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明細書 :変化領域抽出装置及び変化領域抽出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4963824号 (P4963824)
公開番号 特開2007-139421 (P2007-139421A)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発行日 平成24年6月27日(2012.6.27)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
発明の名称または考案の名称 変化領域抽出装置及び変化領域抽出方法
国際特許分類 G01C  11/06        (2006.01)
G06T   7/00        (2006.01)
G09B  29/00        (2006.01)
FI G01C 11/06
G06T 7/00 300F
G09B 29/00 Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2005-329042 (P2005-329042)
出願日 平成17年11月14日(2005.11.14)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成17年9月20日~23日 社団法人電子情報通信学会主催の「2005年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会」において文書をもって発表
審査請求日 平成20年11月12日(2008.11.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】松原 三人
【氏名】大内 宏友
【氏名】黒岩 孝
個別代理人の代理人 【識別番号】100067736、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 晃
【識別番号】100086335、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 榮一
【識別番号】100096677、【弁理士】、【氏名又は名称】伊賀 誠司
審査官 【審査官】須中 栄治
参考文献・文献 特開2004-318365(JP,A)
特開2003-216649(JP,A)
特開2003-281550(JP,A)
特開2001-056820(JP,A)
黒岩孝、佐藤敬太郎、大内宏友、山崎恒樹、松原三人,フラクタル理論を用いた街区の形態分類に関する検討,2005年電子情報通信学会総合大会講演論文集,日本,社団法人 電子情報通信学会,2005年 3月 7日,基礎・境界,p.174
黒岩孝、佐藤敬太郎、大内宏友、山崎恒樹、松原三人,フラクタル理論を用いた街区の構造解析,2004年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会講演論文集,日本,社団法人 電子情報通信学会,2004年 9月 8日,p.114
調査した分野 G01C11/00-11/04
G09B29/00
G06T1/00-1/40;3/00-9/40
G01B11/00-11/30
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の形態の市街地を撮影した航空写真に基づいて生成された画像データが格納されている画像データ格納手段と、
上記航空写真が撮影された時期とは異なる時期に撮影された上記市街地の航空写真に基づいて生成された入力画像データを所定のサイズの小領域に分割し、上記画像データ格納手段に格納されている上記画像データを上記所定のサイズと同等サイズの小領域に分割する小領域分割手段と、
上記小領域分割手段により小領域に分割された上記入力画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、上記小領域分割手段により小領域に分割された上記画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出するフラクタルシーケンス演算手段と、
上記フラクタルシーケンス演算手段により算出された、上記入力画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスと、上記画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスとに基づいて、対応する小領域ごとに画像特徴距離を算出する画像特徴距離演算手段と、
上記画像特徴距離演算手段により算出された上記画像特徴距離に基づいて、上記市街地の変化領域を抽出する変化領域抽出手段とを備えることを特徴とする変化領域抽出装置。
【請求項2】
上記変化抽出手段は、変化領域の抽出を画像データの光強度分布を走査することにより行うことを特徴とする請求項1記載の変化領域抽出装置。
【請求項3】
画像データ格納部に格納されており、所定の形態の市街地が撮影されている航空写真に基づいて生成された格納画像データを所定のサイズの小領域に分割し、
上記航空写真が撮影された時期とは異なる時期に撮影された上記市街地の航空写真に基づいて生成された入力画像データを所定のサイズの小領域に分割し、
小領域に分割された上記入力画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、
小領域に分割された上記格納画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、
