 mmol) のジクロロメタン溶液にピリジン (0.59 mL, 5.44 mmol) を氷冷下、添加した。30分間攪拌後、混合物を0.1 M塩酸水溶液に注ぎ、CHCl3で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し (Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。シリカゲル(2:1:1, toluene/hexane/EtOAc)カラムクロマトグラフィーによる精製によって4-O-ClAc (化合物5) (3.0 g, 99%)が無色シロップとして得られた。
【0038】
[α]D25 -59 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3):δ = 7.40-7.14 (m, 15 H, aromatic H), 5.37 (dd, J3,4 = 10.5 Hz, J4,5 = 8.5 Hz, 1 H, H-4), 4.80 (d, J1,2 = 9.5 Hz, 1 H, H-1), 4.74 (s, 2 H, N-CH2Ph), 4.55 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.47 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.18 (t, J2,3 = 11.0 Hz, 1 H, H-3), 3.99 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.91 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.74 (dddd, J5,6a = 3.5 Hz, J5,6b = 5.0 Hz, 1 H, H-5), 3.57 (dd, J2,1 = 9.5 Hz, J3,2 = 11.0 Hz, 1 H, H-2). 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 165.8 (COCH2Cl), 158.4 (オキサゾリジノン, C=O), 137.4, 135.9, 132.5, 132.0, 129.1, 128.7, 128.5, 128.4, 128.2, 127.9, 127,9, 127.8 (aromatic C), 86.8 (C-1), 79.5 (C-3), 78.3 (C-5), 73.6 (CH2Ph), 69.6 (C-4), 68.6 (C-6), 60.1 (C-2), 47.6 (N-CH2Ph), 40.4 (COCH2Cl). Anal. Calcd for C29H28ClNO6S: C, 62.87; H, 5.09; N, 2.53. Found: C, 62.71; H, 5.04; N, 2.47.
【0039】
(5)フェニル N-ベンジル-2-アミノ-6-O-ベンジル-2-N,3-O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-1-チオ-α-D-グルコピラノシド
【化6】
JP0005078108B2_000007t.gif

【0040】
標題の化合物を上記と同様の方法で調製した(99% 収率)。
【0041】
[α]24D +220 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.44-7.24 (m, 15 H, aromatic H), 5.41 (d, J1,2 = 5.0 Hz, 1 H, H-1), 5.40 (t, J3,4 = 10.5 Hz, 1 H, H-4), 4.81 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.17 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.57 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.19 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.44 (dd, J2,3 = 12.0 Hz, 1 H, H-3), 4.30 (dddd, J4,5 = 9.5 Hz, J5,6a = 2.5 Hz, J5,6b = 4.0 Hz, 1 H, H-5), 3.97 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.89 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.64 (dd, 1 H, H-2), 3.58 (dd, J6a,6b = 11.0 Hz, 1 H, H-6a), 3.56 (dd, 1 H, H-6b). 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ = 165.6 (COCH2Cl), 157.8 (オキサゾリジノン, C=O), 137.1, 134.1, 132.3, 131.9, 129.3, 129.1, 128.9, 128.6, 128.4, 128.2, 128.1, 128.0 (aromatic C), 84.8 (C-1), 75.8 (C-3), 73.6 (CH2Ph), 71.2 (C-5), 69.9 (C-4), 67.2 (C-6), 59.6 (C-2), 47.9 (N-CH2Ph), 40.3 (COCH2Cl). Anal. Calcd for C29H28ClNO6S: C, 62.87; H, 5.09; N, 2.53. Found: C, 62.65; H, 5.05; N, 2.42.
【0042】
(6)フェニルN-ベンジル-2-アミノ-4-O-アセチル-6-O-ベンジル-2-N,3-O-カルボニル-2-デオキシ-1-チオ-α- 及びβ-D-ガラクトピラノシド(化合物6a 及び6b)
【化7】
JP0005078108B2_000008t.gif

【0043】
4-OH 体(化合物3)(2.5 g, 5.23 mmol) 及びピリジン (1.7 mL, 21.0 mmol) のジクロロメタン溶液に -40 ℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物 (Tf2O, 1.8 mL, 10.5 mmol) を添加し、次いで、混合物を-20℃まで昇温した。3時間攪拌後、混合物を0.1 MのHCl水溶液に注ぎ、CHCl3で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液及び水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮乾固した。粗トリフラートをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0044】
トリフラートをDMF (30 mL)中、酢酸ナトリウム(4.3 g, 52.3 mmol)で60℃で2日間反応させた。混合物を酢酸エチルで希釈し、氷冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (14:1, CHCl3/EtOAc)で精製した。最初の溶出物はα-ガラクトシド(化合物6a) (0.34 g, 13%) であり、次の溶出物がβ-ガラクトシド(化合物 6b) (2.0 g, 73%)であった。化合物6a及び6bはそれぞれ酢酸エチル/ヘキサンから結晶化した。
【0045】
α-ガラクトシド(化合物6a)融点148-149 ℃. [α]25D +186 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.40-7.21 (15 H, aromatic H), 5.66 (br. s, 1 H, H-4), 5.40 (d, J1,2 = 4.5 Hz, 1 H, H-1), 4.71 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.28 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.56 (dddd, J4,5 = 1.0 Hz, J5,6a = 5.5 Hz, J5,6b = 6.0 Hz, 1 H, H-5), 4.49 (dd, J2,3 = 12.5 Hz, J3,4 = 2.5 Hz, 1 H, H-3), 4.49 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.43 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 3.97 (dd, 1 H, H-2), 3.56 (dd, J6a,6b = 10.0 Hz, 1 H, H-6a), 3.51 (dd, 1 H, H-6b), 2.01 (s, 3 H, COCH3). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 169.3 (COCH3), 158.0 (オキサゾリジノン, C=O), 137.5, 134.5, 132.3, 129.1, 129.0, 128.9, 128.4, 128.3, 128.1, 127.8, 127.7 (aromatic C), 85.8 (C-1), 74.2 (C-3), 73.5 (CH2Ph), 70.0 (C-5), 68.3 (C-6), 66.1 (C-4), 56.1 (C-2), 48.2 (N-CH2Ph), 20.6 (COCH3). Anal. Calcd for C29H29NO6S: C, 67.03; H, 5.63; N, 2.70. Found: C, 66.78; H, 5.41; N, 2.64.
