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明細書 :加工表面評価装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4845003号 (P4845003)
公開番号 特開2006-337108 (P2006-337108A)
登録日 平成23年10月21日(2011.10.21)
発行日 平成23年12月28日(2011.12.28)
公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
発明の名称または考案の名称 加工表面評価装置
国際特許分類 G01B  11/30        (2006.01)
FI G01B 11/30 102Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 27
出願番号 特願2005-160262 (P2005-160262)
出願日 平成17年5月31日(2005.5.31)
審査請求日 平成20年5月26日(2008.5.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】横田 理
個別代理人の代理人 【識別番号】100066980、【弁理士】、【氏名又は名称】森 哲也
【識別番号】100075579、【弁理士】、【氏名又は名称】内藤 嘉昭
【識別番号】100103850、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
審査官 【審査官】櫻井 仁
参考文献・文献 特開昭57-175202(JP,A)
特開昭63-191010(JP,A)
特開昭60-053121(JP,A)
特開2002-346925(JP,A)
特開平07-019841(JP,A)
特開平06-221811(JP,A)
特開平08-145635(JP,A)
調査した分野 G01B 11/00~11/30
G01B 21/00~21/32
特許請求の範囲 【請求項1】
評価対象となる物体の加工表面の状態を反映する反映面を有する略透明な試料部材を使用し、加工表面の状態を評価する加工表面評価装置であって、
前記試料部材に対し、反映面とは反対の面にあたる背面から反映面に向けて略垂直に光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段によって照射され、前記試料部材を透過した透過光を受光面で受光する受光手段と、
前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲の形状を判定する表面形状判定手段と、
前記表面形状判定手段によって判定された範囲の形状から前記加工表面を加工した加工方法を判定する加工方法判定手段と、
前記加工方法判定手段によって判定された加工方法ごとに、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲に基づいて加工表面の粗さを判定する粗さ判定手段と、
を備えることを特徴とする加工表面評価装置。
【請求項2】
前記加工方法判定手段は、
前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲の形状と加工方法とを対応付けて示す加工方法情報を予め有し、前記表面形状判定手段によって判定された範囲の形状と前記加工方法情報とを対照して前記加工表面を加工した加工方法を判定することを特徴とする請求項1に記載の加工表面評価装置。
【請求項3】
前記粗さ判定手段は、
前記加工表面を加工した加工方法ごとに、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲のうちの所定の強度以上の強度を持った透過光の範囲と粗さとを対応付ける粗さ情報を予め有し、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲のうちの所定の強度以上の強度を持った透過光の範囲を前記粗さ情報に対照して加工表面の粗さを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の加工表面評価装置。
【請求項4】
前記光照射手段は、照射光の前記反映面における強度分布が略均一なスポット光を照射することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加工表面評価装置。
【請求項5】
前記試料部材は、加工表面を転写して得られる面、または加工表面を転写して得られる面をさらに転写して得られる面を反映面とするレプリカであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加工表面評価装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、加工された物体の表面を評価する加工表面評価装置にかかり、特に加工された表面を非接触で評価する加工表面評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、機械工作等の分野において、金属部品の表面を研磨加工することがなされている。金属部品表面の状態は、完成した機械の性能や外観に影響する。このため、研磨加工の精度には、ますます高い加工精度が要求されるようになっている。
ところで、研磨の加工精度が高まるにつれ、研磨加工された表面(加工表面)の状態を測定する技術も高精度化する傾向にある。現在の測定技術の多くは、凹凸の規模を粗さとして測定するものであって、主な測定の方法としては、加工表面への触針による接触式粗さ測定法、光干渉や光切断を利用した非接触式粗さ測定法がある。
【0003】
また、粗さ測定にあっては、加工表面を直接測定するのではなく、加工表面の凹凸を再現したレプリカと呼ばれる試料部材を測定することがある。このような測定方法は、レプリカ測定方法といわれ、構造物や大型の部品の加工表面を測定する場合等に多く適用される。