上記入力画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスと、上記格納画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスとに基づいて、対応する小領域ごとに画像特徴距離を算出し、
算出された上記画像特徴距離に基づいて、上記市街地の変化領域を抽出することを特徴とする変化領域抽出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の市街地を撮影した航空写真に基づき、当該市街地の変化領域の抽出を行う変化領域抽出装置及び変化領域抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市計画を実施する際は、周辺の環境への影響を考慮した事前の評価が必要であり、そのためには複雑な都市の構造を定量的に解析することが必要である。また、該当地域における建物や道路の工事、災害による建物の倒壊などによる環境の変化も迅速に把握する必要がある。そのような場合、従来から広く用いられているのは、市街地を撮影した航空写真を人間の目視により判別する人的手法である。この場合、莫大な時間と労力が必要となるため効率が悪く、多大なコストが必要となる。そこで最近では、パターン認識を応用した手法が提案されており、計算機による自動化の試みがなされている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】

【特許文献1】特開平11-83478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パターン認識を利用した手法の場合、一般にアルゴリズムが複雑であり、装置に実装した場合にはコストがかかり、莫大な処理時間を要する。さらに、判定結果は必ずしも人間の感覚とは一致しないという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、目視では判別しにくい小領域の変化を抽出することができる変化領域抽出装置及び変化領域抽出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る変化領域抽出装置は、上述したような課題を解決するために、所定の形態の市街地を撮影した航空写真に基づいて生成された画像データが格納されている画像データ格納手段と、上記航空写真が撮影された時期とは異なる時期に撮影された上記市街地の航空写真に基づいて生成された入力画像データを所定のサイズの小領域に分割し、上記画像データ格納手段に格納されている上記画像データを上記所定のサイズと同等サイズの小領域に分割する小領域分割手段と、上記小領域分割手段により小領域に分割された上記入力画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、上記小領域分割手段により小領域に分割された上記画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出するフラクタルシーケンス演算手段と、上記フラクタルシーケンス演算手段により算出された、上記入力画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスと、上記画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスとに基づいて、対応する小領域ごとに画像特徴距離を算出する画像特徴距離演算手段と、上記画像特徴距離演算手段により算出された上記画像特徴距離に基づいて、上記市街地の変化領域を抽出する変化領域抽出手段とを備える。
【0009】
また、本発明に係る変化領域抽出方法は、上述したような課題を解決するために、画像データ格納部に格納されており、所定の形態の市街地が撮影されている航空写真に基づいて生成された格納画像データを所定のサイズの小領域に分割し、上記航空写真が撮影された時期とは異なる時期に撮影された上記市街地の航空写真に基づいて生成された入力画像データを所定のサイズの小領域に分割し、小領域に分割された上記入力画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、小領域に分割された上記格納画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、上記入力画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスと、上記格納画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスとに基づいて、対応する小領域ごとに画像特徴距離を算出し、算出された上記画像特徴距離に基づいて、上記市街地の変化領域を抽出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、航空写真に基づく二つの画像データをそれぞれ同等サイズの小領域に分割し、それぞれ対応する小領域ごとの画像特徴距離を算出することにより、精密に変化領域の抽出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、市街地の形態を分類する形態分類装置及び方法、並びに市街地の変化領域の抽出を行う変化領域抽出装置及び方法に適用される。
【0012】
本発明の発明者等は、フラクタル理論に基づいて、任意の市街地の航空写真のフラクタルシーケンスと、サンプルとなる市街地の航空写真のフラクタルシーケンスとに基づいて、画像特徴距離dを求め、当該画像特徴距離dにより任意の市街地の形態を定量化できることを解明し、本発明を創作した。