【0046】
β-ガラクトシド(化合物6b)融点119-120 ℃. [α]25D -95 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.40-7.20 (15 H, aromatic H), 5.67 (br. s, 1 H, H-4), 4.78 (d, J = 15.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.70 (d, J = 15.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.76 (d, J1,2 = 9.5 Hz, 1 H, H-1), 4.52 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.42 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.21 (dd, J2,3 = 11.5 Hz, J3,4 = 2.0 Hz, 1 H, H-3), 3.93 (br. t, 1 H, H-5), 3.84 (dd, 1 H, H-2), 3,57 (d, J5,6 = 6.0 Hz, 2 H, H-6a and H-6b), 2.04 (s, 3 H, COCH3). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 169.2 (COCH3), 153.6 (オキサゾリジノン, C=O), 137.5, 136.4, 132.4, 132.2, 129.1, 128.6, 128.4, 128.4, 128.0, 127.8, 127.5 (aromatic C), 88.0 (C-1), 78.9 (C-3), 77.2 (C-5), 73.6 (CH2Ph), 68.1 (C-6), 65.1 (C-4), 57.1 (C-2), 48.1 (N-CH2Ph), 20.6 (COCH3). Anal. Calcd for C29H29NO6S: C, 67.03; H, 5.63; N, 2.70. Found: C, 66.95; H, 5.36; N, 2.59.
【0047】
(7)グリコシル化についての一般的操作
方法A:モレキュラーシーブ(MS) 4 Åを減圧下、170 ℃で2口丸底フラスコ中で活性化した。フラスコをアルゴンガスで清浄し、室温に冷却した。アクセプター (1当量) とドナー (1.2当量)をCH2Cl2 に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸銀 (AgOTf; 1.5 当量, ドナーに基づいて), 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン (DTBMP; 2.0 当量, ドナーに基づいて)をに添加した。最後にベンゼンスルフェニルクロライド (PhSCl; 1.2 当量, ドナーに基づいて)を混合物に室温で添加した。一晩攪拌後、飽和NaHCO3水溶液を添加して混合物の反応を停止し、セライトでろ過した。フィルターケーキをCHCl3 で洗浄し、ろ液をCHCl3で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。残渣を分子ふるいクロマトグラフィー[Biobeads SX-3 (3.0 x 58 cm, トルエン)]と、それに続くシリカゲルカラムクロマトグラフィー又は分取用TLCで精製して、表1に示す各グリコシレーション産物を得た。
【0048】
方法B: 活性化MS 4 Å を含むCH2Cl2中のN-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム(1.1当量), DTBMP (2.0当量, 供与体に基づいて), 受容体及び供与体の混合物に、Tf2O (1 当量, 供与体に基づいて)を添加した。0.5~1.5時間攪拌した後、方法Aの場合と同様に混合物の反応を停止し、処理し、精製して、表1に示す各グリコシレーションを得た。
【0049】
方法C:受容体(1当量)及び供与体(1.2 当量)を1,4-ジオキサン-トルエン (3:1, v/v)に溶解し、DTBMP (2.0当量., 供与体に基づいて), AgOTf (1.5 当量, 供与体に基づいて) を方法Aと同様に活性化MS 4Åを含むフラスコに添加した。混合物を0 ℃に冷却し、PhSCl (1.2 当量,供与体に基づいて)を添加した。攪拌しながら反応混合物を一晩室温まで昇温した。飽和NaHCO3 水溶液の添加による反応を停止し、セライトでろ過した。フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。残渣を方法Aの場合と同様に精製して、表1に示す各グリコシレーション産物を得た。
【0050】
【表1】
JP0005078108B2_000009t.gif

【0051】
(8)メチル(N-ベンジル-2-アミノ-2-N,3-O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-α及びβ-D-グルコピラノシル)-(1->4)-2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-D-グルコピラノシド(化合物8a 及び 8b)
【化8】
JP0005078108B2_000010t.gif

【0052】
方法A: 化合物 7 (23 mg, 0.05 mmol) と化合物 5 (33 mg, 0.060 mmol) を CH2Cl2 (3 mL) に溶解し、DTBMP (25 mg, 0.120 mmol), AgOTf (23 mg, 0.09 mmol), PhSCl (8 μL, 0.072 mmol) 及びMS 4 Å (0.3 g)の存在下において室温で一晩反応させた。続いて後処理、及び分取TLC (トルエン/ヘキサン/酢酸エチル, 4:1:1)による精製を行うことにより、化合物8a (14 mg, 31%) 及び化合物8b (17 mg, 37%)を得た。