一般的にレプリカは、加工表面を転写することによって加工表面を再現する。このため、再現された面は、基の加工表面の凹凸を反転した凹凸を有する。加工表面の凹凸を反転した面を測定することに不具合が生じる場合、レプリカの表面をさらに転写して測定試料を作成し、この表面を接触、非接触の方式によって測定してもよい。
【0004】
表面粗さをレプリカ法によって計測する従来技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。また、タービン翼のロータ組み付け位置の欠陥を検査するためにレプリカを作成し、レーザ光を用いた非接触の測定法でレプリカ表面を測定することが特許文献2に記載されている。

【特許文献1】特開平5-220811号公報
【特許文献2】特開2003-294716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、触針による粗さ測定法では、針が表面にかける圧力によって測定精度が変化し、比較的高い圧力をかけた場合に測定精度が高まる傾向にある。ただし、圧力によっては表面が傷つき、正確な粗さを計測することができないおそれがある。また、触針による粗さ測定法は、粗さを測定するために複数の連続する点について高さを測定する必要があるので、測定に比較的時間がかかるという欠点を有する。
【0006】
光切断を利用した粗さ測定法は、照射するスリット光の投影方法によってはμm程度まで表面粗さを測定することが可能である。しかし、このような測定方法は、スリット光の投影角度によって測定精度が変化するため、充分な信頼性がある測定値を得られない場合がある。
さらに、光干渉を利用した粗さ測定法は、測定の対象となる表面が、粗さが1μm以下であって反射率が比較的高い部材であることが好ましい。このため、測定対象の部材やレプリカの材料が制限される。
本発明は、以上述べた点に鑑みてなされたものであり、測定結果に高い信頼性が得られ、測定対象の制限を受けることがなく、しかも比較的短時間のうちに部材表面の状態を評価できる非接触式の加工表面評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の加工表面評価装置は、評価対象となる物体の加工表面の状態を反映する反映面を有する略透明な試料部材を使用し、加工表面の状態を評価する加工表面評価装置であって、前記試料部材に対し、反映面とは反対の面にあたる背面から反映面に向けて略垂直に光を照射する光照射手段と、前記光照射手段によって照射され、前記試料部材を透過した透過光を受光面で受光する受光手段と、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲の形状を判定する表面形状判定手段と、前記表面形状判定手段によって判定された範囲の形状から前記加工表面を加工した加工方法を判定する加工方法判定手段と、前記加工方法判定手段によって判定された加工方法ごとに、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲に基づいて加工表面の粗さを判定する粗さ判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような発明によれば、加工表面の状態を反映する反映面の背面から略垂直に光を照射するので、光の照射方向等の調整や設定を簡易にし、測定結果の信頼性を高めることができる。また、照射されて反映面を透過した透過光を受光面で受光し、受光された透過光が広がった範囲に基づいて加工表面の粗さを判定するため、測定対象の反射率や表面状態の制限を受けることがなく、しかも比較的短時間のうちに加工された部材表面の状態である粗さを非接触で評価することが可能な加工表面評価装置を提供することができる。
また、このような発明によれば、透過光が広がった範囲の形状から部材表面を加工した方法を自動的に判定することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の加工表面評価装置は、前記加工方法判定手段が、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲の形状と加工方法とを対応付けて示す加工方法情報を予め有し、前記表面形状判定手段によって判定された範囲の形状と前記加工方法情報とを対照して前記加工表面を加工した加工方法を判定することを特徴とする。
このような発明によれば、透過光が広がった範囲の形状を加工方法情報と対照することによって部材表面を加工した方法を自動的に判定することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の加工表面評価装置は、前記粗さ判定手段が、前記加工表面を加工した加工方法ごとに、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲のうちの所定の強度以上の強度を持った透過光の範囲と粗さとを対応付ける粗さ情報を予め有し、前記受光手段の受光面において透過光が広がった範囲のうちの所定の強度以上の強度を持った透過光の範囲を前記粗さ情報に対照して加工表面の粗さを判定することを特徴とする。
【0012】
のような発明によれば、受光された透過光が広がった範囲に基づいて加工表面の粗さを判定するため、測定対象の反射率や表面状態の制限を受けることがなく、しかも比較的短時間のうちに加工された部材表面の状態である粗さを非接触で評価することができる。
【0014】
また、このような発明によれば、所定の強度以下の透過光を加工表面の粗さを求めるための情報から除外することができる。このため、外乱光等が粗さ判定に及ぼす影響を低減し、粗さ判定の信頼性を高めることができる。
【0015】
また、請求項に記載の加工表面評価装置は、前記光照射手段が、照射光の前記反映面における強度分布が略均一なスポット光を照射することを特徴とする、
このような発明によれば、照射される光の強度分布等の特性が測定結果に影響することをなくし、加工表面の状態を正確に評価することができる。
【0016】