【0013】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
まず、フラクタルシーケンスの算出方法と、画像特徴距離dの算出方法について説明する。なお、以下では、画像データの光強度分布(航空写真の画素値)をf(x,y)で表すこととする。
【0015】
まず、r×r[Pixel]の任意の小領域を考え、その四隅における光強度{f(xi,yj),f(xi+r,yj),f(xi,yj+r),f(xi+r,yj+r)}(但し、i,j=0,1,2,・・・,N-1)の最小値をf0とし、その四隅の光強度からf0を差し引き、それぞれを頂点とする小立方体の仮想的な体積をVr(xi,yj)とし、このときの体積の平均V(r)を(1)式に基づいて求める(図1)。
【0016】
【数1】
JP0004963824B2_000002t.gif

【0017】
ここで、小領域{r0,r1,・・・,rM-1}に対する体積の平均{V(r0),V(r1),・・・,V(rM-1)}を求めると、フラクタルシーケンスは、{logV(r0),logV(r1),・・・,logV(rM-1)}dで求められる。
【0018】
つぎに、解像度の等しい二つの画像データのフラクタルシーケンスをそれぞれS={s0,s1,・・・,sM-1},T={t0,t1,・・・,tM-1}とすると、(2)式に基づいて画像特徴距離dが算出される。
【0019】
【数2】
JP0004963824B2_000003t.gif

【0020】
画像特徴距離dは、二つの画像の類似度を表し、例えば、二つの画像が同一であればd=0となる。一方、二つの画像が異なるほど画像特徴距離dの値は大きくなり、その結果は、人間の視覚的感覚に近いものとなる。
【0021】
<形態分類装置に関して>
形態分類装置1は、図2に示すように、所定の形態の市街地が撮影されている航空写真に基づいて生成された画像データが格納されている比較画像データ格納部10と、任意の市街地が撮影されている航空写真に基づいて生成された入力画像データの全体のフラクタルシーケンスを算出し、比較画像データ格納部10に格納されている格納画像データの全体のフラクタルシーケンスを算出するフラクタルシーケンス演算部11と、フラクタルシーケンス演算部11により算出された、入力画像データの全体のフラクタルシーケンスと、格納画像データの全体のフラクタルシーケンスとに基づいて、画像特徴距離dを算出する画像特徴距離演算部12と、画像特徴距離演算部12により算出された画像特徴距離dに基づいて、任意の市街地の形態を分類する形態分類部13とを備える。
【0022】
比較画像データ格納部10は、例えば、形態が格子状である市街地の航空写真に基づいて生成されたグレースケールの格子状画像データが格納されている第1の形状の比較画像データ格納部20と、形態が同心円状である市街地の航空写真に基づいて生成されたグレースケールの同心円状画像データが格納されている第2の形状の比較画像データ格納部21と、形態が放射状である市街地の航空写真に基づいて生成されたグレースケールの放射状画像データが格納されている第3の形状の比較画像データ格納部22とを備える。なお、比較画像データ格納部10は、格子状、同心円状及び放射状以外の形態の市街地の航空写真に基づいて生成されたグレースケールの比較画像データが格納されている他の格納部を有していても良い。なお、フラクタルシーケンス演算部11に入力される入力画像データは、フラクタル性のある画像データである。
【0023】
フラクタルシーケンス演算部11は、フラクタル性を有する入力画像データの全体のフラクタルシーケンスを算出する。また、フラクタルシーケンス演算部11は、第1の形状の画像データ格納部20に格納されている格子状画像データを読み出し、当該格子状画像データの全体のフラクタルシーケンスを算出する。また、フラクタルシーケンス演算部11は、第2の形状の画像データ格納部21に格納されている同心円状画像データを読み出し、当該同心円状画像データの全体のフラクタルシーケンスを算出する。また、フラクタルシーケンス演算部11は、第3の形状の画像データ格納部22に格納されている放射状画像データを読み出し、当該放射状画像データの全体のフラクタルシーケンスを算出する。
【0024】
つぎに、画像特徴距離演算部12の構成について説明する。画像特徴距離演算部12は、フラクタルシーケンス演算部11により算出された、入力画像データの全体のフラクタルシーケンスと、格子状画像データの全体のフラクタルシーケンスとに基づいて、画像特徴距離dを算出する。また、画像特徴距離演算部12は、フラクタルシーケンス演算部11により算出された、入力画像データの全体のフラクタルシーケンスと、同心円状画像データの全体のフラクタルシーケンスとに基づいて、画像特徴距離dを算出する。また、画像特徴距離演算部12は、フラクタルシーケンス演算部11により算出された、入力画像データの全体のフラクタルシーケンスと、放射状画像データの全体のフラクタルシーケンスとに基づいて、画像特徴距離dを算出する。
【0025】
また、画像特徴距離dは、二つの画像の類似度を表し、例えば、二つの画像が同一であればd=0となる。一方、二つの画像が異なるほど画像特徴距離dの値は大きくなり、その結果は、人間の視覚的感覚に近いものとなる。
【0026】
また、画像特徴距離dは、上述したように二つの画像間の変化の度合いを表しており、主に、建物や道路等の3次元的な配置によって変化するが、車や人等のように極端に小さい物体は誤差(雑音分)となり、変化に寄与しない特徴を有している。