【0053】
方法B: 化合物7 (22 mg, 0.047 mmol) と化合物5 (3 mg, 0.056 mmol) をCH2Cl2 (3 mL) に溶解し、N-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム(14 mg, 0.062 mmol), Tf2O (13 μL, 0.074 mmol) 及びMS 4 Å (0.3 g)の存在下において室温で1.5時間反応させ、続いて後処理、及び分取TLC (トルエン/ヘキサン/酢酸エチル, 4:1:1)による精製を行うことにより、化合物8a (15 mg, 35%) 及び化合物8b (20 mg, 47%)を得た。
【0054】
方法 C: 化合物7 (100 mg, 0.215 mmol) と化合物5 (143 mg, 0.258 mmol) を1,4-ジオキサン/トルエン(3:1, 8 mL)に溶解し、DTBMP (106 mg, 0.516 mmol), AgOTf (99 mg, 0.387 mmol), PhSCl (36 μL, 0.310 mmol) 及びMS 4 Å(0.8 g)の存在下において0 °C から室温に昇温させながら一晩、反応させ、続いて後処理、及び分子ふるいクロマトグラフィー (SX-3、トルエン) 及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3/トルエン/酢酸エチル, 10:4:1 -> 10:1:1) による精製を行うことにより、化合物8a (143 mg, 76%) 及び化合物8b (9 mg, 5%)を得た。
【0055】
α-結合二糖 8a: [α]26D +54 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.83-7.14 (25 H, aromatic H), 5.38 (t, J4II,5II = 10.0 Hz, 1 H, H-4II), 5.01 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.38 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.92 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.58 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.84 (d, J1II,2II = 3.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.80 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.64 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.55 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.00 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.51 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.35 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.50 (d, J1I,2I = 4.0 Hz, 1 H, H-1I), 4.41 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, J3II,4II = 10.5 Hz, 1 H, H-3II), 4.01 (t, J2I,3I = J3I,4I = 9.5 Hz, 1 H, H-3I), 3.92 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.85 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.75 (dd, J5I,6Ia = 4.0 Hz, J6Ia,6Ib = 11.5 Hz, H-6Ia), 3.68 (m, 1 H, H-5II), 3.67 (m, 1 H, H-5I), 3.50 (dd, J5I,6Ib = 2.0 Hz, 1 H, H-6Ib), 3.46 (dd, 1 H, H-2I), 3.44 (t, J4I,5I = 10.0 Hz, 1 H, H-4I), 3.41 (dd, J5II,6IIa = 3.0 Hz, J6IIa,6IIb = 11.0 Hz, 1 H, H-6IIa), 3.39 (s, 3 H, OCH3), 3.36 (dd, J5II,6IIb = 3.5 Hz, 1 H, H-6IIb), 3.24 (dd, 1 H, H-2II). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 165.5 (COCH2Cl), 158.0 (オキサゾリジノン, C=O), 138.5, 138.1, 137.8, 137.2, 134.6 (aromatic C), 129.0-127.7 (aromatic C), 98.3 (C-1I), 95.6 (C-1II), 82.0 (C-3I), 79.6 (C-2I), 77.0 (C-4I), 75.8 (CH2Ph), 74.8 (CH2Ph), 73.6 (C-3II), 73.5 (2 C, 2 CH2Ph), 70.8 (C-5II), 70.2 (C-4II), 70.0 (C-5I), 67.1 (C-6II), 66.6 (C-6I), 59.9 (C-2II), 55.4 (OCH3), 47.8 (N-CH2Ph) 40.3 (COCH2Cl).