また、請求項に記載の加工表面評価装置は、前記試料部材が、加工表面を転写して得られる面、または加工表面を転写して得られる面をさらに転写して得られる面を反映面とするレプリカであることを特徴とする。
このような発明によれば、加工表面の形状を正確に再現したレプリカを使い、構造物等の現場に加工表面評価装置を持ち込んで計測できない対象の表面をも評価することができる。また、転写して得られる面をさらに転写したレプリカを使った場合、加工表面の凹凸の左右・上下の関係をも正確に再現したレプリカを使って加工表面を評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を参照して本発明にかかる加工表面評価装置の実施形態1、実施形態2を説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、実施形態1の加工表面評価装置の基本的な測定の原理を説明するための図であって、図1は基本的な構成を説明するための図、図2は図1に示した構成において起こる現象を説明するための図である。
図1に示した構成は、スクリーン105、スクリーン105と所定の距離L隔てて設置されたレプリカ104、レプリカ104に対して光を照射するためのHe-Neレーザ103、レプリカ104を透過した光のスクリーン105における受光状態を撮影するデジタルカメラ101でなる。このような構成は、レプリカ104の背面に光を照射して透過させ、物体の加工表面の状態を評価するものである。
【0018】
レプリカ104とは、物体の加工表面の状態を反映する面を有する略透明な試料部材であって、物体の加工表面の状態を反映する面(反映面)104aと、その背面104bとを有している。レプリカ104は略透明であって、背面104b表面は後に示す図3(c)の例を除いて平滑な平面である。なお、レプリカ104の詳細については後述する。
He-Neレーザ103を光源とするスポット光Psをレプリカの背面104bからレプリカ104に照射すると、スポット光Psは、レプリカ104の内部を背面104bから反映面104aに向けて透過する。そして、図2に示すように、反映面104a上で拡散あるいは一部散乱し、透過光Ptを生成する。透過光Ptは、受光面となるスクリーン105上において結像する。図3は、スクリーン105上で透過光Ptが結像した像をデジタルカメラ101によって撮影したものの例である。
【0019】
反映面104が回折格子となっている場合、図2に示したように、透過光Ptが出射する角度βは、以下の式(1)によって表される。また、スネルの法則により、式(2)が成立する。式(1)と式(2)とにより、式(3)が成立する。式(3)によれば、レプリカ104に入射した入射光は、回折格子の溝の断面形状に依存する角度β及び強度を持つ波長λの光となることが分かる。
Sinβ=mλ/d 式(1)
Sinβ=Nmλ/d)
n・Sinθβ=Sain(θβ+β) 式(2)
θβ=tan(Nmλ/(n-(1-(Nmλ)21/2) 式(3)
ただし、
β:回折した光と回折格子法線とのなす角度
N:1mmあたりの回折格子数
m:回折次数(m=0,±1,2,…)
λ:スポット光の波長
n:レプリカの屈折率
θβ:ブレーズ角
【0020】
なお、実施形態1のレプリカ104は、20mmの厚さを持つシリコン製の略透明な平板状の部材であって、背面104b、反映面104aが図2中に示した矢線Aの方向に沿って長い長方形状を有している。実施形態1では、以降の説明において矢線Aで示した方向をレプリカ104の縦、矢線Aに直交する方向をレプリカ104の横と記す。図2に示したレプリカ104は、反映面104a上に横方向の鋸歯状溝(ブレーズド回折格子)を有するものである。
【0021】
図3(a)、(b)、(c)、(d)は、レプリカ104aの反映面にスポット光Psを照射したときに得られる透過光Ptの状態が、反映面104aの形状に依存することを示した図である。図3(a)は、レプリカ104の背面104b、反映面104aが共に平滑な面であるときに得られる透過光Ptである。平滑な反映面104aを透過した光は、図2に示した0次光の進行方向に垂直な断面が円形の光となった。
【0022】
図3(b)は、背面104bが平滑で、かつ反映面104aが横方向の溝を有するレプリカにスポット光Psを照射したときに得られる透過光Ptを示す。また(c)は、背面104bと反映面104aとがいずれも溝を有し、かつ背面104bと反映面104aとで溝の縦、横方向が異なるレプリカにスポット光Psを照射したときに得られる透過光Ptであり、(d)は、背面104bが平滑で、かつ反映面104aが縦方向の溝を有するレプリカにスポット光Psを照射したときに得られる透過光Ptを示している。
【0023】
図3に示した例によれば、透過光Ptは、背面104bあるいは反映面104a上の溝の方向と直交する方向に長い像を結ぶことが分かる。本発明の発明者らは、以上の点を利用して反映面104aを透過した光が受光面において広がった範囲に基づいて加工表面の粗さを判定すると共に、受光面におけるこの範囲の形状に基づいて、加工表面の凹凸の形状(凹凸形状)を判定するものである。なお、凹凸形状とは、例えば、加工表面における溝の有無や溝の延びる方向をいうものとする。
【0024】
以上述べたように、透過光の受光範囲の形状は、加工表面の細かな凹凸の形状を反映する。また、加工された金属等の表面の凹凸は、加工方法によって形状が異なる場合が多い。本発明の発明者らは、この点に着目し、所定の加工方法で加工された加工表面の凹凸形状を示す受光範囲の形状を示すデータを保存しておくものとした。そして、評価すべきレプリカを透過した透過光の受光範囲を保存されているデータと対照し、レプリカの基となった加工表面を加工した加工方法を判定するよう実施形態1の加工表面評価装置を構成した。
【0025】