【0027】
形態分類部13は、画像特徴距離演算部12により得られた画像特徴距離dと、画像特徴距離dと、画像特徴距離dとを比較し、当該比較結果に基づいて、入力画像データの元になった任意の市街地の形態を、例えば、格子状、同心円状又は放射状と分類する。
【0028】
また、形態分類部13により分類された形態に基づいて、入力画像データを入力画像データ格納部30に登録する登録部31を備える構成であっても良い。また、入力画像データ格納部30は、形態分類部13に分類された結果に応じて、例えば、格子状の形態の入力画像データを格納する第1の形状の入力画像データ格納部30Aと、同心円状の形態の入力画像データを格納する第2の形状の入力画像データ格納部30Bと、放射状の形態の入力画像データを格納する第3の形状の入力画像データ格納部30C等を備える。
【0029】
<具体例>
ここで、図3に実際の航空写真に基づく画像データから画像特徴距離dを算出した結果を示す。また、図3では、航空写真の一辺の大きさは、約400[m]の正方形であり、当該航空写真から生成されたグレースケールの画像データの解像度は、512×512[pixel]である。また、撮影条件の違いによる影響を軽減するため、いずれの航空写真も10月中旬の正午頃に撮影された航空写真を用いた。
【0030】
図3は、「京都府中京区二条城町」を基準として、複数の市街地の画像特徴距離dを求めた結果である。「京都府中京区二条城町」は、「東京都北区小山町」(格子状の市街地)との画像特徴距離dが約0.01となり、「東京都大田区田園調布」及び「神奈川県港北区日吉」(同心円状の市街地)との画像特徴距離dが約0.03となり、「東京都豊島区南大塚」及び「東京都豊島区北大塚」(放射状の市街地)との画像特徴距離dが約0.11となっている。したがって、「京都府中京区二条城町」の市街地の形態は、格子状の市街地である「東京都北区小山町」に近似していることが分かり、また、同心円状の市街地に比べ、放射状の市街地の方が画像特徴距離dが大きいことが分かる。このことは、人間の視覚的感覚とも良く一致している。
【0031】
また、本発明の発明者等は、上述と同様に、他の形態の市街地を基準として画像特徴距離dを求めた結果、市街地の形態が相互に類似している場合には、画像特徴距離dが約0.01となり、また、格子状の市街地と同心円状の市街地の場合には、画像特徴距離dが約0.03となり、同心円状の市街地と放射状の市街地の場合には、画像特徴距離dが約0.09となり、格子状の市街地と放射状の市街地の場合には、画像特徴距離dが約0.11となることを解明した。
【0032】
したがって、市街地の形態の違いが画像特徴距離dに十分に反映されているので、画像特徴距離dを用いることにより、市街地の形態分類が可能となるのである。
【0033】
このようにして、本発明に係る形態分類装置1は、基準とする市街地と異なる複数の市街地との間の画像特徴距離dを求め、求めた画像特徴距離dの大小関係を比較し、その結果、画像特徴距離dがほぼ等しい場合には、同じ形態の市街地として分類することができ、画像特徴距離dが異なる場合には、別の形態の市街地として分類することができる。
【0034】
<変化領域抽出装置に関して>
また、画像特徴距離dは、上述したように二つの画像間の変化の度合いを表している。したがって、本願発明によれば、航空写真に基づく二つの画像データをそれぞれ同等サイズの小領域に分割し、それぞれ対応する小領域ごとの画像特徴距離dを算出することにより、精密に変化領域の抽出を行うことができる。以下に、変化領域抽出装置の構成について説明する。
【0035】
変化領域抽出装置2は、図4に示すように、ある年代において、任意の市街地を撮影した航空写真に基づいて生成された画像データ(以下、格納画像データという。)が格納されている画像データ格納部40と、当該航空写真が撮影された時期とは異なる時期に撮影された同一の市街地の航空写真に基づいて生成された入力画像データを所定のサイズの小領域に分割し、また、画像データ格納部40に格納されている格納画像データを所定のサイズと同等サイズの小領域に分割する小領域分割部41と、小領域分割部41により小領域に分割された入力画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出し、また、小領域分割部41により小領域に分割された格納画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出するフラクタルシーケンス演算部42と、フラクタルシーケンス演算部42により算出された、入力画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスと、格納画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスとに基づいて、対応する小領域ごとに画像特徴距離を算出する画像特徴距離演算部43と、画像特徴距離演算部43により算出された画像特徴距離に基づいて、市街地の変化領域を抽出する変化領域抽出部44とを備える。なお、小領域分割部41に入力される入力画像データは、フラクタル性のある画像データである。
【0036】
画像データ格納部40には、撮影年代の異なる市街地の航空写真に基づいて生成された画像データが格納されている。
【0037】
小領域分割部41は、フラクタル性を有する入力画像データを所定のサイズの小領域に分割する。また、小領域分割部41は、画像データ格納部40に格納されている格納画像データを読み出し、当該格納画像データを所定のサイズの小領域に分割する。
【0038】