【0056】
β-結合二糖8b: [α]26D +12 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.40-7.23 (25 H, aromatic H), 5.22 (dd, J3II,4II = 10.5 Hz, J4II,5II = 8.0 Hz, 1 H, H-4II), 4.99 (d, J =11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.80 (d, J =11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.87 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.52 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.80 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.62 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.56 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.27 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.56 (d, J1I,2I = 3.0 Hz, 1 H, H-1I), 4.49 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.41 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.40 (d, J1II,2II = 8.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.02 (t, J3I,4I = 10.0 Hz, 1 H, H-3I), 4.01 (dd, J5I,6Ia = 10.5 Hz, J6Ia,6Ib = 12.5 Hz, 1 H, H-3II), 4.00 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, 1 H, H-3II), 3.93 (d, J =15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.85 (d, J =15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.84 (m, 1 H, H-5II), 3.60 (dddd, 1 H, H-5II), 3.54 (m, 2 H, H-6IIa and H-6IIb), 3.52 (dd, J5I,6I = 5.5 Hz, 1 H, H-6Ib), 3.47 (dd, J2I,3I = 9.5 Hz, 1 H, H-2I), 3.34 (s, 3 H, OCH3), 3.33 (t, 1 H, H-4I), 3.30 (dd, 1 H, H-2II). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 165.7 (COCH2Cl), 158.1 (オキサゾリジノン, C=O), 138.5, 138.1, 137.9, 137.3, 135.1 (aromatic C), 129.3-127.7 (aromatic C), 102.0 (C-1I), 98.2 (C-1II), 81.9 (C-3I), 79.8 (C-2I), 77.8 (C-4I), 76.7 (C-3II), 75.8 (CH2Ph), 75.3 (C-5II), 74.7 (CH2Ph), 73.7 (CH2Ph), 73.4 (CH2Ph), 70.0 (C-4II), 69.8 (C-5I), 68.6 (C-6II), 68.5 (C-6I), 60.1 (C-2II), 55.5 (OCH3), 48.0 (N-CH2Ph), 40.3 (COCH2Cl). Anal. Calcd for C51H54ClNO12: C, 67.43; H, 5.99; N, 1.54. Found: C, 67.47; H, 5.89; N, 1.49
【0057】
(9)メチル(N-ベンジル-2-アミノ-4-O-アセチル-6-O-ベンジル-2-N,3-O-カルボニル-2-デオキシ-α- 及びβ-D-ガラクトピラノシル)-(1->4)-2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-D-グルコピラノシド(化合物9a 及び化合物 9b)
【化9】
JP0005078108B2_000011t.gif

【0058】
方法C: 化合物7 (100 mg, 0.215 mmol) と化合物6 (134 mg, 0.258 mmol) を1,4-ジオキサン/トルエン (3:1, 8 mL)に溶解し、DTBMP (106 mg, 0.516 mmol), AgOTf (99 mg, 0.387 mmol), PhSCl (36 μL, 0.310 mmol) 及びMS 4 Å (0.8 g)の存在下において0℃~室温へ昇温させながら一晩、反応させた。続いて後処理、及び分子ふるいクロマトグラフィー(SX-3)及びシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー (CHCl3/トルエン/酢酸エチル, 7:2:1 -> 4:1:1) による精製を行うことにより、化合物9a (143 mg, 76%) 及び化合物9b (9 mg, 5%)を得た。
【0059】
α-結合二糖9a: 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.37-7.17 (m, 25 H, aromatic H), 5.54 (br. s, 1 H, H-4II), 5.01 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.83 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.90 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.54 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.79 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.63 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.75 (d, J1II,2II = 3.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.49 (d, J1I,2I = 3.5 Hz, 1 H, H-1I), 4.47 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, J3II,4II = 3.0 Hz, 1 H, H-3II), 4.58 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.35 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.45 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.17 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.00 (t, J2I,3I = J3I,4I = 9.5 Hz, 1 H, H-3I), 3.93 (br. t, 1 H, H-5II), 3.67 (dd, J5I,6Ia = 5.0 Hz, J6Ia,6Ib = 10.5 Hz, 1 H, H-6Ia), 3.65 (m, 1 H, H-5II), 3.59 (dd, 1 H, H-2II), 3.45 (dd, 1 H, H-2I), 3.41 (dd, J5I,6Ib = 1.5 Hz, 1 H, H-6Ib), 3.38 (d, J5II,6II = 5.5 Hz, 2 H, H-6IIa and H-6IIb), 3.38 (s, 3 H, OCH3), 3.38 (t, J4I,5I = 9.5 Hz, 1 H, H-4I), 1.97 (s, 3 H, COCH3). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 169.3 (COCH3), 158.2 (オキサゾリジノン, C=O), 138.5, 138.1, 137.8, 137.4, 135.0, 128.8-127.6 (aromatic C), 98.1 (C-1I), 96.4 (C-1II), 82.0 (C-3I), 79.6 (C-2I), 77.3 (C-4I), 75.8 (CH2Ph), 74.8 (CH2Ph), 73.5 (2 C, 2 CH2Ph), 72.0 (C-3II), 69.8 (C-5I), 69.5 (C-5II), 67.9 (C-6II), 66.8 (C-6I), 66.3 (C-4II), 65.4 (C-2II), 55.3 (OCH3), 48.0 (N-CH2Ph), 20.6 (COCH3).