図4は、実施形態1の加工表面評価装置の構成を説明するための図である。加工表面評価装置は、レプリカ104に対し、背面104bから垂直(入射角度0)に光を照射する光照射手段である光源403と、光源403によって照射され、レプリカ104を透過して反映面104aから出射された透過光を受光する受光手段であるマイクロスコープ108を備えている。光源403は、反映面104a上において強度分布が一様なスポット光を照射するものであって、例えばレーザ光源が使用できる。また、マイクロスコープ108は、例えばCCD(Charge Coupled Device)といった撮像素子でなる受光面108aを備え、受光面108aによって透過光を受光している。
【0026】
実施形態1では、光源403として、径が0.5mmの発光赤色ダイオード(λ=660nm)を用いている。マイクロスコープ108は、受光した透過光によって結像された像を倍率50倍で撮影する。また、実施形態1では、反映面104aとマイクロスコープ108との間隔Lを90mmとした。
また、実施形態1の加工表面評価装置は、パーソナルコンピュータ(PC)109を備えている。PC109は、マイクロスコープ108の受光面108aにおいて透過光が広がった範囲の形状に基づいて加工表面の凹凸の形状を判定する表面形状判定手段、受光面108aにおいて透過光が広がった範囲のうちの所定の強度以上の強度を持った透過光の範囲に基づいて加工表面の粗さを判定する粗さ判定手段として機能する。
なお、実施形態1では、PC109が加工表面評価装置全般を制御するものとし、PC109が光源403にも制御信号を出力して光源403をオン、オフさせるよう構成している。
【0027】
図5は、PC109の構成を説明するための機能ブロック図である。図示するように、PC109は、受光面108aにおいて透過光が広がった範囲の形状を判定する範囲・形状判定部501を備えている。範囲・形状判定部501は、マイクロスコープ108で撮影された評価対象となるレプリカ104の画像の画像データdpを入力し、画像データdpに基づいて透過光の受光範囲を特定すると共に範囲の形状を判定する構成である。
【0028】
なお、実施形態1では、画像データdpを範囲・形状判定部501と共に直接表示制御部504にも入力させ、解析画像としてディスプレイ109aに表示するものとした。
透過光の受光範囲は、例えば、透過光を示す輝点をカウントする、あるいは輝点が占める面積を求めることによって取得することができる。実施形態1では、受光範囲の計算にあたり、受光面108aにおいて所定の値以上の強度を持つ輝点だけを計数、あるいは面積の算出に使用し、所定の値以上の強度を持つ透過光が広がった範囲を受光範囲としている。なお、実施形態1では、ディスプレイ109aにおいて輝度200以上を所定の値として設定した。
【0029】
また、PC109は、範囲・形状判定部501による対照の結果に基づいてレプリカの基となった加工表面を加工した加工方法を判定する加工方法判定部502を備えている。実施形態1の加工表面評価装置は、受光面108aにおいて透過光が広がった範囲の形状と加工方法とを対応付けて示す、例えば図7に示すグラフに対応する加工方法データ505を有している。加工方法データ505は、実施形態1の加工表面評価装置で予め計測されたデータであって、加工表面の評価に先立って加工表面評価装置に保存されているものである。実施形態1の加工データ505は、例えばラップ加工、放電加工といった複数の加工方法についての加工方法データ505a~505gを含んでいる。
【0030】
加工方法判定部502は、加工方法データ505a~505gを順次読み込み、範囲・形状判定部501によって判定された受光範囲の形状を、加工方法データ505a~505gと対照する構成である。そして、対照の結果、受光範囲の形状と一致する加工法データが特定された場合、レプリカ104が、特定された加工方法データに該当する加工方法によって加工された加工表面を基にして作成されたものであると判定する。
【0031】
なお、加工方法判定部502におけるデータの対照は、加工方法データ505a~505gと受光範囲の形状とを、例えばパターンマッチングや画像の濃度分布を比べることによって行われる。
また、PC109は、受光面108aにおいて透過光が広がった範囲と加工表面の粗さとを対応付けて示す粗さ判定データ506を備えている。粗さ判定データ506は、実施形態1の加工表面評価装置で予め計測されたデータであって、加工表面の評価に先立って加工表面評価装置に保存されているものである。
【0032】
また、実施形態1の加工表面評価装置は、受光面108aにおいて透過光が広がった範囲とレプリカ104の反映面104aの粗さとを対応付ける粗さ判定データ506を有している。実施形態1の加工データ506は、例えばラップ加工、放電加工といった複数の加工方法について、加工方法ごとの粗さデータ506a~506gを含んでいる。
PC109は、このような粗さデータ506a~506gのうち、加工方法判定部502によって判定された加工方法に該当する粗さ判定データと透過光が広がった範囲とを対照して加工表面の粗さを判定する粗さ判定部503を備えている。
【0033】
粗さ判定部503は、粗さ判定データ506a~506gのうち、加工方法判定部502が判定した加工方法に該当する粗さ判定データを読み込む。そして、範囲・形状判定部501から受け取った受光範囲のデータを、読み込まれた粗さ判定データと対照し、加工表面の粗さを判定する。
なお、以上の構成は、濃度変位計測ソフトによっても実現することが可能である。濃度変位計測ソフトは、画像の任意の領域の濃度を、時間を追って計測することができる。透過光の像の画像データは、光強度に応じた濃度を有するので、濃度変位計測ソフトを用いることによって透過光の強度及び強度の分布、さらには強度の経時的な変化までも計測することができる。なお、濃度変位計測ソフトは周知のソフトウェアプログラムであるので、これ以上の説明を省く。
【0034】
以上述べた構成を有する実施形態1の加工表面評価装置は、以下のように動作する。すなわち、実施形態1の加工表面評価装置は、オペレータがPC109を操作して加工表面を評価するプログラムを起動することによって動作を開始する。このとき、PC109は、光源403を制御して光を出射させる。出射された光は、レプリカ104の背面104bからレプリカ104を透過して反映面104aから出射する。そして、受光面108aで受光される。