フラクタルシーケンス演算部42は、小領域に分割された入力画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出する。また、フラクタルシーケンス演算部42は、小領域に分割された格納画像データを、小領域ごとにフラクタルシーケンスを算出する。
【0039】
画像特徴距離演算部43は、フラクタルシーケンス演算部42により算出された、入力画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスと、格納画像データの小領域ごとのフラクタルシーケンスとに基づいて、それぞれ対応する小領域ごとの画像特徴距離を算出する。
【0040】
ここで、フラクタルシーケンス検算部42と、画像特徴距離演算部43による一連の動作について説明する。
【0041】
フラクタルシーケンス演算部42は、一の画像データを図5(A)に示すように、大きさu×u[pixel]の小領域{pn}(但し、n=1,2,・・・L2)に分割し、それぞれのフラクタルシーケンスを求める。また、フラクタルシーケンス演算部42は、他の画像データを図5(B)に示すように、大きさu×u[pixel]の小領域{qn}(但し、n=1,2,・・・L2)に分割し、それぞれのフラクタルシーケンスを求める。
【0042】
そして、画像特徴距離演算部43は、一の画像データの小領域{p1}のフラクタルシーケンスと、小領域{p1}に対応する他の画像データの小領域{q1}のフラクタルシーケンスとに基づいて画像特徴距離dを算出し、順次、対応する位置にある小領域のフラクタルシーケンスに基づいて画像特徴距離d(但し、n=1,2,・・・L2)を算出する。
【0043】
変化領域抽出部44は、画像特徴距離演算部43により算出された小領域ごとの画像特徴距離dに基づいて、一定の値以上の画像特徴距離dになっている小領域のみを抽出し、抽出した小領域の光強度分布を算出する。変化領域抽出部44は、算出した値が一定値以上の小領域を変化領域として抽出する。
【0044】
また、小領域分割部41により、画像データを小領域に分割する際のサイズを設定するサイズ設定部45を備える構成であっても良い。なお、サイズ設定部45で設定されるサイズが小さい場合には、より精密にフラクタルシーケンスを求められるメリットがあるが、演算に時間が掛かってしまうデメリットがあり、一方、サイズを大きくすれば、演算時間は少なくて済むが、フラクタルシーケンスの値が大まかになってしまう。したがって、設定サイズは、どの程度の精密さが要求されるのかによって適宜決定される。
【0045】
<変化領域の抽出>
ここで、図6に示すように、過去の画像データの小領域{p}の内部にある大きさ[wp×hp]の建物が、現在の画像データの小領域{q}においては、大きさ[w×h]の建物に変化している場合を考える。
【0046】
一般に、地面と建物上部の光強度分布は、かなり異なるため、例えば、小領域の中央部から所定量だけx方向、y方向に沿って光強度分布を求めると、図6(A)及び図6(B)のように、地面と建物上部の境界で光強度分布は変化する。
【0047】
また、図6(C)には、過去の画像データの小領域{p}及び現在の画像データの小領域{q}について、x方向に沿って走査して求めた光強度分布の比較例をそれぞれ示す。
【0048】
したがって、光強度分布が異なる範囲(w≦x≦w)を調べることにより、変化している小領域を抽出することができる。
【0049】
このようにして、本発明に係る変化領域抽出装置2は、画像データにおいて、目視では判別しにくい小領域の変化を抽出することができるので、例えば、ある市街地において何らかの災害が発生した場合に、災害前の航空写真による画像データと、災害後の航空写真による画像データとに基づいて、小領域ごとの画像特徴距離d及び光強度分布を算出することにより、市街地の変化を迅速に検出することができ、災害場所の把握に利用することができる。
【0050】
また、本発明を応用すれば、例えば、ある場所の過去の航空写真による画像データと、同一場所の現在の航空写真による画像データとに基づいて、小領域ごとの画像特徴距離d及び光強度分布を算出し、変化があった小領域を抽出し、抽出された小領域に対応する画像データのみを更新することにより、地図の作成に役立てることができる。
【0051】
また、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な変更、置換又はその同等のものを行うことができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】小立方体の仮想体積を示す図である。
【図2】本発明を適用した形態分類装置の構造を示すブロック図である。
【図3】実際の航空写真に基づく画像データから画像特徴距離dを算出した結果を示す図である。
【図4】本発明を適用した変化領域抽出装置の構造を示すブロック図である。
【図5】フラクタルシーケンス演算部により行われる画像の分割の説明に供する図である。
【図6】変化領域の抽出を行う説明に供する図である。
【符号の説明】
【0053】
1 形態分類装置、2 変化領域抽出装置、10 比較画像データ格納部、11 フラクタルシーケンス演算部、12 画像特徴距離演算部、13 形態分類部、20 第1の形状の比較画像データ格納部、21 第2の形状の比較画像データ格納部、22 第3の形状の比較画像データ格納部、30 入力画像データ格納部、31 登録部、40 画像データ格納部、41 小領域分割部、42 フラクタルシーケンス演算部、43 画像特徴距離演算部、44 変化領域抽出部、45 サイズ設定部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5