【0060】
β-結合二糖 9b: 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.40-7.21 (m, 25 H, aromatic H), 5.56 (br. t, J3II,4II = 2.5 Hz, 1 H, H-4II), 4.99 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.79 (d, J = 11.0 Hz, 1H, CH2Ph), 4.83 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.48 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.79 (d, J = 12.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.62 (d, J = 12.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.55 (d, J1I,2I = 4.0 Hz, 1 H, H-1I), 4.53 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.33 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.49 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.40 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.33 (d, J1II,2II = 8.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.00 (t, J2I,3I = J3I,4I = 9.5 Hz, 1 H, H-3I), 4.00 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, 1 H, H-3II), 3.98 (dd, J5I,6Ia = 2.0 Hz, J6Ia,6Ib = 10.5 Hz,1H, H-6a), 3.83 (dddd, J4I,5I = 10.0 Hz, J5I,6Ib = 5.5 Hz, 1 H, H-5I), 3.81 (ddd, J4II,5II = 1.0 Hz, 1 H, H-5II), 3.58 (dd, 1 H, H-2II), 3.48 (m, 1 H, H-6Ib), 3.48 (m, 2 H, H-6IIa and H-6IIb), 3.47 (m, 1 H, H-2I), 3.33 (s, 3 H, OCH3), 3.32 (dd, 1 H, H-4I). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 169.1 (COCH3), 158.3 (オキサゾリジノン, C=O), 138.5, 138.1, 138.0, 137.4, 135.7, 129.0-127.9 (aromatic C), 102.8 (C-1II), 98.1 (C-1I), 81.9 (C-3I), 79.8 (C-2I), 77.9 (C-4I), 76.4 (C-3II), 75.8 (CH2Ph), 74.7 (CH2Ph), 74.3 (C-5II), 73.7 (CH2Ph), 73.4 (CH2Ph), 69.7 (C-5I), 68.4 (C-6I), 67.5 (C-6II), 64.7 (C-4II), 57.5 (C-2II), 57.5 (C-2II), 55.5 (OCH3), 48.3 (N-CH2Ph), 20.5 (COCH3).
【0061】
(10)メチル (N-ベンジル-2-アミノ-2-N,3-O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシル)-(1->4)-2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノシド(化合物11)
【化10】
JP0005078108B2_000012t.gif

【0062】
方法B: 化合物5 (34 mg, 0.061 mmol) と化合物10 (26 mg, 0.051 mmol) をN-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム(15 mg, 0.067 mmol), Tf2O (12 μL, 0.073 mmol) 及びMS 4 Å (0.3 g)の存在下において室温で30分間、CH2Cl2 (3 mL)中において反応させ、続いて後処理、及び分取TLC (CHCl3/酢酸エチル, 19:1)で精製することにより化合物11 (25 mg, 52%)を得た。
【0063】
[α]26D +132 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 8.11-7.01 (m, 25 H, aromatic H), 6.14 (dd, J2I,3I = 10.0 Hz, J4I,5I = 9.0 Hz, 1 H, H-3I), 5.32 (d, J1II,2II = 3.5 Hz, 1 H, H-1II), 5.26 (t, J4II,5II = 10.0 Hz, 1 H, H-4II), 5.26 (dd, J1I,2I = 3.5 Hz, 1 H, H-2I), 5.15 (d, 1 H, H-1I), 4.76 (dd, J5I,6Ia = 2.0 Hz, J6Ia,6Ib = 12.5 Hz, 1 H, H-6Ia), 4.60 (dd, J5I,6Ib = 3.5 Hz, 1 H, H-6Ib), 4.52 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, J3II,4II = 10.5 Hz, 1 H, H-3II), 4.50 (d, J =15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 3.64 (d, J =15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.41 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.20 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.37 (t, J4I,5I = 9.5 Hz, 1 H, H-4I), 4.23 (m, 1 H, H-5I), 3.92 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.79 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.47 (s, 3 H, OCH3), 3.30 (dd, J5II,6IIa = 2.0 Hz, J6IIa,6IIb = 11.0 Hz, 1 H, H-6IIa), 3.20 (dd, J5II,6IIb = 3.5 Hz, 1 H, H-6IIb), 3.13 (dd, 1 H, H-2II). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 166.0 (COPh), 165.9 (COPh), 165.9 (COPh), 165.5 (COCH2Cl), 157.7 (オキサゾリジノン, C=O), 136.9, 134.0, 133.8, 133.5, 129.9-127.9 (aromatic C), 96.8 (C-1I), 94.6 (C-1II), 73.5 (CH2Ph), 73.4 (C-4I), 73.0 (C-3II), 72.6 (C-3I), 72.3 (C-5II), 71.9 (C-2I), 69.8 (C-4II), 68.1 (C-5I), 66.8 (C-6II), 59.0 (C-2I), 55.7 (OCH3), 47.1 (N-CH2Ph), 40.3 (COCH2Cl).