【0035】
マイクロスコープ108は、受光された光を撮像して解析画像のデータdpを生成してPC109に入力する。範囲・形状判定部501は、生成された画像データの所定値以上の輝点をカウントし、解析画像が示す受光範囲と、その形状とを判定する。判定の結果得られた範囲の形状を示すデータは、加工方法判定部502において加工方法データ505に対照され、レプリカ104の基となった加工表面を加工した加工方法が判定される。
【0036】
また、判定の結果得られた範囲は、粗さ判定部503に送られる。粗さ判定部503は、送られた範囲を粗さ判定部506に対照して加工表面の粗さを判定する。なお、加工方法データ及び粗さ判定データを複数有する実施形態1では、粗さ判定部503が、粗さ判定データ506a~506gのうち、加工方法判定部502によって判定された加工方法に該当する粗さ判定データを加工表面の粗さの判定に用いるものとする。
【0037】
以上の動作により、レプリカ104の基となった加工表面を加工した方法及び加工表面の粗さ判定が終了する。判定の結果は、表示制御部504を介してディスプレイ109aに表示される。
次に、実施形態1で用いられる加工方法データ505及び粗さ判定データ506について、より具体的に説明する。実施形態1では、加工方法データ505、粗さ判定データ506を作成するために複数の加工方法で加工された金属表面のレプリカを作成した。
【0038】
レプリカは、以下のようにして作成された。すなわち、実施形態1では、複数の加工方法で金属の表面を加工し、この表面の各々について金型を作成した。そして、この金型に液状シリコンを流し込む。液状シリコンは、流動性に優れるために微細な隙間にも容易に流れ込み、精密な型取りが可能なことで知られる部材であって、金属の加工表面の凹凸を正確に再現することができる。
【0039】
固化した液状シリコンは、金型からはずされて各加工方法についてのレプリカとなる。実施形態1で作成されたレプリカは、厚さ20mmの平板形状であって、平板の一方の面が反映面、反映面と反対に位置する面が背面となる。
実施形態1では、上記した方法によって以下の各加工方法についてレプリカを作成した。なお、以下の加工方法で加工された加工表面を反映する反映面を持つレプリカを、以降、例えば、ラップ加工のレプリカ、放電加工のレプリカ等のように加工方法の名称を付して記すものとする。
・ラップ加工
・手仕上げ(ペーパ、やすり)
・放電加工
・精密鋳造
・研削
・形削り
【0040】
実施形態1では、作成されたレプリカを実施形態1の加工表面評価装置で撮像して解析画像を作成した。そして、作成された解析画像を加工方法ごとに加工方法データ505a~505gとして保存している。さらに、実施形態1では、加工方法データ505~505gに現われた輝度200以上の輝点を計数し、この計数値と加工表面の粗さとを対応付けたグラフを粗さ判定データ506a~506gとして保存している。
【0041】
図6(a)、(b)、(c)は、上記した加工方法のうち、ラップ加工の加工方法データを示した図である。なお、図6(a)は、最大高さRyが0.2μmのレプリカの解析画像である。また、(b)は最大高さRy0.4μm、(c)は最大高さRy0.8μmのレプリカの解析画像である。各加工法データには、解析画像のデータと、図6(a)~(c)に付して示した粗さとが含まれている。なお、図6及び後で示す図7に示した粗さは、探針法等の周知の測定方法でレプリカの反映面を計測して得た値である。
図6(a)~(b)に示したように、受光範囲は、レプリカの反映面が粗くなるにつれて円形状から楕円形状に近づいている。このような現象は、ラップ加工で加工された加工面の表面粗さが粗くなるにつれて加工表面にスジ状の凹凸(溝)が発生するために起こる。
【0042】
図7は、図6に示した加工方法データに基づくラップ加工の粗さ判定データを示した図であって、加工方法データである解析画像を濃度変位計測ソフト等によって処理することによって作成できる。実施形態1では、図6に示したように、ラップ加工について粗さの異なるレプリカを複数作成し、複数のレプリカを評価して複数の粗さに対応する受光範囲を取得している。グラフの縦軸は、輝度が200以上の画素(濃度物体画素)数であって、横軸はレプリカの反映面の粗さを示している。実施形態1では、計測値の信頼性を高めるために複数回濃度物体画素数と粗さとを計測していて、グラフのプロットの違いは、計測の回数の違いを表している。
図7に示したように、濃度物体画素数は、反映面の粗さが粗くなるにつれて増加する傾向にある。この理由は、反映面104aがより粗い場合に光の拡散の程度が大きくなって受光面108aにおける透過光を受光する範囲(受光範囲)が大きくなることによる。
【0043】
図8、図9は、このような現象を説明するための図であって、図8は最大高さRy0.2μmの加工表面(図8(b))と、(b)に示した加工表面を反映した反映面の解析画像(図8(a))とを示している。また、図9は、最大高さRy0.8μmの加工表面(図9(b))と、(b)に示した加工表面を反映した反映面の解析画像(図9(a))とを示している。図8(b)、図9(b)から明らかなように、最大高さRy0.2μmの加工表面に溝はなく、最大高さRy0.8μmの加工表面には画面縦方向に溝が発生していることが分かる。
【0044】
図3で説明したように、レプリカを透過した光は、反映面上の溝で回折し、溝と直交する方向に長い像を結ぶ。すなわち、ラップ加工された加工表面では、表面粗さが粗くなるにつれて溝が発生し、このために受光範囲の形状が楕円形状になる。
このような処理方法により、実施形態1の加工表面評価装置では、受光範囲が円あるいは楕円であるといった形状に基づいて、例えば、平滑性の程度または縦、横方向の溝があるといった加工表面の凹凸の形状を判定することができる。また、実施形態1の加工表面評価装置では、受光範囲を濃度物体画素数によって求め、この値に基づいて加工表面の粗さを判定することができる。
【0045】
次に、他の加工方法の加工方法データ及び粗さ判定データについて説明する。図10(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、いずれも紙やすり(ペーパ)を使った手動による研磨(手仕上げペーパ)の加工方法データである。図10(a)~(e)によれば、手仕上げペーパにあっても、粗さが粗くなるにしたがって受光範囲の形状が横方向に延びる現象が起こり、反映面に図中縦方向の溝が発生していることが分かる。
【0046】
また、図11は、図10(a)~(e)に示した加工方法データに基づく手仕上げペーパの粗さ判定データを示した図である。グラフの縦軸は、輝度が200以上の濃度物体画素数であって、横軸は輝度に応じたレプリカの粗さを示している。図10に示したグラフによれば、手仕上げペーパにあっても反映面の粗さが大きくなるほど受光範囲が大きくなり、濃度物体画素数が増えることが分かる。
また、手仕上げペーパでは、1回目から3回目の計測で得られた結果のばらつきが小さいことが分かる。このため、手仕上げペーパは、実施形態1の加工表面評価装置で評価した場合の信頼性が高い結果が得られ、本発明に適した加工方法であるといえる。
【0047】
図12(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)は、いずれも放電加工の加工方法データである。放電加工とは、加工電極と工作物とを絶縁性の液体中にセットし、加工電極と工作物との間に微少なギャップを設けて電圧を加えることによりアーク放電を発生させ、工作物を溶融、溶融部分の除去をする加工方法である。図12(a)~(h)によれば、放電加工では、粗さが粗くなるにしたがって受光範囲は大きくなる傾向があるものの、受光範囲の形状が縦あるいは横方向に延びることはない。このような結果により、実施形態1の加工表面評価装置は、放電加工では、表面が粗くなった場合にも溝が発生することがないことが分かる。
【0048】
また、図13は、図12(a)~(h)に示した加工方法データに基づく放電加工の粗さ判定データを示した図である。グラフの縦軸は、輝度が200以上の濃度物体画素数であって、横軸は輝度に応じたレプリカの粗さを示している。図13に示したグラフによれば、放電加工にあっては反映面の粗さが大きくなると濃度物体画素数が減少していることが分かる。この理由は、表面が粗くなったことによって光の拡散が大きくなり、観測される光のうち200以上の輝度を持つ光が減少したことによると考える。
【0049】
図14(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)は、いずれも精密鋳造の加工方法データである。精密鋳造とは、鋳造にあって特に寸法精度が良いものをいい、例えば、ロストワックス法(インベストメントモールド法)などを指す。図14(a)~(i)によれば、精密鋳造では、粗さが粗くなるにしたがって受光範囲は広がって疎になる傾向があるものの、受光範囲の形状が縦あるいは横方向に延びることはない。このような結果により、実施形態1の加工表面評価装置は、精密鋳造で製造された金属表面には表面粗さに関わらず溝がないことが分かる。
【0050】
また、図15は、図14(a)~(i)に示した加工方法データに基づく精密鋳造の粗さ判定データを示した図である。グラフの縦軸は、輝度が200以上の濃度物体画素数であって、横軸は輝度に応じたレプリカの粗さを示している。図15に示したグラフによれば、精密鋳造にあっては反映面の粗さが大きくなると、濃度物体画素数がいったん増加した後に減少する。そして、表面がさらに粗くなった場合には再び濃度物体画素数が増加していることが分かる。このような現象は、表面の粗さが大きくなったことによって透過光の拡散が大きくなって濃度物体画素数が増加する。ただし、さらに表面が粗くなった場合にはレプリカから出射される光量が減少して濃度物体画素数が減少する。また、さらに表面の凹凸が大きくなった場合には凹凸表面が滑らかであることによって透過光の光量が増加して再び濃度物体画素数が増加することによって起こる。
【0051】
図16(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、いずれも研削加工の加工方法データである。研削加工とは、被工作物を砥石で削る加工方法である。図16(a)~(f)によれば、研削加工では、粗さが粗くなるにしたがって受光範囲が横に延び、前記したラップ加工と同様に縦方向の溝が形成されていることが分かる。
また、図17は、図16(a)~(f)に示した加工方法データに基づく研削加工の粗さ判定データを示した図である。グラフの縦軸は、輝度が200以上の濃度物体画素数であって、横軸は輝度に応じたレプリカの粗さを示している。図17に示したグラフによれば、研削加工にあっては反映面104aの粗さにつれて濃度物体画素数が増加し、最大高さRyが12μm程度より大きくなると一定の値に近づいていくことが分かる。
【0052】
図18(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、いずれも手仕上げヤスリ加工の加工方法データである。手仕上げヤスリ加工とは、手動のヤスリによる表面加工方法である。
また、図19は、図18(a)~(e)に示した加工方法データに基づく研削加工の粗さ判定データを示した図である。グラフの縦軸は、輝度が200以上の濃度物体画素数であって、横軸は輝度に応じたレプリカの粗さを示している。図18(a)~(e)、図19によれば、最大高さRy3.2~6.3μmまでは表面が粗くなるにしたがって受光範囲の長さが横方向に延びる。しかし、さらに最大高さRy12.5μm程度まで表面が粗くなった場合には受光範囲の長さが短くなって濃度物体画素数が減少していることが分かる。このような現象は、濃度物体画素数が加工表面の粗さばかりでなく、溝の間隔や溝表面の形状の影響を受けて変化することによって起こるものと考えられる。
【0053】