【0064】
(11)p-メトキシフェニル(N-ベンジル-2-アミノ-2-N,3-O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシル)-(1->4)-3,6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノシド(化合物13)
【化11】
JP0005078108B2_000013t.gif

【0065】
方法B:化合物12 (27 mg, 0.045 mmol)を化合物 5 (30 mg, 0.054 mmol)をCH2Cl2 (3 mL)に溶解し、N-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム(13 mg, 0.059 mmol), Tf2O (11 μL, 0.065 mmol) 及びMS 4 Å (0.3 g)の存在下において室温で40分間、反応させ、続いて後処理、及び分取TLC (トルエン/ヘキサン/酢酸エチル, 4:1:1)による精製を行うことにより化合物13 (26 mg, 56%)を得た。
【0066】
[α]26D +69 (c, 0.5, CHCl3) 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.44-7.00 (m, 29 H, aromatic H), 5.60 (d, J1I,2I = 8.5 Hz, 1 H, H-1I), 5.49 (d, J1II,2II = 3.0 Hz, 1 H, H-1II), 5.32 (t, J4II,5II = 10.0 Hz, 1 H, H-5II), 4.73 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.36 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.64 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.00 (d, J = 14.5 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.60 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.55 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.59 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, J3II,4II = 10.5 Hz, 1 H, H-3II), 4.58 (t, J2I,3I = 9.0 Hz, 1 H, H-2I), 4.54 (t, J3I,4I = 9.0 Hz, 1 H, H-3I), 4.50 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.36 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.26 (t, J4I,5I = 9.0 Hz, 1 H, H-4I), 4.05 (dd, J5I,6Ia = 3.0 Hz, J6Ia,6Ib = 11.5 Hz, 1 H, H-6Ia), 4.01 (m, 1 H, H-5I), 3.96 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.88 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.79 (dd, J5I,6Ib = 1.5 Hz, 1 H, H-6Ib), 3.71 (s, 3 H, PhOCH3), 3.41 (dd, J5II,6IIa = 2,5 Hz, J6IIa,6IIb = 11.0 Hz, 1 H, H-6IIa), 3.36 (dd, J5II,6IIb = 4.0 Hz, 1 H, H-6IIb). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 165.6 (COCH2Cl), 157.9 (オキサゾリジノン, C=O), 155.5, 150.7 (phthalimide, C=O), 138.0, 137.2, 134.2, 134, 131.4, 129.1-127.4, 123.5, 118.9, 114.4 (aromatic C), 97.8 (C-1I), 95.5 (C-1II), 79.1 (C-3I), 76.5 (C-4I), 74.9 (C-5I), 73.5 (CH2Ph), 73.5 (C-3II), 73.4 (CH2Ph), 73.2 (CH2Ph), 71.8 (C-5II), 70.4 (C-4II), 68.6 (C-6I), 67.6 (C-6II), 59.9 (C-2II), 55.6 (OCH3), 55.0 (C-2I), 47.7 (N-CH2Ph), 40.4 (COCH2Cl).
【0067】
(12)N-ベンジル-2-アミノ-6-O-ベンジル-2,3-N,O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-α- 及びβ- D-グルコピラノシル-(1->4)-メチル3-O-ベンジル-1,2-イソプロピリデン-β-L-イドピラノシドウロネート(化合物15a 及び化合物15b)
【化12】
JP0005078108B2_000014t.gif

【0068】
方法B:化合物14 (24 mg, 0.071 mmol) と化合物 5 (47 mg, 0.085 mmol) をCH2Cl2 (3 mL)中に溶解し、DTBMP (35 mg, 0.170 mmol), N-(フェニルチオ)-ε-カプロラクタム(21 mg, 0.093 mmol), Tf2O (14 μL, 0.085 mmol) 及びMS 4 Å (0.3 g)の存在下30分間、反応させし、続いて後処理、及びs分子ふるいカラムクロマトグラフィー(SX-3、トルエン)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/酢酸エチル, 10:1)による精製を行うことにより、化合物15a (35 mg, 63%) 及び化合物15b (2 mg, 4%)を得た。
【0069】
方法C: 化合物14 (25 mg, 0.074 mmol) と化合物5 (65 mg, 0.118 mmol) をトルエン-ジオキサン(3:1, 3 mL) に溶解し、DTBMP (48 mg, 0.236 mmol), AgOTf (45 mg, 0.177 mmol), PhSCl (16 μL, 0.142 mmol) 及びMS 4 Å (0.3 g)の存在下において0℃~室温で一晩、反応させた。続いて後処理、及び分子ふるいカラムクロマトグラフィー(SX-3、トルエン)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3/酢酸エチル, 10:1) による精製を行うことにより、化合物15a (44 mg, 71%) を得た。
【0070】
α-結合二糖 15a: [α]26D +8 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.44-7.10 (m, 15 H, aromatic H), 5.39 (t, J3II,4II = J4II,5II = 10.0 Hz, 1 H, H-4II), 5.37 (d, J1I,2I = 2.5 Hz, 1 H, H-1I), 4.91 (d, J1II,2II = 3.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.75 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 3.99 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.70 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.67 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.58 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.37 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.48 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, 1 H, H-3II), 4.48 (d, J4I,5I = 1.5 Hz, 1 H, H-5I), 4.10 (t, J2I,3I = J3I,4I = 2.5 Hz, 1 H, H-3I), 3.88 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.82 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.74 (s, 3 H, CO2CH3), 3.73 (m, 1 H, H-5II), 3.54 (dd, J5II,6IIa = 3.0 Hz, J6IIa,6IIb = 11.0 Hz, 1 H, H-6IIa), 3.42 (dd, J5II,6IIb = 3.5 Hz, 1 H, H-6IIb), 3.26 (dd, 1 H, H-2II), 1.57 [s, 3 H, C(CH3)2] 1.40 [s, 3 H, C(CH3)2]. 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 169.2 (C-6I), 165.4 (COCH2Cl), 157.8 (オキサゾリジノン, C=O), 137.1, 136.5, 134.6, 129.1, 128.8, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.2, 128.0, 127.8 (aromatic C), 112.4 [C(CH3)2], 96.7 (C-1I), 93.2 (C-1II), 74.7 (C-2I), 73.6 (C-3II), 73.5 (CH2Ph), 72.4 (CH2Ph), 71.4 (C-5II), 71.1 (C-4I), 71.0 (C-5I), 71.0 (C-3I), 69.8 (C-4II), 66.5 (C-6II), 58.9 (C-2II), 52.6 (CO2CH3), 47.1 (N-CH2Ph), 40.3 (COCH2Cl), 28.0 [C(CH3)2], 26.2 [C(CH3)2].