図20(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、いずれも形削り加工の加工方法データである。形削り加工とは、工具の直線切削運動と工作物の直線送り運動とを組み合わせて面を削る加工方法をいう。また、図21は、図20(a)~(e)に示した加工方法データに基づく形削り加工の粗さ判定データを示した図である。グラフの縦軸は、輝度が200以上の濃度物体画素数であって、横軸は輝度に応じたレプリカの粗さを示している。
図20(a)~(e)、図21によれば、最大高さRy12.5μmを境にして濃度物体画素数が増加から減少の傾向に変化する。このような現象は、受光範囲は大きくなっているものの、200以上の輝度を持つ光がレプリカから出射されなくなることによるものと考える。
【0054】
以上述べた加工法データ及び粗さ判定データを備えた実施形態1の加工表面評価装置は、測定対象となるレプリカが、ラップ加工、手仕上げペーパ、手仕上げやすり、放電加工、精密鋳造、研削、形削りの加工方法のいずれのものであるかを判定することができる。さらに、判定された加工方法に該当する粗さ判定データに受光範囲を対照してレプリカの反映面104aの粗さを計測することができる。
【0055】
以上述べた実施形態1の加工表面評価装置は、反映面の背面から略垂直に光を照射するので、光源403の設置角度や光学系の組み付けに要求される充分な精度を比較的容易に得ることができる。
また、実施形態1の加工表面評価装置は、レプリカを透過した透過光が広がった範囲に基づいて加工表面の粗さを判定し、さらに範囲の形状に基づいて加工表面の凹凸形状を自動的に判定することができる。このため、測定対象の反射率や表面状態の制限を受けることがなく、しかも比較的短時間のうちに非接触で加工された部材表面の状態を評価することができる。
【0056】
さらに、実施形態1の加工表面評価装置は、以上述べた構成に限定されるものではない。すなわち、実施形態1では、図7等に示したグラフにあって、200以上の輝度を持つ濃度物体画素数をカウントするものとしている。しかし、濃度物体画素数としてカウントする際の輝度のしきい値は、200以上に限定されるものでなく、任意の値であってよい。
【0057】
また、本実施形態では、加工表面評価装置が光源403を反映面104a上の1点に照射して解析画像を取得するものとしたが、光源403を反映面104aで走査する手段を加工表面評価装置に設け、反映面104aにおける直線上の粗さを測定することも可能である。
さらに、実施形態1の加工表面評価装置は、本実施形態1で例示した加工方法についての加工方法情報だけを保存しておくものに限定されるものでなく、他のどのような加工方法の加工方法情報を保存しておくものであってもよい。さらに、同一の加工方法についても、治具や加工の条件ごとに加工情報や粗さ情報を加工表面評価装置に保存しておき、計測結果と対照することによって加工表面の粗さをより正確に計測することができる。
【0058】
また、実施形態1では、反映面104bが平滑な板状のレプリカを採用しているが、実施形態1の加工表面評価装置に適用できるレプリカは、このようなものに限定されるものではない。例えば、板状であって反映面104a、背面104bが共に表面に凹凸を有するレプリカを計測することもできる。このような場合、図3(c)に示すように、反映面104a、背面104bの両方の凹凸を反映した解析画像を得ることが可能である。
【0059】
また、実施形態1は、レプリカの形状を板状に限定するものでなく、反映面以外の部位における散乱等が反映面を透過する透過光に影響しない形状であればどのような形状であってもよい。
さらに、実施形態1では、加工表面を転写して得られる面を反映面にしたレプリカを採用している。しかし、実施形態1はこのような構成に限定されるものではなく、転写して得た面をさらに転写した面を反映面としたレプリカを使ってもよい。このようなレプリカを採用した場合、加工表面の凹凸の左右・上下の関係をも正確に再現した反映面を使って加工表面を評価することができる。
【0060】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本発明の加工表面評価装置は、加工表面形状から加工方法を特定することなく、直接加工表面の形状及び粗さを判定するものである。このような実施形態2の加工表面評価装置は、例えば、金属表面の加工工程や検査工程において加工表面の状態を評価することに使用すること等に適している。
【0061】
図22は、解析画像から加工表面の形状及び粗さを判定する加工表面評価装置を説明するための図である。
図22に示した加工表面評価装置は、評価すべき工程で加工された加工表面のレプリカを使って得られた解析画像データ2203を有している。本実施形態では、粗さの異なる加工表面を使って反映面の粗さが異なる複数のレプリカを作成し、各レプリカについて解析画像データを保存しておくものとする。このため、解析画像データ2203は、レプリカの粗さが異なる例えば7つの解析画像データ2203a~2203gを有している。なお、図6等に示したように、解析画像データ2203a~2203gは、解析画像と、解析画像に対応するレプリカ反映面の粗さとを含んでいる。
【0062】
また、図22に示した加工表面評価装置は、解析画像データ2203が示す透過光が広がった範囲の形状に基づいて加工表面の凹凸の形状を判定する表面形状判定部2201、受光範囲に基づいて加工表面の粗さを判定する粗さ判定部2202を備えている。なお、図22において、図5に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。
【0063】
範囲・形状判定部501は、画像データdpから受光範囲を特定し、範囲の大きさと形状とを判定する。受光範囲の形状は、表面形状判定部2201に送られ、範囲の大きさは粗さ判定部2201に送られる。表面形状判定部2201は、範囲・形状判定部501によって判定された形状と、解析画像データ2203a~2203gが示す受光範囲の形状とを対照し、一致するものを特定する。
【0064】
また、本実施形態では、範囲・形状判定部501に受光範囲の形状と対応する溝発生、概ね平滑といった情報を持たせることも可能である。このような情報としては、例えば、特定された形状が略円とみなせる場合には平滑、あるいは形状を楕円とみなした場合の長径と短径との比がしきい値以上であった場合には縦溝発生等が考えられる。このように構成した場合、範囲・形状判定部501が、縦方向の溝が発生しているといった情報を、表示制御部504を介してディスプレイ109aに表示してもよい。
【0065】
粗さ判定部2202は、範囲・形状判定部501が判定した受光範囲と、解析画像データ2203a~2203gが示す受光範囲とを対照し、一致するものを特定する。そして、特定された解析画像データに対応する粗さを、表示制御部504を介してディスプレイ109aに表示する。
さらに、本実施形態では、範囲・形状判定部501が受光範囲の形状と一致する解析画像データの候補を複数抽出し、抽出された解析画像データを粗さ判定部2202に通知する。そして、粗さ判定部2202が、通知された解析画像データのうちから受光範囲が一致するものを特定するようにしてもよい。このように構成した場合、より正確に計測によって得られた画像データdpと解析画像データとの一致を判定することができる。
【0066】
以上述べた実施形態2によれば、加工された表面に溝が発生したこと、あるいは発生した溝の方向、さらには溝の発生の度合い等を評価することができる。このような実施形態2の加工表面評価装置は、加工方法が既知の加工工程において、加工の条件出しや治具の調整をすることに適している。
また、実施形態2の加工表面評価装置は、このような構成に限定されるものではない。すなわち、実施形態2の加工表面評価装置は、例えば、検査工程等で加工表面が合格とみなせる円滑性を有しているか否かだけを判別する場合、解析画像データ2203に検査工程で合格と判定される表面のデータ(ベストデータ)だけを保存しておく。
【0067】
このとき、表面形状判定部2201及び粗さ判定部2202は、範囲・形状判定部501によって判定された範囲及び範囲の形状とベストデータとをパターンマッチング等の方法によってマッチングする。そして、対象の結果、受光範囲の規模と形状とが共に一致するとみなせる場合にだけ検査の基準に合格したことを示すメッセージをディスプレイ109aに表示するよう構成することもできる。
このような加工表面評価装置によれば、加工表面が所定の加工品質を満たしているか否かをより短時間のうちに判断することができる。このため、検査工程において高い作業効率を得ることができる加工表面評価装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態1の加工表面評価装置の基本的な構成を説明するための図である。
【図2】図1に示した構成において起こる現象を示した図である。
【図3】図1に示したスクリーン上で透過光が結像した像をデジタルカメラによって撮影したものである。
【図4】本発明の一実施形態の加工表面評価装置の構成を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態1に必要なPCの構成の機能ブロック図である。
【図6】本実施形態の加工表面評価装置のラップ加工の加工方法データとなる解析画像である。
【図7】図6に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図8】最大高さRy0.2μmの加工表面と、この加工表面を基にして作成されたレプリカの本実施形態の加工表面評価装置による評価結果を示した図である。
【図9】最大高さRy0.8μmの加工表面と、この加工表面を基にして作成されたレプリカの本実施形態の加工表面評価装置による評価結果を示した図である。
【図10】本発明の一実施形態の加工表面評価装置で手仕上げペーパの加工方法データとなる解析画像である。
【図11】図10に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図12】本発明の一実施形態の加工表面評価装置で放電加工の加工方法データとなる解析画像である。
【図13】図12に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図14】本発明の一実施形態の加工表面評価装置で精密鋳造の加工方法データとなる解析画像である。
【図15】図14に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図16】本発明の一実施形態の加工表面評価装置で研削の加工方法データとなる解析画像である。
【図17】図16に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図18】本発明の一実施形態の加工表面評価装置で手仕上げヤスリの加工方法データとなる解析画像である。
【図19】図18に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図20】本発明の一実施形態の加工表面評価装置で形削りの加工方法データとなる解析画像である。
【図21】図20に示した加工方法データに基づく粗さ判定データである。
【図22】本発明の実施形態2に必要なPCの構成の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
101 デジタルカメラ、103 レーザ、104 レプリカ、104a 反映面
104b 背面、105 スクリーン、108 マイクロスコープ、108a 受光面
109 PC、109a ディスプレイ、403 光源
501 範囲・形状判定部、502 加工方法判定部、503 粗さ判定部
504 表示制御部、505 加工方法データ、506,2202 粗さ判定データ
2201 表面形状判定部、2203 解析画像データ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図4】
2
【図5】
3
【図7】
4
【図11】
5
【図13】
6
【図15】
7
【図17】
8
【図19】
9
【図21】
10
【図22】
11
【図3】
12
【図6】
13
【図8】
14
【図9】
15
【図10】
16
【図12】
17
【図14】
18
【図16】
19
【図18】
20
【図20】
21