【0071】
β-結合二糖 15b: 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.41-7.21 (m, 15 H, aromatic H), 5.30 (d, J1I,2I = 2.0 Hz, 1 H, H-1I), 5.24 (dd, J3II,4II = 10.5 Hz, J4II,5II = 9.0 Hz, 1 H, H-4II), 4.84 (d, J1II,2II = 8.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.60 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.15 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, N-CH2Ph), 4.57 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.54 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.48 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.44 (d, J = 12.0 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.46 (m, 1 H, H-5I), 4.36 (t, J2I,3I = J3I,4I = 2.0 Hz, 1 H, H-1I), 4.18 (br. s, 1 H, H-4I), 4.08 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, 1 H, H-3II), 3.98 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.92 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.94 (br. s, 1 H, H-2I), 3.74 (m, 1 H, H-5II), 3.70 (s, 3 H, CO2CH3), 3.58 (dd, J5II,6IIa = 5.5 Hz, J6IIa,6IIb = 10.5 Hz, 1 H, H-6IIa), 3.46 (dd, J5II,6IIb = 2.5 Hz, 1 H, H-6IIb), 1.44 [s, 3H, C(CH3)2], 1.38 [s, 3 H, C(CH3)2].
【0072】
(13)N-ベンジル-2-アミノ-6-O-ベンジル-2,3-N,O-カルボニル-4-O-クロロアセチル-2-デオキシ-a- 及びb- D-グルコピラノシル-(1->4)-メチル3-O-ベンジル-1,2-イソプロピリデン-a-D-グルコピラノシドウロネート(化合物17a 及び化合物17b)
【化13】
JP0005078108B2_000015t.gif

【0073】
方法C:化合物16 (81 mg, 0.239 mmol) と化合物5 (159 mg, 0.287 mmol) をDTBMP (118 mg, 0.574 mmol), AgOTf (111 mg, 0.431 mmol), PhSCl (40 μL, 0.344 mmol) 及びMS 4 Å (0.8 g)の存在下において0℃~室温で1,4-ジオキサン/トルエン (3:1, 8 mL)中で反応させ、続いて後処理、及び分子ふるいクロマトグラフィー(SX-3、トルエン)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/酢酸エチル, 14:1 -> 12:1)による精製を行うことにより、化合物17a (135 mg, 71%) 及び化合物17b (7 mg, 4%)を得た。
【0074】
α-結合二糖 17a: [α]26D +52 (c, 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.34-7.10 (15 H, aromatic H), 5.79 (d, J1I,2I = 4.0 Hz, 1 H, H-1I), 5.39 (t, J3II,4II = J4II,5II = 10.0 Hz, 1 H, H-4II), 5.10 (d, J1II,2II = 3.0 Hz, 1 H, H-1II), 4.64 (d, J = 12.0 Hz, 1 H each, CH2Ph), 4.55 (d, J = 12.0 Hz, 1 H each, CH2Ph), 4.61 (d, J = 15.0 Hz, 1H, N-CH2Ph), 4.02 (d, J = 15.0 Hz, 1H, N-CH2Ph), 4.58 (dd, J2II,3II = 12.0 Hz, 1 H, H-3II), 4.57 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.38 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH2Ph), 4.53 (d, J4I,5I = 5.5 Hz, 1 H, H-5I), 4.21 (t, J2I,3I = 4.0 Hz, 1 H, H-2I), 4.16 (dd, J3I,4I = 4.0 Hz, 1 H, H-4I), 3.92 (dddd, J5II,6IIa = 2.5 Hz, J5II,6IIb = 3.5 Hz, 1 H, H-5II), 3.91 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.84 (d, J = 15.0 Hz, 1 H, COCH2Cl), 3.82 (t, 1 H, H-3I), 3.65 (s, 3 H, CO2CH3), 3.53 (dd, J6IIa,6IIb = 11.0 Hz, 1 H, H-6IIa), 3.46 (dd, 1 H, H-6IIb), 3.33 (dd, 1 H, H-2II), 1.58, [s, 3 H, C(CH3)2], 1.38 [s, 3 H, C(CH3)2]. 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 169.8 (C-6I), 165.5 (COCH2Cl), 157.9 (オキサゾリジノン, C=O), 137.1, 136.9, 134.6, 129.0, 128.6, 128.5, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.5 (aromatic C), 111.1 [C(CH3)2], 95.5 (C-1I), 94.2 (C-1II), 75.1 (C-2I), 74.5 (C-3I), 73.6 (C-3II), 73.5 (CH2Ph), 72.5 (C-4I), 71.9 (C-5I), 71.8 (CH2Ph), 71.6 (C-5II), 67.0 (C-4II), 66.9 (C-6II), 59.7 (C-2II), 52.4 (CO2CH3), 47.6 (N-CH2Ph), 40.3 (COCH2Cl), 27.3 [C(CH3)2], 25.8 [C(CH3)2].
【0075】
(14)メチル (2-アセトアミド-3,4,6-トリ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシル)-(1->6)-2,3,4-トリ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシド(化合物18)
【化14】
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【0076】
化合物8 (64 mg, 0.07 mmol) を1 M NaOH水溶液/1,4-dioxane (1:1, v/v, 8 mL) に溶解し、40℃で2日間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。分離した水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。残渣を90 μLの0.1 M HCl水溶液 (溶媒の容量の2%)を含む1,4-ジオキサン/水 (2:1, 4.5 mL)に溶解し、20% Pd(OH)2/C (30 mg)を添加し、大気圧の水素雰囲気下激しく撹拌した。12時間攪拌した後、1.5 mLの水を添加した。混合物を50 ℃に加温し、さらに2日間水素化し、シリンジフィルター (Millipore Millex LG, hydrophilic PTFE 0.2 μm カートリッジ) でろ過し、カートリッジをメタノール及び水で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を室温で一晩、ピリジン/Ac2O (2:1, v/v, 3 mL) でアセチル化し、トルエン共沸し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー (4:1, 酢酸エチル/CHCl3) により精製し、化合物 18 (42 mg, 92%)を無色泡状物質として得た。
【0077】
[α]26D +147 (c 1.0, CHCl3). 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ = 6.26 (d, JNH,H-2II = 9.5 Hz, 1 H, NHCOCH3), 5.48 (t, J2I,3I = J3I,4I = 10.0 Hz, 1 H, H-3I), 5.20 (t, J2II,3II = J3II,4II = 9.5 Hz, 1 H, H-3II), 5.15 (t, J4I,5I = 10.0 Hz, 1 H, H-4I), 5,12 (t, J4II,5II = 10.0 Hz, 1 H, H-4II), 5.06 (d, J1II,2II = 3.5 Hz, 1 H, H-1II), 4.92 (d, J1I,2I = 4.0 Hz, 1 H, H-1I), 4.79 (dd, 1 H, H-2I), 4.40 (dddd, 1 H, H-2II), 4.22 (dd, J5II,6IIa = 4.5 Hz, J6IIa,6IIb = 12.5 Hz, 1 H, H-6IIa), 4.10 (dd, J5II,6IIb = 2.5 Hz, 1 H, H-6IIb), 3.98 (m, 1 H, H-5II), 3.97 (m, 1 H, H-5I), 3.76 (dd, J5I,6Ia = 2.0 Hz, J6Ia,6Ib = 12.5 Hz, 1 H, H-6Ia), 3.72 (dd, J5I,6Ib = 4.0 Hz, 1 H, H-6Ib), 3.41 (s, 3 H, OCH3), 2.10 (s, 3 H, COCH3), 2.09 (s, 3 H, COCH3), 2.08 (s, 3 H, COCH3), 2.04 (s, 3 H, COCH3), 2.02 (s, 6 H, 2 COCH3), 2.00 (s, 3 H, COCH3). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 171.1 (COCH3), 170.6 (COCH3), 170.2 (オキサゾリジノン, C=O), 170.0 (COCH3), 169.9 (COCH3), 169.9 (COCH3), 169.3 (COCH3), 97.0 (C-1II), 96.7 (C-1I), 71.0 (C-3II), 70.9 (C-2I), 70.2 (C-3I), 68.5 (C-4I), 68.4 (C-5I), 68.0 (C-4II), 67.9 (C-5II), 64.3 (C-6I), 61.9 (C-6II), 55.5 (OCH3), 51.5 (C-2II), 22.8 (COCH3), 20.7-20.6 (COCH3).
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、供与体(化合物5及び6)の合成を示す。
【図2】図2は、二糖(化合物18)の合成を示す。
図面
【図1】
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【図2】
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